説明

窓開閉装置

【課題】気流に基づく障子による開口の開閉幅を所望幅に調節することができ、気流に基づく障子による開口の開閉と、障子の位置を保持することによる開口の強制的な閉鎖とを操作により切り替えることができる窓開閉装置を提供すること。
【解決手段】窓開閉装置1は、窓枠2と、窓枠2に画成された開口3を開閉する障子4と、鉛直方向Vにおける障子4の部位31を窓枠2に対して回転自在に連結している連結機構18と、鉛直方向Vにおける障子4の部位33を前後方向Xにおいて移動自在に窓枠2に対して連結している連結機構19と、連結機構19を介して障子4による開口3の開閉を操作する開閉操作機構20とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、障子の開閉移動により建物の開口を開閉させる窓開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1においては、障子の上部を窓枠に対して昇降自在に連結している連結機構と、障子の前記上部に対して下方に配される障子の他の部位を窓枠に対して前後方向に移動自在に連結している連結機構とを具備しており、障子自体の重心及び障子の他の部位の相互位置との関係において障子に開口開放位置に向かう移動力を生じさせる窓開閉装置が提案されている。斯かる窓開閉装置は、気流に基づいて障子が開口に対して開閉移動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−160922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、斯かる窓開閉装置では、気流に基づく障子による開口の開閉幅を所望幅に調節することが困難である。また、斯かる窓開閉装置では、気流に基づく障子による開口の開閉と、障子の位置を保持することによる開口の強制的な閉鎖とを操作により切り替えることは困難である。
【0005】
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、気流に基づく障子による開口の開閉幅を所望幅に調節することができ、気流に基づく障子による開口の開閉と、障子の位置を保持することによる開口の強制的な閉鎖とを操作により切り替えることができる窓開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の窓開閉装置は、建物に装着される枠体と、枠体に画成された開口に配されていると共に当該開口を開閉する障子と、この障子が開口を開閉自在となるように、上下方向における障子の一方側の部位を枠体に対して回転自在に連結している第一の連結機構と、上下方向における障子の他方側の部位を前後方向において移動自在に枠体に対して連結している第二の連結機構と、第二の連結機構を介して障子による開口の開閉を操作する開閉操作機構とを具備しており、第二の連結機構は、上下方向における障子の他方側の部位及び枠体の夫々に回転自在に連結されている回動自在な第一の連結部材と、第一の連結部材の回動に伴う枠体に対する揺動を案内するように枠体に設けられている案内路と、第一の連結部材の回動に伴って回動を生じるように、第一の連結部材の障子に対する回転軸心及び枠体に対する回転軸心間の部位並びに当該部位に対して上下方向において第一の連結部材の障子に対する回転軸心側に位置する枠体の他の部位の夫々に回転自在に連結されている第二の連結部材とを具備しており、開閉操作機構は、第二の連結部材に設けられていると共に、第二の連結部材の一方の回動に基づいて前後方向において一方側に変位するように回動する一方、第二の連結部材の他方の回動に基づいて前後方向において他方側に変位するように回動する回動部と、操作により回動部に対して上下方向に移動する上下動部材と、前後方向において他方側に変位した回動部に対して上下動部材の上下方向の一方の移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられた当接部と、当接部に対して前後方向において一方側に位置するように上下動部材に設けられていると共に前後方向において一方側に変位した回動部の回動を禁止すべく上下動部材の上下方向の一方の移動に基づいて当該回動部に係合する係合部と、前後方向において一方側に変位した回動部に上下動部材の上下方向の移動に基づいて当接する一方、前後方向において他方側に変位した回動部に対して前後方向において離反するように上下動部材に回転自在に設けられた爪車とを具備しており、爪車は、前後方向において一方側に変位した回動部を前後方向において他方側に案内すべく当該回動部に対する上下動部材の上下方向の他方の移動に基づく当接においては回転が禁止される一方、前後方向において一方側に変位した回動部に対する上下動部材の上下方向の一方の移動を許容すべく当該回動部に対する上下動部材の上下方向の一方の移動に基づく当接においては回転するように上下動部材に設けられている。
【0007】
