説明

立体視用眼鏡

【課題】立体視用眼鏡の無線通信制御のためのバッテリーを省電力化出来る装置を提供する。
【解決手段】立体視用眼鏡は、2枚のレンズ部と、2枚の前記レンズ部を固定するフレーム部と、熱電センサスイッチとを備える立体視用眼鏡において、前記熱電センサスイッチは、前記フレーム部に設けられるとともに、熱電素子を有する熱発電部と、前記熱発電部と電気的に接続するスイッチ制御部と、を備え、前記熱発電部は、前記熱電素子に接続する放熱部及び収熱部を有し、前記放熱部及び前記収熱部の温度差から起電力を発生させ、前記スイッチ制御部は、前記熱発電部と電気的に接続する検出部と、前記検出部と電気的に接続する制御部と、を備え、前記検出部は、前記熱発電部で発生される前記起電力を検出し、送られる前記検出信号に基づいて、前記スイッチ制御部に電気的に接続される装置電源部に制御信号を送り、前記装置電源部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
温度変化を熱電素子の起電力によって検出するとともに、その起電力によって装置、立体視用眼鏡を制御する立体視用眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3D映像表示方式として、左右それぞれの眼に届く映像を高速で交互に映し出し、それに合わせて眼鏡の左右のレンズを開閉させることで立体視を可能にしたアクティブシャッター方式がある。また、このレンズの開閉を効率良く行う方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−3992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この方式の場合、眼鏡の左右のレンズの開閉を交互に映し出される映像と同期させる必要がある。そのため、無線通信の場合、その制御のための電源としてバッテリーが必要となる。また、立体視用眼鏡等の装着、取り外しとは別に、立体視用眼鏡自体の電源の起動、停止を行う必要があり、非常に煩雑である。また、立体視用眼鏡の取り外したときに、立体視用眼鏡の電源を停止し忘れてしまう場合がある。従って、電力を必要以上に消費してしまう問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る立体視用眼鏡は、2枚の前記レンズ部を固定するフレーム部と、熱電センサスイッチとを備える立体視用眼鏡において、前記熱電センサスイッチは、前記フレーム部に設けられるとともに、熱電素子を有する熱発電部と、前記熱発電部と電気的に接続するスイッチ制御部と、を備え、前記熱発電部は、前記熱電素子に接続する放熱部及び収熱部を有し、前記放熱部及び前記収熱部の温度差から起電力を発生させ、前記スイッチ制御部は、前記熱発電部と電気的に接続する検出部と、前記検出部と電気的に接続する制御部と、を備え、前記検出部は、前記熱発電部で発生される前記起電力を検出し、前記制御部へ前記起電力の検出信号を送り、前記制御部は、送られる前記検出信号に基づいて、前記スイッチ制御部に電気的に接続される装置電源部に制御信号を送り、前記装置電源部を制御することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、熱電センサスイッチは熱源の接触、離反を起電力によって検出することができる。これにより、装置電源部を制御することができる。従って、装置電源部を熱源によって制御するため、装置の省電力化を図るとともに、確実に装置を制御することができる。
【0007】
また、立体視用眼鏡は、装置起動時に必ず熱源である頭部に接触するため、熱電センサスイッチを用いた場合、確実に装置を制御することができる。
【0008】
また、前記フレーム部は、2枚の前記レンズ部の外側に配置される2つのテンプル部と、2枚の前記レンズ部の間に配置される鼻掛けパッド部と、で構成され、前記熱発電部は、2つの前記テンプル部のうち少なくとも一方に設けられ、前記収熱部は、前記テンプル部の前記熱源に接する部分に配置され、前記放熱部は、前記テンプル部の前記熱源に接する部分と反対部分に配置されることを特徴とする。
【0009】
これにより、熱源である頭部に収熱部を接触させることができる。また、放熱部が熱源に接触する部分と離れた位置に配置することで、確実に放熱を行うことができる。これにより、熱発電部の熱伝導性を向上することができる。
【0010】
また、前記テンプル部は、前記レンズ部側が直線部で構成されるとともに、端部が屈曲部で構成され、前記収熱部及び前記放熱部は、前記直線部の中心と前記屈曲部との間に配置されることを特徴とする。
【0011】
これにより、収熱部が頭部の近くに配置されるため、人の頭と確実に接触させるとともに、放熱部を人の髪等で隠れることなく確実に露出させることができる。
【0012】
また、前記熱発電部は、前記収熱部の温度が前記放熱部の温度より高くなったとき、プラスの起電力を発生させ、前記収熱部の温度が前記放熱部の温度より低くなったとき、マイナスの起電力を発生させ、前記検出部は、発生された起電力が前記プラスの起電力であるか、前記マイナスの起電力であるかを判断することを特徴とする。
【0013】
