説明

立体印刷装置、立体印刷システム及び立体印刷方法

【課題】画像の所望の部位を立体化させた印刷物を高品位で簡単に低価格で作成できる立体印刷装置、立体印刷システム及び立体印刷方法を提供する。
【解決手段】(a)街路樹64a、64bを背景に停車している自動三輪車65を撮影したデジタル画像を取得する。(b)この画像から街路樹64a、64bと自動三輪車65を切り出す。(c)切り出した画像をベタ黒画像66に変換する。(d)記録媒体17の発泡樹脂面の表面にベタ黒画像66を印刷する。(e)熱光線68を放射しベタ黒画像部分を膨張させて盛り上げる。(f)記録媒体17の表面前面にベタ白67を印刷する。(g)切り出し前の原画像データに基づいてフルカラー画像を印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像の所望の部位を立体化させた印刷物を高品位で簡単に低価格で作成できる立体印刷装置、立体印刷システム及び立体印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、立体印刷は、点字向け印刷、UVインクによる重ね塗り方式、物理的押し出し法、3次元プリンタなどにより実現されている。例えば、加熱により発泡してその体積を増加させる熱膨張性シートの上に画像を形成し、全面に一様に強い光照射を行ない、光の吸収の差により画像部を選択的に加熱隆起させて画像を立体化させる立体画像の形成方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
また、例えば、発泡性シートの表面にカラー画像などの平面画像を形成する。一方、発泡性シートの基材層の表面上に平面画像に関する立体形状を表現した距離画像データに基づき濃淡画像の光吸収性パターンを形成する。基材層側から光LTを照射して画像の濃淡に応じた熱を発生させ、発泡性シートを距離画像データに応じて膨張させて隆起させ、隆起量の自由度の高い印刷済みの発泡シートによる発泡造形方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭54−089638号公報
【特許文献2】特開2001−150812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に示される従来の立体画像形成方法は、立体印刷の作成に時間が掛る、工程が多くて手数が掛る、したがって、コストが高くなる等の種々の問題点がある。
【0006】
また、それだけでなく、特許文献1及び2の立体画像形成方法は、いずれも画像を先に形成してから熱膨張させて画像面を盛上げているので、膨張後の画面の表面にひび割れができる。したがって、立体画像の画像品質が著しく低下するという問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、画像の所望の部位を立体化させた印刷物を高品位で簡単に低価格で作成できる立体印刷装置、立体印刷システム及び立体印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の立体印刷装置は、カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、該画像切取手段により切り取られた上記カラー画像の上記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、該ベタ黒画像変換手段により変換された上記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷手段と、該印刷手段により上記ベタ黒画像を印刷された上記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して上記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む上記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷手段と、該ベタ白印刷手段によりベタ白に印刷された上記熱膨張性シートの表面に上記選択された部位を切り取られる前の上記カラー画像を印刷する画像印刷手段と、を有するように構成される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の立体印刷システムは、カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、該画像切取手段により切り取られた上記カラー画像の上記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、該ベタ黒画像変換手段により変換された上記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷装置と、該印刷装置により上記ベタ黒画像を印刷された上記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して上記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む上記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷装置と、該ベタ白印刷装置によりベタ白に印刷された上記熱膨張性シートの表面に上記選択された部位を切り取られる前の上記カラー画像を印刷する画像印刷装置と、を備えて構成される。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の立体印刷方法は、カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取ステップと、該画像切取ステップにより切り取られた上記カラー画像の上記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換ステップと、該ベタ黒画像変換ステップにより変換された上記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷ステップと、該ベタ黒印刷ステップにより上記ベタ黒画像を印刷された上記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して上記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上ステップと、該紙面盛上ステップにより盛上げられた部位を含む上記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷ステップと、該ベタ白印刷ステップによりベタ白に印刷された上記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の上記カラー画像を印刷する画像印刷ステップと、を有して成る。
【発明の効果】
【0011】
本発明の立体印刷装置、立体印刷システム及び立体印刷方法によれば、カラー画像の所望の部位を立体化させた印刷物を高品位で簡単に低価格で作成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態としての立体印刷装置の内部構成を模式的に示す断面図である。
【図2】実施例1〜5に係る立体印刷装置のインクジェットプリンタ部の構成を示す斜視図である。
【図3】実施例1〜5に係る立体印刷装置の制御装置を含む回路ブロック図である。