本発明の窓開閉装置によれば、特に、開閉操作機構は、第二の連結部材に設けられていると共に、第二の連結部材の一方の回動に基づいて前後方向において一方側に変位するように回動する一方、第二の連結部材の他方の回動に基づいて前後方向において他方側に変位するように回動する回動部と、操作により回動部に対して上下方向に移動する上下動部材と、前後方向において他方側に変位した回動部に対して上下動部材の上下方向の一方の移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられた当接部と、当接部に対して前後方向において一方側に位置するように上下動部材に設けられていると共に前後方向において一方側に変位した回動部の回動を禁止すべく上下動部材の上下方向の一方の移動に基づいて当該回動部に係合する係合部と、前後方向において一方側に変位した回動部に上下動部材の上下方向の移動に基づいて当接する一方、前後方向において他方側に変位した回動部に対して前後方向において離反するように上下動部材に回転自在に設けられた爪車とを具備しており、爪車は、前後方向において一方側に変位した回動部を前後方向において他方側に案内すべく当該回動部に対する上下動部材の上下方向の他方の移動に基づく当接においては回転が禁止される一方、前後方向において一方側に変位した回動部に対する上下動部材の上下方向の一方の移動を許容すべく当該回動部に対する上下動部材の上下方向の一方の移動に基づく当接においては回転するように上下動部材に設けられているために、上下動部材を上下方向の他方に移動させて回動部と係合部との係合を解除することで、気流に基づく障子による開口の開閉を自在な状態にすることができ、しかも、上下動部材を上下方向の一方に移動させて当接部を変位させることで、気流に基づく障子による開口の開閉幅を所望幅に調節することができ、また、気流に基づく障子による開口の開閉と、障子の位置を保持することによる開口の強制的な閉鎖とを操作により切り替えることができる。
【0008】
本発明の窓開閉装置では、爪車は、所定回転位置において上下動部材に支持されており、その自重により所定回転位置に向かう回転モーメントを生じるように上下動部材に設けられていてもよく、斯かる事項に加えて又は代えて、爪車は、所定回転位置において上下動部材に支持されており、前後方向において一方側に変位した回動部に対する上下動部材の上下方向の一方の移動に基づく当接によって回転する爪車の当該回転に抗して当該爪車を所定回転位置に復帰させるべく付勢する付勢部材を具備していてもよい。
【0009】
本発明の窓開閉装置では、当接部に対して回動部の上下方向に関する揺動を許容する揺動許容幅をもって配されていると共に回動部に対して上下動部材の上下方向の他方の移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられた他の当接部を具備していてもよく、爪車は、当接部と他の当接部との間に配設されていてもよい。斯かる窓開閉装置によれば、操作により上下動部材を上下方向に移動させて回動部を当接部及び他の当接部間に位置させることで、当該回動部の上下方向における揺動許容幅の範囲内における揺動を許容して障子の移動を許容することができ、また、上下動部材を上下方向の他方に移動させて他の当接部を変位させることで、気流に基づく障子による開口の開閉幅を所望幅に調節することができ、加えて、上下動部材を上下方向の一方に移動させて当接部を変位させることで障子による開口の最大開放幅及び最大閉鎖幅のうちの一方を所望に強制的に狭めることができ且つ上下動部材を上下方向の他方に移動させて他の当接部を変位させることで障子による開口の最大開放幅及び最大閉鎖幅のうちの他方を所望に強制的に狭めることができる。また、斯かる窓開閉装置によれば、気流に基づく障子4による開口3の開閉と、障子4の位置を保持することによる開口3の強制的な開放とを操作により切り替えることができる。
【0010】
本発明の窓開閉装置では、開閉操作機構は、上下動部材の上下方向における移動に基づいて障子に開口を開閉させるべく、操作により上下動部材を上下方向に移動させる移動操作機構とを具備していてもよく、移動操作機構は、上下動部材が固着されていると共に枠体に沿って配設されている可撓性を有した長尺体と、この長尺体を上下方向に案内する案内部材と、長尺体を走行させる走行手段とを具備していてもよい。斯かる窓開閉装置によれば、移動操作機構を枠体から突出させることなく配設し得る。
【0011】
本発明の窓開閉装置では、回動部は、障子が開口を閉鎖する際に生じる第二の連結部材の一方の回動に基づいて前方側に変位する一方、障子が開口を開放する際に生じる第二の連結部材の他方の回動に基づいて後方側に変位するように、第二の連結部材に設けられており、当接部は、後方側に変位した回動部に対して上下動部材の下方に向かう移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられており、係合部は、当接部に対して前方側に位置するように上下動部材に設けられていると共に前方側に変位した回動部の回動を禁止すべく上下動部材の下方に向かう移動に基づいて当該回動部に係合するようになっており、他の当接部は、回動部に対して上下動部材の上方に向かう移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられており、爪車は、前方側に変位した回動部を後方側に案内すべく当該回動部に対する上下動部材の上下方向の上方に向かう移動に基づく当接においては回転が禁止される一方、前方側に変位した回動部に対する上下動部材の下方の移動を許容すべく当該回動部に対する上下動部材の下方の移動に基づく当接においては回転するように、且つ、後方側に変位した回動部に対して前後方向において離反するように、上下動部材に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、気流に基づく障子による開口の開閉幅を所望幅に調節することができ、気流に基づく障子による開口の開閉と、障子の位置を保持することによる開口の強制的な閉鎖とを操作により切り替えることができる窓開閉装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態の例の側面視断面説明図である。
