説明

穿孔内の清掃方法及びその清掃装置

【課題】 穿孔内に存在する切り粉の完全除去を迅速にかつ簡易に行なうことが可能な穿孔内の清掃方法及びその清掃装置を提供する。
【解決手段】 穿った穴13内に液体を入れ超音波振動伝達部材16を介して超音波振動を伝達し、穴13内に存在している穿孔時の切り粉を液体中に混入させて除去する。ここで、超音波振動伝達部材16の基部側には穴13の開口部から液体が流出するのを防止するシール部材27が、超音波振動伝達部材16の先部には超音波振動吸収材26が配置されていることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穴を穿った際にその内部に存在している切り粉を除去する穿孔内の清掃方法及びその清掃装置に関する。ここで、穴を穿つ対象としては、例えば、コンクリート構造物、岩盤、岩石、煉瓦、木材等が挙げられる。
【背景技術】
【0002】
岩盤や構造物に穴を穿ち、穴内に空気をブローしてその内部を清掃し、マイクロスコープを挿入して穴の側面や底面の状態を直接観察することにより、岩盤や構造物の内部状態を検査する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、トンネルや高架橋等のコンクリート構造物のひび割れにセメントや樹脂等の注入材(補修材ともいう)を注入し補修を行なう際に、注入材を注入する注入穴とは別に確認穴、調査穴をコンクリート構造物に設け、注入材の注入前に確認穴及び調査穴内に内視鏡を挿入してコンクリート構造物の補修箇所の内部状況を観察すると共に、注入材の注入後に確認穴及び調査穴内に内視鏡を挿入し注入材の注入状態を観察する補修方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−41903号公報
【特許文献2】特開2003−184313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明において、岩盤や構造物中にひび割れが存在していると、穿った穴の側面や底面には内部に存在していたひび割れや微細空隙の開口部が現れるため、穿孔時に発生した切り粉の一部はひび割れや微細空隙の開口部から内部に進入する。そして、穿孔終了後、穴内に空気をブローすると、底に堆積した切り粉は容易に噴出させることができるが、ひび割れや微細空隙に進入した切り粉は除去することができない。このため、マイクロスコープを挿入して穴内を観察しても、穴の内面状態、ひび割れの存在、ひび割れの幅等の正確な観察ができないという問題が生じる。
また、特許文献2に記載された発明においても、異常箇所(すなわち、注入穴の周辺)に高圧空気を吹き付けて清掃することが記載されているが、注入穴の断面や底に現れたひび割れの開口部から進入した切り粉を完全に除去することは困難であると考えられる。このため、ひび割れに注入材を注入する際に進入した切り粉が障害になって、注入材の注入速度が小さくなって注入作業が長時間を要するようになったり、注入が阻害されるという問題が発生する。更に、確認穴、調査穴の断面や底に現れたひび割れの開口部にも切り粉が進入しているので、補修箇所の状況観察や、注入後の状況観察の精度が低下するという問題が生じる。
【0005】
そこで、穴内に空気をブローして底に堆積した切り粉を噴出させてから、穴内に水を注入しブラシにより内部を水洗して、ひび割れや凹部に進入した切り粉を除去するブラシ洗浄が行なわれている。しかしながら、ブラシ洗浄では清掃効率が悪く、しかも、水洗に長時間を要するという問題がある。また、穴内でブラシの先端が接触しない箇所が存在したり、幅の小さなひび割れではその内部にブラシの先端が進入できず、切り粉が除去できないという問題がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、穿孔内に存在する切り粉の完全除去を迅速にかつ簡易に行なうことが可能な穿孔内の清掃方法及びその清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う請求項1記載の穿孔内の清掃方法は、穿った穴内に液体を入れ超音波振動伝達部材を介して超音波振動を伝達し、前記穴内に存在している穿孔時の切り粉を該液体中に混入させて除去する。
穴内に入れた液体に超音波振動を伝達することで超音波振動に応じた液体の振動及び液体の直進流を発生させることができ、これらによって穴内に存在している切り粉を液体中に混入させて除去することができる。また、液体中にキャビテーションが発生するので、切り粉の液体中への混入を更に促進できる。
【0008】
請求項2記載の穿孔内の清掃方法は、請求項1記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動伝達部材には該超音波振動伝達部材の長手方向に沿って前記液体を通過させる流路が形成され、前記穴内への前記液体の供給は前記流路を介して行なう。
