説明

穿孔装置

【課題】筒状ドリルを改善することにより、切削効率を高めて切削コアを確実にくり抜き切り屑詰まりを防止し、また、それに加えて集塵機能を改善することにより、切削コアを含む切り屑の吸引効率を高めた穿孔集塵システムとするものである。
【解決手段】駆動源10,20により回転する主軸を中空主軸12とし、その中空主軸12の先端にチャック16を介して筒本体の先端に刃部106を有する筒状ドリル101を取り付け、前記中空主軸12内の通路12o後端に集塵機構50を連結し、前記駆動源で中空主軸を介して筒状ドリルを回転させながら被削材を穿孔することにより、発生する切り屑および切削コアが前記中空主軸内の通路12oを通して集塵機構50へ吸引回収されるようにし、前記筒状ドリル101は、前記筒本体の軸心と筒本体の先端面に開口する孔部103の軸線が偏心して構成されていること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は穿孔装置に関し、詳しくは筒状ドリルを使用した穴あけ加工用であって、被削材(ワーク)が繊維強化複合材料、特に航空機の主翼素材や車両用の車体素材であるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの非金属材料、あるいはAl合金等の穴あけ加工に好適な穿孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、CFRP素材にドリル穿孔する場合は、加工中に切断された微細な炭素繊維が切削粉となって切り屑に大量に混在し、それが作業場に飛散した場合には作業環境を著しく悪化することになる。そのため、作業者が防塵服や防塵マスクを着用するなどの対応をしているが、人体に有害な炭素繊維の微粉であることから、より確実な切り屑の回収が要請されている。
従来、作業環境を改善する目的で、中空状の機械主軸(スピンドル)の先端に筒状ドリルを取り付け、穿孔加工中に生成される切り屑を筒状ドリルのシャンクと機械主軸の中空部(吸引孔)を通して集塵機へ吸引回収する工具が提案されていた(特許文献1)。
また、同じく筒状ドリルを使用する工具において、切り屑の発生量を低減させるために、筒状ドリルで被削材をくり抜き、そのくり抜かれた切削コアがドリル孔を通して真空吸引装置で吸引されるようにすることも提案されていた(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2−35653号全文公報
【特許文献2】特開平2−237707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1および特許文献2のような従来技術においては、機械主軸の中空部に接続された集塵機により切り屑を吸引回収することが説明されているが、切り屑の確実な吸塵は困難である。
すなわち、従来技術にあっては、集塵機からの吸引力によりドリル刃部まわりから外気を導入することにより吸引作用が生起されるものであるため、穿孔の初期は切り屑が筒状ドリルに吸引されるかも知れないが、穿孔が進みドリル刃部が被削材に入るに従い吸引力が低下することになるため、切り屑がドリル周りに溢れ出るので実用性に乏しいものである。
【0005】
特に、特許文献2のような最後に切削コアがくり抜かれる工具においては、その切削コアを吸引装置で切り屑と共に吸引することは著しく困難である。
すなわち、特許文献2の図3に記載されるように、チップ13の内側が孔10aの内周面より軸心O側に突出しているので穿孔中に発生した切り屑が孔10aのチップ13近傍に詰まる状況(切り屑詰まり)が生じ易く、それに伴って切削効率が低下するとともに切削抵抗が増大して刃部が折損するという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記従来不具合を解消すべく穿孔加工中に発生する切削コアを含めた切り屑を確実に集塵回収することが可能な穿孔装置を提供することを目的とする。併せて使用上の実用性が高い穿孔装置とするものである。
具体的には、筒状ドリルを改善することにより、切削効率を高めて切削コアを確実にくり抜き、切り屑詰まりを防止し、また、それに加えて集塵機能を改善することにより、切削コアを含む切り屑の吸引効率を高めた穿孔集塵システムとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯る本発明の穿孔装置は、駆動源により回転する主軸を中空主軸とし、その中空主軸の先端にチャックを介して先端に刃部を有する筒状ドリルを取り付け、前記中空主軸内の通路後端に集塵機構を連結し、前記駆動源で中空主軸を介して筒状ドリルを回転させながら被削材を穿孔することにより、発生する切り屑および切削コアが前記中空主軸内の通路を通して集塵機構へ吸引回収されるようにし、前記筒状ドリルが、軸心回りに回転される筒本体と、その筒本体の先端面に開口する孔部と、その孔部および前記筒本体の外周面により形成される壁部と、その壁部の先端面から切欠され前記孔部に連通する切欠部と、その切欠部が前記壁部の先端面に交わる部位に形成または保持される刃部とを備え、かつ、前記刃部は、軸心方向の先端に形成される底刃と、その底刃の内側端部を通りつつ、すくい面と稜線を介して交わる内側側面とを備え、前記内側側面は、前記底刃の内側端部を通る回転軌跡を円筒底面とし前記軸心に沿う仮想の内筒側面に対して、前記筒本体の回転反対方向に向かうにつれて離れる方向に傾斜していることを特徴とする(請求項1)。
