説明

端末表示制御システムおよび端末表示制御プログラム

【課題】ユーザに応じて端末のディスプレイに表示する文字を変更する技術を提供する。
【解決手段】文字情報取得部12により、操作ログ情報記録部11により記録管理されている端末Cにおける操作を表す操作ログ情報に基づき、操作に係る文字情報が取得される。ユーザ属性情報特定部13は、文字情報に基づき使用している文字種別を判定し、その判定結果に応じてユーザ属性情報を特定する。一方、表示文字情報取得部14は、ディスプレイ2に表示される文字に関する情報である文字表示情報を取得する。表示文字決定部15は、文字表示情報とユーザ属性情報とに基づき表示する文字を決定し、表示制御部16は、決定された文字をディスプレイ2に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末のディスプレイに表示される文字を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示される言語等を変更する技術に関しては、様々な検討が行われている。例えば、ネットワークを介して接続している端末から送信される要求に応じて、前記端末に所定の情報を要求された言語で提供する情報提供装置がある。この情報提供装置では、端末からの要求に言語を指定する所定の識別情報が含まれており、指定された言語での情報提供が可能な場合には、指定された言語での情報提供が行われ、指定された言語での情報提供が不可能な場合には、所定の言語での情報提供が行われる(特許文献1参照)。
【0003】
また、ユーザの明示の操作により、表示に用いる言語を変更できる携帯電話等の機器も存在する。
【0004】
【特許文献1】特開2004−213462号公報(段落番号0007〜0008、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、所望の言語で情報提供を受けるためには、そのための情報を端末からの要求に含めておかなければならない。また、特許文献1は表示する情報の言語を変更するものであり、端末におけるGUI(Graphical User Interface)を構成する部品等の言語を変更することはできない。一方、表示言語を変更可能な携帯電話等は、機器のGUIを構成する部品等の言語を変更することはできるが、ユーザが明示的に言語を選択しなければならない。
【0006】
さらに、いずれの技術においても、言語は変更可能であるが、ユーザの知識範囲等の属性に応じて、表示する文字を変更することはできない。
【0007】
上記実状に鑑み、本発明の課題は、ユーザに応じて端末のディスプレイに表示する文字を変更する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の端末表示制御システムは、端末のディスプレイにおける文字の表示を制御する表示制御部を備えた端末表示制御システムにおいて、前記端末における操作を表す操作ログ情報を記録管理する操作ログ情報記録部と、前記操作ログ情報に基づき前記操作に係る文字情報を取得する文字情報取得部と、前記文字情報に基づき使用している文字種別を判定し、その判定結果に応じてユーザ属性情報を特定するユーザ属性情報特定部と、前記ディスプレイに表示される文字に関する情報である文字表示情報を取得する文字表示情報取得部と、前記文字表示情報と前記ユーザ属性情報とに基づき表示する文字を決定する表示文字決定部と、を備え、前記表示制御部は、前記決定された文字を前記ディスプレイに表示する。
【0009】
この構成では、操作ログ情報に基づきユーザ属性情報が特定され、そのユーザ属性情報に基づき表示される文字が決定されるため、ユーザは、端末のディスプレイに表示される文字種別等に関する情報を何ら指定することなく、ユーザに適した文字を表示することができる。
【0010】
上述した本発明による端末表示制御システムの技術的特徴は、同様の端末表示制御プログラムにも適用可能である。例えば、端末における操作を表す操作ログ情報を記録管理する操作ログ情報記録部を備え、前記端末のディスプレイにおける文字の表示を制御する端末表示制御システムのための端末表示制御プログラムにおいて、前記操作ログ情報に基づき前記操作に係る文字情報を取得する機能と、前記文字情報に基づき使用している文字種別を判定し、その判定結果に応じてユーザ属性情報を特定する機能と、前記ディスプレイに表示される文字に関する情報である文字表示情報を取得する機能と、前記文字表示情報と前記ユーザ属性情報とに基づき表示する文字を決定する機能と、前記決定された文字を前記ディスプレイに表示する機能と、をコンピュータに実現させる。当然ながら、このような端末表示制御プログラムも上述した端末表示制御システムで述べた作用効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態における本発明の端末表示制御システムは、汎用コンピュータ1でなる端末Cにより構成されており、ディスプレイ2や入力機器(キーボード、マウス等)3を備えている。
