立体再生用画像印刷部を有する印刷物
【課題】物体色を忠実に再現することができるカラー立体印刷物とその製版方法が提供されているが、印刷色が多すぎて立体画像の鮮明度が低下するという課題がある。そこで、立体画像印刷部を偽造防止手段として使用するために、二色に分解して印刷することによって鮮明な立体画像を印刷物上に再生させた印刷物を提供する。
【解決手段】印刷物の真偽を判別するために、印刷物の何れかの表面に判別具によって判別される立体再生用画像印刷部を有する印刷物であって、前記立体再生用画像印刷部は,判別具によって立体画像として再生される、少なくとも、青系の印刷色と赤系の印刷色で刷り分けられた立体再生用画像印刷部を有する印刷物を提供する。
【解決手段】印刷物の真偽を判別するために、印刷物の何れかの表面に判別具によって判別される立体再生用画像印刷部を有する印刷物であって、前記立体再生用画像印刷部は,判別具によって立体画像として再生される、少なくとも、青系の印刷色と赤系の印刷色で刷り分けられた立体再生用画像印刷部を有する印刷物を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真偽判別のための立体再生用画像印刷部を有する印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
立体表示方式としては、アナグリフ方式、レンチキュラー方式等がある。
アナグリフ方式では、一つの画像を左目用の画像と、右目用の画像に分解し、それぞれ色を変えて印刷する。その印刷物を左右の目で異なる色のフィルターを介して見ると、左目では左目用の画像だけが見え、右目では右目用の画像だけが見える。
その結果、立体画像が視認される。
左目用の画像と右目用の画像は、ステレオカメラや、適当な間隔で設置した2台のカメラによって同時に撮影することができる。
二色で印刷された印刷部を赤のフィルターを介して見ることにより青色のインクで印刷された部分は黒色として視認し、赤色のインクで印刷した部分は視認しない。また、逆に二色で印刷された印刷部を青のフィルターを介して見ることにより赤色のインクで印刷された部分は黒色として視認し、青色のインクで印刷した部分は視認しない。
このことによって、立体再生用画像印刷部を立体的に視認する。
【0003】
前述の方法は、対象画像を赤と青の二色に分解して画像を立体的に表現するが、フルカラーで表現していない。そこで、印刷物をフルカラーで立体表現するために、「製版方法及びカラー立体印刷物」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−56411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている技術は、物体色を忠実に再現することができるカラー立体印刷物とその製版方法を提供するものであるが、印刷色が多すぎて、フィルターを介して立体画像印刷部を視認した際に、立体画像の鮮明度が低下するという欠点がある。
本発明では、立体画像印刷部を偽造防止手段として使用するもので、二色に分解して印刷することによって鮮明な立体画像を印刷物上に再生させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題の目的を達成するために、本発明の立体再生用画像印刷部を有する印刷物の第1の発明は、印刷物の真偽を判別するために、印刷物の何れかの表面に判別具によって判別される立体再生用画像印刷部を有する印刷物であって、前記立体再生用画像印刷部は,判別具によって立体画像として再生される、少なくとも、青系の印刷色と赤系の印刷色で刷り分けられた画像を有する印刷部であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第2の発明は、第1の発明において、印刷物は、株券,商品券,ギフト券,搭乗券,クレジットカード,キャッシュカード,各種プリペイドカード,IDカード,通行券,定期券,切符,各種チケット,銘板,各種認証用ラベルの何れかであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のように、印刷物の何れかの表面に判別具によって判別される立体再生用画像印刷部を有する印刷物であって、前記立体再生用画像印刷部は,判別具によって立体画像として再生される、少なくとも、青系の印刷色と赤系の印刷色で刷り分けられた画像を有する印刷部であることによって、商品券や、各種カード等の偽造を防止することができ、そのための印刷費用も安く抑えられ、立体画像再生のために使用される判別具も市販の判別具が使用でき、導入が容易となる。
また、二色の印刷部を追加するだけなため、ホログラム等の別のセキュリティ技術との組み合わせや、別な絵柄との組み合わせによって効果的にセキュリティ性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の立体再生用画像印刷部を有する印刷物について説明する。
