説明

立体画像表示制御装置ならびにその動作制御方法およびその動作制御プログラム

【目的】余白ができないようにする。
【構成】電子アルバムを構成するページに規定されている画像合成領域に立体画像を表示する場合に,視差調整指令が与えられる(ステップ23)。視差量の拡大指令が与えられたことに応じて(ステップ24),視差量が拡大させられる(ステップ25)。視差量が拡大されたことにより,立体画像が画像合成領域に表示されたときに余白ができると(ステップ27でYES),視差量の拡大は反映させられない。画像合成領域に余白ができることが未然に防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,立体画像表示制御装置ならびにその動作制御方法およびその動作制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を電子アルバムのフォトフレームに貼り付ける場合に,画像とフォトフレームとの間に隙間が無いようにするものがある(特許文献1)。また,立体画像を表示する場合に,立体画像の飛び出し量が一意に決まらないので飛び出し量を調整するもの(特許文献2,3),画像の拡大,縮小により飛び出し量が変化するので,変化した飛び出し量が視差範囲内かどうかを判別するもの(特許文献4)などがある。
【0003】
しかしながら,画像合成領域が規定されている場合において,立体画像を貼り付けたときに生じ得る問題については何ら考えられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-134230号公報
【特許文献2】特開2010-45584号公報
【特許文献3】特開平8-205203号公報
【特許文献4】特許第4259913号
【発明の概要】
【0005】
この発明は,画像合成領域に立体画像を表示した場合に,画像合成領域に余白ができないようにすることを目的とする。
【0006】
この発明による立体画像表示制御装置は,画像合成領域に,立体画像を構成する左目用画像と右目用画像との重複画像部分を表示するように表示装置を制御する表示制御手段,視差量拡大指令に応じて,上記左目用画像と上記右目用画像との水平方向のずれ量である視差量を拡大する視差量拡大手段,上記視差量拡大手段によって視差量が拡大されたことに応じて,上記画像合成領域に余白が生じるかどうかを判定する余白判定手段,および上記余白判定手段によって余白が生じると判定されたことに応じて,上記視差量拡大手段による視差量の拡大を無効化する視差量拡大制限手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
この発明は,上記立体画像表示制御装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,表示制御手段が,画像合成領域に,立体画像を構成する左目用画像と右目用画像との重複画像部分を表示するように表示装置を制御し,視差量拡大手段が,視差量拡大指令に応じて,上記左目用画像と上記右目用画像との水平方向のずれ量である視差量を拡大し,余白判定手段が,上記視差量拡大手段によって視差量が拡大されたことに応じて,上記画像合成領域に余白が生じるかどうかを判定し,視差量拡大制限手段が,上記余白判定手段によって余白が生じると判定されたことに応じて,上記視差量拡大手段による視差量の拡大を無効化するものである。
【0008】
この発明は,上記立体画像表示制御装置の動作制御方法を実施するコンピュータが読み取り可能なプログラムも提供している。そのようなプログラムを格納したコンピュータに着脱自在な記録媒体も提供するようにしてもよい。
【0009】
この発明によると,画像合成領域に,立体画像を構成する左目用画像と右目用画像との重複画像部分が表示される。視差量拡大指令が与えられると,左目用画像と右目用画像との水平方向のずれ量である視差量が拡大される。視差量が拡大すると重複画像部分の水平方向の幅が狭くなるので,視差量が拡大されたことにより画像合成領域に余白ができてしまう。この発明では,視差量が拡大されたことにより画像合成領域に余白が生じるかどうかが判定される。余白ができると判定されると,視差量の拡大処理が無効化される。画像合成領域に余白が形成されてしまうことを未然に防止できる。
【0010】
上記視差量拡大手段によって余白が生じないような限界の視差量まで拡大されたことに応じて,上記左目用画像および上記右目用画像を拡大する第1の画像拡大手段をさらに備えてもよい。
【0011】