本発明によれば、回転する底刃によってくり抜かれる被削材(切削コア)は、底刃の内側端部の回転軌跡を円筒底面とし軸心に沿う円筒側面をもった円筒状(短円柱状)に形成されるが、前記刃部の構造、すなわち底刃の内側側面の傾斜によって、切削コアを刃部の回転反対方向に排出し易くして切り屑詰まりを防止する。
【0008】
上記筒本体の軸心は、前記孔部の軸線とずれて構成させることが好ましく(請求項2)、それにより、刃部によりくり抜かれる切削コアと筒本体の壁部の間に隙間が形成されるので切削コアの流動性、排出性を高める。また、筒状ドリルの切削性を高め、かつ刃部の耐久性をたかめるために、上記筒状ドリルの刃部は、前記壁部の最も厚い部位に形成または保持されているようにする(請求項3)。
そして、上記筒状ドリルによれば、切削コアの流動・排出性が改善されるので、該切削コアを含む切り屑の吸引を補助する圧縮空気の給気を省略することも可能になり、その場合には、上記中空主軸を単筒構造とすることもよい。すなわち、上記中空主軸が単筒構造からなり、その単筒主軸の先端にチャックを介して前記筒状ドリルが取り付けられ、単筒主軸の後端に集塵機構が連結されている構成とする(請求項4)。
【0009】
しかしながら、上記切り屑のより高い集塵性を確保するためには、圧縮空気を送気する給気機構を組み入れることも任意であり、その実施形態の一つとして2重筒構造(2重筒主軸)を採用する。すなわち、上記中空主軸が内通路と外通路からなる2重筒構造からなり、その2重筒主軸の先端にチャックを介して先端に前記筒状ドリルが取り付けられ、前記主軸の外通路に圧縮空気を送り込む給気機構を連結するとともに内通路の後端に集塵機構を連結し、前記外通路を介して送気される圧縮空気をドリル刃部まわりから内通路へ吸気しながら被削材を穿孔することにより、発生する切り屑および切削コアが内通路を通して集塵機構へ吸引回収されるようにする(請求項5)。
【0010】
本発明の実施形態(請求項5)によれば、駆動源により回転する筒状ドリルが被削材(ワーク)を切り込みながら穿孔加工するときに、給気機構より給気された圧縮空気がドリル刃部の周壁から筒状ドリル内へ圧送されるので、主軸の内通路を介して筒状ドリル内に生じる吸引力と相俟って、穿孔時の切り込みにより発生する微細な切り屑が主軸の内通路を通して集塵機構へ吸引回収される。そして、穿孔加工の進行により被削材がドリル刃部によりくり抜かれ、穿孔完了時にはくり抜かれた芯材である前記切削コアが形成されるが該切削コアもまた切り屑と共に筒状ドリル内から内通路を通して集塵機構へ回収される。
【0011】
一方、上記駆動源は、単筒主軸または二重筒主軸を回転させる回転モータであれば特に種類や構造に制約されるものではないが、装置の小型化を考慮すれば、装置のハウジング内に配設される中空モータを採用することが好ましく、その場合には、中空モータのロータに前記単筒主軸または2重筒主軸を回転可能に組み込むようにする(請求項6)。
また、好ましい実施形態として駆動源は前記中空モータと送りモータの組み合せがよく、それにより被削材の厚さや材質等に対応した自動送りが可能である。その中空モータと送りモータとの組み合せにおいては、両モータを同軸上に配設してコンパクトな構造とし、或いは製作性を考慮して、送りモータが前記中空モータに近接する下位に配設された構造とし、いずれの構造においても、その送りモータの駆動により送り機能により中空モータを進退動させて中空主軸および筒状ドリルをピッチ送りするようにする(請求項7)。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、筒状ドリルの改良形状により、被削材からくり抜かれる切削コアは、筒本体の壁部との間に隙間が形成され、また刃部の回転反対方向に排出され易くなり、切削コアの流動性、排出性を高めるので切り屑詰まりが防止される。したがって、切り屑の吸引を補助する圧縮空気の給気を省略した単筒主軸の採用も可能になる。
一方、中空主軸を改善する2重筒主軸を採用すれば、その2重筒主軸の外通路から筒状ドリルのドリル刃部まわりへ圧縮空気を給気することにより、穿孔加工時に発生する切り屑および切削コアを確実に筒状ドリル内へ送り込むので、中空主軸の内通路の吸引機能を強化して集塵効果を高め作業環境を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施例装置を一部切欠して概要を示した側面図。