【図2】図1に示す例の開口閉鎖状態の側面視断面説明図である。
【図3】図2に示す例の障子を省いた側面視断面説明図である。
【図4】図2に示す例の一部の平面視断面説明図である。
【図5】図1に示す例の展開斜視説明図である。
【図6】図1に示す例の動作説明図である。
【図7】(a)及び(b)は図1に示す例の主に開閉操作機構の説明図である。
【図8】(a)及び(b)は図1に示す例の主に他の開閉操作機構の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明を、図に示す好ましい実施の形態の例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【実施例】
【0015】
図1から図7において、本例の窓開閉装置1は、建物(図示せず)に装着される枠体としての窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に当該開口3を開閉する障子4と、障子4が開口3を開閉自在となるように、上下方向における障子4の一方側の部位、本例では鉛直方向Vにおける障子4の上側の部位31を窓枠2に対して回転自在に連結している第一の連結機構18と、上下方向における障子の他方側の部位、本例では鉛直方向Vにおける障子4の下側の部位33を前後方向Xにおいて移動自在に窓枠2に対して連結している第二の連結機構19と、連結機構19を介して障子4による開口3の開閉を操作する開閉操作機構20とを具備している。
【0016】
窓開閉装置1は、障子4の開口開放位置に向かう前方移動により図1に示すように開口3を開き、障子4の開口閉鎖位置に向かう後方移動により図2に示すように開口3を閉じるようになっている。図6は、障子4が図1に示す開口開放位置と図2に示す開口閉鎖位置との間において気流に基づいて前後方向Xに移動自在な状態の窓開閉装置1を示している。
【0017】
窓枠2は、鉛直方向Vで互いに対向する上枠12及び下枠13並びに横方向Yで互いに対向する一対の縦枠14を有している。上枠12、下枠13並びに一対の縦枠14が障子4に当接する部位には、障子4に当接するシール部材が装着されている。一対の縦枠14は、夫々互いに同様に形成されているので、一対の縦枠14のうちの一方についての詳細な説明を省略する。
【0018】
連結機構18及び19を介して窓枠2に装着されている障子4は、ガラス板等からなる矩形状の障子本体21、上框22、下框23並びに一対の縦框24を有している。一対の縦框24は横方向Yにおいて互いに対向している。障子本体21の周囲は、上框22、下框23並びに一対の縦框24によって覆われている。一対の縦框24は、夫々互いに同様に形成されているので、一対の縦枠24のうちの一方についての詳細な説明を省略する。障子4は、開口開放位置において静止した状態となり、建物外7側から建物内8側に向かう気流に基づく後方移動により、開口3を狭めたり、気流に基づく前方移動により開口3を拡げたりするようになっている。部位31に対して鉛直方向Vにおいて異なる位置、本例では部位31に対して鉛直方向Vにおいて下方に位置する障子4の部位33は、障子4の重心Gと同位置に配されていてもよいが、本例では、重心Gに対して上方であって建物外7側に位置している。部位31は上框22側において一対の縦框24の夫々に配置されており、部位33は上框22及び下框23間において一対の縦框24の夫々に配されている。
【0019】
連結機構18は、一端が縦框24の上框22側に位置する障子4の部位31に回転自在に連結されていると共に他端が縦枠14に回転自在に連結されており、障子4の前後方向Xにおける移動に伴って回動を生じる回動部材としての回動アーム41を具備している。
【0020】
連結機構19は、例えば図3及び図4に示すように、障子の部位33及び窓枠2の夫々に回転自在に連結されている回動自在な第一の連結部材としての連結アーム51と、連結アーム51の回動に伴う窓枠2に対する揺動を案内するように窓枠2に設けられている案内路71と、連結アーム51の回動に伴って回動を生じるように、連結アーム51の障子4に対する回転軸心C1及び窓枠2に対する回転軸心C2間の部位52並びに当該部位52に対して鉛直方向Vにおいて回転軸心C1側に位置する窓枠2の他の部位16の夫々に回転自在に連結されている第二の連結部材としての連結アーム61とを具備している。
【0021】
連結アーム51は、その一端が縦框24の部位33に横方向Yに伸びる水平軸としての回転軸心C1を中心として回転自在に連結されており、その他端が部位33に対して鉛直方向Vにおいて異なる位置、本例では部位33に対して鉛直方向Vにおいて上方の位置に存する縦枠14の部位15に案内路71を介して横方向Yに伸びる水平軸としての回転軸心C2を中心として回転自在に連結されている。回転軸心C1は、回転軸心C2に対して下方に位置する。連結アーム51の一端は、当該連結アーム51の他端に対して建物外7側に配されている。連結アーム51がR1方向に回動する場合には、連結アーム51の一端は横方向Y及び鉛直方向Vに直交する前後方向Xにおいて当該連結アーム51の他端から離反し、連結アーム51の他端は鉛直方向Vにおいて案内路71に沿って下方に向かって移動する。また、連結アーム51がR2方向に回動する場合には、連結アーム51の一端は前後方向Xにおいて当該連結アーム51の他端に接近し、連結アーム51の他端は鉛直方向Vにおいて案内路71に沿って上方に向かって移動する。