【図4】(a),(b),(c)は実施例1において本発明の記録媒体に立体面を作成する基本概念を示す図である。
【図5】(a)〜(g)は実施例1において立体印刷装置の制御装置により実行される立体画像印刷の処理工程を説明する図である。
【図6】(a),(b)は実施例2において本発明の記録媒体に立体面を作成する基本原理を示す図である。
【図7】(a)〜(g)は実施例2において立体印刷装置の制御装置により実行される立体画像印刷の処理工程を説明する図である。
【図8】(a)〜(d)は実施例3において本発明の記録媒体に立体画像作成する基本原理を示す図である。
【図9】実施例3において画像に対して2段階の立体印刷を行うに当たってデジタル原画像データから切り出した画像をベタ灰色とベタ黒の画像データに変換した図であり且つ記録媒体に印刷した図である。
【図10】(a),(b)は実施例4において本発明の記録媒体に立体画像作成する基本原理を示す図である。
【図11】(a),(b),(c)は実施例5において本発明の立体物のラベルを作成する処理の基本原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、実施例1〜5に係る立体印刷装置の内部構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、立体印刷装置1は、最下部の黒トナー印刷部2と、その上の熱膨張加工部3と、最上段のインクジェットプリンタ部4とで構成される。
【0014】
黒トナー印刷部2は、装置筐体5の内部中央において、水平方向に延在する無端状の転写ベルト6を備えている。転写ベルト6は、不図示の張設機構によって張設されながら、駆動ローラ7と従動ローラ8に掛け渡され、駆動ローラ7により駆動されて、図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動する。
【0015】
転写ベルト6の上循環移動面に接して画像形成ユニット9の感光体ドラム11が配設されている。感光体ドラム11には、その周面を取り巻くように近接して、図示を省略したクリーナ、初期化帯電器、光書込ヘッドに続いて現像ローラ12等が配置されている。
【0016】
上記の現像ローラ12は、トナー容器13の側部開口部に配置されている。トナー容器13の中には黒色トナーKが収容されている。黒色トナーKは非磁性一成分トナーから成っている。
【0017】
上記の現像ローラ12は、トナー容器13に収容されている黒色トナーKの薄層を表面に担持して、光書込ヘッドによって感光体ドラム11の周面上に形成されている静電潜像に黒色トナーKの画像を現像する。
【0018】
感光体ドラム11の下部には、転写ベルト6を介して一次転写ローラ14が圧接して、ここに一次転写部を形成している。一次転写ローラ14には、不図示のバイアス電源からバイアス電圧を供給される。
【0019】
一次転写ローラ14は一次転写部において、バイアス電源から供給されるバイアス電圧を転写ベルト6に印加して、感光体ドラム11の周面上に現像されている黒色トナーKの画像を転写ベルト6に転写する。
【0020】
転写ベルト6の図に示す右端部が掛け渡されている従動ローラ8には、転写ベルト6を介して二次転写ローラ15が圧接し、ここに二次転写部を形成している。二次転写ローラ15には、不図示のバイアス電源からバイアス電圧が供給される。
【0021】
二次転写ローラ15は二次転写部において、バイアス電源から供給されるバイアス電圧を転写ベルト6に印加し、転写ベルト6に一次転写されている黒色トナーKの画像を、画像形成搬送路16に沿って矢印で示すように図の下方から搬送されてくる記録媒体17に転写する。尚、本例の記録媒体17には熱膨張シートが使用される。
【0022】
上記の記録媒体17は、給紙カセット等から成る記録媒体収容部18に積載されて収容され、不図示の給紙ローラ等により最上部の一枚が取り出され、画像形成搬送路16に送出され、更に画像形成搬送路19を搬送されて、上記の二次転写部を通過しながら黒色トナーKの画像を転写される。
【0023】
黒色トナーKの画像を転写されながら二次転写部を通過した記録媒体17は、定着搬送路19に沿って定着部21へと搬送される。定着部21の加熱ローラ22と押圧ローラ23は、記録媒体17を挟持し、熱と圧力を加えながら搬送する。
【0024】
これにより、記録媒体17は、二次転写されている黒色トナーKの画像を紙面に定着され、加熱ローラ22と押圧ローラ23により更に搬送され、定着部排出ローラ対24に搬送を引き継がれ、上方の熱膨張加工部3に排出される。尚、定着部21における記録媒体17(熱膨張シート)の搬送速度は比較的速いため、加熱ローラ22の加熱で熱膨張シートの黒色トナー印刷部分が膨張することはない。
【0025】
熱膨張加工部3は、上部に媒体搬送経路25を形成され、この媒体搬送経路25に沿って4組の搬送ローラ対26(26a、26b、26c、26d)が配置されている。そして、媒体搬送経路25のほぼ中央部の下方に、熱光線放射部27が配置されている。
【0026】
熱光線放射部27は、ハロゲンランプ27aと、このハロゲンランプ27aの下方向半分を取り囲む断面がほぼ半円状の反射鏡27bとで構成されている。
【0027】
本例では、ハロゲンランプ27aには、900Wのものが使用され、媒体搬送経路25を搬送される記録媒体17の面から4cm離れた位置に配置される。記録媒体17を搬送する搬送ローラ対26の搬送速度は20mm/秒である。この条件で記録媒体17は100℃〜110℃に熱せられ、記録媒体17の黒ベタ印刷部分が熱膨張する。
【0028】
尚、黒トナー印刷部2の記録媒体17の搬送速度は速く、熱膨張加工部3の記録媒体17の搬送速度は遅いが、記録媒体17は記録媒体収容部18から一枚ごとに搬送され、熱膨張加工部3の搬送が終了するまでは連続搬送は行われない。
【0029】
したがって、熱膨張加工部3に搬送された記録媒体17は、黒トナー印刷部2の定着部排出ローラ対24と熱膨張加工部3の最初の搬送ローラ対26aとの間の搬送経路bで撓んだ状態で、少しの時間滞留するだけで、全体として搬送に不都合は生じない。
【0030】
熱膨張加工部3で黒ベタ印刷部分が熱膨張して盛り上がった記録媒体17は、搬送経路cに沿ってインクジェットプリンタ部4に搬入される。
【0031】
尚、上記の搬送ローラ対26は、搬送方向に直交する記録媒体17の幅方向に延在する長尺のローラ対で構成してもよく、又は記録媒体17の両側端部のみを挟持して搬送する短尺のローラ対で構成することもできる。
【0032】
図2は、インクジェットプリンタ部4の構成を示す斜視図である。図2に示すインクジェットプリンタ部4は、図1に示した搬送経路cと排紙トレー29を外部に備えた媒体排出口28との間に、図2に示す内部フレーム37が配置されている。
【0033】
インクジェットプリンタ部4は、用紙搬送方向に直交する両方向矢印dで示す方向に往復移動可能に設けられたキャリッジ31を備えている。キャリッジ31には、印字を実行する印字ヘッド32とインクを収容しているインクカートリッジ33(33w、33c、33m、33y)が取り付けられている。
【0034】
カートリッジ33w、33c、33m、33yは、それぞれ、ホワイトW、シアンC、マゼンタM、イエローYの色インクを収容する。これらのカートリッジは、個別に、又は各インク室が1個の筐体内に一体化された構成をしており、各色インクを吐出するそれぞれのノズルを有する印字ヘッド32に連結されている。
【0035】