また、前記制御部において、前記検出信号が前記プラスの起電力の検出信号のとき、前記制御信号が前記装置電源部を起動させる起動信号であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の熱電センサスイッチは、前記制御部において、前記検出信号が前記マイナスの起電力の検出信号のとき、前記制御信号が前記装置電源部を停止させる停止信号であることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、熱源が接触状態から離反したとき、収熱部と放熱部の熱容量の差から起動時と逆(起動時をプラスとすればマイナス)の起電力を生じる。このように、装着時と非装着時で起電力が反転する。したがって、反転した起電力を検知したときに電源を落とすように制御すれば、非装着時の待機電力をなくすことができる。しかも、この現象はプラスとマイナスという正反対の起電力であるため、誤動作しにくい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、熱電センサスイッチは熱源の接触、離反を起電力によって検出することができる。これにより、装置電源部を制御することができる。従って、装置電源部を熱源によって制御するため、装置の省電力化を図るとともに、確実に装置を制御することができる。また、立体視用眼鏡は、装置起動時に必ず熱源である頭部に接触するため、熱電センサスイッチを用いた場合、確実に装置を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る熱電センサスイッチを示す図である。
【図2】本発明に係る熱電センサスイッチの熱発電部を示す図である。
【図3】熱源の接触、離反に対する起電力の変化と、装置電源部の制御との対応関係を示す図である。
【図4】本発明に係る熱電センサスイッチを備えるヘッドフォンを示す図である。
【図5】本発明に係る熱電センサスイッチを備える別のヘッドフォンを示す図である。
【図6】本発明に係る熱電センサスイッチを備える立体視用眼鏡を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の熱電センサスイッチ10を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る熱電センサスイッチ10を示す図である。
【0019】
本発明に係る熱電センサスイッチ10は、熱電素子を有する熱発電部1と、熱発電部1と電気的に接続し、熱電素子で発生する起電力により装置の装置電源部31を制御するスイッチ制御部20と、を備えている。また、スイッチ制御部20は、熱電素子で発生する起電力を検出する検出部21と、検出部21と電気的に接続し、検出部21及びスイッチ制御部に接続される装置の装置電源部31を制御する制御部22と、を備えている。また、熱電センサスイッチ10は、装置電源部31と電気的に接続している。
【0020】
なお、熱電センサスイッチ10が接続される装置は、熱電センサスイッチ10を内部に備える装置であるが、熱電センサスイッチ10と接続可能な外部装置であってもよい。また、外部装置の場合、無線通信によって熱電センサスイッチ10と接続するものでもよい。すなわち、無線通信送受信器の起動等に関わっていても良い。
【0021】
図2は、熱発電部1を示す図である。
熱発電部1は、熱電素子2と、熱電素子2の一方の面に接続する放熱部3と、熱電素子の一方の面と反対の面に接続する収熱部4と、を備えている。
【0022】
熱電素子2は、2種類の異なる金属または半導体の両端を接合し、両接点を異なる温度にした時に回路に起電力が発生する熱電効果(ゼーベック効果)を有する素子である。熱電素子2は、例えば熱電対で構成される。
【0023】
また、収熱部4は、熱電素子2と接続する側と反対側が、熱源5と接触可能に構成されている。この熱源5が収熱部4に接触したとき、または離反したときに、熱電素子2に起電力が発生する。すなわち、収熱部4に熱源が接触すると、収熱部4の温度が放熱部3の温度より高くなる。これにより、後述するプラスの起電力が発生する。また、収熱部4から熱源が離反すると、後述する起電力が反転する原理により、収熱部4の温度が放熱部3の温度より低くなる。これにより、後述するマイナスの起電力が発生する。
【0024】
ここで、熱電センサスイッチにより、装置電源部31を制御する第一の実施形態を図1、図3を用いて説明する。
【0025】
<第一の実施形態>
図3は、熱発電部1に熱源が接触してから離反するまでの起電力の変化と(図3上部)、起電力の検出信号(図3中部)と、装置電源部31の起動及び停止(図3下部)とを示す図である。
【0026】
起電力の変化を示す図において、横軸が時間、縦軸が起電力である。また、起電力の検出信号を示す図において、横軸が時間、縦軸が検出された信号である。また、装置電源部31の起動及び停止を示す図は、電源の起動期間(図で示すonの期間)、及び停止期間(図で示すoffの期間)を示すものである。また、それぞれの図は、同一の時間変化を示している。
【0027】
<装置電源部31の起動手順>
まず、熱源が熱発電部1に接触する(ステップ1)。これにより、図3で示すaの期間において、プラスの起電力が生じる。
【0028】
続いて、プラスの起電力によって検出部21および制御部22が起動する(ステップ2)。図3の起電力の変化を示す図において、プラスの起電力側に示す横軸方向の点線は、起電力の第一の基準値を示すものである。第一の基準値は、スイッチ制御部20を起動するために必要最低限の電力である。第一の基準値以上のプラスの起電力が発生した場合、検出部21が起動することができる。ここで検出部21はプラスの起電力により起動されるため、図3に示すように、検出部21は、プラスの起電力を検出する。このとき、検出部21は、起電力がプラスかマイナスかを判断している。
