説明

窯炉耐火物の補修方法

【課題】稼働中の高温の窯炉(工業炉容器)に,遠方より焼き付け補修材を発射して効率的に焼き付け補修を行う窯炉耐火物の補修方法を提供する。
【解決手段】耐火物で内張りされた窯炉容器に,回転円盤2と,回転円盤2の外周に沿って設置され,焼き付け補修材8を包む包装素材との動摩擦係数が0.28以下であり,かつ,包装素材に包まれた焼き付け補修材8を発射するための発射口4が形成される固定外周壁1と,回転円盤上に,回転円盤2の中心軸を通るように起立配置され,かつ,回転円盤2の半径方向に延設される隔壁(垂直壁3)とを備える発射装置を用いて,回転円盤2の最外周の周速度Vが下記(1)式を満足するように回転円盤2および隔壁(垂直壁3)を回転させて,回転円盤2上に配置される焼き付け補修材8を,発射口4から窯炉容器に向けて発射させる。 1≦V<52×Log10L+112 ・・・(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,転炉,取鍋,混銑車などの内側を耐火物で内張りされた容器等の窯炉を,熱間で補修する場合に適した,窯炉耐火物の補修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
不定形耐火物による各種精錬炉や溶湯容器などの内張り容器の耐火物を熱間補修する方法の一つに,被補修部分の熱を利用して補修材を溶融,固化させて,局部的な溶損部分の補修をする,いわゆる焼き付け補修という方法があり,補修方法としては,吹付補修方法,流込補修方法,非水系焼付補修方法などが実施されている。
【0003】
吹付けによる補修方法は,比較的短時間で補修が可能であるが,多量の水と共に使用されるため,どうしても施工体が多孔質なものとなり,耐用に劣るものとなる。またこの補修剤の投与するために,スラリー混合装置,圧送装置及び吹付装置等の多くの設備を必要とする。
【0004】
一方,水系の流込補修方法や非水系の焼付補修方法は,比較的緻密な施工体を形成する。水系の流込補修材は施工後の焼付時間が短いという長所を持っているが,材料を泥漿状態で保管するため取扱いにくいことと,保管中に粒分離が起こりやすいため,耐用性は非水系の補修材に比較して劣っている。
【0005】
このため,最近では,窯炉容器の熱間補修方法として,非水系の焼付補修方法が多用されている。
【0006】
このような非水系の焼付補修材をはじめとする不定形耐火物は,一般に粉末状,練土状,スラリー状で袋詰されるか,あるいは成形体として供給されるために,吹付けによる補修方法以外は必ずしも特定の機械装置を必要としないという利点がある。この補修方法としては,一旦不定形耐火物材を入れた容器を補修する窯炉容器に近接させ,傾動させた窯炉容器の炉口から補修箇所の凹部に容器内の補修材を移動させる方法や,吊り下げ機構を有する装置で補修材の入った袋などを吊り下げ,窯炉容器内の要補修部位の上部に移動させ補修材を補修部位に落下させる方法がある。
【0007】
一旦補修材を容器に入れてから,補修箇所に移動させる方法では,目的位置へ正確に補修材を施工することが困難であるばかりか,必要以外の部位にも補修材が付着する課題がある。また,補修材の入った袋を吊り下げ,移動落下させる方法では,高温の炉内で操作する必要があるので,施工量の割には大がかりな装置となり,多量の補修材を施工する場合には適用できない。この方法では補修材の流動性を利用して施工するので,側壁のような傾斜面の補修には適用できない。また,補修箇所が窯炉容器の炉口より遠方にある場合には,補修材の必要量を一度に所定の位置まで移動させることが難しい為,補修材を少量ずつナイロン袋などに入れたものを作業者が補修箇所めがけて投げ込む,いわゆる手投げ補修方法が現場では活用されていた。
【0008】
しかしながら,作業者が補修箇所めがけて補修材を投げ込む方法では,作業者が投げる距離に限度があるため補修範囲に限界があり,さらに時間もかかることから,窯炉容器の稼働率を低下させる要因となっていた。
【0009】
