端面被覆材および端面被覆工法
【課題】施工性を高めることができるとともに、長尺部材の端部からの脱落を確実に防止でき、しかも、長尺部材の端面を完全に覆い隠すことのできる端面被覆材、およびそのような端面被覆材を用いた端面被覆工法を提供する。
【解決手段】端面被覆材10は、建築構造物の壁面12に取り付けられる長尺部材14の端面を被覆するものであり、長尺部材14の端面を覆う被覆部22と、長尺部材14の端面側から長尺部材14と壁面12との間に確保された隙間Sへ挿入され、隙間Sにおいて固定される固定片24とによって構成されている。端面被覆材10を用いて長尺部材14の端面を被覆する際には、まず、長尺部材14を壁面12に固定する。続いて、隙間Sに固定片24を挿入するとともに、長尺部材14の端面に被覆部22を装着する。そして、長尺部材14の端部に固定金具18を打ち込むことによって、隙間Sにおいて固定片24を固定する。
【解決手段】端面被覆材10は、建築構造物の壁面12に取り付けられる長尺部材14の端面を被覆するものであり、長尺部材14の端面を覆う被覆部22と、長尺部材14の端面側から長尺部材14と壁面12との間に確保された隙間Sへ挿入され、隙間Sにおいて固定される固定片24とによって構成されている。端面被覆材10を用いて長尺部材14の端面を被覆する際には、まず、長尺部材14を壁面12に固定する。続いて、隙間Sに固定片24を挿入するとともに、長尺部材14の端面に被覆部22を装着する。そして、長尺部材14の端部に固定金具18を打ち込むことによって、隙間Sにおいて固定片24を固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造物の壁面に取り付けられる長尺部材(長押、手摺、巾木、廻縁等)の端面を被覆する端面被覆材、およびそのような端面被覆材を用いた端面被覆工法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建築構造物の壁面には、長押、手摺、巾木または廻縁等の様々な長尺部材が取り付けられるが、これらの長尺部材を現場で必要長さに切断して取り付ける場合には、長尺部材の端面にバリが発生したり、端面の装飾性が損なわれたりするおそれがある。
【0003】
そのため、従来では、長尺部材の端部に「樹脂製キャップ」を嵌合したり(特許文献1)、長尺部材の端面に「塗装」を施したりすることによって、バリや装飾性に関する問題に対処していた。
【特許文献1】特開2005−336971号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、長尺部材の端部に「樹脂製キャップ」を嵌合する場合には、「樹脂製キャップ」が温度や湿度の変化によって変形され易いため、これが長尺部材の端部から脱落するおそれがあった。一方、長尺部材の端面に「塗装」を施す場合には、塗装作業に手間がかかるため、施工時間が長くなるとともに、施工コストが高くなるおそれがあった。また、長尺部材の端面にバリが生じている場合には、これを「塗装」によって完全に覆い隠すことは困難であった。
【0005】
それゆえに、本発明の主たる課題は、施工性を高めることができるとともに、長尺部材の端部からの脱落を確実に防止でき、さらに、長尺部材の端面を完全に覆い隠すことのできる端面被覆材、およびそのような端面被覆材を用いた端面被覆工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、「建築構造物の壁面12に取り付けられる長尺部材14の端面を被覆する端面被覆材10であって、前記長尺部材14の端面を覆う被覆部22と、前記長尺部材14の端面側から前記長尺部材14と前記壁面12との間に確保された隙間Sへ挿入され、前記隙間Sにおいて固定される固定片24とを備える、端面被覆材10」である。
【0007】
この発明では、長尺部材14と壁面12との間に確保された隙間Sにおいて固定片24が固定されるので、長尺部材14の端部から端面被覆材10が不所望に脱落することはない。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した「端面被覆材10」において、「前記長尺部材14の前記壁面12と対向する面には、前記長尺部材14の端面から長手方向へ延びる溝16が形成されており、前記固定片24の最大厚さは、前記溝16の深さよりもやや厚く設定されており、前記固定片24が前記溝16に挿入されて固定される」ことを特徴とする。
【0009】
この発明では、固定片24の最大厚さが溝16の深さよりもやや厚く設定されているので、固定片24を溝16に挿入した状態では、長尺部材14と壁面12とによって固定片24が挟持される。
【0010】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した「端面被覆材10」において、「前記長尺部材14は固定金具18によって前記壁面12に固定されるものであり、前記固定片24には前記固定金具18が挿通される窓24bが形成されている」ことを特徴とする。
【0011】
この発明では、固定片24に形成された窓24bに固定金具18を挿通させることができるので、固定金具18で長尺部材14の端部を壁面12に固定することができ、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を確実に挟持することができる。