また、キャリッジ31は、一方ではガイドレール34により滑動自在に支持され、他方では歯付き駆動ベルト35に固着している。これにより、印字ヘッド32及びインクカートリッジ33(33w、33c、33m、33y)は、キャリッジ31と共に、図の両方向矢印dで示す用紙搬送方向と直交する方向つまり印字の主走査方向に往復駆動される。
【0036】
この印字ヘッド32と立体印刷装置1の後述する制御装置との間には、フレキシブル通信ケーブル36が内部フレーム37を介して接続されている。このフレキシブル通信ケーブル36を通して制御装置から印字データと制御信号が印字ヘッド32に送出される。
【0037】
この印字ヘッド32に対向し、印字ヘッド32の上記主走査方向に延在して、内部フレーム37の下端部に用紙搬送路の一部を構成するプラテン38が配設されている。
【0038】
このプラテン38に接して記録媒体17が給紙ローラ対39(下のローラは記録媒体17の陰になっていて図では見えない)と排紙ローラ対41(下のローラは同様に記録媒体17の陰になって見えない)により図の矢印eで示す印字副走査方向に間欠的に搬送される。
【0039】
この記録媒体17の間欠搬送の停止期間中に、印字ヘッド32は、モータ42により歯付き駆動ベルト35及びキャリッジ31を介して駆動されながら、記録媒体17に近接した状態でインク滴を噴射して紙面に印字する。このように記録媒体17の間欠搬送と印字ヘッド32による往復移動時の印字との繰り返しによって記録媒体17の全面に印字(印刷)が行われる。
【0040】
尚、後述する白塗りの上にフルカラーの印字を重ねて印刷するときは、白印刷した印字媒体17を矢印eで示す印字副走査方向と逆方向に逆搬送して、再び矢印e方向に搬送しながらフルカラーの印字を行う。
【0041】
また、後述する印字媒体17の裏面から加熱して、熱膨張して盛り上がった表面にフルカラーの印刷を行うときは、図には示していないが、内部フレーム37の上方に配置された通常の両面印刷に用いられると同様の記録媒体反転機構を用いて、熱膨張加工部3から搬送経路cを通って搬入された記録媒体17を表裏反転させる。
【0042】
図3は、上記構成の立体印刷装置1の制御装置を含む回路ブロック図である。図3に示すように回路ブロックは、CPU(central processing unit)45を中心にして、このCPU45に、それぞれデータバスを介して、I/F_CONT(インターフェイスコントローラ)46、PR_CONT(プリンタコントローラ)47、及び画像切取り部48が接続されている。
【0043】
上記のPR_CONT47にはプリンタ印字部49が接続されている。また、画像切取り部48は、他方ではI/F_CONT46にも接続されている。この画像切取り部48には、パーソナルコンピュータ等に搭載されているものと同様な画像処理アプリケーションが搭載されている。
【0044】
また、CPU45には、ROM(read only memory)51、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)52、本体操作部の操作パネル53、及び各部に配置されたセンサからの出力が入力されるセンサ部54が接続されている。ROM51はシステムプログラムを格納されている。操作パネル53はタッチ式の表示画面を備えている。
【0045】
CPU45は、ROM51に格納されているシステムプログラムを読出して、その読出したシステムプログラムに従って各部を制御して処理を行う。
【0046】
すなわち、各部において、先ず、I/F_CONT46は、例えばパーソナルコンピュータ等のホスト機器から供給される印字データをビットマップデータに変換し、フレームメモリ55に展開する。
【0047】
フレームメモリ55には、黒トナーKの印字データ、ホワイトW、シアンC、マゼンタM、イエローYの色インクそれぞれの印字データに対応する記憶エリアが設定されており、この記憶エリアに上記各色の画像の印字データが展開される。展開されたデータはPR_CONT47に出力され、PR_CONT47からプリンタ印字部49に出力される。
【0048】
プリンタ印字部49は、エンジン部であり、PR_CONT47からの制御の下で、図1に示した黒トナー印刷部2の感光体ドラム11、一次転写ローラ14等を含む回転駆動系、図1には図示を省略した初期化帯電器、光書込ヘッド等の被駆動部を有する画像形成ユニット9の印加電圧や、転写ベルト6、定着部21の駆動などのプロセス負荷への駆動出力を制御する。
【0049】
更にプリンタ印字部49は、図1に示した熱膨張加工部3の4組の搬送ローラ対26の駆動、熱光線放射部27の発光駆動と、そのタイミングを制御する。そして、更にプリンタ印字部49は、図1及び図2に示したインクジェットプリンタ部4の各部の動作を制御する。
【0050】
そして、PR_CONT47から出力された黒トナーKの画像データは、プリンタ印字部49から図1に示した黒トナー印刷部2の画像形成ユニット9の図示を省略した光書込ヘッドに供給される。
【0051】
また、PR_CONT47から出力されたホワイトW、シアンC、マゼンタM、イエローYの色インクそれぞれの画像データは、図2に示した印字ヘッド32に供給される。
【実施例1】
【0052】
図4(a),(b),(c)は、上記構成の立体印刷装置1における実施例1において記録媒体17に立体面を作成する基本概念を示す図である。図4(a)は、実施例1において用いられる記録媒体17の構成を示す図、同図(b)は記録媒体17を選択的に発泡させて部分隆起させる加工の原理を説明する図、同図(c)は、加工結果を示す断面図である。
【0053】
図4(a)に示すように、記録媒体17は、基材56と、この基材56上にコーティングされた熱発泡剤を含む発泡樹脂層57とから成る。基材56は、紙、キャンバス地などの布、プラスチックなどのパネル材などからなり、材質は特に限定されるものではない。この基材56と熱発泡剤を含む発泡樹脂層57とからなる記録媒体17は、既知の市販品を使用することができる。
【0054】
この記録媒体17の発泡樹脂層57の立体化させたい部分に、図1の黒トナー印刷部2において後述する黒トナーのベタ画像58を印刷する。そして、図4(b)に示すように、黒トナーのベタ画像58を印刷された記録媒体17の発泡樹脂層57の面を、熱源ヒータ59により加熱する。
【0055】
図4(b)は、基本概念を示す図であるため、図1に示した熱膨張加工部3の構成とは異なるが、原理は同一である。すなわち、図4(b)に示すように、記録媒体17は黒トナーのベタ画像58を印刷された面を上に向けて載置台61に載置され位置固定されている。
【0056】
載置台61には両側端部面に案内溝62(62a、62b)が形成されており、この案内溝62に沿って、両方向矢印fで示すように往復移動が可能な熱源ヒータ支持柱63(63a、63b)が立設されている。
【0057】
これら熱源ヒータ支持柱63に両端部を支持された熱源ヒータ59が熱源ヒータ支持柱63の移動に応じて移動しながら、記録媒体17の発泡樹脂層57の面に熱輻射線を放射する。すなわち、記録媒体17と熱源ヒータ59とが相対的に移動しながら発泡樹脂層57の面に熱輻射線が放射される。
【0058】
これにより、黒トナーのベタ画像58が熱輻射線を吸収して、その熱を発泡樹脂層57に含まれる熱発泡剤に伝達し、熱発泡剤が熱膨張反応を起こして、図4(c)に示すように、記録媒体17は黒トナーのベタ画像58を印刷された部分Gが膨張して盛り上がる。
【0059】
このように、熱源ヒータ59によって加熱された記録媒体17は、黒トナーで印刷された部分Gと、印刷されていない部分Hとの熱吸収率の差によって黒トナーで印刷された部分Gの発泡剤のみが発泡して印刷面が立体化する。
