説明

立体映像再生装置、立体映像再生方法、及び集積回路

【課題】立体映像である主映像に副映像を重ね合わせて再生する場合に、副映像の端部に発生するちらつきを抑制する立体映像再生装置を提供する。
【解決手段】立体映像再生装置1は、左右の目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダ部12と、左右の目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダ部13と、左右の目用ビデオ信号及び左右の目用グラフィックス信号を合成して左右の目用出力信号を生成する合成部14と、左右の目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力部15とを備え、合成部14は、左右の目用それぞれ出力信号それぞれについて、隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方がビデオ信号を用いて、他方がグラフィックス信号を用いて生成される場合に、ビデオ信号及びグラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて共通の色差信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像(3D映像)である主映像に副映像などを重ね合わせて再生する立体映像再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、立体映像である主映像信号と字幕などの副映像信号とをデジタル符号化し多重化したデータを記録するブルーレイディスク等の記録媒体が急速に普及しつつある。
【0003】
主映像信号は、CCIR(International Radio Consultative Commitee)で規格化された4:2:2形式の色差方式に準拠しており、1画素当たり8ビットの1つの輝度信号と、2画素当たりで各々8ビットの色差信号Cb/Crとで構成される。これに対して、副映像信号は、4:4:4形式の色差方式に準拠しており、1画素当たり8ビットの輝度信号と、1画素当たり各々8ビットの色差データCb/Crとで構成される。
【0004】
主映像信号に副映像信号を重ね合わせて再生する場合には、色差方式を一致させた後に、重ねあわせを行う必要がある。すなわち、主映像信号を4:2:2形式から4:4:4形式に変換し、4:4:4形式の主映像信号と副映像信号とを重ね合わせる。または、副映像信号を4:4:4形式から4:2:2形式に変換し、4:2:2形式の主映像信号と副映像信号とを重ねあわせる。
【0005】
このようにして主映像と副映像とを重ね合わせて表示する場合に、副映像の端部などに、原色と異なる色が発生することを抑制する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−134883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、主映像に副映像を重ねて立体再生する場合、右目用の副映像の表示位置と左目用の副映像の表示位置とが異なる。そのため、重ね合わせた右目用の副映像の端部と、重ね合わせた左目用の副映像の端部との表示位置の差によって、ユーザには立体映像がちらついて見えるという課題がある。
【0008】
本発明は、立体映像である主映像に副映像を重ね合わせて再生する場合に、副映像の端部に発生するちらつきを抑制する立体映像再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係る立体映像再生装置は、立体映像を再生する。具体的には、ビデオストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用ビデオ信号及び左目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダと、グラフィックスストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用グラフィックス信号及び左目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダと、右目用ビデオ信号及び右目用グラフィックス信号を合成して右目用出力信号を生成し、左目用ビデオ信号及び左目用グラフィックス信号を合成して左目用出力信号を生成する合成部と、前記合成部で合成された前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力部とを備える。そして、前記合成部は、前記右目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記右目用ビデオ信号を用いて、他方が前記右目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成し、前記左目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記左目用ビデオ信号を用いて、他方が前記左目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成する。
【0010】
上記構成によれば、主映像信号であるビデオ信号に副映像信号であるグラフィックス信号を重ね合わせて再生する場合に、グラフィックスの端部にちらつきが発生するのを抑制することができる。
【0011】
一例として、前記右目用ビデオ信号及び前記左目用ビデオ信号は、色差方式が4:2:2形式の映像信号であってもよい。また、前記右目用グラフィックス信号及び前記左目用グラフィックス信号は、色差方式が4:4:4形式のグラフィックス信号であってもよい。さらに、該立体映像再生装置は、前記右目用出力信号の各画素を前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号のいずれを用いて生成するかを示すと共に、前記左目用出力信号の各画素を前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィック信号のいずれを用いて生成するかを示す透過度情報を取得してもよい。前記合成部は、前記右目用ビデオ信号及び前記左目用ビデオ信号の色差方式を、4:2:2形式から4:4:4形式に変換する色差分割部と、色差方式が4:4:4形式の前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号を前記透過度情報に従って合成することにより、色差方式が4:4:4形式の前記右目用出力信号を生成する右目用出力信号生成部と、色差方式が4:4:4形式の前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号を前記透過度情報に従って合成することにより、色差方式が4:4:4形式の前記左目用出力信号を生成する左目用出力信号生成部と、前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号の色差方式を、4:4:4形式から4:2:2形式に変換する色差合成部とを備えてもよい。