上記余白判定手段によって余白が生じると判定されたことに応じて,上記視差量拡大無効手段による視差量の無効化を停止する無効停止手段,ならびに上記無効停止手段による無効化の停止に応じて上記左目用画像および上記右目用画像を拡大する第2の画像拡大手段をさらに備えてもよい。
【0012】
視差量縮小指令に応じて上記視差量を縮小する視差量縮小手段,ならびに上記視差量縮小手段によって上記視差量が縮小したことに応じて,上記左目用画像および上記右目用画像を拡大する第3の画像拡大手段をさらに備えてもよい。
【0013】
上記第3の画像拡大手段は,たとえば,上記重複画像部分の水平方向の長さが上記画像合成領域の横方向の長さと同じとなるように上記左目用画像および上記右目用画像を拡大するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】パーソナル・コンピュータの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】電子アルバム編集用ウインドウの一例である。
【図3】電子アルバムを構成するページの画像の一例である。
【図4】電子アルバム生成処理手順を示すフローチャートである。
【図5】(A)は左目用画像を,(B)は右目用画像を示している。
【図6】立体画像の一例を示している。
【図7】視差量を拡大した様子を示している。
【図8】さらに視差量を拡大した様子を示している。
【図9】視差量を縮小した様子を示している。
【図10】電子アルバム生成処理手順の一部を示すフローチャートである。
【図11】立体画像を拡大した様子を示している。
【図12】電子アルバム生成処理手順の一部を示すフローチャートである。
【図13】電子アルバム生成処理手順の一部を示すフローチャートである。
【図14】視差量が縮小した後に立体画像を拡大した様子を示している。
【実施例】
【0015】
図1は,この発明の実施例を示すもので,パーソナル・コンピュータ1の電気的構成を示すブロック図である。この実施例では,パーソナル・コンピュータ1は,インターネットを介してサーバ・コンピュータ(図示略)と通信する。サーバ・コンピュータ1と通信しながら,ユーザはパーソナル・コンピュータ1を用いて電子アルバムを作成する。もちろん,サーバ・コンピュータと通信せずに電子アルバムを生成してもよいし,パーソナル・コンピュータ1を用いずに,スーパー,デパート,コンビニエンス・ストアなどに置かれている店頭端末装置を利用して電子アルバムを生成することもできる。その場合には,店頭端末装置が図1に示す電気的構成をもつものとなる。
【0016】
パーソナル・コンピュータ1の全体の動作は,CPU2によって統括される。
【0017】
パーソナル・コンピュータ1には,表示装置3,メモリ4,サーバ・コンピュータと通信するための通信装置5,およびキーボード,マウスなどの入力装置6が含まれている。また,パーソナル・コンピュータ1には,多数の画像を表わす画像データなどが記録されているハード・ディスク10およびハード・ディスク10にアクセスするためにハードディスク・ドライブ9が含まれている。さらに,パーソナル・コンピュータ1には,後述する動作を制御するプログラムが格納されているCD-ROM8にアクセスするCD-ROMドライブ7も含まれている。CD-ROM8に格納されているプログラムがCD-ROMドライブ7によって読み取られ,読み取られたプログラムがパーソナル・コンピュータ1にインストールされることにより,パーソナル・コンピュータ1が後述するように動作する。もっとも動作プログラムは,CD-ROM8のようなパーソナル・コンピュータ1に着脱自在な記録媒体に格納されていなくとも,ネットワークを介してパーソナル・コンピュータ1にダウンロードされて,パーソナル・コンピュータ1にインストールされるようにしてもよい。
【0018】
図2は電子アルバム編集用ウインドウ40の一例である。
【0019】
以下,電子アルバムの生成処理について説明するが,パーソナル・コンピュータ1は,サーバ・コンピュータとすでに接続しており,パーソナル・コンピュータ1の表示装置3の表示画面には図2に示す電子アルバム編集用ウインドウ40が表示されているものとする。
【0020】
