説明

端末装置のカバー構造及び端末装置

【課題】ヒンジ収納隙間部にヒンジ部を挿入しやすく且つ抜けにくくすることができる端末装置のカバー構造及び端末装置を提供する。
【解決手段】開口部7を覆うカバー本体8aに、その一端側から可撓性を有するようヒンジ部8cを延出させ、該ヒンジ部8cの先端に、ヒンジ部8cに対し鋭角に傾斜して突出する第一突片部8e1と、該第一突片部8e1の反対側で前記ヒンジ部8cに対し鈍角に傾斜して突出する第二突片部8e2とを有する突片部8eを設けて、カバー部材8を構成すると共に、前記第一突片部8e1を係止可能な第一係止部11e1と、前記第二突片部8e2を係止可能な第二係止部11e2とを有する係止部11eを、ヒンジ収納隙間部9における開口部7側の入口部分に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置のカバー構造及び端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機やPHS等の移動通信機、或いはPDA(Personal Digital Assistant)や小型のノート型パソコンといった端末装置が急速に普及してきているが、斯かる端末装置においては、インターフェースコネクタを接続したり、或いは画像データや音楽データ等を記憶させたメモリーカードのような記憶媒体を装着したりするための細長い開口部が形成されており、該開口部は、開閉自在なカバーで覆われるのが一般的である。
【0003】
例えば、特許文献1には、折畳式の携帯電話機等の端末装置の一例が開示されており、この折畳式の端末装置は、端末装置本体を形成する筐体を第一の筐体としての上部筐体と第二の筐体としての下部筐体とに分割し、それらをヒンジモジュールを介して開閉可能となるよう互いに回動自在に連結してなる構成を有している。
【0004】
前記上部筐体には、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示器が設けられる一方、前記下部筐体には、多数のキーが配置され且つバッテリーが内蔵されると共に、インターフェースコネクタ或いは記憶媒体が抜き差しされる細長い開口部と、該インターフェースコネクタ或いは記憶媒体の開口部を開閉自在に覆うためのカバー部材とが設けられている。
【0005】
前記カバー部材は、端末装置本体に開口された開口部を覆うカバー本体に、その一端側から可撓性を有するよう一体に延び且つ先端部に鉤状突片部が形成されたヒンジ部を設けると共に、該ヒンジ部と反対側のカバー本体他端部に、端末装置本体に対して係合・離脱可能な爪部を設け、前記端末装置本体における開口部の一端側に隣接して延びるようヒンジ収納隙間部を形成し、該ヒンジ収納隙間部における開口部側端部に、前記鉤状突片部を係止するヒンジ部抜け止め用のリブを配置し、前記ヒンジ収納隙間部にヒンジ部を挿入し、前記開口部をカバー本体で覆い且つ爪部を端末装置本体の係合部に対して係合させ前記開口部を閉じる一方、前記爪部を端末装置本体の係合部から離脱させ、カバー本体をヒンジ部が引き出される方向にスライドさせつつ、該ヒンジ部を撓ませるようにカバー本体を開口部から離反させることにより、該開口部を開くよう構成されている。
【特許文献1】特開2006−67182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述の如き端末装置の製造工程においては、インターフェースコネクタを使用して各種の検査が行われるが、その場合、開口部にカバー部材が取り付けられた状態では作業性が悪いため、開口部には最終工程でカバー部材を取り付けた方が効率が良い。
【0007】
しかしながら、特許文献1に示されるような端末装置のカバー構造において、最終工程で前記カバー部材の鉤状突片部を開口部からヒンジ収納隙間部に押し込むようにした場合、鉤状突片部を圧縮変形させて、ヒンジ部抜け止め用のリブが形成されている部分を通過させなければならず、挿入しにくいという欠点を有しており、又、逆に前記鉤状突片部を挿入しやすい形状にすると抜けやすくなってしまうという相反する問題が生じる虞があった。
