競争ゲーム装置および競争ゲームプログラム
【構成】 ゲーム装置10はLCD12およびタッチパネル22が形成されたLCD14を含む。LCD12にはプレイヤの操作するカート等の競争主体を常に含むメイン画面が表示され、LCD14にはゲームマップの所定範囲を切替可能に固定的に表示するサブ画面が表示される。タッチパネル22でタッチ入力があったとき、タッチ入力の位置がゲームマップにおける位置に変換され、この変換されたタッチ入力に対応するゲームマップの位置において、たとえばアイテムが追加的に配置されたり地形配置が変更されたりして、ゲームマップが変更される。
【効果】 所定の場所を固定的に表示するサブ画面へ直接触れるような操作によってゲームマップを変更できるので、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供でき、しかも所望の位置に正確かつ簡単に変化を与えることができる。
【効果】 所定の場所を固定的に表示するサブ画面へ直接触れるような操作によってゲームマップを変更できるので、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供でき、しかも所望の位置に正確かつ簡単に変化を与えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムに関し、特にたとえば、複数の競争主体によって行われる競争ゲームをプレイするための競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばカーレースゲームや競馬ゲームなど、競争を主体としたゲームは数多く知られている。非特許文献1は、本件出願人の販売にかかるカーレースゲーム、「マリオカート64」(登録商標)に関する。このゲームでは、プレイヤは他のプレイヤ(コンピュータ対戦も含む)とカーレースを行うだけでなく、色々なアイテムを使って、たとえば他のプレイヤの邪魔をしたり、プレイヤの操作するカート(競争主体)をパワーアップしたりすることができる。このようなアイテムの使用によって、カーレースゲームを有利に進めることができるよう配慮されている。
【0003】
このゲームでは複数人プレイを行っているときには、全てのカートに対応するようにプレイ画面が分割され、同じコースマップ上で違う視点から見た複数の分割画面が並列的に表示される。各々のプレイヤは、たとえば他のプレイヤのための分割画面を見ながら、コースマップ上のレース展開を把握することができる上、色々なアイテムを使用する戦略を立てることができる。
【0004】
一方、特許文献1には競馬ゲームを行うゲーム装置が開示される。この競馬ゲームでは、プレイヤは2種類の視点から見たレース画像を切り替えて選択できる。一方はレース全体を主体とした視点であり、他方はプレイヤの馬(競争主体)を主体とした視点である。そして、この視点切替に応じて実況音声が変化されるので、より臨場感にあふれた競馬ゲームをプレイすることができる。
【非特許文献1】「マリオカート64 攻略の帝王」(発行人 蓮見清一,発行所 株式会社宝島社,1997年2月24日発行,8頁〜9頁,134頁〜135頁)
【特許文献1】特許第3435155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載のレースゲームでは、ゲーム操作が従来の動作スイッチ操作と方向指示操作に基づくものであって、ゲーム操作に新しさを加えることができなかった。また、プレイヤは方向指示操作によってカートを操縦しながら、所定の動作スイッチ操作を行ってアイテムを狙った位置に仕掛けねばならない。たとえばカーブに配置されると効果の高いようなアイテムの場合には、プレイヤはカーブを速く曲がるためにドリフト走行の操作をしつつアイテムを仕掛ける操作を行わねばならないので、操作が困難であり、所望の位置にアイテムを仕掛けることが困難であった。また、複数人プレイ時では全てのプレイヤに対応した分割画面で、他者のゲームプレイ内容が把握できてしまうため、例えば相手に分からないようにアイテムを仕掛けたりする等、相手に突然のゲーム展開を与えて驚かせるような、新たな興奮を与えることが難しかった。
【0006】
一方、特許文献1に記載の競馬ゲームでは、レース全体を映す画面とプレイヤを主体にした画面のいずれか1つを切り替えて表示するだけであり、両方の画面を並列的に表示することができないので、両者を同時に見比べながらゲームをプレイするときに操作が煩雑になってしまうだけでなく、画面の切替が連続するので画面が見づらくなってしまう。さらに両者を把握したいときに、切替操作を伴うことによって、せっかくゲームプレイに熱
中していた状況を中断することとなり、ゲームの興趣性を阻害するおそれがあった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、今までに無い操作を取り入れた新しい競争ゲームをプレイできる、競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムを提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、他のプレイヤをどのように邪魔するかなどのレース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能な競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムを提供することである。
【0009】
この発明のその他の目的は、コース上にアイテムを仕掛けるなどの変化を与えることが可能な競争ゲームにおいて、プレイヤの所望の位置に簡単かつ正確に変化を与えることができる、競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、複数の競争主体によって行われる競争ゲームをプレイするための競争ゲーム装置である。競争ゲーム装置は、第1の表示手段および第2の表示手段、タッチパネル、ゲームマップ記憶手段、操作手段、第1画面表示制御手段、第2画面表示範囲記憶手段、第2画面表示範囲更新手段、第2画面表示制御手段、タッチ位置変換手段、およびゲームマップ制御手段を備える。第1の表示手段および第2の表示手段は、競争ゲームの画像を表示するためのものである。タッチパネルは、第2の表示手段に重ねて形成される。ゲームマップ記憶手段は、少なくとも、複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含み、競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶する。操作手段は、少なくとも方向指示スイッチと動作指示スイッチとを含む。第1画面表示制御手段は、プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲でゲームマップを表示する第1画面を生成し、第1の表示手段に表示する。第2画面表示範囲記憶手段は、第2の表示手段に表示するゲームマップの表示範囲を記憶する。第2画面表示範囲更新手段は、操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲を更新する。第2画面表示制御手段は、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、第2の表示手段に表示する。タッチ位置変換手段は、タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換する。ゲームマップ制御手段は、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換手段によって変換されたタッチ入力の位置に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップを変更する。
【0011】
