説明

窓、ドアおよびファサード部材用補強プラスチック型材

長手方向に延在するプラスチック型材部分(11,12)と、少なくとも1つの補強部材(21,22)とを有するドアおよびファサード部材のための補強プラスチック型材において、前記プラスチック型材部分(11,12,13)が、長手方向に延在し、補強部材を正確に案内し、位置決めできる少なくとも2つの収容案内部(31,32,33)を有し、補強部材(21,22)とプラスチック型材部分(11,12,13)とが、収容案内部(31,32)内に挿入され、収容案内部により位置決めされた補強部材(21,22)を内部発泡することにより長手方向に堅固に結合されており、補強プラスチック型材において、プラスチック型材部分(11,12)の外部幾何学形状に対して補強部材(21,22)が正確に位置決めされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓、ドアおよびファサード部材用補強プラスチック型材に関する。
【背景技術】
【0002】
窓システムは、一般に翼型材とフレーム型材とからなり、翼にはガラスが嵌め込まれ、フレームは建造物外壁に結合されている。これらの型材は、例えば、木材、鋼、アルミニウム、プラスチックまたはこれらの材料の複合材からなる。これらの競合する材料の多様性は、一方では伝統に基づくものであるが、また他方では、熱特性、風に対する密封性、メンテナンスコスト、美的効果および価格といった要素もまた材料選択には重要である。
【0003】
従来技術、例えばドイツ国特許第3319144号により、窓およびドア用のプラスチックから押出成形される中空型材が公知である。この中空型材は、中空型材の長手方向に延在する複数の中空室を有している。このような中空型材は、一般に硬質PVCにより形成されている。1つ以上の内室には、発泡されたプラスチックが充填されていてもよい(欧州特許第1154115号も参照のこと)。このような中空型材からなる窓枠のコーナ結合は、溶接により、または中空型材の内部に接着されるコーナ結合材を使用して行われる。ドイツ、ビーレフェルトの窓製造業者、シュッコ社は、複数の中空室および従来の鋼補強材を有し、発泡材を使用しないプラスチック中空型材を備える窓システム(例えば、CoronaCT70Plusの名称)を提供している。これらの窓システムでは、鋼補強型材が中空室に押し込まれることにより配置される。鋼補強型材は、金具を固定するためにも使用される。この窓システムでは、アルミニウムからなる装飾用外側カバーを取り付けることが可能である。
【0004】
ドイツ国実用新案第20105876号、ドイツ国特許第3242909号および国際公開第97/22779号パンフレットには、それぞれ窓部材用のプラスチック発泡材からなる型材が開示されており、様々な方法で断熱シェル(ドイツ国実用新案第20105876号)または金属(ドイツ国特許第3242909号)または木材またはプラスチック(国際公開第97/22779号パンフレット)からなる型材がプラスチック発泡材のコアに結合されている。ドイツ国実用新案第20105876号により公知のPU発泡コアでは、PU型材の内部に独立したコア型材が設けられている。
【0005】
欧州特許出願公開第1705334号により、窓およびドア部材用プラスチック型材が公知であり、この場合、金属型材がプラスチック型材の外面に接着されるか、またはプラスチック型材の内部に圧延加工され窓およびドア部材の内面および外面を形成している。
【0006】
さらに天候にさらされる室外側および室内側のアルミニウム型材からなるアルミニウム・プラスチック複合型材からなるアルミニウム窓、ドアおよびファサード部材が公知である。この複合型材は、プラスチック型材に摩擦接続的/形状接続的に結合されている。
【0007】
さらに材料が自由に選択可能であり、室外側および室内側の型材からなる複合型材を備え、プラスチック型材に摩擦接続的/形状接続的に結合された複合窓、ドアおよびファサード部材が公知である。
【0008】
ドイツ国特許第19743381号、ドイツ国特許出願公開第2752463号および英国特許第2153889号は、それぞれ窓などのための補強プラスチック型材において、補強部材が中空室の所定位置に内部発泡されているものを開示している。ドイツ国実用新案第1983744号、ドイツ国実用新案第20321232号およびドイツ国特許第19634907号は、それぞれ窓などのためのさらなる補強プラスチック型材をそれぞれ開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ドイツ国特許第3319144号明細書
