説明

端末装置、情報提供装置、情報取得方法及び情報提供方法

【課題】ネットワークの使用頻度を減少させることにより、ネットワークの負荷を軽減することができ、ユーザが簡単に目的とする情報要素を得ることができるようにする。
【解決手段】複数の情報要素23−1〜23−nと、該情報要素23−1〜23−nの相互の関連情報5,6,7とを記憶する記憶手段40と、関連情報5,6,7に基づいて複数の情報要素23−1〜23−nの中からユーザ所望の一の情報要素を決定付ける情報要素決定手段2とを具備した端末21から、情報要素決定手段2によって決定された一の情報要素に関連付けられた情報をネットワーク10を介して情報記憶装置22に送信する。情報記憶装置22は、当該情報要素に関連付けられた情報に対応するユーザ所望の情報要素を、ネットワーク10を介して端末21に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検索などを行う複数のコンピュータが接続されたネットワークにおいて、当該ネットワークの通信効率を改善するための端末装置、情報提供装置、情報取得方法及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータのネットワーク化が進み、ユーザが使用するネットワークに接続された一の端末から、複数のコンピュータを接続し、かかるコンピュータ内の情報を一の端末側に自由にアクセスすることが容易にできる様になってきている。
かかるコンピュータは、それぞれの目的や用途に従って、様々な種類の情報が記憶されており、ユーザはその情報の検索をするために予め各コンピュータ中に用意され、かつ階層化された木構造(ツリー構造)のユーザインターフェースに従って、目的の情報に辿り着く様になっている。
【0003】
ここで、階層化された木構造のインターフェースを用いた従来例について、図4を用いて説明する。
(1)構成についての説明
この従来例では、情報記憶装置103が趣味・ビジネスに関する情報を提供するものである。
ユーザ101は自分の所有する端末機102を操作する。この端末機102は、所謂ネットワークと呼ばれる通信手段106に接続されている。ネットワーク106は、この上に接続されている情報機器間を特定の手順に従って、あたかも直接2つの機器が接続されている様に、その間の情報伝達を実現する。
【0004】
情報記憶装置103は、同じネットワーク106に接続されており、このため、端末機102は情報記憶装置103の端末として働く。即ち、ユーザ101は端末機102を通して情報記憶装置103を操作できる様になっている。この情報記憶装置103は、コンピュータ制御部104と、記憶部105によって構成されている。
記憶部105には様々な情報が記憶されるが、本従来例においては、例えば、地域地図、entertainment情報、hotel情報等の旅行に関する情報等が、最終的に記憶されている(以下、最終情報という)。ここで、その記憶の内容は、最終情報の他に、その情報が有する属性を手掛かり情報として記憶している。
【0005】
例えば、“New York”という旅行情報へ辿りつくための手掛かり情報107,108,109として、“趣味ガイド”107a、“旅行ガイド”108b、“U.S.A”109a等の項目が付されている。
コンピュータ制御部104は、
[a] ネットワーク106と記憶部105を論理的に接続し、
[b] 当該ネットワーク106に接続された端末機102からの指示によって、記憶部105中にある最終情報(たとえば“New York”の最新情報110)または手掛かり情報107,108,109を取り出して、これを端末機102側へ送出する。
【0006】
(2)動作についての説明
次に、この従来の構成による装置の動作を、ユーザが“New York”の最終情報110を入手したいとした場合を例にして説明する。
いまユーザが情報記憶装置103を指定した場合、ユーザの端末機102はネットワーク106に対して情報記憶装置103を特定する。このためユーザ101の端末機102は情報記憶装置103と見かけ上1対1で接続される。尚、実際には情報記憶装置103に対して複数のユーザが同時に接続することを可能とする為に、情報記憶装置103は各ユーザ毎に時分割で処理時間を割り振る。
次に、情報記憶装置103中のコンピュータ制御部104は、検索すべき情報をガイドするために、記憶部105中の第1の階層にある手掛かり情報107の項目を取り出し、この手掛かり情報107の項目の“ビジネスガイド”107bと“趣味ガイド”107aが選択可能である旨を、ユーザの端末機102に向けてその情報として送出する。
【0007】