【図2】(a)は筒状ドリルの正面図、(b)は(a)における矢印Ib方向視の側面図、(c)は同矢印Ic方向視の側面図。
【図3】(a)は筒状ドリルの刃部およびその近傍の斜視図、(b)は図2(a)に示す先端面の拡大図。
【図4】被削材を穿孔加工する終端の状態を示す装置先端部の拡大側面図。
【図5】本発明の第2実施例装置を一部切欠して概要を示した側面図。
【図6】被削材を穿孔加工する途中の状態を示す装置先端部の拡大側面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の穿孔装置の実施形態を、手持式ドリル装置Aの場合について図面により説明すれば、図1〜図4は中空主軸として単筒主軸を採用した第1実施例を示し、図5〜図6は2重筒主軸を採用した第2実施例を示している。
先ず第1実施例を説明すると、図1は当該装置Aの要部を一部切欠して概要を示した側面図であり、ハウジング1内に駆動源としての中空モータ10及び送りモータ20を装備した構造を例示する。
ハウジング1は、略矩形状の筐体であって、その内底面に前後方向(図における左右方向をいう)へ延びるレール2を左右(図における奥行方向をいう)に間隔をおいて敷設し、そのレール2上に中空モータ10の摺動ブロック3を摺動可能に搭載する。また、ハウジング1内には、図示省略するが、レール2の上方に複数本の案内部材を設け、その案内部材に中空モータ10の上部を摺動可能に支持している。
それにより、中空モータ10は、ハウジング1内の略中央域に前後動可能に配設されている。
送りモータ20は、ハウジング1の後部底面に設置し、前記中空モータ10を前後進退動させるように該モータ10と係合している。
【0015】
上記中空モータ10及び送りモータ20は、特にその種類に制約はないが中空モータ10にはサーボモータを使用し、送りモータ20にはネジ軸一体型のパルスモータを使用する場合を例示している。
中空モータ10は、モータケース11内の中空軸部分に機械主軸(スピンドル)を一体的に備えるが、該主軸として軸心に沿って貫通する通路12oのみを形成した単筒主軸12とし、該主軸12の外周面をロータ13に一体的に結合して回転可能に組み込まれる。
送りモータ20は、その回転駆動軸21に連結された送りネジ22を前記中空モータ10の底面下に延設し、中空モータ10の底部に設けた図示省略の送りナットに前記送りネジ22を螺合させ、この送りモータ20の回転により中空モータ10を前後方向へ進退動させるものである。
【0016】
単筒主軸12は、先端にコレットチャック16を設け該チャック16により筒状ドリル101を着脱交換できるように取り付け、集塵機構50に接続する集塵ホース51を接続する。
筒状ドリル101は、シャンク107を含めて細い中空円筒状(パイプ状)にするとともに先端部に刃部106を形成して、全長に渉り孔部103を形成した構造であり、そのシャンク107をコレットチャック16でもって単筒主軸12に取り付けることにより孔部103と前記通路12oとを直線状に連通させる。なお、この筒状ドリル101の詳細については後述する。
【0017】
上記中空モータ10の先端には、前記単筒主軸12の先端に設けたコレットチャック16の前方を覆う第1フード17を設け、また、ハウジング1の先端には、第1フード17の前方を覆う第2フード4を取り付け、第1フード17は第2フード4に摺動可能に嵌め合うように取り付ける。すなわち、第1フード17及び第2フード4によりコレットチャック16に取り付けた筒状ドリル101の外周を覆って保護している。
なお、第1フード17及び第2フード4は、モータケース11、ハウジング1と一体に形成することもよいが、好ましくは別部材として着脱可能に取り付ける。
【0018】
一方、上記単筒主軸12の後端には、連結具35を取り付け、その連結具35に集塵ホース51を介して集塵機構50を接続する。
なお、この連結具35は、アーム36を中空モータ10のケース11より突設した回り止め19に掛止させ、それによって回転が阻止されるようにしている。
集塵機構50は、吸引機能を備えた集塵機50aとそれから延出された集塵ホース51等で構成され、その集塵ホース51を前記単筒主軸12に接続して吸引させることにより、該主軸12の通路12oを介し筒状ドリル101の孔部103先端に強力な吸引力を生起させ、その吸引作用により刃部106の穿孔時に発生する切り屑等を集塵機50aに回収するものである。この集塵機構50は、好ましくは集塵機50aにサイクロン52を内蔵させた構成とし、それにより回収する切り屑等をさらに効率よく吸塵するようにする。
【0019】
なお、図1に示す符号53は、電源や制御部を組込んだコントローラであり、このコントローラ53により動作制御される前記中空モータ10及び送りモータ20が配線コード54、55により結線されている。