【0012】
請求項4に記載した発明は、「建築構造物の壁面12に取り付けられる長尺部材14の端面を端面被覆材10で被覆する端面被覆工法であって、前記長尺部材14の前記壁面12と対向する面14aには、前記長尺部材14の端面から長手方向へ延びる溝16が形成されており、前記端面被覆材10は、前記長尺部材14の端面を覆う被覆部22と、前記溝16に挿入される固定片24とを備えており、(a)前記長尺部材14における前記固定片24と重ならない箇所に固定金具18を打ち込んで、その固定金具18によって前記長尺部材14を前記壁面12に固定し、(b)前記長尺部材14の端面側から前記溝16へ前記固定片24を挿入するとともに、前記長尺部材14の端面に前記被覆部22を装着し、(c)前記長尺部材14における前記固定片24と重なる箇所に固定金具18を打ち込んで、その固定金具18によって前記長尺部材14を前記壁面12に固定する、端面被覆工法」である。
【0013】
この発明は、請求項1に記載した端面被覆材10を用いた端面被覆工法に関するものであり、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を挟持することができるので、施工後に端面被覆材10が脱落することはない。
【0014】
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した「端面被覆工法」において、「前記長尺部材の表面には、前記固定金具18の頭部18aを収容する凹部20が前記溝16に対向して形成されており、前記(a)工程および前記(c)工程では、前記凹部20から前記固定金具18を打ち込むようにした」ことを特徴とする。
【0015】
この発明では、長尺部材14の表面に形成された凹部20が固定金具18を打ち込む位置を示す目印となり、固定金具18を実際に打ち込む際には、この凹部20がガイドとなるので、打ち込み作業の作業効率を高めることができる。また、凹部20は溝16に対向して形成されているので、凹部20から打ち込んだ固定金具18によって長尺部材14を壁面12に固定した際には、溝16に挿入された固定片24を長尺部材14と壁面12とによって強固に挟持することができる。なお、凹部20としては、「溝」または「穴」のいずれであってもよいが、長尺部材14の長さに応じて固定金具18を最適な間隔で打ち込める点において、「溝」であることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜5に記載した発明によれば、長尺部材14と壁面12との間に確保された隙間Sにおいて固定片24を固定するようにしているので、温度や湿度の変化によって端面被覆材10が変形した場合であっても、長尺部材14の端部から端面被覆材10が不所望に脱落するのを防止できる。したがって、長尺部材14の端面を被覆部22で覆った状態を永続的に保持することが可能となる。また、長尺部材14の端面に「塗装」を施す必要はないので、施工時間を短縮できるとともに、施工コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明が適用された端面被覆材10を示す(A)背面斜視図および(B)正面斜視図である。端面被覆材10(図1)は、図2〜図4に示すように、建築構造物の壁面12に取り付けられる長尺部材14の端面を被覆するものである。
【0018】
ここで、長尺部材14(図2〜図4)は、長押、手摺、幅木または廻縁等として用いられる長尺の板状部材であり、長尺部材14における前面上下の角部は、略45度で面取りされている。また、長尺部材14の背面14aには、所定の深さおよび幅を有する溝16が、長尺部材14の端面から長手方向へ延びて形成されている。したがって、長尺部材14と壁面12との間には、図3に示すように、溝16によって隙間Sが確保されることになる。さらに、長尺部材14の前面には、釘またはビス等のような固定金具18の頭部18aを収容する「凹部」としての複数の穴20が溝16に対向して形成されている。
【0019】
長尺部材14の材料としては、特に限定されるものではないが、例示するならば、挽材、合板、木質繊維板(IB,MDF等)、木削片板(パーティクルボード、ストランドボード、OSB等)、集成材、単板積層材等の木質系材料、硬質塩化ビニール樹脂、ABS樹脂、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)等の合成樹脂材料、ステンレス、アルミ、スチール等の金属系材料等を挙げることができる。また、長尺部材14の表面には、化粧紙、化粧樹脂含浸紙、化粧合成樹脂シート(オレフィンシート、塩ビシート等)、化粧単板または突板等からなる化粧面材が貼り付けられてもよく、これらの化粧面材に着色塗装、柄模様印刷または透明塗装等が施されてもよい。さらに、化粧面材が貼り付けられた後に、化粧面材の表面に着色塗装や透明塗装が施されてもよい。
【0020】
なお、この実施例では、長尺部材14を必要長さに切断して使用することを想定しているため、長尺部材14の長手方向全長に亘って溝16が形成されているが、長尺部材14が定尺で使用される場合には、長尺部材14の端部にだけ溝16が形成されてもよい。また、長尺部材14と壁面12との間に隙間Sを確保できる限り、溝16を有しない構成(たとえば、2つの突条で隙間を確保する構成)が採用されてもよい。そして、この実施例では、固定金具18の頭部18aを収容する「凹部」として複数の「穴20」が形成されているが、この「穴20」に代えて、1つまたは複数の「溝」が形成されてもよい。