【0029】
次に、検出部21は、プラスの起電力の検出信号を制御部22に送る(ステップ3)。
次に、検出部21での検出信号に基づいて、制御部22が装置電源部に制御信号を送る(ステップ4)。このとき、制御信号は、装置電源部を起動させるための起動信号である。これにより、図3に示すように、電源がoffからonに切り替わる。すなわち、装置電源部31の電源が起動開始し、装置が起動する。なお、制御部22から装置電源部へ、制御信号とともに装置を起動するための電力を供給しても良い。
【0030】
なお、ステップ2において、制御部22を起動せず、検出部21から直接装置電源部31に電力を供給することも可能である。検出部21はプラスの起電力により起動する。そのため、検出部21は、この場合、起電力のプラス、又はマイナスを判断する必要がない。よって、ステップ3において、制御部22に検出信号を送らず、検出部21から装置電源部31に直接電力を供給することができる。これにより、スイッチ制御部20の起動に必要な起電力を少なくすることができる。すなわち、第一の基準値を小さくすることができる。
【0031】
また、ステップ1において、熱発電部1から装置電源部31へ直接電力を供給してもよい。この場合、熱発電部1で発生した起電力により装置電源部31を直接起動する。これにより、スイッチ制御部20が起動しないため、さらに第一の基準値を小さくすることができる。
【0032】
装置電源部31の起動期間は、装置電源部31からスイッチ制御部20に電力を供給する。そのため、スイッチ制御部20は、起動状態が継続する。これにより、後述する装置電源部31の停止するときに、新たにスイッチ制御部20を起動させる必要がない。また、この期間では、起電力が緩やかに0の方向へ変化していく。
【0033】
<装置電源部31の停止手順>
まず、熱源が熱発電部1から離反する(ステップ5)。ここで離反とは、熱発電部1から熱源から離れることをいう。このとき、図3で示すbの期間の開始部分のように、起電力が急激にマイナスの方向へ変化する。これにより、マイナスの起電力を生じる。
【0034】
ここで、熱源5が熱発電部1から離反するときに起電力が反転する原理について説明する。
【0035】
まず、図2に示す熱源5が収熱部4から離反する。ここで、放熱部3の熱容量が収熱部4の熱容量より大きくする。又、放熱部3の放熱性能が収熱部4の放熱性能より小さくしてもよい。この場合、熱源5を離反すると、放熱部3と収熱部4との温度の高低が反転する。
これにより、起電力が反転し、マイナスの起電力を発生することができる。
【0036】
なお、起電力の向きは、必ずしもこの通りにならなくても良い。熱源5が収熱部4に接触したときにマイナスの起電力を生じ、熱源5が離反したときにプラスの起電力を生じるようにしても良い。また、必ずしも熱源は相対的に温度の高いものに限られず、相対的に温度の低いものであっても良い。その場合、放熱部が収熱部として機能する。
【0037】
続いて、検出部21がマイナスの起電力を検出する(ステップ6)。ここで、図3の起電力の変化を示す図において、マイナスの起電力側に示す横軸方向の点線は、起電力の第二の基準値を示すものである。第二の基準値は、検出部21がマイナスの起電力を検出するために必要最低限の起電力である。第二の基準値以下のマイナスの起電力が発生した場合、検出部21により検出することができる。ここで、図3に示すように、検出部21は、マイナスの起電力を検出する。このとき、検出部21は、起電力がプラスかマイナスかを判断している。
【0038】
次に、検出部21は、マイナスの起電力の検出信号を制御部22に送る(ステップ7)。
【0039】
次に、検出部21で検出された検出信号に基づいて、制御部22が装置電源部に制御信号を送る(ステップ8)。このとき、制御信号は、装置電源部を停止させるための停止信号である。これにより、図3に示すように、電源がonからoffに切り替わる。すなわち、装置電源部31の電源が停止し、装置が停止する。また、装置停止に伴い、スイッチ制御部に電力が供給されなくなるため、スイッチ制御部が停止する。
【0040】
この構成により、熱電センサスイッチは熱源の接触、離反を起電力によって検出することができる。これにより、装置電源部を制御することができる。従って、装置電源部を熱源によって制御するため、装置の停止、起動を確実に行うことができるため、装置の誤作動を防止することができる。また装置の停止を確実に行うため、省電力化を図ることができる。
【0041】
なお本実施例では、制御信号として停止信号を装置電源部に送っているが、停止信号に限られない。例えば、制御信号は、熱発電部1に接触する熱源が離反したとき、離反したことを知らせる警報信号であってもよい。この場合、装置は、例えば警報機であり、装置電源部に警報信号が送られた場合、装置が警報表示や警報音が生じる警報状態へ移行することができる。また、本実施例と同様に熱発電部1に熱源が接触したときに装置が起動する。これにより、装置が熱源の監視状態に移行する。よって、この場合においても、熱電センサスイッチ10としての機能を発揮することができる。
【0042】