請求項1の発明では、競争ゲーム装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ。)は、複数の競争主体によって行われる競争ゲームをプレイするためのものである。第1の表示手段(12)および第2の表示手段(14)は競争ゲームの画像を表示するためのものである。タッチパネル(22)は第2の表示手段に重ねて形成される。ゲームマップ記憶手段(100)は、競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶する。ゲームマップは、少なくとも、複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含む。操作手段(20)は、少なくとも方向指示スイッチ(20a)と動作指示スイッチ(20b、20c、20d、20e、20L、20R)とを含む。第1画面表示制御手段(42、74、82、S5)は、プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲でゲームマップを表示する第1画面を生成し、第1の表示手段に表示する。第2画面表示範囲記憶手段(108)は、第2の表示手段に表示するゲームマップの表示範囲を記憶する。第2画面表示範囲更新手段(42、74、S15)は、操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、第2画面表示範囲
記憶手段に記憶された表示範囲を更新する。第2画面表示制御手段(42、74、82、S17)は、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、第2の表示手段に表示する。タッチ位置変換手段(42、86、S69)は、タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換する。ゲームマップ制御手段(42、80、94、S19)は、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換手段によって変換されたタッチ入力の位置に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップを変更する。
【0012】
請求項1の発明によれば、プレイヤ競争主体を常に含むようなゲーム画像(第1画面)と、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲を固定的に表示するゲーム画像(第2画面)とが並列して第1の表示手段および第2の表示手段に表示される。第2の表示手段に重ねて形成されたタッチパネルにおいてタッチ入力があったときには、タッチ入力の位置がゲームマップにおける位置に変換され、この変換されたタッチ入力に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップが変更される。したがって、プレイヤは第2画面に直接触れるかのような操作を行うことによって、ゲームマップに変化を与えることができるので、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できるとともに、より面白さの増した競争ゲームを提供できる。また、プレイヤは、ゲームマップを変更したいときには、ゲームマップの所定の表示範囲を固定的に表示する第2画面に対してタッチ操作を行えばよいので、プレイヤはゲームマップの所望の位置に正確かつ簡単に変化を与えることができる。また、操作手段から所定の操作入力があった場合第2画面の表示範囲が更新されるので、たとえば、プレイヤは第2画面に表示させるゲームマップの範囲を切り替えて所望の場所を表示させてから変化を与えることができる。また、プレイヤ競争主体を常に含む第1画面および所定の場所を固定的に表示する第2画面の2つの画面を並列して表示するので、ゲームの展開を把握し易いばかりでなく、競争相手の知らないうちにコース上に仕掛けを施すような、新しい面白さを備えた競争ゲームを提供できる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属し、ゲームマップ制御手段は、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換手段によって変換されたタッチ入力の位置に対応する位置にアイテムを追加配置する。
【0014】
請求項2の発明では、ゲームマップ制御手段(S79)は、タッチ入力があったときに、変換されたタッチ入力の位置に対応する位置にアイテムを追加配置する。したがって、請求項2の発明によれば、プレイヤは第2画面に直接触れるようにしてタッチ操作することによって、タッチ入力位置に対応するゲームマップ上の位置にアイテムを追加的に配置することができる。したがって、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できるとともに、たとえば競争相手を邪魔するようにアイテムを配置できるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能であり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の発明に従属し、ゲームマップ制御手段は、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換手段によって変換されたタッチ入力の位置に対応するコースの地形配置を変更する。
【0016】
請求項3の発明では、ゲームマップ制御手段(S85)は、タッチ入力があったときに、変換されたタッチ入力の位置に対応するコースの地形配置を変更する。したがって、請求項3の発明によれば、プレイヤは第2画面に直接触れるようにしてタッチ操作することによって、タッチ入力位置に対応するコースの地形を変形することができる。したがって、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できるとともに、たとえばプレイヤは競争相手に不利になるように地形を変えて自分を有利な立場にするなど、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能であり、レースゲームをより興奮度
の高いものにすることができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1の発明に従属し、タッチ入力された回数が所定数を超えたときにゲームマップ制御手段によるゲームマップの変更を不能化するタッチ入力不能化手段をさらに備える。
【0018】
請求項4の発明では、タッチ入力不能化手段(42、S65、S67)は、タッチ入力された回数が所定数を超えたときにゲームマップ制御手段によるゲームマップの変更を不能化する。したがって、請求項4の発明によれば、タッチ入力回数に制限を設けるようにしたので、プレイヤは、レースゲームの展開に合わせたゲームマップの変化をゲームプレイの戦略に組み込むときに、制限回数を上回らないように気を配らなければならなくなる。したがって、より戦略性と緊張感とを高めたレースゲームを提供することができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項2の発明に従属し、アイテムの追加配置された回数が所定数を超えたときにゲームマップ制御手段による該アイテムの追加配置を不能化するアイテム配置不能化手段をさらに備える。
【0020】
請求項5の発明では、アイテム配置不能化手段(42、S75、S77)は、アイテムの追加配置された回数が所定数を超えたときにゲームマップ制御手段によるアイテムの追加配置を不能化する。したがって、請求項5の発明によれば、アイテムの追加配置に制限を設けるようにしたので、プレイヤは、各アイテムの使用に際して戦略を立てつつゲームをプレイする必要が生じる。したがって、さらに戦略性と緊張感とを高めたレースゲームを提供することができる。
【0021】
