立管路構造及び管継手
【課題】立管路の途中に組み込む管継手の分岐管部を介して立管路への点検用又は清掃用線条具を挿入する状態で、挿脱動作状態にある線条具により管継手内のコーナ部が傷つけられることなく管継手の耐久性を低下させることがない立管路構造及び管継手を提供する。
【解決手段】立管路の途中に組み込む管継手3は、立管部30と、立管部30の側壁から分岐する分岐管部33と、分岐管部33を介して挿入した点検用又は清掃用の線条具6を管継手3の立管部30と分岐管部33との間のコーナ部32に接触させないための線条具ガイド機構1とを備える。
【解決手段】立管路の途中に組み込む管継手3は、立管部30と、立管部30の側壁から分岐する分岐管部33と、分岐管部33を介して挿入した点検用又は清掃用の線条具6を管継手3の立管部30と分岐管部33との間のコーナ部32に接触させないための線条具ガイド機構1とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立管路の途中に立管路の一部を形成する立管部と、立管部の側壁から分岐する分岐管部とを有する管継手を組み込むことにより、分岐管部を介して立管路への点検用又は清掃用線条具を挿入可能とする立管路構造及び管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅及びオフィスビルなどの多層階建造物の管路構造は、各階及び地面下に設けられた横管路と、最上階から地面下に向けて設けられた立管路とからなり、各階の排水を横管路から立管路へと流し、立管路から地面下の横管路に流下させて外部に排出する。
【0003】
図11は従来の立管路構造を示す一部を切り欠いた側面図である。図11に示すとおり、従来の立管路構造は、上流側の立て管A1と、下流側の立て管A2と、横管Dとを連結するために、管継手Cが管路の途中に組み込まれている。
【0004】
ところで、排水が流れる管路は、水詰まりが発生しないように内部を清掃する必要があるため、管継手Cの側壁から分岐する分岐管部C1を、横管Dの接続に用いるのでなく、清掃器具付きワイヤ又はファイバースコープなどの線条具Eの挿入する掃除口Dとして利用する清掃方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−286187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、先に提案された清掃方法を実施する場合、例えば、掃除口Dから挿入された線条具Eが自重により重力方向に撓み変形して分岐管部C1と下流側の立て管A2との間のコーナ部C2に接触する場合があり、更に作業員による挿脱動作によりコーナ部C2に水漏れを起こすような傷を付けるおそれがある。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、立管路への挿脱動作状態にある線条具を管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド機構を設けることにより、挿脱動作状態にある線条具によりコーナ部が傷つけられることなく管継手の耐久性を低下させることがない立管路構造及び管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る立管路構造は、立管路の途中に立管路の一部を形成する立管部と、該立管部の側壁から分岐する分岐管部とを有する管継手を組み込むことにより、前記分岐管部を介して立管路への点検用又は清掃用線条具を挿入可能とする立管路構造において、前記立管路への挿脱動作状態にある前記線条具を前記管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド機構が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る管継手は、立管路の一部を形成する立管部と、該立管部の側壁から分岐して立管部への点検用又は清掃用線条具の挿入口となる分岐管部と、該分岐管部の開放端を閉鎖するキャップとを有する管継手であって、前記キャップは、前記分岐管部の開放端を閉鎖するキャップ本体と、一端開口が前記キャップ本体から前記分岐管部内に臨むとともに他端開口が外部に臨み、前記他端開口から挿入されて前記立管路への挿脱動作状態にある前記線条具を前記管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド筒部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る立管路構造及び管継手にあっては、線条具ガイド機構が設けられることにより、挿脱動作状態にある線条具をコーナ部に接触させないように規制案内する。
【0011】
また、本発明に係る立管路構造は、前記線条具ガイド機構が、前記管継手の分岐管部の開口を閉鎖するキャップ部と、一端開口が前記キャップ部から分岐管部内に臨み、他端開口が外部に臨む線条具ガイド筒部とを備える構造であってもよい。
【0012】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド機構のキャップ部が分岐管部の開口を閉鎖しているので、上述の作用に加え、線条具の挿入時に、立管路を流下する排水が分岐管部の開口から漏れ出ることを抑える。作業員は、上層階の住人に水の使用を中止させることなく排水が流れた状態で管路を清掃することができる。また、本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド機構が、一端開口が分岐管部内に臨み、他端開口が外部に臨む線条具ガイド筒部を備えるので、挿脱動作状態にある線条具をコーナ部に接触させないように規制案内する。
【0013】
また、本発明に係る立管路構造は、前記線条具ガイド筒部が、他端開口がキャップ部の中心より高い位置に設けられている構造であってもよい。
【0014】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド筒部の開口がキャップ部の中心より高い位置に設けられているので、線条具ガイド筒部の開口に挿入された線条具をコーナ部より上方に離れた位置で規制案内し、規制案内後に重力方向に撓み始める線条具をコーナ部に接触させないようにする。
【0015】
また、本発明に係る立管路構造は、前記線条具ガイド筒部が、前記キャップ部から外部に突出する突出部を備え、該突出部は、上向きに湾曲している構造であってもよい。
【0016】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド筒部が上向きに湾曲しているので、上述の作用に加え、線条具の挿入時に、立管路を流下する排水が線条具ガイド筒部の開口から漏れ出ることを抑える。また、作業者による線条具の挿入操作を容易にする。
【0017】
また、本発明に係る立管路構造は、前記キャップ部及び線条具ガイド筒部を有するキャップ部材が、前記分岐管部から着脱可能な構造であってもよい。
【0018】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド機構が分岐管部から着脱自在であるので、線条具ガイド筒部の開口から挿入することができない大型物については、線条具ガイド機構が取り外された分岐管部の開口から挿入させる。
【0019】
本発明に係る立管路構造は、前記分岐管部が、管端部内周面に雌ねじが形成され、前記キャップ部材が、キャップ部に前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成されている構造であってもよい。
【0020】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド機構が分岐管部にねじ込むようにされているので、線条具ガイド機構の着脱をドライバなどの工具を用いることなく素手で実行させることができる。
【0021】
本発明に係る立管路構造は、前記線条具ガイド筒部が、他端開口を閉鎖するための蓋を着脱自在に設けてある構造であってもよい。
【0022】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド筒部を蓋で閉鎖することにより、線条具の挿入時以外のとき、線条具ガイド筒部への不純物の侵入を防ぐ。
【0023】
本発明に係る立管路構造は、前記管継手が、前記立管部の端部に前記立管路となる立て管の受け口が形成され、前記受け口には、前記立て管の伸縮による応力を吸収するための伸縮処理部材が設けられている構造であってもよい。
【0024】
本発明に係る立管路構造にあっては、立て管の伸縮により立て管に伝わる力を伸縮処理部材で吸収し、立て管の破損を防ぐ。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る立管路構造は、立管路へ挿入されて挿脱動作状態にある線条具により、コーナ部が傷つけられることを防止することができ、管継手の耐久性を低下させることがないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る立管路構造を示す一部を切り欠いた側面図である。
【図2】本発明に係る管継手を示す側面視断面図である。
【図3】本発明に係る線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図4】図3とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図5】図3及び図4とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図6】図3乃至図5とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図7】図3乃至図6とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図8】本発明に係る管継手を横管路の途中に組み込む例を示す図である。
【図9】本発明に係る管継手に伸縮処理部材を取り付ける例を示す斜視図である。
【図10】図3乃至図7とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は断面を含む側面図を示す。
【図11】従来の立管路構造を示す一部を切り欠いた側面図である。
【図12】従来の管継手を横管路の途中に組み込む例を示す図である。
【図13】従来の立管路構造において、立て管の線膨張を吸収するための差込ソケットを取り付ける例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施の形態1.