編集用ウインドウ40の左下部には,電子アルバムに貼り付ける画像42が表示される画像表示領域41が形成されている。この画像表示領域41に,ハード・ディスク10に格納されている画像データによって表わされる画像(ユーザの画像)42が表示されている。店頭端末装置を用いて電子アルバムを作成する場合には,ユーザは画像データが記録されているメモリ・カードなどの記録媒体を持参し,その記録媒体から画像データが読み取られ,読み取られた画像データによって表される画像が画像表示領域41に表示されるのはいうまでもない。そのような場合には,店頭端末装置にはメモリ・カード・リーダが設けられる。画像表示領域41の右側にはスクロール・ボタン43が形成されている。スクロール・ボタン43はカーソル(図示略)によって上下に移動自在である。スクロール・ボタン43がカーソルによって上下に移動させられることにより,画像表示領域41に現れていない画像が画像表示領域41に現れる。
【0021】
詳しくは後述するように,この実施例では電子アルバムに立体画像を表示させることができる。画像表示領域41に表示されている画像42も立体画像である。画像表示領域41に表示されている画像42については後述する視差量の拡大および縮小が自由にできる。これに対して,次に述べる編集領域48に表示されるページの画像49に形成されている画像合成領域53に表示される立体画像については視差量の拡大が制限される。
【0022】
編集用ウインドウ40の上部には,電子アルバムを構成するページ(テンプレート)の画像45が表示されるページ表示領域44が形成されている。ページ表示領域44の下にはスクロール・ボタン46が形成されている。スクロール・ボタン46もカーソル(図示略)によって左右に移動自在である。スクロール・ボタン46がカーソルによって左右に移動させられることにより,ページ表示領域44に現れていないページの画像がページ表示領域44に現れる。
【0023】
編集用ウインドウ40のほぼ全体にわたって電子アルバムを構成するページを編集する編集領域48が形成されている。ページ表示領域44に表示されているページの画像の中から所望のページの画像が選択されると(たとえば,ドラッグ・アンド・ドロップにより選択されると),その選択されたページの画像49が編集領域48に表示される。選択されたページの画像49の左側のページ51および右側のページ52のそれぞれに複数の(単数でもよい)矩形の(矩形でなくともよい)画像合成領域53が規定されている。この画像合成領域53に,電子アルバムを構成する画像が貼り付けられる。たとえば,画像表示領域41に表示されている画像42の中から所望の画像が,所望の画像合成領域53にドラッグ・アンド・ドロップされることにより,画像貼り付けが行われる。編集用ウインドウ40の右側には,文字合成,画像削除,画像の色変換など行うための編集用ボタン47が形成されている。上述のように,画像合成領域53に貼り付けられる画像は立体画像であり,その立体画像の視差量の拡大は画像合成領域53に余白ができないように制限される。
【0024】
図3は,編集用ウインドウ40の編集領域48に表示されている右側のページ52を図2に比べて拡大したものである。
【0025】
上述したように,電子アルバムを構成するページ52には複数の画像合成領域53が形成されている。この画像合成領域53に画像が貼り付けられる。とくに,この実施例においては,画像合成領域53には立体画像が貼り付けられる。ユーザは,立体画像の電子アルバムを生成することができる。
【0026】
図4は,電子アルバムの生成処理手順を示すフローチャートである。
【0027】
画像表示領域41に表示されている画像42の中から所望の画像42が選択される。選択された画像42が所望の画像合成領域53に貼り付けられる。すると,画像合成領域53に選択された画像42の立体画像が表示される(ステップ21)。
【0028】
図5(A)は矩形の左目用画像60Lを示し,図5(B)は矩形の右目用画像60Rを示している。
【0029】
立体画像を表示する場合には,観賞者の左目で見る左目用画像60Lと観賞者の右目で見る右目用画像60Rとが必要である。このために,この実施例では,画像合成領域53に立体画像として表示させたい画像には,左目用画像60Lと右目用画像60Rとがあらかじめ記憶されている。左目用画像60Lおよび左目用画像60Rは矩形でなくともよい。
【0030】
図6は,立体画像を示している。
【0031】
左目用画像60Lと右目用画像60Rとが水平方向にずらされて(水平方向のずれ量が視差量)重ね合わせられると,観賞者は重複画像部分61を立体画像として見ることができる。この実施例では,この重複画像部分61のうち,画像合成領域53の大きさと同じ大きさの領域62内の画像部分が画像合成領域53に表示される。画像合成領域53に表示される画像は立体画像となる。
