説明

立体型模型飛行機

【課題】部品点数も少なくて製作が容易、かつ立体型の模型飛行機として卓上等の装飾に供することができる立体型模型飛行機を提供する。
【解決手段】主翼取り付け部を挟んで前部と後部とが径小となるように接合して形成した胴体2と、この胴体2の前記主翼取り付け部に接合された主翼3と、水平尾翼4および垂直尾翼5を備えた胴体後部に形成された係止部とより構成したものである。また、主翼取り付け部を挟んで胴体前部と後部の対向するのり代を内方に折曲して接合すると共に、主翼取り付け部ののり代10a、10bを外方に折曲して立体的な胴体2を形成し、前記主翼取り付け部ののり代と主翼3とを接合して構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属や紙等の薄板を切断および折曲して接合するだけで製作する立体的な模型飛行機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に立体的な模型飛行機は種々提案されており、胴体を立体的に形成して主翼と水平尾翼および垂直尾翼を各々接着して製作される立体紙飛行機が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、胴体の主翼取り付け部を折曲展開してのり代とし、ここに主翼を接着するようにした模型飛行機も開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらにはこのような立体型模型飛行機をベース盤でディスプレイするようにした装置も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平11−179065号 公報
【特許文献2】特開2004−337574号 公報
【特許文献3】特開平10−201961号 公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら上記従来の特許文献1に開示の技術は、胴体を前部と後部に分けて製作した後で接合組み立てする必要があり、部品点数も増えるし製作の手間も掛かるという課題がある。また特許文献2に開示の技術は、厚紙を多数枚貼着して胴体を製作し、主翼取り付け部両外側の一枚を折曲してのり代としており、胴体製作に手間も掛かるし曲線的立体にはなっていないという課題がある。さらに特許文献3に開示の技術は、複雑な構成のディスプレイ装置となっているといったような課題を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、部品点数も少なくて製作が容易、かつ立体型の模型飛行機として卓上等の装飾に供することができる立体型模型飛行機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の立体型模型飛行機は、主翼取り付け部を挟んで前部と後部とが径小となるように接合して形成した胴体と、この胴体の前記主翼取り付け部に接合された主翼と、水平尾翼および垂直尾翼を備えた胴体後部に形成された係止部とよりなる構成としたものである。従って、全体がより立体的に構成できると共に主翼の接合も容易に行えるという作用を有する。
【0006】
また本発明の第2の立体型模型飛行機は、主翼取り付け部を挟んで胴体前部と後部の対向するのり代を内方に折曲して接合すると共に、主翼取り付け部ののり代を外方に折曲して立体的な胴体を形成し、前記主翼取り付け部ののり代と主翼とを接合した構成としたものである。従って、胴体前中後の異径にも拘わらず立体化が容易に形成できるという作用を有する。
【0007】
さらに本発明の第3の立体型模型飛行機は、係合体を備えた支持台を有し、上記胴体後部に形成された係止部と前記係合体を着脱自在に係止するようにした構成としたものである。従って、立体型模型飛行機を支持台の係合体に容易に係止でき、簡単にディスプレイすることができるという作用を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の立体型模型飛行機は上記構成を備えたことにより、胴体は主翼取り付け部を挟んで前部と後部とが径小となっているため、飛行機の立体感が得られ模型としての精度向上につながる。また、主翼取り付け部の胴体が一番径大なので主翼の接合取り付けが容易に行える。さらに、胴体後部に係止部を形成したため支持台への着脱係止が極めて容易となるといったような多くの作用効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は立体型模型飛行機をディスプレイした状態の斜視図、図2は胴体後部の正面図、図3は胴体の展開図である。図において、1は立体型模型飛行機、2は胴体で後段で詳述するように、主翼3の取り付け部を挟んで前部と後部とが径小に形成されている。4は胴体後部に形成された水平尾翼、5は垂直尾翼を示す。6は支持台7に設けられた棒状の係合体で、胴体後部に着脱自在に嵌合係止してディスプレイするようになっている。
【0010】
具体的には、図2に示すように胴体後部に形成された空間に、中央部が円弧状をなし両端8を空間に沿って曲面状に折曲してバネ性を持たせた係止部材9を配設して係止部が形成してある。中央部8は円弧に限らず楕円あるいは多角形でもよく、係合体6の形状に合致した係止できる形状であればよい。
【0011】
つぎに、本発明の立体型模型飛行機の胴体の製作形成について詳述する。図3は厚紙や金属薄板よりなる胴体2の両端に各々のり代を形成した展開図を示し、胴体前部ののり代2a、2bを、胴体後部ののり代2c、2dを内方に折曲して対面同士を接着剤等で接合する。このとき主翼取り付け部ののり代10a、10bは外方に折曲する。折曲に際しては必要に応じて切り込み11を入れておけばよい。こうすることによって胴体を立体的に製作する場合、主翼取り付け部は外方に広がるように構成でき、主翼取り付け部を挟んで前部と後部とが径小となっていても立体感を損なうことはない。このようにして作成された胴体と主翼とを接着剤で接着取り付けして組み立てる。主翼との接着は主翼面側ののり代に接着剤を塗布するだけなので極めて容易に接着することができる。胴体と主翼との取り付けは接着に限らず、ビス固定や嵌合係止等の接合が可能である。
【0012】
なお図3において、12は水平尾翼の両方を一体的に折曲形成する場合の延長金属薄板を示す。また、13は胴体後部空間に配設される係止部材9を一体的に折曲形成する場合に、水平尾翼12の一方に代えて金属薄板を延長し、この金属薄板を折曲するようにする。このようにすれば部品点数が減少できるし、接合や製作の手間も省けて作成が容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明の立体型模型飛行機は、卓上等の装飾に供するディスプレイとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の立体型模型飛行機をディスプレイした状態の斜視図
【図2】本発明の胴体後部の正面図
【図3】本発明の胴体の展開図
【符号の説明】
【0015】
1 立体型模型飛行機
2 胴体
3 主翼
4 水平尾翼
5 垂直尾翼
6 係合体
7 支持台
9 係止部材
10 のり代
11 切り込み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主翼取り付け部を挟んで前部と後部とが径小となるように接合して形成した胴体と、この胴体の前記主翼取り付け部に接合された主翼と、水平尾翼および垂直尾翼を備えた胴体後部に形成された係止部とよりなることを特徴とする立体型模型飛行機。
【請求項2】
主翼取り付け部を挟んで胴体前部と後部の対向するのり代を内方に折曲して接合すると共に、主翼取り付け部ののり代を外方に折曲して立体的な胴体を形成し、前記主翼取り付け部ののり代と主翼とを接合したことを特徴とする立体型模型飛行機。
【請求項3】
係合体を備えた支持台を有し、上記胴体後部に形成された係止部と前記係合体を着脱自在に係止するようにしたことを特徴とする請求項1記載の立体型模型飛行機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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