【0022】
案内路71は、縦枠14に形成された鉛直方向Vに伸びた長孔又はスリット、本例では長孔からなる。案内路71には、連結アーム51の他端が軸体72を介して回転軸心C2を中心として回転自在に配されており、軸体72を介して連結アーム51の他端を回転軸心C2及びC4を通る線上において鉛直方向Vに直動案内するようになっている。尚、直動により軸体72が案内路71の下端に到達した場合には、連結アーム51のR1方向の回動は禁止され、これにより、障子4の開口開放位置に向かう前方移動も禁止されるようになっていてもよく、また、直動により軸体72が案内路71の上端に到達した場合には、連結アーム51のR2方向の回動は禁止され、これにより、障子4の開口閉鎖位置に向かう後方移動も禁止されるようになっていてもよい。
【0023】
連結アーム61は、その一端が連結アーム51に横方向Yに伸びる水平軸としての回転軸心C3を中心として回転自在に連結されており、その他端が縦枠14に横方向Yに伸びる水平軸としての回転軸心C4を中心として回転自在に連結されている。回転軸心C4は、回転軸心C2に対して下方に位置する。連結アーム61の一端は、当該連結アーム61の他端に対して建物外7側に配されている。連結アーム61がr1方向に回動する場合には、連結アーム61の一端は前後方向Xにおいて当該連結アーム61の他端から離反する。また、連結アーム61がr2方向に回動する場合には、連結アーム61の一端は前後方向Xにおいて当該連結アーム61の他端に接近する。
【0024】
縦枠14には、板状体25が固着されており、板状体25には、案内路71が形成されていると共に回動アーム41の他端、連結アーム51の他端及び連結アーム61の他端が夫々回転自在に連結されている。
【0025】
連結アーム61の他端には、連結アーム61の回動に基づいてr1方向及びr2方向に回動する後述の回動部62が一体的に設けられている。回動部62は、回転軸心C4に対して建物内8側に位置するように当該回転軸心C4から離反している。
【0026】
回転軸心C3から回転軸心C4までの長さと回転軸心C2から回転軸心C3までの長さとの比は、回転軸心C2から回転軸心C3までの長さと回転軸心C1から回転軸心C3までの長さとの比と等しい。
【0027】
斯かる連結機構19は、障子4による開口3の開閉に伴い、障子4の部位33に前後方向Xにおいて所謂近似平行運動(スコットラッセル近似平行運動(Scott Russell’s parallel motion))を行わせ得る。回転軸心C2から回転軸心C3までの長さ及び回転軸心C1から回転軸心C3までの長さは、本例では互いに等しくなっており、これにより、障子4による開口3の開閉に伴い、障子4の部位33に前後方向Xにおいて厳正直線運動を行わせ得る。連結アーム51の一端、特に当該一端に位置する回転軸心C1は、障子4が前後方向Xに移動する場合において、回転軸心C1及びC4を通る前後方向Xに伸びる線上で厳正直線運動を行い、これにより、連結アーム51に連結されている障子4の部位33もまた前記線上で厳正直線運動を行う。回転軸心C3から回転軸心C4までの長さは、回転軸心C2から回転軸心C3までの長さ及び回転軸心C1から回転軸心C3までの長さと等しくてもよい。
【0028】
開閉操作機構20は、例えば図3から図5並びに図7の(a)及び(b)に示すように、連結アーム61に設けられていると共に、連結アーム61のr2方向の回動に基づいて前後方向Xにおいて前方側(建物外7側)に変位するようにr2方向に回動する一方、連結アーム61のr1方向の回動に基づいて前後方向Xにおいて後方側(建物内8側)に変位するようにr1方向に回動する回動部62と、操作により回動部62に対して鉛直方向Vに移動する上下動部材63と、前後方向Xにおいて後方側に変位した回動部62に対して上下動部材63の鉛直方向Vの下方に向かう移動に基づいて当接するように上下動部材63に設けられた当接部65と、当接部65に対して前後方向Xにおいて前方側に位置するように上下動部材63に設けられていると共に前後方向Xにおいて前方側に変位した回動部62のr1方向及びr2方向の回動を禁止すべく上下動部材63の下方に向かう移動に基づいて当該回動部62に係合する係合部68と、前後方向Xにおいて前方側に変位した回動部62に上下動部材63の鉛直方向Vの移動に基づいて当接する一方、前後方向Xにおいて後方側に変位した回動部62に対して前後方向Xにおいて離反するように上下動部材63にr3方向及びr4方向に回転自在に設けられた爪車64と、上下動部材63の鉛直方向Vにおける移動に基づいて障子4に開口3を開閉させるべく、操作により上下動部材63を鉛直方向Vに移動させる移動操作機構67とを具備している。
【0029】
回動部62は、連結アーム61の他端に位置する回転軸心C4に対して建物内8側に位置するピンからなり、このピンが当接部65及び爪車64に当接し、係合部68に係合する。連結アーム61は、その他端から前記ピンまで延長された部位を有しており、斯かる部位において前記ピンを支持している。回動部62は、回転軸心C4に対して建物内8側においてr1方向及びr2方向に回動するように配されている。回動部62は、回転軸心C4を中心とする連結アーム61のr1方向の回動において上方に向かって揺動しながら前後方向Xにおいて後方側に変位する一方、連結アーム61のr2方向の回動において下方に向かって揺動しながら前後方向Xにおいて前方側に変位する。
【0030】