【0008】
尚、前記端末装置本体の下部筐体の背面側に開閉自在に取り付けられる電池蓋で隠れる内部に、前記カバー部材の鉤状突片部を引っ掛けるようにするものもあるが、デザイン上の制約や開口部の位置の問題等から、前述の如く最終工程で前記カバー部材の鉤状突片部を開口部からヒンジ収納隙間部に押し込むようにせざるを得ないことが多くなっていた。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、ヒンジ収納隙間部にヒンジ部を挿入しやすく且つ抜けにくくすることができる端末装置のカバー構造及び端末装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、端末装置本体に設けられた開口部を覆うカバー本体、該カバー本体の一端側から可撓性を有して一体に延びるよう形成されたヒンジ部、及び該ヒンジ部の先端部に形成される突片部を有して構成されるカバー部材と、
前記端末装置本体の前記開口部に隣設されて、前記ヒンジ部を収納可能なヒンジ収納隙間部と、
該ヒンジ収納隙間部に設けられて、前記ヒンジ部が前記ヒンジ収納隙間部に沿って前記開口部側へ引き出される方向に前記カバー本体をスライドさせたときに前記突片部を係止して前記ヒンジ部の前記開口部側への引き出しを規制する係止部と
を備えて構成され、
前記ヒンジ収納隙間部に前記ヒンジ部を挿入した状態で、前記開口部を前記カバー本体で覆う一方、前記カバー本体を前記ヒンジ部が前記ヒンジ収納隙間部に沿って前記開口部側へ引き出される方向にスライドさせることにより、前記開口部を開くよう構成した端末装置のカバー構造において、
前記突片部は、前記ヒンジ部に対し鋭角に傾斜して突出する第一突片部と、該第一突片部の反対側で前記ヒンジ部に対し鈍角に傾斜して突出する第二突片部とを有して形成され、
前記係止部は、前記第一突片部を係止可能な第一係止部と、前記第二突片部を係止可能な第二係止部とを有して構成されることを特徴とする端末装置のカバー構造にかかるものである。
【0011】
前記端末装置のカバー構造においては、前記第一係止部は、鋭角に形成されていることが望ましい。
【0012】
この場合、前記ヒンジ部に対する前記第一突片部の鋭角な傾斜角度と、前記第一係止部の鋭角な角度とが略同一となるよう構成されていることが望ましい。
【0013】
又、前記突片部は、前記ヒンジ部の厚さ方向における幅が前記ヒンジ収納隙間部の最小隙間間隔よりも長くなるように形成されて、前記ヒンジ収納隙間部にヒンジ部を挿入する際、該ヒンジ部に対する前記第一突片部の鋭角な傾斜角度が小さくなり且つ前記ヒンジ部に対する前記第二突片部の鈍角な傾斜角度が大きくなるように可撓性を有して構成されることが有効となる。
【0014】
この場合、前記ヒンジ部は、前記第一突片部が対向する位置に厚さの薄くなる逃げ部が形成されていることが望ましい。
【0015】
更に、前記端末装置のカバー構造においては、前記突片部は、前記第一突片部が前記第一係止部に係止されて付勢力を受けると前記第二突片部が前記第二係止部に圧接されるようにすることが望ましい。
【0016】
一方、本発明は、開口部が設けられた筐体と、
前記開口部を覆うカバー本体、該カバー本体の一端側から可撓性を有して一体に延びるよう形成されたヒンジ部、及び該ヒンジ部の先端部に形成される突片部を有して構成されるカバー部材と、
前記筐体に設けられて、前記カバー部材と係合及び離脱可能な係合部と、
前記筐体の前記開口部に隣設されて、前記ヒンジ部を収納可能なヒンジ収納隙間部と、
該ヒンジ収納隙間部に設けられて、前記ヒンジ部が前記ヒンジ収納隙間部に沿って前記開口部側へ引き出される方向に前記カバー本体をスライドさせたときに前記突片部を係止して前記ヒンジ部の前記開口部側への引き出しを規制する係止部と
を備えて構成される端末装置において、
前記突片部は、前記ヒンジ部に対し鋭角に傾斜して突出する第一突片部と、該第一突片部の反対側で前記ヒンジ部に対し鈍角に傾斜して突出する第二突片部とを有して形成され、