【0012】
図1は、本発明の端末表示制御システムを構成する端末Cの機能ブロック図を示している。端末Cは、端末Cにおける操作を表す操作ログ情報を生成する操作ログ情報生成部10、操作ログ情報生成部10により生成された操作ログ情報を記録管理する操作ログ情報記録部11、操作ログ情報に基づき前記操作に係る文字情報を取得する文字情報取得部12、文字情報に基づき使用している文字種別を判定し、その判定結果に応じてユーザ属性情報を特定するユーザ属性情報特定部13、ディスプレイ2に表示される文字に関する情報である文字表示情報を取得する文字表示情報取得部14、文字表示情報とユーザ属性情報とに基づき表示する文字を決定する表示文字決定部15、表示文字決定部15により決定された文字をディスプレイ2に表示する表示制御部16、および、入力機器3からの入力を取得すると共にディスプレイ2との入出力を行うGUI部20を備えている。
【0013】
通常、操作ログ情報生成部10、操作ログ情報記録部11、文字情報取得部12、ユーザ属性情報特定部13、文字表示情報取得部14、表示文字決定部15、および、表示制御部16は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュール等)がハードウェアに読み込まれることでその処理が実行されるが、これらをハードウェアとの組み合わせにより構成しても良いし、ロジック等を組み合わせたハードウェアのみで構成しても構わない。
【0014】
本実施形態における操作ログ情報には、操作内容、ユーザ識別情報、端末識別情報、操作対象情報、日時情報、付随情報等が含まれている。また、ユーザ識別情報は、ユーザを一意に特定可能な情報であり、ユーザ名、ユーザ毎に排他的に割り振られた固有の番号等を用いることができ、端末識別情報は、端末Cを一意に特定可能な情報であり、端末名、IPアドレス、MACアドレス、端末毎に排他的に割り振られた固有の番号等を用いることができる。操作対象情報は操作対象に関する情報であり、ファイル操作の場合には、ファイルを一意に特定可能な情報であり、ファイル名、ファイル毎に排他的に割り振られた固有の番号等を用いることができ、操作がWEBサイトの閲覧であればそのサイトのURLを用いることができ、操作に応じて適宜変更可能である。さらに、付随情報とは、操作に係る上述の情報以外の様々な情報であり、例えば操作を実行するアプリケーション名等を用いることができる。当然ながら、付随情報は、操作の内容に応じて適宜変更可能である。
【0015】
操作ログ情報生成部10は、端末Cでのユーザによる操作の内容を表す操作ログ情報を生成し、操作ログ情報記録部11は、操作ログ情報生成部10により生成された操作ログ情報を記録管理する。
【0016】
文字情報取得部12は、操作ログ情報記録部11に記録管理されている操作ログ情報に基づき、文字情報を取得する。取得した文字情報は、ユーザ属性情報特定部13に送られる。本実施形態では、文字情報として、操作対象のファイルの内容から得られる文字を用いるが、ファイル名を文字情報として用いることもできる。
【0017】
ユーザ属性情報特定部13は、文字情報取得部12により取得された文字情報に基づき、そのユーザが使用している文字種別を判定し、その判定結果に基づきユーザ属性情報を特定する。特定されたユーザ属性情報は、表示文字決定部15に送られる。なお、本実施例では、ユーザ属性情報として各文字種別の使用割合を用いるが、文字数等他の情報を用いても構わない。
【0018】
文字表示情報取得部14は、GUI部20からディスプレイ2への表示に際し、その表示される文字に関する情報(以下、文字表示情報と称する)を取得する。取得した文字表示情報は表示文字決定部15に送られる。本実施形態では、文字表示情報として文字およびその文字の表示形態が含まれる。なお、本実施形態では、ボタンやメニュー等のGUIの部品に表示される文字を制御する例を説明する。この場合には、文字表示情報は、ファイルシステム上のリソースファイルやアプリケーションプログラム中のリソース情報(以下、これらをリソース情報と総称する)等から取得することができる。
【0019】
表示文字決定部15は、文字表示情報とユーザ属性情報とに基づき表示する文字を決定する。決定された表示文字は、表示制御部16に送られる。