請求項6の発明は、ゲーム装置を、競争ゲームをプレイするための競争ゲーム装置として機能させるための競争ゲームプログラムである。ゲーム装置は、第1の表示手段および第2の表示手段、タッチパネル、ゲームマップ記憶手段、操作手段、および第2画面表示範囲記憶手段を備える。第1の表示手段および第2の表示手段は、複数の競争主体によって行われる競争ゲームの画像を表示するためのものである。タッチパネルは、第2の表示手段に重ねて形成される。ゲームマップ記憶手段は、少なくとも複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含み、競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶する。操作手段は、少なくとも方向指示スイッチと動作指示スイッチとを含む。第2画面表示範囲記憶手段は、第2の表示手段に表示するゲームマップの表示範囲を記憶する。この競争ゲームプログラムは、ゲーム装置のプロセサに、第1画面表示制御ステップ、第2画面表示範囲更新ステップ、第2画面表示制御ステップ、タッチ位置変換ステップ、およびゲームマップ制御ステップを実行させる。第1画面表示制御ステップは、プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲でゲームマップを表示する第1画面を生成し、第1の表示手段に表示する。第2画面表示範囲更新ステップは、操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲を更新する。第2画面表示制御ステップは、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、第2の表示手段に表示する。タッチ位置変換ステップは、タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換する。ゲームマップ制御ステップは、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換ステップによって変換されたタッチ入力の位置に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップを変更する。
【0022】
請求項6−10の発明によっても、請求項1−5の発明と同様に、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供でき、プレイヤはゲームマップの所望の位置に正確か
つ簡単に変化を与えることができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、プレイヤ競争主体を常に含むような第1画面と、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面とが並列して第1の表示手段および第2の表示手段に表示され、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときには、タッチ入力の位置がゲームマップにおける位置に変換され、この変換されたタッチ入力に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップが変更される。したがって、プレイヤによる第2画面に直接触れるかのような操作によってゲームマップに変化が与えられるので、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できる。また、プレイヤはゲームマップを変更する際には、ゲームマップの所定範囲が切替可能に固定的に表示された第2画面に対してタッチ操作を行えばよいので、ゲームマップの所望の位置に正確かつ簡単に変化を与えることができる。また、たとえばアイテムを追加的に配置したり地形を変形したりすることによってゲームマップを変更する場合には、競争相手を邪魔するようにアイテムを配置したり、競争相手に不利になるように地形を変えて自分を有利な立場にしたりすることができるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能であり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0024】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1を参照して、この発明の一実施例であるゲーム装置10は、第1の液晶表示器(LCD)12および第2のLCD14を含む。このLCD12およびLCD14は、所定の配置位置となるようにハウジング16に収納される。この実施例では、ハウジング16は、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとによって構成され、LCD12は上側ハウジング16aに収納され、LCD14は下側ハウジング16bに収納される。したがって、LCD12とLCD14とは縦(上下)に並ぶように近接して配置される。
【0026】
なお、この実施例では、表示器としてLCDを用いるようにしてあるが、LCDに代えて、EL(Electronic Luminescence)ディスプレイやプラズマディスプレイを用いるよ
うにしてもよい。
【0027】
図1からも分かるように、上側ハウジング16aは、LCD12の平面形状よりも少し大きな平面形状を有し、一方主面からLCD12の表示面を露出するように開口部が形成される。一方、下側ハウジング16bは、その平面形状が上側ハウジング16aよりも横長に選ばれ、横方向の略中央部にLCD14の表示面を露出するように開口部が形成される。また、下側ハウジング16bには、音抜き孔18が形成されるとともに、操作スイッチ20(20a,20b,20c,20dおよび20e,20L,20R)が設けられる。
【0028】
また、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとは、上側ハウジング16aの下辺(下端)と下側ハウジング16bの上辺(上端)の一部とが回動可能に連結されている。したがって、たとえば、ゲームをプレイしない場合には、LCD12の表示面とLCD14の表示面とが対面するように、上側ハウジング16aを回動させて折りたたんでおけば、LCD12の表示面およびLCD14の表示面に傷がつくなどの破損を防止することができる。ただし、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとは、回動可能に連結せずに、それらを一体的(固定的)に設けたハウジング16を形成するようにしてもよい。
【0029】
操作スイッチ20は、方向指示スイッチ(十字スイッチ)20a,スタートスイッチ20b、セレクトスイッチ20c、動作スイッチ(Aボタン)20d、動作スイッチ(Bボタン)20e、動作スイッチ(Lボタン)20Lおよび動作スイッチ(Rボタン)20Rを含む。スイッチ20a,20bおよび20cは、下側ハウジング16bの一方主面において、LCD14の左側に配置される。また、スイッチ20dおよび20eは、下側ハウジング16bの一方主面において、LCD14の右側に配置される。さらに、スイッチ20Lおよびスイッチ20Rは、それぞれ、下側ハウジング16bの上端(天面)の一部において、上側ハウジング16aとの連結部以外に当該連結部を挟むように、左右に配置される。
【0030】
方向指示スイッチ20aは、ディジタルジョイスティックとして機能し、4つの押圧部の1つを操作することによって、プレイヤによって操作可能なプレイヤキャラクタ(また
はプレイヤオブジェクト)の移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりす
る等のために用いられる。この実施例でたとえばカーレースゲームがプレイされる場合、プレイヤキャラクタは競争主体たるカートである。
【0031】
スタートスイッチ20bは、プッシュボタンで構成され、ゲームを開始(再開)したり、一時停止(Pause)したりする等に用いられる。セレクトスイッチ20cは、プッシュ
ボタンで構成され、ゲームモードの選択等に用いられる。
【0032】
動作スイッチ20dすなわちAボタンは、プッシュボタンで構成され、方向指示以外の動作、すなわち、プレイヤキャラクタに打つ(パンチ)、投げる、つかむ(取得)、乗る、ジャンプするなどの任意のアクションをさせることができる。たとえば、カーレースゲームにおいては、カートを駆動および加速させるアクセル等として機能する。動作スイッチ20eすなわちBボタンは、プッシュボタンで構成され、セレクトスイッチ20cで選択したゲームモードの変更やAボタン20dで決定したアクションの取り消し等のために用いられる。たとえば、カーレースゲームでは、カートを減速させるブレーキ等として機能する。
【0033】
動作スイッチ20L(左押しボタン)および動作スイッチ20R(右押しボタン)は、プッシュボタンで構成され、左押しボタン(Lボタン)20Lおよび右押しボタン(Rボタン)20Rは、Aボタン20dおよびBボタン20eと同様の操作に用いることができ、また、Aボタン20dおよびBボタン20eの補助的な操作に用いることができる。