上下動部材63は、鉤状本体75と、鉤状本体75が装着されていると共に後述の案内部85に鉛直方向Vに案内されるように案内部85において案内溝88に鉛直方向Vに移動自在に嵌合しているスライダ76とを具備している。鉤状本体75には、図7の(a)に示す所定回転位置にある爪車64のr3方向の回転を禁止するように爪車64に当接して当該爪車64を支持する支持部77が形成されている。支持部77は鉤状本体75から突出した突部からなる。
【0031】
当接部65は、鉤状本体75の建物内8側に位置する先端部からなり、係合部68は、鉤状本体75に形成されている凹所からなる。当接部65と係合部68は互いに隣接しており、当接部65は係合部68に対して前後方向Xにおいて後方側に配されている。当接部65は下方に向かって凸状であり、係合部68は下方に向かって凹状である。係合部68は、上下動部材63の下方に向かう移動において係合した回動部62の回動を禁止するようになっている。
【0032】
爪車64は、鉤状本体75に回転自在に取り付けられている。例えば図7の(a)に示すように所定回転位置にある爪車64の先端は、前後方向Xにおいて後方側に位置しており、前後方向Xにおいて当接部65に対して若干前方側に配されている。爪車64は、その自重によりr3方向の回転モーメントを生じるように前後方向Xにおいて後方側に伸びて上下動部材63に回転自在に取り付けられており、所定回転位置において支持部77に支持される。所定回転位置にある爪車64は、鉛直方向Vにおいて係合部68に対して対向して配されていると共に当接部65に対して回動部62が通過することができる程度の鉛直方向Vにおける間隔をもって配されている。尚、開閉操作機構20は、上下動部材63の下方に向かう移動に基づいて、当該爪車64の下方に位置する回動部62に当接することによってr4方向に回転する爪車64の当該回転に抗して当該爪車64を所定回転位置に復帰させるべくr3方向に付勢するコイルばね等からなる付勢部材(図示せず)を具備していてもよい。
【0033】
斯かる爪車64は、当該爪車64に対して上方に位置していると共に前後方向Xにおいて前方側に変位した状態の回動部62に対して、上下動部材63の上方に向かう移動に基づいて当該爪車64の上側の面78で係合部68から抜出された回動部62に当接する。回動部62に対する面78の当接においては当該爪車64が支持部77に支持されてそのr3方向の回転が禁止されているので、回動部62は、上下動部材63の更なる上昇により爪車64の面78に前後方向Xにおいて後方側に案内される。回動部62が面78に案内されながら前後方向Xにおいて後方側に向かって移動する際には、連結アーム61はr1方向に回動する。また、爪車64は、当該爪車64に対して下方に位置している回動部62に対して上下動部材63の下方に向かう移動に基づいて当該爪車64の下側の面79で前後方向Xにおいて前方側に変位した状態の回動部62に当接する。回動部62に対する面79の当接においては当該爪車64がr4方向に回転自在な状態にあるので、爪車64は、上下動部材63の更なる下降により回動部62に押し上げられながらr4方向に回転することで回動部62に対する上下動部材63の下方に向かう移動を許容し、回動部62は係合部68に向かって上方に移動する。
【0034】
移動操作機構67は、上下動部材63が固着されていると共に窓枠2に沿って配設されている可撓性を有した長尺体としてのチェーン部材81と、チェーン部材81を鉛直方向Vに案内する案内部材82と、チェーン部材81を走行させる走行手段83とを具備している。
【0035】
案内部材82は、鉛直方向Vに伸びて縦枠14に装着された案内部85と、横方向Yに伸びて下枠13に装着された案内部86と、案内部85及び86を連結している湾曲案内部87とを具備しており、案内部85及び86並びに湾曲案内部87によってチェーン部材81が走行自在に配された案内溝88を形成している。チェーン部材81の一端はスライダ76に装着されており、スライダ76は案内部85において案内溝88に鉛直方向Vに移動自在に嵌合されている。
【0036】
走行手段83は、例えば図5に示すように、チェーン部材81の他端に連結されたロッド91と、ロッド91に歯車機構92を介して連結している回転軸93とを具備している。回転軸93は、ハンドル94が着脱自在に形成されていてもよく、また、電動モータの出力回転軸等の駆動源の出力部(図示せず)が連結されるように形成されていてもよい。斯かる走行手段83は、操作等により回転軸93に回転力が入力されると、当該回転軸93の回転を歯車機構92を介してロッド91に横方向Yの移動力として伝達して当該ロッド91を横方向Yに移動させ、而して、チェーン部材81を案内溝88に沿って走行させるようになっている。
【0037】
以上の窓開閉装置1による窓開閉操作について以下説明する。まず、障子4が図2に示すように開口閉鎖位置にある場合において、例えばハンドル94を回転軸93に装着し、このハンドル94の操作により回転軸93を回転させてチェーン部材81をA方向に走行させ、上下動部材63を上方に移動させて図7の(a)に示すように回動部62を係合部68から抜出させて当該係合部68と回動部62との係合を解除する。
【0038】