また、本実施例では、熱源が熱発電部1から離反した場合を示したが、必ずしも離反する必要はない。熱源の温度低下によって、図2に示す放熱部3と収熱部4との温度の高低が反転する場合、検出部21はマイナスの起電力を検出することができる。これにより、例えば、装置が警報機の場合、熱源の温度低下したとき、装置を監視状態から警報状態へ移行させることができる。なお、熱源の温度低下により、装置を停止させるものでもよい。
【0043】
また、本実施例において、第一の基準値は、スイッチ制御部20を起動するために必要最低限の電力としたが、スイッチ制御部20を起動できる電力であればよい。具体的には、必要最低限の電力よりも大きい電力を設定する。これにより、装置電源部31の起動誤作動を防止することができる。
【0044】
また、第二の基準値は検出部21がマイナスの起電力を検出するために必要最低限の起電力としたが、検出部21が検出できるマイナスの起電力であればよい。具体的には、必要最低限の電力より、大きいマイナスの起電力を設定しても良い。これにより、装置電源部31の停止又は警報の誤作動を防止することができる。
【0045】
また、本実施例では、図3に示すように、検出部21がプラス又はマイナスの起電力を検出するとほぼ同時に装置電源部31を起動又は停止を行っているが、起電力検出後から一定時間経過後、装置電源部31の起動又は停止を行っても良い。この場合、制御部22は、更に図示しない時間管理タイマ部を有している。
【0046】
まず、第一の基準値よりも大きいプラスの起電力が発生し、検出部21がプラスの起電力を検出する(ステップ2−1)。
この検出と同時に、時間管理タイマ部が時間のカウントをスタートさせる(ステップ2−2)。
【0047】
次に、検出部21によるプラスの起電力の検出が、時間管理タイマ部でカウントした所定時間を越える(ステップ2−3)。なお、所定時間内に、検出部21がプラスの起電力が、第一の基準値より小さくなった場合、時間管理タイマ部は、カウントを0にする。そして、ステップ2−1へ移行する。
【0048】
次に、検出部21は、プラスの起電力の検出信号を制御部22に送る(ステップ3)。
そして、ステップ4を行う。
また、同様に、ステップ6において時間管理タイマ部により検出部21による検出時間を制御することができる。
【0049】
まず、第二の基準値よりも大きいマイナスの起電力が発生し、検出部21がプラスの起電力を検出する(ステップ6−1)。
この検出と同時に、時間管理タイマ部が時間のカウントをスタートさせる(ステップ6−2)。
【0050】
次に、検出部21によるマイナスの起電力の検出が、時間管理タイマ部でカウントした所定時間を越える(ステップ6−3)。なお、所定時間内に、検出部21がマイナスの起電力が、第二の基準値より小さくなった場合、時間管理タイマ部は、カウントを0にする。そして、ステップ6−1へ移行する。
【0051】
次に、検出部21は、マイナスの起電力の検出信号を制御部22に送る(ステップ7)。
そして、ステップ8を行う。
これにより、熱源が熱発電部1から接触及び離反を短時間で繰り返した場合などによる装置電源部31の誤作動を防止することができる。従って、装置電源部31の省電力化を図ることができる。
【0052】
また、熱電センサスイッチにおいて、熱発電部1と検出部21及び制御部22とが、別体で構成されていても良い。このとき、検出部21及び制御部22は、熱発電部1と分離して構成されている。検出部21及び制御部22と、熱発電部1とは、有線で接続されていても、また無線通信により電気的に接続されていてもよい。これにより、熱発電部で構成される部分に、熱電素子を多く配置することができる。また、熱発電部で構成される部分を小型化してもよい。
【0053】
<第二の実施形態>
本実施形態において、第一の実施形態と異なる点は、制御部22が図示しない微分回路部を備える点である。
【0054】
図3のaの期間において、熱源の接触後の起電力は、急激に上昇し、頂点に達した後、緩やかに減少していく。また、図3のbの期間において、熱源の離反後の起電力は、急激に起電力がマイナスの方向へ減少し、その後傾きは緩やかに増加していく。なお、この場合においても、放熱部及び収熱部の温度差により起電力が発生している。
【0055】
以下に本実施形態を説明する。
まず、熱発生部1の収熱部に熱源が接触する(ステップ1)。これにより、熱発電部で起電力が発生する。
【0056】
次に、検出部21が一定時間ごとにプラスの起電力を検出する(ステップ2−1)。この場合、制御部22は、時間管理タイマ部を有している。また、時間管理タイマ部は、一定時間を計測する。これにより、制御部22は、検出部21に対し一定時間ごとに起電力を検出させる。
【0057】
次に、検出部21は、一定時間ごとのプラスの起電力の検出信号を制御部22に送る(ステップ3−11)。
【0058】
次に、制御部22の微分回路部が一定時間ごとの起電力の変化を検出する(ステップ3−12)。このとき、微分回路部は、一定時間ごとに検出部21に起電力を検出させる。これにより、微分回路部は、起電力の変化を検出する。この起電力の変化が図3に示す傾きである。なお、微分回路部が時間管理タイマ部を有していてもよい。
【0059】
つまり、微分回路部を備えることで、熱源が接触した場合、一定時間における一定値以上の起電力の大きな変化を検出する。このとき、検出する変化は、大きな正の傾きである。また、同じ状態が保持された場合は、緩やかな傾きとして検出される。なお、一定値以上の大きな変化は、熱源を熱発電部1から接触、又は離反したときに生じる変化である。