これを受け取ったユーザの端末機102は、その内容を端末機102上に表示し、ユーザ101は最終情報として“New York”の最終情報110を入手したいのであるから、項目の“趣味ガイド”107aを選択してこれを指示する。
ユーザの端末機102とネットワーク106を介して項目“趣味ガイド”107aが選択された旨を受けたコンピュータ制御部104は、次に記憶部105中の第2の階層にある手掛かり情報108の項目を取り出し、項目の“音楽ガイド”108aと“旅行ガイド”108bと“文学ガイド”108cが選択可能である旨をユーザの端末機102に向けてその情報として送出する。
【0008】
同様の手順により、ユーザ101が項目“旅行ガイド”108bを選択すると、第3の階層にある手掛かり情報109の項目に基づき、項目“China”・“Japan”等の旅行先国名が選択可能である旨をユーザの端末機102に向けてその情報として発信し、最終的にユーザ101が“New York”110の最終情報にアクセスできたことになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(1)ここにおいて、端末機102を操作するユーザ101が、最終的にアクセスしたいとする情報に辿り着くには、それぞれの情報記憶装置103中で木構造を辿る処理が稼働することになる。即ち、情報記憶装置103たるコンピュータは、手掛かり情報107〜109の関連情報に従い、現在使用しているユーザ101がどの階層におり、またどの選択枝を採ったかについて、把握していなければならず、演算資源を消費することになる。
【0010】
(2)また、端末機102を操作するユーザ101が、最終的にアクセスしたいとする情報に辿り着くには、それぞれの情報記憶装置103中で木構造を辿る際、端末機102上に手掛かり情報107〜109を表示するために、情報記憶装置103はネットワーク106上にこれらを送出する必要があり、ネットワーク資源を多く使用することになる。
(3)更に、かかる木構造は、それぞれの情報記憶装置103に割り当てられている管理者により常に管理されていて、その内容が変わることがある。即ち、上記の場合においては、手掛かり情報107の項目“趣味ガイド”107aとして、手掛かり情報108の項目の“音楽ガイド”108a、“旅行ガイド”108bに加えて“文学ガイド”108cを新たに追加する等がこれに当たる。この時、不慣れなユーザ101はガイドの表示が変わっただけで、戸惑う場合がある。
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ネットワークの使用頻度を減少させることにより、ネットワークの負荷を軽減することができ、さらに、ユーザが簡単に目的とする情報要素を得ることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、本発明にあっては、ユーザの所望する情報を提供する情報提供装置から、ネットワークを介して、ユーザの所望する情報を取得する端末装置において、複数の情報要素と、上記情報要素の相互の関連情報を記憶する記憶手段と、上記関連情報に基づいて、ユーザ所望の情報要素を決定付ける情報要素決定手段と、上記情報要素決定手段によって決定された情報要素に関連付けられた情報を、上記ネットワークを介して、上記情報提供装置から受信する受信手段とを備え、少なくとも一部の上記相互の関連情報は、上記情報提供装置に記憶されることを特徴とする端末装置により達成される。
あるいは、ユーザの所望する情報を提供する情報提供装置から、ネットワークを介して、ユーザの所望する情報を取得する端末装置において、上記情報提供装置と少なくとも一部が共有される、複数の情報要素と、上記情報要素の相互の関連情報を記憶する記憶手段と、 上記関連情報に従って、ユーザ所望の情報要素を決定付ける情報要素決定手段と、上記情報要素決定手段によって決定された情報要素に関連付けられた最終情報を、上記ネットワークを介して、上記情報提供装置から受信する受信手段とを備えることを特徴とする端末装置により達成される。
【0012】
本発明は、ユーザ端末中に最終情報に辿り着くまでの処理を担保させ、かかる選択処理が終了した後に情報提供装置から情報の取り出しをすることによって、ネットワークの使用頻度の軽減を図りその負荷を軽減する様にしたものである。このため、その本質は、複数の情報要素と、該情報要素の相互の関連情報とを記憶する記憶手段を有し、該関連情報に基づいてユーザ所望の情報要素を決定付ける情報要素決定手段に従って当該情報要素を選択することにある。そして、ここで、情報要素とは、この結果によって通信によって接続された情報提供装置の中の特定の情報を指示する情報とする。複数の情報要素は、通信によって接続された情報提供装置の中の特定の情報を決定する様に作用する。