係合部68との係合が解除された回動部62は、r1方向及びr2方向に回動自在になると共に図7の(a)に示すように所定回転位置にある爪車64の面78に当接し、上下動部材63の更なる上昇により回転軸心C4よりも建物内8側においてr1方向の回動を生じながら面78に前後方向Xにおいて後方側に案内され、前後方向Xにおいて前方側から後方側に変位して図7の(a)に示すように当接部65の下方に配される。この際、連結アーム61は回動部62と共にr1方向に回動するために当該r1方向の回動が連結アーム51を介して障子4に伝達され、而して、障子4は、開口閉鎖位置から開口開放位置に向かって強制的に移動され、回動部62が鉛直方向Vにおいて当接部65の下方に配された際に開口開放位置に配される。
【0039】
回動部62が鉛直方向Vにおいて当接部65の下方に配されると、回動部62は爪車64から離反してr2方向に回動自在な状態となり、これにより、開口開放位置にある障子4の部位33は気流に基づいて開口閉鎖位置に向かって後方移動可能な状態となる。また、当接部65の下方に配された回動部62がr2方向に回動した場合には、当該回動部は当接部65に当接する位置までr1方向に回動自在な状態となり、これにより、気流に基づいて開口開放位置から開口閉鎖位置に向かって移動した状態の障子4は、その自重により又は気流に基づいて開口開放位置に向かって前方移動可能な状態となる。このように、上下動部材63の上昇により回動部62が鉛直方向Vにおいて当接部65の下方に配された場合には、障子4は図1及び図6に示すように気流に基づいて開口3に対して開閉移動な状態となる。図1に示す開口開放位置に配された障子4は静止し、建物外7から建物内8に向かう気流の強まりに応じて開口閉鎖位置に向かって後方移動し、当該気流の弱まりに応じて開口開放位置に向かって前方移動する。本例では、回転軸心C1は、障子4が開口開放位置に配された場合には重心Gと鉛直方向Vに伸びる線上に位置するように配されていてもよい。図1に示す状態において、移動操作機構67の操作により上下動部材63を回動部62に対して下方に向かって移動させて当接部65の回動部62に対する鉛直方向Vにおける位置を調節することにより障子4による開口3の最大開放幅を所望に強制的に狭めることができる。尚、当接部65は、上下動部材63が回動部62に対して上方に向かって移動されることにより、図1に示す開口開放位置にある障子4の更なる前方移動を許容するように配され得るが、障子4に過度な前方移動が生じる場合には当該障子4の前方移動が禁止されるように軸体72が案内路71の下端に到達するように形成されているのが望ましい。
【0040】
障子4が図1及び図6に示すように開口3に対して開閉移動可能な状態にある場合において、例えばハンドル94を回転軸93に装着し、このハンドル94の操作により回転軸93を回転させてチェーン部材81をB方向に走行させ、上下動部材63を下降させることにより、回動部62は図7の(b)に示すように爪車64の面79に当接し、当該爪車64を押し上げながらr4方向に回転させ、係合部68に係合される。回動部62に押し上げられながらr4方向に回転した爪車64は、鉛直方向Vにおいて当該爪車64の上方に位置し且つ係合部68に係合された回動部62から離反し、自重により又はコイルばね等からなる付勢部材による付勢によりr3方向に回転し、支持部77に支持されて所定回転位置に復帰する。障子4は、回動部62のr2方向の回動が連結アーム51を介して伝達されるので、開口開放位置から開口閉鎖位置に向かって後方移動し、回動部62が鉛直方向Vにおいて係合部68に対して下方に配された際には開口閉鎖位置に配される。尚、障子4が図1に示す開口開放位置にある場合には、上下動部材63を下降させることにより、鉛直方向Vにおいて当接部65の下方に位置する回動部62に当該当接部65を当接させ、当該回動部62を押し下げながらr2方向に回動させて、前後方向Xにおいて前方側に変位させると共に係合部68に接近させ、而して、係合部68に係合させることができる。
【0041】
本例の開閉操作機構20は、上述の構成に加えて、例えば図8の(a)及び(b)に示すように、当接部65に対して回動部62の鉛直方向Vに関する揺動を許容する揺動許容幅をもって離反して配されていると共に回動部62に対して上下動部材63の上方に向かう移動に基づいて当接するように上下動部材63に設けられた当接部66を具備していてもよい。当接部66は、鉤状本体75の建物外7側に位置する後端部から前後方向Xにおいて後方に突出した突出部からなり、鉛直方向Vにおいて当接部65及び係合部68に対して対向して配されている。当接部66は、回動部62、当接部65、係合部68及び爪車64に対して下方に配されている。前記揺動許容幅は、鉛直方向Vにおける当接部65から当接部66までの幅を意味し、本例では、障子4が開口開放位置から開口閉鎖位置まで開閉移動する際に回動部62が鉛直方向Vにおいて揺動する揺動幅と同等の幅であるか又はそれ以上の幅を有している。斯かる当接部66を具備した開閉操作機構20は、図1及び図6に示す状態と同様に、回動部62がr1方向及びr2方向に回動自在な状態にある場合において、図8の(b)に示すように、上下動部材63を回動部62に対して上昇させて当接部66の回動部62に対する鉛直方向Vにおける位置を調節することにより障子4による開口3の最大閉鎖幅を所望に強制的に狭めることができる。
【0042】
尚、本例の窓開閉装置1は、障子4に固着されていると共に障子4が開口閉鎖位置にある際に上下動部材63に設けられた突部(図示せず)と、この突部に嵌合する嵌合凹所を有していると共に当該嵌合凹所において前記突部に嵌合して障子4の開口開放位置に向かう前方移動を禁止するように障子4に設けられた禁止部材(図示せず)とを更に具備していてもよい。
【0043】
