説明

窪み部分のある切削エッジを有する切削インサート

切削インサート(10)は、側面(14)と端面(12)とが交わる部位に形成された切削エッジ(54,56)を有する。側面(14)に形成された窪み(52)が切削エッジ窪み部分(54)の部位で切削エッジを途切れさせる。各切削エッジ窪み部分(54)は、切削インサートの端面を見たときに、湾曲した2つの側部の間に位置する湾曲した中央部を有する。中央部は第1の曲率半径を有し、それぞれの側部は第2の曲率半径(R2)を有し、第1の曲率半径が第2の曲率半径よりも大とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窪み部分のある切削エッジを有する切削インサートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ノッチや溝などの窪み部分のある切削エッジを有する切削インサートは、一般に、金属製ワークピースを高除去速度で粗くフライス加工するために用いられる。
【0003】
窪み部分のある切削エッジを有する切削インサートの分野では多くの例が開示されている。三角形状、正方形状、長方形状および円形状の切削インサートが、それぞれ、特許文献1、2、3および4に開示されている.
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第3,574,911号明細書
【特許文献2】米国特許第3,636,602号明細書
【特許文献3】米国特許第3,922,766号明細書
【特許文献4】米国特許第4,936,714号明細書
【特許文献5】米国特許第7,241,082号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかる従来技術の切削インサートにおいては、概して窪み部分の形状が幅広い性能に対して最適化されたものではなく、多くの場合切削インサートの切削エッジがフライス作業の間に破損し易いものであった。さらに、窪み部分のある切削エッジを有する従来技術の切削インサートの一般形状は、多くの場合、平坦な平行レーキ面およびベース面に対向するフラットスラブの形状、あるいは単純な凸形状(positive geometries)に限定され、従って切削インサートの応用範囲を制限するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては、対向する2つの端面およびそれらの間で延在する外周側面を具える切削インサートが提供される。外周側面は主側面を有する。主側面と端面の一方とが交わる部位に切削エッジが形成される。端面はレーキ面を含み、それに沿って機械加工作業時にワークピースから削られた切り屑が流れる。
【0007】
本発明においては、主側面に形成された窪みが複数の切削エッジ窪み部分で前記主切削エッジを途切れさせる。それぞれの切削エッジ窪み部分は窪みのない2つの切削エッジ部分の間に配される。切削エッジとともに端面が示される切削インサート(10)の端面を見たときに、それぞれの切削エッジ窪み部分は、湾曲した2つの側部の間に位置する湾曲した中央部を含んでいる。
【0008】
この切削エッジ窪み部分の構造は、フライス作業、特に金属製ワークピースを高除去速度で粗くフライス加工する場合に有利であることが証明されている。一方では、途切れた切削エッジが切り屑の分裂を生じさせ、他方では、途切れた切削エッジが切削エッジ窪み部分に湾曲構造を有していないものと比較して、途切れた切削エッジに対し破損することなくより高い切削力に耐える堅牢性を湾曲部が提供する。
【0009】
好適実施形態においては、中央部は第1の曲率半径を有し、それぞれの側部は第2の曲率半径(R2)を有し、第1の曲率半径(R1)が第2の曲率半径(R2)よりも大とされる。この特別な構造によって、途切れた切削エッジに対してさらなる強度が付与される。
【0010】
最良の性能のために最適化されたある特定の応用例では、第1の曲率半径が0.7から0.9mmの範囲にあり、第2の曲率半径が0.3から0.5mmの範囲にある。
【0011】
特別な応用例では、第1の曲率半径は0.83mmに等しく、第2の曲率半径は0.40mmに等しい。
【0012】
窪みのない切削エッジ部分は多くの好適な形状の1つを有し得る。いくつかの実施形態では、窪みのない切削エッジ部分のそれぞれは、直線、楕円形および螺旋形から成る群から選択されたものの部分とすることができる。
【0013】