【0020】
表示制御部16は、GUI部20に対して、文字表示情報に係る文字に代えて、表示文字決定部15により決定された文字を表示するよう命令を送る。
【0021】
次に、図2のフローチャートを用いて、本実施形態における処理の流れを説明する。なお、以下の処理に先立ち、端末Cにおける各々のユーザの操作を表す操作ログ情報が操作ログ情報生成部10により生成され、操作ログ情報記録部11に記録管理されているものとする。また、本実施形態では、操作対象をファイルとして、文字情報取得部12がファイルから文字情報を取得する構成としているが、他の操作対象から文字情報を取得する構成とすることも可能である。
【0022】
まず、ユーザはキーボード等の入力機器3を操作して、端末Cにログインする(#01)と、ログイン名に基づきユーザ識別情報が取得される(#02)。このユーザ識別情報により、現在ログインしているユーザ(以下、ログインユーザと称する)を特定することができる。
【0023】
文字情報取得部12は、操作ログ情報記録部11に記録されている操作ログ情報から、取得されたユーザ識別情報を持つ操作ログ情報を抽出する(#03)。なお、このとき、例えば過去1年以内の操作ログ情報に限定する等、時間情報を用いた絞込みを併用しても構わない。また、操作ログ情報に基づき、ファイルがディスプレイ2に表示されていた時間を特定し、その表示時間が一定時間以上であるファイルに対する操作ログ情報に限定する、特定の記録領域に保存されているファイルに係る操作ログ情報に限定する、特定のアプリケーションに係る操作ログ情報のみに限定する等、様々な限定が可能である。特に、時間情報を用いた絞込みを用いると、ユーザ属性情報の経時変化の影響を低減させることができるため好適である。なお、上述の表示時間とは、アプリケーションがファイルを開き、終了するまでの経過時間等を用いることができる。例えば、この場合には、操作ログ情報の操作内容に基づき、ファイルを開いた時点およびファイルを閉じた時点の操作ログ情報を特定し、それらの操作ログ情報の日時情報から経過時間を求める。
【0024】
文字情報取得部12は、上述の処理により抽出した操作ログ情報から操作対象情報を抽出し、その操作対象情報に対応するファイルを取得する。さらに、文字情報取得部12は、取得したファイルの内容から文字情報として文字を抽出する(#04)。このとき、ファイルから全ての文字を抽出してもよいし、全ファイルから所定文字数を抽出する、各々のファイルから所定文字数を抽出する等しても構わない。また、文字を抽出する際に、公知の形態素解析等の技術を用い、名詞等の特定品詞や、特定単語のみを取得する構成としても構わない。これらの場合には、個人間において使用される文字種別の差が大きくなる品詞や単語を用いると好適である。
【0025】
ユーザ属性情報特定部13は、文字情報取得部12から文字情報を取得し、その文字情報に基づきログインユーザが使用している文字種別を判定する(#05)。本実施形態では、文字種別は、片仮名、平仮名、漢字、英語、その他・外国語とし、公知の方法により、文字情報の各々の文字がどの文字種別であるかを判定する。さらに、ユーザ属性情報特定部13は、取得した文字情報の全文字数に対する各文字種別の使用割合Pi(i=1〜5)を算出する(#06)。なお、添え字iの番号はそれぞれ、片仮名、平仮名、漢字、英語、その他・外国語に対応している。
【0026】
ユーザ属性情報特定部13は、上述の処理により求めた割合Piに基づきユーザ属性情報を特定する(#08)。本実施形態では、ユーザ属性情報としてユーザ種別を用い、ユーザ属性情報特定部13は、図3に示すようなユーザ種別(ユーザ属性情報)と割合Piとを関連付けたテーブル(以下、ユーザ種別テーブルと称する)を保持している。このとき、ユーザ属性情報特定部13は、上述の処理により決定された割合Piとユーザ種別テーブルの割合とを比較することにより、ユーザ種別を特定する。このとき、割合Piとユーザ種別テーブルの割合とが一致しない場合には、最も類似するユーザ種別を特定する。例えば、割合Pi={5,80,15,0,0}であった場合には、各文字種別の割合とユーザ種別テーブルの割合とを比較し、このログインユーザのユーザ属性情報はタイプ2と特定される。このように特定されたユーザ属性情報は、表示文字決定部15に送られる。
【0027】
一方、文字表示情報取得部14は、ディスプレイ2への文字の表示の際に、リソース情報から、その文字表示命令により表示される文字(以下、基準表示文字と称する)に関する文字表示情報を取得する(#10)。本実施形態においては、文字表示情報には、基準表示文字およびその表示形態が含まれている。取得された文字表示情報は表示文字決定部15に送られる。