【0013】
情報要素の相互の関連情報は、ユーザが最終的にアクセスしたい情報へ辿りつくための“手掛かり情報”として、階層毎に階層間の関連性を含めて記憶して、手掛かり情報をユーザに提供できる様に作用する。関連情報に基づいてユーザ所望の情報要素を決定付ける情報要素決定手段は、上記情報要素の相互の関連情報に従って、手掛かり情報をユーザに提示しながら階層間を渡り、最終的にユーザに対して情報要素の一意を決定させる様に作用する。
【0014】
上記目的は、本発明にあっては、ユーザの所望する情報を、ネットワークを介して、ユーザの端末装置に提供する情報提供装置において、上記端末装置に記憶される複数の情報要素と、上記情報要素の相互の関連情報の少なくとも一部を記憶する記憶手段と、上記関連情報に基づいて、上記端末装置において決定付けられるユーザ所望の情報要素の要求を受ける受信手段と、上記受信手段で受信される要求に従って、上記ネットワークを介して、上記端末装置にユーザ所望の情報要素を送信する送信手段とを備えることを特徴とする情報提供装置により達成される。
本発明は、ユーザ端末中に最終情報に辿り着くまでの処理を担保させ、かかる選択処理が終了した後に情報提供装置でその結果を受信し対応する情報要素を端末装置に送信することによって、ネットワークの使用頻度の軽減を図りその負荷を軽減する様にしたものである。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、ネットワークの使用頻度を減少させることにより、ネットワークの軽減を図り、ユーザが簡単に目的とする情報要素を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1乃至図3を用いて説明する。
第1の実施の形態
(1)構成の説明
図1は本発明に係る第1の実施の形態を示す構成図である。
まず、端末21について説明する。端末21は、ユーザ1とネットワーク10間に介在し、ユーザ1の指定する処理を実行し、かつ必要な情報をネットワーク10上にある特定の情報記憶装置22に伝達する様になっている。端末21は、情報要素決定手段2と、関連情報部3と、情報要素部4を有している。関連情報部3と情報要素部4は記憶手段40に含まれている。
【0018】
関連情報部3は、記憶手段40の一部であって、ユーザ1が最終的にアクセスしたい情報に辿りつくための“手掛かり情報”5〜7を、階層毎に階層間の関連性を含めて木構造状に記憶して、これをユーザ1に提供できる様になっている。図1では、関連情報部3は、“手掛かり情報”5〜7の3階層によって構成され、かつ各階層では、階層別に所定の意味に従って分離されている。この関連情報部3が記憶している“手掛かり情報”5〜7は、あとで述べる情報要素のための相互の関連情報に相当する。
【0019】
情報要素部4は、関連情報部3とともに記憶される記憶手段40の一部であって、前記関連情報部3が有する最終的な階層7である“手掛かり情報”との関連で、予め決められた複数の情報要素であるID番号(9−1、…、9−m、9−n)を記憶している。加えて、情報要素部4は、かかる階層に従った情報がネットワーク10に接続されている何れの情報記憶装置に記憶されているのかを示す複数の情報要素である情報記憶装置特定情報(23−1、…、23−m、23−n)も併せて記憶する様になっている。
【0020】
ここで、関連情報部3と情報要素部4の情報を保有する記憶手段40は、たとえば本端末の外部より装着しうる情報記憶媒体であるフロッピー(登録商標)ディスクやメモリーカードあるいは光磁気ディスクや光ディスク、デジタルテープ等の情報伝達部材を使用して実現すればよい。
この情報伝達部材に記憶されている内容は、コンピュータ内に内蔵されている、記憶部材例えばハードディスク、半導体メモリーなどに、複写することができる。この目的は、後述の通信回線を通じて改訂された情報をロードできること、それから、2回目以降のコンピュータの起動時に、情報伝達部材がなくとも、内蔵記憶部材のデータを参照しながら起動できることを目指すためである。
【0021】
このように図1の記憶手段40としてフロッピー(登録商標)ディスクのような情報記憶媒体を用いる場合には、この情報記憶媒体は次のようになっている。すなわち、情報記憶媒体は、ユーザ1の所望する情報を通信回線であるネットワーク10を介して、情報記憶装置22から転送するためのネットワーク上の端末装置で読み取り可能な情報記憶媒体である。この情報記憶媒体は、複数の情報要素であるID番号(ID1〜IDn)と、該情報要素の相互の関連情報である手掛かり情報5,6,7とを記憶し、上記関連情報要素に基づいて、上記端末21のユーザ1により上記複数の情報要素の中から−の情報要素を端末21に決定づけさせる情報要素決定制御情報(図1の情報要素決定手段2に記憶されている制御情報)と、上記情報要素決定制御情報によって決定された−の情報要素を上記通信回線を介して上記情報記憶装置から取り出す情報要素取り出し制御情報としての情報記憶装置特定情報23−1〜23−mとを具備している。