本例の窓開閉装置1によれば、建物に装着される枠体としての窓枠2と、窓枠2に画成された開口3に配されていると共に当該開口3を開閉する障子4と、障子4が開口3を開閉自在となるように、鉛直方向Vにおける障子4の一方側の部位31を窓枠2に対して回転自在に連結している第一の連結機構18と、鉛直方向Vにおける障子4の他方側の部位33を前後方向Xにおいて移動自在に窓枠2に対して連結している第二の連結機構19と、連結機構19を介して障子4による開口3の開閉を操作する開閉操作機構20とを具備しており、連結機構19は、鉛直方向Vにおける障子4の他方側の部位31及び窓枠2の夫々に回転自在に連結されている回動自在な第一の連結部材としての連結アーム51と、連結アーム51のR1方向及びR2方向の回動に伴う窓枠2に対する揺動を案内するように窓枠2に設けられている案内路71と、連結アーム51の回動に伴ってr1方向及びr2方向の回動を生じるように、連結アーム51の障子4に対する回転軸心C1及び窓枠2に対する回転軸心C2間の部位52並びに当該部位52に対して鉛直方向Vにおいて回転軸心C1側に位置する窓枠2の他の部位16の夫々に回転自在に連結されている第二の連結部材としての連結アーム61とを具備しており、開閉操作機構20は、連結アーム61に設けられていると共に、連結アーム61のr2方向の回動に基づいて前後方向Xにおいて前方側に変位するようにr2方向に回動する一方、連結アーム61のr1方向の回動に基づいて前後方向Xにおいて後方側に変位するようにr1方向に回動する回動部62と、操作により回動部62に対して鉛直方向Vに移動する上下動部材63と、前後方向Xにおいて後方側に変位した回動部62に対して上下動部材63の鉛直方向Vの下方の移動に基づいて当接するように上下動部材63に設けられた当接部65と、当接部65に対して前後方向Xにおいて前方側に位置するように上下動部材63に設けられていると共に前後方向Xにおいて前方側に変位した回動部62のr1方向及びr2方向の回動を禁止すべく上下動部材63の鉛直方向Vの下方の移動に基づいて当該回動部62に係合する係合部68と、前後方向Xにおいて前方側に変位した回動部62に上下動部材63の鉛直方向Vの移動に基づいて当接する一方、前後方向Xにおいて後方側に変位した回動部62に対して前後方向Xにおいて離反するように上下動部材63に回転自在に設けられた爪車64とを具備しており、爪車64は、前後方向Xにおいて前方側に変位した回動部62を前後方向Xにおいて後方側に案内すべく当該回動部62に対する上下動部材63の鉛直方向Vの上方の移動に基づく当接においてはr3方向の回転が禁止される一方、前後方向Xにおいて前方側に変位した回動部62に対する上下動部材63の鉛直方向Vの下方の移動を許容すべく当該回動部62に対する上下動部材63の鉛直方向Vの下方の移動に基づく当接においてはr4方向に回転するように上下動部材に設けられているために、上下動部材63を鉛直方向Vの上方に移動させて回動部62と係合部68との係合を解除することで、気流に基づく障子4による開口3の開閉を自在な状態にすることができ、しかも、上下動部材63を鉛直方向Vの下方に移動させて当接部65を変位させることで、気流に基づく障子4による開口3の開閉幅を所望幅に調節することができ、また、気流に基づく障子4による開口3の開閉と、障子4の位置を保持することによる開口3の強制的な閉鎖とを操作により切り替えることができる。
【0044】
窓開閉装置1によれば、当接部65に対して回動部62の鉛直方向Vに関する揺動を許容する揺動許容幅をもって配されていると共に回動部62に対して上下動部材63の鉛直方向Vの上方の移動に基づいて当接するように上下動部材63に設けられた他の当接部66を具備しており、爪車64は、当接部65及び66間に配設されている場合には、操作により上下動部材63を鉛直方向Vに移動させて回動部62を当接部65及び66間に位置させることで、当該回動部62の鉛直方向Vにおける揺動許容幅の範囲内における揺動を許容して障子4の移動を許容することができ、また、上下動部材63を鉛直方向Vの上方に移動させて他の当接部66を変位させることで、気流に基づく障子4による開口3の開閉幅を所望幅に調節することができ、加えて、上下動部材63を鉛直方向Vの下方に移動させて当接部65を変位させることで障子4による開口3の最大開放幅を所望に強制的に狭めることができ且つ上下動部材63を鉛直方向Vの上方に移動させて他の当接部66を変位させることで障子4による開口3の最大閉鎖幅を所望に強制的に狭めることができ、また、気流に基づく障子4による開口3の開閉と、障子4の位置を保持することによる開口3の強制的な開放とを操作により切り替えることができる。
【0045】
窓開閉装置1によれば、開閉操作機構20は、上下動部材63の鉛直方向Vにおける移動に基づいて障子4に開口3を開閉させるべく、操作により上下動部材63を鉛直方向Vに移動させる移動操作機構67とを具備しており、移動操作機構67は、上下動部材63が固着されていると共に窓枠2に沿って配設されている可撓性を有した長尺体としてのチェーン部材81と、チェーン部材81を鉛直方向Vに案内する案内部材82と、チェーン部材81を走行させる走行手段83とを具備しているために、移動操作機構67を窓枠2から突出させることなく配設し得る。
【符号の説明】
【0046】
1 窓開閉装置
2 窓枠
3 開口
4 障子
7 建物外
8 建物内
15、16、31、33、52 部位
18、19 連結機構
20 開閉操作機構
51、61 連結アーム
62 回動部
63 上下動部材
64 爪車
65、66 当接部
67 移動操作機構
68 係合部