前記係止部は、前記第一突片部を係止可能な第一係止部と、前記第二突片部を係止可能な第二係止部とを有して構成されることを特徴とする端末装置にかかるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の端末装置のカバー構造及び端末装置によれば、ヒンジ収納隙間部にヒンジ部を挿入しやすく且つ抜けにくくすることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1〜図5は本発明を実施する形態の一例であって、図中、特許文献1に記載の図面と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は特許文献1に示す従来のもの、即ち、端末装置本体1を形成する筐体2を第一の筐体としての上部筐体2aと第二の筐体としての下部筐体2bとに分割し、それらをヒンジモジュール3を介して開閉可能となるよう互いに回動自在に連結してなる構成を有している折畳式の端末装置と同様であるが、本図示例では、端末装置本体1の下部筐体2bを構成して多数のキー5が配置されるキー側ケース2b1と背面側ケース2b2との接合面を、特許文献1に示される下部筐体2bより背面側にずらし、キー側ケース2b1の厚さ方向における奥行きを深くし、該キー側ケース2b1の側面に切欠を設けて開口部7を形成するようにしてある。
【0020】
そして、前記開口部7を覆うカバー本体8aに、図2(a)〜(d)、図3及び図4に示す如く、その一端側から可撓性を有するようヒンジ部8cを延出させ、該ヒンジ部8cの先端に、ヒンジ部8cに対し鋭角(角度α)に傾斜して突出する第一突片部8e1と、該第一突片部8e1の反対側で前記ヒンジ部8cに対し鈍角(角度β)に傾斜して突出する第二突片部8e2とを有する突片部8eを設けて、カバー部材8を構成すると共に、前記第一突片部8e1を係止可能な第一係止部11e1と、前記第二突片部8e2を係止可能な第二係止部11e2とを有する係止部11eを、ヒンジ収納隙間部9における開口部7側の入口部分に設けるようにしてある。
【0021】
尚、前記カバー部材8のカバー本体8aには、図2(a)〜(d)に示す如く、その外周部複数所要箇所に爪部8dを設け、前記端末装置本体1の開口部7における対応箇所に設けられた係合部(図示せず)に対して前記爪部8dを係合・離脱可能となるようにしてある。
【0022】
又、前記カバー部材8は、そのカバー本体8aをABS樹脂又はPC樹脂等の硬質樹脂とし、ヒンジ部8cと突片部8eと爪部8dとを弾性を有して可撓性に優れたエラストマー樹脂とし、これらの異なる二種類の樹脂材料を二色成形(coinjection molding)によって成形することができるが、ここで、前記カバー部材8のヒンジ部8cは、単に前記カバー本体8aから真っ直ぐに延ばすのではなく、該カバー本体8aの表面側に反るような形状として、突片部8eがカバー本体8aと略直角な方向に延びるようにし、これにより、前記カバー部材8成形時の金型ラインを図3に示すL−Lのラインとして設定し、前記ヒンジ部8cに対し鋭角に傾斜して突出する第一突片部8e1の付け根部分がアンダーカットとならずに成形できるようにしてある。更に、前記ヒンジ部8cをカバー本体8aの表面側に反るような形状とすることにより、前記カバー部材8をキー側ケース2b1に嵌め合わせた際に、ヒンジ部8cと突片部8eとをキー側ケース2b1の内部における外周側に位置させ、ヒンジ部8cの収納スペースをコンパクトにできるようにしてある。
【0023】
一方、前記第一係止部11e1は、図3の一点鎖線矢印の方向へ挿入される前記ヒンジ部8cに対し傾斜するように鋭角(角度γ)に形成し、前記ヒンジ部8cに対する前記第一突片部8e1の鋭角な傾斜角度(角度α)と、前記ヒンジ部8cに対する前記第一係止部11e1の鋭角な傾斜角度(角度γ)とが略同一となるよう構成してある。
【0024】