本発明は、「反転レリーフ(reversed-relief)」の主レリーフ面を有する両側面型(double-sided)ないしは両端面型(double-ended)切削インサートを満足させる。かかる切削インサートは特許文献5に開示されている。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、対向する2つの端面は同等であり、外周側面は対向する2つの同等な主側面を含む。離隔した4つの主切削エッジが存在する。各主切削エッジは、各主側面が各端面と交わる部位に形成される。各端面は関連するレーキ面を含む。関連するレーキ面の各々は、それぞれの主切削エッジから切削インサートの概ね内方に内側端面46へと延在する。各主側面は関連する主レリーフ面を含む。関連する主レリーフ面の各々は、それぞれの主切削エッジから、主レリーフ面が含まれる主側面の中央領域に向かって延在する。主側面に概ね直交する平面で取った切削インサートの各断面において、主切削エッジの窪みのない主切削エッジ部分でのそれぞれの主レリーフ面(ここでは「反転レリーフ」の主レリーフ面として参照される)の接線が切削インサートの正中面に対して傾き、鋭角の内角をなす。各端面は4つのコーナー、すなわち対角線上で対向する2つの低位コーナーおよび対角線上で対向する2つの高位コーナーを有し、低位コーナーは高位コーナーよりも正中面(M)に近接している。
【0015】
本発明はまた、上述した種類の切削インサートを少なくとも2つ有するフライスも対象とする。
【0016】
本発明をよりよく理解し、それが実際上どのように実施されるかを示すために、添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る切削インサートの斜視図である。
【図2】図1の切削インサートの副側面を示す図である。
【図3】図1の切削インサートの端面を示す図である。
【図4】図1の切削インサートの主側面を示す図である。
【図5】図1の切削インサートの図3のV−V線に沿った部分断面図である。
【図6】図3に示したものと同様であるが切削インサートを軸Aのまわりに回転させて示す切削インサートの端面図である。
【図7】図6の切削インサートの切削エッジの詳細である。
【図8】本発明の実施形態に係る切削インサートを有するフライスの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず図1〜図7に着目するに、関連して本発明が記載され、説明される切削インサート10が示されている。しかしながら、本発明は切削インサートの切削エッジの特性に関連するものであり、図に示された切削インサートに適用可能であるのは勿論であるが、束縛されない例として用いられるその切削インサートには決して限定されないものである。切削インサート10は割り出し可能であり、好ましくは成形プレスまたは射出成形および炭化物粉末の焼結によって製造される。切削インサート10は、その端面から見た場合、概して長方形状である。
【0019】
外周側面14が2つの対向端面12間に延在し、対向する2つの同等の副側面16と、概ね平行四辺形状を有して対向する2つの同等の主側面(major side surface)18と、隣り合う副側面(minor side surface)16および主側面18の間に位置するコーナー側面20とを含んでいる。切削インサート10には貫通孔22が設けられ、これは端面12間に延在して開口している。貫通孔22はクランプスクリューを受容することで切削インサート10をフライス26(図8)に固定するためのものである。
【0020】
各端面12は4つのコーナー、すなわち対角線上で対向する2つの高位コーナー(raised corner)28および対角線上で対向する2つの低位コーナー(lowered corner)30を有する。各端面12の高位コーナー28は端面の平面P内にある。切削インサート10の正中面Mは、2つの平面Pに平行で且つそれらの中程に位置する。低位コーナー30は高位コーナー28よりも正中面Mに近接している。各コーナー側面20は、2つの対向端面12の一方の所定の高位コーナー28と2つの対向端面12の他方の所定の低位コーナー30との間に延在する。
【0021】
切削インサート10は、対向端面12を接続する貫通孔22を通る中心軸Bを有する。切削インサート10は、対向する2つの同等の副側面16を通り、正中面M上にあって中心軸Bと直交する主軸Aについて180度の回転対称形である。
【0022】
各端面12と外周側面14とが交わる部位には外周エッジ32が形成される。端面12のそれぞれについて、外周エッジ32は、主側面18が端面12と交わることによって形成される2つの主切削エッジ(major cutting edge)34と、副側面16が端面12と交わることによって形成される2つの副切削エッジ(minor cutting edge)36と、コーナー側面20が端面12と交わることによって形成される4つのコーナーエッジ38、すなわち2つの高位コーナーエッジ40(それぞれ各高位コーナー28に形成される)および2つの低位コーナーエッジ42(それぞれ各低位コーナー30に形成される)と、を含んでいる。高位コーナーエッジ40がコーナー切削エッジである。所望であれば、低位コーナーエッジ42もコーナー切削エッジとすることができる。図に示された実施形態においては、主切削エッジ34のそれぞれは所定の高位コーナーエッジ40と所定の低位コーナーエッジ42との間に延在している。同様に、副切削エッジ36のそれぞれは所定の高位コーナーエッジ40と所定の低位コーナーエッジ42との間に延在している。図2に最もよく示されるように、それぞれの副切削エッジ36の第1部分は、所定の高位コーナーエッジ40(所定の高位コーナー28にある)から離れ、端面の平面Pに沿って延在する。そして第1部分は、端面の平面Pから離れて所定の低位コーナーエッジ42(所定の低位コーナー30にある)に向かって延在する副切削エッジ36の第2部分につながる。