【0034】
また、このゲーム装置10はタッチパネルを用いたゲーム装置であり、LCD14の上面には、タッチパネル22が装着される。タッチパネル22としては、たとえば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)および静電容量結合式のいずれかの種類のものを用いることができる。また、タッチパネル22は、その上面をスティック24ないしはペン(スタイラスペン)或いは指(以下、これらを「スティック24等」という場合がある。)で、押圧したり撫でたり(触れたり)することにより操作すると、スティック24等の座標位置を検出して座標データ(タッチ入力データ)を出力する。
【0035】
なお、この実施例では、LCD14(LCD12も同じ、または略同じ。)の表示面の解像度は256dot×192dotであり、タッチパネル22の検出精度も表示画面に対応して256dot×192dotとしてあるが、タッチパネル22の検出精度は表示画面の解像度よりも低くてもよく、高くてもよい。
【0036】
たとえば、タッチパネル22の設けられるLCD14には、後述するように、プレイヤに見せかつタッチ操作させるためのゲーム画面(サブ画面)が表示され、LCD12にはプレイヤに見せるためのゲーム画面(プレイ画面)が表示される。なお、LCD14に表
示されるゲーム画面には、スティック24等で操作(タッチ)可能なたとえばオブジェクトないしアイコン、文字情報等が含まれる場合があり得る。プレイヤはLCD14に表示されたオブジェクトをスティック24等で直接触れるようにしてタッチパネル22上を操作することにより、たとえばそのオブジェクトの選択または操作、座標入力指示等を行うことができる。また、ゲームの種類に応じてその他各種の入力指示を行うことができ、たとえばLCD14の表示画面に表示される文字情報やアイコン等によるコマンドを選択したり、LCD12に表示されるゲーム画面(マップ)のスクロール(徐々に移動表示)方向を指示したりできる。
【0037】
このように、ゲーム装置10は、2画面分の表示部となるLCD12およびLCD14を有し、いずれか一方(この実施例では、LCD14)の表示画面上にタッチパネル22が設けられるので、2画面(LCD12,14)と2系統の操作部(20,22)を有する構成となるのである。
【0038】
また、この実施例では、スティック24は、たとえば上側ハウジング16aの側面(右側面)に設けられる収納部(収納穴)26に収納することができ、必要に応じて取り出される。ただし、スティック24を設けない場合には、収納部26を設ける必要もない。
【0039】
さらに、ゲーム装置10はメモリカード(またはゲームカートリッジ)28を含み、このメモリカード28は着脱自在であり、下側ハウジング16bの裏面ないしは下端(底面)に設けられる挿入口30から挿入される。図1では省略するが、挿入口30の奥部には、メモリカード28の挿入方向先端部に設けられるコネクタ(図示せず)と接合するためのコネクタ46(図2参照)が設けられており、したがって、メモリカード28が挿入口30に挿入されると、コネクタ同士が接合され、ゲーム装置10のCPUコア42(図2参照)がメモリカード28にアクセス可能となる。
【0040】
なお、図1では表現できないが、下側ハウジング16bの内部において、この下側ハウジング16bの音抜き孔18と対応する位置には、スピーカ32(図2参照)が設けられる。
【0041】
また、図1では省略するが、たとえば、下側ハウジング16bの裏面側には、電池収容ボックスが設けられ、また、下側ハウジング16bの底面側には、電源スイッチ、音量調節つまみ、外部拡張コネクタおよびイヤフォンジャックなどが設けられる。
【0042】
図2はゲーム装置10の電気的な構成を示すブロック図である。図2を参照して、ゲーム装置10は電子回路基板40を含み、この電子回路基板40にはCPUコア42等の回路コンポーネントが実装される。CPUコア42は、バス44を介してコネクタ46に接続されるととともに、RAM48、第1のグラフィック処理ユニット(GPU)50、第2のGPU52、入出カインターフエース回路(以下、「I/F回路」という。)54およびLCDコントローラ60が接続される。
【0043】
コネクタ46には、上述したように、メモリカード28が着脱自在に接続される。メモリカード28は、ROM28aおよびRAM28bを含み、図示は省略するが、ROM28aおよびRAM28bは、互いにバスで接続され、さらに、コネクタ46と接合されるコネクタ(図示せず)に接続される。したがって、上述したように、CPUコア42は、ROM28aおよびRAM28bにアクセスすることができるのである。
【0044】
ROM28aは、ゲーム装置10で実行すべきゲーム(仮想ゲーム:この実施例ではレースゲーム)のためのゲームプログラム、画像(キャラクタ画像、背景画像、アイテム画像、メッセージ画像など)データおよびゲームに必要な音ないし音楽のデータ(音データ
)等を予め記憶する。RAM(バックアップRAM)28bは、そのゲームの途中データやゲームの結果データを記憶(セーブ)する。
【0045】
RAM48は、バッファメモリないしはワーキングメモリとして使用される。つまり、CPUコア42は、メモリカード28のROM28aに記憶されたゲームプログラム、および画像データ、音データ等のデータをRAM48にロードし、ロードしたゲームプログラムを実行する。また、CPUコア42は、ゲームの進行に応じて一時的に発生するデータ(ゲームデータやフラグデータ)をRAM48に記憶しつつゲーム処理を実行する。
【0046】
なお、ゲームプログラム、画像データおよび音データ等は、ROM28aから一度に全部、または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM48に記憶される。
【0047】
GPU50およびGPU52は、それぞれ、描画手段の一部を形成し、たとえばシングルチップASICで構成され、CPUコア42からのグラフィックスコマンド(graphics
command :作画命令)を受け、そのグラフィックスコマンドに従ってゲーム画像データ
を生成する。ただし、CPUコア42は、グラフィックスコマンドに加えて、ゲーム画像データの生成に必要な画像生成プログラム(ゲームプログラムに含まれる。)をGPU50およびGPU52のそれぞれに与える。
【0048】
なお、GPU50およびGPU52が作画コマンドを実行するにあたって必要なデータ(画像データ:ポリゴンやテクスチャ等のデータ)は、GPU50およびGPU52がそれぞれ、RAM48にアクセスして取得する。
【0049】
また、GPU50には、第1のビデオRAM(以下、「VRAM」という。)56が接続され、GPU52には、第2のVRAM58が接続される。GPU50は作成したゲーム画像データをVRAM56に描画し、GPU52は作成したゲーム画像データをVRAM58に描画する。
【0050】
VRAM56およびVRAM58は、LCDコントローラ60に接続される。LCDコントローラ60はレジスタ62を含み、レジスタ62はたとえば1ビットで構成され、CPUコア42の指示によって「0」または「1」の値(データ値)を記憶する。LCDコントローラ60は、レジスタ62のデータ値が「0」である場合には、VRAM56に描画されたゲーム画像データをLCD12に出力し、VRAM58に描画されたゲーム画像データをLCD14に出力する。また、LCDコントローラ60は、レジスタ62のデータ値が「1」である場合には、VRAM56に描画されたゲーム画像データをLCD14に出力し、VRAM58に描画されたゲーム画像データをLCD12に出力する。
【0051】
I/F回路54には、操作スイッチ20,タッチパネル22およびスピーカ32が接続される。ここで、操作スイッチ20は、上述したスイッチ20a,20b,20c,20d,20e,20Lおよび20Rであり、操作スイッチ20が操作されると、対応する操作信号(操作データ)がI/F回路54を介してCPUコア42に入力される。また、タッチパネル22からのタッチ入力データ(座標データ)がI/F回路54を介してCPUコア42に入力される。さらに、CPUコア42は、ゲーム音楽(BGM)、効果音またはゲームキャラクタの音声(擬制音)などのゲームに必要な音データをRAM48から読み出し、I/F回路54を介してスピーカ32から出力する。