【0060】
尚、上記の熱源ヒータは、本例では前述したように、ハロゲンランプ27aと反射鏡27bとからなる熱光線放射部27であり、上記の記録媒体17と熱源ヒータ59との相対的移動は、本例の熱膨張加工部3においては、熱光線放射部27が固定され、記録媒体17が搬送ローラ対26により搬送されて移動する。
【0061】
図5(a)〜(g)は、上記構成の立体印刷装置1の制御装置により実行される立体画像印刷の処理工程を説明する図である。制御装置のCPU45は、先ず、I/F_CONT46により、外部からの原画像データとして、例えば図5(a)に示すような、大きな2本の街路樹64(64a、64b)を背景に路上に停車している自動三輪車65を撮影したデジタル画像の画像データを取り込む。
【0062】
続いて、CPU45は、画像切取り部48により、図5(b)に示すように、立体印刷装置1の使用者により操作パネル53を介して原画像データから選択指定された画像である2本の街路樹64(64a、64b)と自動三輪車65の画像を切り出す。この所望の画像の切り出しは、現在では大概の画像処理アプリケーションであれば備えている。
【0063】
尚、この画像の切り出しは、上記のように手動によって選択された部分を切り出すほかに、例えば立体カメラで撮影した画像には距離データが含まれているので、2段階程度の距離データの閾値を設定して高低差を設定し、自動的に切り出すようにしてもよい。
【0064】
続いて、CPU45は、上記切り出した画像を、図5(c)に示すように、ベタ黒画像66に変換する。このベタ黒画像66への変換も、画像切取り部48に搭載されている画像処理アプリケーションで容易に実行することができる。
【0065】
このベタ黒画像66の画像データは、I/F_CONT46及びPR_CONT47を介してプリンタ印字部49に送信される。プリンタ印字部49は、黒トナー印刷部2を制御して、図5(d)に示すように、記録媒体17の表面にベタ黒画像66を印刷する。
【0066】
尚、ベタ黒画像66の印刷は、本例では、電子写真方式の画像形成装置による黒トナーで印刷しているが、インクジェットプリンタを用いて黒インクで印刷するようにしてもよい。
【0067】
続いて、CPU45は、熱膨張加工部3を制御して、4組の搬送ローラ対26により搬送される記録媒体17に対し、熱光線放射部27により、図5(e)に示すように熱光線68を放射して、図4(c)に示したように、ベタ黒画像印刷部分G(図5(e)のベタ黒画像66)を膨張させて盛り上げる。
【0068】
続いて、CPU45は、インクジェットプリンタ部4を制御して、ベタ黒画像66の部分が盛り上がった記録媒体17の表面に、カートリッジ33wのホワイトWの色インクにより、図5(f)に示すように、ベタ白67を印刷する。
【0069】
次に、CPU45は、給紙ローラ対39と排紙ローラ対41を逆駆動してベタ白印刷した印字媒体17を矢印eで示す印字副走査方向と逆方向に逆搬送する。そして、再び矢印e方向に搬送しながら、ベタ黒画像66の部分の盛り上がり部分も含めて全面がベタ白67となっている記録媒体17の表面にフルカラーの印刷を行う。
【0070】
この処理では、インクカートリッジ33c、33m、33yのシアンC、マゼンタM、イエローYの色インクを用いて、選択された部位を切り出される前の原画像データに基づいて印刷が実行される。
【0071】
フルカラーの印刷が終了した記録媒体17は、媒体排出口28を通って排紙トレー29上に排出される。図5(g)は排紙トレー29上に排出された立体画像を示している。
【0072】
この立体画像は、図では定かに見えないが、2本の街路樹64a及び64bと自動三輪車65の画像部分が他の部分よりも盛り上がっている。そして、盛り上がった後から画像を印刷してあるため、盛り上がり部分にひび割れのような割れ目が全く無い。
【実施例2】
【0073】
図6(a),(b)は、立体印刷装置1において、実施例2における処理の基本原理を示す図である。同図(a)に示す記録媒体17は、実施例1の場合と同様に、基材56と、この基材56上にコーティングされた熱発泡剤を含む発泡樹脂層57とから成る。
【0074】
本例において、実施例1の場合と異なるのは、ベタ黒画像の鏡像69が記録媒体17の裏面、つまり基材56の面に印刷されることである。基材56は変形性を持たない剛性のあるシート状素材であるので、発泡樹脂層57が膨張したとき基材56側への膨張を抑止する。
【0075】
したがって、ベタ黒画像の鏡像69が印刷された記録媒体17の裏面を加熱すると、図6(b)に示すように、ベタ黒画像の鏡像69に対応する樹脂層部分Iが膨張して盛り上がる。
【0076】
この場合も、裏面を加熱された記録媒体17は、ベタ黒画像の鏡像69が印刷された部分Iと、印刷されていない部分Jとの熱吸収率の差によってベタ黒画像の鏡像69が印刷された部分Iの発泡剤のみが発泡して記録媒体17の印刷面が立体化する。裏面が鏡像であるので、立体化した部分は実像となっている。
【0077】
図7(a)〜(g)は、立体印刷装置1の制御装置により実行される実施例2としての立体画像印刷の処理工程を説明する図である。制御装置のCPU45は、先ず、I/F_CONT46により、外部からの原画像データとして、例えば図6(a)に示すような、大きな2本の街路樹64(64a、64b)を背景に路上に停車している自動三輪車65を撮影したデジタル画像の画像データを取り込む。
【0078】
次に、CPU45は、画像切取り部48により、図6(b)に示すように、立体印刷装置1の使用者により操作パネル53を介して原画像データから選択指定された画像である2本の街路樹64(64a、64b)と自動三輪車65の画像を切り出し、この切り出した画像を、図6(c)に示すように、ベタ黒画像66に変換する。
【0079】
続いて、CPU45は、上記のベタ黒画像66を、図7(d)に示すように、鏡像69に変換する。この鏡像への変換も、画像切取り部48に搭載されている画像処理アプリケーションで容易に実行することができる。
【0080】
このベタ黒画像66から変換された鏡像69の画像データは、I/F_CONT46及びPR_CONT47を介してプリンタ印字部49に送信される。プリンタ印字部49は、黒トナー印刷部2を制御して、図7(e)に示すように、記録媒体17の裏面に鏡像69を印刷する。
【0081】
続いて、CPU45は、熱膨張加工部3を制御して、4組の搬送ローラ対26により搬送される記録媒体17に対し、熱光線放射部27により、図7(f)に示すように熱光線68を放射して、図6(b)に示したように、鏡像69に対応する樹脂層部分Iを膨張させて盛り上げる。
【0082】
次に、CPU45は、インクジェットプリンタ部4を制御して、図2は図示を省略した記録媒体反転機構を用いて、熱膨張加工部3から搬送経路cを通って搬入された記録媒体17を表裏反転させる。
【0083】
続いて、CPU45は、給紙ローラ対39と排紙ローラ対41を駆動して、印字媒体17を矢印eで示す印字副走査方向に搬送する。そして、印字媒体17の表面、つまり発泡樹脂層57の全面にフルカラーの印刷を行う。
【0084】
この処理では、インクカートリッジ33c、33m、33yのシアンC、マゼンタM、イエローYの色インクを用いて、選択された部位を切り出される前の原画像データに基づいて印刷が実行される。
【0085】
フルカラーの印刷が終了した記録媒体17は、媒体排出口28を通って排紙トレー29上に排出される。図7(g)は排紙トレー29上に排出された立体画像を示している。
【0086】