【0060】
次に微分回路部は、一定時間における一定値以上の起電力の変化があるかを判断する(ステップ3−13)。また、このとき、微分回路は、傾きが正であるか負であるかも判断する。
【0061】
そして、ステップ4を行う。また、ステップ3−13で一定値以上の起電力の変化がないと判断した場合は、ステップ3−12を繰り返す。
また、装置電源部31の起動後における緩やかな負の傾きのときは、起動状態を継続する。
また、熱源が離反した場合においても接触した場合と同様の手順で行うことができる。
【0062】
まず、熱発生部1の収熱部に離反が接触する(ステップ5)。これにより、熱発電部で起電力が発生する。
次に、検出部21がステップ2と同様に一定時間ごとのマイナスの起電力を検出する(ステップ6−1)。
次に、検出部21は、一定時間ごとのマイナスの起電力の検出信号を制御部22に送る(ステップ7−11)。
【0063】
次に、制御部22の微分回路部が一定時間ごとの起電力の変化を検出する(ステップ7−12)。
つまり、微分回路部を備えることで、熱源が離反した場合、一定時間における一定値以上の起電力の変化を検出する。このとき、検出する変化は、大きな負の傾きである。
【0064】
次に微分回路部は、一定時間における一定値以上の起電力の変化があるかを判断する(ステップ7−13)。また、このとき、微分回路は、傾きが正であるか負であるかも判断する。
【0065】
そして、ステップ8を行う。また、ステップ7−13で一定値以上の起電力の変化がないと判断した場合は、ステップ7−12を繰り返す。
【0066】
よって、微分回路部を有していることにより、第一の実施形態と同様に装置電源部31の起動又は停止を制御することができる。なお、起電力の変化、すなわち微分回路による傾きの変化があると判断する変化は、例えば5倍以上に設定しておく。これにより、熱源の接触、または離反時に装置を確実に制御することができる。
【0067】
なお、起電力は、必ずしもこの通りにならなくても良い。熱源5が収熱部4に接触したときにマイナスの起電力を生じ、熱源5が離反したときにプラスの起電力を生じるようにしても良い。その場合、起電力が逆転し、検出する傾きの正負が逆転する。また、必ずしも熱源は相対的に温度の高いものに限られず、相対的に温度の低いものであっても良い。その場合、放熱部が収熱部として機能する。
【0068】
この構成により、起電力の変化を検出することができる。そのため、起電力の正負が熱源の接触、離反で逆転しないような場合でも、起電力の変化により確実に装置電源部を制御することができる。例えば、熱源の接触、離反を短時間で繰り返し行う場合など非常に有効である。
【0069】
また、時間管理タイマ部により、以下のように装置電源部31を制御してもよい。
まずステップ7−12まで同様に行う。
次に、熱源の離反による大きな負の傾きを検出したとき、検出部21、制御回路22が起動した待機状態とする(ステップ7−23)。
【0070】
この検出と同時に、時間管理タイマ部の時間のカウントをスタートさせる(ステップ7−24)。
【0071】
次に、時間管理タイマ部が所定時間を計測し、所定時間内検出部により起電力を検出し、所定時間内に正の傾きが検出されなければ、制御部22が装置電源部31へ停止する停止信号(制御信号)を送る(ステップ8)。この所定時間は、一定時間と同一の時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。すなわち、ステップ8に移行する場合、所定時間内の起電力の正負が同一である。
【0072】
また、正の傾きが検出された場合、ステップ7−12へ移行する。この場合、検出部21で起電力がマイナスの起電力ではなくプラスの起電力を所定時間内に検出する。すなわち、所定時間内に逆の起電力を検出したときは、ステップ7−12に移行する。
【0073】
なお、検出部21及び制御部22を最初に起動する時は、図3に示すように、熱発電部1の大きな起電力によって電力がまかなわれるので、必ずしもその傾きを検出する必要は無い。
【0074】
本実施形態において、熱源離反による大きな負の傾きを検出した後、一時、待機状態と設定している。熱源離反直後に温度の高くない熱源(例えば、体温程度)が再び接触した場合、起動のための十分な起電力が得られない可能性が高い。
【0075】
そこで、時間管理タイマ部により、所定時間計測することで、その間に熱発電部1が放熱する。これにより、熱発電部1に発電のための十分な起電力を発生できる温度差が確保される。
【0076】
また、所定時間内に大きな正の傾きが検出されたときは、装置電源部31の起動状態を継続するように設定してもよい。これにより、装置電源部31の誤作動を防止することができる。この待機状態は、人体に装着する装置であれば、5秒程度で良い。
【0077】
この構成により、装置電源部の起動に必要な収熱部および放熱部の温度変化、すなわち起電力変化による応答速度の課題を解決することができる。したがって、熱源が一瞬だけ接触し、すぐに離反した場合、起動状態が継続されることを防止することができる。また、熱源の離反によって電源を落とした後、すぐに接触した場合、起動しなくなることを防止することができる。
【0078】