【0052】
図3にはRAM48のメモリマップの一例が示される。RAM48はプログラム記憶領域70およびデータ記憶領域72を含む。プログラム記憶領域70にはメモリカード28のROM28aからゲームプログラムがロードされる。この実施例のゲームプログラムはゲームメインプログラム74、コントローラ入力プログラム76、タッチパネル入力プロ
グラム78、ゲームマップ制御プログラム80、メイン画面表示プログラム82、サブ画面表示プログラム84、タッチ位置コース位置変換プログラム86、カート表示プログラム88、アイテム制御プログラム90、アイテム処理プログラム92およびコース変形プログラム94等を含む。
【0053】
ゲームメインプログラム74は、仮想ゲームのゲームメイン処理を実行するためのプログラムである。コントローラ入力プログラム76は、コントローラすなわち操作スイッチ20から入力される操作データを検出し、検出した操作データをデータ記憶領域72に書き込むためのプログラムである。タッチパネル入力プログラム78は、タッチパネル22から入力されるタッチされた位置の座標データ(タッチ入力データ)を検出し、検出した座標データをデータ記憶領域72に書き込むためのプログラムである。
【0054】
ゲームマップ制御プログラム80は、ゲームの進行に応じてゲームマップを制御するためのプログラムである。ここで、コースの地形とそれを描くためのBG(背景画)の配置や、カートやアイテムなどのオブジェクトが現在存在している位置等を含むレースゲームが展開される仮想の空間を総称してゲームマップと言う。具体的には、ゲームマップデータは、後述するように、少なくとも、コースの地形配置を示すコースBG配置データ(コースマップデータ)と、複数のカートの位置を示すカート配置データ(競争主体配置データ)と、アイテムの配置位置を示すアイテム配置データとを含む。コースBG配置データは、後述するコース変形プログラム94によるコースの変形に応じたデータに変更される。また、プレイヤの操作するプレイヤカートの位置データは、操作データおよびプレイヤキャラクタ制御プログラム(ゲームメインプログラム74に含まれる。)等に基づいて算出される。プレイヤによって操作されない競争相手カートの位置データはノンプレイヤキャラクタ制御プログラム(ゲームメインプログラム74に含まれる。)等に基づいて算出される。これら算出されたプレイヤカート位置データおよび競争相手カート位置データに基づいて、カート配置データが変更される。また、アイテム配置データは、タッチパネル22においてタッチ入力がありアイテムが配置される場合、ゲームマップ上の対応する位置にそのアイテムが追加的に配置されるよう変更される。
【0055】
メイン画面表示プログラム82は、LCD12に表示されるメイン画面を生成して表示するためのプログラムである。メイン画面(第1画面)は、プレイヤが操作するプレイヤカートを常に含む所定の大きさの表示範囲を有するように設定される。つまり、メイン画面は、プレイヤカートが常に表示されてプレイヤがゲームをプレイするために主に見続けるプレイ画面である。メイン画面としては、プレイヤカートの移動に従って移動するすなわちプレイヤカートを追尾するカメラによって撮像されたようなゲーム画像が表示される。
【0056】
サブ画面表示プログラム84は、LCD14に表示されるサブ画面を生成して表示するためのプログラムである。サブ画面(第2画面)はサブ画面表示範囲データに基づいて生成され、コースのある地点を固定的に表示する。サブ画面の表示範囲は、操作スイッチ20からサブ画面の表示切替のための所定の操作入力があったときに更新される。たとえば、切替操作入力があったときにプレイヤカートの存在していた位置が取得され、サブ画面の表示範囲はその取得された位置を含む所定の大きさの表示範囲となるように変更される。したがって、サブ画面としては、切替操作時のプレイヤカート位置に基づいて所定位置に固定されたカメラによって撮像されたようなゲーム画像が表示される。つまり、サブ画面では、コースの地形などの背景は静止しており、コース上のカート等は移動している。
【0057】
タッチ位置コース位置変換プログラム86は、タッチパネル22から入力された位置座標データを、ゲームマップ上の位置座標データに変換するためのプログラムである。タッチ入力された位置座標データはサブ画面の座標系における座標であるので、ゲームマップ
データに変更を加えるためにゲームマップの座標系における座標に変換する。
【0058】
カート表示プログラム88は、競争主体であるプレイヤカートおよび相手カートを、それぞれの位置データに基づいてメイン画面およびサブ画面上に表示するためのものである。アイテム制御プログラム90は、アイテムの使用回数を制限したり、配置されたアイテムの位置とカートの位置とを比較したりするなどのアイテムに関する制御を行うためのプログラムである。
【0059】
アイテム処理プログラム92は、アイテムの種類に応じた処理を行うためのプログラムである。アイテムは種々のものが予め準備されている。たとえば、アイテムが爆弾である場合には、カートが接触したときに爆発して、接触したカートにダメージが与えられる。また、アイテムがバナナである場合には、接触したカートがスピンして停止する。また、縮小化させるアイテムである場合には、カートの車体が小さくされ、これによって、カートのスピードが遅くされたり、重さが軽くされたりする。
【0060】
コース変形プログラム94は、コースマップにおける地形配置を変形するためのプログラムである。タッチパネル22においてタッチ入力があり地形を変形するアイテムが選択された場合、タッチ位置に対応するゲームマップ上の位置における地形が、そのアイテムに応じて変更される。地形変形のためのアイテムも種々のものが予め準備されている。たとえば、穴を作るアイテムの場合にはコースマップに穴が形成され、坂を作るアイテムの場合にはコースマップに坂が形成される。
【0061】
なお、プログラム記憶領域70には図示は省略しているが、ゲーム音楽等を生成して出力するためのプログラムなど、その他のゲーム進行に必要な各種プログラムが記憶される。
【0062】
データ記憶領域72には、メモリカード28のROM28aまたはRAM28bからロードされたデータや、ゲーム処理に応じて生成されたデータ等が記憶される。データ記憶領域72は、コントローラデータバッファ領域96、タッチパネルデータバッファ領域98、ゲームマップデータ領域100、カートデータ領域102、アイテムデータ領域104、コースBGデータ領域106、サブ画面表示範囲データ領域108等を含む。
【0063】
コントローラデータバッファ領域96には、操作スイッチ20から入力された操作データが一時記憶される。タッチパネルデータバッファ領域98には、タッチパネル22から入力されたタッチ入力データが一時記憶される。
【0064】
ゲームマップデータ領域100には、仮想ゲームのマップを表すゲームマップデータが記憶される。ゲームマップデータには、複数のカートがレースを行うコースを形成する地形(BG)の配置を示すコースBG配置データ、各カートのゲームマップにおける配置を示すカート配置データ、およびコース上のアイテム(OBJ)の配置を示すアイテム(OBJ)配置データ等が含まれる。ここで、BGはたとえば地面、道路、穴、坂など、ゲーム画面における静的な背景画のことである。OBJはたとえばプレイヤカート、相手カート、アイテムなど、ゲーム画面において背景上を移動したり配置されたりする動的な物体すなわちオブジェクトのことである。
【0065】
このゲームマップの概要が図4に示される。図4を参照して、ゲームマップはゲームマップ座標系(原点O、Xm、Ym軸)で表される。コースBG配置データはコースマップを表すデータであり、地面、道路、穴などの地形(BG)をそれぞれ所定の位置に配置することによってコースマップが形成されている。カート配置データは、複数(p=1〜m(mは2以上の整数))のカートごとの位置座標(Xmkp,Ymkp)を含み、この図