この立体画像も、図では定かに見えないが、2本の街路樹64a及び64bと自動三輪車65の画像部分が他の部分よりも盛り上がっている。そして、盛り上がった後から画像を印刷してあるため、盛り上がり部分にひび割れのような割れ目が全く無い。
【0087】
また、この実施例2では、ベタ白印刷の工程が無い分だけ工程が簡易化され、記録媒体反転機構を用いる時間はほぼ無視できる短時間の処理であるので、全体として加工能率がよい。また白インクを用いないので低価格を計ることができて経済的である。
【0088】
尚、上記実施例1及び2においては、いずれの場合も、後処理として、印刷完了後の記録媒体17の表面に、ニスコーティングなどを、プリンタによる自動、もしくは手動により施して、光沢性などを付与するようにしてもよい。
【実施例3】
【0089】
図8(a)〜(d)は、立体印刷装置1において、実施例3における処理の基本原理を示す図である。図8(a)は発泡樹脂層57の面を上にした記録媒体17の平面図、同図(b)はそのA−A´断面矢視図である。発泡樹脂層57の面には、黒印刷の濃度を変えて、ベタ黒画像71とベタ灰色画像72が印刷されている。
【0090】
ベタ黒画像71とベタ灰色画像72とでは、黒の濃度が異なるので、その熱吸収率が異なる。したがって、この記録媒体17に加熱発泡処理を施すと、同図(c)に示すように、発泡樹脂層57のベタ黒画像71の部分Lは熱膨張で大きく盛り上がる。
【0091】
そして、ベタ灰色画像72の部分Nは熱膨張で盛り上がってもベタ黒画像71の部分Lよりも盛り上がりが低く、全体として2段階の立体物が得られる。なお、この基本原理での説明では2段階としたが、2段階に限定されるものではない。黒の濃度を3段階以上にすれば、3段階以上の立体物が得られる。
【0092】
図9は、画像に対して2段階の立体印刷を行うに当たって、図5(a)に示したデジタル原画像データから切り出した画像をベタ灰色とベタ黒の2段階のベタ濃度画像データに変換した図であると共に、その2段階のベタ濃度画像を記録媒体17に印刷した図である。
【0093】
この場合も、ベタ画像の実像を記録媒体17の表面に印刷してもよく、又はベタ画像の鏡像を記録媒体17の裏面に印刷するようにしてもよい。その後の加工工程は実施例1又は2の場合と同様である。
【0094】
図9に示すように、オートバイ全体が立体化され、高濃度の黒印字部分により、更にタイヤ部分、タンク部分、スポーク部分、ヘッドライト部分のほか、街路樹の葉部中央部分などが更に立体化されて、前面に飛び出して強調させることができる。
【実施例4】
【0095】
図10(a),(b)は、立体印刷装置1において、実施例4における処理の基本原理を示す図である。本例においては、記録媒体17として、図10(a)に示すように、発泡温度の異なる発泡剤を含む2種類の樹脂を用いて、基材56に熱膨張率の異なる2層の発泡樹脂層73及び74をコーティングする。
【0096】
図10(a)に示す例では、記録媒体17には、基材56に例えば180度以上で発泡する発泡剤を含む発泡樹脂層73をコーティングし、その上に例えば120度で発泡する発泡剤を含む発泡樹脂層73をコーティングしている。
【0097】
この記録媒体17に対して、図10(b)に示すように、120度の加熱を行なった部分は発泡樹脂層73のみが立体化し、180度の加熱を行なった部分は発泡樹脂層73及び74の2層が共に立体化する。この上に白印刷した後、位置合わせして普通印刷を行う。
【0098】
このように熱膨張率の異なる複数の発泡樹脂層をコーティングした記録媒体を用いると、加熱の部分的制御により、更に遠近に忠実な立体印刷を再現することが可能となる。なお、本例における加熱装置としては、部分的に温度制御が可能な装置が必要であるが、この加熱装置としては、サーマルヘッド又はレーザー照射ヘッドを用いることが出来る。
【0099】
このように、本例によれば、画像の任意部分の立体化が出来るので、段階的に立体化させることにより更に立体物を強調することが可能となる。
【実施例5】
【0100】
図11(a),(b),(c)は、立体印刷装置1において、実施例5における立体物のラベル作成処理の基本原理を示す図である。本例においては、記録媒体17は、図11(a)に示すように、基材56と、この基材56上にコーティングされた熱発泡剤を含む発泡樹脂層57と、基材56の裏面にコーティングされた接着剤75と剥離紙76とから成る。
【0101】
そして、本例では、記録媒体17に、図11(b)に示すように、発泡樹脂層57の面から図11(a)に示す接着剤75と剥離紙76との境目まで、楕円形のハーフカット77が施される。この楕円形のハーフカット77内に、図11(c)に示すように、実施例1又は実施例3で示したような立体画像、例えば自動三輪車65を印刷する。このハーフカット77の部分を剥離紙から離して抜き出し、任意の箇所に貼着する。
【0102】
図11では予め楕円形状にハーフカットされた用紙を図示しており、楕円形に形状固定されたラベルとなるが、記録媒体17に対する画像の印刷を先に行ってから、任意の形状にカッティングプロッタなどで切断処理を行なえば、立体物の形状に合わせたラベルの作成が可能となる。
【0103】
尚、立体印刷物を作成するための本発明の実施形態において、上記各実施例では、図1〜図3に示したように、最下部の黒トナー印刷部2として示した装置本体と、その上の熱膨張加工部3と、最上段のインクジェットプリンタ部4とが一体化された立体印刷装置1の例で説明したが、これらの各部位をそれぞれ独立した装置とし、それらの各装置が連携して印刷システムを構成するようにしても良い。
【0104】
すなわち、上記実施例では、黒トナー印刷部2には画像切取り部48も備え、該画像切取り部48が画像切り取りや鏡像変換処理を行うようにしているが、これらの処理はパーソナルコンピュータ等のホスト機器で行い、黒トナー印刷部2やインクジェットプリンタ部4は、それぞれスタンドアローンの電子写真プリンタやインクジェットプリンタとし、更に熱膨張加工部3も単独の装置としてシステムを構築する。
【0105】
その場合、立体印刷物を作成するステップを連続して実行すべく各装置を連動するように構成することもできるし、各ステップ間に人手を介するようにしても良いことは勿論である。
【0106】
以上述べたように、本発明によれば、一枚の写真から所望の部分を立体化させた立体画像を、簡単に、低価格で、高品位な画像として、オンデマンドで作成することが可能となる。
【0107】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明は特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
【0108】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
該ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷手段と、
該ベタ黒印刷手段により前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷手段と、
該ベタ白印刷手段によりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷手段と、
を有することを特徴とする立体印刷装置。
[付記2]
【0109】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
該ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷装置と、