【特許文献2】欧州特許第1154115号明細書
【特許文献3】ドイツ国実用新案第20105876号
【特許文献4】ドイツ国特許第3242909号
【特許文献5】国際公開第97/22779号パンフレット
【特許文献6】欧州特許出願公開第1705334号
【特許文献7】ドイツ国特許第19743381号
【特許文献8】ドイツ国特許出願公開第2752463号
【特許文献9】英国特許第2153889号
【特許文献10】ドイツ国実用新案第1983744号
【特許文献11】ドイツ国実用新案第20321232号
【特許文献12】ドイツ国特許第19634907号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、窓、ドアおよびファサード部材用の改良された補強プラスチック型材、および、このような窓、ドアおよびファサード部材用補強プラスチック型材を備えた複合型材装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1に記載の補強プラスチック型材、請求項11に記載の補強プラスチック型材を製作するための方法または請求項12に記載の窓、ドアおよびファサード部材により解決される。
【0012】
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0013】
本発明は、プラスチックからなり、補強部に位置精度良く、長手方向に堅固に組み込まれている中空型材を使用した窓、ドアおよびファサード用型材システムを可能にする。
【0014】
型材は、アルミニウム窓と同様に、コーナ結合材により、構成部材、例えば、窓、ドアまたはファサード部材に結合することができる。
【0015】
プラスチック型材を、例えば硬質PVC、PA、PET、PBT、PA/PPE、ASA(補強されているものまたは補強されていないもの)などから製作するために、外部形状および内部形状を位置精度良く較正する製作方法が用いられる。
【0016】
位置精度良い較正により、要求される小さい許容公差をもって押し込まれ、固定(例えば接着)される補強材が外部形状に対して位置決めされる精度を保証することができる。
【0017】
本発明は、補強プラスチック型材を使用した窓、ドアおよびファサード部材の特性を形成するための複数の利点を提供する。
【0018】
(a)温度特性
温度特性は、プラスチック中空型材の構成深さ、内部中空室の形状、寸法および分配の選択、ならびに発泡充填材によって設計することができる。
(b)機械的特性
機械的特性、例えば、ねじり剛性などは、構成深さ、すなわち室外側と室内側補強材との間隔、ならびに、補強材の形状、寸法および横断面により設計することができる。
(c)横断面
型材の横断面は、プラスチック中空型材を使用することにより、金具およびロック部材、シールなどを収容するためのアンダカットおよび任意の複合形状とすることが可能である。
(d)表面および色の設計
表面および色の設計は、プラスチックの選択および配色、ならびに、室外側および室内側を多様に形成するために装飾部材を使用することによっても多面的に変化させることができる。
【0019】
例えば、プラスチック枠型材およびプラスチック翼型材は1つ以上の室中空型材からなり、この場合、好ましくは、内室には、金属補強材のための1つ以上の許容公差の小さい収容部が形成されている。
【0020】
中空型材の外部形状は、保証されるべき機能による規定される。例えば、
(a)閉鎖面におけるシール収容部、シール当接部、金具収容部、
(b)ガラス嵌込のために、ブロック表面部、ガラス押縁部のための機能溝、ガラスシール収容部、排水、
(c)建造物外壁のために、溝、窓下枠ストッパ、シールシートなどのための収容部
(d)外側および室内側のために、中空型材の平滑で色付きの耐候性表面および/またはプラスチック、木材、アルミニウムまたはステンレススチール(押出成形または圧延加工されたもの)からなる装飾型材を固定するための係止突起。
【0021】
補強材は、(例えばアルミニウム窓の場合に汎用の)コーナ結合材を収容するための内部形状と、プラスチック型材における位置を正確に規定するための位置決め面を有する外部形状とを備える好ましくは押出成形されたアルミニウム中空型材からなる。
【0022】
補強材は、T字形接合材または金具をねじ固定するために必要な付加的機能部を有していてもよい。
【0023】
プラスチック中空型材は、好ましくは補強材料、例えばPA66GFからなり、外形部に、例えば金具およびロック部材、シール、ガラス保持押縁部、および装飾カバーなどを収容するための機能部材を有している。