これによって、液体を穴内に供給したり排出するのに使用する配管を設ける必要がなくなる。ここで、流路としては、超音波振動伝達部材の内部に長手方向に沿って形成した孔や超音波振動伝達部材の側部に形成した溝を利用することができる。
【0009】
前記目的に沿う請求項3記載の穿孔内の清掃方法は、穴を穿った際にその内部に存在している切り粉を除去する穿孔内の清掃方法であって、
前記穴内に前記切り粉を噴出させるガスを吹込み、あるいは前記切り粉の吸引を行なって前記切り粉の一部を除去する第1工程と、
前記穴内に液体を入れ超音波振動伝達部材を介して超音波振動を伝達し、前記穴内に残留している前記切り粉を該液体中に混入させる第2工程と、
前記切り粉が混入している前記液体を前記穴内から排出する第3工程と、
前記穴内に内部を乾燥させるガスを吹込み該穴の開口部から噴出させながら該穴内の乾燥を行なう第4工程とを有する。
【0010】
穴内にガスを吹き込み穴の開口部から噴出するガス流に切り粉の一部を混入させることにより、あるいは穴内の切り粉を直接吸引して、除去し易い切り粉を穴内から短時間で除去することができる。穴内に液体を入れて超音波振動を加えることで、液体中に超音波振動に応じた振動及び直進流を発生させることができ、これらによって穴内に残留している切り粉を液体中に混入させることができる。また、超音波振動により液体中にキャビテーションが発生するので、切り粉の液体中への混入を更に促進できる。そして、切り粉が混入した液体を穴内から排出することにより、切り粉を穴内から除去することができる。
更に、穴内を乾燥させるガスを吹き込むことにより、穴内の液体を迅速に乾燥させることができ、次工程の作業(例えば、穴内の観察、注入材の注入作業)を直ちに開始することができる。ここで、穴内を乾燥させるガスは加温(例えば、40〜100℃)しておくことが好ましい。加温したガスを使用することで、乾燥時間を短縮することができ、作業効率を向上させることができる。
なお、切り粉を噴出させるガスと穴内を乾燥させるガスには、異なる種類のガスを使用することも同一種類のガスを使用するもできる。ここで、同一種類のガスとしては、例えば、空気を使用することができる。また、穴内に充填する液体としては、乾燥が比較的容易なものが好ましく、例えば、水を使用することができる。
【0011】
請求項4記載の穿孔内の清掃方法は、請求項3記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動伝達部材には該超音波振動伝達部材の長手方向に沿って前記液体を通過させる流路が形成され、前記穴内への前記液体の供給は前記流路を介して行なう。
これによって、穴内に液体を供給するのに使用する配管を設ける必要がなくなる。ここで、流路としては、超音波振動伝達部材の内部に長手方向に沿って形成した孔や超音波振動伝達部材の側部に形成した溝を利用することができる。
【0012】
請求項5記載の穿孔内の清掃方法は、請求項4記載の穿孔内の清掃方法において、前記穴内の内部を乾燥させる前記ガスの吹込みを前記流路を介して行なう。これによって、穴の内部を乾燥させるガスを穴内に供給するのに使用する配管を別途設ける必要がなくなる。
【0013】
請求項6記載の穿孔内の清掃方法は、請求項1〜5記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動伝達部材の基部側には前記穴の開口部から前記液体の一部又は全部が流出するのを防止するシール部材が設けられている。
これによって、穴内で液体を完全に保持したり、液体を穴内に供給しながら穴から切り粉が混入した液体を徐々に流出させるようにすることができる。また、穴内から流出した液体を回収し切り粉を除去した後、再度穴内に供給するようにしてもよい。
【0014】
請求項7記載の穿孔内の清掃方法は、請求項1〜6記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波放射部材の先部又は中間部には、超音波振動吸収材が配置されている。これによって、超音波振動伝達部材の先部が超音波振動吸収材を介して穴の内壁面に接触しても、穴の内壁面に超音波振動が伝播するのを防止できる。
【0015】
請求項8記載の穿孔内の清掃方法は、請求項1〜7記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動の周波数は20kHz以上で100kHz以下である。
超音波振動の周波数を20kHz以上で100kHz以下、好ましくは45kHz以上で55kHz以下にすることで、穴内の細部に存在する切り粉を液体中に容易に混入させることができる。なお、超音波振動の周波数が20kHz未満では、微細部分に存在する切り粉を液体中に混入させる作用が低下すると共に、可聴音領域に近づくため好ましくない。また、超音波振動の周波数が100kHzを超えると、超音波振動の相対的強度が低下し好ましくない。
【0016】