本発明に係る立管路構造及び管継手を本実施の形態を示す図に基づいて以下説明する。図1は本発明に係る立管路構造を示す一部を切り欠いた側面図、図2は本発明に係る管継手を示す側面視断面図、図3は本発明に係る線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。なお、本実施の形態では、1つの階層に設置された立管路構造を説明する。
【0028】
図に示すとおり、立管路構造は、少なくとも、線条具ガイド機構1、掃除口2、管継手3及び立て管4を備え、これらは、塩化ビニール又はオレフィン系などの可撓性素材で成型されている。
【0029】
管継手3は、立管部30、受口部31、コーナ部32及び分岐管部33を備える。立管部30は、略円筒状をなし、その上下端から僅かに外側にずれた位置から壁が延びて立管部30の内径より大径の受口部31が形成されている。分岐管部33は、立管部30の側壁から立管部30の軸心方向に対して直交する方向に突出している。分岐管部33と下流側の受口部31管路との境目には、L字形のコーナ部32が形成されている。
【0030】
掃除口2は、分岐管部33の内径と略同径の円筒であり、端部の内周面に雌ねじ20が形成されている。
【0031】
線条具ガイド機構1は、キャップ部10、線条具ガイド筒部11、突出部12、雄ねじ13、リブ14、リブ溝15及び雌ねじ16を備える。
【0032】
キャップ部10は、掃除口2の口径より大径の円板状をなし、円板の外周縁部から背面(掃除口2に取り付けられた状態で掃除口2と対向する面をいう、以下同じ。)側に折れ曲がってリブ14を形成している。キャップ部10の背面には、環状リブが設けられ、環状リブの外周とリブ14の内周との間にリブ溝15が形成されている。環状リブは、外径が掃除口2の口径と略同径であり、リブ14との対向面に雄ねじ13が形成されている。
【0033】
線条具ガイド筒部11は、線条具ガイド機構1が掃除口2に取りつけられた状態で、キャップ部10の背面から延び出て一端開口が分岐管部33の管路付近に臨み、キャップ部10の正面(背面の裏面をいう、以下同じ。)から突出して他端開口が外部に臨む。以下、キャップ部10から突出する箇所を突出部12といい、他端開口を突出部12の開口という。
【0034】
突出部12は、キャップ部10の外周縁に向かって湾曲している。突出部12の開口は、掃除口2の口径より小径であり、且つ、キャップ部10の中心から偏心する位置に設けられている。また、突出部12は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成されている。
【0035】
このように、立管路構造は、複数の部材により構成されている。
ここで、複数の部材を用いて立管路構造を施工する方法について説明する。図1及び図2に示すとおり、管継手3は、立管路の途中に組み込まれる場合、受口部31が上下に開口し、分岐管部33が水平方向に開口するように設置される。
【0036】
管継手3は、上方の受口部31に上流側の立て管40の端部が、下方の受口部31に下流側の立て管41の端部がそれぞれ嵌め込まれ、嵌め込まれた立て管4の端縁が立管部30の上端又は下端に当接することにより、立て管40又は立て管41を定位置に固定する。
【0037】
また、管継手3は、分岐管部33に掃除口2の端部が嵌め込まれて接着固定され、固定された掃除口2は、先端部に線条具ガイド機構1がねじ込まれる。ねじ込まれた線条具ガイド機構1は、リブ溝15が掃除口2の先端に当接することにより、線条具ガイド筒部11の突出部12が斜め上方に湾曲するとともに、突出部12の開口がキャップ部10の中心より高い位置となる定位置に固定される。突出部12の開口は、着脱可能な閉鎖蓋16aにより閉鎖される。
【0038】
このように施工された立管路構造は、以下のように使用される。
図1に示すとおり、突出部12の開口は、閉止蓋16aが取り外されて開放状態となり、線条具6が挿入される。挿入された線条具6は、線条具ガイド筒部11により規制案内されながら、線条具ガイド筒部11の一端開口に向かって進行する。なお、線条具6は、例えば、清掃器具付きワイヤ又はファイバースコープなど、細長い線をなし、力によって何れかの方向に撓む可撓性を有する器具を指す。
【0039】
線条具6は、線条具ガイド筒部11の一端開口を抜け出たとき、線条具ガイド筒部11による規制案内から解放され、自重によって重力方向に撓み変形を開始する。撓み変形を開始した線条具6は、下流側の立て管41の管路に向かって落下する。立て管41の管路にある線条具6は、作業員の操作により挿脱動作状態となり、立て管41の内周面に付着した付着物を除去する。
【0040】
このように使用される立管路構造は、以下の作用効果を奏する。
突出部12の開口は、掃除口2の口径より小径であるから、開放状態となっても、掃除口2が全開状態となる場合に比べて、立て管4を流下する排水が漏れ難くなる。
【0041】
また、突出部12の開口は、キャップ部10の中心より高い位置に設けられているので、突出部12の開口に挿入された線条具6をコーナ部32より高い位置で規制案内し、規制案内後に重力方向に撓み始める線条具6をコーナ部32に接触させないようにする。線条具6は、挿脱動作状態となっても、コーナ部32を削り取って管継手3の耐久性を低下させることがない。
【0042】
また、突出部12は、上向きに湾曲しているので、線条具6の挿入操作を容易にするとともに、開口が開放状態となっても、立て管4を流下する排水が漏れ難くなる。
【0043】
また、閉鎖蓋16a及び線条具ガイド機構1は、ねじ構造を備え、着脱が容易であるから、例えば、線条具6を挿入する場合には閉鎖蓋16aが取り外され、線条具6より大型のものを挿入する場合には線条具ガイド機構1が取り外されて掃除口2を全開状態にすることができる。
【0044】
なお、本発明に係る線条具ガイド筒部11は、上述した形状に限定されるものでなく、撓み変形する線条具6を管継手3のコーナ部32に接触させることがないように規制案内することができる形態であるならば、以下の形状であってもよい。
【0045】
実施例1.