【0022】
情報要素決定手段2は、上記関連情報部3とユーザ1の間に介在し、その“手掛かり情報”5〜7をユーザ1に提示しながら、関連情報部3中の各階層をユーザ1の指示にしたがって辿る処理をする様になっている。そして、“手掛かり情報”5〜7の最終の階層まで辿りついたときには、情報要素決定手段2は、記憶手段40の関連情報部3の関連情報である“手掛かり情報”5〜7に基づいてユーザ(操作者ともいう)1により、情報要素部4中の−の情報要素である情報要素部4中の対応するID番号を抽出する様になっている。
【0023】
次に、情報記憶装置22について説明する。
情報記憶装置22は、コンピュータ制御部14と、記憶部15と、ID・アドレス対応表11を有している。
記憶部15には様々な情報が木構造状に記憶される。例えば、地域地図、entertainment情報、hotel情報等の旅行に関する情報等が最終的に記憶されている。ここで、その記憶の内容は、“最終情報”20の他に、その“最終情報”20が有する“属性”を“手掛かり情報”16,18,19として記憶している。
【0024】
ID・アドレス対応表11は、予め最終情報20において提供される情報について決められたID番号12と、その最終情報20の記憶位置13との関連を記憶する部分である。このID・アドレス対応表11では、一の最終情報20には唯一のID番号12が対応する様になっている。ここで、ID番号とは、Identification number(識別番号)のことであり、各最終情報20について決められた識別用の番号である。
【0025】
コンピュータ制御部14は、ネットワーク10と記憶部15を論理的に接続し、しかも当該ネットワーク10に接続された端末21からのユーザ1の指示によって、記憶部15中にある最終情報20または、“手掛かり情報”16,18,19を取り出して、これを端末21側へ送出するようになっている。そして、コンピュータ制御部14は、当該ネットワーク10に接続された端末21からの指示がID番号であるときには、ID・アドレス対応表11のうち同一のID番号12を検索し、これに対応する記憶位置13(アドレス)を取り出し、かかる番地に従って記憶部15中にある最終情報20を端末21側へ送出する様になっている。
【0026】
すなわち、記憶手段40は、上記情報要素決定手段2によって決定された一の情報要素が、ネットワーク10に接続された複数の情報記憶装置22の何れに記憶されているかを示す情報記憶装置特定情報23−1〜23−nを更に記憶しており、情報要素決定手段2は、情報要素決定手段2によって決定された一の情報要素が、複数の情報記憶装置22の何れに記憶されているかを示す情報記憶装置特定情報23−1〜23−nを介してアドレス決定装置であるID・アドレス対応表11から得る。
【0027】
(2)動作の説明
次に、上記第1の実施の形態における動作について、ユーザ1が図1の“New York”という最終情報20aを入手したいとした場合を例にして説明する。
図1の端末21中の情報要素決定手段2は、検索すべき最終情報20の項目の“New York”20aをガイドするために、記憶手段40中の関連情報部3の第1の階層にある“手掛かり情報”5を取り出し、“ビジネスガイド”5aと“趣味ガイド”5bが選択可能である旨をユーザ1に提示する。
これを受け取ったユーザ1は、最終情報20として項目の“New York”20aの情報を入手したいのであるから、“趣味ガイド”5bを選択してこれを情報要素決定手段2に指示する。
【0028】
“趣味ガイド”5bが選択された旨を受けた情報要素決定手段2は、次に記憶手段40中の第2の階層にある“手掛かり情報”6を取り出し、その項目の“音楽ガイド”6aと“旅行ガイド”6bが選択可能である旨をユーザ1に提示する。
同様の手段によりユーザ1が“旅行ガイド”6bを選択すると、情報要素決定手段2は、第3の階層にある“手掛かり情報”7に基づき、その項目の“China”8a、“Japan”8b、“U.S.A”8c、“Canada”8d等の地域カテゴリが選択可能である旨をユーザ1に対して提示する。
【0029】