請求項9記載の穿孔内の清掃方法は、請求項1〜8記載の穿孔内の清掃方法において、前記穴はコンクリート構造物、岩盤、煉瓦、及びタイルのいずれか1の内部状態を検査する検査穴である。これによって、穿孔した検査穴に存在している切り粉を除去することができる。
【0017】
請求項10記載の穿孔内の清掃方法は、請求項1〜8記載の穿孔内の清掃方法において、前記穴はコンクリート構造物、岩盤、煉瓦、及びタイルのいずれか1に発生している欠陥に補修材を注入する注入穴である。これによって、注入穴に存在している切り粉を除去することができる。ここで、欠陥とは、例えば、ひび割れ、剥離、浮き、空洞を指す。
【0018】
前記目的に沿う請求項11記載の穿孔内の清掃装置は、穴を穿った際に該穴の内部に存在している切り粉を除去する穿孔内の清掃装置であって、
前記穴内に装入されて液体を供給する配管部材を備えた液体充填部と、
前記穴内に前記配管部材と共に装入され該穴内に充填された前記液体に超音波振動を伝達る超音波振動伝達部材と、
前記超音波振動伝達部材の基部に取付けられ該超音波振動伝達部材に前記超音波振動を与える超音波振動子と、
前記超音波振動子を駆動する高周波電力を供給する電源部とを有する。
このような構成とすることにより、穴内に充填した液体中に超音波振動に応じた振動及び直進流を発生させることができ、これらによって穴内に残留している切り粉を液体中に混入させることができる。また、超音波振動により液体中にキャビテーションが発生するので、穴内に残留している切り粉の液体中への混入を更に促進できる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1及びこれに従属する請求項2、6〜10記載の穿孔内の清掃方法、及び請求項11記載の穿孔内の清掃装置においては、穴内に液体を入れて超音波振動を加え、穴内に存在している切り粉を液体中に混入させるので、穴内の微細部分に存在する切り粉、例えば、穴の内面に現れたひび割れや微細空隙の開口部から進入した切り粉を短時間に完全除去することが可能になる。
【0020】
特に、請求項2記載の穿孔内の清掃方法においては、超音波振動伝達部材には超音波振動伝達部材の長手方向に沿って液体を通過させる流路が形成され、穴内への液体の供給は流路を介して行なうので、穴内に液体を供給するのに使用する配管を設ける必要がなくなり、超音波振動伝達部材を穴に装入するのが容易になる。
【0021】
請求項3及びこれに従属する請求項4〜10記載の穿孔内の清掃方法においては、穴内から除去し易い切り粉を事前に取り除いてから穴内に液体を入れて超音波振動を加え、穴内に存在している切り粉を液体中に混入させるので、穴内の微細部分に存在する切り粉、例えば、穴の内面に現れたひび割れや微細空隙の開口部から進入した切り粉の除去を効率的に行なうことが可能になる。また、穴内の液体を迅速に乾燥させて次工程の作業を直ちに開始することができ、工期の縮小が可能になる。
【0022】
特に、請求項4記載の穿孔内の清掃方法においては、超音波振動伝達部材には超音波振動伝達部材の長手方向に沿って液体を通過させる流路が形成され、穴内への液体の供給は流路を介して行なうので、液体を供給するのに使用する配管を設ける必要がなくなり、作業の効率化を図ることが可能になる。更に、超音波振動伝達部材の取り扱いも便利となり、超音波振動伝達部材を穴に装入するのが容易となる。
【0023】
請求項5記載の穿孔内の清掃方法においては、穴内の内部を乾燥させるガスの吹込みを流路を介して行なうので、穴の内部を乾燥させるガスを穴内に供給するのに使用する配管を別途設ける必要がなくなり、作業の効率化を更に図ることが可能になる。
【0024】
請求項6記載の穿孔内の清掃方法においては、超音波振動伝達部材の基部側には穴の開口部から液体の一部又は全部が流出するのを防止するシール部材が設けられているので、穴内を液体で充填状態に保持することができ、水平方向に穿った穴、上向きに穿った穴に対しても切り粉を除去することが可能になる。
【0025】
請求項7記載の穿孔内の清掃方法においては、超音波振動伝達部材の先部又は中間部には、超音波振動吸収材が配置されているので、穴の内壁面に超音波振動が伝播するのが防止でき、超音波振動による穴内の部分的な破壊を防止することが可能になる。
【0026】
請求項8記載の穿孔内の清掃方法においては、超音波振動の周波数は20kHz以上で100kHz以下であるので、穴内の細部に存在する切り粉を液体中に混入させることができ、例えば、穴の内面上に現れたひび割れや微細空隙内に進入している切り粉を効率的に除去することが可能になる。
【0027】
請求項9記載の穿孔内の清掃方法においては、穴はコンクリート構造物、岩盤、煉瓦、及びタイルのいずれか1の内部状態を検査する検査穴であるので、検査穴に存在している切り粉を除去することができ、例えば、ボアホールカメラ、内視鏡等の画像取り込み手段で検査穴の内面を支障なく観察することが可能になる。その結果、コンクリート構造物、岩盤、煉瓦、及びタイルの内部状態(例えば、ひび割れの存在、気泡の大きさと分布状況、コンクリート構造物におけるコールドジョイントの状況、ひび割れ等の欠陥に注入した補修材の状況)を正確かつ容易に把握することが可能になる。