この課題に対して,例えば特許文献1では,最前面に作業ハッチを有する補修技術の開示があり,外壁を水冷ジャケットにより熱遮蔽した作業者が入り得るカプセルを有する熱間取鍋補修装置を使用することで,高温の炉内での人の作業を可能にする技術を提供するものである。
【0010】
また,特許文献2では,作業者による手投げ施工のような重労働の軽減と作業時間の短縮のために,投入装置による補修方法を提案している。
【0011】
【特許文献1】特開平11−291024号公報
【特許文献2】特開平08−219660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら,上記特許文献1に開示されている装置の設置には,広いスペースが必要であり設置の制約があることと,装置自体が高価であることが課題であった。
【0013】
また,特許文献2に開示されている方法においては,投射アームを放出点で急激に停止させるためのストッパーや,アームを引く装置が故障する恐れがあり,工業的に安定稼働させるのは困難であった。
【0014】
したがって,吹き付け装置を使わず,焼き付け補修材を簡易に補修部位に置くことができ,効率的に焼き付け補修することが可能な技術が切望されていた。
【0015】
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,稼働中の高温の窯炉(工業炉容器)に,簡易な設備を用いて遠方より焼き付け補修材を発射し,効率的に窯炉内の耐火物の焼き付け補修を行うことが可能な,窯炉耐火物の補修方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
即ち,本発明の要旨は,以下の通りである。
(1)耐火物で内張りされた窯炉容器に,発射装置を用いて焼き付け補修材を衝突させる,窯炉耐火物の補修方法において,回転円盤と,前記回転円盤の外周に沿って設置され,前記焼き付け補修材を包む包装素材との動摩擦係数が0.28以下であり,かつ,前記包装素材に包まれた前記焼き付け補修材を発射するための発射口が形成される固定外周壁と,前記回転円盤上に,前記回転円盤の中心軸を通るように起立配置され,かつ,前記回転円盤の半径方向に延設される隔壁と,を備える前記発射装置を用いて,前記回転円盤の最外周の周速度Vが下記(1)式を満足するように前記回転円盤および前記隔壁を回転させて,前記回転円盤上に配置される前記焼き付け補修材を,前記発射口から前記窯炉容器に向けて発射させることを特徴とする,窯炉耐火物の補修方法。
1≦V<52×Log10L+112 ・・・(1)
ただし V:回転円盤の最外周の周速度(m/s)
L:耐火物を包装する包装素材の厚み(mm)である。
(2) 前記包装素材として,厚みが0.13mm以下のものを用いることを特徴とする(1)に記載の耐火物の補修方法。
(3) 前記発射口の外側に,前記発射口から発射された前記焼き付け補修材をガイドするガイド部材を設け,前記ガイド部材を移動させることで,前記焼き付け補修材の発射方向を,前記回転円盤の外周の接線方向に対して−35度〜+35度の方向に変更させることを特徴とする(1)または(2)に記載の耐火物の補修方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明では,包装素材に包んだ焼き付け補修材を,高温の耐火物を内張した容器の補修箇所に向けて簡易に発射する窯炉耐火物の補修方法を提供するものであり,簡易な設備で,焼き付け補修材を用いた耐火物を短時間で効率的な補修が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明者は,遠方にある補修すべき窯炉容器に向けて補修材を発射する発射装置として,固定外周壁と,回転円盤と,垂直壁と,焼き付け補修材が発射される発射口とを備える,図1に示す焼き付け補修材の発射装置を発案した。
【0019】