そして、前記右目用出力信号生成部は、前記右目用出力信号のうち、共通の色差信号で表現される隣接する2つの画素の境界であって、且つ前記透過度情報が異なるエッジ位置を検出し、前記エッジ位置における共通の色差信号を前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて生成し、前記左目用出力信号生成部は、前記左目用出力信号のうち、共通の色差信号で表現される隣接する2つの画素の境界であって、且つ前記透過度情報が異なるエッジ位置を検出し、前記エッジ位置における共通の色差信号を前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて生成してもよい。
【0012】
また、前記右目用出力信号生成部は、前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の一方の色差信号のみを用いて、前記エッジ位置における共通の色差信号を生成してもよい。同様に、前記左目用出力信号生成部は、前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の一方の色差信号のみを用いて、前記エッジ位置における共通の色差信号を生成してもよい。これにより、ちらつきの発生をさらに有効に抑制することができる。
【0013】
さらに、前記右目用出力信号生成部は、前記右目用グラフィックス信号の色差信号のみを用いて、前記エッジ位置における共通の色差信号を生成してもよい。同様に、前記左目用出力信号生成部は、前記左目用グラフィックス信号の色差信号のみを用いて、前記エッジ位置における共通の色差信号を生成してもよい。これにより、ちらつきの発生をさらに有効に抑制することができる。
【0014】
本発明の他の形態に係る立体映像再生装置は、立体映像を再生する。具体的には、ビデオストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用ビデオ信号及び左目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダと、グラフィックスストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用グラフィックス信号及び左目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダと、右目用ビデオ信号及び右目用グラフィックス信号を合成して右目用出力信号を生成し、左目用ビデオ信号及び左目用グラフィックス信号を合成して左目用出力信号を生成する合成部と、前記合成部で合成された前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力部とを備える。前記グラフィックスデコーダは、前記グラフィックストリームをデコードして、平面グラフィックス信号と、前記右眼用グラフィックス信号を生成するための前記平面グラフィックス信号の水平移動量である右眼側水平移動量と、前記左目用グラフィックス信号を生成するための前記平面グラフィックス信号の水平移動量である左目側水平移動量とを生成するデコード処理部と、前記平面グラフィックス信号を一方方向に前記右目側水平移動量だけ水平移動させて前記右目用グラフィックス信号を生成し、前記平面グラフィックス信号を他方方向に前記左目用水平移動量だけ水平移動させて左目用グラフィックス信号を生成する視差付加部とを備える。そして、前記視差付加部は、前記右目側水平移動量及び前記左目側水平移動量の一方が偶数画素で、他方が奇数画素である場合、前記右目側水平移動量及び前記左眼側水平移動量の一方で他方を上書きしてから、前記右目用グラフィックス信号及び前記左眼用グラフィックス信号を生成する。
【0015】
本発明の一形態に係る立体映像再生方法は、立体映像を再生する方法である。具体的には、ビデオストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用ビデオ信号及び左目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダステップと、グラフィックスストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用グラフィックス信号及び左目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダステップと、右目用ビデオ信号及び右目用グラフィックス信号を合成して右目用出力信号を生成し、左目用ビデオ信号及び左目用グラフィックス信号を合成して左目用出力信号を生成する合成ステップと、前記合成ステップで合成された前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力ステップとを含む。そして、前記合成ステップでは、前記右目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記右目用ビデオ信号を用いて、他方が前記右目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成し、前記左目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記左目用ビデオ信号を用いて、他方が前記左目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成する。
【0016】