また、ドリル装置Aは手持式の場合を例示していることから、図1に示すように、ハウジング1の上面には持ち運びする際の手提げ用ハンドル5を付設し、底面には、穿孔加工時に支え手となる把手杆6及び中空モータ10、送りモータ20の起動・停止を制御する操作杆7を設けておき、その操作杆7によりコントローラ53を操作するようにする。すなわち、ドリル装置Aは手持式であるが、穿孔本体部である中空モータ10等に集塵機構50及びコントローラ53など付属機器を接続してシステム化された装置を例示している。
【0020】
上記筒状ドリル101の詳細を図2及び図3により説明すれば、図2において、筒状ドリル101は、筒本体102と、その筒本体102の先端面102aに開口する孔部103と、その孔部103及び筒本体102の外周面102bにより形成される壁部104と、その壁部104の先端面102aから切欠され孔部103に連通する切欠部105と、その切欠部105と壁部104の先端面102aとが交わる部位に形成される刃部106とを主に備えて構成されている。
この筒状ドリル101は、シャンク107をコレットチャック16でもって単筒主軸12に取り付けることにより、中空モータ10の回転力が伝達され筒本体102が軸心O回りに回転され(図2(a)矢印方向)、被削材の穿孔加工を行うことができる。
【0021】
筒本体102は、超硬合金もしくは高速度工具鋼から略軸状体に構成され、先端面102aに刃部106を備え、外周面102bは、先端面102aから後端に向かうにつれて外径が縮径するバックテーパ102cが、先端面102aから所定の範囲に形成されている。バックテーパ102cが形成されることにより、筒本体102の軸方向の送り運動をスムーズに行うことができる。
【0022】
本実施例では、筒本体102の軸心Oと直交する断面(軸直角断面)に対する先端面102aの傾斜角θ1(図2(b)参照)は2〜10°として構成されている。それにより、筒状ドリル101の切削能率と加工精度を両立できる。なお、先端面102aの傾斜角θ1が2°より小さくなるにつれ、切削中の切込み深さが小さくなり切削能率が低下する傾向がみられる。一方、傾斜角θ1が10°より大きくなるにつれ、壁部104がたわみ易くなり、びびり振動が生じて加工精度が低下する傾向がみられる。
【0023】
筒本体102の先端面102aに形成された孔部103は、切削中の切り屑が収容される部位となり、本実施例では、筒本体102の軸直角断面において、孔部103は断面輪郭線が略円形に形成されている。また、孔部103は、筒本体102の先端面からシャンク107に亘って同一径で、軸心Oと平行に貫通形成されている。それにより、穿孔中に発生した切り屑を孔部103から吸引して周囲に切り屑が飛散することを防止できる。
【0024】
なお、筒本体102の軸直角断面において、筒本体102の外周面102bにおける断面輪郭線の面積Sと孔部103の断面輪郭線の面積sとの比率(s/S)は、0.5〜0.8が好適とされる。これにより、切り屑詰まりの抑制と壁部104の剛性の確保とを両立できる。なお、比率(s/S)が0.5より小さくなるにつれ、切削される被削材の量が増すため、切り屑の発生量が増加し、切り屑詰まりが生じ易くなる傾向がみられる。一方、0.8より大きくなるにつれ、壁部104の厚さが薄くなり壁部104の剛性が低下する傾向がみられる。
【0025】
さらに孔部103は、その軸線cが筒本体102の軸心Oとずれた位置に形成されており、先端面102aにおいては、孔部103の軸線cは、筒本体102の後端に向かって軸心Oから下降傾斜する部位(図2(a)及び図2(b)上側、図2(c)紙面奥側)に位置している。その孔部103及び筒本体102の外周面により壁部104が形成されている。その孔部103の軸線cと筒本体102の軸心Oとのずれにより、壁部104の厚さは、図2(a)に示すように、回転方向に沿って不均一なものとなっている。
【0026】
ここで、孔部103の軸線cと筒本体102の軸心Oとのずれ量(以下「偏心量」と称す)は、筒本体102の外径Dにもよるが、0.01mm以上0.5mm以下が好適とされる。また、筒本体102の外径Dに対する偏心量aの比率(a/D)は、0.8以下が好適とされる。これにより、切り屑詰まりの抑制と壁部104の剛性の確保とを両立できる。なお、偏心量が0.01mmより小さくなると、底刃106aによって円筒状にくり抜かれる被削材の円筒側面(後述する)と孔部103との隙間(逃げ)が小さくなるため、切り屑詰まりが生じ易くなる。また、偏心量が0.5mmを超えるか、比率a/Dが0.8を超えると、偏心させた側(図2(a)上側)の壁部104の厚さが薄くなり折損し易くなる。
【0027】