図4は図3とは異なる形状の線条具ガイド機構1を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。図4に示すとおり、線条具ガイド筒部11は、キャップ部10が掃除口2に取りつけられた状態で、一端開口がキャップ部10の背面から分岐管部33の管路に向かって臨み、キャップ部10の正面から突出部12が突出し、突出部12の開口が外部に臨んでいる。
【0046】
突出部12は、掃除口2に取り付けられた状態で、斜め上方に湾曲するとともに、開口がキャップ部10の中心より高い位置となるように設けられている。突出部12は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成され、閉鎖蓋16aがねじ込まれる。
【0047】
なお、その他の箇所については、図3で示す線条具ガイド機構1と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
実施例2.
図5は図3及び図4とは異なる形状の線条具ガイド機構1の構成を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。図5に示すとおり、線条具ガイド筒部11は、線条具ガイド機構1が掃除口2に取り付けられた状態で、一端開口がキャップ部10の背面から分岐管部33の管路に向かって臨み、キャップ部10の正面から堰部17が僅かに突出し、堰部17の開口(他端開口)が外部に臨む。
【0049】
堰部17の開口は、掃除口2の口径より小径であって、キャップ部10の中心から偏心する位置に取り付けられ、掃除口12に取り付けられた状態で、開口がキャップ部10の中心より高い位置となる。堰部17は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成され、閉鎖蓋16aがねじ込まれる。
【0050】
なお、その他の箇所については、図3で示す線条具ガイド機構1と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
実施例3.
図6は図3乃至図5とは異なる形状の線条具ガイド機構1の構成を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。図6に示すとおり、線条具ガイド筒部11は、線条具ガイド機構1が掃除口2に取り付けられた状態で、一端開口がキャップ部10の背面から分岐管部33の管路に向かって臨み、キャップ部10の正面から堰部17が僅かに突出し、堰部17の開口(他端開口)が外部に臨む。
【0052】
堰部17の開口は、掃除口2の口径より小径であって、キャップ部10の中心から偏心する位置に取り付けられ、掃除口12に取り付けられた状態で、開口がキャップ部10の中心より高い位置となる。堰部17は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成され、閉鎖蓋16aがねじ込まれる。また、堰部17は、開口付近の下側の肉厚が他の箇所に比べて厚めになっている。
【0053】
なお、その他の箇所については、図3で示す線条具ガイド機構1と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
実施例4.
図7は図3乃至図6とは異なる形状の線条具ガイド機構1の内容を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。図7に示すとおり、線条具ガイド筒部11は、線条具ガイド機構1が掃除口2に取り付けられた状態で、一端開口がキャップ部10の背面から分岐管部33の管路に向かって臨み、キャップ部10の正面から堰部17が僅かに突出し、堰部17の開口(他端開口)が外部に臨む。
【0055】
堰部17の開口は、掃除口2の口径より小径であって、キャップ部10の中心から偏心する位置に取り付けられ、掃除口12に取り付けられた状態で、開口がキャップ部10の中心より高い位置となる。堰部17は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成され、閉鎖蓋16aがねじ込まれる。また、堰部17は、開口付近の下側が硬質な補強材18により補強されている。
【0056】
なお、その他の箇所については、図3で示す線条具ガイド機構1と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0057】
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、管継手3を立管路の途中に組み込む一例を示したが、本発明は、それに限定されるものでなく、管継手3を横管路の途中に組み込むことが想定されている。
【0058】
図12は従来の管継手Cを横管路の途中に組み込む例を示す図である。図12に示すとおり、従来の管路構造において、管継手Cは、横管Bの管路を流れる排水がこぼれ出ることがないように分岐管部C1の開口が上向きに設置されている。従って、管継手Cと地面Gとの間に線条具の挿入作業空間(図中、点線で囲まれた空間を指す。)を確保することができない場合、管継手Cの設置場所を変更するか、地面Gに点検口を開けるか、などの措置が必要となる。
【0059】
図8は本発明に係る管継手3を横管路の途中に組み込む例を示す図である。図8に示すとおり、分岐管部33の開口に線条具ガイド機構1を取り付けることにより、排水の漏水のおそれなく分岐管部33の開口を水平方向に設置することができ、設置場所を変更することなく、また、地面Gに点検口を開けることなく、挿入作業空間を確保することができる。即ち、線条具6の挿入口は、キャップ部10の中心より高い位置となるため、少なくともキャップ部10の中心より低い位置を流れる排水が外部に漏れ出ることはない。
【0060】
なお、その他の箇所については、実施の形態1で示す立管路構造と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
実施の形態3.