【0032】
図4に戻って,立体画像が表示された画像合成領域53の横幅w1が読み取られる(ステップ22)。
【0033】
つづいて,ユーザによって視差調整指令が与えられる(ステップ23)。編集用ボタン47に視差調整指令ボタンが含まれており,その視差調整指令ボタンにより,視差量の拡大および縮小の視差調整指令が与えられる。
【0034】
視差調整量の拡大指令が与えられると(ステップ24),その指令に応答して視差量が拡大させられる(ステップ25)。視差量が拡大させられると,視差量が拡大された後の重複画像部分の幅w2が読み取られる(ステップ26)。
【0035】
図7は,図6に示す立体画像と比較して視差量を拡大した立体画像を示している。
【0036】
視差量の拡大指令が与えられると,拡大指令によって決定される視差の拡大量に応じて左目用画像60Lと右目用画像60Rとは外側に離れるように位置決めされる。視差量が拡大されると,左目用画像60Lと右目用画像60Rの重複画像部分61Aの幅w2は視差量の拡大前よりも狭くなる。
【0037】
図8は,図7と比べてさらに視差量を拡大した立体画像を示している。
【0038】
視差量がさらに拡大されると,左目用画像60Lと右目用画像60Rとの重複画像部分61Bの横幅w2はさらに狭くなる。すると,画像合成領域53には,画像合成領域53に対応する領域62のうち,重複画像部分61Bに含まれる画像部分(ハッチングで示す)64が表示される。このハッチングで示す画像部分64の両側の画像部分63は画像合成領域53には表示されない。画像合成領域53の両側には余白ができてしまう。
【0039】
図4に戻って,画像合成領域53の横幅w1と視差量の拡大後の重複画像部分の幅w2から,視差量の拡大後の立体画像が画像合成領域に表示された場合に,その画像合成領域53に余白ができるかどうかが判定される(ステップ27)。視差量の拡大後の重複画像部分61Aの横幅w2が画像合成領域53の横幅w1未満であれば画像合成領域53に余白ができると判断される。視差量の拡大後の重複画像部分61A,61Bなどの横幅w2が画像合成領域53の横幅以上であれば画像合成領域53に余白ができないと判断される。
【0040】
図7に示すように視差の拡大量が少なく,画像合成領域53に余白ができなければ(ステップ27でNO),拡大指令が立体画像表示に反映される。視差量の拡大後の重複画像部分61Aのうち領域62の画像部分が画像合成領域53に表示される(ステップ31)。視差量調整が終了でなければ(ステップ29でNO),再びステップ23からの処理が繰り返される。
【0041】
図8に示すように視差の拡大量が多く,画像合成領域53に余白ができると(ステップ27でYES),拡大指令が立体画像表示に反映されずに視差量拡大処理は無効化される(ステップ28)。視差量の拡大処理は無視される。好ましくは,余白ができるので視差量の拡大が行われない旨が表示されよう。視差量調整が終了でなければ(ステップ29でNO),再びステップ23からの処理が繰り返される。
【0042】
視差量の縮小指令が与えられると(ステップ24),視差量の縮小処理が行われる(ステップ30)。
【0043】
図9は,視差量の縮小処理が行われた立体画像の一例である。
【0044】
視差量の縮小処理が行われると,左目用画像60Lと右目用画像60Rとが水平方向に近づけられる。左目用画像60Lと右目用画像60Rとの重複画像部分61Cの横幅w2は画像合成領域53の横幅w1よりも広いから,画像合成領域53に余白はできない。このために,重複画像部分61Cのうち,領域62内の画像が画像合成領域53に表示される。
【0045】
上述の実施例では,視差量の拡大が制限されているので画像合成領域53に余白ができてしまうことを未然に防止できる。
【0046】
上述の実施例では,図6に示す状態(視差量の拡大,縮小指令が与えられる前の初期状態であり,たとえば,左目用画像60Lおよび右目用画像60Rに付加されている初期の視差量によって規定される)では余白が生じないこととされているが,図6に示す状態で余白ができる場合には,余白ができないように視差量が縮小された後に上述の処理が行われることとなろう。
【0047】
図10および図11は,他の実施例を示している。
【0048】
図10は,電子アルバム生成処理手順の一部を示すフローチャートである。この図において,図4に示す処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