また、この熱電センサスイッチ10は、各種の装置に搭載することができる。また、例えば熱電センサスイッチ10は、無線センサノードに搭載することができる。これにより、例えば人体に装着されて生体情報の検出結果を無線送信する装置や、例えば各種の装置に装着されて装置の状態の検出結果を無線送信する装置に用いることができる。
【0079】
ここで例えば、上記のように警報装置とすれば、体温などの生体情報の検出結果を無線送信することができる。
【0080】
なお、本実施形態において、さらに、第一の実施形態と同様に検出部21が、発生された起電力がプラスの起電力であるか、マイナスの起電力であるかを判断するように設定されてもよい。この場合、制御部22は、起電力が一定値以上変化したとき、及びプラスの起電力の検出信号のとき、装置電源部31を起動させる起動信号を制御信号として送信する。また、制御部22は、起電力が一定値以上変化したとき、及びマイナスの起電力の検出信号のとき、装置電源部31を停止させる停止信号を制御信号として送信する。
また、熱電センサスイッチは、以下に示す装置に用いることができる。
【0081】
<ヘッドフォン>
熱電センサスイッチにより制御されるヘッドフォンについて図4、図5を用いて説明する。
【0082】
図4は、熱電センサスイッチ10を備える第一の実施形態に係るヘッドフォン100を示す図である。ここで、本発明におけるヘッドフォンは、再生装置や受信器から出力された電気信号を、耳に接近したスピーカー部を用いて音波に変換する装置であり、図5に示すイヤフォン型も含むものとする。
【0083】
図4(a)は一方のスピーカー部101の耳(熱源)に接触する側(内側)から見た図であり、図4(b)は、図4(a)と反対側(外側)から見た図である。
【0084】
図4において、ヘッドフォン100は、音を発生する2つのスピーカー部101と、2つのスピーカー部101を連結する連結部102を備えている。また、このヘッドフォン100は、熱電センサスイッチを有している。
【0085】
図4において、熱電センサスイッチの熱発電部が、一方のスピーカー部101に設けられている。熱発電部をスピーカー部101に設ける場合、図4のように、熱発電部の収熱部14をスピーカー部101の耳に接触する側に配している。また、放熱部13をスピーカー部101の耳に接触する側と反対側と接続する連結部102に配している。
【0086】
また、この場合、制御する装置はヘッドフォン本体であってもよいし、ヘッドフォンが接続する再生装置等であってもよい。
また、本実施形態において、スイッチ制御部は、スピーカー部101、連結部102のいずれに備えていても良い。いずれの位置にあっても、熱電センサスイッチの機能を発揮することができる。
【0087】
例えば、制御する装置が再生装置等の場合、スイッチ制御部は、再生装置等に接続するコード(図示しない)が接続する部分に設けることができる。コードが接続する部分が、例えば一方のスピーカー部101である場合、一方のスピーカー部101にスイッチ制御部を設ける。このため、検出した起電力の検出信号を早く再生装置の装置電源部に送ることができる。これにより、無駄な電力の発生を防止することができる。なお、制御する装置がヘッドフォンの場合、スイッチ制御部はヘッドフォンの装置電源部の近くに設けることが好ましい。これにより、検出した起電力の検出信号を早く再生装置の装置電源部に送ることができる。
【0088】
このとき、収熱部14及び放熱部13は必ずしもスピーカー部101の表面に露出している必要は無い。この場合、熱が伝わりやすい構造であれば良い。すなわち、収熱部14は、体温を感知しやすい構造となっていれば良く、放熱部13は、熱を放出しやすい構成であれば良い。例えば、スピーカー部101の外側部分又は連結部102を熱伝導の良い材料で形成する。このとき、放熱部13とスピーカー部101の外側部分又は連結部102とを接続し、スピーカー部101の外側部分により放熱する。また、スピーカー部101の外側部分を放熱部としてもよい。すなわち熱電素子とスピーカー部101とが直接接続する構造となる。
【0089】
また、スピーカー部101の内側部分についても同様の構成とすることで、熱が熱発電部の収熱部14に伝導しやすくすることができる。
【0090】
また、熱発電部を組込むスピーカー部101は、一方でも良いし、両方にあっても良い。両方にあれば、熱電素子を小さくしても電力を大きく取ることができる。また、2つの熱発電部からの起電力の検出を検出部で行い、制御部でその起電力の平均値又は相関関係を計測することができる。この場合、スピーカー部101のズレによる変化が小さく、誤作動を防ぐことができる。ただし、このとき、2つの収熱部14及び2つの放熱部13は熱的に独立していなければならない。
【0091】
また、本実施形態において、収熱部14がスピーカー部101の連結部102側、放熱部13が連結部102に設けられているが、必ずしもその必要はない。例えば、収熱部14の位置がスピーカー部101の中央部にあってもよい。この場合、耳(熱源)が確実に接触することができるため、確実に起電力を発生させることができる。また、この構成により、収熱部14を設けるための面積が必要なくなるため、小型化が図れる。なお、本実施形態の位置に収熱部14及び放熱部13を配することにより、スピーカー部からの楽音の発生を妨げることなく、熱発電を行うことができる。なお、収熱部14は、耳と接触する位置に設ける必要があるため、スピーカー部に設けることが好ましい。
【0092】
また、放熱部13は、連結部102ではなくスピーカー部101の外側に設けられていてもよい。スピーカー部101の方が連結部102より面積が大きいため、放熱効率を向上することができる。