図1は、本発明の立体再生用画像印刷部を有する商品券の一例について説明するための図,図2は、立体再生用画像の撮影方法について説明するための図,図3は、撮影された立体再生用画像について説明するための図,図4は印刷された立体再生用画像について説明するための図,図5は、判別具によって再生される立体画像について説明するための図,である。
【0010】
図1を参照して、本発明の立体再生用画像印刷部を有する商品券の一例について説明する。
図1では、立体再生用画像印刷部を有する印刷物の例として商品券が適用されているが、偽造,変造,改竄防止を必要とする株券,ギフト券,搭乗券,クレジットカード,キャッシュカード,各種プリペイドカード,IDカード,通行券,定期券,切符,各種チケット,銘板,各種認証用ラベル等いずれに適用されても良い。
【0011】
印刷物(以下、商品券という)1の片面には、印刷物が商品券であることを示す「商品券」の文字や、金額を示す「10,000円」の文字等、商品券情報13が印刷されている。
商品券1の表面には、前述の商品券情報13のほかに、偽造,変造,改竄防止のための立体再生用画像印刷部12が設けられている。
【0012】
立体再生用画像印刷部12には、図示しないが、商品券に係る印刷図柄が印刷されており、その中に、偽造,変造,改竄防止のための立体再生用画像11が印刷されている。
立体再生用画像印刷部12に印刷された図柄は、前述の商品券に係る印刷図柄でも、ホログラムなどが転写されていてもよい。
商品券に係る印刷図柄は、意図的にデザインされ、赤色と青色によって印刷されたカムフラージュのための印刷図柄であっても良い。
【0013】
図2を参照して、立体再生用画像の撮影方法について説明する。
印刷された立体再生用画像が、判別具を介して見た時に立体感を伴うように、印刷原稿となる画像を特殊なカメラで撮影する。特殊なカメラとは、2個のレンズを備えたステレオカメラや、間隔が自由に設定できて2台のカメラを同時に作動させることができる撮像装置3である。
この撮像装置3は、左側撮像装置31と、右側撮像装置32で構成されている。
したがって、撮影された画像は、二枚の別々なフィルムに焼き付けられる。
撮像装置3の左側撮像装置31と右側撮像装置32との間隔が大きいほど、判別具で見たときに大きな立体感が得られる。
一方、立体画像被写体2の配置に関しては、印刷された立体再生用画像を判別具で見た時に、より立体的に見えるように、立体画像被写体2の前方被写体21と後方被写体22の位置を、撮像装置3からの距離で、遠い位置と近い位置にずらして置く。
【0014】
図3を参照して、撮影された立体再生用画像について説明する。
図の左側「R」で示された立体再生用画像112は、撮像装置3の右側撮像装置32で撮影された画像である。また、図の右側「L」で示された立体再生用画像111は、撮像装置3の左側撮像装置31で撮影された画像である。
立体画像被写体2のグラス形状の前方被写体が、ボトル形状の後方被写体の左右に分かれて撮影されていることがわかる。
【0015】
図3,図4を参照して印刷された立体再生用画像について説明する。
印刷用の版を作製するときに、図3に示す立体再生用画像112を赤色印刷用の印刷版として作製し、図3に示す立体再生用画像111を青色印刷用の印刷版として作製する。
その逆に、立体再生用画像112を青色印刷用の印刷版として作製し、立体再生用画像111を赤色印刷用の印刷版として作製してもよい。
上述の選択は、判別具の青レンズ及び赤レンズの位置との関連で決定される。
【0016】
印刷物の基材に印刷する場合は、図4に示すように二つの立体再生用画像112,111をボトル形状の後方被写体が重なるように印刷する。
撮像装置3の左側撮像装置31と左側撮像装置32の間隔が狭いほど、左右のグラス形状の前方被写体が接近して印刷される。その結果、印刷された立体再生用画像112,111を判別具で見たときに立体感が得られ難くなる。
【0017】
図5を参照して判別具によって再生される立体画像について説明する。
判別具として、例えば、眼鏡の形状に作製した判別具を使用する。
判別具の左側のレンズに透明な赤色のコーティングを施し、右側のレンズに透明な青色のコーティングを施す。
図5のa図は、前述の眼鏡をかけた状態で、左目で視認された画像41で、c図は右目で視認された画像42である。
左目で視認された画像41は、青色で印刷された立体再生用画像で、右目で視認された画像42は、赤色で印刷された立体再生用画像である。
判別具の左右のレンズを通して視認された立体再生用画像112,111は、b図に示すように立体感を伴った画像40として視認される。
【0018】
前述の眼鏡で図4の印刷物を見た場合、赤色のレンズを通過した赤色の画像は透明な画像として視認され、青色の画像は黒色に近い画像として視認される。