【0021】
端面被覆材10(図1、図2)は、長尺部材14の端面を被覆する被覆部22と、隙間Sにおいて固定される固定片24とを備えている。
【0022】
被覆部22は、長尺部材14の端部に被せられるキャップ状のものであり、長尺部材14の端面形状とほぼ同じ形状に形成された板状の被覆部本体26を有している。そして、被覆部本体26の前端縁、上端縁および下端縁には、長尺部材14の外面に嵌合される側面視略コ状の嵌合部28が、被覆部本体26の主面に対して直交する方向へ延びて形成されている。
【0023】
嵌合部28は、「長尺部材14の端部に端面被覆材10を係止する機能」と、「長尺部材14の端面と被覆部本体26との間に生じる隙間を目隠しする機能」とを併有するが、「長尺部材14の端部に端面被覆材10を固定する機能」は、主として固定片24が奏するものである。したがって、嵌合部28の長さは、少なくとも目隠し対象となる「隙間」の幅よりも長く設定されていればよい。
【0024】
固定片24は、長尺部材14と壁面12との間に確保された隙間Sへ挿入されて固定されるものであり、被覆部本体26の後端縁から嵌合部28と略平行に延びて板状に形成されている。この実施例における隙間Sは、上述のように、溝16によって確保されるものであるため、固定片24の幅は、溝16の幅よりもやや小さく設定されており、固定片24の最大厚さは、溝16の深さよりもやや厚く設定されている。なお、固定片24の最大厚さが溝16の深さよりもやや厚く設定されているのは、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を確実に挟持するためである。
【0025】
被覆部22および固定片24の材料としては、特に限定されるものではないが、例示するならば、硬質塩化ビニール樹脂、ABS樹脂、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)等の合成樹脂材料や、ステンレス、アルミ、スチール等の金属系材料等を挙げることができる。
【0026】
端面被覆材10を用いて長尺部材14の端面を被覆する「端面被覆工法」では、図5に示した3つの工程(a),(b)および(c)がこの順に実行される。
【0027】
まず、(a)工程では、長尺部材14における固定片24と重ならない箇所に固定金具18を打ち込んで、その固定金具18によって長尺部材14を壁面12に固定する。「長尺部材14における固定片24と重ならない箇所」に固定金具18を打ち込むのは、後工程で溝16に挿入される固定片24が固定金具18と干渉するのを避けるためである。
【0028】
この工程において、固定金具18を打ち込む位置は、長尺部材14の表面に形成された穴20によって示されており、固定金具18を実際に打ち込む際には、穴20が固定金具18のガイドとなる。したがって、作業者は、固定金具18の打ち込み作業を効率よく行うことができる。なお、(a)工程においては、長尺部材14を仮固定できる程度に固定金具18を緩めに打ち込んでおき、最終の段階で固定金具18を完全に打ち込むようにしてもよい。
【0029】
続く(b)工程では、長尺部材14の端面側から溝16へ端面被覆材10の固定片24を挿入するとともに、長尺部材14の端面に被覆部22を装着する。つまり、隙間Sへ固定片24を挿入するとともに、長尺部材14の端部にキャップ状の被覆部22を被せる。
【0030】
この工程における長尺部材14の端部は、未だ固定金具18によって壁面12に固定されておらず、長尺部材14の端部においては、隙間Sの幅を本固定時の幅よりもやや大きく確保することができる。したがって、固定片24の最大厚さが溝16の深さよりもやや厚く設定されているにもかかわらず、溝16へ固定片24を挿入することができる。
【0031】
そして、(c)工程では、長尺部材14における固定片24と重なる箇所に固定金具18を打ち込んで、その固定金具18によって長尺部材14を壁面12に固定し、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を挟持する。「長尺部材14における固定片24と重なる箇所」に固定金具18を打ち込むのは、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を強固に挟持するためである。
【0032】
この工程において、固定金具18を打ち込む位置は、長尺部材14の端部表面に形成された穴20によって示されており、固定金具18を実際に打ち込む際には、穴20が固定金具18のガイドとなる。したがって、作業者は、固定金具18の打ち込み作業を効率よく行うことができる。
【0033】
なお、(c)工程では、固定金具18を固定片24に貫通させるようにしているので、固定片24の厚みが厚ければ、これに固定金具18を貫通させる作業が困難であり、施工性が損なわれたり、固定片24が損傷したりするおそれがある。一方、固定片24の全体の厚みを薄くしたのでは、十分な固定強度を得ることができない。そのため、固定片24については、図6に示すように、固定金具18が貫通される部分に、他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部24aが形成されてもよく、また、図7に示すように、固定金具18が挿通する部分に、窓24bが形成されてもよい。固定片24に窓24bが形成される場合には、この窓24bも固定片24を構成する要素となるため、「長尺部材14における固定片24と重なる箇所」には、「長尺部材14における窓24bと重なる箇所」が含まれることになる。