【0093】
また、熱電センサスイッチにおいて、熱発電部1と検出部21及び制御部22とが、別体で構成されていても良い。このとき、検出部21及び制御部22は、熱発電部1と分離して構成されている。検出部21及び制御部22と、熱発電部1とは、有線で接続されていても、また無線通信により電気的に接続されていてもよい。これにより、熱発電部で構成される部分に、熱電素子を多く配置することができる。また、熱発電部で構成される部分を小型化してもよい。
【0094】
また、熱電センサスイッチは、ワイヤレスヘッドフォンの無線送受信器の起動/終了の制御を行うものであっても良い。
さらに、この実施例は両耳につけるヘッドフォンだけでなく、片耳につけるものや補聴器等に適用されても良い。これにより補聴器の装置電源部を制御することができる。すなわち、このときヘッドフォン自体が装置となる。
【0095】
図5は、熱電センサスイッチ10を備える第二の実施形態に係るヘッドフォン200を示す図である。図5(a)は一方のスピーカー部101の耳(熱源)に接触する側(内側)から見た図であり、図5(b)は、図5(a)と反対側(外側)から見た図である。
【0096】
第二の実施形態において、第一の実施形態と異なる点は、ヘッドフォンがイヤフォン型である点で異なる。なお、第1実施形態と同様の構成になる部分については、その詳細な説明を省略する。
【0097】
本実施形態において、スピーカー部201は、耳(熱源)に挿入される。そのため、図5に示すように、放熱部23は、スピーカー部201の外側部分の中央部に設けることが好ましい。これにより、スピーカー部201を耳に挿入した場合においても、常に露出させておくことができる。なお、放熱部23は、スピーカー部201を耳に挿入時、露出する部分に設けられていればよい。
【0098】
また、スピーカー部201は、耳に挿入されるため、内側と外側の間に位置する側面も耳に接触する。このため、収熱部24は、スピーカー部201の側面に設けられていてもよい。これにより、スピーカー部201の内側に収熱部24を形成する領域を設けなくてもよいため、小型化を図れる。また、スピーカー部からの楽音の発生を妨げることなく、熱発電を行うことができる。
【0099】
また、本実施形態において、収熱部24及び放熱部23はスピーカー部に設けられる。収熱部24及び放熱部23は連結部202に設けることが難しいためである。
【0100】
<立体視用眼鏡>
熱電センサスイッチにより制御される立体視用眼鏡について図6を用いて説明する。
図6は、熱電センサスイッチを備える立体視用眼鏡300を示す図である。
図6(a)は、一方のテンプル301の頭と接する側(内側)から見た図であり、図(b)は、一方のテンプル301の頭と接する側と反対側(外側)から見た図である。
【0101】
図6において、立体視用眼鏡300は、頭部に固定するフレーム部と、フレーム部に固定される2枚のレンズ部と、で構成されている。また、この立体視用眼鏡300は、熱電センサスイッチを有している。また、フレーム部は、耳に掛ける2つのテンプル部301と、2枚のレンズ部の間に配置され、鼻に掛ける鼻パッド部302を備えている。また、この立体視用眼鏡300は、熱電センサスイッチを有している。
【0102】
また、テンプル部301は、耳に掛けるためにレンズ部側が直線部で構成され、テンプル部301の端部が屈曲部で構成されている。
【0103】
図6において、熱電センサスイッチの熱発電部が、一方のテンプル部301に設けられている。熱発電部をテンプル部301に設ける場合、図6のように、熱発電部の収熱部34をテンプル部301の内側に配している。また、放熱部33をテンプル部301の外側に配している。
【0104】
また、この場合、制御する装置は立体視用眼鏡300本体であってもよいし、立体視用眼鏡300が通信するする立体視用テレビなどの立体視用動画再生装置等であってもよい。この場合、立体視用動画再生装置の制御は、無線送受信によって行われる。
【0105】
また、本実施形態において、スイッチ制御部は、テンプル部301、レンズ部、鼻掛けパッド部302のいずれに備えていても良い。いずれの位置にあっても、熱電センサスイッチの機能を発揮することができる。
【0106】
このとき、収熱部34及び放熱部33は必ずしも露出している必要は無い。この場合、熱が伝わりやすい構造であれば良い。すなわち、収熱部34は、体温を感知しやすい構造となっていれば良く、放熱部33は、熱を放出しやすい構成であれば良い。例えば、テンプル部301の外側部分を熱伝導の良い材料で形成する。このとき、放熱部33とテンプル部301の外側部分とを接続し、テンプル部301の外側部分により放熱する。また、テンプル部301の外側部分を放熱部としてもよい。すなわち熱電素子とテンプル部301とが直接接続する構造となる。
【0107】
また、テンプル部301の内側部分についても同様の構成とすることで、熱が熱発電部の収熱部34に伝導しやすくすることができる。
【0108】
また、熱発電部を組込むテンプル部301は、一方でも良いし、両方にあっても良い。両方にあれば、熱電素子を小さくしても電力を大きく取ることができる。また、2つの熱発電部からの起電力の検出を検出部で行い、制御部でその起電力の平均値又は相関関係を計測することができる。この場合、テンプル部301のズレによる変化が小さく、誤作動を防ぐことができる。ただし、このとき、2つの収熱部34及び2つの放熱部33は熱的に独立していなければならない。また、さらに、後述する鼻掛けパッド部にも収熱部34及び放熱部33が設けられていてもよい。