【0028】
請求項10記載の穿孔内の清掃方法においては、穴はコンクリート構造物、岩盤、煉瓦、及びタイルのいずれか1に発生している欠陥に補修材を注入する注入穴であるので、注入穴に存在している切り粉を除去することができ、例えば、穿孔時に欠陥内に進入した切り粉を除去することが可能になる。その結果、注入穴から補修材を欠陥内に短時間で多量に注入することができると共に、形成する注入穴の個数を減少させることができ、工期短縮とコストダウンが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る穿孔内の清掃装置の説明図、図2は本発明の一実施の形態に係る穿孔内の清掃方法の手順を示す説明図、図3は同穿孔内の清掃方法に使用するガス吹込み手段の説明図である。
【0030】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る穿孔内の清掃装置10は、ひび割れ11が存在するコンクリート構造物12に補修材を注入するために穿孔された穴の一例である注入穴13内に装入されて、液体の一例である水を供給する配管部材14を備えた液体充填部15と、注入穴13内に配管部材14と共に装入され注入穴13内に充填された水に超音波振動を伝達する超音波振動伝達部材の一例であるホーン16を有している。更に、穿孔内の清掃装置10は、ホーン16の基部に取付けられホーン16に超音波振動を与える超音波振動子17と、超音波振動子17を駆動する高周波電力を供給する電源部18を有している。以下これらについて、詳細に説明する。
【0031】
液体充填部15は、水を貯留する水タンク19と、水タンク19を超音波振動子17のハウジング20の外周に固定する固定部材21と、水タンク19の底部に設けられた開閉弁付きの底蓋22に接続された配管部材14を有している。
ここで、配管部材14は、底蓋22に接続され可撓性を有する上流側ホース23と、剛性を備え基部側がホーン16の中央部位置に固定されて上流側ホース23に接続されると共に、ホーン16の外周面をその軸方向に沿ってホーン16の先部側まで伸びる下流側ホース24を備えている。また、水タンク19の上部には流出した水の体積に相当する空気を水タンク19内に流入させる空気孔25が設けられている。なお、空気孔25から加圧したガス(例えば空気)を水タンク19内に供給して、圧力によって水を流出させるようにしてもよい。
【0032】
ホーン16は、超音波振動の吸収程度を示す機械損失が小さな、例えば真鍮製の棒状体である。ここで、注入穴13の一般的な寸法は、例えば、内径が5〜20mm、深さが50〜200mmであるので、ホーン16の長さは、例えば、100〜250mm、先部側の外径は、例えば、3〜10mmである。そして、超音波振動子17からの超音波振動を効率的に導入するために、ホーン16の基部側の寸法は、超音波振動子17の振動面と実質的に同一の大きさにするのが好ましい。
また、ホーン16の先部の周囲には、超音波振動吸収材の一例であるビニール製のスリーブ26が取付けられている。更に、ホーン16の基部側には、ホーン16及びホーン16の外周面上にその軸方向に沿って設けられた下流側ホース24に密着し、ホーン16が注入穴13に装入された際に、その外面側が注入穴13の開口部の内周面に密着する、例えば、スポンジ製のシール部材27が設けられている。シール部材27により注入穴13の開口部から水の一部又は全部が流出するのを防止できる。なお、スポンジ製のシール部材27の代りに、可撓性を有する、例えば、ゴム製の蛇腹状のシール部材を使用することもできる。
【0033】
超音波振動子17には、周波数が20kHz以上で100kHz以下、好ましくは30kHz以上で70kHz以下、更に好ましくは45kHz以上で55kHz以下、出力が50W以上で150W以下、好ましくは80W以上で120W以下である、例えば、ボルト締めランジュバン型電歪振動子を使用することができる。これによって、ホーン16をボルトで超音波振動子17に接続することができ、ホーン16から超音波振動を放出することができる。
電源部18は、発信させようとする超音波の周波数及び出力に応じた高周波電力を超音波振動子17に与える高周波回路部と、高周波回路部を動作する電力供給部を有している。ここで、電力供給部を小型バッテリーと直流を交流に変換する変換器で構成するのがよい。これによって、穿孔内の清掃装置10を可搬性とすることができる。
【0034】
次に、本発明の一実施の形態に係る穿孔内の清掃方法について説明する。
先ず、図2(A)に示すように、ひび割れ11が存在するコンクリート構造物12に補修材を注入する注入穴13(例えば、内径が5〜20mm、深さが50〜200mm)を、例えばドリル28で穿孔する。