【0034】
そして、窓24bが形成される場合には、図7に示すように、固定片24の全体がコ状に形成されてもよいし、窓24bが貫通孔(図示省略)として形成されてもよい。固定片24の全体がコ状に形成された場合には、図8に示すように、コ状部分の2つの突片24c(図7)が固定金具18を挟んだ位置に配置される。したがって、この場合には、長尺部材14に全ての固定金具18を先に打ち込んで仮固定した後に、長尺部材14の端部に端面被覆材10を装着するようにしてもよい。さらに、固定片24の固定強度を確保できる限り、突片24c(図7)を一つだけ有する構成が採用されてもよい(図示省略)。
【0035】
また、固定片24の全体がコ状に形成される場合には、固定片24を可撓性材料で形成することによって、2つの突片24cに溝16の幅方向への可撓性を持たせることができるので、固定片24全体の幅を溝16の幅よりもやや大きく設定することによって、2つの突片24cを溝16の内側面に当接させてより強固に固定するようにしてもよい。
【0036】
そして、各固定片24の上面には、図9に示すように、点状(突起)または線状(突条)の突部30が形成されてもよく、コ状の固定片24の場合には、図10に示すように、突片24cの上部が上方へ向かって凸となる三角形に形成されてもよい。このような構成によれば、固定金具18で長尺部材14を壁面12に固定する際、突部30(図9)または突片24c(図10)が長尺部材14に食い込むため、長尺部材14に対して端面被覆材10をより確実に固定することができる。
【0037】
また、長尺部材14における溝16の数および固定片24の数は、図11および図12に示すように、2つ以上であってもよい。固定片24の数が複数になると、長尺部材14に対して端面被覆材10をより確実かつ安定的に固定することができる。
【0038】
さらに、長尺部材14の形状は適宜変更可能であり、長尺部材14が「長押」として用いられる場合には、図13に示すように、長尺部材14の背面上部に所定角度で傾斜した面取り部32が形成されてもよいし、長尺部材14の下部に前面が後退した薄肉部34が形成されてもよい。このように長尺部材14の形状が変更された場合には、それに応じて端面被覆材10の形状も適宜変更されることになる。図13に示した長尺部材14および端面被覆材10を壁面12に固定した場合には、図14に示すように、長尺部材14の面取り部32(図13)にハンガー36等を引っ掛けることができ、また、薄肉部34において長尺部材14とハンガー36との干渉を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】端面被覆材を示す背面斜視図および正面斜視図
【図2】端面被覆材の使用状態を示す正面図
【図3】図2におけるIII-III断面図
【図4】端面被覆材の使用状態を示す簡略斜視図
【図5】端面被覆工法を示す工程図
【図6】他の端面被覆材を示す背面斜視図
【図7】他の端面被覆材を示す背面斜視図
【図8】図7の端面被覆材の使用状態を示す正面図
【図9】固定片の変形例を示す正面図および側面図
【図10】固定片の変形例を示す正面図および側面図
【図11】固定片の変形例を示す正面斜視図
【図12】図11の固定片を有する端面被覆材の使用状態を示す断面図
【図13】長押に適用された長尺部材の使用状態を示す断面図
【図14】長押に適用された長尺部材の使用状態を示す正面図
【符号の説明】
【0040】
10… 端面被覆材
12… 壁面
14… 長尺部材
16… 溝
18… 固定金具
18a… 頭部
20… 凹部
22… 被覆部
24… 固定片
24a… 薄肉部
24b… 窓
24c… 突片
26… 被覆部本体
28… 嵌合部
30… 突部
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造物の壁面に取り付けられる長尺部材(長押、手摺、巾木、廻縁等)の端面を被覆する端面被覆材、およびそのような端面被覆材を用いた端面被覆工法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建築構造物の壁面には、長押、手摺、巾木または廻縁等の様々な長尺部材が取り付けられるが、これらの長尺部材を現場で必要長さに切断して取り付ける場合には、長尺部材の端面にバリが発生したり、端面の装飾性が損なわれたりするおそれがある。
【0003】
そのため、従来では、長尺部材の端部に「樹脂製キャップ」を嵌合したり(特許文献1)、長尺部材の端面に「塗装」を施したりすることによって、バリや装飾性に関する問題に対処していた。
【特許文献1】特開2005−336971号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、長尺部材の端部に「樹脂製キャップ」を嵌合する場合には、「樹脂製キャップ」が温度や湿度の変化によって変形され易いため、これが長尺部材の端部から脱落するおそれがあった。一方、長尺部材の端面に「塗装」を施す場合には、塗装作業に手間がかかるため、施工時間が長くなるとともに、施工コストが高くなるおそれがあった。また、長尺部材の端面にバリが生じている場合には、これを「塗装」によって完全に覆い隠すことは困難であった。