本発明は、管継手3の受口部31が以下の構造を備えても良い。図9は本発明に係る管継手3に伸縮処理部材7を取り付ける例を示す斜視図、図10は図3乃至図7とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は断面を含む側面図を示し、図13は従来の管継手Cに立て管Aの線膨張を吸収するための差込ソケットIを取り付ける例を示す図である。
【0062】
熱可撓性樹脂で形成された立て管Aは、線膨張率が非常に大きく、温度によって大きく伸縮するため、伸縮による応力により破損するおそれがある。そのため、図13に示すとおり、従来の管路構造は、立て管Aと管継手Cとの間に弾性の差込ソケットIを介在させることにより、伸縮による応力を吸収して管継手Cの破損を防いでいる。しかし、かかる構造にあっては、多数の差込ソケットIが必要となるため、施工費用が高騰する。また、かかる構造にあっては、差込ソケットIの取付状態が悪いと、取付箇所から排水が漏れ出るおそれがある。
【0063】
そこで、本発明に係る立管路構造にあっては、図9に示すとおり、差込ソケットIを介在させる代わりに、管継手3の受口部3に立て管4の伸縮による応力を吸収するための伸縮処理部材7を設けている。
【0064】
伸縮処理部材7は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などの弾性素材で形成され、本体部70、逆止弁71及び管接続部72を備える。本体部70は、略円筒状をなし、その外径が管継手3の受口部31の口径と略同径となっている。管接続部72は、本体部70の上端から斜め上方に突き出てラッパ状をなしている。逆止弁71は、本体部70の上端から斜め下方に張り出して逆テーパ状をなし、その表面に複数の溝が刻まれている。伸縮処理部材7は、本体部70が管継手3の受口部31に嵌め込まれる。
【0065】
管継手3は、管継手3が立管路の途中に組み込まれる場合、伸縮処理部材7を備える受口部31が上向きとなるように設置され、上流側の立て管40の端部が上向きの伸縮処理部7の管接続部72に嵌め込まれる。管接続部72に嵌め込まれた立て管40は、端縁が逆止弁71を押し広げる位置まで挿入され、逆止弁71の把持力により定位置に固定される。
【0066】
固定された立て管40は、逆止弁71の把持力により、伸縮処理部材7との間で水密状態となり、伸縮処理部材7との接続箇所からの漏水を防止する。また、伸縮処理部材7は、逆止弁71が立て管41により押し広げられることにより本体部70が下方に末広がる状態となって受口部31の内周面に密着し、受口部31との間で水密状態となる。
【0067】
なお、上述した実施の形態1乃至3に係る管継手3は、線条具ガイド機構1とは異なる線条具ガイド機構8に付け替えることができる。図10に示すとおり、線条具ガイド機構8は、キャップ部80、線条具挿入口81、取手部82、環状リブ83及び雄ねじ84を備える。
【0068】
キャップ部80は、掃除口2の口径より大径の円板状をなし、円板の中心に掃除口2の口径より小径Wの線条具挿入口81が貫通している。線条具貫通口81は、着脱可能な閉鎖蓋(図示せず)により閉鎖される。キャップ部80は、ねじ込み操作に用いる取手部が線条具挿入口81を取り囲むように正面の外周縁付近に複数取り付けられている。キャップ部80の背面には、外径が掃除口2の口径と略同径の環状リブ83が形成され、外周面に雄ねじ84が形成されている。
【0069】
図9に示すとおり、線条具ガイド機構8は、止水のために、断面視O形をなす環状ゴム部材85が環状リブ83の外周面に取り付けられて掃除口2の先端部にねじ込まれる。ねじ込まれた線条具ガイド機構8は、環状ゴム部材85が掃除口2の先端を押さえ付けることにより、掃除口2との間で水密状態となり、螺合箇所からの漏水を防止する。線条具6は、線条具ガイド機構8により閉鎖された状態で線条具挿入口81から挿入される。
【0070】
このように、線条具ガイド機構8は、掃除口2に取り付けられた状態で、掃除口2の口径より小径の線条具挿入口81から線条具6が挿入されるので、立て管4から分岐管部33に流下する排水が外部にも漏れ出ることが少ない。
【0071】
また、上述した実施の形態1乃至3に係る管継手3は、線条具6より大型の止水治具などを挿入する場合に、線条具ガイド機構1(又は8)が取り外され、掃除口2を全開状態とすることが想定されている。
【0072】
線条具6より大型のものを挿入するケースとして、管路の満水試験が上げられる。管路の満水試験は、風船の如く膨出可能なボール状の止水治具を管継手3の管路に挿入し、挿入した止水治具により管継手3の管路を遮断し、管路が遮断された状態で排水を流すことで、遮断地点より上流側の漏水を確認する試験である。
【0073】
また、上述した実施の形態に係る線条具ガイド機構1(又は8)、掃除口2、管継手3、立て管4及び横管5は、それぞれ、可撓性素材で成型されている。しかし、これらの部材は、所定の環境下で設置される管路などを耐火構造にすべきと規定する建築基準法施行令第129条の2の5第7項イ及び同項ハを満たすために、耐火構造を備えることが好ましい。
【0074】
また、上述した実施の形態では、掃除口2を線条具6の挿入口として説明するが、管路を点検するための点検窓として利用しても良い。
【0075】
また、線条具ガイド機構1(又は8)は、線条具ガイド筒部11(又は線条具挿入口81)の端縁が挿脱動作状態にある線条具6により摩耗するおそれがあるが、上述の通り着脱が容易であるので、作業者は、新たな線条具ガイド筒部1(又は8)に迅速に交換することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 線条具ガイド機構
10 キャップ部
11 線条具ガイド筒部
12 突出部
13 雄ねじ
14 リブ
15 リブ溝
16 雌ねじ
17 堰部
18 補強材
2 掃除口
20 雌ねじ
3 管継手
30 立管部
31 受口部
32 コーナ部
33 分岐管部
4 立て管
5 横管
6 線条具
7 伸縮処理部材
70 本体部
71 逆止弁
72 管接続部
8 線条具ガイド機構
80 キャップ部
81 線条具挿入口
82 取手部
83 環状リブ
84 雄ねじ
85 環状ゴム部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、立管路の途中に立管路の一部を形成する立管部と、立管部の側壁から分岐する分岐管部とを有する管継手を組み込むことにより、分岐管部を介して立管路への点検用又は清掃用線条具を挿入可能とする立管路構造及び管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅及びオフィスビルなどの多層階建造物の管路構造は、各階及び地面下に設けられた横管路と、最上階から地面下に向けて設けられた立管路とからなり、各階の排水を横管路から立管路へと流し、立管路から地面下の横管路に流下させて外部に排出する。
【0003】
図11は従来の立管路構造を示す一部を切り欠いた側面図である。図11に示すとおり、従来の立管路構造は、上流側の立て管A1と、下流側の立て管A2と、横管Dとを連結するために、管継手Cが管路の途中に組み込まれている。
【0004】