そして、図2(B)に示すように、ガス吹込み手段29を用いて、切り粉を噴出させるガスの一例である空気を吹込み、注入穴13内に存在している切り粉の一部をガス流に混入させて注入穴13の開口部から噴出させて外部に取り出す(以上、第1工程)。
ここで、ガス吹込み手段29は、図3に示すように、例えば、空気を吸気口30から吸い込んで排出口31から吹き出す小型バッテリー32を搭載した可搬式のブロワ本体33と、排出口31に接続される可撓性のチューブ34と、チューブ34の先部に接続され注入穴13内に装入されて空気をその内部に吹き出す穴内装入ノズル35を有している。
【0035】
次いで、図2(C)に示すように、水タンク19内に水を貯留した穿孔内の清掃装置10のホーン16を下流側ホース24と共に注入穴13内に装入し、ホーン16の先端部と注入穴13の底部との距離が、例えば、10〜20mmになるように位置決めし、注入穴13の開口部にシール部材27を押し込む。そして、底蓋22の開閉弁をあけて水タンク19に貯留されている水を注入穴13内に供給する。
ここで、注入穴13の開口部がシール部材27によりシールされているので、注入穴13内が水で充填されると水タンク19からの水の供給は自動的に停止する。また、注入穴13内の水がコンクリート構造物12中にしみ込んでも、水タンク19から水が自動的に補充される。
【0036】
続いて、電源部18から高周波電力を超音波振動子17に供給して超音波振動子17を駆動させ、ホーン16から注入穴13内に充填されている水に周波数が30〜70kHz、好ましくは45〜55kHz以下、出力が50〜150W以下、好ましくは80〜120W以下の超音波振動を、所定時間、例えば、2〜3分間与える。
これによって、注入穴13内の水中には超音波振動に応じた振動及び直進流が発生して、注入穴13の内面に付着している切り粉を浮き上がらせて水中に混入させて行く。また、超音波振動により水中にキャビテーションが発生して、注入穴13の内面に現れたひび割れ11の開口部からひび割れ11内に進入した切り粉や、穿孔時に内面上に形成された凹部に進入した切り粉を注入穴13側から離脱させて水中に混入させて行く(以上、第2工程)。
【0037】
ここで、ホーンには、先端部からのみ超音波振動が放出されるタイプと、全体から超音波振動が放出されるタイプがあるが、本発明に使用するホーン16にはいずれのタイプのホーンでも使用できる。ただし、先端部からのみ超音波振動が放出されるホーン16を使用する場合は、切り粉を効率的に水中に混入させるには、ホーン16を注入穴13内で軸方向に進退させることが必要になる。このため、注入穴13の長さが大きな場合、全体から超音波振動が放出されるホーン16を使用すると、注入穴13内でホーン16を移動させる必要がないため、超音波振動を加える時間を短縮しても切り粉を効率的に水中に混入させることができる。
なお、ホーン16の先部の周囲にはスリーブ26が取付けられているため、ホーン16を進退させた際にホーン16の先部が注入穴13の内面に直接接触するのが防止される。
【0038】
所定時間ホーン16を介して超音波振動を注入穴13内の水に与えた後、図2(D)に示すように、穿孔内の清掃装置10を注入穴13から取り外し、注入穴13内に排水手段の一例である手動ポンプ36を装入して、切り粉が混入している水を注入穴13内から排出する(以上、第3工程)。
次いで、図2(E)に示すように、ガス吹込み手段29を用いて、注入穴13の内部を乾燥させるガスの一例である空気を吹込み、注入口13の開口部から噴出させながら、注入穴13内に存在している水を強制的に乾燥させる(以上、第4工程)。
以上の工程を経ることにより、注入穴13の穿孔時に発生した切り粉を注入穴13内から完全に除去することができ、例えば、図2(F)に示すように、内視鏡37を注入穴13に装入して注入穴13の内面に現れているひび割れ11や微細空隙の状態を容易に観察することができる。
【実施例】
【0039】
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。ここで、図4は本発明の実施例1、2及び従来例1で使用した模擬ひび割れ試験体の説明図、図5は本発明の実施例に係る穿孔内の清掃方法を適用した切り粉の除去手順を示す説明図、図6は実施例1及び従来例1における切り粉の除去結果の評価方法の説明図、図7は実施例1及び従来例1における切り粉の除去評価の結果を示すグラフ、図8は実施例2の清掃後の注入穴の側面において観察されたコンクリート構造物の組織を示す写真、図9は従来例2の清掃後の注入穴の側面において観察されたコンクリート構造物の組織を示す写真である。
【0040】
図4に示すように、透明アクリル製の模擬ひび割れ試験体38の模擬ひび割れ39に切り粉を充填して、実施例1及び2の穿孔内の清掃方法と従来例1のブラシ洗浄を用いた清掃方法をそれぞれ適用し、模擬ひび割れ39からの切り粉の除去程度を比較した。