ユーザ1が“U.S.A”8cを選択する旨を情報要素決定手段2に伝えると、情報要素決定手段2は手掛かり情報“U.S.A”8cに属する最終情報20として“New York”、“Los Angeles”等の情報が選択可能である旨をユーザ1に提示する。ユーザ1が“New York”20aを選択する旨を情報要素決定手段2に伝えることにより、最終的にユーザ1が“NewYork”20aの情報を得たい旨が端末21により決定されることになる。ユーザ1の要求する最終情報20が決定されると、情報要素決定手段2は、かかる“New York”20aの最終情報に対応したID番号9−1〜9−nのいずれかを情報要素部4から取り出す。
【0030】
次に情報要素決定手段2は、情報要素部4中にある情報記憶装置特定情報23(23−1〜23−n)を参照し、かかる“New York”20aの情報がネットワーク10に接続された何れの情報記憶装置22に含まれているかを確認する。そして、情報要素決定手段2は、かかる情報記憶装置特定情報23に示されたたとえば情報記憶装置22に対して、目的とする最終情報20の“NewYork”20aの抽出をするために、情報記憶装置22のコンピュータ制御部14に対して“New York”20aに対応したID番号をネットワーク10を通して送出する。
【0031】
そして特定された情報記憶装置22では、コンピュータ制御部14が、かかるID番号を受け取り、ID・アドレス対応表11より該当する情報を記憶している番地を決定して、要求されている最終情報20の“New York”20aの情報内容を抽出して、要求をした端末21にこれを送り出す処理をする。
【0032】
なお、情報記憶装置22において端末21の関連情報部3と同様に“手掛かり情報”16,18、19を木構造状に各階層毎に記憶しているのは、情報取り出しの要求が図1の端末21からのID番号に従ったものでなく、図示しない通常の端末からアクセスがあったときにも対応することができる様にするためである。この図示例では、手掛かり情報16,18,19は、端末21側の記憶手段40の手掛かり情報5,6,7と同じ構造である。
【0033】
この第1の実施の形態において、上記のごとき運用をすることで、ユーザ1はその取り出そうとする最終情報20に辿りつくまでにネットワーク10を使用する必要がなくなり、しかも、その最終情報20の選択までの処理は端末21側の演算力を使用することになる。このことから、ネットワーク10の負荷ならびに情報記憶装置22の演算力を軽減することができる。
尚、第1の実施の形態においては、情報記憶装置特定情報23−1〜23−nが最終情報の各単位で記憶される様になっているので、その最終情報20の記憶されている情報記憶装置22は唯一のものに限られず、ネットワーク10に接続されているもの全て渡っても構わない。
【0034】
第2の実施の形態
上述した第1の実施の形態に挙げた情報装置の構成では、確かに、情報要素部4中のID(9−x)により指定された最終情報20が、そのIDに対応した情報記憶装置22の特定情報23−xの記憶部15内に含まれているときには、その記憶部15内の階層構造が変更になっても何らの問題は生じない。
つまり、記憶内容の変更として、最終情報20が同一の情報記憶装置22中にあるときは格別問題はないが、その該当する最終情報20が他の情報記憶装置へ記憶内容が移転されたときには、如何にして処理するべきであろうか、ユーザ1は必要な最終情報20が何れの情報記憶装置に移転させられたかが不明となるので、問題となる。
このため、以下に説明する第2の実施の形態は、第1の実施の形態を発展的に再構成し、これにより最終情報20がある情報記憶装置から他の情報記憶装置に移転されたときでも、ユーザ1側に何らの負担をかけることなく、アクセスを従前と同様にすることができる様にしたものである。
【0035】
(1)構成の説明
図2の第2の実施の形態が、図1の第1の実施の形態と異なるのは、ネットワーク10上に対してアドレスサービス装置50が付設されていることである。
【0036】
図2に示す第2の実施の形態では、ユーザ1とネットワーク10の間に端末21が介在していて、この端末21は、第1の実施の形態の場合と同様にユーザ1の指定する処理を実行してかつ必要な情報をネットワーク10上にある特定の情報記憶装置(22a、…、22x)に伝達するようになっている。
この端末21は、図1の第1の実施の形態の端末21とほぼ同様の構造であり、情報要素決定手段2、関連情報部3および情報要素部の部分4aを有している。情報要素決定手段2および関連情報部3は、図1の第1の実施の形態の相当する部分と同様の構造であるが、情報要素部4の部分4aには、ID番号9−1〜9−nが記憶されている。この関連情報部3と情報要素部の部分4aは、記憶手段40を構成している。
【0037】