回転円盤2は,任意の回転速度で回転可能な円盤であり,この回転円盤2の外周に沿って,例えば少なくとも4分の1周以上にわたり,固定外周壁1が設けられている。この固定外周壁1は,焼き付け補修材8を包む包装素材との動摩擦係数が0.28以下となるような素材を用いて,形成される。また,固定外周壁1には,回転円盤2上に装入される焼き付け補修材を発射するための発射口4が形成されている。
【0020】
回転円盤2上には,回転円盤2の中心を通り半径方向に延設された隔壁である垂直壁3が,起立配置されている。垂直壁3によって,固定外周壁1と回転円盤2とで形成される空間が,複数の空間に区分されている。この垂直壁3は回転円盤2上に固定されており,回転円盤2の回転にあわせて,垂直壁3も回転する。
【0021】
また,焼き付け補修材の発射装置には,図1に示すように,焼き付け補修材8が保管されている原料棚7や,焼き付け補修材8を,回転円盤2上に送入する送入コンベア6を,さらに設けてもよい。
【0022】
しかし,本装置を用いても,補修したい部位に適切に焼き付け補修材8を衝突させることは容易ではなく,窯炉容器内壁に一旦は衝突しても,そこでバウンドして補修すべき箇所以外に飛散してしまう場合があった。そこで本発明者らが鋭意検討した結果,発射装置の操作方法や補修材自体の包装条件を適正化することで,効率的に窯炉耐火物の補修を行う方法を見出したのである。
【0023】
図1で示した発射装置を用いて,種々の条件で補修材の発射試験を実施した。試験では,包装素材の種類として,ポリエチレン,ポリプロピレン,ナイロン,PET(ポリエチレンテレフタレート),塩化ビニールのいずれか,もしくは上記の素材を複数種類張り合わせたものを用い,これらの包装素材で補修材8を包装して行った。
【0024】
上記の発射試験の結果,表1に示すように,図1の装置における回転円盤2の上部の固定外周壁1と焼き付け補修材8を包装する包装素材との動摩擦係数が0.28を越えると,補修材8の包装素材がどの条件であっても,装置の回転円盤2が回転中に,包装素材が破れる頻度が急激に高まることがわかった。これは,回転円盤2の回転により包装素材に包まれた焼き付け補修材8が遠心力を受ける結果,固定外周壁1に張り付き,その摩擦力によって補修材8を包装した袋が裂けることが原因と推定できる。
【0025】
【表1】

【0026】
次に,焼き付け補修材8の包装素材としてポリエチレンを用いて,動摩擦係数が0.24となる鉄板を使い,非水系焼き付け補修材8の発射実験をおこなった。実験では回転速度と補修材8の包みの厚みを変化させて,耐火物を包装する包装素材の破壊状況を調査した。
【0027】
その結果,図2に示すように,回転円盤2の最外周の回転速度を上げると,衝突後(着地後)に包装素材がバウンドする場合もあるが,回転円盤2の最外周の周速度Vと耐火物を包装素材の厚みLとの関係が以下(1)式を満足する場合には,耐火物を包装する素材が破壊せずに窯炉容器に衝突することが判った。
【0028】
1≦V<52×Log10L+112 ・・・(1)
ただし V:回転円盤の最外周の周速度(m/s)
L:耐火物を包装する包装素材の厚み(mm)
である。
【0029】
発射装置の回転円盤上においては,補修材が高速に回転することで角速度の2乗で遠心力が増し,動摩擦係数を乗じた摩擦力が包装素材に働く。そして包装素材の許容引張り応力以上の摩擦力が加わった場合に,素材が破壊されるものと推定できる。また,許容引張り強度は包装素材の厚みにおおよそ比例するものと考えられることから,回転円盤2の最外周の周速度と素材の厚みとの関係を,以下のように解析した。
【0030】
すなわち,包装素材を用いて製造された袋の強度は,厚みLに比例する。しかし,袋の破ける力は袋の受ける衝撃力に比例するので,袋の強度は,結果的に周速度Vの2乗に比例すると考えられる。従って,図2に示した実験結果を整理する際に,袋が破け始める領域を区分する線を表す関数(周速度Vと厚みLとの関数)は,周速度Vが厚みLの0.5乗に比例する関係にあるもの(V∝L0.5),あるいは,周速度Vが厚みLの常用対数に比例する関係にあるもの(V∝LogL)等であると想定される。そこで,上記の領域を区分する関数を,非線形最小自乗法を用いて算出したところ,V∝LogLの関数を用いることで上記の領域を区分する曲線をうまく近似することができ,上記の(1)式の条件を得ることができた。