模擬ひび割れ試験体38は、対向する2つのブロック40、41を複数のボルト42(図4では7本)を介して一体化されるように構成されており、各ブロック40、41の対向面側の中央部には断面が直径15mmの半円形状で長さが108mmの凹部43、44が形成され、凹部43、44の各開口部縁から、例えば20mm離れた位置には凹部43、44の開口部縁を囲むように溝部45、46がそれぞれ形成されている。
【0041】
そして、例えば、ブロック41の溝部46内にゴム製パッキン47を一端側が突出するように配置し、ブロック41の対向面上に複数のスペーサ48(図4では4枚)を分散させて並べブロック40の溝部45内にゴム製パッキン47の一端側が収納されるように被せ、ボルト42でブロック40、41を一体化する。このとき、各ブロック40、41の間にはスペーサ48が存在しているため、スペーサ48の厚みに相当する距離だけ各ブロック40、41の間に隙間、すなわち模擬ひび割れ39が形成されると共に、凹部43、44によって穴49も形成される。
【0042】
[実施例1]
ここで、図5(A)に示すように、ブロック41の溝部46内にゴム製パッキン47を配置し、ゴム製パッキン47の内側に切り粉50(コンクリート構造物12にドリル28を用いて穿孔し、そのときに発生した切り粉を回収したもの)を一様に盛ってからブロック40を被せてボルト42で締め込み一体化することにより、模擬ひび割れ39内に切り粉50を充填した。なお、スペーサ48の厚みは0.05、0.1、0.2、0.5、1.0mmの5段階に調整した。
そして、図5(B)に示すように模擬ひび割れ試験体38を垂直に立てて、水タンク19内に水を貯留した穿孔内の清掃装置10のホーン16を下流側ホース24と共に穴49内に装入し、ホーン16の先端部と穴49の底部との距離を20mmに位置決めし穴49の開口部にシール部材27(図5では図示せず)を押し込む。そして、底蓋22の開閉弁をあけて水タンク19に貯留されている水を穴49内に供給した。
【0043】
続いて、図5(C)に示すように、電源部18から高周波電力を超音波振動子17に供給して超音波振動子17を駆動させ、ホーン16から穴49内に充填されている水に周波数が40kHz、出力が50Wの超音波振動子17から超音波振動を、30〜180秒間の所定時間(以下、洗浄時間という)にわたって与えた。このとき、ホーン16を穴49内で軸方向に、ホーン16の先部と穴49の底部との距離が20〜70mmの範囲で変動するように進退させた。
そして、洗浄時間終了後、水を手動ポンプ36で吸引し、図6に示すように、模擬ひび割れ試験体38を水平に配置して、穴49の内面から2mm以上切り粉50が除去された箇所の模擬ひび割れ39に沿った長さを測定してその総和長を算出し、総和長の大小で切り粉50の除去評価を行なった。その結果を図7に示す。
【0044】
[従来例1]
実施例1と同様にスペーサ48の厚みを5段階に調整した模擬ひび割れ試験体38の模擬ひび割れ39内に切り粉50を充填し、この模擬ひび割れ試験体38を垂直に立てて穴49内に水を注入した。
次いで、先端直径が0.1mmの毛先を備えた歯ブラシを用いて、実施例1と同様の洗浄時間にわたって模擬ひび割れ39に沿って擦った。その後、水を手動ポンプで吸引し、模擬ひび割れ試験体38を水平に配置して、穴49の内面から2mm以上切り粉50が除去された箇所の模擬ひび割れ39に沿った長さを測定しその総和長を算出した。結果を図7に示す。
実施例1では、模擬ひび割れ39の幅に関係なく、洗浄時間の増加に伴って総和長がほぼ一定の割合で直線的に増加している。これは、超音波振動の供給エネルギーに比例して切り粉50の除去効果が得られることを示している。一方、従来例1では、模擬ひび割れ39の幅が0.2mm以下になると、模擬ひび割れ39内に歯ブラシの毛先が入り難くなり切り粉50の除去能力が大幅に低下した。
【0045】
[実施例2]
ひび割れが存在するコンクリート構造物に補修材を注入するための注入穴(内径14.5mm、深さ100mm)をドリルで穿孔し、ガス吹込み手段29を用いて空気を注入穴内に吹込み注入穴内に存在している切り粉の一部を注入穴の開口部から外部に噴出させた。
次いで、穿孔内の清掃装置10のホーン16を下流側ホース24と共に注入穴内に装入し、ホーン16の先端部と注入穴の底部との距離が10mmになるように位置決めし、注入穴の開口部にシール部材27を押し込んだ。そして、底蓋22の開閉弁をあけて水タンク19に貯留されている水を注入穴内に供給した。
【0046】
続いて、電源部18から高周波電力を超音波振動子17に供給して、周波数50kHz、出力100Wの超音波振動を2分間与えた。このとき、ホーン16を注入穴内で軸方向に、ホーン16の先部と注入穴の底部との距離が10〜70mmの範囲で変動するように進退させた。
次いで、穿孔内の清掃装置10を注入穴から取り外し、手動ポンプ36を装入して切り粉が混入している水を注入穴内から排出し、ガス吹込み手段29を用いて空気を注入穴内に吹込み内部を乾燥させた。
注入穴の乾燥が終了した後、内視鏡37を注入穴に装入しその内面状態を観察した。その結果を図8に示す。注入穴の内面はきれいに清掃され、0.1mm程度の細骨材、気泡、ひび割れ等の内部状態を容易に把握することができ、更に、ひび割れの幅の測定も可能であることが確認できた。