【0023】
各端面12には、主副切削エッジ34,36およびコーナー切削エッジ40(42)と隣接してレーキ面44が形成される。レーキ面44は、主副切削エッジ34,36から、およびコーナー切削エッジ40(42)から、切削インサート10の内方に内側端面46に延在する。所望であれば、それぞれの端面12の内側端面46は平坦なものとされ、それぞれの端面12の内側端面46が互いに平行なものとされる。好ましくは、切削インサート10の端面を見た場合に、内側端面46は歪んだ平行四辺形状を有する(図3)。金属の切削作業の間、ワークピースから削られた切り屑は、ワークピースに接触している切削エッジの部分からレーキ面44に沿って内側端面46に向かって流れ、いくつかの応用例では内側端面46の少なくとも一部に沿って流れ続ける。従って、レーキ面44および内側端面46は切削インサートの切り屑面48を形成する。
【0024】
主側面18のそれぞれは主切削エッジ34のそれぞれに隣接する主レリーフ面50を含み、これは、主切削エッジ34から主側面18の中央領域に向かって、および、正中面Mに向かって延在している。主側面18に概ね直交する平面で取った切削インサート10の各断面において、主切削エッジ34での主レリーフ面50の接線Lは切削インサート10の正中面Mに対して傾き、鋭角の内角αをなしている(図5)。内角αは一定であってもよいし、主切削エッジ34に沿って連続的に変化するものでもよい。
【0025】
主側面18に形成される窪み52は、切削エッジ窪み部分54の部位で主切削エッジ34を途切れさせる。切削エッジ窪み部分54のそれぞれは、2つの切削エッジの窪みのない部分56間に位置している。図3および図6からわかるように、そして図7の詳細図からより明らかなように、切削インサートを端面から見ると、切削エッジ窪み部分54のそれぞれは、湾曲した2つの側部60間に位置する湾曲した中央部58を含んでいる。中央部58は第1の曲率半径R1を有し、各側部60は第2の曲率半径R2を有する。第1の曲率半径R1は第2の曲率半径R2よりも大である。いくつかの応用例では、第1の曲率半径R1を0.7〜0.9mm、第2の曲率半径R2を0.3〜0.5mmとしたときに、フライス加工作業において切削インサート10の最適性能が得られた。特定の応用例では、第1の曲率半径R1を0.83mm、第2の曲率半径R2を0.40mmとしたときに最適性能が得られた。
【0026】
切削エッジ窪み部分54が存在しない場合には、窪みのない切削エッジ部分56が共に、途切れのない連続した主切削エッジ34を構成することになることが理解されよう。周知のように、フライス作業に関して主切削エッジ34は所要の適切な形状を有し得る。例えば、真っすぐなもの、すなわち直線部分を有するものであってもよいし、楕円形の部分あるいは螺旋形の部分を有するものであってもよい。その結果、切削エッジ窪み部分54の存在とともに、窪みのない切削エッジ部分56もまた多くの適切な形状の1つを有し得ることになる。例えば、窪みのない切削エッジ部分56を直線部分、楕円形の部分あるいは螺旋形の部分を有するものとすることができる。
【0027】
特定の応用例では、所定の主側面18に関連する2つの主切削エッジ34は、切削エッジ窪み部分54の数が異なっている。例えば、いくつかの実施形態では、所定の主側面18に関連する2つの主切削エッジ34の1つが偶数個の切削エッジ窪み部分54を有し、所定の主側面18に関連する2つの主切削エッジ54の他の1つが奇数個の切削エッジ窪み部分54を有するものとすることができる。いくつかの実施形態では、所定の端面12に関連する2つの主切削エッジ34の1つが偶数個の切削エッジ窪み部分54を有し、所定の端面12に関連する2つの主切削エッジ34の他の1つが奇数個の切削エッジ窪み部分54を有するものとすることができる。所定の端面12に関連する主切削エッジ34に付随する切削エッジ窪み部分54の数を異ならせることによって、切削インサート10は中心軸Bに関して180度の回転対称形ではなくなる。また、図4からわかるように、切削インサート10の主側面を見た場合、切削エッジ窪み部分54間の最大幅は窪みのない切削エッジ部分56間の最小幅より小である。
【0028】