本発明の一形態に係る集積回路は、立体映像を再生する。具体的には、ビデオストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用ビデオ信号及び左目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダと、グラフィックスストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用グラフィックス信号及び左目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダと、右目用ビデオ信号及び右目用グラフィックス信号を合成して右目用出力信号を生成し、左目用ビデオ信号及び左目用グラフィックス信号を合成して左目用出力信号を生成する合成部と、前記合成で合成された前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力部とを備える。そして、前記合成部は、前記右目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記右目用ビデオ信号を用いて、他方が前記右目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成し、前記左目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記左目用ビデオ信号を用いて、他方が前記左目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成する。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明の立体映像再生装置によれば、立体映像である主映像に副映像を重ね合わせて再生する場合に、副映像の端部にちらつきが発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】図1Aは、実施の形態1の立体映像再生装置の構成を示すブロック図である。
【図1B】図1Bは、実施の形態1の立体映像装置の動作を示すフローチャートである。
【図2A】図2Aは、実施の形態1の合成部の構成を示すブロック図である。
【図2B】図2Bは、実施の形態1の合成部の動作を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施の形態1のL側ビデオ信号、及びL側グラフィックス信号の一例を説明する図である。
【図4】図4は、図3のL側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成して得られるL側出力信号を説明する図である。
【図5】図5は、実施の形態1のL側ビデオ信号、及びL側グラフィックス信号の別の例を説明する図である。
【図6】図6は、図5のL側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成して得られるL側出力信号を説明する図である。
【図7A】図7Aは、実施の形態1のL側ビデオ信号とL側グラフィックス信号との一例を説明する図である。
【図7B】図7Bは、実施の形態1のR側ビデオ信号とR側のグラフィックス信号との一例を説明する図である。
【図8A】図8Aは、図7AのL側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成して得られるL側出力信号を説明する図である。
【図8B】図8Bは、図7BのR側ビデオ信号とR側グラフィックス信号とを合成して得られるR側出力信号の補正処理を説明する図である。
【図9】図9は、実施の形態2の立体映像再生装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、実施の形態1、2に係る立体映像再生装置を搭載した機器の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1Aは、本実施の形態の立体映像再生装置の構成を示すブロック図である。図1Bは、本実施の形態の立体映像再生装置の動作を示すフローチャートである。立体映像再生装置1は、図1Aに示されるように、ストリーム処理部11と、ビデオデコーダ部12と、グラフィックスデコーダ部13と、合成部14と、ビデオ出力部15とで構成される。
【0021】
ストリーム処理部11は、3Dストリームを取得し、取得した3Dストリームを分離して、ビデオストリームとグラフィックスストリームとを生成する(S11)。そして、ストリーム処理部11は、生成したビデオストリームをビデオデコーダ部12に出力し、グラフィックスストリームをグラフィックスデコーダ部13に出力する。但し、ビデオストリームとグラフィックスストリームとを別々に取得する場合には、ストリーム処理部11を省略してもよい。
【0022】
ビデオデコーダ部12は、ストリーム処理部11から取得したビデオストリームを復号して、L側(左目用)ビデオ信号と、R側(右目用)ビデオ信号とを生成する(S12)。そして、ビデオデコーダ部12は、生成したL側ビデオ信号とR側ビデオ信号とを合成部14に出力する。ここで、L側ビデオ信号とR側ビデオ信号とは、典型的には、動画像信号等の主映像信号であって、互いに視差を有する立体映像信号である。
【0023】
グラフィックスストリームに左側及び右側それぞれのグラフィックスが用意されている2プレーン方式であった場合、グラフィックスデコーダ部13は、ストリーム処理部11から取得したグラフィックスストリームを復号して、L側グラフィックス信号とR側グラフィックス信号とを生成する(S13)。そして、グラフィックスデコーダ部13は、生成したL側グラフィックス信号とR側グラフィックス信号とを合成部14に出力する。ここで、L側グラフィックス信号とR側グラフィックス信号とは、典型的には、主映像信号に重畳される字幕やメニュー等の副映像信号であって、互いに視差を有する立体映像信号である。
【0024】
合成部14は、ビデオデコーダ部12から取得したL側ビデオ信号と、グラフィックスデコーダ部13から取得したL側グラフィックス信号とを合成して、L側出力信号を生成する(S14)。同様に、ビデオデコーダ部12は、ビデオデコーダ部12から取得したR側ビデオ信号と、グラフィックスデコーダ部13から取得したR側グラフィックス信号とを合成して、R側出力信号を生成する(S15)。そして、合成部14は、生成したL側出力信号とR側出力信号とをビデオ出力部15に出力する。
【0025】
ビデオ出力部15は、合成部14から取得したL側映像信号とR側映像信号とを、所定の伝送方式に従い、1フレーム(ピクチャ)毎に交互に出力する(S16)。ビデオ出力部15から出力された信号を表示装置に表示することにより、視聴者は立体的な映像を視聴することができる。
【0026】
図2Aは、本実施の形態における合成部14の構成を示すブロック図である。図2Bは、合成部14の動作を示すフローチャートである。合成部14は、L側色差分割部201と、L側重畳部202と、L側データ補正部203と、L側αエッジ検出部204と、L側αエッジ位置判定部205と、L側色差合成部206と、R側色差分割部207と、R側重畳部208と、R側データ補正部209と、R側αエッジ検出部210と、R側αエッジ位置判定部211と、R側色差合成部212とで構成される。なお、L側重畳部202、L側データ補正部203、L側αエッジ検出部204、及びL側αエッジ位置判定部で、L側出力信号生成部を構成する。同様に、R側重畳部208、R側データ補正部209、R側αエッジ検出部210、及びR側αエッジ位置判定部211でR側出力信号生成部を構成する。
【0027】