【0005】
それゆえに、本発明の主たる課題は、施工性を高めることができるとともに、長尺部材の端部からの脱落を確実に防止でき、さらに、長尺部材の端面を完全に覆い隠すことのできる端面被覆材、およびそのような端面被覆材を用いた端面被覆工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、「建築構造物の壁面12に取り付けられる長尺部材14の端面を被覆する端面被覆材10であって、前記長尺部材14の端面を覆う被覆部22と、前記長尺部材14の端面側から前記長尺部材14と前記壁面12との間に確保された隙間Sへ挿入され、前記隙間Sにおいて固定される固定片24とを備える、端面被覆材10」である。
【0007】
この発明では、長尺部材14と壁面12との間に確保された隙間Sにおいて固定片24が固定されるので、長尺部材14の端部から端面被覆材10が不所望に脱落することはない。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した「端面被覆材10」において、「前記長尺部材14の前記壁面12と対向する面には、前記長尺部材14の端面から長手方向へ延びる溝16が形成されており、前記固定片24の最大厚さは、前記溝16の深さよりもやや厚く設定されており、前記固定片24が前記溝16に挿入されて固定される」ことを特徴とする。
【0009】
この発明では、固定片24の最大厚さが溝16の深さよりもやや厚く設定されているので、固定片24を溝16に挿入した状態では、長尺部材14と壁面12とによって固定片24が挟持される。
【0010】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した「端面被覆材10」において、「前記長尺部材14は固定金具18によって前記壁面12に固定されるものであり、前記固定片24には前記固定金具18が挿通される窓24bが形成されている」ことを特徴とする。
【0011】
この発明では、固定片24に形成された窓24bに固定金具18を挿通させることができるので、固定金具18で長尺部材14の端部を壁面12に固定することができ、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を確実に挟持することができる。
【0012】
請求項4に記載した発明は、「建築構造物の壁面12に取り付けられる長尺部材14の端面を端面被覆材10で被覆する端面被覆工法であって、前記長尺部材14の前記壁面12と対向する面14aには、前記長尺部材14の端面から長手方向へ延びる溝16が形成されており、前記端面被覆材10は、前記長尺部材14の端面を覆う被覆部22と、前記溝16に挿入される固定片24とを備えており、(a)前記長尺部材14における前記固定片24と重ならない箇所に固定金具18を打ち込んで、その固定金具18によって前記長尺部材14を前記壁面12に固定し、(b)前記長尺部材14の端面側から前記溝16へ前記固定片24を挿入するとともに、前記長尺部材14の端面に前記被覆部22を装着し、(c)前記長尺部材14における前記固定片24と重なる箇所に固定金具18を打ち込んで、その固定金具18によって前記長尺部材14を前記壁面12に固定する、端面被覆工法」である。
【0013】
この発明は、請求項1に記載した端面被覆材10を用いた端面被覆工法に関するものであり、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を挟持することができるので、施工後に端面被覆材10が脱落することはない。
【0014】
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した「端面被覆工法」において、「前記長尺部材の表面には、前記固定金具18の頭部18aを収容する凹部20が前記溝16に対向して形成されており、前記(a)工程および前記(c)工程では、前記凹部20から前記固定金具18を打ち込むようにした」ことを特徴とする。
【0015】
この発明では、長尺部材14の表面に形成された凹部20が固定金具18を打ち込む位置を示す目印となり、固定金具18を実際に打ち込む際には、この凹部20がガイドとなるので、打ち込み作業の作業効率を高めることができる。また、凹部20は溝16に対向して形成されているので、凹部20から打ち込んだ固定金具18によって長尺部材14を壁面12に固定した際には、溝16に挿入された固定片24を長尺部材14と壁面12とによって強固に挟持することができる。なお、凹部20としては、「溝」または「穴」のいずれであってもよいが、長尺部材14の長さに応じて固定金具18を最適な間隔で打ち込める点において、「溝」であることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