ところで、排水が流れる管路は、水詰まりが発生しないように内部を清掃する必要があるため、管継手Cの側壁から分岐する分岐管部C1を、横管Dの接続に用いるのでなく、清掃器具付きワイヤ又はファイバースコープなどの線条具Eの挿入する掃除口Dとして利用する清掃方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−286187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、先に提案された清掃方法を実施する場合、例えば、掃除口Dから挿入された線条具Eが自重により重力方向に撓み変形して分岐管部C1と下流側の立て管A2との間のコーナ部C2に接触する場合があり、更に作業員による挿脱動作によりコーナ部C2に水漏れを起こすような傷を付けるおそれがある。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、立管路への挿脱動作状態にある線条具を管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド機構を設けることにより、挿脱動作状態にある線条具によりコーナ部が傷つけられることなく管継手の耐久性を低下させることがない立管路構造及び管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る立管路構造は、立管路の途中に立管路の一部を形成する立管部と、該立管部の側壁から分岐する分岐管部とを有する管継手を組み込むことにより、前記分岐管部を介して立管路への点検用又は清掃用線条具を挿入可能とする立管路構造において、前記立管路への挿脱動作状態にある前記線条具を前記管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド機構が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る管継手は、立管路の一部を形成する立管部と、該立管部の側壁から分岐して立管部への点検用又は清掃用線条具の挿入口となる分岐管部と、該分岐管部の開放端を閉鎖するキャップとを有する管継手であって、前記キャップは、前記分岐管部の開放端を閉鎖するキャップ本体と、一端開口が前記キャップ本体から前記分岐管部内に臨むとともに他端開口が外部に臨み、前記他端開口から挿入されて前記立管路への挿脱動作状態にある前記線条具を前記管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド筒部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る立管路構造及び管継手にあっては、線条具ガイド機構が設けられることにより、挿脱動作状態にある線条具をコーナ部に接触させないように規制案内する。
【0011】
また、本発明に係る立管路構造は、前記線条具ガイド機構が、前記管継手の分岐管部の開口を閉鎖するキャップ部と、一端開口が前記キャップ部から分岐管部内に臨み、他端開口が外部に臨む線条具ガイド筒部とを備える構造であってもよい。
【0012】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド機構のキャップ部が分岐管部の開口を閉鎖しているので、上述の作用に加え、線条具の挿入時に、立管路を流下する排水が分岐管部の開口から漏れ出ることを抑える。作業員は、上層階の住人に水の使用を中止させることなく排水が流れた状態で管路を清掃することができる。また、本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド機構が、一端開口が分岐管部内に臨み、他端開口が外部に臨む線条具ガイド筒部を備えるので、挿脱動作状態にある線条具をコーナ部に接触させないように規制案内する。
【0013】
また、本発明に係る立管路構造は、前記線条具ガイド筒部が、他端開口がキャップ部の中心より高い位置に設けられている構造であってもよい。
【0014】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド筒部の開口がキャップ部の中心より高い位置に設けられているので、線条具ガイド筒部の開口に挿入された線条具をコーナ部より上方に離れた位置で規制案内し、規制案内後に重力方向に撓み始める線条具をコーナ部に接触させないようにする。
【0015】
また、本発明に係る立管路構造は、前記線条具ガイド筒部が、前記キャップ部から外部に突出する突出部を備え、該突出部は、上向きに湾曲している構造であってもよい。
【0016】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド筒部が上向きに湾曲しているので、上述の作用に加え、線条具の挿入時に、立管路を流下する排水が線条具ガイド筒部の開口から漏れ出ることを抑える。また、作業者による線条具の挿入操作を容易にする。
【0017】
また、本発明に係る立管路構造は、前記キャップ部及び線条具ガイド筒部を有するキャップ部材が、前記分岐管部から着脱可能な構造であってもよい。
【0018】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド機構が分岐管部から着脱自在であるので、線条具ガイド筒部の開口から挿入することができない大型物については、線条具ガイド機構が取り外された分岐管部の開口から挿入させる。
【0019】
本発明に係る立管路構造は、前記分岐管部が、管端部内周面に雌ねじが形成され、前記キャップ部材が、キャップ部に前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成されている構造であってもよい。
【0020】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド機構が分岐管部にねじ込むようにされているので、線条具ガイド機構の着脱をドライバなどの工具を用いることなく素手で実行させることができる。
【0021】
本発明に係る立管路構造は、前記線条具ガイド筒部が、他端開口を閉鎖するための蓋を着脱自在に設けてある構造であってもよい。
【0022】
本発明に係る立管路構造にあっては、線条具ガイド筒部を蓋で閉鎖することにより、線条具の挿入時以外のとき、線条具ガイド筒部への不純物の侵入を防ぐ。
【0023】
本発明に係る立管路構造は、前記管継手が、前記立管部の端部に前記立管路となる立て管の受け口が形成され、前記受け口には、前記立て管の伸縮による応力を吸収するための伸縮処理部材が設けられている構造であってもよい。
【0024】
本発明に係る立管路構造にあっては、立て管の伸縮により立て管に伝わる力を伸縮処理部材で吸収し、立て管の破損を防ぐ。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る立管路構造は、立管路へ挿入されて挿脱動作状態にある線条具により、コーナ部が傷つけられることを防止することができ、管継手の耐久性を低下させることがないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る立管路構造を示す一部を切り欠いた側面図である。
【図2】本発明に係る管継手を示す側面視断面図である。
【図3】本発明に係る線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図4】図3とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図5】図3及び図4とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図6】図3乃至図5とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図7】図3乃至図6とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。
【図8】本発明に係る管継手を横管路の途中に組み込む例を示す図である。
【図9】本発明に係る管継手に伸縮処理部材を取り付ける例を示す斜視図である。
【図10】図3乃至図7とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は断面を含む側面図を示す。
【図11】従来の立管路構造を示す一部を切り欠いた側面図である。
【図12】従来の管継手を横管路の途中に組み込む例を示す図である。
【図13】従来の立管路構造において、立て管の線膨張を吸収するための差込ソケットを取り付ける例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施の形態1.