合成部14に入力されるL側ビデオ信号とR側ビデオ信号とは、色差方式が4:2:2形式の信号である。一方、L側グラフィックス信号とR側グラフィックス信号とは、色差方式が4:4:4形式の信号である。しかしながら、ビデオ信号とグラフィックス信号とを合成するためには、色差方式を統一する必要がある。本実施の形態では、色差方式を4:4:4形式に統一する例を説明する。
【0028】
まず、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成する処理について説明する。L側色差分割部201は、L側ビデオ信号の色差方式を、4:2:2形式から4:4:4形式に変換する(S21)。
【0029】
L側重畳部202は、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを重畳(合成)して、L側出力信号を生成する(S22)。重畳処理は、ブレンド係数に基づいて行われる。ブレンド係数(透過度情報)は、L側出力信号の各画素を、L側ビデオ信号を用いて生成するか、L側グラフィックス信号を用いて生成するかを示す情報である。
【0030】
次に、L側αエッジ検出部204は、L側グラフィックス信号に含まれるブレンド係数(α値:透過度情報)の水平方向のエッジ位置を検出する(S23)。エッジ位置が検出された場合(S23でYes)、ステップS24に進む。一方、エッジ位置が検出されなかった場合(S23でNo)、ステップS26に進む。
【0031】
L側αエッジ位置判定部205は、L側αエッジ検出部204で検出された水平方向のエッジ位置が偶数画素位置であるか、もしくは奇数画素位置であるかを判別する(S24)。エッジ位置が奇数画素位置であった場合(S24でYes)、ステップS25に進む。一方、エッジ位置が偶数画素位置であった場合(S24でNo)、ステップS26に進む。
【0032】
L側データ補正部203は、L側αエッジ位置判定部205の判別結果に基づいて、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを重畳して得られるL側出力信号を補正する(S25)。
【0033】
L側色差合成部206は、L側データ補正部203で補正されたL側出力信号の色差方式を、4:4:4形式から4:2:2形式に変換して出力する(S26)。
【0034】
R側ビデオ信号とR側グラフィックス信号との合成処理は、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成する処理と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0035】
R側色差分割部207は、R側ビデオ信号の色差方式を、4:2:2形式から4:4:4形式に変換する。R側重畳部208は、R側ビデオ信号とR側グラフィックス信号とを重畳する。R側αエッジ検出部210は、R側グラフィックス信号に含まれるブレンド係数(α値:透過度情報)の水平方向のエッジ位置を検出する。R側αエッジ位置判定部211は、R側αエッジ検出部210で検出された水平方向のエッジ位置が偶数画素位置であるか、もしくは奇数画素位置であるかを判別する。R側データ補正部209は、R側αエッジ位置判定部211の判別結果に基づいて、R側ビデオ信号とR側グラフィックス信号とを重畳して得られるR側出力信号を補正する。R側色差合成部212は、R側データ補正部209で補正されたR側出力信号の色差方式を、4:4:4形式から4:2:2形式に変換して出力する。
【0036】
次に、図3〜図6を参照して、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号との合成方法について説明する。なお、R側ビデオ信号とR側グラフィックス信号との合成方法も同一であるので、説明は省略する。
【0037】
まず、図3及び図4は、ブレンド係数(α値:透過度情報)の水平方向のエッジ位置が偶数画素位置である場合において、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成する例を示している。図3は、L側ビデオ信号及びL側グラフィックス信号の画素値(Y/Cb/Cr)の一例を説明する図である。図4は、L側出力信号の画素値の一例を説明する図である。
【0038】
L側色差分割部201は、図3の上段から中段に示されるように、ビデオデコーダ部12から出力された4:2:2形式のL側ビデオ信号を、4:4:4形式のL側ビデオ信号へと変換する。4:2:2形式のL側ビデオ信号において、水平方向に隣接する2つの画素(例えば、画素位置0、1)は、共通の色差信号(Cb01/Cr01)で表現されている。そこで、L側色差分割部201は、共通の色差信号Cb01を、各画素に個別の色差信号Cb、Cbに変換する。このとき、色差信号Cb01を色差信号Cb、Cbにコピーしてもよいし、隣接する他の画素の色差信号をさらに用いて重み付け演算することにより、個別の色差信号Cb、Cbを生成してもよい。この処理は、色差信号Cr01、及び他の画素の色差信号に対しても共通する。
【0039】
L側グラフィックス信号は、図3の下段に示すように、4:4:4形式の画素値(Y/Cb/Cr)と、画素毎のブレンド係数(α値:透過度情報)とを含む。この例におけるブレンド係数は、画素位置1と画素位置2との間(偶数画素位置)で0から1に変化し、画素位置5と画素位置6との間(偶数画素位置)で1から0に変化している。ここでは、ブレンド係数が変化する画素位置を水平方向のエッジ位置と表記する。なお、この例では、ブレンド係数をL側グラフィックス信号に含めた例を示したが、これに限ることなく、L側グラフィックス信号とブレンド係数とを別々にストリーム処理部11から取得してもよい。
【0040】
図4は、4:4:4形式のL側グラフィックス信号と、4:4:4形式のL側ビデオ信号とを重畳した結果、すなわち4:4:4形式のL側出力信号を示している。L側重畳部202は、ブレンド係数に基づいて、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成する。具体的には、ブレンド係数α=0の画素にL側ビデオ信号の対応する(同じ位置)の画素の画素値を設定し、ブレンド係数α=1の画素にL側グラフィックス信号の対応する(同じ位置)の画素値を設定することにより、L側出力信号を生成する。
【0041】
L側色差合成部206は、生成されたL側出力信号の色差信号を、4:4:4形式から4:2:2形式に変換し、ビデオ出力部15に出力する。なお、4:2:2形式の色差信号は、L側ビデオ信号間もしくはL側グラフィックス信号間で補間処理をすることで、生成することができる。補間処理の具体例は特に限定されないが、例えば、隣接する2つの画素(例えば、画素位置0、1)それぞれの色差信号Cb、Cbを、加算平均して共通の色差信号Cb01を生成する。他の色差信号Cr01、及び他の画素についても同様である。