【0031】
従って,(1)式に基づき,回転円盤2の最外周の周速度に応じて補修材8の包装素材の厚みを調整すれば,発射装置内の円盤回転中における包装素材の破壊を防止することができる。ただし,最外周の周速度が1m/s未満である場合には,包装素材に包まれた焼き付け補修剤は,水平距離で数m程度しか飛ばず,補修すべき窯炉内の耐火物の目標地点まで到達させることができない。
【0032】
なお,図2に示すように,包装素材であるポリエチレンの厚みが0.13mmを超えると,窯炉容器内にポリエチレンの袋が落下してもバウンドしてしまい,補修すべき箇所以外に袋が転がってしまうことあった。
【0033】
これは,熱や落下の衝撃があっても,素材の厚さが厚いために,着地した地点でうまく袋が割れず,バウンドするためと思われる。従って包装素材の厚みとして0.13mm以下が好ましい条件であることが判った。
【0034】
また,包装素材の厚みが薄すぎる場合には,包装素材に包まれた焼き付け補修剤が窯炉の補修部分に到達する前に,窯炉内の耐火物からの輻射熱によって包装素材が破れてしまう恐れがある。そのため,焼き付け補修剤を目標地点に確実に到達させるためには,包装素材の厚みは0.01mm以上であることが好ましい。
【0035】
さらに発射装置の回転円盤2の上部に配置した固定外周壁1の端部(すなわち,発射口4)には,発射する補修材が正確に目標となる容器補修部分に衝突できるように,回転円盤2の外周の接線方向に対し−35度〜+35度の方向に可動する飛び出しガイド壁5を設けた方が良く,例えば固定壁や,回転可能な複数のロールで構成された回転壁がより好ましい。なお,固定外周壁1のかわりに,複数のローラーを円周上に並べたものを用いても構わない。
【0036】
ここで,焼き付け補修材8を広範囲にわたって投入するような,広範囲の補修が必要な場合には,飛び出しガイド壁5の可動範囲は,回転円盤2の接線方向に対して広範囲であることが好ましい。しかし,回転円盤2の接線方向に対して内角35度以上に動かしてしまう(すなわち,回転円盤2の中心軸方向に,回転円盤2の接線方向に対して35度以上動かしてしまう)と,焼き付け補修剤8が飛び出す際にガイド壁5が抵抗となって,焼き付け補修剤8の飛び出し速度が大きく失速してしまうために,飛び出し補修剤8を飛ばすことができない。
【0037】
また,回転円盤2の接線方向に対して外角35度以上に動かしても,焼き付け補修剤8はガイド壁5に沿って運動せず,略接線方向に飛び出してしまうため,上記のような角度にしても意味がない。従って,飛び出しガイド壁5は,−35度〜+35度の範囲で可動するものが好ましい。
【0038】
また,焼き付け補修材8の包装素材としては,例えば,ポリプロピレン,ナイロン,PET,塩化ビニール,ポリエステル,PPS(ポリフェニレンサルファイド),PFA(フッ素系樹脂),アクリル系繊維,ウレタン,紙等といった素材のいずれか,もしくはそれらを複数種類張り合わせた素材を挙げることができる。これらの包装素材に包まれた耐火物の焼き付け補修材8は,上記の発射試験において,いずれも良好な結果が得られた。
【実施例】
【0039】
以下に,本発明の実施例を説明する。
【0040】
実施に際し,図1に示す装置を用いたが,固定外周壁1として,焼き付け補修材を包む袋の包装素材との動摩擦係数が0.23である鉄板を用いた。また回転円盤2はその上に垂直壁3を溶接して設置しており,円盤とともに回転することができる。補修箇所までの距離に応じて,外周の周速度が7〜14m/secとなるように,任意に回転円盤2を回転させた。
【0041】
本実施例では,1個あたり2kgの焼き付け補修材を,包装素材として0.03mm厚の塩化ビニールを用いてあらかじめ包み,原料棚7に準備した。原料棚7から1個ずつ包装素材に包まれた焼き付け補修材8を送入コンベア6経由で回転円盤2上に移動させた。なお,回転円盤2上に入れる焼き付け補修材8の個数は1個とした方が,目的とする窯炉容器の補修箇所の投下される精度が高いことから,そのような状況となるように原料棚7から送入コンベア6に移動させる焼き付け補修材8のピッチを調整した。