【0047】
[従来例2]
実施例2で使用したコンクリート構造物にドリルで同様の注入穴を穿孔し、ガス吹込み手段を用いて空気を注入穴内に吹込み注入穴内に存在している切り粉の一部を注入穴の開口部から外部に噴出させた。
次いで、注入穴内に水を充填し、先端直径が0.1mmの毛先を備えた歯ブラシを用いて、2分間にわたって注入穴の全内面を均一に擦って清掃した。続いて、手動ポンプを装入して切り粉が混入している水を注入穴内から排出し、ガス吹込み手段を用いて空気を注入穴内に吹込み内部を乾燥させた。
注入穴の乾燥が終了した後、内視鏡を注入穴に装入しその内面状態を観察した。その結果を図9に示す。注入穴の内面には切り粉が残留しており、細骨材及び気泡の確認はできず、ひび割れについては注入穴の上部側の領域で僅かに確認できるだけであった。
【0048】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の穿孔内の清掃方法及びその清掃装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、ガス吹込み手段を用いて空気を注入穴内に吹き込んで切り粉の一部を注入穴の開口部から外部に噴出させることにより除去するようにしたが、真空ポンプ等の吸引手段で注入穴内の切り粉を直接吸引して除去するようにしてもよい。
穴内を乾燥させるガスに常温の空気を使用したが、加温(例えば、50〜150℃)した空気を使用してもよい。これによって、乾燥時間を短縮することができる。更に、穴内に充填する液体に水を使用したが、メチルアルコール、エチルアルコール等の有機溶剤を使用してもよい。これによって、穿孔時に穴内に付着した油脂分を除去できると共に乾燥時間を短縮することができる。
【0049】
実施の形態ではひび割れが存在するコンクリート構造物に補修材を注入するために穿孔した注入穴の場合について説明したが、注入後の補修状況を確認するために穿孔する検査穴、あるいはコンクリート構造物の内部状態を検査するために穿孔する検査穴についても同様に適用できる。
水タンク内の水を上、下流側ホースを用いて注入穴に供給したが、下流側ホースの代りに流路として、超音波振動伝達部材の内部に長手方向に沿って水を通過させる孔を形成し、この孔に上流側ホースを接続して注入穴に水を供給するようにしてもよい。注入穴から切り粉が混入した水を排出するのに手動ポンプを使用したが、この孔から上流側ホースを取り外して吸引ポンプを接続して水を排出してもよい。また、孔の代りに超音波振動伝達部材の側部に溝を形成し、この溝を介して上流側ホースから供給される水を注入穴に供給してもよいし、この溝を介して吸引ポンプで水を排出してもよい。
更に、注入孔に穴内装入ノズルを装入して空気を吹込み注入孔内を乾燥させたが、超音波振動伝達部材に形成した孔(溝)の上流側にガス吹込み手段の排出口に設けられたチューブを介して空気を供給し注入孔に吹き込んでもよい。
また、超音波振動吸収材を超音波振動伝達部材の中間部に配置してもよい。更に、穴はコンクリート構造物以外に、岩盤、煉瓦、及びタイルのいずれか1の内部状態を検査する検査穴であってもよいし、岩盤、煉瓦、及びタイルのいずれか1に発生している欠陥に補修材を注入する注入穴であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施の形態に係る穿孔内の清掃装置の説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る穿孔内の清掃方法の手順を示す説明図である。
【図3】同穿孔内の清掃方法に使用するガス吹込み手段の説明図である。
【図4】本発明の実施例1、2及び従来例1で使用した模擬ひび割れ試験体の説明図である。
【図5】本発明の実施例1に係る穿孔内の清掃方法を適用した切り粉の除去手順を示す説明図である。
【図6】実施例1及び従来例1における切り粉の除去結果の評価方法の説明図である。
【図7】実施例1及び従来例1における切り粉の除去評価の結果を示すグラフである。
【図8】実施例2の清掃後の注入穴の側面において観察されたコンクリート構造物の組織を示す写真である。
【図9】従来例2の清掃後の注入穴の側面において観察されたコンクリート構造物の組織を示す写真である。
【符号の説明】
【0051】