【0042】
次に、図5及び図6は、ブレンド係数(α値)の水平方向のエッジ位置が奇数画素位置である場合において、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成する例を示している。図5は、L側ビデオ信号及びL側グラフィックス信号の画素値の一例を説明する図である。図6は、L側出力信号の画素値の一例を説明する図である。
【0043】
図5おいて、ビデオデコーダ部12から出力された4:2:2形式のL側ビデオ信号は、L側色差分割部201によって、4:4:4形式のL側ビデオ信号へと変換される。L側グラフィックス信号は、図5に示すように、4:4:4形式の画素値と、画素毎のブレンド係数(α値:透過度情報)とを含む。この例におけるブレンド係数は、画素位置0と画素位置1との間(奇数画素位置)で0から1に変化し、画素位置4と画素位置5との間(奇数画素位置)で1から0に変化している。
【0044】
図6は、4:4:4形式のL側グラフィックス信号と、4:4:4形式のL側ビデオ信号とを重畳した結果、すなわち4:4:4形式のL側出力信号を示している。重畳されたL側出力信号は、L側色差合成部206によって4:2:2形式のL側出力信号としてビデオ出力部15へと出力される。
【0045】
ブレンド係数(α値)のエッジ位置が奇数画素位置の場合において、4:2:2形式の色差信号は、L側ビデオ信号とL側グラフィックス信号との間で補間処理をして生成しなければならず、想定外の色差信号が生成される。
【0046】
立体映像の信号処理においては、上述のようなブレンド係数の水平方向のエッジ位置が、L側出力信号及びR側出力信号の一方で偶数画素位置、他方で奇数画素位置となった場合、片側だけ想定外の色差信号を発生することになり、映像のちらつきとして現れる。特に、字幕やメニュー等のほぼ同一(視差の分だけ異なる)グラフィックス信号を重畳する場合には、映像のちらつきが特に顕著となる。
【0047】
そこで、立体映像再生装置1の合成部14の動作を、図7A、図7B、図8A及び図8Bを参照して説明する。
【0048】
図7Aは、本実施の形態のL側ビデオ信号とL側グラフィックス信号との画素値の一例を説明する図である。図7Bは、本実施の形態のR側ビデオ信号とR側グラフィックス信号との画素値の一例を説明する図である。図8Aは、図7AのL側ビデオ信号とL側グラフィックス信号とを合成して得られるL側出力信号を示す図である。図8Bは、図7BのR側ビデオ信号とR側グラフィックス信号とを合成して得られるR側出力信号の補正処理を説明する図である。
【0049】
L側色差分割部201から出力されたL側ビデオ信号と、グラフィックスデコーダ部13から出力されたL側グラフィックス信号とが重畳され、R側色差分割部207から出力されたR側ビデオ信号と、グラフィックスデコーダ部13から出力されたR側グラフィックス信号とが重畳される場合を考える。
【0050】
このとき、左側のブレンド係数は、画素位置4から画素位置7までがα=1であり、その他の画素位置がα=0である。一方、右側のブレンド係数は、画素位置1から画素位置4までがα=1であり、その他の画素位置がα=0である。
【0051】
上記のビデオ信号とグラフィックス信号とを左右それぞれで重畳したときに、L側出力信号の画素位置4から画素位置7までと、R側出力信号の画素位置1から画素位置4までとは同一のグラフィックス信号であり、画素位置が左右の視差分だけずれているので、立体視として見られる。
【0052】
L側出力信号をL側色差合成部206で4:4:4形式から4:2:2形式に変換する時、画素位置0から画素位置7における色差信号(Cb、Cr)は、元のL側ビデオ信号間、又は元のL側グラフィックス信号間で補間処理することによって生成することができる。
【0053】
同様にR側出力信号をR側色差合成部212で4:4:4形式から4:2:2形式に変換する時、画素位置2、3及び画素位置6、7における色差信号(Cb、Cr)は、元のR側ビデオ信号間、又は元のR側グラフィックス信号間で補間処理することによって生成ができる。しかしながら、画素位置0、1及び画素位置4、5における色差信号(Cb、Cr)は、元のR側ビデオ信号とR側グラフィックス信号との間で補間処理して生成しなければならない。そのため想定外の色差信号が算出される可能性がある。特に立体視の場合、L側出力信号の差分がちらつきとなって顕著に現れる。
【0054】
そこで、R側αエッジ検出部210は、ブレンド係数(α値:透過度情報)の急峻な立ち上がり(0から1への変化)、及び立下り(1から0への変化)を検出する。その後、R側αエッジ位置判定部211は、R側出力信号が4:4:4形式から4:2:2形式に変換される場合、検出されたエッジ位置が奇数画素位置であるか否か、すなわち、R側ビデオ信号とR側グラフィックス信号との間で色差信号を補間処理する必要があるか否かを判別する。
【0055】
エッジ位置が奇数画素位置の場合、R側データ補正部209は、R側ビデオ信号とR側グラフィックス信号との間での色差信号の補間処理を避けるために、補間処理の対象となる水平方向に隣接する2つの画素において、元のR側ビデオ信号の画素値(Y/Cb/Cr)を元のR側グラフィックス信号の画素値に置き換える、もしくは元のR側グラフィックス信号の画素値を元のR側ビデオ信号の画素値に置き換える。
【0056】
例えば、図8Bでは、画素位置1、2の間、および画素位置5、6の間がエッジ位置として検出され、αエッジ位置判別処理の結果、R側ビデオ信号とR側グラフィックス信号との間での色差信号の補間処理がなされる。このため、画素位置0の画素値(YR0/CbR0/CrR0)を画素位置1の画素値(YG0/CbG0/CrG0)に置換し、画素位置5の画素値を画素位置4の画素値に置換する。
【0057】
その後、R側色差合成部212は、R側出力信号の色差方式を4:4:4形式から4:2:2形式へ変換する。すなわち、水平方向に隣接する2つの画素に共通する色差信号を、R側ビデオ信号及びR側グラフィックス信号の一方のみを用いて生成する。これにより、想定外の色信号が算出されるのを防ぐことができる。その結果、立体視におけるL側出力信号とR側出力信号との差分に起因するちらつきを抑えることができる。
【0058】
本実施の形態によれば、ブレンド係数(α値:透過度情報)の急峻な変化位置が左右で異なることによって、立体視したときに生じるグラフィックス境界の乱れを、αエッジ検出を実施し、適切に補正することで、低減させるという効果を奏する。
【0059】
なお、本実施の形態における補正処理は、水平方向に隣接する2つの画素を構成するR側ビデオ信号の画素値及びR側グラフィックス信号の画素値の一方を他方に置き換える例を示したが、これに限ることなく、別の方法を用いてもよい。