上述したアドレスサービス装置50は、コンピュータ制御部53とID・アドレス対応表11および情報要素部4を有している。この情報要素部4は、図1の第1の実施の形態1の情報要素部4と同様の構成のものである。またID・アドレス対応表11は、図1の第1の実施の形態のID・アドレス対応表11と同様の構造のものである。
コンピュータ制御部53は、ネットワーク10と情報要素部4を論理的に接続し、かつネットワーク10に接続された端末21から受信したID番号が、ネットワーク10に接続されている複数の情報記憶装置22a,22b,…のうち何れの情報記憶装置に含まれているかを表す情報記憶装置特定情報(図2には、装置特定情報として表示)を情報要素部4を検索して決定し、その情報記憶装置特定情報を端末21に送出する。さらにコンピュータ制御部53は、ID・アドレス対応表11のID番号12を検索し、それぞれの情報記憶装置内でID番号に対応する情報が記憶されている記憶位置13、即ち番地(アドレス)の検索を行う。
【0038】
情報記憶装置22aは、コンピュータ制御部14と記憶部15aを有している。同様にして別の情報記憶装置22bは、コンピュータ制御部14と記憶部15bを有している。その他の情報記憶装置22xも同様にコンピュータ制御部と記憶部を有している。
【0039】
(2)動作の説明
次に、図2の第2の実施の形態における動作について、ユーザ1が“NewYork”の旅行情報を入手したい場合を例にして説明する。
図2の端末21中の情報要素決定手段2は、検索すべき最終情報20をガイドするために、記憶手段40中の関連情報部3の第1の階層にある“手掛かり情報”5を取り出し、“ビジネスガイド”5aと“趣味ガイド”5bが選択可能である旨をユーザ1に提示する。
これを受け取ったユーザ1は、最終情報20として“New York”20aの情報を入手したいのであるから、“趣味ガイド”5bを選択する旨を情報要素決定手段2に指示する。
【0040】
“趣味ガイド”5bが選択された旨を受け取った情報要素決定手段2は、次に記憶手段40中の第2の階層である“手掛かり情報”6を取り出して、その階層に分類されている“音楽ガイド”6aと“旅行ガイド”6bが選択可能である旨をユーザ1に提示する。
同様の手順によりユーザ1が“旅行ガイド”6bを選択すると、情報要素決定手段2は、第3の階層にある“手掛かり情報”7に基づき、その項目の“China”8a、“Japan”8b、“U.S.A”8c、“Canada”8d等のカテゴリが選択可能であることをユーザ1に対して提示する。
【0041】
ユーザ1が“U.S.A”8cを選択する旨を情報要素決定手段2に伝えると、情報要素決定手段2は手掛かり情報“U.S.A”8cに属する最終情報20として“New York”“Los Angeles”等の最終情報20が選択可能であることをユーザ1に提示する。ユーザ1が“New York”の情報20aを選択することを情報要素決定手段2に伝えることにより、最終的にユーザ1が“New York”の情報20aを得たい旨が端末21によって決定されることになる。ユーザ1の要求する最終情報20が決定されると、情報要素決定手段2は、かかる“New York”の情報20aに応じたID番号(9−1〜9−nのいずれか)を情報要素の部分4aから取り出し、ネットワーク10を介してアドレスサービス装置50に決定されたID番号を送信する。
【0042】
ネットワーク10を介してID番号を受信したアドレスサービス装置50は、コンピュータ制御部53を用いて、ID番号に対応する最終情報が何れの情報記憶装置22a、22b…内に記憶されているかを表す情報記憶装置特定情報23が格納された情報要素部4を検索して、端末21から受信したID番号に対応する最終情報(即ちユーザ1が選択した最終情報である“New York”の情報20a)が何れの情報記憶装置に記憶されているかを特定する。図2の場合には、情報記憶装置22aが特定される。その後、アドレスサービス装置50は、端末21によりその特定された情報記憶装置特定情報を送信する。
これにより、端末21の情報要素決定手段2は、アドレスサービス装置50から受信した情報記憶装置特定情報23に示された情報記憶装置22aに対して、目的とする最終情報20の“New York”の情報20aの抽出をするべく、情報記憶装置22aのコンピュータ制御部14に対してID番号をネットワーク10を介して送出する。
【0043】
そして特定された情報記憶装置22aでは、コンピュータ制御部14がかかるID番号を受け取り、アドレスサービス装置50に記憶されているID・アドレス対応表11を用いて、該当する情報が記憶されている番地を検索し、端末21に要求された最終情報20の“New York”20aの情報を抽出して、端末21に送り出す処理をする。
【0044】