逆に、青色のレンズを通過した青色で印刷された画像は透明な画像として視認され、赤色で印刷された画像は黒色に近い画像として視認される。
その結果、前述の二つの画像は、視認する側の脳で合成され立体画像として視認される。
【0019】
(実施例)
ポリエステルフィルムの片側に磁気記録層を全面に設けてなる磁気カードにおいて、その逆面にアナグリフ方式による立体画像を印刷した。
判別具として、透明な赤,青色のコーティングを施した眼鏡を用いて判別したところ、明瞭な立体画像が得られ、真正なものと判別できた。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の立体再生用画像印刷部を有する印刷物は、偽造,変造,改竄防止を必要とする株券,商品券,ギフト券,搭乗券,クレジットカード,キャッシュカード,各種プリペイドカード,IDカード,通行券,定期券,切符,各種チケット,銘板,各種認証用ラベル等を対象として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の立体再生用画像印刷部を有する商品券の一例について説明するための図である。
【図2】立体再生用画像の撮影方法について説明するための図である。
【図3】撮影された立体再生用画像について説明するための図である。
【図4】印刷された立体再生用画像について説明するための図である。
【図5】判別具によって再生される立体画像について説明するための図である。
【符号の説明】
【0022】
1 印刷物
2 立体画像被写体
3 撮像装置
11 立体再生用画像
12 商品券図柄
13 商品券情報
21 前方被写体
22 後方被写体
31 左側撮像装置
32 右側撮像装置
40 立体画像
41 左目から視認された画像
42 右目から視認された画像
111 左側撮像装置が撮影した立体再生用画像
112 右側撮像装置が撮影した立体再生用画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、真偽判別のための立体再生用画像印刷部を有する印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
立体表示方式としては、アナグリフ方式、レンチキュラー方式等がある。
アナグリフ方式では、一つの画像を左目用の画像と、右目用の画像に分解し、それぞれ色を変えて印刷する。その印刷物を左右の目で異なる色のフィルターを介して見ると、左目では左目用の画像だけが見え、右目では右目用の画像だけが見える。
その結果、立体画像が視認される。
左目用の画像と右目用の画像は、ステレオカメラや、適当な間隔で設置した2台のカメラによって同時に撮影することができる。
二色で印刷された印刷部を赤のフィルターを介して見ることにより青色のインクで印刷された部分は黒色として視認し、赤色のインクで印刷した部分は視認しない。また、逆に二色で印刷された印刷部を青のフィルターを介して見ることにより赤色のインクで印刷された部分は黒色として視認し、青色のインクで印刷した部分は視認しない。
このことによって、立体再生用画像印刷部を立体的に視認する。
【0003】
前述の方法は、対象画像を赤と青の二色に分解して画像を立体的に表現するが、フルカラーで表現していない。そこで、印刷物をフルカラーで立体表現するために、「製版方法及びカラー立体印刷物」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−56411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている技術は、物体色を忠実に再現することができるカラー立体印刷物とその製版方法を提供するものであるが、印刷色が多すぎて、フィルターを介して立体画像印刷部を視認した際に、立体画像の鮮明度が低下するという欠点がある。
本発明では、立体画像印刷部を偽造防止手段として使用するもので、二色に分解して印刷することによって鮮明な立体画像を印刷物上に再生させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題の目的を達成するために、本発明の立体再生用画像印刷部を有する印刷物の第1の発明は、印刷物の真偽を判別するために、印刷物の何れかの表面に判別具によって判別される立体再生用画像印刷部を有する印刷物であって、前記立体再生用画像印刷部は,判別具によって立体画像として再生される、少なくとも、青系の印刷色と赤系の印刷色で刷り分けられた画像を有する印刷部であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第2の発明は、第1の発明において、印刷物は、株券,商品券,ギフト券,搭乗券,クレジットカード,キャッシュカード,各種プリペイドカード,IDカード,通行券,定期券,切符,各種チケット,銘板,各種認証用ラベルの何れかであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のように、印刷物の何れかの表面に判別具によって判別される立体再生用画像印刷部を有する印刷物であって、前記立体再生用画像印刷部は,判別具によって立体画像として再生される、少なくとも、青系の印刷色と赤系の印刷色で刷り分けられた画像を有する印刷部であることによって、商品券や、各種カード等の偽造を防止することができ、そのための印刷費用も安く抑えられ、立体画像再生のために使用される判別具も市販の判別具が使用でき、導入が容易となる。