【0060】
例えば、水平方向に隣接する2つの画素を構成するR側ビデオ信号の画素値とR側グラフィックス信号の画素値とを一方に重み(合成比率)を偏らせて重み付け加算してもよい。すなわち、上記の例は、重みを10:0とした極端な例を示しているが、6:4、7:3、8:2、9:1等、重みがどちらか一方に偏っていれば、具体的な重み係数は限定されない。また、R側ビデオ信号及びR側グラフィックス信号のどちらに重みを偏らせてもよいが、R側グラフィックス信号の重み係数を多くするのが好ましく、R側グラフィック信号の重み係数を10とし、R側ビデオ信号の重みを0とするのがさらに好ましい。
【0061】
なお、本実施の形態ではR側出力信号において補正処理を行ったが、L側出力信号において補正処理を行ってもよい。
【0062】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2に係る立体映像再生装置を、図9を参照して説明する。図9は、本発明の実施の形態における立体映像再生装置の構成を示すブロック図である。立体映像再生装置2は、ストリーム処理部11と、ビデオデコーダ部12と、デコード処理部900と、L側オフセット部901と、R側オフセット部(視差付加部)902と、合成部(視差付加部)903と、ビデオ出力部15とで構成される。なお、デコード処理部900、L側オフセット部901、及びR側オフセット部902で、グラフィックスデコーダ部を構成する。また、実施の形態1と共通の構成要素には同一の参照番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0063】
ストリーム処理部11は、3Dストリームを取得し、取得した3Dストリームをビデオストリームとグラフィックスストリームとに分離する。そして、ストリーム処理部11は、ビデオストリームをビデオデコーダ部12に出力し、グラフィックスストリームをデコード処理部900に出力する。
【0064】
ビデオデコーダ部12は、ストリーム処理部11から取得したビデオストリームを復号して、L側(左目用)ビデオ信号と、R側(右目用)ビデオ信号とを生成する。
【0065】
一方、グラフィックスストリームが、L側/R側で共通のグラフィックス信号(平面グラフィックス信号)と、それに対する左右の水平移動量(オフセット、又は視差)とを含む1プレーンオフセット方式であった場合、デコード処理部900は、ストリーム処理部11から取得したグラフィックスストリームを復号して、左右共通の平面グラフィックス信号を生成する。そして、デコード処理部900は、生成した平面グラフィックス信号及び水平移動量(左目側水平移動量及び右目側水平移動量)を、L側オフセット部901及びR側オフセット部902に出力する。
【0066】
ここで、左目側水平移動量は、L側グラフィックス信号を生成するための平面グラフィックス信号の水平移動量である。右目側水平移動量は、R側グラフィックス信号を生成するための平面グラフィックス信号の水平移動量である。そして、左目側水平移動量及び右目側水平移動量は、例えば、平面グラフィックス信号と共にグラフィックスストリームに含まれていてもよい。
【0067】
L側オフセット部901は、L側グラフィックス信号を作成するために、平面グラフィックス信号を左目側水平移動量に応じて一方方向(例えば、左方向)にずらす。一方、R側オフセット部902は、R側グラフィックス信号を生成するために、平面グラフィックス信号を右目側水平移動量に応じて他方方向(例えば、右方向)にずらす。そして、L側オフセット部901及びR側オフセット部902は、生成したL側グラフィックス信号及びR側グラフィックス信号を、合成部903に出力する。
【0068】
合成部903は、ビデオデコーダ部12から取得したL側ビデオ信号と、L側オフセット部901から取得したL側グラフィックス信号とを合成して、L側出力信号を生成する。同様に、合成部903は、ビデオデコーダ部12から取得したR側ビデオ信号と、R側オフセット部902から取得したR側グラフィックス信号とを合成して、R側出力信号を生成する。そして、合成部903は、生成したL側出力信号及びR側出力信号を、ビデオ出力部15に出力する。
【0069】
なお、実施の形態2に係る合成部903は、実施の形態1に係る合成部14と同様の処理を行うものであってもよいし、合成部14と異なる処理を行うものであってもよい。例えば、合成部14からL側データ補正部203、L側αエッジ検出部204、L側αエッジ位置判定部205、R側データ補正部209、R側αエッジ検出部210、R側αエッジ位置判定部211を省略したものであってもよい。
【0070】
ビデオ出力部15は、合成部903から取得したL側出力信号とR側出力意信号とを、所定の伝送方式に従い、1フレーム(ピクチャ)毎に交互に出力する。
【0071】
このとき、平面グラフィックス信号を奇数画素だけずらしてL側グラフィックス信号を生成し、平面グラフィックス信号を偶数画素だけずらしてR側グラフィックス信号を生成する場合、合成部14で生成されるL側出力信号及びR側出力信号の一方のグラフィックス境界に想定外の色信号が生じる。そのため、立体視したときに、グラフィックス信号とビデオ信号との境界面でちらつきが生じる。
【0072】
そこで、本実施の形態においては、L側グラフィックス信号を生成するための左目側水平移動量(L側オフセット)、及びR側グラフィックス信号を生成するための右目側水平移動量(R側オフセット)の一方が奇数画素であり、他方が偶数画素である場合に、一方を他方に合わせるように左右どちらかの水平移動量を補正する。言い換えれば、左目側水平移動量及び右目側水平移動量の一方で他方を上書きする。これにより、平面グラフィックス信号を反対向きに同じ画素数だけずらして、L側グラフィックス信号とR側グラフィックス信号とを生成することになる。その結果、立体視したときのグラフィックス信号とビデオ信号の境界面でのちらつきを低減させることができる。
【0073】
本実施の形態によれば、ブレンド係数(α値:透過度情報)の急峻な変化位置が左右で異なることによって、立体視したときに生じるグラフィックス境界の乱れを、エッジ位置の検出を実施し、適切に補正することで、低減させるという効果を奏する。
【0074】
なお、上記の立体映像再生装置1、2の典型例は、例えば、図10に示されるようなBD(Blu−rayDisc)プレーヤ100である。すなわち、BDに記録された3Dストリームを読み出して上記の処理を実行し、TV(テレビジョン受像機)200に出力する。但し、本発明はこれに限定されず、DVD(Digital Versatile Disc)等の他の記録媒体から3Dストリームを読み出すプレーヤであってもよいし、TV200側に立体映像再生装置1、2を搭載してもよい。この場合、TV200は、放送波を通じて3Dストリームを取得し、上記の処理を施して表示部に表示する。