好ましくは、所定の主側面18に関連する2つの主切削エッジ34内の切削エッジ窪み部分54は互いにずらして配される。図に示された束縛されない例では、上述した2つの主切削エッジ34の1つにおける切削エッジ窪み部分54の数は2つであり、同じ端面12に関連した2つの主切削エッジ34の他の1つにおける切削エッジ窪み部分54の数は3つである。
【0029】
図8に着目するに、フライス26に固定された2つの切削インサート10が示されている。一方の切削インサート10は、3つの切削エッジ窪み部分54をもって作動する主切削エッジ34’を有し、他方の切削インサート10は、2つの切削エッジ窪み部分54をもって作動する主切削エッジ34’’を有している。作動する2つの主切削エッジ34’,34’’の切削エッジ窪み部分54は互いにずらして配されている。これら2つの切削インサートの作動する2つの主切削エッジ34’,34’’の切削エッジ窪み部分54が互いにずれているので、作動する2つの主切削エッジ34’,34’’はフライス加工されるワークピースの全体的な切削が行われるように互いに補完し合うものとなる。すべての切削インサート10を2つ一組とし、ずらされた切削エッジ窪み部分54を有して作動する主切削エッジ34が交互にフライスに並ぶように配置することは必須ではないことがわかっている。従って、いくつかの実施形態では、2つの切削インサート10のみが、ずらされた切削エッジ窪み部分54を有して作動する主切削エッジ34を持つように配置される。
【0030】
本発明をある程度詳細に説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の代替や変更が可能であることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの対向端面(12)およびそれらの間に延在し、主側面(18)を含む外周側面(14)と、
前記主側面(18)が前記端面(12)の1つと交わる部位に形成された主切削エッジ(34)とを具えた切削インサート(10)であって、
前記主側面(18)は複数の切削エッジ窪み部分(54)をもって前記主切削エッジ(34)を途切れさせる窪み(52)を有し、それぞれの前記切削エッジ窪み部分(54)は窪みのない2つの切削エッジ部分(56)の間に配されており、
それぞれの前記切削エッジ窪み部分(54)は、前記切削エッジ(34)とともに前記端面(12)が示される前記切削インサート(10)の端面を見たときに、湾曲した2つの側部(60)の間に位置する湾曲した中央部(58)を含み、該中央部(58)は第1の曲率半径(R1)を有し、それぞれの前記側部(60)は第2の曲率半径(R2)を有し、前記第1の曲率半径(R1)が前記第2の曲率半径(R2)よりも大であることを特徴とする切削インサート(10)。
【請求項2】
前記第1の曲率半径(R1)が0.7から0.9mmの範囲にあり、前記第2の曲率半径(R2)が0.3から0.5mmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート(10)。
【請求項3】
前記第1の曲率半径R1が0.83mmに等しく、前記第2の曲率半径R2が0.40mmに等しいことを特徴とする請求項1に記載の切削インサート(10)。
【請求項4】
前記窪みのない切削エッジ部分(56)のそれぞれは、直線、楕円形および螺旋形から成る群から選択されたものの部分であることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート(10)。
【請求項5】
前記切削インサート(10)の主側面を見たときに、前記切削エッジ窪み部分の間の最大幅が前記窪みのない切削エッジ部分(56)の間の最小幅より小であることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート(10)。
【請求項6】
前記対向する端面(12)の間を通る貫通孔(22)を通る中心軸(B)をさらに具え、
前記切削インサート(10)が前記中心軸(B)に関して180度の回転対称形を有していないことを特徴とする請求項1に記載の切削インサート(10)。
【請求項7】
対向する2つの同等の端面(12)であって、それぞれが対角線上で対向する2つの低位コーナー(30)および対角線上で対向する2つの高位コーナー(28)を含む4つのコーナー(28,30)を有し、前記低位コーナー30が前記高位コーナー(28)よりも前記切削インサート(10)の正中面(M)に近接している当該2つの対向端面(12)と、
該2つの対向端面(12)の間に延在して対向する2つの主側面(18)と、
ぞれぞれの前記主側面(18)がそれぞれの前記端面(12)と交わる部位にそれぞれ形成されている4つの主切削エッジ(34)と、