【0028】
表示文字決定部15は、ユーザ属性情報および文字表示情報を取得し、基準表示文字に対する表示文字(以下、変換表示文字と称する)を決定する(#11)。本実施形態においては、図4に示すような、基準表示文字に対して、ユーザ属性情報毎に文字を設定したテーブル(以下、変換表示文字テーブルと称する)を保持しておき、文字表示情報の基準表示文字とユーザ属性情報に基づき変換表示文字が決定される。例えば、基準表示文字が“新規作成”であり、ユーザ属性情報が“タイプ4”の場合には、変換表示文字テーブルから変換表示文字として“New File”が決定される。このようにして決定された変換表示文字は、表示制御部16に送られる。なお、変換表示文字の決定方法はこれに限定されるものではなく、変換表示文字テーブルを用いずに、公知の方法により文字種別の変換を行う等、他の方法を用いても構わない。
【0029】
変換表示文字を取得した表示制御部16は、GUI部20に対して、基準表示文字に代えて変換表示文字を表示するよう命令を送る。
【0030】
図5は、上述の処理による表示制御された表示の例である。図5(a)は、表示制御されない場合に、アプリケーションにより作り出されるプルダウンメニューの例であり、表示されている文字が基準表示文字となる。図5(b)から(e)は、それぞれユーザタイプ1から4と特定された場合の表示例であり、基準表示文字に代えて変換表示文字が表示されている。
【0031】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の端末表示制御システムの第2実施形態を説明する。本実施形態の機能部は第1実施形態と同様であるが、ユーザ属性情報特定部13の動作(#08)が第1実施形態と異なっている。したがって、ここでは、#08の動作を説明し、他の機能部および他の処理の流れの説明は省略する。
【0032】
本実施形態では、各文字種別の使用傾向をランクで表現している。ランクは、図6に示すようなテーブル(以下、ランク変換テーブルと称する)に基づき決定されるものであり、テーブル中の百分率値は、日本人の標準的な各文字種別の使用割合である。すなわち、このランク変換テーブル中の使用割合とログインユーザの使用割合Piとを比較することにより、ログインユーザのランクRiを取得することができる。例えば、ログインユーザの使用割合Piが上述の標準的な使用割合に近ければランクは3となり、少なければランクは小さくなり、多ければランクは大きくなる。したがって、ランクを用いることにより、ログインユーザの各文字種別の使用割合が標準ユーザからどの程度ずれているかを把握することができる。
【0033】
また、本実施形態のユーザ属性情報特定部13は、図7に示すようなユーザ属性情報毎の各文字種別のランクを表したテーブル(以下、ランクテーブルと称する)を保持している。ランクテーブルにより、各ユーザ属性情報における文字種別の使用傾向を表現することができる。例えば、タイプ1のユーザ属性情報では、平仮名の使用が一般的なユーザよりも多く、漢字、英語等の使用割合が少ないことを表現している。
【0034】
図8に、本実施形態で用いる、このランクテーブルに基づき作成されるユーザ属性情報毎のランクの分布を表す図(以下、ランク分布図と称する)を示す。図8(a)から(d)は、それぞれユーザ属性情報のタイプ1からタイプ4のランク分布図である。
【0035】
ユーザ属性情報特定部13は、ランク変換テーブルを用いて、#06の処理により求められたログインユーザの各文字種別の使用割合Piから、ログインユーザの各文字種別のランクRiを取得し、さらに取得したランクに基づきランク分布図を作成する(図9参照)。図9の例では、ランクRi={3,3,3,3,3}である。次に、ユーザ属性情報特定部13は、ユーザ属性ごとのランク分布図とログインユーザのランク分布図とを比較し、最も類似するランク分布を有するユーザ属性情報をログインユーザのユーザ属性情報として特定する。図10は、このときの比較方法の例を表したものであり、例えば、2つのランク分布がオーバーラップした面積が最大のランク分布を持つユーザ属性情報をログインユーザのユーザ属性情報と特定することができる。
【0036】
また、他の例では、ランク分布図を図11のヒストグラム形式で表すことも可能である。この場合には、ヒストグラムから包絡線を生成し、その包絡線とx軸により囲まれる部分のオーバーラップ面積に基づき、ユーザ属性情報を特定することができる。
【0037】