該印刷装置により前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷装置と、
該ベタ白印刷装置によりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷装置と、
を備えたことを特徴とする立体印刷システム。
[付記3]
【0110】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取ステップと、
該画像切取ステップにより切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換ステップと、
該ベタ黒画像変換ステップにより変換された前記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷ステップと、
該ベタ黒印刷ステップにより前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上ステップと、
該紙面盛上ステップにより盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷ステップと、
該ベタ白印刷ステップによりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷ステップと、
を有することを特徴とする立体印刷方法。
[付記4]
【0111】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
該ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を鏡面象に変換する鏡象変換手段と、
該鏡象変換手段により変換されたベタ黒鏡像を熱膨張性シートの裏面に印刷するベタ黒鏡像印刷手段と、
該ベタ黒鏡像印刷手段により前記ベタ黒鏡像を印刷された前記熱膨張性シートの裏面に輻射熱を放射して前記ベタ黒鏡像の印刷部位を発泡膨張させて前記熱膨張性シートの表面を盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷手段と、
を有することを特徴とする立体印刷装置。
[付記5]
【0112】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
該ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を鏡像に変換する鏡像変換手段と、
該鏡像変換手段により変換されたベタ黒鏡像を熱膨張性シートの裏面に印刷するベタ黒鏡像印刷装置と、
該ベタ黒鏡像印刷装置により前記ベタ黒鏡像を印刷された前記熱膨張性シートの裏面に輻射熱を放射して前記ベタ黒鏡像の印刷部位を発泡膨張させて前記熱膨張性シートの表面を盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷装置と、
を備えたことを特徴とする立体印刷システム。
[付記6]
【0113】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取ステップと、
該画像切取ステップにより切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換ステップと、
該ベタ黒画像変換ステップにより変換された前記ベタ黒画像を鏡像に変換する鏡像変換ステップと、
該鏡像変換ステップにより変換されたベタ黒鏡像を熱膨張性シートの裏面に印刷するベタ黒鏡像印刷ステップと、
該ベタ黒鏡像印刷ステップにより前記ベタ黒鏡像を印刷された前記熱膨張性シートの裏面に輻射熱を放射して前記ベタ黒鏡像の印刷部位を発泡膨張させて前記熱膨張性シートの表面を盛上げる紙面盛上ステップと、
該紙面盛上ステップにより盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷ステップと、
を有することを特徴とする立体印刷方法。
[付記7]
【0114】
カラー画像の選択された部位を低盛上げ部位と高盛上げ部位の2種類に分けて切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記画像の前記低盛上げ部位をベタ灰色画像に変換するベタ灰色変換手段と、
前記画像切取手段により切り取られた前記画像の前記高盛上げ部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
前記ベタ灰色変換手段により変換された前記ベタ灰色画像、及び前記ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を前記熱膨張性シートの表面に印刷する部分印刷手段と、
該部分印刷手段により前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像の印刷部位をベタ色の濃度に応じて発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷手段と、
該ベタ白印刷手段によりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記画像を印刷する画像印刷手段と、
を有することを特徴とする立体印刷装置。
[付記8]
【0115】
前記熱膨張性シートは、所定の低温度で熱膨張する第1層と前記所定の低温度よりも高い温度で熱膨張する第2層との2層構造を有し、
前記紙面盛上手段は、前記熱膨張性シートの前記ベタ黒画像に対応する部分を前記低温で前記第1層を熱膨張させたのち、前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像に対応する部分を前記高温で前記第2層を熱膨張させる、ことを特徴とする付記7記載の立体印刷装置。
[付記9]
【0116】
カラー画像の選択された部位を低盛上げ部位と高盛上げ部位の2種類に分けて切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記低盛上げ部位をベタ灰色画像に変換するベタ灰色変換手段と、
前記画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記高盛上げ部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
前記ベタ灰色変換手段により変換された前記ベタ灰色画像、及び前記ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を前記熱膨張性シートの表面に印刷する部分印刷装置と、
該部分印刷装置により前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像の印刷部位をベタ色の濃度に応じて発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷装置と、
該ベタ白印刷装置によりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷装置と、
を備えたことを特徴とする立体印刷システム。
[付記10]
【0117】
前記熱膨張性シートは、所定の低温度で熱膨張する第1層と前記所定の低温度よりも高い温度で熱膨張する第2層との2層構造を有し、