【0109】
また、本実施形態において、収熱部34及び放熱部33がテンプル部301の直線部に設けられているが、必ずしもその必要はない。例えば、収熱部14の位置がテンプル部301の屈曲部にあってもよい。この場合、耳(熱源)が確実に接触することができるため、確実に起電力を発生させることができる。なお、放熱部33は、屈曲部にある場合は、人の髪等で隠れない位置に備える必要がある。
【0110】
本実施形態のようにテンプル部301の直線部に収熱部34及び放熱部33を配することにより、収熱部34を人の頭と接触させるとともに、放熱部33を人の髪等で隠れることなく露出させることができる。また、収熱部34及び放熱部33は、テンプル部301の直線部の中心と屈曲部との間にあることが好ましい。これにより、収熱部34が耳の近くに配置されるため、人の頭と確実に接触させるとともに、放熱部33を人の髪等で隠れることなく確実に露出させることができる。
【0111】
また、収熱部34及び放熱部33は、鼻掛けパッド部302に設けられてもよい。すなわち、収熱部34は鼻(熱源)と接する側(内側)に設けられ、放熱部33は鼻と接する側と反対側(外側)に設けられる。これにより、収熱部34を鼻と接触させるとともに、放熱部33を確実に露出させることができる。
【符号の説明】
【0112】
1 熱発電部
2 熱電素子
3、13、23、33 放熱部
4、14、24、34 収熱部
5 熱源
10 熱電センサスイッチ
20 スイッチ制御部
21 検出部
22 制御部
31 装置電源部
100、200 ヘッドフォン
101、201 スピーカー部
102、202 連結部
300 立体視用眼鏡
301 テンプル部
302 鼻掛けパッド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚のレンズ部と、2枚の前記レンズ部を固定するフレーム部と、熱電センサスイッチとを備える立体視用眼鏡において、
前記熱電センサスイッチは、前記フレーム部に設けられるとともに、熱電素子を有する熱発電部と、前記熱発電部と電気的に接続するスイッチ制御部と、を備え、
前記熱発電部は、前記熱電素子に接続する放熱部及び収熱部を有し、前記放熱部及び前記収熱部の温度差から起電力を発生させ、
前記スイッチ制御部は、前記熱発電部と電気的に接続する検出部と、前記検出部と電気的に接続する制御部と、を備え、
前記検出部は、前記熱発電部で発生される前記起電力を検出し、前記制御部へ前記起電力の検出信号を送り、
前記制御部は、送られる前記検出信号に基づいて、前記スイッチ制御部に電気的に接続される装置電源部に制御信号を送り、前記装置電源部を制御することを特徴とする立体視用眼鏡。
【請求項2】
前記フレーム部は、2枚の前記レンズ部の外側に配置される2つのテンプル部と、2枚の前記レンズ部の間に配置される鼻掛けパッド部と、で構成され、
前記熱発電部は、2つの前記テンプル部のうち少なくとも一方に設けられ、
前記収熱部は、前記テンプル部の前記熱源に接する部分に配置され、
前記放熱部は、前記テンプル部の前記熱源に接する部分と反対部分に配置されることを特徴とする請求項1に記載の立体視用眼鏡。
【請求項3】
前記テンプル部は、前記レンズ部側が直線部で構成されるとともに、端部が屈曲部で構成され、
前記収熱部及び前記放熱部は、前記直線部の中心と前記屈曲部との間に配置されることを特徴とする請求項2に記載の立体視用眼鏡。
【請求項4】
前記熱電センサスイッチにおいて、前記熱発電部は、前記収熱部の温度が前記放熱部の温度より高くなったとき、プラスの起電力を発生させ、前記収熱部の温度が前記放熱部の温度より低くなったとき、マイナスの起電力を発生させ、
前記検出部は、発生された起電力が前記プラスの起電力であるか、前記マイナスの起電力であるかを判断することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の立体視用眼鏡。
【請求項5】
前記制御部において、前記検出信号が前記プラスの起電力の検出信号のとき、前記制御信号が前記装置電源部を起動させる起動信号であることを特徴とする請求項4に記載の立体視用眼鏡。
【請求項6】
前記制御部において、前記検出信号が前記マイナスの起電力の検出信号のとき、前記制御信号が前記装置電源部を停止させる停止信号であることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の立体視用眼鏡。
【請求項7】
前記制御部は、微分回路部を備えており、
前記検出部は、一定時間ごとに前記起電力を検出し、前記制御部へ前記起電力の検出信号を送り、
前記微分回路部は、一定時間ごとに送られてくる前記検出信号に基づいて、一定時間ごとの前記起電力の変化を検出し、
前記制御部は、前記起電力が一定値以上変化したとき、前記装置電源部に前記制御信号を送ることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の立体視用眼鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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