【0024】
窓、ドアおよびファサードのためのプラスチック中空型材は、長手方向に堅固に結合され、好ましくはアルミニウムから形成された補強型材により十分な静的支持力を得る。好ましくは、補強型材は、コーナ結合材を収容するために適した領域を有している。好ましくは金具およびロック部材、シール、ガラス保持押縁部などを収容するための機能領域がプラスチック中空型材の内部に組み込まれていてもよい。好ましくは、補強型材は装飾カバーにより覆われていてもよい。プラスチック中空型材は、例えばPA66GFなどの適宜なプラスチックを選択することにより、用途に関連した機械的要求を満たす。
【0025】
次の図面に基づく実施例の説明により、さらなる特徴および利点を明示する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態による補強プラスチック型材の長手方向に対して垂直方向の横断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態による補強プラスチック型材の長手方向に対して垂直方向の横断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態による補強プラスチック型材の長手方向に対して垂直方向の横断面図である。
【図4】収容部および補強部材の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1、図2、図3および図4に基づき本発明の第1実施例を説明する。図1には、型材、例えば、枠型材または窓翼型材の構成部材が、対応型材の長手方向に対して垂直方向の横断面図で示されている。図1の右側には、窓翼の一部を形成するプラスチック中空型材11が長手方向に対して垂直方向の断面図で示されている。公知のように、他の形態で形成されていてもよいシール/固定部材201およびガラス押縁部202により窓翼のフレーム上/フレーム内に二重ガラス板200を保持することができる。
【0028】
プラスチック型材11は、図1の上側(室内側)に、補強部材21のための収容部として形成された中空室111を有している。中空室として形成された収容室111には、収容案内部31,32が形成されている。収容案内部31は、収容部111の内部空間に向けてアンダカットされた切欠きからなる。このアンダカットされた切欠きは、図4から最もよくわかるように、例えば横断面が鉤状のレール31a、これに向かい合う側壁31bおよび収容部111の外壁31cにより制限されている。収容部111の収容案内部31に向かった側には、収容案内部32が、収容部111の内部空間に対して開かれた切欠きとして形成されている。この切欠きは、収容部111の対応する側壁32eから垂直方向に突出する真っ直ぐなウェブ31dとこれに向かい合う壁32fとにより制限される。
【0029】
アルミニウム中空型材21は中空室21aを有し、この中空室21aは、長手方向に対して垂直方向の横断面図でみて全ての側でアルミニウム中空型材21により取り囲まれている。図1〜図4に示すように、さらにアルミニウム中空型材21は、長手方向に中空型材を通って延在する通路21bを有している。この通路21bは、複数の貫通路21c(図1参照)を介して収容部111においてアルミニウム中空型材21を取り囲む内部空間に接続されている。
【0030】
さらにアルミニウム中空型材21は、突出したレール21dを有している。このレール21dは、横断面が鉤状のレールとして形成されており、このレールは、収容案内部31のアンダカットされた切欠きに対して所定の許容公差をもった相補的な形状を有している。アルミニウム中空型材21におけるレール21dに向かい合った側には、突出したレール21eが形成されており、このレール21eは、横断面図で見て収容部32の切欠きに対して所定の許容公差をもった相補的な形状を有している。図4に示すように、レール21dおよび21eは、アルミニウム型材21が収容部111または収容案内部31,32に挿入された場合に、アルミニウム型材21を正確に案内および位置決めするための収容案内部31,32と協働する。
【0031】
上述のように挿入されたアルミニウム中空型材21を備えた収容部111には、発泡材51が発泡充填される。発泡材51は、収容部111においてアルミニウム中空型材21を取り囲む内部空間ならびにアルミニウム中空型材21の通路21bおよび貫通路21cを充填する高密度の硬化性発泡材である。発泡材51の充填は、以下に補強プラスチック型材の製作について説明する際に説明する。