4では、プレイヤカート位置座標は(Xmk1,Ymk1)、相手カート位置座標は(Xmk2,Ymk2)で示される。また、アイテム配置データは、複数のアイテム(q=1〜n(nは2以上の整数))ごとの位置座標(Xmiq,Ymiq)を含み、この図4の例では、アイテムi1およびi2がコース上の所定位置(Xmi1,Ymi1)および(Xmi2,Ymi2)にそれぞれ配置されている。
【0066】
また、この図4では、メイン画面およびサブ画面の表示範囲が点線で示されている。メイン画面の表示範囲はプレイヤカート位置(Xmk1,Ymk1)を含む所定の大きさの領域に設定される。この実施例では、プレイヤカート位置(Xmk1,Ymk1)が表示範囲のたとえば中心となるように設定される。このメイン画面はプレイヤカート位置の上方から俯瞰して見ているような画像となる。また、サブ画面の表示範囲は、サブ画面の切替操作があったときのプレイヤカート位置(Xmk1’,Ymk1’)を含む所定の大きさの領域に設定される。この実施例では、切替操作時のプレイヤカート位置(Xmk1’,Ymk1’)が表示範囲のたとえば中心となるように設定される。このサブ画面は切替時のプレイヤカート位置の上方から俯瞰して見ているような画像となる。具体的には、図5に、ゲームマップ座標系におけるメイン画面およびサブ画面の表示範囲が示される。
【0067】
図5(A)に示すように、メイン画面の表示範囲は、現在のプレイヤカート位置を中心として、Xm軸方向に所定の長さ2s、Ym軸方向に所定の長さ2rを有する矩形状の領域(r,sは固定値)である。つまり、点A(Xmk1−s,Ymk1+r)から点B(Xmk1+s,Ymk1−r)までの範囲がメイン画面表示範囲である。プレイヤカート位置(Xmk1,Ymk1)はゲームの進行に応じて変化するので、メイン画面表示範囲はプレイヤカート位置の変化に応じてプレイヤカートを追尾するようにして移動する。
【0068】
また、図5(B)に示すように、サブ画面の表示範囲は、サブ画面切替操作があったときのプレイヤカート位置を中心として、Xm軸方向に所定の長さ2e、Ym軸方向に所定の長さ2dを有する矩形状の領域(d,eは固定値)である。つまり、点C(Xmk1’−e,Ymk1’+d)から点D(Xmk1’+e,Ymk1’−d)までの範囲がサブ画面表示範囲である。切替時のプレイヤカート位置(Xmk1’,Ymk1’)は、次の切替操作があるまでは固定されるので、サブ画面表示範囲も固定される。
【0069】
なお、この実施例では、ゲームマップがXm軸Ym軸の2次元座標系で表された場合を説明しているが、ゲームマップは、さらにZm軸を加えた3次元座標系で表されたものであってよいのはもちろんである。
【0070】
図3に戻って、カートデータ領域102には、競争主体たるカートに関するデータが記憶される。具体的には、プレイヤによって操作されるプレイヤカートを表示するための画像データ等を含むプレイヤカートデータ、プレイヤによって操作されない競争相手カートを表示するための画像データ等を含む競争相手カートデータ、および各カートのゲームマップおよび表示画面における位置座標を示すカート位置データ等が記憶される。
【0071】
アイテムデータ領域104には、コース上にどのような変更(攻撃ないし悪戯等)をするのかを示すアイテムに関するデータが記憶される。たとえば、爆弾、バナナなどのアイテムの種類を示すアイテム種類データや、ゲームマップおよび表示画面におけるアイテムの位置座標を示すアイテム位置データ等が、アイテムごとに記憶される。
【0072】
コースBGデータ領域106には、コースを形成する地形(BG)に関するデータが記憶される。具体的には、コースにおける道路を示す画像データ等を含む道路BGデータ、コース上に形成される穴を示す画像データ等を含む穴BGデータ、コースに形成される坂を示す画像データ等を含む坂BGデータ、地面を示す画像データ等を含む地面データ等が
記憶される。
【0073】
サブ画面表示範囲データ領域108には、ゲームマップにおけるサブ画面の表示範囲を示すデータが記憶される。上述したように、サブ画面の表示範囲は、サブ画面を切り替える操作があったときのプレイヤカートの位置を含む所定の大きさの領域が設定される。このサブ画面表示範囲データ領域108には、図5(B)に示したように、たとえば、切替操作があったときのプレイヤカート位置座標(Xmk1’,Ymk1’)や、表示範囲を示す点の位置座標(点C(Xmk1’−e,Ymk1’+d)および点D(Xmk1’+e,Ymk1’−d)など)が記憶される。
【0074】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域72には、ゲームの進行に応じて発生する他のゲームデータ(フラグやカウンタも含む。)等も記憶される。
【0075】
このゲーム装置10は、複数の競争主体によって行われる競争ゲームがプレイされる競争ゲーム装置である。競争ゲームは、基本的に一定の距離を早く走ることを競うゲームである。ただし、この実施例では、アイテムを使って競争相手の邪魔をするようなレース以外の要素も含まれている。また、この実施例では、競争ゲームの一例として、たとえばカートによって競争するカーレースゲームが実行されるが、これに限定されるものではなく、たとえば競馬ゲーム、ドッグレースゲーム、競艇ゲームなど他の競争ゲームであってよい。
【0076】
第1のLCD12にはプレイヤカートを常に含むようなメイン画面が表示され、したがって、プレイヤは基本的にはこのLCD12に表示されるメイン画面を見て、自らのカートを操作してゲームをプレイする。
【0077】
一方、第2のLCD14には、ゲームマップの所定の場所が固定的に表示されるサブ画面が表示される。サブ画面は、アイテムを用いて競争相手に対して攻撃や悪戯を仕掛けるために利用される。
【0078】
なお、このアイテムによる攻撃は、たとえばコース上に配置された特定のアイテムを獲得することによって可能になる。特定アイテムを獲得したときには、たとえば、メイン画面の所定位置に、獲得したアイテムによる攻撃手法がスロットマシンのように回転するアイコンで表示される。プレイヤはたとえば適当な時間で操作スイッチ20のいずれかを操作してアイコン表示を止めると、止まったときのアイコン表示に応じた攻撃(爆弾、バナナ、地形変形など)を仕掛けることが可能になる。
【0079】
また、プレイヤは操作スイッチ20のいずれか(たとえばRボタン20Rなど)を操作することによって、このサブ画面の表示位置を変更することができる。ただし、サブ画面の表示範囲の更新には、所定の回数までの制限が設けられている。なお、ゲーム開始時には、サブ画面には何も表示せずに所定の操作があって初めてサブ画面を表示させるようにしてもよいし、あるいは予め所定の表示範囲を初期値として定めておいて初期状態のサブ画面を表示させるようにしてもよい。
【0080】
操作スイッチ20からサブ画面の切替を指示する操作データがあったとき、そのときのプレイヤカートの位置データに基づいてサブ画面の表示範囲が更新される。具体的には、切替操作のあったときプレイヤカートの位置データが取得され、取得されたプレイヤカート位置が、サブ画面の表示範囲のたとえば中心位置に設定される。そして、所定の大きさ(たとえばXm軸方向に2e、Ym軸方向に2dの長さ)を有するようにサブ画面の表示範囲が設定される。サブ画面は、更新された表示範囲データ、ゲームマップデータおよび各画像データ等に基づいて描画されて、LCD14に表示される。
【0081】
たとえば図6に、サブ画面の表示位置の切替時のゲーム画面の一例が示される。サブ画面の表示位置の切替操作があったときには、メイン画面120におけるプレイヤカートの位置と同じ位置を中心とした表示範囲を有するサブ画面122がLCD14に表示されることとなる。つまり、この実施例では、プレイヤはLCD12に表示されたメイン画面におけるプレイヤカートが、攻撃を仕掛けておきたいゲームマップの所望の場所に存在するときに、サブ画面の表示位置の切替操作を行うことによって、所望の表示範囲のサブ画面をLCD14に表示させることができる。
【0082】
サブ画面を利用してプレイヤはコース上に攻撃を仕掛けることができる。すなわち、図7に示すように、プレイヤは、サブ画面122上のコースに直接触れるかのようにして、タッチパネル22上の任意の位置にスティック24等でタッチ操作を行うことによって、タッチ位置に対応する位置のゲームマップに変形を加えることができる。具体的には、アイテムを追加的に配置したり地形を変更したりすることによって、相手に対しての攻撃ないし悪戯を仕掛ける。上述のように、サブ画面の表示範囲は切替可能に固定されており、サブ画面においてコースは固定的につまり静止状態で表示されている。したがって、プレイヤは静止しているコースに対して直接触れるようにして操作することができるので、プレイヤは正確に所望の位置に攻撃を仕掛けることができ、しかも簡単に行うことができる。