又、前記突片部8eは、図4に示す如く、前記ヒンジ部8cの厚さ方向における幅tを前記ヒンジ収納隙間部9の最小隙間間隔cよりも長くなるように形成して、前記ヒンジ収納隙間部9にヒンジ部8cを挿入する際、該ヒンジ部8cに対する前記第一突片部8e1の鋭角な傾斜角度が小さくなり且つ前記ヒンジ部8cに対する前記第二突片部8e2の鈍角な傾斜角度が大きくなるように構成してある。
【0025】
更に又、前記ヒンジ部8cの前記第一突片部8e1が対向する位置には、図3及び図4に示す如く、厚さの薄くなる逃げ部8fを形成し、前記ヒンジ収納隙間部9に突片部8eとヒンジ部8cとを挿入する際、第一突片部8e1を撓みやすくすると共に該第一突片部8e1を逃げ部8fに入り込ませて、ヒンジ部8cの厚さ方向における突片部8eの幅を狭めることができるようにしてある。
【0026】
又、前記第一係止部11e1の開口部7側には、図3及び図4に示す如く、前記突片部8eとヒンジ部8cとを挿入しやすくするために、滑らかに凹む形の凹部12を設けるようにしてある。
【0027】
尚、前記ヒンジ収納隙間部9の最小隙間間隔cを有する入口部分の断面形状は、図5に示す如く、背面側へ開放されるU字状とし、これにより、前記突片部8eのヒンジ収納隙間部9への挿入時には前記U字状の部分が下部筐体2bの幅方向(図5における左右方向)に弾性変形して、前記最小隙間間隔cが広がり、前記突片部8eを挿入しやすくなるようにしてある。又、前記背面側ケース2b2には、キー側ケース2b1と接合された際にヒンジ収納隙間部9側に突出する突出部13が設けられており、前記ヒンジ部8cは、ヒンジ収納隙間部9に位置しているときに、前記突出部13によって厚さ方向(図5における上方向)への移動が規制されることとなる。
【0028】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0029】
端末装置の製造工程において、インターフェースコネクタを使用して各種の検査が行われた後、端末装置本体1の下部筐体2bに形成された開口部7に最終工程でカバー部材8を取り付けるような場合には、第一突片部8e1と第二突片部8e2とを有する突片部8eが形成されたヒンジ部8cをヒンジ収納隙間部9に挿入するが、前記第一突片部8e1と第二突片部8e2とを有する突片部8eが形成されたヒンジ部8cの先端形状は、T字をイ字状に傾斜させた形状となっているため、その挿入方向に対し変形しやすくなる。
【0030】
しかも、前記突片部8eが形成されたヒンジ部8cをヒンジ収納隙間部9に挿入する際には、前記ヒンジ部8cに対する前記第一突片部8e1の鋭角な傾斜角度が小さくなり且つ前記ヒンジ部8cに対する前記第二突片部8e2の鈍角な傾斜角度が大きくなるように突片部8eが撓むと共に、前記第一突片部8e1が撓んで逃げ部8fに入り込み、ヒンジ部8cの厚さ方向における突片部8eの幅tを狭めることが可能となり、これに加えて、第一係止部11e1の開口部7側には、図3及び図4に示す如く、滑らかに凹む形の凹部12が設けられており、更に、図5に示す如く、断面形状を背面側へ開放されるU字状とした前記ヒンジ収納隙間部9の最小隙間間隔cを有する入口部分が広がる方向へ弾性変形することから、たとえ、前記突片部8eのヒンジ部8c厚さ方向における幅tが前記ヒンジ収納隙間部9の最小隙間間隔cより長くても、前記ヒンジ部8cをヒンジ収納隙間部9に挿入することが容易になる。
【0031】
そして、前記突片部8eが形成されたヒンジ部8cをヒンジ収納隙間部9に挿入した後は、第一突片部8e1と第二突片部8e2とが元の形に復帰するが、ここで、前記ヒンジ部8cはカバー本体8aの表面側に反るような形状としてあるため、前記カバー部材8をキー側ケース2b1に嵌め合わせた際には、ヒンジ部8cと突片部8eとがキー側ケース2b1の内部における外周側に位置し、ヒンジ部8cの収納スペースを広げなくて済み、コンパクトにすることが可能となる。
【0032】
一方、前記カバー本体8aをヒンジ部8cが前記ヒンジ収納隙間部9に沿って前記開口部7側へ引き出される方向にスライドさせつつ、該ヒンジ部8cを撓ませるようにカバー本体8aを前記端末装置本体1の下部筐体2bから離反させることにより、前記開口部7を開いた際には、図4に示す如く、前記第一突片部8e1と第二突片部8e2とが第一係止部11e1と第二係止部11e2とにそれぞれ係止される。