なお、本実施形態ではランク分布図を用いてユーザ属性情報を特定したが、これに限定されるものではなく、例えば、ログインユーザのランクRiとランクテーブルを比較し、最も近いランクを持つユーザ属性情報をログインユーザのユーザ属性情報として特定することもできる。
【0038】
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態では、ユーザがログインした後にユーザ属性情報の特定処理、および表示制御処理が行われたが、これらは分離した構成とすることもできる。例えば、所定のタイミングでユーザ属性情報を特定し、記憶しておき、通常の状態では、表示制御処理のみを実行する構成とすることができる。また、操作ログ情報記録部11が操作ログ情報を取得する都度、ユーザ属性情報の特定処理を実行する構成とすることもできる。後者の場合には、途中の処理結果を保持しておくと重複した処理を回避でき、好適である。
【0039】
(2)上述の実施形態では、文字情報取得部12による文字情報の取得は、操作に係るファイルから行われたが、文字情報の取得対象はファイルに限定されるものではない。例えば、操作ログ情報からアクセスしたWEBサイトのURL(Uniform Resource Locator)を取得し、そのサイトから文字情報を取得することもできる。さらに、ユーザ入力した文字や送受信したメールの本文等、操作ログ情報に基づき取得でき、本発明の目的を達する限りにおいて、他の方法により文字情報を取得しても構わない。
【0040】
(3)上述の実施形態では、表示制御部16による表示制御は、表示する文字を置換するものであったが、表示制御の方法はこれに限定されるものではない。例えば、図12にはプルダウンメニューの表示制御の例を示しているが、図12(a)の例では、元々表示されるべき文字31はそのまま表示され、マウスカーソル32が重なった文字の変換表示文字33をマウスカーソル近傍に表示させることもできる。また、図12(b)の例では、元々表示すべきプルダウンメニューの文字31はそのまま表示され、文字31の全てに対して変換文字33が表示されている。
【0041】
(4)上述の実施形態では、表示制御がなされる対象は、プルダウンメニュー等のGUIを構成する部品に表示される文字であったが、これに限定されるものでなく、例えばブラウザや文書編集アプリケーションに表示される文章等、本発明の目的を達する限りにおいて、他の対象に対して表示制御を行っても構わない。
【0042】
(5)上述の実施形態では、表示制御は主に表示する文字種別を変更するものであったが、単位等を変換する表示制御を行うこともできる。例えば、基準表示文字が“10000円”であり、ユーザ属性情報が“タイプ4”の場合には、通貨単位を“円”から“$”にした“$100”を変換表示文字とすることもできる。このような表示制御は、通貨単位だけでなく、温度単位、重量単位、距離単位等様々な単位変換を用いることができる。さらに、単位変換だけでなく、本発明の目的を達する限りにおいて、他の変換により変換表示文字を決定しても構わない。
【0043】
(6)上述の実施形態に加えて、さらに漢字のレベルを判定し、変換表示文字に用いる漢字をそのレベルに応じた漢字とする構成とすることもできる。例えば、学年毎に学習する漢字が定められているため、学年とその学年で学習する漢字を関連付けて記録しておき、文字情報をその関連付けた情報と比較することにより学年を推定する。表示文字決定部15は、上述の実施形態の処理により決定した変換表示文字が、推定された学年に適した漢字となるように再度変換を行う。この構成では、よりきめ細かく表示文字を決定できるため、ユーザ毎の知識に応じた表示文字を決定することができる。
【0044】
(7)上述の実施形態では、文字種別を平仮名、片仮名、漢字、英語、その他・外国語としたより細かな文字種別とすることも可能である。例えば、その他・外国語を細分化することができる。この場合には、使用されている文字から言語に応じて特徴のある文字を検出して、文字種別の判定に利用すると好適である。例えば、通貨単位や重量、長さ単位は国により異なる傾向があるため、これらを用いることにより、より細かな文字種別の判定を行うことができる。
【0045】
(8)上述の実施形態では、一のランク変換テーブルを用いたが、複数のランク変換テーブルを用いても構わない。例えば、文字が少ない場合には漢字が多くなり、正確にランクを判定できない状況があるが、文字数に応じた複数のランクテーブルを用いることで、この問題を回避することができる。この場合には、文字情報取得部により取得された文字数に応じてランク変換テーブルを切り替えて使用する。
【0046】