【0083】
たとえば、プレイヤは、比較的操縦の困難なカーブなどの地点を走行中に、サブ画面切替のための所定の操作を行って、その地点を含む所定範囲のコースをサブ画面に表示させておく。その後、プレイヤは、方向指示操作が比較的必要のない直線等を走行しているときに、サブ画面にタッチ操作を行うことによって、従来では正確な仕掛けが困難であったカーブなどの地点に対して、簡単かつ正確に攻撃を仕掛けることができる。
【0084】
具体的には、タッチパネル22でタッチ操作があったとき、タッチ位置の座標データが取得される。図8に示すように、タッチ位置データT(xt,yt)はサブ画面の座標系で得られるので、この実施例では、このタッチ位置データTをゲームマップの座標系における位置に変換する。図5(B)も参照して、サブ画面の座標系でのC(0,0)〜D(x,y)は、ゲームマップの座標系でのC(Xmk1’−e,Ymk1+d)〜D(Xmk1’+e,Ymk1’−d)に対応するので、サブ画面でのタッチ位置T(xt,yt)は、サブ画面座標系とゲームマップ座標系が1対1の対応関係にある場合には、ゲームマップの座標系では、T’((Xmk1’−e)+xt,(Ymk1’+d)−yt)になる。このゲームマップ上の位置T’に、アイテムによる攻撃が仕掛けられ、具体的には、アイテムが位置T’に追加的に配置されたり、位置T’における地形が変化されたりする。
【0085】
また、この実施例では、タッチ入力回数には制限を設けている。すなわち、タッチ入力操作があった場合には、タッチ入力回数をカウントし、タッチ入力回数が制限回数を超えたか否かが判断される。タッチ入力回数が制限を超えた場合には、タッチ入力操作によるアイテム追加配置や地形変形などの攻撃を不能化する。このように、タッチ入力回数に制限を設けることによって、レースゲームの展開に合わせたコースの変化をゲームプレイの戦略に組み込むときに、プレイヤは制限回数を上回らないように気を配らねばならなくなり、したがって、より戦略性と緊張感とを高めることができる。
【0086】
タッチ入力回数が制限内である場合には、タッチ操作があったとき、どのような攻撃を仕掛けるのかを決定するためにアイテムが選択される。プレイヤが複数のアイテムを持っている場合には、たとえばランダムにまたはプレイヤ操作に基づいて1つのアイテムが選択され、プレイヤが1つのアイテムのみ持っている場合にはそのアイテムが選択される。
アイテムには、OBJ系のアイテムとBG系のアイテムとがある。
【0087】
OBJ系のアイテム(たとえば爆弾、バナナなど)が選択された場合には、ゲームマップの位置T’に追加的にそのアイテム(OBJ)が配置される。つまり、位置T’にそのアイテムが追加的に配置されたゲームマップデータが生成される。この追加的に配置されたアイテム(OBJ)にカートが接触したとき、このアイテムに対応付けられた攻撃ないし悪戯が加えられる。これによって他のカートを邪魔することができるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能になり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0088】
一方、BG系のアイテム(たとえば穴形成、坂形成など)が選択されると、マップの位置T’に対応する位置の地形がそのアイテムに対応付けられた変更方法に従って変更される。つまり、位置T’がそのアイテムに従った地形に変更されたゲームマップデータが生成される。したがって、他のカートに不利になるようにコースの地形を変えることによって、自分を有利な立場とすることができるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能になり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0089】
なお、アイテムの使用には回数制限を設けている。すなわち、アイテムを選択したときには、選択したアイテムの使用回数をカウントして、当該アイテムの使用回数制限を超えたか否かを判断する。使用回数制限を超えた場合には、選択したアイテムによる追加配置または地形変形を不能化する。このように、アイテムの使用に制限を設けるようにしたので、各アイテムの使用に際して戦略を立てつつゲームをプレイする必要が生じ、さらに戦略性と緊張感とを高めることができる。
【0090】
また、アイテムによる攻撃を仕掛けるとき、この実施例のようにアイテムの追加配置やコース変形の反映されたゲームマップデータを生成しておくことによって、たとえば複数のゲーム装置10を有線または無線によって接続して複数プレイヤで通信対戦するような場合に対応することが可能になる。つまり、各ゲーム装置10で行われた変更を反映したゲームマップデータを各ゲーム装置間でやり取りすることによって、全ゲーム装置でゲームマップデータを共通のものとすることができ、したがって、各プレイヤは同一のコースでプレイすることが可能になる。
【0091】
図9にはこのゲーム装置10のゲーム動作の一例が示される。このゲーム装置10の電源が投入されると、メモリカード28からゲームプログラムおよびデータがRAM48にロードされる。CPUコア42はこのゲームプログラムを実行してゲーム処理を開始し、図9の最初のステップS1でゲームの初期設定を実行して、各種変数やフラグ等に初期値を設定する。
【0092】
次に、ステップS3で、CPUコア42はゲームメイン処理を実行する。たとえば、操作スイッチ20からの操作データに基づいてプレイヤカートの動作および表示等が制御されたり、相手カートの動作等が制御されたりする。これによって、ゲームマップデータのカート配置データやカートデータのカート位置データなどが更新される。また、ゲームに必要な音を出力したり、プレイヤの指示や所定のイベント等に従ってゲームデータのバックアップ処理を実行したりもする。
【0093】
続いて、ステップS5では、CPUコア42は、メイン画面描画処理を実行する。このメイン画面描画処理は図11に詳細に示される。図11の最初のステップS41で、CPUコア42は、ゲームマップデータ領域100からプレイヤカートの位置データを取得する。次に、ステップS43で、CPUコア42は、取得した位置データに基づいて、たとえば図5(A)に示したように、所定の大きさとなるように、メイン画面の表示範囲を算
出する。続いて、ステップS45で、CPU42は、GPU50を用いて、算出された表示範囲に該当する範囲のゲームマップデータに基づいて、メイン画面をVRAM56に描画する。ステップS47では、CPUコア42は、GPU50を用いて、表示範囲に該当する範囲のゲームマップデータのカート配置データおよびアイテム(OBJ)配置データに基づいて、メイン画面に含まれ得る他のカートやアイテムなどをVRAM56のメイン画面上に描画する。このようにして描画されたメイン画面は、CPUコア42の制御の下、LCDコントローラ60によってLCD12に表示される。ステップS47を終了すると、このメイン画面描画処理を終了して図9のステップS7へ戻る。
【0094】
図9に戻って、ステップS7では、CPUコア42は、サブ画面の表示位置を切り替えるか否かを判断する。つまり、サブ画面の表示位置の切替を指示する操作データがコントローラデータバッファ領域96にあるかどうかを判断する。
【0095】
このステップS7で“YES”であれば、つまり、プレイヤによってサブ画面の表示位置の切替操作が行われた場合には、ステップS9で、CPUコア42はサブ画面の更新回数をカウントして、ステップS11で、サブ画面更新回数がその制限を超えたか否かを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり、更新回数が制限内であれば、ステップS13で、CPUコア42は、切替時のプレイヤカート位置データをゲームマップデータ領域100から取得する。そして、ステップS15で、CPUコア42は、たとえば図5(B)に示したように、取得した位置データに基づいてサブ画面表示範囲データを生成または更新し、新たなデータをサブ画面表示範囲データ領域108に書き込む。ステップS15を終了するとステップS17へ進む。