【0033】
この状態から、前記カバー部材8を引き抜く方向に引っ張ると、前記第一突片部8e1が第一係止部11e1に圧接されつつ、図4中、反時計回り方向の反力を受けると共に、前記第二突片部8e2にも、図4中、反時計回り方向の力が作用し、該第二突片部8e2が第二係止部11e2に圧接される。
【0034】
この結果、前記カバー部材8を引き抜く方向に引っ張ったとしても、前記第一突片部8e1と第二突片部8e2とが第一係止部11e1と第二係止部11e2とにそれぞれ食いつき、カバー部材8の引き抜きを阻止する方向に強く引っ掛かる形となり、容易には抜けなくなる。
【0035】
こうして、デザイン上の制約や開口部7の位置の問題等の影響を受けることなく、ヒンジ収納隙間部9にヒンジ部8cを挿入しやすく且つ抜けにくくすることができる。
【0036】
尚、本発明の端末装置のカバー構造及び端末装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0037】
例えば、第一突片部8e1を係止する第一係止部11e1は、ヒンジ部8cに対して鋭角に傾斜するように形成されると共に、第一突片部8e1のヒンジ部8cに対する鋭角な傾斜角度(角度α)と略同一となる鋭角な傾斜角度(角度γ)に形成される構成としたが、この構成に限定されることなく、該第一係止部11e1は、カバー部材8をヒンジ部8cがヒンジ収納隙間部9に沿って開口部7側へ引き出される方向にスライドさせて引き抜く方向に引っ張った場合に、第一突片部8e1を係止するような構成であれば良い。又、第二係止部11e2も、カバー部材8を引き抜く方向に引っ張った場合に、第二突片部8e2を係止するような構成であれば良い。更に又、例えば、第二係止部11e2をヒンジ部8cと第二突片部8e2とに沿った形状とするようにしても良い。
【0038】
又、前記カバー部材8を引き抜く方向に引っ張ると、第一突片部8e1及び第二突片部8e2が第一係止部11e1及び第二係止部11e2のそれぞれに同時に係止される構成としたが、第二突片部8e2が第二係止部11e2に係止される前に、第一突片部8e1が先に第一係止部11e1に係止され、第一突片部8e1が第一係止部11e1に圧接された状態から更にカバー部材8が引き抜かれて第二突片部8e2に反時計回り方向の力が作用した後に、第二突片部8e2が第二係止部11e2に圧接されるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明を実施する形態の一例における端末装置を示す斜視図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例におけるカバー部材の一例を示す図であって、(a)はカバー部材の外面側を示す斜視図、(b)はカバー部材の内面側を示す斜視図、(c)はカバー部材の外面側を示す平面図、(d)はカバー部材の内面側を示す平面図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例におけるヒンジ収納隙間部にヒンジ部を挿入する前の状態を示すキー側ケースの端面図であって、図1のIII−III矢視相当図である。
【図4】本発明を実施する形態の一例におけるカバー部材が引き出されて突片部が係止部に係止された状態を示すキー側ケースの要部拡大端面図である。
【図5】本発明を実施する形態の一例における下部筐体を示す断面図であって、図3のV−V矢視相当図である。
【符号の説明】
【0040】
1 端末装置本体
2 筐体
2a 上部筐体
2b 下部筐体
2b1 キー側ケース
2b2 背面側ケース
7 開口部
8 カバー部材
8a カバー本体
8c ヒンジ部
8d 爪部
8e 突片部
8e1 第一突片部
8e2 第二突片部
8f 逃げ部
9 ヒンジ収納隙間部
11e 係止部
11e1 第一係止部
11e2 第二係止部
12 凹部
c 最小隙間間隔