【0032】
プラスチック型材11は、収容部111に向かい合う側(天候にさらされる室外側)に、アルミニウム中空型材22を挿入する対応する収容部112を有している。収容部112は、収容部112の種々異なった外部寸法に対応する収容案内部31,32を有している。収容部112、収容案内部31,32およびアルミニウム中空型材22は、上記収容部111、上記アルミニウム型材21および上記収容案内部31,32に対応しているので、繰り返し説明しない。同様に高密度の発泡材51が対応して収容部112内に配置されている。
【0033】
さらにプラスチック中空型材11は中空室113を有している。好ましくは、この中空室113には、さらなる補強部材23が、必要に応じて外部寸法に対して位置精度良く配置されている。補強部材23は、例えばプラスチック中空型材の外面に取り付けられる金具を確実にねじ込む役割を果たす。中空室113には、好ましくは、低密度の発泡材52が少なくとも部分的に、または完全に発泡充填されている。
【0034】
プラスチック中空型材の横断面は、アンダカットされた切欠きなど、金具およびロック部材(図示しない)、シール71,72,201および窓レール202などの他の部材を収容し、装飾部材81,82を取り付けるための複合的な幾何学形状を有している。装飾部材81,82は、例えば型材にクリップされるアルミニウムプレートとして形成してもよい。しかしながら、特殊鋼、木材、プラスチックなどのほかの材料を装飾部材81,82のために用いることも可能である。
【0035】
上記実施形態の補強プラスチック型材は、熱特性、機械的特性、横断面ならびに表面および色の設計に関して冒頭で述べた利点をもたらす。本実施形態では、アルミニウム中空型材21,22は、高密度の発泡材51によりプラスチック型材11の内部に固定されている。この場合、プラスチック中空型材、特にその中空室21aも、プラスチック型材11の外部形状に対して位置精度良く位置決めされる。なぜなら、以下に説明するように、製作時にはプラスチック型材11の外部形状、および、少なくともアルミニウム中空型材21,22の位置決めのために重要な収容案内部31,32が位置精度良く較正されるからである。
【0036】
上記のような補強されたプラスチック型材がコーナ結合材により結合される場合、コーナ結合材を、アルミニウム中空型材21,22の中空室、例えば中空室21aに挿入することができ、プラスチック中空型材の外部形状は、位置精度良い較正により同様に正確に整列する。これにより、コーナ結合材による結合時にコスト高な後処理を最小限に抑えることができる。
【0037】
プラスチック中空型材12を有する図1に示したフレーム型材は、既に述べたプラスチック中空型材11と類似の構成を有しており、それ故、ここでは簡潔にのみ説明する。ここでも収容案内部31,32を有する収容部121,122の内部には、アルミニウム中空型材23,24が位置精度良く挿入されており、高密度の発泡材51によりプラスチック中空型材12の外部形状に対して位置精度良く、特に長手方向に堅固に固定されている。プラスチック中空型材はさらなる中空室を有し、この中空室には低密度の発泡材52が部分的または完全に発泡充填されている。他の特徴はプラスチック中空型材11の特徴に対応しているので、繰り返し説明しない。
【0038】
次に図1〜図4に示した補強プラスチック中空型材を製作するための方法を説明する。欧州特許出願公開第0817715号、ドイツ国特許第19921458号には、それぞれ中空室型材を製作するための方法および装置が記載されている。この場合、個々の部材または中空室型材全体を位置精度よく較正することができる。第1実施形態のプラスチック中空型材11,12は、対応した方法により製作されるが、必要に応じて耐色性、耐光性および/または耐候性のある材料が選択される。製作時に型材は押出成形され、少なくとも外面、および、補強材を位置決めするために設けられた内面が位置精度良く較正される。材料としては、硬質PVC、PA、PET、PPT、PA/PPE、ASA(補強されているものまたは補強されていないもの)、PA66GFなど(いずれも補強材を備えているものまたは備えていないもの)が考慮される。
【0039】
補強部材は、好ましくはアルミニウム押出成形により製作される。補強材の表面は、サンドブラストまたは下塗りにより発泡材との結合部に適合させることができる。
【0040】