切欠部105は、壁部104の先端面102aから切欠され孔部103に連通しており、切削中の切り屑を孔部103へと導く部位である。切欠部105は、先端面102aにおける壁部104の最も厚い部位(軸心O方向の先端視において、軸線cを始点として軸心Oを通る直線sと壁部104とが交わる部位。図2(a)下側。)を始点として終端105aまで、回転方向(図2(a)矢印方向)に所定の開口幅で切欠されている。なお、切欠部105の終端105aは、外周面102bから軸心Oに向かって形成されるのではなく、軸心O及び軸線cを通る平面と孔部103の内周面とが交わる線に向かって外周面102bから形成されている。それにより、回転反対方向(図2(a)矢印反対方向)における壁部104の厚さを、刃部106から切欠部105の終端105aまで漸次薄くすることができる。
【0028】
また、本実施例では、壁部104に対する中心角θ2(図2(a)参照)は約240°に設定されているが、中心角θ2は90°〜270°(切欠部105に対する中心角は270°〜90°)の範囲で適宜設定できる。これにより、切り屑詰まりの抑制と求心性の確保とを両立できる。なお、中心角θ2が90°より小さくなるにつれ、求心性が低下するとともに壁部104の剛性が低下し折損し易くなる傾向がみられる。一方、中心角θ2が270°より大きくなるにつれ、切欠部105の開口幅が狭くなるため、切削中に生じた切り屑が切欠部105に侵入し難くなり、切り屑詰まりが生じ易くなる傾向がみられる。
【0029】
また、切欠部105の軸方向における底刃106aからの長さlは、0.1mm以上かつ被削材の厚さ以下が好適である。これにより、切削能率の向上と壁部104の剛性の確保とを両立できる。なお、切欠部105の長さlが0.1mmより短くなるにつれ、切削中の切込み深さを大きくし難いため、切削能率が低下する傾向がみられる。一方、切欠部105の長さlが被削材の厚さより長くなるにつれ、壁部104の剛性が低下し、びびり振動が生じ易くなるとともに折損し易くなる傾向がみられる。
【0030】
刃部106は、軸心O方向の先端に形成される底刃106aを備えて構成されている。底刃106aは、切欠部105と壁部104の先端面102aとが交わる部位に、筒本体102の軸直角断面と平行に形成されている。また刃部106は、底刃106aと外周コーナ106bを介して交わる外周刃106cを備えている。外周刃106cは、切欠部105と筒本体102の外周面102bとの交差稜線102d(図2(c)参照)につながった直刃として、軸心Oに平行に形成されている。
【0031】
ここで、刃部106の逃げ面106dの逃げ角θ3(図2(c)参照)は2°〜10°が好適とされる。これにより、逃げ面摩耗の減少と刃先強度の確保とを両立できる。なお、逃げ角θ3が2°より小さくなるにつれ、逃げ面摩耗が増加し易くなる傾向がみられる。逃げ角θ3が10°より大きくなるにつれ、刃先強度が低下し底刃106aの欠損が生じ易くなる傾向がみられる。
【0032】
次に、図3により筒状ドリル101の刃部106及びその近傍について詳細に説明すれば、図3(a)に示すように、刃部106は、底刃106aの内側端部106eを通りつつ、すくい面106fと稜線106gを介して交わる内側側面106hを備えて構成されている。その内側側面106hは、図3(b)に示すように、底刃106aの内側端部106eを通る回転軌跡rを円筒底面とし軸心Oに沿う仮想の円筒側面(軸心Oに沿って回転軌跡rを紙面手前側から紙面奥側に連続させて得られる面)に対して、筒本体102の回転反対方向(図2(a)矢印反対方向)に向かうにつれて離れる方向に傾斜している。
なお、図3(b)に示すように、筒状ドリル101は、軸心O方向の先端視において、底刃106aの内側端部106eにおける孔部3の断面輪郭線の接線tと底刃106aとは直交して構成されている。
【0033】
上記筒状ドリル101は、軸心O回りに回転させることにより、底刃106aによって被削面が削られて被削材がくり抜かれるので、くり抜かれる被削材の形状は、底刃106aの内側端部106eの回転軌跡rを円筒底面とし軸心Oに沿う円筒側面をもった円筒状となる。内側側面106hは筒本体102の回転反対方向(図2(a)矢印反対方向)に向かうにつれて離れる方向に傾斜しているので、この傾斜によって、刃部106の回転反対方向(図2(a)矢印反対方向)に逃げが与えられ、切り屑を排出し易くする。これにより、筒状ドリル101の切り屑詰まりを防止できる。また、内側側面106hの傾斜は、孔部103の軸線cを筒本体102の軸心Oに対してずらして孔部103を筒本体102に穿孔することにより形成されるので、筒状ドリル101を容易に製造することができ生産性を向上できる。
【0034】
また、刃部106は、壁部104の最も厚い部位(孔部103の軸線cを始点として軸心Oを通る直線sが壁部104と交わる部位)に形成されているので、刃部106の回転反対方向の壁部104の内周面に逃げを与えることができる。その結果、刃部106の回転反対方向の壁部104と被削材との摩擦を避けることができるため、底刃106aの内側端部106eを被削材に安定して送り込むことができ切削性を向上できる。
【0035】