10:穿孔内の清掃装置、11:ひび割れ、12:コンクリート構造物、13:注入穴、14:配管部材、15:液体充填部、16:ホーン、17:超音波振動子、18:電源部、19:水タンク、20:ハウジング、21:固定部材、22:底蓋、23:上流側ホース、24:下流側ホース、25:空気孔、26:スリーブ、27:シール部材、28:ドリル、29:ガス吹込み手段、30:吸気口、31:排出口、32:小型バッテリー、33:ブロワ本体、34:チューブ、35:穴内装入ノズル、36:手動ポンプ、37:内視鏡、38:模擬ひび割れ試験体、39:模擬ひび割れ、40、41:ブロック、42:ボルト、43、44:凹部、45、46:溝部、47:ゴム製パッキン、48:スペーサ、49:穴、50:切り粉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿った穴内に液体を入れ超音波振動伝達部材を介して超音波振動を伝達し、前記穴内に存在している穿孔時の切り粉を該液体中に混入させて除去することを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項2】
請求項1記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動伝達部材には該超音波振動伝達部材の長手方向に沿って前記液体を通過させる流路が形成され、前記穴内への前記液体の供給は前記流路を介して行なうことを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項3】
穴を穿った際にその内部に存在している切り粉を除去する穿孔内の清掃方法であって、
前記穴内に前記切り粉を噴出させるガスを吹込み、あるいは前記切り粉の吸引を行なって前記切り粉の一部を除去する第1工程と、
前記穴内に液体を入れ超音波振動伝達部材を介して超音波振動を伝達し、前記穴内に残留している前記切り粉を該液体中に混入させる第2工程と、
前記切り粉が混入している前記液体を前記穴内から排出する第3工程と、
前記穴内に内部を乾燥させるガスを吹込み該穴の開口部から噴出させながら該穴内の乾燥を行なう第4工程とを有することを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項4】
請求項3記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動伝達部材には該超音波振動伝達部材の長手方向に沿って前記液体を通過させる流路が形成され、前記穴内への前記液体の供給は前記流路を介して行なうことを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項5】
請求項4記載の穿孔内の清掃方法において、前記穴内の内部を乾燥させる前記ガスの吹込みを前記流路を介して行なうことを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動伝達部材の基部側には前記穴の開口部から前記液体の一部又は全部が流出するのを防止するシール部材が設けられていることを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動伝達部材の先部又は中間部には、超音波振動吸収材が配置されていることを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の穿孔内の清掃方法において、前記超音波振動の周波数は20kHz以上で100kHz以下であることを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の穿孔内の清掃方法において、前記穴はコンクリート構造物、岩盤、煉瓦、及びタイルのいずれか1の内部状態を検査する検査穴であることを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の穿孔内の清掃方法において、前記穴はコンクリート構造物、岩盤、煉瓦、及びタイルのいずれか1に発生している欠陥に補修材を注入する注入穴であることを特徴とする穿孔内の清掃方法。
【請求項11】
穴を穿った際に該穴の内部に存在している切り粉を除去する穿孔内の清掃装置であって、
前記穴内に装入されて液体を供給する配管部材を備えた液体充填部と、
前記穴内に前記配管部材と共に装入され該穴内に充填された前記液体に超音波振動を伝達る超音波振動伝達部材と、
前記超音波振動伝達部材の基部に取付けられ該超音波振動伝達部材に前記超音波振動を与える超音波振動子と、
前記超音波振動子を駆動する高周波電力を供給する電源部とを有することを特徴とする穿孔内の清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−22540(P2006−22540A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200969(P2004−200969)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年3月1日 社団法人土木学会西部支部発行の「平成15年度 土木学会西部支部年次学術講演会講演概要集」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年2月19日 佐賀大学主催の「理工学部都市工学科卒業論文審査会」において文書をもって発表
【出願人】(503208378)ビルドメンテック株式会社 (5)
【Fターム(参考)】