補強部材の取付は、取付のために設けた収容位置に押し込むことにより行われる。唯一の発泡工程により、中空型材の内部に補強部材を長手方向に堅固に固定することができ、この場合、長手方向に、通路21bと、収容部においてアルミニウム中空型材を取り囲む空間と、貫通路21cとを通って発泡材が充填される。上記のように補強部材を長手方向に堅固に固定するためには、高密度(好ましくは0.3〜0.6kg/l)の発泡材(例えば、対応した密度の発泡材としてPUなどの熱硬化性樹脂)が使用される。補強部材とプラスチック中空型材との長手方向に堅固な結合が重要ではない領域を発泡充填するためには、低密度ひいては特に低い熱伝導率の発泡材を使用することができる。
【0041】
上記実施形態によれば、型材の任意の箇所に任意のアンダカットを設けることが可能である。アルミニウムからなる外部および内部カバーの表面処理は、発泡工程とは無関係に行うことができる。発泡材は焼成温度に耐えられないのでこのことは有利である。この利点に加えて、上記実施形態は、コーナ結合材によりコーナ結合部を形成するために補強型材を使用することができ、同時に不可避的な後処理が最小限に抑えられる、極めて良好な機械的特性を有するシステムを可能にする。この実施形態は、異なった密度の発泡材の使用、ひいては熱伝導特性の最適化を可能にする。発泡領域を区別して、補強部の長手方向に堅固な結合のためには高密度の発泡材を使用し、主要中空空間を発泡充填するためには、特に低いラムダ値を有する低密度の発泡材を用いることができる。
【0042】
さらに、冒頭で述べた利点が得られる。
【0043】
次に図2を参照して第2実施形態を説明する。図2に示した実施形態は、枠型材の部材のみが図1に示した第1実施形態とは異なる。図2の左上側を見ればわかるように、枠型材を形成しているプラスチック中空型材13は、図1の下側(天候にさらされる側)に、収容部122、収容案内部およびアルミニウム中空型材24について第1実施形態に対応した実施形態を有している。これらについてはここでさらに説明しない。図1における上側の収容部121に対応した中空室は形成されておらず、アルミニウム中空型材25のための、プラスチック中空型材13の外面に位置する収容部131が形成されている。収容部131は、いずれかの収容案内部31に対応した形状を有する収容案内部33を有している。
【0044】
アルミニウム型材25は第1区分25fを有しており、この第1区分25fの内部には、中空室21aに対応する中空室25aが形成されている。アルミニウム型材21の場合と同様に、長手方向に延在する通路25bが形成されているが、この通路25bは一方側にのみ貫通路25cを有している。この側は、組立状態でプラスチック中空型材13に向いている側である。第1区分25fからは、平行に突出したレール25gが延在しており、レール25gは、第1区分25fに向いていない側に鉤状端部を有している。この鉤状端部からは、ここでも横断面が鉤状のレール25hが突出しており、レール25hは、第1実施形態の収容案内部31および対応したレール21dの場合と同様に、収容案内部33のアンダカットされた収容部に対して所定の許容公差をもって相補的に形成されている。アルミニウム中空型材25とプラスチック中空型材13とを長手方向に堅固に、位置決め精度良く結合するために、アルミニウム中空型材に一体に発泡され、発泡材は通路25bおよび貫通路25cならびにアルミニウム中空型材25とプラスチック中空型材13との間に位置する空間を介して長手方向に分配される。一体発泡時には、第1実施形態の場合のように高密度の発泡材51が使用される。
【0045】
プラスチック中空型材13の外部形状および収容案内部33を対応して較正して形成することにより、アルミニウム中空型材25とプラスチック中空型材13との位置決め精度良い長手方向に堅固な結合を、一体発泡により達成することができる。
【0046】
図3を参照して第3実施形態を説明する。第3実施形態は、プラスチック中空型材14,15の収容部141,142,151,152の内部に収容案内部31,32が設けられていない点で第1実施形態とは異なっている。その代わりに、アルミニウム中空型材26,27,28,29はアルミニウム中空型材の外面に突出したレールを有しており、これらのレールは、収容部141,142,151,152の位置精度良く較正された内壁と協働して、収容部に挿入されているアルミニウム中空型材を正確に案内および位置決めするための役割を果たす。
【0047】
第1および第2実施形態の場合と同様に、アルミニウム中空型材26,27,28,29は、高密度の発泡材51を使用して収容部141,142,151,152の内部で位置精度良く、長手方向に堅固に固定される。
【0048】
第3実施形態のその他の特徴は、第1および第2実施形態の対応した特徴と一致するので、繰り返し記載しない。