さらに、壁部104は、刃部106から切欠部105の終端105aまで漸次薄肉に形成されているので、くり抜かれる被削材と筒状ドリル101とが干渉することを抑制できる。その結果、切削中の筒状ドリル101の偏心やびびり振動を抑制でき折損を防止できる。
【0036】
なお、上記実施例では、軸心O方向の先端視において、底刃106aの内側端部106eにおける孔部103の断面輪郭線の接線tと底刃106aと交差角θ4を直交(90°)して構成させ、また、壁部104に対する中心角θ2が約240°に設定される場合について説明したが、それに限定されるものではなく次のように変更することもよい。
(1)壁部104に対する中心角θ2を180°とすること。これにより、切欠部105の開口幅を向上させることができるので、切り屑を切欠部105から孔部103へ導かれ易くして切り屑詰まりを抑制できる。
(2)交差角θ4が90°を超える角度、好ましくは、90°<θ4<100°とすること。これにより、切削性と工具寿命とを両立できるとともに切り屑厚さを薄くすることができ、切削抵抗の変動を小さくすることができ、びびり振動も抑制できる。
(3)軸心O方向の先端視において、底刃106aを凹曲湾状に形成すること。これにより、底刃106aは、内側端部106e及び外周コーナ106bの双方が先行して被削材に切り込むため切削性を向上できる。
(4)孔部103を、筒本体102の先端面102aから後端に亘って内径を拡径状に形成すること。これにより、切削中に孔部103へ導かれた切り屑を後端側へ排出し易くすることができ切り屑詰まりをさらに効率よく防止できる。
【0037】
上述した第1実施例のドリル装置Aを用いた穿孔作業の加工状況を図1及び図4により説明すれば、被削材WとしてCFRPに穴あけする場合を示し、被削材Wの表面には該面に沿って固定される治具60が取り付けられ、その治具60にドリル装置Aがセットされる。
治具60は、必ずしも限定される構造ではないが、空洞部61を有する支持筒構造を例示し、その先端面に前記筒状ドリル101と軸心を一致させて該ドリル101を差込み可能な挿入口62を開口していると共に外気を導入する吸気孔63を開孔している(図4参照)。
また、治具60の先端外周には前記ハウジング1の前部に突設した第2フード4の先端部を嵌め合い、かつ若干の回動により係止させるロック縁65を設けている。
【0038】
而して、作業者が把手杆6及び操作杆7を持って、第2フード4を治具60の先端部に嵌め合いロック縁65に係止することによりドリル装置Aを治具60にセットし、次いで操作杆7に付属する起動スイッチ7aをONさせることにより穿孔加工が開始する。
先ず、送りモータ20の起動により、中空モータ10と共に筒状ドリル101が前進して治具60の挿入口62から空洞部61内に進入する。
次いで適時のタイミングで、中空モータ10が起動し単筒主軸12を介して筒状ドリル101が設定された回転数をもって回転し、さらに上記筒状ドリル101が前進し刃部106が被削材Wに接触して穿孔加工つまり穴あけ加工が開始する。
【0039】
すなわち、図4に示すように、被削材Wを刃部106の回転によりそのコア部分を残しながら外周を切削しながら進行する。その穿孔加工に伴い刃部106の周辺に切り屑が発生するが、その切り屑は、集塵機構50による孔部103内の負圧状態による強い吸引力によって、刃部106の周辺、つまり先端面102aおよび切欠部105を通して孔部103内へ確実に吸入され、該孔部103から単筒主軸12の通路12o、集塵ホース51を介して集塵機50aへ回収される。
【0040】
そして、穿孔加工の終端までの間は前記切り屑の集塵回収が同様に続行し、その加工終端においては、被削材Wからコア部分がくり抜かれて孔部106より小径の円筒状(短柱状)チップである切削コアPが形成されるが、その切削コアPもまた孔部103内の負圧状態による強い吸引力によって切り屑と共に孔部103から通路12o、集塵ホース51を介して集塵機50aへ回収される。
したがって、この第1実施例によれば、穿孔加工中において、発生する切り屑および切削コアを確実に回収することができるので、作業環境を改善することができる。また、中空主軸が単筒構造であることから、単筒主軸12の外径を小さくすることができるので中空モータ10を小型化できる。
【0041】
なお、上記中空モータ10及び送りモータ20の起動タイミングなどの動作設定は、コントローラ53により設定されるもので、前記加工状況の説明と必ずしも一致する必要はなく適宜に変更することも任意である。特に、中空モータ10の回転数や送りモータ20の送り速度および送り量などは被削材Wの材質や厚さを考慮して設定される。
また、操作杆7には一つの起動スイッチ7aのみを設けた場合を図示しているが、中空モータ10と送りモータ20の起動スイッチを個別に設け、作業者の判断で穿孔作業の進行状況に合わせ両モータ10,20を適時に起動させるようにすることもよい。
【0042】
次に、図5及び図6により、手持式ドリル装置A’の中空主軸として2重筒主軸12’を採用した第2実施例を説明する。