【0042】
焼き付け補修材8を発射装置に供給すると,回転する回転円盤2上で,遠心力を受け固定外周壁1へ転がるかもしくは滑っていく。最終的には,垂直壁3に押しつけられた焼き付け補修材8は,固定外壁1を切り欠いた発射口4から,遠心力によって外部に飛び出す。
【0043】
回転円盤2の回転速度と共に,複数のロール群で構成された飛び出しガイド壁5を,回転円盤2の外周の接線方向に対して−35度〜+35度の範囲で動かして,焼き付け補修材の移動方向を調整した。
【0044】
その結果,発射装置内で多発していた包装素材の破れがなくなるとともに,発射後も包装素材が破れて補修位置に到達するまえにバラバラにならず,目的とする補修位置への的中率が格段に向上し,作業者が投入していた場合に比べ,焼き付け材の使用量が3分の1で済んだ。
【0045】
さらに,固定外周壁1のかわりに,複数のローラーを円周上に並べた場合でも,回転円盤2の最外周の周速度を上記(1)式を満足するように回転させて上記の耐火物補修材を遠方発射させることで,高効率な補修ができることを確認した。
【0046】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る焼き付け補修材発射装置を示す,模式図である。
【図2】包装素材の厚みと,外周の周速度と,焼き付け補修材が着地した際の状況との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0048】
1 固定外周壁
2 回転円盤
3 垂直壁
4 発射口
5 飛び出しガイド壁
6 送入コンベア
7 原料棚
8 焼き付け補修材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火物で内張りされた窯炉容器に,発射装置を用いて焼き付け補修材を衝突させる,窯炉耐火物の補修方法において,
回転円盤と,
前記回転円盤の外周に沿って設置され,前記焼き付け補修材を包む包装素材との動摩擦係数が0.28以下であり,かつ,前記包装素材に包まれた前記焼き付け補修材を発射するための発射口が形成される固定外周壁と,
前記回転円盤上に,前記回転円盤の中心軸を通るように起立配置され,かつ,前記回転円盤の半径方向に延設される隔壁と,
を備える前記発射装置を用いて,
前記回転円盤の最外周の周速度Vが下記(1)式を満足するように前記回転円盤および前記隔壁を回転させて,前記回転円盤上に配置される前記焼き付け補修材を,前記発射口から前記窯炉容器に向けて発射させることを特徴とする,窯炉耐火物の補修方法。

1≦V<52×Log10L+112・・・(1)

ただし V:回転円盤の最外周の周速度(m/s)
L:耐火物を包装する包装素材の厚み(mm)
である。
【請求項2】
前記包装素材として,厚みが0.13mm以下のものを用いることを特徴とする,請求項1に記載の窯炉耐火物の補修方法。
【請求項3】
前記発射口の外側に,前記発射口から発射された前記焼き付け補修材をガイドするガイド部材を設け,
前記ガイド部材を移動させることで,前記焼き付け補修材の発射方向を,前記回転円盤の外周の接線方向に対して−35度〜+35度の方向に変更させることを特徴とする,請求項1または2に記載の窯炉耐火物の補修方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−315629(P2007−315629A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143045(P2006−143045)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(000170716)黒崎播磨株式会社 (314)
【出願人】(000203977)太平工業株式会社 (41)
【Fターム(参考)】