【0049】
全ての実施形態で、プラスチック中空型材のために第1実施形態について記載した製作方法を用いることができる。アルミニウム中空型材が内部発泡または一体に発泡される全ての実施形態では、第1または第2実施形態について記載した方法を使用することができる。
【0050】
上記プラスチック中空型材11〜15は、低密度の発泡材52を充填されたそれぞれ1つの内側中空室を有している。プラスチック中空型材は、複数の中空室を有しており、これらの中空室には、選択的に充填される装置に応じて、選択的に完全または部分的に高密度または低密度の発泡材が充填されている。
【0051】
全ての実施形態では、アルミニウム中空型材の中空室を位置精度よく位置決めすることができることが共通しており、対応した中空室を、コーナ結合材を使用してコーナ結合部を形成するために利用することができる。
【0052】
当然ながら、コーナ結合材に代替して、または付加的に、対応した結合部を、他の方法で、例えば、プラスチック中空型材の溶接により形成することもできる。この場合にも、アルミニウム中空型材を長手方向に堅固に位置精度良く配置することは有利である。なぜならば、一方では機械的特性を改善することができ、かつ他方では、この場合にも突出部などによって生じる後調整作業を回避することができるからである。
【0053】
上記型材の外部形状は、プラスチック材料の対応した選択およびアルミニウムまたは他の材料からなる部材を取り付けることにより形成することができる。
【0054】
本明細書および/または請求項に開示された全ての特徴は、本来の開示目的で、また実施形態および/または請求項に記載の特徴の組合わせとは無関係に、請求された発明を限定する目的で、独立しており、また互いに無関係なものとみなされるべきであることを明示的に強調しておく。範囲示唆またはユニットのグループの示唆は全て、本来の開示目的のためのユニットのあらゆる可能な中間的または下位の概念を、請求された発明を限定する目的のためにも、特に範囲示唆の限定としても、開示するものであることを明示的に強調しておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延在し、長手方向に対して垂直な第1面および該第1面と対向した第2面を有するプラスチック型材部分(11,12,13)と、少なくとも2つの補強部材(21,22,23,24,25)とを有する窓、ドアおよびファサード部材のための補強プラスチック型材において、
前記プラスチック型材部分(11,12,13)が、長手方向に延在する少なくとも2つの収容案内部(31,32,33)を有し、前記プラスチック型材部分の外面および前記収容案内部が位置精度良く較正されており、これにより、前記収容案内部が、前記プラスチック型材部分の外面に対してそれぞれ1つの前記補強部材(21,22,23,24,25)を正確に案内し、位置決めすることができ、
少なくとも2つの前記収容案内部のうち一方が前記第1面に形成されており、他方が前記第2面に形成されており、
前記補強部材(21,22,23,24,25)とプラスチック型材部分(11,12,13)とが、対応した前記収容案内部(31,32,33)内に挿入され、対応した前記収容案内部により位置決めされた前記補強部材(21,22,23,24,25)を一体発泡または内部発泡することにより、長手方向に堅固に結合されており、前記プラスチック型材部分(11,12,13)の外形に対して補強部材(21,22,23,24,25)が正確に位置決めされていることを特徴とする窓、ドアおよびファサード部材のための補強プラスチック型材。
【請求項2】
請求項1に記載の補強プラスチック型材において、
少なくとも1つの前記補強部材(21,22,23,24,25)が、結合部材を挿入され、さらなる補強プラスチック型材とのコーナ結合部を形成するように前記結合部材に堅固に結合可能とされている補強プラスチック型材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の補強プラスチック型材において、
前記プラスチック型材部分(11,12,13,14,15)が、長手方向に延在する少なくとも1つの中空室(111,112,121,122,141,142,151,152)を有し、該中空室が、内部発泡される補強部材(21,22,23,24,26,27,28,29)のための収容部を形成しており、前記中空室(111,112,121,122)が、該中空室内に内部発泡される前記補強部材(21,22,23,24)を正確に案内および位置決めするための対応した収容案内部(31,32,33)を有している補強プラスチック型材。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載の補強プラスチック型材において、