本発明に係る立管路構造及び管継手を本実施の形態を示す図に基づいて以下説明する。図1は本発明に係る立管路構造を示す一部を切り欠いた側面図、図2は本発明に係る管継手を示す側面視断面図、図3は本発明に係る線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。なお、本実施の形態では、1つの階層に設置された立管路構造を説明する。
【0028】
図に示すとおり、立管路構造は、少なくとも、線条具ガイド機構1、掃除口2、管継手3及び立て管4を備え、これらは、塩化ビニール又はオレフィン系などの可撓性素材で成型されている。
【0029】
管継手3は、立管部30、受口部31、コーナ部32及び分岐管部33を備える。立管部30は、略円筒状をなし、その上下端から僅かに外側にずれた位置から壁が延びて立管部30の内径より大径の受口部31が形成されている。分岐管部33は、立管部30の側壁から立管部30の軸心方向に対して直交する方向に突出している。分岐管部33と下流側の受口部31管路との境目には、L字形のコーナ部32が形成されている。
【0030】
掃除口2は、分岐管部33の内径と略同径の円筒であり、端部の内周面に雌ねじ20が形成されている。
【0031】
線条具ガイド機構1は、キャップ部10、線条具ガイド筒部11、突出部12、雄ねじ13、リブ14、リブ溝15及び雌ねじ16を備える。
【0032】
キャップ部10は、掃除口2の口径より大径の円板状をなし、円板の外周縁部から背面(掃除口2に取り付けられた状態で掃除口2と対向する面をいう、以下同じ。)側に折れ曲がってリブ14を形成している。キャップ部10の背面には、環状リブが設けられ、環状リブの外周とリブ14の内周との間にリブ溝15が形成されている。環状リブは、外径が掃除口2の口径と略同径であり、リブ14との対向面に雄ねじ13が形成されている。
【0033】
線条具ガイド筒部11は、線条具ガイド機構1が掃除口2に取りつけられた状態で、キャップ部10の背面から延び出て一端開口が分岐管部33の管路付近に臨み、キャップ部10の正面(背面の裏面をいう、以下同じ。)から突出して他端開口が外部に臨む。以下、キャップ部10から突出する箇所を突出部12といい、他端開口を突出部12の開口という。
【0034】
突出部12は、キャップ部10の外周縁に向かって湾曲している。突出部12の開口は、掃除口2の口径より小径であり、且つ、キャップ部10の中心から偏心する位置に設けられている。また、突出部12は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成されている。
【0035】
このように、立管路構造は、複数の部材により構成されている。
ここで、複数の部材を用いて立管路構造を施工する方法について説明する。図1及び図2に示すとおり、管継手3は、立管路の途中に組み込まれる場合、受口部31が上下に開口し、分岐管部33が水平方向に開口するように設置される。
【0036】
管継手3は、上方の受口部31に上流側の立て管40の端部が、下方の受口部31に下流側の立て管41の端部がそれぞれ嵌め込まれ、嵌め込まれた立て管4の端縁が立管部30の上端又は下端に当接することにより、立て管40又は立て管41を定位置に固定する。
【0037】
また、管継手3は、分岐管部33に掃除口2の端部が嵌め込まれて接着固定され、固定された掃除口2は、先端部に線条具ガイド機構1がねじ込まれる。ねじ込まれた線条具ガイド機構1は、リブ溝15が掃除口2の先端に当接することにより、線条具ガイド筒部11の突出部12が斜め上方に湾曲するとともに、突出部12の開口がキャップ部10の中心より高い位置となる定位置に固定される。突出部12の開口は、着脱可能な閉鎖蓋16aにより閉鎖される。
【0038】
このように施工された立管路構造は、以下のように使用される。
図1に示すとおり、突出部12の開口は、閉止蓋16aが取り外されて開放状態となり、線条具6が挿入される。挿入された線条具6は、線条具ガイド筒部11により規制案内されながら、線条具ガイド筒部11の一端開口に向かって進行する。なお、線条具6は、例えば、清掃器具付きワイヤ又はファイバースコープなど、細長い線をなし、力によって何れかの方向に撓む可撓性を有する器具を指す。
【0039】
線条具6は、線条具ガイド筒部11の一端開口を抜け出たとき、線条具ガイド筒部11による規制案内から解放され、自重によって重力方向に撓み変形を開始する。撓み変形を開始した線条具6は、下流側の立て管41の管路に向かって落下する。立て管41の管路にある線条具6は、作業員の操作により挿脱動作状態となり、立て管41の内周面に付着した付着物を除去する。
【0040】
このように使用される立管路構造は、以下の作用効果を奏する。
突出部12の開口は、掃除口2の口径より小径であるから、開放状態となっても、掃除口2が全開状態となる場合に比べて、立て管4を流下する排水が漏れ難くなる。
【0041】
また、突出部12の開口は、キャップ部10の中心より高い位置に設けられているので、突出部12の開口に挿入された線条具6をコーナ部32より高い位置で規制案内し、規制案内後に重力方向に撓み始める線条具6をコーナ部32に接触させないようにする。線条具6は、挿脱動作状態となっても、コーナ部32を削り取って管継手3の耐久性を低下させることがない。
【0042】
また、突出部12は、上向きに湾曲しているので、線条具6の挿入操作を容易にするとともに、開口が開放状態となっても、立て管4を流下する排水が漏れ難くなる。
【0043】
また、閉鎖蓋16a及び線条具ガイド機構1は、ねじ構造を備え、着脱が容易であるから、例えば、線条具6を挿入する場合には閉鎖蓋16aが取り外され、線条具6より大型のものを挿入する場合には線条具ガイド機構1が取り外されて掃除口2を全開状態にすることができる。
【0044】
なお、本発明に係る線条具ガイド筒部11は、上述した形状に限定されるものでなく、撓み変形する線条具6を管継手3のコーナ部32に接触させることがないように規制案内することができる形態であるならば、以下の形状であってもよい。
【0045】
実施例1.
図4は図3とは異なる形状の線条具ガイド機構1を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。図4に示すとおり、線条具ガイド筒部11は、キャップ部10が掃除口2に取りつけられた状態で、一端開口がキャップ部10の背面から分岐管部33の管路に向かって臨み、キャップ部10の正面から突出部12が突出し、突出部12の開口が外部に臨んでいる。
【0046】
突出部12は、掃除口2に取り付けられた状態で、斜め上方に湾曲するとともに、開口がキャップ部10の中心より高い位置となるように設けられている。突出部12は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成され、閉鎖蓋16aがねじ込まれる。
【0047】
なお、その他の箇所については、図3で示す線条具ガイド機構1と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0048】
実施例2.
図5は図3及び図4とは異なる形状の線条具ガイド機構1の構成を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。図5に示すとおり、線条具ガイド筒部11は、線条具ガイド機構1が掃除口2に取り付けられた状態で、一端開口がキャップ部10の背面から分岐管部33の管路に向かって臨み、キャップ部10の正面から堰部17が僅かに突出し、堰部17の開口(他端開口)が外部に臨む。
【0049】
堰部17の開口は、掃除口2の口径より小径であって、キャップ部10の中心から偏心する位置に取り付けられ、掃除口12に取り付けられた状態で、開口がキャップ部10の中心より高い位置となる。堰部17は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成され、閉鎖蓋16aがねじ込まれる。
【0050】
なお、その他の箇所については、図3で示す線条具ガイド機構1と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0051】
実施例3.
図6は図3乃至図5とは異なる形状の線条具ガイド機構1の構成を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。図6に示すとおり、線条具ガイド筒部11は、線条具ガイド機構1が掃除口2に取り付けられた状態で、一端開口がキャップ部10の背面から分岐管部33の管路に向かって臨み、キャップ部10の正面から堰部17が僅かに突出し、堰部17の開口(他端開口)が外部に臨む。
【0052】
堰部17の開口は、掃除口2の口径より小径であって、キャップ部10の中心から偏心する位置に取り付けられ、掃除口12に取り付けられた状態で、開口がキャップ部10の中心より高い位置となる。堰部17は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成され、閉鎖蓋16aがねじ込まれる。また、堰部17は、開口付近の下側の肉厚が他の箇所に比べて厚めになっている。
【0053】
なお、その他の箇所については、図3で示す線条具ガイド機構1と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
実施例4.