前記紙面盛上手段は、前記熱膨張性シートの前記ベタ黒画像に対応する部分を前記低温で前記第1層を熱膨張させたのち、前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像に対応する部分を前記高温で前記第2層を熱膨張させる、ことを特徴とする請求項9記載の立体印刷システム。
[付記11]
【0118】
カラー画像の選択された部位を低盛上げ部位と高盛上げ部位の2種類に分けて切り取る画像切取ステップと、
該画像切取ステップにより切り取られた前記カラー画像の前記低盛上げ部位をベタ灰色画像に変換するベタ灰色変換ステップと、
前記画像切取ステップにより切り取られた前記カラー画像の前記高盛上げ部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換ステップと、
前記ベタ灰色変換ステップにより変換された前記ベタ灰色画像、及び前記ベタ黒画像変換ステップにより変換された前記ベタ黒画像を前記熱膨張性シートの表面に印刷する部分印刷ステップと、
該部分印刷ステップにより前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像の印刷部位をベタ色の濃度に応じて発泡膨張させて盛上げる紙面盛上ステップと、
該紙面盛上ステップにより盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷ステップと、
該ベタ白印刷ステップによりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷ステップと、
を有することを特徴とする立体印刷方法。
[付記12]
【0119】
前記熱膨張性シートは、所定の低温度で熱膨張する第1層と前記所定の低温度よりも高い温度で熱膨張する第2層との2層構造を有し、
前記紙面盛上ステップは、前記熱膨張性シートの前記ベタ黒画像に対応する部分を前記低温で前記第1層を熱膨張させたのち、前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像に対応する部分を前記高温で前記第2層を熱膨張させる、ことを特徴とする請求項11記載の立体印刷方法。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、カラー画像の所望の部位を立体化させた印刷物を高品位で簡単に低価格で作成できる立体印刷装置と立体印刷システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0121】
1 立体印刷装置
2 黒トナー印刷部
3 熱膨張加工部
4 インクジェットプリンタ部
5 装置筐体
6 転写ベルト
7 駆動ローラ
8 従動ローラ
9 画像形成ユニット
K 黒色トナー
11 感光体ドラム
12 現像ローラ
13 トナー容器
14 一次転写ローラ
15 二次転写ローラ
16 画像形成搬送路
17 記録媒体
18 記録媒体収容部
19 定着搬送路
21 定着部
22 加熱ローラ
23 押圧ローラ
24 定着部排出ローラ対
25 媒体搬送経路
26(26a、26b、26c、26d) 搬送ローラ対
27 熱光線放射部
27a ハロゲンランプ
27b 反射鏡
28 媒体排出口
29 排紙トレー
31 キャリッジ
32 印字ヘッド
33(33w、33c、33m、33y) インクカートリッジ
34 ガイドレール
35 歯付き駆動ベルト
36 フレキシブル通信ケーブル
37 内部フレーム
38 プラテン
39 給紙ローラ対
41 排紙ローラ対
42 モータ
45 CPU(central processing unit)
46 I/F_CONT(インターフェイスコントローラ)
47 PR_CONT(プリンタコントローラ)
48 画像切取り部
49 プリンタ印字部
51 ROM(read only memory)
52 EEPROM(electrically erasable programmable ROM)
53 操作パネル
54 センサ部
55 フレームメモリ
56 基材
57 発泡樹脂層
58 黒トナーのベタ画像
59 熱源ヒータ
61 載置台
62(62a、62b) 案内溝
63(63a、63b) 熱源ヒータ支持柱
G 黒トナーベタ画像印刷部分
64(64a、64b) 街路樹
65 自動三輪車
66 ベタ黒画像
67 ベタ白
68 熱光線
69 鏡像
71 ベタ黒画像
72 ベタ灰色画像
73、74 発泡樹脂層
75 接着剤
76 剥離紙
77 ハーフカット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
該ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷手段と、
該ベタ黒印刷手段により前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷手段と、
該ベタ白印刷手段によりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷手段と、
を有することを特徴とする立体印刷装置。
【請求項2】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
該ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷装置と、
該印刷装置により前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷装置と、
該ベタ白印刷装置によりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷装置と、
を備えたことを特徴とする立体印刷システム。
【請求項3】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取ステップと、
該画像切取ステップにより切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換ステップと、
該ベタ黒画像変換ステップにより変換された前記ベタ黒画像を熱膨張性シートの表面に印刷するベタ黒印刷ステップと、
該ベタ黒印刷ステップにより前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ黒画像の印刷部位を発泡膨張させて盛上げる紙面盛上ステップと、
該紙面盛上ステップにより盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷ステップと、
該ベタ白印刷ステップによりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷ステップと、
を有することを特徴とする立体印刷方法。
【請求項4】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
該ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を鏡像に変換する鏡像変換手段と、
該鏡像変換手段により変換されたベタ黒鏡像を熱膨張性シートの裏面に印刷するベタ黒鏡像印刷手段と、
該ベタ黒鏡像印刷手段により前記ベタ黒鏡像を印刷された前記熱膨張性シートの裏面に輻射熱を放射して前記ベタ黒鏡像の印刷部位を発泡膨張させて前記熱膨張性シートの表面を盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷手段と、
を有することを特徴とする立体印刷装置。
【請求項5】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
該ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を鏡像に変換する鏡像変換手段と、
該鏡像変換手段により変換されたベタ黒鏡像を熱膨張性シートの裏面に印刷するベタ黒鏡像印刷装置と、
該ベタ黒鏡像印刷装置により前記ベタ黒鏡像を印刷された前記熱膨張性シートの裏面に輻射熱を放射して前記ベタ黒鏡像の印刷部位を発泡膨張させて前記熱膨張性シートの表面を盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷装置と、
を備えたことを特徴とする立体印刷システム。
【請求項6】
カラー画像の選択された部位を切り取る画像切取ステップと、
該画像切取ステップにより切り取られた前記カラー画像の前記部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換ステップと、
該ベタ黒画像変換ステップにより変換された前記ベタ黒画像を鏡像に変換する鏡像変換ステップと、
該鏡像変換ステップにより変換されたベタ黒鏡像を熱膨張性シートの裏面に印刷するベタ黒鏡像印刷ステップと、
該ベタ黒鏡像印刷ステップにより前記ベタ黒鏡像を印刷された前記熱膨張性シートの裏面に輻射熱を放射して前記ベタ黒鏡像の印刷部位を発泡膨張させて前記熱膨張性シートの表面を盛上げる紙面盛上ステップと、
該紙面盛上ステップにより盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷ステップと、
を有することを特徴とする立体印刷方法。
【請求項7】
カラー画像の選択された部位を低盛上げ部位と高盛上げ部位の2種類に分けて切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記低盛上げ部位をベタ灰色画像に変換するベタ灰色変換手段と、
前記画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記高盛上げ部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
前記ベタ灰色変換手段により変換された前記ベタ灰色画像、及び前記ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を前記熱膨張性シートの表面に印刷する部分印刷手段と、
該部分印刷手段により前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像の印刷部位をベタ色の濃度に応じて発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷手段と、
該ベタ白印刷手段によりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷手段と、
を有することを特徴とする立体印刷装置。
【請求項8】
前記熱膨張性シートは、所定の低温度で熱膨張する第1層と前記所定の低温度よりも高い温度で熱膨張する第2層との2層構造を有し、
前記紙面盛上手段は、前記熱膨張性シートの前記ベタ黒画像に対応する部分を前記低温で前記第1層を熱膨張させたのち、前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像に対応する部分を前記高温で前記第2層を熱膨張させる、ことを特徴とする請求項7記載の立体印刷装置。
【請求項9】
カラー画像の選択された部位を低盛上げ部位と高盛上げ部位の2種類に分けて切り取る画像切取手段と、
該画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記低盛上げ部位をベタ灰色画像に変換するベタ灰色変換手段と、
前記画像切取手段により切り取られた前記カラー画像の前記高盛上げ部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換手段と、
前記ベタ灰色変換手段により変換された前記ベタ灰色画像、及び前記ベタ黒画像変換手段により変換された前記ベタ黒画像を前記熱膨張性シートの表面に印刷する部分印刷装置と、
該部分印刷装置により前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像の印刷部位をベタ色の濃度に応じて発泡膨張させて盛上げる紙面盛上手段と、
該紙面盛上手段により盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷装置と、
該ベタ白印刷装置によりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷装置と、
を備えたことを特徴とする立体印刷システム。
【請求項10】
前記熱膨張性シートは、所定の低温度で熱膨張する第1層と前記所定の低温度よりも高い温度で熱膨張する第2層との2層構造を有し、
前記紙面盛上手段は、前記熱膨張性シートの前記ベタ黒画像に対応する部分を前記低温で前記第1層を熱膨張させたのち、前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像に対応する部分を前記高温で前記第2層を熱膨張させる、ことを特徴とする請求項9記載の立体印刷システム。
【請求項11】
カラー画像の選択された部位を低盛上げ部位と高盛上げ部位の2種類に分けて切り取る画像切取ステップと、
該画像切取ステップにより切り取られた前記カラー画像の前記低盛上げ部位をベタ灰色画像に変換するベタ灰色変換ステップと、
前記画像切取ステップにより切り取られた前記カラー画像の前記高盛上げ部位をベタ黒画像に変換するベタ黒画像変換ステップと、
前記ベタ灰色変換ステップにより変換された前記ベタ灰色画像、及び前記ベタ黒画像変換ステップにより変換された前記ベタ黒画像を前記熱膨張性シートの表面に印刷する部分印刷ステップと、
該部分印刷ステップにより前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像を印刷された前記熱膨張性シートの表面に輻射熱を放射して前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像の印刷部位をベタ色の濃度に応じて発泡膨張させて盛上げる紙面盛上ステップと、
該紙面盛上ステップにより盛上げられた部位を含む前記熱膨張性シートの表面全面にベタ白画像を印刷するベタ白印刷ステップと、
該ベタ白印刷ステップによりベタ白に印刷された前記熱膨張性シートの表面に前記選択された部位を切り取られる前の前記カラー画像を印刷する画像印刷ステップと、
を有することを特徴とする立体印刷方法。
【請求項12】
前記熱膨張性シートは、所定の低温度で熱膨張する第1層と前記所定の低温度よりも高い温度で熱膨張する第2層との2層構造を有し、
前記紙面盛上ステップは、前記熱膨張性シートの前記ベタ黒画像に対応する部分を前記低温で前記第1層を熱膨張させたのち、前記ベタ灰色画像及び前記ベタ黒画像に対応する部分を前記高温で前記第2層を熱膨張させる、ことを特徴とする請求項11記載の立体印刷方法。

【図3】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−171317(P2012−171317A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38184(P2011−38184)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】