なお、筒状ドリル101の形状や、中空モータ10、送りモータ20、集塵機構50については第1実施例の各部材と同一であるので、説明の重複を避けるため同一部材については図中に同一符号を付してできるだけ説明を省略する。
【0043】
2重筒主軸12’は、外周に複数本の突条を形成した内筒14を外筒15に挿着接合させた一体構造で、その内筒14内の中空孔を内通路12aとし、内筒14と外筒15との間に空隙孔を外通路12bとするものである。
この2重筒主軸12’は、先端にコレットチャック16を設け、該チャック16により筒状ドリル101を着脱交換できるように取り付け、後端には二股連結具35’を介して給気機構40に接続する給気ホース41及び前述した集塵機構50に接続する集塵ホース51を接続する。
【0044】
上記中空モータ10の先端には、コレットチャック16の前方を覆う第1フード17、ハウジング1の先端には、第1フード17の前方を覆う第2フード4を取り付けることは第1実施例と同様であるが、筒状ドリル101の周りに形成される先端通路18には、前記2重筒主軸12’の外通路12bと連通させている。すなわち、前記コレットチャック16には、前記2重筒主軸12’の外通路12bと先端通路18とを連通させる通孔16aを開口しておく。
【0045】
給気機構40は、圧縮空気を生成するコンプレッサ40aとそれから延出された給気ホース41等で構成され、その給気ホース41より中空モータ10内の2重筒主軸12’へ供給し、該主軸12’の外通路12bを通して筒状ドリル101の刃部106の周りへ送気するものである。この給気機構40は、好ましくは圧縮空気を、冷却器を介して冷却させた状態で送気させ、その冷却空気により中空モータ10及び筒状101の刃部106を空冷するようにする。それにより、刃部の切削効率を保持させるとともに切り屑を細かい固形状となるようにして集塵性を高めるようにする。
【0046】
上記ドリル装置A’を用いた穿孔作業は、第1実施例と同様に、被削材Wの表面に固定される治具60にドリル装置A’をセットして開始するが、その治具60には、筒状ドリル101を差込む挿入口62の他に該挿入口62の外周に複数の通気孔64を開孔している。したがって、2重筒主軸12’の外通路12bを通り第1フード17の先端通路18へ送気された圧縮空気は、先端通路18から第2フード4内および前記通気孔64を介して治具60の空洞部61内へ給気される。
【0047】
而して、作業者が把手杆6及び操作杆7を持って、第2フード4を治具60の先端部に嵌め合いロック縁65に係止することによりドリル装置A’を治具60にセットし、次いで操作杆7に付属する起動スイッチ7aをONさせることにより穿孔加工が開始する。
先ず、送りモータ20の起動により、中空モータ10と共に筒状ドリル101が前進して治具60の挿入口62から空洞部61内に進入する。
次いで適時のタイミングで、中空モータ10が起動し2重筒主軸12’を介して筒状ドリル101が設定された回転数をもって回転するとともに給気機構40の給気ホース41から2重筒主軸12の外通路12bへ供給される圧縮空気が先端通路18、通気孔64を通って空洞部61内に送気され、また、集塵機構50により吸塵ホース51及び2重筒通路12’の内通路12aを介して孔部103内を吸気して負圧状態にする。
【0048】
さらに上記筒状ドリル101が前進し、刃部106が被削材Wに接触して穿孔加工、つまり、被削材Wを刃部106の回転によりそのコア部分を残しながら外周を切削しながら進行する。その穿孔加工に伴い刃部106の周辺に切り屑が発生するが、その切り屑は、集塵機構50による孔部103内の負圧状態と、給気機構40から給気された圧縮空気による空洞部61内の圧力上昇とによる強い吸引力によって、刃部106の周辺、つまりドリル先端および切欠部105を通して孔部103内へ確実に吸入され、該孔部103から2重筒主軸12’の内通路12a、集塵ホース51を介して集塵機50aへ回収される。
【0049】
そして、穿孔加工の終端までの間は前記切り屑の集塵回収が同様に続行し、その加工終端においては、被削材Wからコア部分がくり抜かれてその切削コアPもまた前記圧縮空気の給気と孔部103内の負圧状態による強い吸引力によって切り屑と共に孔部103から内通路12a、集塵ホース51を介して集塵機50aへ回収されることは、第1実施例と同様であるが、それよりもより効率的に確実に回収される。
すなわち、この第2実施例によれば、集塵機構50における吸引回収機能だけでなく、給気機構40から圧縮空気を刃部106周りに給気する機能が付加されているので、集塵機構50による切り屑および切削コアPの吸引回収機能が一層強化され、穿孔作業中における作業環境が改善される。
【0050】