71 案内路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に装着される枠体と、枠体に画成された開口に配されていると共に当該開口を開閉する障子と、この障子が開口を開閉自在となるように、上下方向における障子の一方側の部位を枠体に対して回転自在に連結している第一の連結機構と、上下方向における障子の他方側の部位を前後方向において移動自在に枠体に対して連結している第二の連結機構と、第二の連結機構を介して障子による開口の開閉を操作する開閉操作機構とを具備しており、第二の連結機構は、上下方向における障子の他方側の部位及び枠体の夫々に回転自在に連結されている回動自在な第一の連結部材と、第一の連結部材の回動に伴う枠体に対する揺動を案内するように枠体に設けられている案内路と、第一の連結部材の回動に伴って回動を生じるように、第一の連結部材の障子に対する回転軸心及び枠体に対する回転軸心間の部位並びに当該部位に対して上下方向において第一の連結部材の障子に対する回転軸心側に位置する枠体の他の部位の夫々に回転自在に連結されている第二の連結部材とを具備しており、開閉操作機構は、第二の連結部材に設けられていると共に、第二の連結部材の一方の回動に基づいて前後方向において一方側に変位するように回動する一方、第二の連結部材の他方の回動に基づいて前後方向において他方側に変位するように回動する回動部と、操作により回動部に対して上下方向に移動する上下動部材と、前後方向において他方側に変位した回動部に対して上下動部材の上下方向の一方の移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられた当接部と、当接部に対して前後方向において一方側に位置するように上下動部材に設けられていると共に前後方向において一方側に変位した回動部の回動を禁止すべく上下動部材の上下方向の一方の移動に基づいて当該回動部に係合する係合部と、前後方向において一方側に変位した回動部に上下動部材の上下方向の移動に基づいて当接する一方、前後方向において他方側に変位した回動部に対して前後方向において離反するように上下動部材に回転自在に設けられた爪車とを具備しており、爪車は、前後方向において一方側に変位した回動部を前後方向において他方側に案内すべく当該回動部に対する上下動部材の上下方向の他方の移動に基づく当接においては回転が禁止される一方、前後方向において一方側に変位した回動部に対する上下動部材の上下方向の一方の移動を許容すべく当該回動部に対する上下動部材の上下方向の一方の移動に基づく当接においては回転するように上下動部材に設けられている窓開閉装置。
【請求項2】
爪車は、所定回転位置において上下動部材に支持されており、その自重により所定回転位置に向かう回転モーメントを生じるように上下動部材に設けられている請求項1に記載の窓開閉装置。
【請求項3】
爪車は、所定回転位置において上下動部材に支持されており、前後方向において一方側に変位した回動部に対する上下動部材の上下方向の一方の移動に基づく当接によって回転する爪車の当該回転に抗して当該爪車を所定回転位置に復帰させるべく付勢する付勢部材を具備している請求項1に記載の窓開閉装置。
【請求項4】
当接部に対して回動部の上下方向に関する揺動を許容する揺動許容幅をもって配されていると共に回動部に対して上下動部材の上下方向の他方の移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられた他の当接部を具備しており、爪車は、当接部と他の当接部との間に配設されている請求項1から3のいずれか一項に記載の窓開閉装置。
【請求項5】
開閉操作機構は、上下動部材の上下方向における移動に基づいて障子に開口を開閉させるべく、操作により上下動部材を上下方向に移動させる移動操作機構とを具備しており、移動操作機構は、上下動部材が固着されていると共に枠体に沿って配設されている可撓性を有した長尺体と、この長尺体を上下方向に案内する案内部材と、長尺体を走行させる走行手段とを具備している請求項1から4のいずれか一項に記載の窓開閉装置。
【請求項6】
回動部は、障子が開口を閉鎖する際に生じる第二の連結部材の一方の回動に基づいて前方側に変位する一方、障子が開口を開放する際に生じる第二の連結部材の他方の回動に基づいて後方側に変位するように、第二の連結部材に設けられており、当接部は、後方側に変位した回動部に対して上下動部材の下方に向かう移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられており、係合部は、当接部に対して前方側に位置するように上下動部材に設けられていると共に前方側に変位した回動部の回動を禁止すべく上下動部材の下方に向かう移動に基づいて当該回動部に係合するようになっており、他の当接部は、回動部に対して上下動部材の上方に向かう移動に基づいて当接するように上下動部材に設けられており、爪車は、前方側に変位した回動部を後方側に案内すべく当該回動部に対する上下動部材の上下方向の上方に向かう移動に基づく当接においては回転が禁止される一方、前方側に変位した回動部に対する上下動部材の下方の移動を許容すべく当該回動部に対する上下動部材の下方の移動に基づく当接においては回転するように、且つ、後方側に変位した回動部に対して前後方向において離反するように、上下動部材に設けられている請求項1から5のいずれか一項に記載の窓開閉装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate