立体花壇および立体花壇の製造方法
【課題】 比較的簡単な構造で、軽量であり、かつ、熟練者によらずとも制作できる。
【解決手段】 立体花壇は、土台22、柱24、26、28、貫30、32などを含む複数の木製モジュールによる木造軸組による一次構造20と、一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板が張られた二次構造と、二次構造を構成する板上に取り付けられた藁材による三次構造と、三次構造の上に、板に取り付けられた水ゴケ層と、三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により板に取り付けることにより形成された苗層と、を備える。
【解決手段】 立体花壇は、土台22、柱24、26、28、貫30、32などを含む複数の木製モジュールによる木造軸組による一次構造20と、一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板が張られた二次構造と、二次構造を構成する板上に取り付けられた藁材による三次構造と、三次構造の上に、板に取り付けられた水ゴケ層と、三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により板に取り付けることにより形成された苗層と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体花壇および立体花壇の製造方法に関し、より詳細には、軽量でかつ複雑な造形を実現できる立体花壇およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物や人形などの形状に草花を装飾的に配置したトピアリーとも称される立体花壇(以下、単に「立体花壇」と称する。)が知られている。植木を、動物や人形の形状に刈り込むものが一番単純ではあるが、複雑な形状のもの、或いは、大型のものを作り出すことが不可能である。そこで、ワイヤーで、動物や人形の形状の骨組み(基礎構造)を作成して、その内部に、培土を入れて、かつ、形状の表面に沿って、適当な苗を植えつけていく手法が採用されている。通常、基礎構造は強度を保ち、かつ、その内部に培土を保持するために、また、動物や人形など造形の胴や腕を形成するために、胴や腕の周囲とそれぞれ合致する多数の円状のワイヤーと、円状のワイヤー通しを連結する複数のワイヤーとを用いて、格子状の基礎構造を作る。たとえば、特許文献1の図14、図15や、特許文献2の図4には、円状のワイヤーと円状のワイヤー連結するワイヤーとを備えた従来の立体花壇の基礎構造が開示されている。
【特許文献1】特開2001−16975号公報
【特許文献2】特開2000−217443号公報
【非特許文献1】株式会社八ヶ代農園、"カナダモザイカルチャー研修記"、[online]、[平成18年1月4日検索],インターネット<URL: http://www.yagashiro-ls.co.jp/y_canada_1_1.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に、大規模な動物や人形を模した立体花壇、或いは、その製作技法であるモザイカルチャーが提案されている。非特許文献1に開示されているように、モザイカルチャーでは、丸鋼製(径3〜6mm)、凡そ縦15cm、横20cm格子のワイヤーメッシュを溶接しながら曲げ加工して基礎構造を作り、その中に、人工土壌を付き固めるように詰め込みながらテキスタイル(寒冷紗)でワイヤーメッシュの基礎構造を覆う。その後、所望の位置に穴を空けて、そこにプラグ苗を差し込むように植え付けられる。特に、大規模なものになると、鉄骨軸組にワイヤーメッシュを取り付けている。
【0004】
上述したモザイカルチャーにおいては、以下のような問題点がある。
(1)ワイヤーメッシュを溶接しながら曲げ加工して基礎構造を作るため、細かいデザインに対する融通が効かず、設計時点で完全な図面作成が要求され、現場合わせが困難である。
(2)基礎構造の制作および苗の植え付けに相当の習熟と経験が必要である。
(3)特に、鉄骨軸組にワイヤーメッシュを取り付ける構造では、極めて重量が大きくなり、設置場所が限られてくる。たとえば、高さ80cm程度の鉄骨の上に長さ80cm程度の像を作成した場合でも、その重量は60kgに及んだ。したがって、4mもの大きさの立体花壇の重量は著しく大きいことが予想される。
【0005】
本発明は、比較的簡単な構造で、軽量であり、かつ、熟練者によらずとも制作が可能な立体花壇およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールによる木造軸組による一次構造と、
前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板が張られた二次構造と、
前記二次構造を構成する板上に取り付けられた藁材による三次構造と、
前記三次構造の上に、前記板に取り付けられた水ゴケ層と、
前記三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けることにより形成された苗層と、を備えたことを特徴とする立体花壇により達成される。
【0007】
たとえば、一次構造として、xyz45cmモジュールの柱と貫による木造軸組を採用することができる。また、二次構造を形成する板として、小巾板(野地板)を採用することができる。
【0008】
好ましい実施態様においては、前記木製モジュールが、格子状に地平面に配置される土台と、土台から直立する柱と、柱と柱とを連結する貫および/または梁と、を有する。
【0009】
別の好ましい実施態様においては、前記二次構造の上に、造形の外形に沿った、貫による補助骨格部材が形成される。
【0010】
より好ましい実施態様においては、前記セルトレイの裏面において、隣接する区画の間に形成される隙間に水ゴケが詰め込まれることにより、水ゴケ層および苗層が形成される。
【0011】
また、本発明の目的は、適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールを組み合わせて、木造軸組による一次構造を形成する工程と、
前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板を張って、二次構造を形成する工程と、
前記二次構造を構成する板上に、藁材を取り付けて、三次構造を形成する工程と、
前記三次構造の上に、水ゴケを前記板に取り付けて、水ゴケ層を形成する工程と、
前記三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けて、苗層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする立体花壇の製造方法によっても達成される。
【0012】
好ましい実施態様においては、前記一次構造を形成する工程において、
格子状に地平面に土台を配置する工程と、
前記土台から直立する柱を立設する工程と、
前記柱と柱とを連結する貫および/または梁を取り付ける工程と、を有する。
【0013】
別の好ましい実施態様においては、前記二次構造の上に、造形の外形に沿った、貫による補助骨格部材を形成する工程を備える。
【0014】
より好ましい実施態様においては、前記セルトレイの裏面において、隣接する区画の間に形成される隙間に水ゴケを詰め込むことにより、前記水ゴケ層および苗層を形成する工程とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、比較的簡単な構造で、軽量であり、かつ、熟練者によらずとも制作が可能な立体花壇およびその製造方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態にかかる立体花壇は、
(1)適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールによる木造軸組による一次構造と、
(2)前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板が張られた二次構造と、
(3)前記二次構造を構成する板上に取り付けられた藁材による三次構造と、
(4)前記三次構造の上に、前記板に取り付けられた水ゴケ層と、
(5)前記三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けることにより形成された苗層と、を備えている。
【0017】
水ゴケ層が形成された状態を四次構造、苗層が形成された最終的な状態を五次構造とも称する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかる立体花壇の一例の正面図である。この例は、人物立像の立体花壇を示している。以下、図1に示す立体花壇10の構造およびその製造について説明する。
【0019】
図2(a)、(b)は、それぞれ、図1に示す立体花壇の木造軸組による一次構造の正面図および背面図である。また、図3(a)、(b)は、図1に示す立体花壇の木造軸組による一次構造の右側面図および左側面図である。図2(a)、(b)および図3(a)、(b)に示すように、一次構造20は、地平面に接地される土台(たとえば、符号22参照)と、柱(たとえば、符号24、26、28参照)と、柱の間を連結する貫(たとえば、符号30、32参照)と、を有している。また、特に、大規模な一次構造において、柱と柱とを連結するための梁を設けても良い。なお、第1の実施の形態にかかる立体花壇では、柱が直立し、かつ、柱と柱との間を連結する貫は地平面と平行となっている。本発明においては、柱が直立し、かつ、貫や梁が地平面と平行であることには限定されないが、水平鉛直の一次構造を採用することにより、鉛直加重の地面への分散をもっとも効率よくすることができる。
【0020】
本実施の形態においては、土台や柱の断面サイズが105mm×105mm、梁の断面サイズも、同様に105mm×105mmである。また、貫の断面サイズは、縦(鉛直方向)が105mm、幅(水平方向)が27mmである。また、一次構造において、貫はxy45cmモジュール、つまり、x方向およびy方向の全てにおいて、45cmの間隔で貫が通るように構成している。
【0021】
図4〜図7は、柱、土台、貫、梁の結合部をより詳細に示す図である。図4(a)、(b)は、それぞれ、柱と貫との結合部の例を示す斜視図および正面図である。図4(a)、(b)に示すように、柱40の穴43、44に、それぞれ、貫41、42を嵌入して、楔45、46を打ち込むことにより、柱と貫とを固定する。
【0022】
図5(a)、(b)は、柱と土台との結合部の例を示す斜視図および正面図である。土台は、造形の底面形状とほぼ一致するように格子状に組まれる。土台50、51は、その連結部分に込栓54を打ち込むことにより固定される。柱53は、土台51の穴56に差し込まれ、込栓55により固定される。また、図6(a)、(b)に示すように、柱60と貫61、62、63とが略鎌にて結合されていても良い。ここでも、楔64により、貫は柱にしっかりと固定される。
【0023】
図7(a)、(b)は、柱と梁との結合部の例を示す斜視図および正面図である。柱70と梁71も、込栓72により固定される。また、梁73と梁74とは、図7(c)、(d)に示すように、蟻掛けにより固定することも可能である。
【0024】
さらに、本実施の形態においては、図示しないが、上記一次構造に、さらに、造形の外形決めるために貫による補助骨格部材が形成される。補助骨格部材が形成された構造は、一次構造と二次構造との間の構造(1.5次構造)と考えることができる。
【0025】
本実施の形態においては、一次構造或いは上述した1.5次構造の上に、板が張られて二次構造が形成される。本実施の形態では、縦100mm、横10mmの小巾板(「野地板」とも言う)が、所定の間隔(たとえば、0mm〜30mm、一定間隔とできる場所では15mm間隔が望ましい)で張られ、たとえば、釘などの取り付け部材により、柱、梁および/または貫に固定される。図8および図9は、それぞれ、本実施の形態にかかる二次構造を概略的に示す正面図および右側面図である。図8および図9に示すように、二次構造80においては、造形の外形とほぼ一致するように、小巾板(たとえば、符号81、82、83参照)が張り巡らされているのが理解されるであろう。また、図中、小さな細長い部材(たとえば符号84、85参照)は、小巾板を釘で留めるための桟木を示している。桟木は、小巾板をつけるための渡しであり、小巾板と直行する材である。たとえば、小巾板と同等の断面サイズを有する材を利用することができる。なお、小巾板の幅は、上述したものに限定されないが、セルトレイを固定するために、ネジなどの取り付け部材を小巾板にねじ込むことが可能であるような間隔とするのが望ましい。
【0026】
さらに、二次構造の上に、藁の層が形成される。藁は、取り付ける箇所に応じて、所望の長さに切断され、かつ、所望の量だけ束ねられ麻テープなどにより予め一まとめにされている。この一まとめにされた藁の集合体が、二次構造の上に配置され、鎹のような「コ」の字状の取り付け部材により、柱、梁、および/または貫に固定される。この藁の層の厚みは、0mm〜50mm程度となる。なお、藁の層が0mmであるということは、その部分には藁の層が配置されないことを示す。たとえば、造形の外形が平面的な部分については、藁の層を形成しなくとも良い。藁の層を配置することにより、造形の外形の曲面を所望のように表すことが可能となる。
【0027】
三次構造として藁を使うことには以下のような効果がある。藁は軽量であり、かつ、出来上がった立体花壇に散水した際の水分の分散性よく、かつ、保水力がある。また、下地の不陸を補正することができ、仕上がりの画一性を防ぐことができ、造形に表情を作り出すことができる。
【0028】
さらに、三次構造の上に、水ゴケ層および苗層が形成される。特に、本実施の形態においては、苗層として、苗が植え付けられているセルトレイが用いられる。図10に示すように、セルトレイ100の1つの区画(たとえば、符号101、102参照)には、一株の苗が植えられるようになっている。無論、1つの区画に複数の苗が植えられていても良い。本実施の形態においては、セルトレイ100を所望の数の区画を有するように、かつ、所望の形状となるように切り取っておく。たとえば、図11(a)、(b)に示すような形状とすることができる。図11(a)(b)において、たとえば、符号111、112、113、114が、それぞれ区画に相当する。通常、ひとつのセルトレイには同じ種類の苗が植え付けられている。したがって、立体花壇において、同じ植物とすべき部分を、一つのセルトレイをその部分の形状に合わせて切り取っておけばよい。
【0029】
さらに、本実施の形態においては、セルトレイの裏側の区画と区画との隙間に水ゴケが詰め込まれる。図12に示すように、セルトレイ100の裏面において、区画121、122との間に隙間が形成される。本実施の形態においては、その隙間に水ゴケが埋め込まれる(符号123〜125参照)。このようにして、水ゴケ層および苗層の双方を作ることができる。
【0030】
藁が形成された三次構造の上に、それぞれが、所望のサイズに切り取られ、その裏面の隙間に水ゴケが詰め込まれたセルトレイがネジ止めされる。本実施の形態においては、ワワッシャー付きのネジにより、セルトレイと、小巾板とがしっかりと固定される。
【0031】
このようにして、木造軸組による一次構造、小巾板が張られた二次構造、藁が取り付けられた三次構造、水ゴケ層および苗層の双方が形成された四次構造および五次構造を有する立体花壇が完成する。
【0032】
本実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。本実施の形態にかかる水平鉛直な土台、柱、梁、貫による一次構造によれば、相当な長さ(延べ長さ)の土台全面で、均等に立体花壇を支えるため、重みが分散されて地面がほとんど凹まない。また、構造的に非常に安定している。また、一次構造や二次構造を構成する木材や小巾板は軽量であるため運搬が容易である。
【0033】
また、前述したように、三次構造を構成する藁は、軽量で散水した水分の分散性が良く、保水力もある。また、下地の不陸を容易に修正でき、かつ、仕上がりの画一性がなくなり造形に表情をもたらすことができる。また、セルトレイの裏面の隙間に水ゴケを詰め込むことにより、保水性が著しく向上する。
【0034】
さらに、藁による三次構造の造形や、セルトレイの取り付けは、経験の乏しい者であっても行うことができる。セルトレイは、電動ドライバーにより90mmの内装パネル用ねじ釘をワッシャーを介して6箇所で取り付ける手法を採用した。これにより、確実に二次構造を構成する小巾板に固定することが可能となる。
【0035】
類型的にみると、一次構造が内骨格、二次構造が外骨格、三次構造が筋肉、四次構造が皮下脂肪、五次構造が皮膚に相当し、人形制作の造形目的において、もっとも適合した断面構成となっている。
【0036】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる立体花壇の一例を示す正面図である。
【図2】図2(a)、(b)は、それぞれ、図1に示す立体花壇の木造軸組による一次構造の正面図および背面図である。
【図3】図3(a)、(b)は、図1に示す立体花壇の木造軸組による一次構造の右側面図および左側面図である。
【図4】図4(a)、(b)は、それぞれ、柱と貫との結合部の例を示す斜視図および正面図である。
【図5】図5(a)、(b)は、柱と土台との結合部の例を示す斜視図および正面図である。
【図6】図6(a)、(b)は、柱と貫との結合部の他の例を示す斜視図および正面図である。
【図7】図7(a)、(b)は、柱と梁との結合部の例を示す斜視図および正面図である。
【図8】図8は、本実施の形態にかかる二次構造の例を概略的に示す正面図である。
【図9】図9は、本実施の形態にかかる二次構造の例を概略的に示す右側面図である。
【図10】図10は、本実施の形態にかかるセルトレイの一例を示す図である。
【図11】図11(a)、(b)は、適当な形状に切り取られたセルトレイの例を示す図である。
【図12】図12は、本実施の形態にかかるセルトレイの部分断面図であり、裏面の隙間に水ゴケ層が形成された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10 立体花壇
20 一次構造
22 土台
24、26、28 柱
30、32 貫
80 二次構造
81、82、83 小巾板
84、85 桟木
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体花壇および立体花壇の製造方法に関し、より詳細には、軽量でかつ複雑な造形を実現できる立体花壇およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物や人形などの形状に草花を装飾的に配置したトピアリーとも称される立体花壇(以下、単に「立体花壇」と称する。)が知られている。植木を、動物や人形の形状に刈り込むものが一番単純ではあるが、複雑な形状のもの、或いは、大型のものを作り出すことが不可能である。そこで、ワイヤーで、動物や人形の形状の骨組み(基礎構造)を作成して、その内部に、培土を入れて、かつ、形状の表面に沿って、適当な苗を植えつけていく手法が採用されている。通常、基礎構造は強度を保ち、かつ、その内部に培土を保持するために、また、動物や人形など造形の胴や腕を形成するために、胴や腕の周囲とそれぞれ合致する多数の円状のワイヤーと、円状のワイヤー通しを連結する複数のワイヤーとを用いて、格子状の基礎構造を作る。たとえば、特許文献1の図14、図15や、特許文献2の図4には、円状のワイヤーと円状のワイヤー連結するワイヤーとを備えた従来の立体花壇の基礎構造が開示されている。
【特許文献1】特開2001−16975号公報
【特許文献2】特開2000−217443号公報
【非特許文献1】株式会社八ヶ代農園、"カナダモザイカルチャー研修記"、[online]、[平成18年1月4日検索],インターネット<URL: http://www.yagashiro-ls.co.jp/y_canada_1_1.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に、大規模な動物や人形を模した立体花壇、或いは、その製作技法であるモザイカルチャーが提案されている。非特許文献1に開示されているように、モザイカルチャーでは、丸鋼製(径3〜6mm)、凡そ縦15cm、横20cm格子のワイヤーメッシュを溶接しながら曲げ加工して基礎構造を作り、その中に、人工土壌を付き固めるように詰め込みながらテキスタイル(寒冷紗)でワイヤーメッシュの基礎構造を覆う。その後、所望の位置に穴を空けて、そこにプラグ苗を差し込むように植え付けられる。特に、大規模なものになると、鉄骨軸組にワイヤーメッシュを取り付けている。
【0004】
上述したモザイカルチャーにおいては、以下のような問題点がある。
(1)ワイヤーメッシュを溶接しながら曲げ加工して基礎構造を作るため、細かいデザインに対する融通が効かず、設計時点で完全な図面作成が要求され、現場合わせが困難である。
(2)基礎構造の制作および苗の植え付けに相当の習熟と経験が必要である。
(3)特に、鉄骨軸組にワイヤーメッシュを取り付ける構造では、極めて重量が大きくなり、設置場所が限られてくる。たとえば、高さ80cm程度の鉄骨の上に長さ80cm程度の像を作成した場合でも、その重量は60kgに及んだ。したがって、4mもの大きさの立体花壇の重量は著しく大きいことが予想される。
【0005】
本発明は、比較的簡単な構造で、軽量であり、かつ、熟練者によらずとも制作が可能な立体花壇およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールによる木造軸組による一次構造と、
前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板が張られた二次構造と、
前記二次構造を構成する板上に取り付けられた藁材による三次構造と、
前記三次構造の上に、前記板に取り付けられた水ゴケ層と、
前記三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けることにより形成された苗層と、を備えたことを特徴とする立体花壇により達成される。
【0007】
たとえば、一次構造として、xyz45cmモジュールの柱と貫による木造軸組を採用することができる。また、二次構造を形成する板として、小巾板(野地板)を採用することができる。
【0008】
好ましい実施態様においては、前記木製モジュールが、格子状に地平面に配置される土台と、土台から直立する柱と、柱と柱とを連結する貫および/または梁と、を有する。
【0009】
別の好ましい実施態様においては、前記二次構造の上に、造形の外形に沿った、貫による補助骨格部材が形成される。
【0010】
より好ましい実施態様においては、前記セルトレイの裏面において、隣接する区画の間に形成される隙間に水ゴケが詰め込まれることにより、水ゴケ層および苗層が形成される。
【0011】
また、本発明の目的は、適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールを組み合わせて、木造軸組による一次構造を形成する工程と、
前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板を張って、二次構造を形成する工程と、
前記二次構造を構成する板上に、藁材を取り付けて、三次構造を形成する工程と、
前記三次構造の上に、水ゴケを前記板に取り付けて、水ゴケ層を形成する工程と、
前記三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けて、苗層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする立体花壇の製造方法によっても達成される。
【0012】
好ましい実施態様においては、前記一次構造を形成する工程において、
格子状に地平面に土台を配置する工程と、
前記土台から直立する柱を立設する工程と、
前記柱と柱とを連結する貫および/または梁を取り付ける工程と、を有する。
【0013】
別の好ましい実施態様においては、前記二次構造の上に、造形の外形に沿った、貫による補助骨格部材を形成する工程を備える。
【0014】
より好ましい実施態様においては、前記セルトレイの裏面において、隣接する区画の間に形成される隙間に水ゴケを詰め込むことにより、前記水ゴケ層および苗層を形成する工程とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、比較的簡単な構造で、軽量であり、かつ、熟練者によらずとも制作が可能な立体花壇およびその製造方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態にかかる立体花壇は、
(1)適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールによる木造軸組による一次構造と、
(2)前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板が張られた二次構造と、
(3)前記二次構造を構成する板上に取り付けられた藁材による三次構造と、
(4)前記三次構造の上に、前記板に取り付けられた水ゴケ層と、
(5)前記三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けることにより形成された苗層と、を備えている。
【0017】
水ゴケ層が形成された状態を四次構造、苗層が形成された最終的な状態を五次構造とも称する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかる立体花壇の一例の正面図である。この例は、人物立像の立体花壇を示している。以下、図1に示す立体花壇10の構造およびその製造について説明する。
【0019】