それぞれの前記主側面(18)と関連するレーキ面(44)であって、それぞれの前記端面(12)内で、関連する主切削エッジ(34)から前記切削インサート(10)の概ね内方に内側端面(46)へと延在している当該レーキ面(44)と、
それぞれの主切削エッジ(34)と関連した主レリーフ面(50)であって、関連する主切削エッジ(34)から、前記主レリーフ面が含まれる主側面(18)の中央領域に向かって延在している当該主レリーフ面(50)と、を具え、
前記主側面(18)に概ね直交する平面で取った前記切削インサート(10)の各断面において、前記主切削エッジ(18)の窪みのない主切削エッジ部分(56)でのそれぞれの前記主レリーフ面(50)の接線(L)が、前記切削インサート(10)の正中面(M)に対して傾き、鋭角の内角(α)をなしていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート(10)。
【請求項8】
所定の端面(12)に関連する前記切削エッジが、それぞれ異なる数の切削エッジ窪み部分(54)を有することを特徴とする請求項7に記載の切削インサート(10)。
【請求項9】
対向する前記2つの主側面(18)に接続された対向する2つの副側面(16)と、
それぞれの前記副側面(16)がそれぞれの前記端面(12)と交わる部位にそれぞれ形成された4つの副切削エッジ(36)とをさらに具え、
前記副側面(16)には、切削エッジ窪み部分で前記副切削エッジ(16)を途切れさせる窪みがないことを特徴とする請求項7に記載の切削インサート(10)。
【請求項10】
前記対向する端面(12)の間を通る貫通孔(22)を通る中心軸(B)と、
前記副側面(16)の双方を通り、且つ前記中心軸(B)に直交する主軸(A)と、をさらに具え、
前記切削インサート(10)が前記主軸(A)に関して180度の回転対称形を有しており、
前記切削インサート(10)が前記中心軸(B)に関して180度の回転対称形を有していないことを特徴とする請求項9に記載の切削インサート(10)。
【請求項11】
請求項1に記載の切削インサート(10)と同等の第1の切削インサートおよび第2の切削インサートを有することを特徴とするフライス(26)。
【請求項12】
それぞれの前記切削インサート(10)が、
対向する2つの同等の端面(12)であって、それぞれが対角線上で対向する2つの低位コーナー(30)および対角線上で対向する2つの高位コーナー(28)を含む4つのコーナー(28,30)を有し、前記低位コーナー(30)が前記高位コーナー(28)よりも前記切削インサート(10)の正中面(M)に近接している当該2つの対向端面(12)と、
該2つの対向端面(12)の間に延在して対向する2つの主側面(18)と、
ぞれぞれの前記主側面(18)がそれぞれの前記端面(12)と交わる部位にそれぞれ形成されている4つの主切削エッジ(34)と、
を具えていることを特徴とする請求項11に記載のフライス(26)。
【請求項13】
それぞれの前記切削インサート(10)において、所定の端面(12)に関連する前記切削エッジが、それぞれ異なる数の切削エッジ窪み部分(54)を有し、
前記第1の切削インサート(10)の作動する主切削エッジ(34’)が第1の数の切削エッジ窪み部分(54)を有し、
前記第2の切削インサート(10)の作動する主切削エッジ(34’’)が前記第1の数とは異なる第2の数の切削エッジ窪み部分(54)を有し、
前記第1の切削インサート(10)の前記作動する主切削エッジ(34’)の前記切削エッジ窪み部分(54)が、前記第2の切削インサート(10)の前記作動する主切削エッジ(34’’)の前記切削エッジ窪み部分(54)に対してずらして配されていることを特徴とする請求項12に記載のフライス(26)。
【請求項14】
前記切削インサート(10)のそれぞれが、
対向する前記2つの主側面(18)に接続された対向する2つの副側面(16)と、
それぞれの前記副側面(16)がそれぞれの前記端面(12)と交わる部位にそれぞれ形成された4つの副切削エッジ(36)とをさらに具え、
前記副側面(16)には、切削エッジ窪み部分で前記副切削エッジ(16)を途切れさせる窪みがないことを特徴とする請求項13に記載のフライス(26)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−517143(P2013−517143A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548531(P2012−548531)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/IL2010/001053
【国際公開番号】WO2011/086544
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(306037920)イスカーリミテッド (93)
【Fターム(参考)】