【0075】
(その他変形例)
なお、本発明を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0076】
上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0077】
上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成要素を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶さている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0078】
上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0079】
本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0080】
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0081】
また、本発明は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0082】
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、コンピュータプログラムにしたがって動作するとしてもよい。
【0083】
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施してもよい。
【0084】
上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせてもよい。
【0085】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、立体映像である主映像に副映像などを重ね合わせて再生する立体映像再生装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1,2 立体映像再生装置
11 ストリーム処理部
12 ビデオデコーダ部
13 グラフィックスデコーダ部
14,903 合成部
15 ビデオ出力部
100 BDプレーヤ
200 TV
201 L側色差分割部
202 L側重畳部
203 L側データ補正部
204 L側αエッジ検出部
205 L側αエッジ位置判定部
206 L側色差合成部
207 R側色差分割部
208 R側重畳部
209 R側データ補正部
210 R側αエッジ検出部
211 R側αエッジ位置判定部
212 R側色差合成部
900 デコード処理部
901 L側オフセット部
902 R側オフセット部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体映像を再生する立体映像再生装置であって、
ビデオストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用ビデオ信号及び左目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダと、
グラフィックスストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用グラフィックス信号及び左目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダと、
右目用ビデオ信号及び右目用グラフィックス信号を合成して右目用出力信号を生成し、左目用ビデオ信号及び左目用グラフィックス信号を合成して左目用出力信号を生成する合成部と、
前記合成部で合成された前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力部とを備え、
前記合成部は、
前記右目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記右目用ビデオ信号を用いて、他方が前記右目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成し、
前記左目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記左目用ビデオ信号を用いて、他方が前記左目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成する
立体映像再生装置。
【請求項2】
前記右目用ビデオ信号及び前記左目用ビデオ信号は、色差方式が4:2:2形式の映像信号であり、
前記右目用グラフィックス信号及び前記左目用グラフィックス信号は、色差方式が4:4:4形式のグラフィックス信号であり、
該立体映像再生装置は、さらに、前記右目用出力信号の各画素を前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号のいずれを用いて生成するかを示すと共に、前記左目用出力信号の各画素を前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィック信号のいずれを用いて生成するかを示す透過度情報を取得し、
前記合成部は、
前記右目用ビデオ信号及び前記左目用ビデオ信号の色差方式を、4:2:2形式から4:4:4形式に変換する色差分割部と、
色差方式が4:4:4形式の前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号を前記透過度情報に従って合成することにより、色差方式が4:4:4形式の前記右目用出力信号を生成する右目用出力信号生成部と、
色差方式が4:4:4形式の前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号を前記透過度情報に従って合成することにより、色差方式が4:4:4形式の前記左目用出力信号を生成する左目用出力信号生成部と、
前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号の色差方式を、4:4:4形式から4:2:2形式に変換する色差合成部とを備え、
前記右目用出力信号生成部は、前記右目用出力信号のうち、共通の色差信号で表現される隣接する2つの画素の境界であって、且つ前記透過度情報が異なるエッジ位置を検出し、前記エッジ位置における共通の色差信号を前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて生成し、
前記左目用出力信号生成部は、前記左目用出力信号のうち、共通の色差信号で表現される隣接する2つの画素の境界であって、且つ前記透過度情報が異なるエッジ位置を検出し、前記エッジ位置における共通の色差信号を前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて生成する