図2(a)、(b)は、それぞれ、図1に示す立体花壇の木造軸組による一次構造の正面図および背面図である。また、図3(a)、(b)は、図1に示す立体花壇の木造軸組による一次構造の右側面図および左側面図である。図2(a)、(b)および図3(a)、(b)に示すように、一次構造20は、地平面に接地される土台(たとえば、符号22参照)と、柱(たとえば、符号24、26、28参照)と、柱の間を連結する貫(たとえば、符号30、32参照)と、を有している。また、特に、大規模な一次構造において、柱と柱とを連結するための梁を設けても良い。なお、第1の実施の形態にかかる立体花壇では、柱が直立し、かつ、柱と柱との間を連結する貫は地平面と平行となっている。本発明においては、柱が直立し、かつ、貫や梁が地平面と平行であることには限定されないが、水平鉛直の一次構造を採用することにより、鉛直加重の地面への分散をもっとも効率よくすることができる。
【0020】
本実施の形態においては、土台や柱の断面サイズが105mm×105mm、梁の断面サイズも、同様に105mm×105mmである。また、貫の断面サイズは、縦(鉛直方向)が105mm、幅(水平方向)が27mmである。また、一次構造において、貫はxy45cmモジュール、つまり、x方向およびy方向の全てにおいて、45cmの間隔で貫が通るように構成している。
【0021】
図4〜図7は、柱、土台、貫、梁の結合部をより詳細に示す図である。図4(a)、(b)は、それぞれ、柱と貫との結合部の例を示す斜視図および正面図である。図4(a)、(b)に示すように、柱40の穴43、44に、それぞれ、貫41、42を嵌入して、楔45、46を打ち込むことにより、柱と貫とを固定する。
【0022】
図5(a)、(b)は、柱と土台との結合部の例を示す斜視図および正面図である。土台は、造形の底面形状とほぼ一致するように格子状に組まれる。土台50、51は、その連結部分に込栓54を打ち込むことにより固定される。柱53は、土台51の穴56に差し込まれ、込栓55により固定される。また、図6(a)、(b)に示すように、柱60と貫61、62、63とが略鎌にて結合されていても良い。ここでも、楔64により、貫は柱にしっかりと固定される。
【0023】
図7(a)、(b)は、柱と梁との結合部の例を示す斜視図および正面図である。柱70と梁71も、込栓72により固定される。また、梁73と梁74とは、図7(c)、(d)に示すように、蟻掛けにより固定することも可能である。
【0024】
さらに、本実施の形態においては、図示しないが、上記一次構造に、さらに、造形の外形決めるために貫による補助骨格部材が形成される。補助骨格部材が形成された構造は、一次構造と二次構造との間の構造(1.5次構造)と考えることができる。
【0025】
本実施の形態においては、一次構造或いは上述した1.5次構造の上に、板が張られて二次構造が形成される。本実施の形態では、縦100mm、横10mmの小巾板(「野地板」とも言う)が、所定の間隔(たとえば、0mm〜30mm、一定間隔とできる場所では15mm間隔が望ましい)で張られ、たとえば、釘などの取り付け部材により、柱、梁および/または貫に固定される。図8および図9は、それぞれ、本実施の形態にかかる二次構造を概略的に示す正面図および右側面図である。図8および図9に示すように、二次構造80においては、造形の外形とほぼ一致するように、小巾板(たとえば、符号81、82、83参照)が張り巡らされているのが理解されるであろう。また、図中、小さな細長い部材(たとえば符号84、85参照)は、小巾板を釘で留めるための桟木を示している。桟木は、小巾板をつけるための渡しであり、小巾板と直行する材である。たとえば、小巾板と同等の断面サイズを有する材を利用することができる。なお、小巾板の幅は、上述したものに限定されないが、セルトレイを固定するために、ネジなどの取り付け部材を小巾板にねじ込むことが可能であるような間隔とするのが望ましい。
【0026】
さらに、二次構造の上に、藁の層が形成される。藁は、取り付ける箇所に応じて、所望の長さに切断され、かつ、所望の量だけ束ねられ麻テープなどにより予め一まとめにされている。この一まとめにされた藁の集合体が、二次構造の上に配置され、鎹のような「コ」の字状の取り付け部材により、柱、梁、および/または貫に固定される。この藁の層の厚みは、0mm〜50mm程度となる。なお、藁の層が0mmであるということは、その部分には藁の層が配置されないことを示す。たとえば、造形の外形が平面的な部分については、藁の層を形成しなくとも良い。藁の層を配置することにより、造形の外形の曲面を所望のように表すことが可能となる。
【0027】
三次構造として藁を使うことには以下のような効果がある。藁は軽量であり、かつ、出来上がった立体花壇に散水した際の水分の分散性よく、かつ、保水力がある。また、下地の不陸を補正することができ、仕上がりの画一性を防ぐことができ、造形に表情を作り出すことができる。
【0028】
さらに、三次構造の上に、水ゴケ層および苗層が形成される。特に、本実施の形態においては、苗層として、苗が植え付けられているセルトレイが用いられる。図10に示すように、セルトレイ100の1つの区画(たとえば、符号101、102参照)には、一株の苗が植えられるようになっている。無論、1つの区画に複数の苗が植えられていても良い。本実施の形態においては、セルトレイ100を所望の数の区画を有するように、かつ、所望の形状となるように切り取っておく。たとえば、図11(a)、(b)に示すような形状とすることができる。図11(a)(b)において、たとえば、符号111、112、113、114が、それぞれ区画に相当する。通常、ひとつのセルトレイには同じ種類の苗が植え付けられている。したがって、立体花壇において、同じ植物とすべき部分を、一つのセルトレイをその部分の形状に合わせて切り取っておけばよい。
【0029】
さらに、本実施の形態においては、セルトレイの裏側の区画と区画との隙間に水ゴケが詰め込まれる。図12に示すように、セルトレイ100の裏面において、区画121、122との間に隙間が形成される。本実施の形態においては、その隙間に水ゴケが埋め込まれる(符号123〜125参照)。このようにして、水ゴケ層および苗層の双方を作ることができる。
【0030】
藁が形成された三次構造の上に、それぞれが、所望のサイズに切り取られ、その裏面の隙間に水ゴケが詰め込まれたセルトレイがネジ止めされる。本実施の形態においては、ワワッシャー付きのネジにより、セルトレイと、小巾板とがしっかりと固定される。
【0031】
このようにして、木造軸組による一次構造、小巾板が張られた二次構造、藁が取り付けられた三次構造、水ゴケ層および苗層の双方が形成された四次構造および五次構造を有する立体花壇が完成する。
【0032】
本実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。本実施の形態にかかる水平鉛直な土台、柱、梁、貫による一次構造によれば、相当な長さ(延べ長さ)の土台全面で、均等に立体花壇を支えるため、重みが分散されて地面がほとんど凹まない。また、構造的に非常に安定している。また、一次構造や二次構造を構成する木材や小巾板は軽量であるため運搬が容易である。
【0033】
また、前述したように、三次構造を構成する藁は、軽量で散水した水分の分散性が良く、保水力もある。また、下地の不陸を容易に修正でき、かつ、仕上がりの画一性がなくなり造形に表情をもたらすことができる。また、セルトレイの裏面の隙間に水ゴケを詰め込むことにより、保水性が著しく向上する。
【0034】
さらに、藁による三次構造の造形や、セルトレイの取り付けは、経験の乏しい者であっても行うことができる。セルトレイは、電動ドライバーにより90mmの内装パネル用ねじ釘をワッシャーを介して6箇所で取り付ける手法を採用した。これにより、確実に二次構造を構成する小巾板に固定することが可能となる。
【0035】
類型的にみると、一次構造が内骨格、二次構造が外骨格、三次構造が筋肉、四次構造が皮下脂肪、五次構造が皮膚に相当し、人形制作の造形目的において、もっとも適合した断面構成となっている。
【0036】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかる立体花壇の一例を示す正面図である。
【図2】図2(a)、(b)は、それぞれ、図1に示す立体花壇の木造軸組による一次構造の正面図および背面図である。
【図3】図3(a)、(b)は、図1に示す立体花壇の木造軸組による一次構造の右側面図および左側面図である。
【図4】図4(a)、(b)は、それぞれ、柱と貫との結合部の例を示す斜視図および正面図である。
【図5】図5(a)、(b)は、柱と土台との結合部の例を示す斜視図および正面図である。
【図6】図6(a)、(b)は、柱と貫との結合部の他の例を示す斜視図および正面図である。
【図7】図7(a)、(b)は、柱と梁との結合部の例を示す斜視図および正面図である。
【図8】図8は、本実施の形態にかかる二次構造の例を概略的に示す正面図である。
【図9】図9は、本実施の形態にかかる二次構造の例を概略的に示す右側面図である。
【図10】図10は、本実施の形態にかかるセルトレイの一例を示す図である。
【図11】図11(a)、(b)は、適当な形状に切り取られたセルトレイの例を示す図である。
【図12】図12は、本実施の形態にかかるセルトレイの部分断面図であり、裏面の隙間に水ゴケ層が形成された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10 立体花壇
20 一次構造
22 土台
24、26、28 柱
30、32 貫
80 二次構造
81、82、83 小巾板
84、85 桟木
【特許請求の範囲】
【請求項1】
適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールによる木造軸組による一次構造と、
前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板が張られた二次構造と、
前記二次構造を構成する板上に取り付けられた藁材による三次構造と、
前記三次構造の上に、前記板に取り付けられた水ゴケ層と、
前記三次構造或いは前記水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けることにより形成された苗層と、を備えたことを特徴とする立体花壇。
【請求項2】
前記木製モジュールが、格子状に地平面に配置される土台と、土台から直立する柱と、柱と柱とを連結する貫および/または梁と、を有することを特徴とする請求項1に記載の立体花壇。
【請求項3】
前記二次構造の上に、造形の外形に沿った、貫による補助骨格部材が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の立体花壇。
【請求項4】
前記セルトレイの裏面において、隣接する区画の間に形成される隙間に水ゴケが詰め込まれることにより、水ゴケ層および苗層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の立体花壇。