(9)また、ログインユーザのランクRiを判定する際に、ファイル毎に取得した文字情報に基づく割合Pijから各ファイルに対するランクRijを取得し、このランクRijの平均をログインユーザのランクRiとすることもできる。例えば、ファイル毎に求めた割合PijからランクRijを取得する際に、上述の(8)の構成を用いて、各ファイルに適したランクテーブルを用いることができる。この場合には、より正確なランクRiを得ることができるため、好適である。
【0047】
(10)上述の実施形態では、スタンドアロン型で構成した端末表示制御システムを説明したが、本発明の端末表示制御システムはクライアント−サーバ型で構成することも可能である。この場合には、操作ログ情報生成部10以外の構成部は、適宜端末Cとサーバとの間で配置を変更することが可能であり、サーバやネットワークの負荷に応じて配置変更すると好適である。クライアント−サーバ型で構成した場合には、ユーザが様々な端末を利用する場合にも、本発明の端末表示制御システムの効果を享受でき、好適である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明による端末表示制御システムの第1実施形態における機能ブロック図
【図2】本発明による端末表示制御システムの第1実施形態における処理の流れを表すフローチャート
【図3】本発明による端末表示制御システムの第1実施形態におけるユーザ種別テーブルの例
【図4】本発明による端末表示制御システムの第1実施形態における変換表示文字テーブルの例
【図5】本発明による端末表示制御システムの第1実施形態における表示制御の例
【図6】本発明による端末表示制御システムの第2実施形態におけるランク変換テーブルの例
【図7】本発明による端末表示制御システムの第2実施形態におけるランクテーブルの例
【図8】本発明による端末表示制御システムの第2実施形態における各ユーザ属性情報のランク分布図の例
【図9】本発明による端末表示制御システムの第2実施形態におけるログインユーザのランク分布図の例
【図10】本発明による端末表示制御システムの第2実施形態におけるタイプ1のランク分布とログインユーザのランク分布の比較を表す図
【図11】本発明による端末表示制御システムの第2実施形態におけるランク分布図の他の例
【図12】本発明の端末表示制御システムの表示制御の他の例
【符号の説明】
【0049】
C(1):端末
2:ディスプレイ
3:入力機器
10:操作ログ情報生成部
11:操作ログ情報記録部
12:文字情報取得部
13:ユーザ属性情報特定部
14:文字表示情報取得部
15:表示文字決定部
16:表示制御部
20:GUI部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末のディスプレイにおける文字の表示を制御する表示制御部を備えた端末表示制御システムにおいて、
前記端末における操作を表す操作ログ情報を記録管理する操作ログ情報記録部と、
前記操作ログ情報に基づき前記操作に係る文字情報を取得する文字情報取得部と、
前記文字情報に基づき使用している文字種別を判定し、その判定結果に応じてユーザ属性情報を特定するユーザ属性情報特定部と、
前記ディスプレイに表示される文字に関する情報である文字表示情報を取得する文字表示情報取得部と、
前記文字表示情報と前記ユーザ属性情報とに基づき表示する文字を決定する表示文字決定部と、を備え、
前記表示制御部は、前記決定された文字を前記ディスプレイに表示することを特徴とする端末表示制御システム。
【請求項2】
端末における操作を表す操作ログ情報を記録管理する操作ログ情報記録部を備え、前記端末のディスプレイにおける文字の表示を制御する端末表示制御システムのための端末表示制御プログラムにおいて、
前記操作ログ情報に基づき前記操作に係る文字情報を取得する機能と、
前記文字情報に基づき使用している文字種別を判定し、その判定結果に応じてユーザ属性情報を特定する機能と、
前記ディスプレイに表示される文字に関する情報である文字表示情報を取得する機能と、
前記文字表示情報と前記ユーザ属性情報とに基づき表示する文字を決定する機能と、
前記決定された文字を前記ディスプレイに表示する機能と、をコンピュータに実現することを特徴とする端末表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−3075(P2010−3075A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−160757(P2008−160757)
【出願日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】