上述の実施例では,余白ができてしまうような視差量の拡大は無効化されるのに対し,この実施例では,画像合成領域53に余白が生じないような限界の視差量まで視差量が拡大されると,立体画像が拡大される(ステップ71)。
【0050】
図11は,立体画像が拡大されている様子を示している。
【0051】
左目用画像60Lが拡大され,拡大された左目用画像80Lとなっている。右目用画像60Rも拡大され,拡大された右目用画像60Lとなっている。拡大された左目用画像80Lと拡大された右目用画像80Rとの重複画像部分81の横幅w2は画像合成領域53の横幅w1よりも大きくなっている(拡大後の重複画像部分81の横幅w2が画像合成領域53の横幅w1よりも大きくなるように拡大される)。重複画像部分81のうち,領域62内の画像部分が画像合成領域53に表示される(ステップ71)。画像合成領域53には余白ができず,かつ視差量も拡大することとなる。
【0052】
画像合成領域53に余白ができない範囲で,さらに,視差量を拡大することができる。
【0053】
画像合成領域53に余白ができてしまうほど視差量が拡大される場合,図4に示す処理では,その処理が無効化されるのに対し,図10に示す処理では,立体画像が拡大されているが,図4に示す処理と図10に示す処理とを電子アルバムの生成処理プログラムごとに設定してもよいし,ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0054】
図12は,さらに他の実施例を示すもので,電子アルバムの生成処理手順の一部を示すフローチャートである。この図において図4に示す処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
図10および図11に示す処理では,視差量を拡大することにより画像合成領域53に余白ができる場合には,その余白を表示することなく立体画像を拡大しているのに対し,この実施例では視差量を拡大することにより画像合成領域53に余白ができる場合には,その余白を表示した後で立体画像を拡大し余白を無くすものである。
【0056】
図8に示すように,視差量の拡大が行われて,視差量拡大後の重複画像部分の横幅が読み取られると(ステップ26),重複画像部分61Bのうち,領域62に含まれているハッチングで示す画像部分64が画像合成領域53に表示される。画像合成領域53に余白ができると(ステップ73でYES),視差量拡大処理の無効化が停止させられる。すると,余白ができなくなるまで,図11に示すように左目用画像60Lおよび右目用画像60Rが拡大させられる。拡大させられた左目用画像60Lと右目用画像60Rとの重複画像部分のうち領域62内の画像が画像合成領域53に表示される(ステップ74)。画像合成領域53に余白ができなければ(ステップ73でNO),ステップ74の処理はスキップされる。
【0057】
図13および図14は,さらに他の実施例を示している。
【0058】
図13は,電子アルバム生成処理手順の一部を示すフローチャートである。この図において,図4に示す処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
この実施例は,視差量の縮小指令が与えられて,図9に示すように視差量が縮小されると(ステップ29),視差量縮小後の重複画像部分61Cの横幅w2が読み取られる(ステップ75)。重複画像部分61Cのうち,領域62の画像が画像合成領域53に表示される(ステップ30)。視差量が縮小したことにより,重複画像部分の横幅w2は,画像合成領域53(領域62)の横幅w1よりも狭くなるので,重複画像部分の横幅w2が画像合成領域53(領域62)の横幅w1と同じとなるように,立体画像(左目用画像60L,右目用画像60R)が縮小させられる(ステップ76)。
【0060】
図14は,立体画像が縮小させられた様子を示している。
【0061】
図9に示す左目用画像60Lが縮小させられて左目用画像91Lとなる。同様に,図9に示す右目用画像60Rが縮小させられて右目用画像91Rとなる。このような縮小処理が行われることにより領域62に含まれる画像の割合は多くなる。領域62内の画像が画像合成領域53に表示されるから,画像合成領域53には拡大された立体画像が表示されることとなる。
【0062】