図7は図3乃至図6とは異なる形状の線条具ガイド機構1の内容を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は側面視断面図を示す。図7に示すとおり、線条具ガイド筒部11は、線条具ガイド機構1が掃除口2に取り付けられた状態で、一端開口がキャップ部10の背面から分岐管部33の管路に向かって臨み、キャップ部10の正面から堰部17が僅かに突出し、堰部17の開口(他端開口)が外部に臨む。
【0055】
堰部17の開口は、掃除口2の口径より小径であって、キャップ部10の中心から偏心する位置に取り付けられ、掃除口12に取り付けられた状態で、開口がキャップ部10の中心より高い位置となる。堰部17は、開口付近の内周面に雌ねじ16が形成され、閉鎖蓋16aがねじ込まれる。また、堰部17は、開口付近の下側が硬質な補強材18により補強されている。
【0056】
なお、その他の箇所については、図3で示す線条具ガイド機構1と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0057】
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、管継手3を立管路の途中に組み込む一例を示したが、本発明は、それに限定されるものでなく、管継手3を横管路の途中に組み込むことが想定されている。
【0058】
図12は従来の管継手Cを横管路の途中に組み込む例を示す図である。図12に示すとおり、従来の管路構造において、管継手Cは、横管Bの管路を流れる排水がこぼれ出ることがないように分岐管部C1の開口が上向きに設置されている。従って、管継手Cと地面Gとの間に線条具の挿入作業空間(図中、点線で囲まれた空間を指す。)を確保することができない場合、管継手Cの設置場所を変更するか、地面Gに点検口を開けるか、などの措置が必要となる。
【0059】
図8は本発明に係る管継手3を横管路の途中に組み込む例を示す図である。図8に示すとおり、分岐管部33の開口に線条具ガイド機構1を取り付けることにより、排水の漏水のおそれなく分岐管部33の開口を水平方向に設置することができ、設置場所を変更することなく、また、地面Gに点検口を開けることなく、挿入作業空間を確保することができる。即ち、線条具6の挿入口は、キャップ部10の中心より高い位置となるため、少なくともキャップ部10の中心より低い位置を流れる排水が外部に漏れ出ることはない。
【0060】
なお、その他の箇所については、実施の形態1で示す立管路構造と同じであるから、対応する箇所に同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
実施の形態3.
本発明は、管継手3の受口部31が以下の構造を備えても良い。図9は本発明に係る管継手3に伸縮処理部材7を取り付ける例を示す斜視図、図10は図3乃至図7とは異なる形状の線条具ガイド機構を示す図であって、(a)は正面図を示し、(b)は断面を含む側面図を示し、図13は従来の管継手Cに立て管Aの線膨張を吸収するための差込ソケットIを取り付ける例を示す図である。
【0062】
熱可撓性樹脂で形成された立て管Aは、線膨張率が非常に大きく、温度によって大きく伸縮するため、伸縮による応力により破損するおそれがある。そのため、図13に示すとおり、従来の管路構造は、立て管Aと管継手Cとの間に弾性の差込ソケットIを介在させることにより、伸縮による応力を吸収して管継手Cの破損を防いでいる。しかし、かかる構造にあっては、多数の差込ソケットIが必要となるため、施工費用が高騰する。また、かかる構造にあっては、差込ソケットIの取付状態が悪いと、取付箇所から排水が漏れ出るおそれがある。
【0063】
そこで、本発明に係る立管路構造にあっては、図9に示すとおり、差込ソケットIを介在させる代わりに、管継手3の受口部3に立て管4の伸縮による応力を吸収するための伸縮処理部材7を設けている。
【0064】
伸縮処理部材7は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などの弾性素材で形成され、本体部70、逆止弁71及び管接続部72を備える。本体部70は、略円筒状をなし、その外径が管継手3の受口部31の口径と略同径となっている。管接続部72は、本体部70の上端から斜め上方に突き出てラッパ状をなしている。逆止弁71は、本体部70の上端から斜め下方に張り出して逆テーパ状をなし、その表面に複数の溝が刻まれている。伸縮処理部材7は、本体部70が管継手3の受口部31に嵌め込まれる。
【0065】
管継手3は、管継手3が立管路の途中に組み込まれる場合、伸縮処理部材7を備える受口部31が上向きとなるように設置され、上流側の立て管40の端部が上向きの伸縮処理部7の管接続部72に嵌め込まれる。管接続部72に嵌め込まれた立て管40は、端縁が逆止弁71を押し広げる位置まで挿入され、逆止弁71の把持力により定位置に固定される。
【0066】
固定された立て管40は、逆止弁71の把持力により、伸縮処理部材7との間で水密状態となり、伸縮処理部材7との接続箇所からの漏水を防止する。また、伸縮処理部材7は、逆止弁71が立て管41により押し広げられることにより本体部70が下方に末広がる状態となって受口部31の内周面に密着し、受口部31との間で水密状態となる。
【0067】
なお、上述した実施の形態1乃至3に係る管継手3は、線条具ガイド機構1とは異なる線条具ガイド機構8に付け替えることができる。図10に示すとおり、線条具ガイド機構8は、キャップ部80、線条具挿入口81、取手部82、環状リブ83及び雄ねじ84を備える。
【0068】
キャップ部80は、掃除口2の口径より大径の円板状をなし、円板の中心に掃除口2の口径より小径Wの線条具挿入口81が貫通している。線条具貫通口81は、着脱可能な閉鎖蓋(図示せず)により閉鎖される。キャップ部80は、ねじ込み操作に用いる取手部が線条具挿入口81を取り囲むように正面の外周縁付近に複数取り付けられている。キャップ部80の背面には、外径が掃除口2の口径と略同径の環状リブ83が形成され、外周面に雄ねじ84が形成されている。
【0069】
図9に示すとおり、線条具ガイド機構8は、止水のために、断面視O形をなす環状ゴム部材85が環状リブ83の外周面に取り付けられて掃除口2の先端部にねじ込まれる。ねじ込まれた線条具ガイド機構8は、環状ゴム部材85が掃除口2の先端を押さえ付けることにより、掃除口2との間で水密状態となり、螺合箇所からの漏水を防止する。線条具6は、線条具ガイド機構8により閉鎖された状態で線条具挿入口81から挿入される。
【0070】
このように、線条具ガイド機構8は、掃除口2に取り付けられた状態で、掃除口2の口径より小径の線条具挿入口81から線条具6が挿入されるので、立て管4から分岐管部33に流下する排水が外部にも漏れ出ることが少ない。
【0071】
また、上述した実施の形態1乃至3に係る管継手3は、線条具6より大型の止水治具などを挿入する場合に、線条具ガイド機構1(又は8)が取り外され、掃除口2を全開状態とすることが想定されている。
【0072】
線条具6より大型のものを挿入するケースとして、管路の満水試験が上げられる。管路の満水試験は、風船の如く膨出可能なボール状の止水治具を管継手3の管路に挿入し、挿入した止水治具により管継手3の管路を遮断し、管路が遮断された状態で排水を流すことで、遮断地点より上流側の漏水を確認する試験である。
【0073】
また、上述した実施の形態に係る線条具ガイド機構1(又は8)、掃除口2、管継手3、立て管4及び横管5は、それぞれ、可撓性素材で成型されている。しかし、これらの部材は、所定の環境下で設置される管路などを耐火構造にすべきと規定する建築基準法施行令第129条の2の5第7項イ及び同項ハを満たすために、耐火構造を備えることが好ましい。