請求項1〜5に記載した発明によれば、長尺部材14と壁面12との間に確保された隙間Sにおいて固定片24を固定するようにしているので、温度や湿度の変化によって端面被覆材10が変形した場合であっても、長尺部材14の端部から端面被覆材10が不所望に脱落するのを防止できる。したがって、長尺部材14の端面を被覆部22で覆った状態を永続的に保持することが可能となる。また、長尺部材14の端面に「塗装」を施す必要はないので、施工時間を短縮できるとともに、施工コストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明が適用された端面被覆材10を示す(A)背面斜視図および(B)正面斜視図である。端面被覆材10(図1)は、図2〜図4に示すように、建築構造物の壁面12に取り付けられる長尺部材14の端面を被覆するものである。
【0018】
ここで、長尺部材14(図2〜図4)は、長押、手摺、幅木または廻縁等として用いられる長尺の板状部材であり、長尺部材14における前面上下の角部は、略45度で面取りされている。また、長尺部材14の背面14aには、所定の深さおよび幅を有する溝16が、長尺部材14の端面から長手方向へ延びて形成されている。したがって、長尺部材14と壁面12との間には、図3に示すように、溝16によって隙間Sが確保されることになる。さらに、長尺部材14の前面には、釘またはビス等のような固定金具18の頭部18aを収容する「凹部」としての複数の穴20が溝16に対向して形成されている。
【0019】
長尺部材14の材料としては、特に限定されるものではないが、例示するならば、挽材、合板、木質繊維板(IB,MDF等)、木削片板(パーティクルボード、ストランドボード、OSB等)、集成材、単板積層材等の木質系材料、硬質塩化ビニール樹脂、ABS樹脂、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)等の合成樹脂材料、ステンレス、アルミ、スチール等の金属系材料等を挙げることができる。また、長尺部材14の表面には、化粧紙、化粧樹脂含浸紙、化粧合成樹脂シート(オレフィンシート、塩ビシート等)、化粧単板または突板等からなる化粧面材が貼り付けられてもよく、これらの化粧面材に着色塗装、柄模様印刷または透明塗装等が施されてもよい。さらに、化粧面材が貼り付けられた後に、化粧面材の表面に着色塗装や透明塗装が施されてもよい。
【0020】
なお、この実施例では、長尺部材14を必要長さに切断して使用することを想定しているため、長尺部材14の長手方向全長に亘って溝16が形成されているが、長尺部材14が定尺で使用される場合には、長尺部材14の端部にだけ溝16が形成されてもよい。また、長尺部材14と壁面12との間に隙間Sを確保できる限り、溝16を有しない構成(たとえば、2つの突条で隙間を確保する構成)が採用されてもよい。そして、この実施例では、固定金具18の頭部18aを収容する「凹部」として複数の「穴20」が形成されているが、この「穴20」に代えて、1つまたは複数の「溝」が形成されてもよい。
【0021】
端面被覆材10(図1、図2)は、長尺部材14の端面を被覆する被覆部22と、隙間Sにおいて固定される固定片24とを備えている。
【0022】
被覆部22は、長尺部材14の端部に被せられるキャップ状のものであり、長尺部材14の端面形状とほぼ同じ形状に形成された板状の被覆部本体26を有している。そして、被覆部本体26の前端縁、上端縁および下端縁には、長尺部材14の外面に嵌合される側面視略コ状の嵌合部28が、被覆部本体26の主面に対して直交する方向へ延びて形成されている。
【0023】
嵌合部28は、「長尺部材14の端部に端面被覆材10を係止する機能」と、「長尺部材14の端面と被覆部本体26との間に生じる隙間を目隠しする機能」とを併有するが、「長尺部材14の端部に端面被覆材10を固定する機能」は、主として固定片24が奏するものである。したがって、嵌合部28の長さは、少なくとも目隠し対象となる「隙間」の幅よりも長く設定されていればよい。
【0024】
固定片24は、長尺部材14と壁面12との間に確保された隙間Sへ挿入されて固定されるものであり、被覆部本体26の後端縁から嵌合部28と略平行に延びて板状に形成されている。この実施例における隙間Sは、上述のように、溝16によって確保されるものであるため、固定片24の幅は、溝16の幅よりもやや小さく設定されており、固定片24の最大厚さは、溝16の深さよりもやや厚く設定されている。なお、固定片24の最大厚さが溝16の深さよりもやや厚く設定されているのは、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を確実に挟持するためである。
【0025】
被覆部22および固定片24の材料としては、特に限定されるものではないが、例示するならば、硬質塩化ビニール樹脂、ABS樹脂、PS樹脂(ポリスチレン樹脂)等の合成樹脂材料や、ステンレス、アルミ、スチール等の金属系材料等を挙げることができる。
【0026】
端面被覆材10を用いて長尺部材14の端面を被覆する「端面被覆工法」では、図5に示した3つの工程(a),(b)および(c)がこの順に実行される。
【0027】
まず、(a)工程では、長尺部材14における固定片24と重ならない箇所に固定金具18を打ち込んで、その固定金具18によって長尺部材14を壁面12に固定する。「長尺部材14における固定片24と重ならない箇所」に固定金具18を打ち込むのは、後工程で溝16に挿入される固定片24が固定金具18と干渉するのを避けるためである。
【0028】