また、二色の印刷部を追加するだけなため、ホログラム等の別のセキュリティ技術との組み合わせや、別な絵柄との組み合わせによって効果的にセキュリティ性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の立体再生用画像印刷部を有する印刷物について説明する。
図1は、本発明の立体再生用画像印刷部を有する商品券の一例について説明するための図,図2は、立体再生用画像の撮影方法について説明するための図,図3は、撮影された立体再生用画像について説明するための図,図4は印刷された立体再生用画像について説明するための図,図5は、判別具によって再生される立体画像について説明するための図,である。
【0010】
図1を参照して、本発明の立体再生用画像印刷部を有する商品券の一例について説明する。
図1では、立体再生用画像印刷部を有する印刷物の例として商品券が適用されているが、偽造,変造,改竄防止を必要とする株券,ギフト券,搭乗券,クレジットカード,キャッシュカード,各種プリペイドカード,IDカード,通行券,定期券,切符,各種チケット,銘板,各種認証用ラベル等いずれに適用されても良い。
【0011】
印刷物(以下、商品券という)1の片面には、印刷物が商品券であることを示す「商品券」の文字や、金額を示す「10,000円」の文字等、商品券情報13が印刷されている。
商品券1の表面には、前述の商品券情報13のほかに、偽造,変造,改竄防止のための立体再生用画像印刷部12が設けられている。
【0012】
立体再生用画像印刷部12には、図示しないが、商品券に係る印刷図柄が印刷されており、その中に、偽造,変造,改竄防止のための立体再生用画像11が印刷されている。
立体再生用画像印刷部12に印刷された図柄は、前述の商品券に係る印刷図柄でも、ホログラムなどが転写されていてもよい。
商品券に係る印刷図柄は、意図的にデザインされ、赤色と青色によって印刷されたカムフラージュのための印刷図柄であっても良い。
【0013】
図2を参照して、立体再生用画像の撮影方法について説明する。
印刷された立体再生用画像が、判別具を介して見た時に立体感を伴うように、印刷原稿となる画像を特殊なカメラで撮影する。特殊なカメラとは、2個のレンズを備えたステレオカメラや、間隔が自由に設定できて2台のカメラを同時に作動させることができる撮像装置3である。
この撮像装置3は、左側撮像装置31と、右側撮像装置32で構成されている。
したがって、撮影された画像は、二枚の別々なフィルムに焼き付けられる。
撮像装置3の左側撮像装置31と右側撮像装置32との間隔が大きいほど、判別具で見たときに大きな立体感が得られる。
一方、立体画像被写体2の配置に関しては、印刷された立体再生用画像を判別具で見た時に、より立体的に見えるように、立体画像被写体2の前方被写体21と後方被写体22の位置を、撮像装置3からの距離で、遠い位置と近い位置にずらして置く。
【0014】
図3を参照して、撮影された立体再生用画像について説明する。
図の左側「R」で示された立体再生用画像112は、撮像装置3の右側撮像装置32で撮影された画像である。また、図の右側「L」で示された立体再生用画像111は、撮像装置3の左側撮像装置31で撮影された画像である。
立体画像被写体2のグラス形状の前方被写体が、ボトル形状の後方被写体の左右に分かれて撮影されていることがわかる。
【0015】
図3,図4を参照して印刷された立体再生用画像について説明する。
印刷用の版を作製するときに、図3に示す立体再生用画像112を赤色印刷用の印刷版として作製し、図3に示す立体再生用画像111を青色印刷用の印刷版として作製する。
その逆に、立体再生用画像112を青色印刷用の印刷版として作製し、立体再生用画像111を赤色印刷用の印刷版として作製してもよい。
上述の選択は、判別具の青レンズ及び赤レンズの位置との関連で決定される。
【0016】
印刷物の基材に印刷する場合は、図4に示すように二つの立体再生用画像112,111をボトル形状の後方被写体が重なるように印刷する。
撮像装置3の左側撮像装置31と左側撮像装置32の間隔が狭いほど、左右のグラス形状の前方被写体が接近して印刷される。その結果、印刷された立体再生用画像112,111を判別具で見たときに立体感が得られ難くなる。
【0017】
図5を参照して判別具によって再生される立体画像について説明する。