【0074】
また、上述した実施の形態では、掃除口2を線条具6の挿入口として説明するが、管路を点検するための点検窓として利用しても良い。
【0075】
また、線条具ガイド機構1(又は8)は、線条具ガイド筒部11(又は線条具挿入口81)の端縁が挿脱動作状態にある線条具6により摩耗するおそれがあるが、上述の通り着脱が容易であるので、作業者は、新たな線条具ガイド筒部1(又は8)に迅速に交換することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 線条具ガイド機構
10 キャップ部
11 線条具ガイド筒部
12 突出部
13 雄ねじ
14 リブ
15 リブ溝
16 雌ねじ
17 堰部
18 補強材
2 掃除口
20 雌ねじ
3 管継手
30 立管部
31 受口部
32 コーナ部
33 分岐管部
4 立て管
5 横管
6 線条具
7 伸縮処理部材
70 本体部
71 逆止弁
72 管接続部
8 線条具ガイド機構
80 キャップ部
81 線条具挿入口
82 取手部
83 環状リブ
84 雄ねじ
85 環状ゴム部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立管路の途中に立管路の一部を形成する立管部と、該立管部の側壁から分岐する分岐管部とを有する管継手を組み込むことにより、前記分岐管部を介して立管路への点検用又は清掃用線条具を挿入可能とする立管路構造において、
前記立管路への挿脱動作状態にある前記線条具を前記管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド機構が設けられていることを特徴とする立管路構造。
【請求項2】
前記線条具ガイド機構は、
前記管継手の分岐管部の開口を閉鎖するキャップ部と、
一端開口が前記キャップ部から分岐管部内に臨み、他端開口が外部に臨む線条具ガイド筒部と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の立管路構造。
【請求項3】
前記線条具ガイド筒部は、他端開口がキャップ部の中心より高い位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の立管路構造。
【請求項4】
前記線条具ガイド筒部は、前記キャップ部から外部に突出する突出部を備え、
該突出部は、上向きに湾曲していることを特徴とする請求項2又は3に記載の立管路構造。
【請求項5】
前記キャップ部及び線条具ガイド筒部を有するキャップ部材は、前記分岐管部から着脱可能であることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の立管路構造。
【請求項6】
前記分岐管部は、管端部内周面に雌ねじが形成され、
前記キャップ部材は、キャップ部に前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成されていることを特徴とする請求項5に記載の立管路構造。
【請求項7】
前記線条具ガイド筒部は、
他端開口を閉鎖するための蓋を着脱自在に設けてあることを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載の立管部構造。
【請求項8】
前記管継手は、前記立管部の端部に前記立管路となる立て管の受け口が形成され、前記受け口には、前記立て管の伸縮による応力を吸収するための伸縮処理部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の立管路構造。
【請求項9】
立管路の一部を形成する立管部と、該立管部の側壁から分岐して立管部への点検用又は清掃用線条具の挿入口となる分岐管部と、該分岐管部の開放端を閉鎖するキャップとを有する管継手であって、
前記キャップは、
前記分岐管部の開放端を閉鎖するキャップ本体と、
一端開口が前記キャップ本体から前記分岐管部内に臨むとともに他端開口が外部に臨み、前記他端開口から挿入されて前記立管路への挿脱動作状態にある前記線条具を前記管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド筒部と
を備えていることを特徴とする管継手。
【請求項1】
立管路の途中に立管路の一部を形成する立管部と、該立管部の側壁から分岐する分岐管部とを有する管継手を組み込むことにより、前記分岐管部を介して立管路への点検用又は清掃用線条具を挿入可能とする立管路構造において、
前記立管路への挿脱動作状態にある前記線条具を前記管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド機構が設けられていることを特徴とする立管路構造。
【請求項2】
前記線条具ガイド機構は、
前記管継手の分岐管部の開口を閉鎖するキャップ部と、
一端開口が前記キャップ部から分岐管部内に臨み、他端開口が外部に臨む線条具ガイド筒部と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の立管路構造。
【請求項3】
前記線条具ガイド筒部は、他端開口がキャップ部の中心より高い位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の立管路構造。
【請求項4】
前記線条具ガイド筒部は、前記キャップ部から外部に突出する突出部を備え、
該突出部は、上向きに湾曲していることを特徴とする請求項2又は3に記載の立管路構造。
【請求項5】
前記キャップ部及び線条具ガイド筒部を有するキャップ部材は、前記分岐管部から着脱可能であることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の立管路構造。
【請求項6】
前記分岐管部は、管端部内周面に雌ねじが形成され、
前記キャップ部材は、キャップ部に前記雌ねじに螺合する雄ねじが形成されていることを特徴とする請求項5に記載の立管路構造。
【請求項7】
前記線条具ガイド筒部は、
他端開口を閉鎖するための蓋を着脱自在に設けてあることを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載の立管部構造。
【請求項8】
前記管継手は、前記立管部の端部に前記立管路となる立て管の受け口が形成され、前記受け口には、前記立て管の伸縮による応力を吸収するための伸縮処理部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の立管路構造。
【請求項9】
立管路の一部を形成する立管部と、該立管部の側壁から分岐して立管部への点検用又は清掃用線条具の挿入口となる分岐管部と、該分岐管部の開放端を閉鎖するキャップとを有する管継手であって、
前記キャップは、
前記分岐管部の開放端を閉鎖するキャップ本体と、
一端開口が前記キャップ本体から前記分岐管部内に臨むとともに他端開口が外部に臨み、前記他端開口から挿入されて前記立管路への挿脱動作状態にある前記線条具を前記管継手の立管部と分岐管部との間のコーナ部に接触させないための線条具ガイド筒部と
を備えていることを特徴とする管継手。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−74928(P2011−74928A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−223823(P2009−223823)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】
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