上述した実施例では,画像合成領域53に余白ができないような処理が行われているが,このような処理は,電子アルバムを構成する(必ずしも電子アルバムを構成せずに1枚の台紙に画像合成領域53が形成されているようなものでもよい)ページの画像の画像合成領域53のレイアウトに応じて適用するかどうかを決定してもよい。たとえば,電子アルバムを構成するページに複数の同一形状の矩形の画像合成領域があり,同一列の画像合成領域については左辺と右辺とが一致しており,かつ同一行の画像合成領域については上辺と下辺とが一致している場合に,上述のように画像合成領域に余白ができないような処理を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 パーソナル・コンピュータ(立体画像表示制御装置)
2 CPU(表示制御手段,視差量拡大手段,余白判定手段,視差量拡大無効手段)
3 表示装置
53 画像合成領域
60L,80L,91L 左目用画像
60R,80R,91R 右目用画像
61,61A,61B,61C,81 重複画像部分


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像合成領域に,立体画像を構成する左目用画像と右目用画像との重複画像部分を表示するように表示装置を制御する表示制御手段,
視差量拡大指令に応じて,上記左目用画像と上記右目用画像との水平方向のずれ量である視差量を拡大する視差量拡大手段,
上記視差量拡大手段によって視差量が拡大されたことに応じて,上記画像合成領域に余白が生じるかどうかを判定する余白判定手段,および
上記余白判定手段によって余白が生じると判定されたことに応じて,上記視差量拡大手段による視差量の拡大を無効化する視差量拡大無効手段,
を備えた立体画像表示制御装置。
【請求項2】
上記視差量拡大手段によって余白が生じないような限界の視差量まで拡大されたことに応じて,上記左目用画像および上記右目用画像を拡大する第1の画像拡大手段,
をさらに備えた請求項1に記載の立体画像表示制御装置。
【請求項3】
上記余白判定手段によって余白が生じると判定されたことに応じて,上記視差量拡大無効手段による視差量の拡大の無効化を停止する無効停止手段,ならびに
上記無効停止手段による無効化の停止に応じて,上記左目用画像および上記右目用画像を拡大する第2の画像拡大手段,
をさらに備えた請求項1または2に記載の立体画像表示制御装置。
【請求項4】
視差量縮小指令に応じて上記視差量を縮小する視差量縮小手段,ならびに
上記視差量縮小手段によって上記視差量が縮小したことに応じて,上記左目用画像および上記右目用画像を拡大する第3の画像拡大手段,
をさらに備えた請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の立体画像表示制御装置。
【請求項5】
上記第3の画像拡大手段は,上記重複画像部分の水平方向の長さが上記画像合成領域の横方向の長さと同じとなるように上記左目用画像および上記右目用画像を拡大するものである,
請求項4に記載の立体画像表示制御装置。
【請求項6】
表示制御手段が,画像合成領域に,立体画像を構成する左目用画像と右目用画像との重複画像部分を表示するように表示装置を制御し,
視差量拡大手段が,視差量拡大指令に応じて,上記左目用画像と上記右目用画像との水平方向のずれ量である視差量を拡大し,
余白判定手段が,上記視差量拡大手段によって視差量が拡大されたことに応じて,上記画像合成領域に余白が生じるかどうかを判定し,
視差量拡大無効手段が,上記余白判定手段によって余白が生じると判定されたことに応じて,上記視差量拡大手段による視差量の拡大を無効化する,
立体画像表示制御装置の動作制御方法。
【請求項7】
立体画像表示制御装置のコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムであって,
画像合成領域に,立体画像を構成する左目用画像と右目用画像との重複画像部分を表示するように表示装置を制御させ,
視差量拡大指令に応じて,上記左目用画像と上記右目用画像との水平方向のずれ量である視差量を拡大させ,
視差量が拡大されたことに応じて,上記画像合成領域に余白が生じるかどうかを判定させ,
余白が生じると判定されたことに応じて,視差量の拡大を無効化させるように立体画像表示制御装置のコンピュータを制御するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−60243(P2012−60243A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199025(P2010−199025)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】