上記実施の形態においては、被削材としてCFRPの場合を説明したが、それに限られるものではなくFRPその他の繊維強化複合材料を対象とすることもよく、あるいは強度の高い刃部を備えた筒状ドリルを使用する場合にはAl合金その他の金属材料を対象とすることもよい。また、被削材によっては切削コアがくり抜かれずに切り屑だけが発生する穿孔加工に適用することも任意である。
【0051】
また、上記実施の形態では、駆動源として回転モータ(中空モータ)10および送りモータ20の二つを搭載した場合を示したが、必ずしもその必要はなく、送りモータ20を省略することも任意であり、しかも、手持式ドリル装置の場合を例示したがそれに制約されるものではない。さらに、第2実施例においては、筒状ドリル101の外周を第1フード17、第2フード4のフード部材で覆って圧縮空気の給気通路を形成した場合を例示したが、それに代用できる通路が治具側に形成されている場合には、それらフード部材を省略することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
A:第1実施例のドリル装置 A’:第2実施例のドリル装置
10:中空モータ 11:モータケース
12:単筒主軸 12o:単筒主軸内の通路
12’:2重筒主軸 12a:内通路
12b:外通路 14:内筒
15:外筒 16:コレットチャック
20:送りモータ 40:給気機構
41:給気ホース 50:集塵機構
51:集塵ホース P:切削コア
101:筒状ドリル 102:筒本体
102a:先端面 102b:外周面
O:筒本体の軸心 103:孔部
c:孔部の軸線 104:壁部
105:切欠部 106:刃部
107:シャンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源により回転する主軸を中空主軸とし、その中空主軸の先端にチャックを介して先端に刃部を有する筒状ドリルを取り付け、前記中空主軸内の通路後端に集塵機構を連結し、前記駆動源で中空主軸を介して筒状ドリルを回転させながら被削材を穿孔することにより、発生する切り屑および切削コアが前記中空主軸内の通路を通して集塵機構へ吸引回収されるようにし、
前記筒状ドリルが、軸心回りに回転される筒本体と、その筒本体の先端面に開口する孔部と、その孔部および前記筒本体の外周面により形成される壁部と、その壁部の先端面から切欠され前記孔部に連通する切欠部と、その切欠部が前記壁部の先端面に交わる部位に形成または保持される刃部とを備え、かつ、前記刃部は、軸心方向の先端に形成される底刃と、その底刃の内側端部を通りつつ、すくい面と稜線を介して交わる内側側面とを備え、前記内側側面は、前記底刃の内側端部を通る回転軌跡を円筒底面とし前記軸心に沿う仮想の内筒側面に対して、前記筒本体の回転反対方向に向かうにつれて離れる方向に傾斜していることを特徴とする穿孔装置。
【請求項2】
上記筒本体の軸心は、前記孔部の軸線とずれて構成されていることを特徴とする請求項1記載の穿孔装置。
【請求項3】
上記筒状ドリルの刃部は、前記壁部の最も厚い部位に形成または保持されていることを特徴とする請求項2記載の穿孔装置。
【請求項4】
上記中空主軸が単筒構造からなり、その単筒主軸の先端にチャックを介して前記筒状ドリルが取り付けられ、単筒主軸の後端に集塵機構が連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の穿孔装置。
【請求項5】
上記中空主軸が内通路と外通路からなる2重筒構造からなり、その2重筒主軸の先端にチャックを介して先端に前記筒状ドリルが取り付けられ、前記主軸の外通路に圧縮空気を送り込む給気機構を連結するとともに内通路の後端に集塵機構を連結し、前記外通路を介して送気される圧縮空気をドリル刃部まわりから内通路へ吸気しながら被削材を穿孔することにより、発生する切り屑および切削コアが内通路を通して集塵機構へ吸引回収されるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の穿孔装置。
【請求項6】
上記駆動源がハウジング内に配設された中空モータであって、そのロータ内に前記中空主軸が回転可能に連結されることを特徴とする請求項4又は5記載の穿孔装置。
【請求項7】
上記駆動源がハウジング内に配設された中空モータと送りモータとの組み合せであり、その中空モータのロータ内に前記中空主軸が回転可能に連結され、送りモータにより前記中空主軸を進退動させて筒状ドリルをピッチ送りするようにしたことを特徴とする請求項4又は5記載の穿孔装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−235407(P2011−235407A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109657(P2010−109657)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(503071428)NEXT I&D株式会社 (11)
【Fターム(参考)】