前記プラスチック型材部分(13)において、長手方向に延在し、前記プラスチック型材部分の外面に位置する少なくとも1つの収容部(131)を有し、該収容部(131)に、一体発泡される補強部材(25)を正確に案内し、位置決めするための収容案内部(33)が形成されている補強プラスチック型材。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の補強プラスチック型材において、
前記補強部材(21,22,23,24,25,26,27,28,29)が、金具およびロック部材を収容および/または固定できる補強プラスチック型材。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の補強プラスチック型材において、
前記補強部材(21,22,23,24,25,26,27,28,29)が、前記プラスチック型材部分の内部で、および/または前記プラスチック型材部分において案内および位置決めするための1つ以上の第1領域を有し、前記補強部材(21,22,23,24,25,26,27,28,29)が、コーナ結合部材を収容し、固定するための1つ以上の第2領域を有し、第1および第2領域が、互いに小さい許容公差を有している補強プラスチック型材。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の補強プラスチック型材において、
前記補強部材(21,22,23,24,25,26,27,28,29)が、前記補強部材を長手方向に堅固に結合するための手段を挿入および分配するための1つ以上の領域を有している補強プラスチック型材。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の補強プラスチック型材において、
前記補強部材を長手方向に堅固に結合するための前記手段が、前記プラスチック型材部分および前記補強部材に対して良好な接着性を有する0.3〜0.6(kg/l)の密度範囲の発泡材から選択されている補強プラスチック型材。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載の補強プラスチック型材において、
窓、ドアまたはファサード部材の室外側および室内側の面を形成するために設けられた、補強プラスチック型材の面が、外面に装飾部材を取り付けることができる補強プラスチック型材。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の補強プラスチック型材において、
前記プラスチック型材部分(11,12,13、14,15)が、少なくとも1つの中空室を有するプラスチック中空型材部分として形成されており、前記プラスチック中空型材部分の少なくとも1つの中空室が、温度最適化のために少なくとも部分的に発泡充填されている補強プラスチック型材。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項に記載のプラスチック中空型材部分により形成された補強プラスチック型材を製作するための方法において、
前記プラスチック中空型材部分を製作するために、必要に応じて外部形状および少なくとも収容案内部(31,32,33)を較正する製作方法を用いる方法。
【請求項12】
窓、ドアまたはファサード部材において、
請求項1から10までのいずれか一項に記載の補強プラスチック型材を有することを特徴とする窓、ドアまたはファサード部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−513748(P2010−513748A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540665(P2009−540665)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/011027
【国際公開番号】WO2008/071445
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(509167291)テクノフォーム カプラノ ウント ブルーンホファー ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (1)
【Fターム(参考)】