このように構成することにより、この第2の実施の形態においては、ユーザは所望の最終情報20に辿り着くまでにネットワーク10を使用する必要性がなくなり、また、最終情報20の選択までの処理を端末21側の演算力を使用することになる。
このことから、ネットワークの負荷並びに情報記憶装置22a、22b…の演算負荷を軽減することができる。しかも、ネットワーク10に対して複数接続されている情報記憶装置22a,22b…の内容が変更になったとしても、アドレスサービス装置50内でのID・アドレス対応表11並びに情報要素部4の情報記憶装置特定情報23のみを管理維持することによって、既にユーザ1に対して付与された関連情報である手掛かり情報の各要素については何ら変更を行う必要がないという利点がある。
【0045】
また、上記第2の実施の形態において、アドレスサービス装置50は、端末21からID番号の受信に対してそのID番号に対応する情報記憶装置特定情報23を返信し、その後、情報記憶装置22a,22b,…がアドレスサービス装置50のID・アドレス対応表11を用いて最終情報の記憶番地を求めるように構成したが、端末21からのID番号受信時に、情報要素部4を検索すると共に、ID・アドレス対応表11をも検索し、情報記憶装置特定情報23と共にID番号に対応する最終情報が記憶された番地(アドレス)を端末21に送信するようにしてもよい。
この際、端末21は、情報記憶装置22a,22b,…にID番号の代わりに、最終情報が記憶されている番地を送信する。これにより、情報記憶装置22a,22b,…がアドレスサービス装置50に最終情報記憶番地を問い合わせる必要がなくなる。
【0046】
尚、上記第2の実施の形態においては、アドレスサービス装置50内にID・アドレス対応表11を記憶した構成としたが、情報記憶装置22a,22b,…内に図1に示したように、それぞれの情報記憶装置が記憶している最終情報20に対応したID・アドレス対応表を記憶するようにしてもよいことは明らかである。
【0047】
第3の実施の形態
図3は、第3の実施の形態を示している。図3の第3の実施の形態は、図2の第2の実施の形態を更に発展させたものであり、ユーザ1の端末21が備えている関連情報と情報要素の記憶手段40の内容は、ネットワーク10を通して、関連情報・情報要素配送部60から適宜ロードできるようにして、端末21の記憶手段40の内容を変更することができるようになっている。
【0048】
そこで、図3の第3の実施の形態は、図2の第2の実施の形態に対して更に関連情報・情報要素配送部60が付設されている。この関連情報・情報要素配送部60は、端末21の記憶手段40に記憶されている関連情報である“手掛かり情報”5,6,7と、情報要素であるID番号9−1〜9−nを、ネットワーク10を介して通信により記憶手段40に対して配送するようになっている。関連情報・情報要素配送部60は、複数の関連情報部3a,3b,3c‥‥を有しており、これらの関連情報部3a,3b,3c‥‥はそれぞれ異なる内容を有している。配送制御部61は、この関連情報部3a,3b,3c‥‥の中から1つの関連情報部を選んで、端末21側の記憶手段40に対して配送もしくは移送して記憶手段40内に記憶されている関連情報と情報要素の書き換えを行うことができる。
これにより、ユーザ1の要求に応じて、要求に対応する関連情報と情報要素を有する関連情報部例えば3aを、端末21の記憶手段40に移送して書き換えることができることになる。
【0049】
ところで本発明の上述した実施の形態では、主に音楽情報についての関連情報および情報要素を例にして説明しているが、本発明はこれに限らず他の分野においても勿論適用することはできる。本発明は例えばユーザが製品のサービス情報を得るために用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の端末装置を有する情報装置の好ましい第1の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の端末装置を有する情報装置の好ましい第2の実施の形態を示す図である。
【図3】本発明の端末装置を有する情報装置の好ましい第3の実施の形態を示す図である。
【図4】従来の情報装置の例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1・・・ユーザ(操作者)、2・・・情報要素決定手段、3・・・関連情報部、4・・・情報要素部、5,6,7・・・手掛かり情報(関連情報)、9・・・ID番号(情報要素)、10・・・ネットワーク(通信回線)、11・・・ID・アドレス対応表(アドレス決定装置)、20,20a・・・最終情報(情報記憶装置の中の特定の情報)、21・・・端末(端末装置)、22,22a,22b・・・情報記憶装置、23−1〜23−n・・・情報記憶装置特定情報(情報要素)、40・・・記憶手段、50・・・アドレスサービス装置(アドレス決定装置)、60・・・関連情報・情報要素配送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの所望する情報を提供する情報提供装置から、ネットワークを介して、ユーザの所望する情報を取得する端末装置において、