この工程において、固定金具18を打ち込む位置は、長尺部材14の表面に形成された穴20によって示されており、固定金具18を実際に打ち込む際には、穴20が固定金具18のガイドとなる。したがって、作業者は、固定金具18の打ち込み作業を効率よく行うことができる。なお、(a)工程においては、長尺部材14を仮固定できる程度に固定金具18を緩めに打ち込んでおき、最終の段階で固定金具18を完全に打ち込むようにしてもよい。
【0029】
続く(b)工程では、長尺部材14の端面側から溝16へ端面被覆材10の固定片24を挿入するとともに、長尺部材14の端面に被覆部22を装着する。つまり、隙間Sへ固定片24を挿入するとともに、長尺部材14の端部にキャップ状の被覆部22を被せる。
【0030】
この工程における長尺部材14の端部は、未だ固定金具18によって壁面12に固定されておらず、長尺部材14の端部においては、隙間Sの幅を本固定時の幅よりもやや大きく確保することができる。したがって、固定片24の最大厚さが溝16の深さよりもやや厚く設定されているにもかかわらず、溝16へ固定片24を挿入することができる。
【0031】
そして、(c)工程では、長尺部材14における固定片24と重なる箇所に固定金具18を打ち込んで、その固定金具18によって長尺部材14を壁面12に固定し、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を挟持する。「長尺部材14における固定片24と重なる箇所」に固定金具18を打ち込むのは、長尺部材14と壁面12とによって固定片24を強固に挟持するためである。
【0032】
この工程において、固定金具18を打ち込む位置は、長尺部材14の端部表面に形成された穴20によって示されており、固定金具18を実際に打ち込む際には、穴20が固定金具18のガイドとなる。したがって、作業者は、固定金具18の打ち込み作業を効率よく行うことができる。
【0033】
なお、(c)工程では、固定金具18を固定片24に貫通させるようにしているので、固定片24の厚みが厚ければ、これに固定金具18を貫通させる作業が困難であり、施工性が損なわれたり、固定片24が損傷したりするおそれがある。一方、固定片24の全体の厚みを薄くしたのでは、十分な固定強度を得ることができない。そのため、固定片24については、図6に示すように、固定金具18が貫通される部分に、他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部24aが形成されてもよく、また、図7に示すように、固定金具18が挿通する部分に、窓24bが形成されてもよい。固定片24に窓24bが形成される場合には、この窓24bも固定片24を構成する要素となるため、「長尺部材14における固定片24と重なる箇所」には、「長尺部材14における窓24bと重なる箇所」が含まれることになる。
【0034】
そして、窓24bが形成される場合には、図7に示すように、固定片24の全体がコ状に形成されてもよいし、窓24bが貫通孔(図示省略)として形成されてもよい。固定片24の全体がコ状に形成された場合には、図8に示すように、コ状部分の2つの突片24c(図7)が固定金具18を挟んだ位置に配置される。したがって、この場合には、長尺部材14に全ての固定金具18を先に打ち込んで仮固定した後に、長尺部材14の端部に端面被覆材10を装着するようにしてもよい。さらに、固定片24の固定強度を確保できる限り、突片24c(図7)を一つだけ有する構成が採用されてもよい(図示省略)。
【0035】
また、固定片24の全体がコ状に形成される場合には、固定片24を可撓性材料で形成することによって、2つの突片24cに溝16の幅方向への可撓性を持たせることができるので、固定片24全体の幅を溝16の幅よりもやや大きく設定することによって、2つの突片24cを溝16の内側面に当接させてより強固に固定するようにしてもよい。
【0036】
そして、各固定片24の上面には、図9に示すように、点状(突起)または線状(突条)の突部30が形成されてもよく、コ状の固定片24の場合には、図10に示すように、突片24cの上部が上方へ向かって凸となる三角形に形成されてもよい。このような構成によれば、固定金具18で長尺部材14を壁面12に固定する際、突部30(図9)または突片24c(図10)が長尺部材14に食い込むため、長尺部材14に対して端面被覆材10をより確実に固定することができる。
【0037】
また、長尺部材14における溝16の数および固定片24の数は、図11および図12に示すように、2つ以上であってもよい。固定片24の数が複数になると、長尺部材14に対して端面被覆材10をより確実かつ安定的に固定することができる。
【0038】
さらに、長尺部材14の形状は適宜変更可能であり、長尺部材14が「長押」として用いられる場合には、図13に示すように、長尺部材14の背面上部に所定角度で傾斜した面取り部32が形成されてもよいし、長尺部材14の下部に前面が後退した薄肉部34が形成されてもよい。このように長尺部材14の形状が変更された場合には、それに応じて端面被覆材10の形状も適宜変更されることになる。図13に示した長尺部材14および端面被覆材10を壁面12に固定した場合には、図14に示すように、長尺部材14の面取り部32(図13)にハンガー36等を引っ掛けることができ、また、薄肉部34において長尺部材14とハンガー36との干渉を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】端面被覆材を示す背面斜視図および正面斜視図