請求項1に記載の立体映像再生装置。
【請求項3】
前記右目用出力信号生成部は、前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の一方の色差信号のみを用いて、前記エッジ位置における共通の色差信号を生成し、
前記左目用出力信号生成部は、前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の一方の色差信号のみを用いて、前記エッジ位置における共通の色差信号を生成する
請求項2に記載の立体映像再生装置。
【請求項4】
前記右目用出力信号生成部は、前記右目用グラフィックス信号の色差信号のみを用いて、前記エッジ位置における共通の色差信号を生成し、
前記左目用出力信号生成部は、前記左目用グラフィックス信号の色差信号のみを用いて、前記エッジ位置における共通の色差信号を生成する
請求項3に記載の立体映像再生装置。
【請求項5】
立体映像を再生する立体映像再生装置であって、
ビデオストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用ビデオ信号及び左目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダと、
グラフィックスストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用グラフィックス信号及び左目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダと、
右目用ビデオ信号及び右目用グラフィックス信号を合成して右目用出力信号を生成し、左目用ビデオ信号及び左目用グラフィックス信号を合成して左目用出力信号を生成する合成部と、
前記合成部で合成された前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力部とを備え、
前記グラフィックスデコーダは、
前記グラフィックストリームをデコードして、平面グラフィックス信号と、前記右眼用グラフィックス信号を生成するための前記平面グラフィックス信号の水平移動量である右眼側水平移動量と、前記左目用グラフィックス信号を生成するための前記平面グラフィックス信号の水平移動量である左目側水平移動量とを生成するデコード処理部と、
前記平面グラフィックス信号を一方方向に前記右目側水平移動量だけ水平移動させて前記右目用グラフィックス信号を生成し、前記平面グラフィックス信号を他方方向に前記左目用水平移動量だけ水平移動させて左目用グラフィックス信号を生成する視差付加部とを備え、
前記視差付加部は、前記右目側水平移動量及び前記左目側水平移動量の一方が偶数画素で、他方が奇数画素である場合、前記右目側水平移動量及び前記左眼側水平移動量の一方で他方を上書きしてから、前記右目用グラフィックス信号及び前記左眼用グラフィックス信号を生成する
立体映像再生装置。
【請求項6】
立体映像を再生する立体映像再生方法であって、
ビデオストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用ビデオ信号及び左目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダステップと、
グラフィックスストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用グラフィックス信号及び左目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダステップと、
右目用ビデオ信号及び右目用グラフィックス信号を合成して右目用出力信号を生成し、左目用ビデオ信号及び左目用グラフィックス信号を合成して左目用出力信号を生成する合成ステップと、
前記合成ステップで合成された前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力ステップとを含み、
前記合成ステップでは、
前記右目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記右目用ビデオ信号を用いて、他方が前記右目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成し、
前記左目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記左目用ビデオ信号を用いて、他方が前記左目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成する
立体映像再生方法。
【請求項7】
立体映像を再生する集積回路であって、
ビデオストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用ビデオ信号及び左目用ビデオ信号を生成するビデオデコーダと、
グラフィックスストリームをデコードして、互いに視差を有する右目用グラフィックス信号及び左目用グラフィックス信号を生成するグラフィックスデコーダと、
右目用ビデオ信号及び右目用グラフィックス信号を合成して右目用出力信号を生成し、左目用ビデオ信号及び左目用グラフィックス信号を合成して左目用出力信号を生成する合成部と、
前記合成で合成された前記右目用出力信号及び前記左目用出力信号を交互に出力することによって、立体映像を再生する出力部とを備え、
前記合成部は、
前記右目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記右目用ビデオ信号を用いて、他方が前記右目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記右目用ビデオ信号及び前記右目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成し、
前記左目用出力信号のうちの隣接する2つの画素が、共通の色差信号で表現され、且つ2つの画素の一方が前記左目用ビデオ信号を用いて、他方が前記左目用グラフィックス信号を用いて生成される場合に、前記左目用ビデオ信号及び前記左目用グラフィックス信号の合成比率を一方に偏らせて前記共通の色差信号を生成する
集積回路。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−217361(P2011−217361A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52089(P2011−52089)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】