複数の情報要素と、上記情報要素の相互の関連情報を記憶する記憶手段と、
上記関連情報に基づいて、ユーザ所望の情報要素を決定付ける情報要素決定手段と、
上記情報要素決定手段によって決定された情報要素に関連付けられた情報を、上記ネットワークを介して、上記情報提供装置から受信する受信手段とを備え、
少なくとも一部の上記相互の関連情報は、上記情報提供装置に記憶されることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
上記記憶手段は、上記情報要素決定手段によって決定された一の情報要素が、ネットワークに接続された複数の情報提供装置の何れに記憶されているかを示す情報記憶装置特定情報を更に記憶している
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
上記情報要素決定手段は、上記情報要素決定手段によって決定された一の情報要素が、ネットワークに接続された複数の情報提供装置の何れに記憶されているかを示す情報記憶装置特定情報を、上記ネットワークを介してアドレス決定装置から得る
ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
ユーザの所望する情報を、ネットワークを介して、ユーザの端末装置に提供する情報提供装置において、
上記端末装置に記憶される複数の情報要素と、上記情報要素の相互の関連情報の少なくとも一部を記憶する記憶手段と、
上記関連情報に基づいて、上記端末装置において決定付けられるユーザ所望の情報要素の要求を受ける受信手段と、
上記受信手段で受信される要求に従って、上記ネットワークを介して、上記端末装置にユーザ所望の情報要素を送信する送信手段と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
ユーザの所望する情報を提供する情報提供装置から、ネットワークを介して、ユーザの所望する情報を取得する端末装置における情報取得方法において、
複数の情報要素と、上記情報要素の相互の関連情報を記憶するステップと、
上記関連情報に基づいて、ユーザ所望の情報要素を決定付けるステップと、
決定された情報要素に関連付けられた情報を、上記ネットワークを介して、上記情報提供装置から受信するステップとを含み、
少なくとも一部の上記相互の関連情報は、上記情報提供装置に記憶される
ことを特徴とする情報取得方法。
【請求項6】
ユーザの所望する情報を、ネットワークを介して、ユーザの端末装置に提供する情報提供装置における情報提供方法において、
上記端末装置に記憶される複数の情報要素と、上記情報要素の相互の関連情報の少なくとも一部を記憶するステップと、
上記関連情報に基づいて、上記端末装置において決定付けられるユーザ所望の情報要素の要求を受けるステップと、
受信された要求に従って、上記ネットワークを介して、上記端末装置にユーザ所望の情報要素を送信するステップと
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項7】
ユーザの所望する情報を提供する情報提供装置から、ネットワークを介して、ユーザの所望する情報を取得する端末装置において、
上記情報提供装置と少なくとも一部が共有される、複数の情報要素と、上記情報要素の相互の関連情報を記憶する記憶手段と、
上記関連情報に従って、ユーザ所望の情報要素を決定付ける情報要素決定手段と、
上記情報要素決定手段によって決定された情報要素に関連付けられた最終情報を、上記ネットワークを介して、上記情報提供装置から受信する受信手段とを備える
ことを特徴とする端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−52814(P2007−52814A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299505(P2006−299505)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【分割の表示】特願平8−233638の分割
【原出願日】平成8年8月15日(1996.8.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】