【図2】端面被覆材の使用状態を示す正面図
【図3】図2におけるIII-III断面図
【図4】端面被覆材の使用状態を示す簡略斜視図
【図5】端面被覆工法を示す工程図
【図6】他の端面被覆材を示す背面斜視図
【図7】他の端面被覆材を示す背面斜視図
【図8】図7の端面被覆材の使用状態を示す正面図
【図9】固定片の変形例を示す正面図および側面図
【図10】固定片の変形例を示す正面図および側面図
【図11】固定片の変形例を示す正面斜視図
【図12】図11の固定片を有する端面被覆材の使用状態を示す断面図
【図13】長押に適用された長尺部材の使用状態を示す断面図
【図14】長押に適用された長尺部材の使用状態を示す正面図
【符号の説明】
【0040】
10… 端面被覆材
12… 壁面
14… 長尺部材
16… 溝
18… 固定金具
18a… 頭部
20… 凹部
22… 被覆部
24… 固定片
24a… 薄肉部
24b… 窓
24c… 突片
26… 被覆部本体
28… 嵌合部
30… 突部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造物の壁面に取り付けられる長尺部材の端面を被覆する端面被覆材であって、
前記長尺部材の端面を覆う被覆部と、前記長尺部材の端面側から前記長尺部材と前記壁面との間に確保された隙間へ挿入され、前記隙間において固定される固定片とを備える、端面被覆材。
【請求項2】
前記長尺部材の前記壁面と対向する面には、前記長尺部材の端面から長手方向へ延びる溝が形成されており、前記固定片の最大厚さは、前記溝の深さよりもやや厚く設定されており、前記固定片が前記溝に挿入されて固定される、請求項1記載の端面被覆材。
【請求項3】
前記長尺部材は固定金具によって前記壁面に固定されるものであり、前記固定片には前記固定金具が挿通される窓が形成されている、請求項1または2記載の端面被覆材。
【請求項4】
建築構造物の壁面に取り付けられる長尺部材の端面を端面被覆材で被覆する端面被覆工法であって、
前記長尺部材の前記壁面と対向する面には、前記長尺部材の端面から長手方向へ延びる溝が形成されており、前記端面被覆材は、前記長尺部材の端面を覆う被覆部と、前記溝に挿入される固定片とを備えており、
(a)前記長尺部材における前記固定片と重ならない箇所に固定金具を打ち込んで、その固定金具によって前記長尺部材を前記壁面に固定し、
(b)前記長尺部材の端面側から前記溝へ前記固定片を挿入するとともに、前記長尺部材の端面に前記被覆部を装着し、
(c)前記長尺部材における前記固定片と重なる箇所に固定金具を打ち込んで、その固定金具によって前記長尺部材を前記壁面に固定する、端面被覆工法。
【請求項5】
前記長尺部材の表面には、前記固定金具の頭部を収容する凹部が前記溝に対向して形成されており、前記(a)工程および前記(c)工程では、前記凹部から前記固定金具を打ち込むようにした、請求項4記載の端面被覆工法。
【請求項1】
建築構造物の壁面に取り付けられる長尺部材の端面を被覆する端面被覆材であって、
前記長尺部材の端面を覆う被覆部と、前記長尺部材の端面側から前記長尺部材と前記壁面との間に確保された隙間へ挿入され、前記隙間において固定される固定片とを備える、端面被覆材。
【請求項2】
前記長尺部材の前記壁面と対向する面には、前記長尺部材の端面から長手方向へ延びる溝が形成されており、前記固定片の最大厚さは、前記溝の深さよりもやや厚く設定されており、前記固定片が前記溝に挿入されて固定される、請求項1記載の端面被覆材。
【請求項3】
前記長尺部材は固定金具によって前記壁面に固定されるものであり、前記固定片には前記固定金具が挿通される窓が形成されている、請求項1または2記載の端面被覆材。
【請求項4】
建築構造物の壁面に取り付けられる長尺部材の端面を端面被覆材で被覆する端面被覆工法であって、
前記長尺部材の前記壁面と対向する面には、前記長尺部材の端面から長手方向へ延びる溝が形成されており、前記端面被覆材は、前記長尺部材の端面を覆う被覆部と、前記溝に挿入される固定片とを備えており、
(a)前記長尺部材における前記固定片と重ならない箇所に固定金具を打ち込んで、その固定金具によって前記長尺部材を前記壁面に固定し、
(b)前記長尺部材の端面側から前記溝へ前記固定片を挿入するとともに、前記長尺部材の端面に前記被覆部を装着し、
(c)前記長尺部材における前記固定片と重なる箇所に固定金具を打ち込んで、その固定金具によって前記長尺部材を前記壁面に固定する、端面被覆工法。
【請求項5】
前記長尺部材の表面には、前記固定金具の頭部を収容する凹部が前記溝に対向して形成されており、前記(a)工程および前記(c)工程では、前記凹部から前記固定金具を打ち込むようにした、請求項4記載の端面被覆工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−332659(P2007−332659A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165672(P2006−165672)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】
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