【請求項5】
適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールを組み合わせて、木造軸組による一次構造を形成する工程と、
前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板を張って、二次構造を形成する工程と、
前記二次構造を構成する板上に、藁材を取り付けて、三次構造を形成する工程と、
前記三次構造の上に、水ゴケを前記板に取り付けて、水ゴケ層を形成する工程と、
前記三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けて、苗層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする立体花壇の製造方法。
【請求項6】
前記一次構造を形成する工程において、
格子状に地平面に土台を配置する工程と、
前記土台から直立する柱を立設する工程と、
前記柱と柱とを連結する貫および/または梁を取り付ける工程と、を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記二次構造の上に、造形の外形に沿った、貫による補助骨格部材を形成する工程を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記セルトレイの裏面において、隣接する区画の間に形成される隙間に水ゴケを詰め込むことにより、前記水ゴケ層および苗層を形成する工程とすることを特徴とする請求項5ないし7の何れか一項に記載の方法。
【請求項1】
適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールによる木造軸組による一次構造と、
前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板が張られた二次構造と、
前記二次構造を構成する板上に取り付けられた藁材による三次構造と、
前記三次構造の上に、前記板に取り付けられた水ゴケ層と、
前記三次構造或いは前記水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けることにより形成された苗層と、を備えたことを特徴とする立体花壇。
【請求項2】
前記木製モジュールが、格子状に地平面に配置される土台と、土台から直立する柱と、柱と柱とを連結する貫および/または梁と、を有することを特徴とする請求項1に記載の立体花壇。
【請求項3】
前記二次構造の上に、造形の外形に沿った、貫による補助骨格部材が形成されたことを特徴とする請求項2に記載の立体花壇。
【請求項4】
前記セルトレイの裏面において、隣接する区画の間に形成される隙間に水ゴケが詰め込まれることにより、水ゴケ層および苗層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の立体花壇。
【請求項5】
適当な断面サイズおよび長さを有する複数の木製モジュールを組み合わせて、木造軸組による一次構造を形成する工程と、
前記一次構造を構成する木製モジュール間に、取り付け部材により取り付けられた板を張って、二次構造を形成する工程と、
前記二次構造を構成する板上に、藁材を取り付けて、三次構造を形成する工程と、
前記三次構造の上に、水ゴケを前記板に取り付けて、水ゴケ層を形成する工程と、
前記三次構造或いは水ゴケ層の上に形成された苗層であって、1以上の区画を有し、それぞれの区画に1以上の苗が収容されたセルトレイを、取り付け部材により前記板に取り付けて、苗層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする立体花壇の製造方法。
【請求項6】
前記一次構造を形成する工程において、
格子状に地平面に土台を配置する工程と、
前記土台から直立する柱を立設する工程と、
前記柱と柱とを連結する貫および/または梁を取り付ける工程と、を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記二次構造の上に、造形の外形に沿った、貫による補助骨格部材を形成する工程を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記セルトレイの裏面において、隣接する区画の間に形成される隙間に水ゴケを詰め込むことにより、前記水ゴケ層および苗層を形成する工程とすることを特徴とする請求項5ないし7の何れか一項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【公開番号】特開2007−185144(P2007−185144A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6334(P2006−6334)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(506015557)
【出願人】(506015568)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(506015557)
【出願人】(506015568)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]