t 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置本体に設けられた開口部を覆うカバー本体、該カバー本体の一端側から可撓性を有して一体に延びるよう形成されたヒンジ部、及び該ヒンジ部の先端部に形成される突片部を有して構成されるカバー部材と、
前記端末装置本体の前記開口部に隣設されて、前記ヒンジ部を収納可能なヒンジ収納隙間部と、
該ヒンジ収納隙間部に設けられて、前記ヒンジ部が前記ヒンジ収納隙間部に沿って前記開口部側へ引き出される方向に前記カバー本体をスライドさせたときに前記突片部を係止して前記ヒンジ部の前記開口部側への引き出しを規制する係止部と
を備えて構成され、
前記ヒンジ収納隙間部に前記ヒンジ部を挿入した状態で、前記開口部を前記カバー本体で覆う一方、前記カバー本体を前記ヒンジ部が前記ヒンジ収納隙間部に沿って前記開口部側へ引き出される方向にスライドさせることにより、前記開口部を開くよう構成した端末装置のカバー構造において、
前記突片部は、前記ヒンジ部に対し鋭角に傾斜して突出する第一突片部と、該第一突片部の反対側で前記ヒンジ部に対し鈍角に傾斜して突出する第二突片部とを有して形成され、
前記係止部は、前記第一突片部を係止可能な第一係止部と、前記第二突片部を係止可能な第二係止部とを有して構成されることを特徴とする端末装置のカバー構造。
【請求項2】
前記第一係止部は、鋭角に形成されていることを特徴とする請求項1記載の端末装置のカバー構造。
【請求項3】
前記ヒンジ部に対する前記第一突片部の鋭角な傾斜角度と、前記第一係止部の鋭角な角度とが略同一となるよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の端末装置のカバー構造。
【請求項4】
前記突片部は、前記ヒンジ部の厚さ方向における幅が前記ヒンジ収納隙間部の最小隙間間隔よりも長くなるように形成されて、前記ヒンジ収納隙間部にヒンジ部を挿入する際、該ヒンジ部に対する前記第一突片部の鋭角な傾斜角度が小さくなり且つ前記ヒンジ部に対する前記第二突片部の鈍角な傾斜角度が大きくなるように可撓性を有して構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の端末装置のカバー構造。
【請求項5】
前記ヒンジ部は、前記第一突片部が対向する位置に厚さの薄くなる逃げ部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の端末装置のカバー構造。
【請求項6】
前記突片部は、前記第一突片部が前記第一係止部に係止されて付勢力を受けると前記第二突片部が前記第二係止部に圧接されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の端末装置のカバー構造。
【請求項7】
開口部が設けられた筐体と、
前記開口部を覆うカバー本体、該カバー本体の一端側から可撓性を有して一体に延びるよう形成されたヒンジ部、及び該ヒンジ部の先端部に形成される突片部を有して構成されるカバー部材と、
前記筐体に設けられて、前記カバー部材と係合及び離脱可能な係合部と、
前記筐体の前記開口部に隣設されて、前記ヒンジ部を収納可能なヒンジ収納隙間部と、
該ヒンジ収納隙間部に設けられて、前記ヒンジ部が前記ヒンジ収納隙間部に沿って前記開口部側へ引き出される方向に前記カバー本体をスライドさせたときに前記突片部を係止して前記ヒンジ部の前記開口部側への引き出しを規制する係止部と
を備えて構成される端末装置において、
前記突片部は、前記ヒンジ部に対し鋭角に傾斜して突出する第一突片部と、該第一突片部の反対側で前記ヒンジ部に対し鈍角に傾斜して突出する第二突片部とを有して形成され、
前記係止部は、前記第一突片部を係止可能な第一係止部と、前記第二突片部を係止可能な第二係止部とを有して構成されることを特徴とする端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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