判別具として、例えば、眼鏡の形状に作製した判別具を使用する。
判別具の左側のレンズに透明な赤色のコーティングを施し、右側のレンズに透明な青色のコーティングを施す。
図5のa図は、前述の眼鏡をかけた状態で、左目で視認された画像41で、c図は右目で視認された画像42である。
左目で視認された画像41は、青色で印刷された立体再生用画像で、右目で視認された画像42は、赤色で印刷された立体再生用画像である。
判別具の左右のレンズを通して視認された立体再生用画像112,111は、b図に示すように立体感を伴った画像40として視認される。
【0018】
前述の眼鏡で図4の印刷物を見た場合、赤色のレンズを通過した赤色の画像は透明な画像として視認され、青色の画像は黒色に近い画像として視認される。
逆に、青色のレンズを通過した青色で印刷された画像は透明な画像として視認され、赤色で印刷された画像は黒色に近い画像として視認される。
その結果、前述の二つの画像は、視認する側の脳で合成され立体画像として視認される。
【0019】
(実施例)
ポリエステルフィルムの片側に磁気記録層を全面に設けてなる磁気カードにおいて、その逆面にアナグリフ方式による立体画像を印刷した。
判別具として、透明な赤,青色のコーティングを施した眼鏡を用いて判別したところ、明瞭な立体画像が得られ、真正なものと判別できた。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明の立体再生用画像印刷部を有する印刷物は、偽造,変造,改竄防止を必要とする株券,商品券,ギフト券,搭乗券,クレジットカード,キャッシュカード,各種プリペイドカード,IDカード,通行券,定期券,切符,各種チケット,銘板,各種認証用ラベル等を対象として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の立体再生用画像印刷部を有する商品券の一例について説明するための図である。
【図2】立体再生用画像の撮影方法について説明するための図である。
【図3】撮影された立体再生用画像について説明するための図である。
【図4】印刷された立体再生用画像について説明するための図である。
【図5】判別具によって再生される立体画像について説明するための図である。
【符号の説明】
【0022】
1 印刷物
2 立体画像被写体
3 撮像装置
11 立体再生用画像
12 商品券図柄
13 商品券情報
21 前方被写体
22 後方被写体
31 左側撮像装置
32 右側撮像装置
40 立体画像
41 左目から視認された画像
42 右目から視認された画像
111 左側撮像装置が撮影した立体再生用画像
112 右側撮像装置が撮影した立体再生用画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物の真偽を判別するために、印刷物の何れかの表面に判別具によって判別される立体再生用画像印刷部を有する印刷物であって、
前記立体再生用画像印刷部は,判別具によって立体画像として再生される、少なくとも、青系の印刷色と赤系の印刷色で刷り分けられた画像を有する印刷部であることを特徴とする立体再生用画像印刷部を有する印刷物。
【請求項2】
請求項1に記載の立体再生用画像印刷部を有する印刷物において,
印刷物は、株券,商品券,ギフト券,搭乗券,クレジットカード,キャッシュカード,各種プリペイドカード,IDカード,通行券,定期券,切符,各種チケット,銘板,各種認証用ラベルの何れかであることを特徴とする立体再生用画像印刷部を有する印刷物。
【請求項1】
印刷物の真偽を判別するために、印刷物の何れかの表面に判別具によって判別される立体再生用画像印刷部を有する印刷物であって、
前記立体再生用画像印刷部は,判別具によって立体画像として再生される、少なくとも、青系の印刷色と赤系の印刷色で刷り分けられた画像を有する印刷部であることを特徴とする立体再生用画像印刷部を有する印刷物。
【請求項2】
請求項1に記載の立体再生用画像印刷部を有する印刷物において,
印刷物は、株券,商品券,ギフト券,搭乗券,クレジットカード,キャッシュカード,各種プリペイドカード,IDカード,通行券,定期券,切符,各種チケット,銘板,各種認証用ラベルの何れかであることを特徴とする立体再生用画像印刷部を有する印刷物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2007−160521(P2007−160521A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355990(P2005−355990)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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