【0096】
一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり、サブ画面更新回数が制限を超えた場合には、現在のサブ画面の表示位置を維持すべく、そのままステップS17へ進む。また、ステップS7で“NO”であれば、つまり、サブ画面の表示位置の切替を指示する操作データがない場合には、そのままステップS17へ進む。
【0097】
ステップS17では、CPUコア42はサブ画面描画処理を実行する。このサブ画面描画処理は図12に詳細に示される。図12の最初のステップS51で、CPUコア42は、サブ画面表示範囲データ領域108からサブ画面表示範囲データを取得する。続いて、ステップS53で、CPUコア42は、GPU52を用いて、取得した表示範囲に該当する範囲のゲームマップデータに基づいて、サブ画面をVRAM58に描画する。ステップS55では、表示範囲に該当する範囲のゲームマップデータのカート配置データおよびアイテム(OBJ)配置データに基づいて、サブ画面に含まれ得る他のカートやアイテムなどをVRAM58のサブ画面上に描画する。このようにして描画されたサブ画面は、CPUコア42の制御の下、LCDコントローラ60によってLCD14に表示される。ステップS55を終了すると、このサブ画面描画処理を終了して図9のステップS19へリターンする。
【0098】
図9に戻って、ステップS19では、CPUコア42はサブ画面タッチ処理を実行する。このサブ画面タッチ処理は図13に詳細に示される。図13の最初のステップS61で、CPUコア42はタッチ操作があったかどうかを判断する。つまり、タッチパネル22から位置座標データが入力されたか否かを判断する。このステップS61で“NO”であれば、プレイヤがタッチパネル22にタッチ操作をしなかったので、そのままこのサブ画面タッチ処理を終了して、図10のステップS21へ戻る。
【0099】
一方、ステップS61で“YES”であれば、つまり、タッチパネル22から位置座標データが入力された場合には、続くステップS63で、CPUコア42はタッチデータ(位置座標データ)を取得してタッチパネルバッファデータ領域98に書き込む。なお、こ
の入力されたタッチ位置の座標はT(xt,yt)で示される。
【0100】
続いて、ステップS65で、CPUコア42はタッチ入力回数をカウントし、ステップS67で、タッチ入力回数が所定の制限回数を超えたか否かを判断する。このステップS67で“YES”であれば、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ戻る。
【0101】
一方、ステップS67で“NO”であれば、つまり、タッチ入力回数が制限内である場合には、ステップS69で、CPUコア42は、たとえば図8に示したように、サブ画面の座標系のタッチデータT(xt,yt)をゲームマップ座標系の位置データT’に変換する。
【0102】
そして、ステップS71で、CPUコア42はアイテム選択を処理して、続くステップS73で、選択したアイテムの種類がOBJであるか否かを判断する。つまり、選択したアイテムが、コースに配置されるアイテム(OBJ)であるか、またはコースの地形を変形するアイテム(BG)であるかを判断する。このステップS73で“YES”であれば、つまり、選択したアイテムがOBJである場合には、ステップS75で、CPUコア42は、選択したOBJアイテムの配置回数をカウントする。そして、ステップS77で、CPUコア42は選択したOBJアイテムの配置が所定の使用回数制限を超えたか否かを判断する。ステップS77で“NO”であれば、つまり、選択したOBJアイテムの配置が使用回数制限内である場合には、ステップS79で、CPUコア42は、ゲームマップ中の位置データT’に、当該アイテム(OBJ)を追加的に配置する。つまり、ゲームマップデータのアイテム配置データ(Xmiq,Ymiq;q=1〜n)に、選択したアイテムとその位置データT’が記録される。ステップS79を終了すると、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ進む。したがって、次に図9のステップS3でゲームメイン処理が実行され、さらにステップS5およびステップS17でメイン画面およびサブ画面が描画されると、このアイテムの追加配置の反映されたゲーム画像が生成されて表示されることとなる。したがって、たとえば競争相手カートはこのアイテム配置によって邪魔をされたりして、このアイテム配置に対応した走りを行う必要が生じる。
【0103】
一方、ステップS77で“YES”であれば、つまり、選択したOBJアイテムの配置が回数制限を超えた場合には、そのアイテムの追加配置を行わず、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ進む。
【0104】
また、ステップS73で“NO”であれば、つまり、選択したアイテムがBGであった場合には、ステップS81で、CPUコア42は、選択したBGアイテムの使用回数をカウントする。そして、ステップS83で、CPUコア42は、選択したBGアイテムの変更方法は所定の使用回数制限を超えたか否かを判断する。このステップS83で“NO”であれば、つまり、選択したBGアイテムに基づく変更方法が使用回数制限内である場合には、ステップS85で、CPUコア42は、ゲームマップの位置T’の地形を当該アイテムによる変更方法に従って変更する。つまり、ゲームマップデータのコースBG配置データにおいて、位置データT’に対応するBGが、その選択したアイテムによるBGに変更される。ステップS85を終了すると、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ戻る。したがって、次に図9のステップS3でゲームメイン処理が実行され、さらにステップS5およびステップS17でメイン画面およびサブ画面が描画されると、この地形変形が反映されたゲーム画像が生成されて表示されることとなる。したがって、プレイヤカートおよび競争相手カートはこの地形変形に対応した走りを行う必要がある。
【0105】
一方、ステップS83で“YES”であれば、つまり、選択したBGアイテムの変更方
法が回数制限を超えた場合には、そのアイテムによる地形変形を行わずに、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ戻る。
【0106】
図10に戻って、ステップS21で、CPUコア42は、ゲームマップデータにおける、全アイテム位置(Xmiq,Ymiq;q=1〜n)と全カート位置(Xmkp,Ymkp;p=1〜m)とを比較する。つまり、コースに配置されている全アイテムと、競争中の全カートとの当たり判定を行う。
【0107】
そして、ステップS23で、CPUコア42は、比較の結果、カート位置と位置の一致するアイテムがあったかどうかを判断する。このステップS23で“YES”であれば、つまり、アイテムに接触したカートが存在する場合には、ステップS25で、CPUコア42は、一致のあったアイテムに応じてアイテム処理を実行する。たとえば、一致したアイテムが爆弾の場合には爆弾を爆発させてカートにダメージを与える処理を実行し、また、一致したアイテムがバナナの場合にはカートをスピンさせて停止させる処理を実行する。なお、ステップS23で“NO”であれば、つまり、アイテム位置とカート位置とが全く一致しない場合には、そのままステップS27へ進む。
【0108】
ステップS27では、CPUコア42はゲーム終了であるか否かを判断する。このステップS27で“YES”と判断されるまで、図9のステップS3からの処理が繰り返されてゲームが進行される。そして、ステップS27で“YES”であればゲームを終了するための処理を実行してこのゲーム処理を終了する。
【0109】
この実施例によれば、プレイヤカートを常に含むようなメイン画面と、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示するサブ画面とが並列してLCD12およびLCD14に表示され、タッチパネル22においてタッチ入力があったときには、タッチ入力の位置がゲームマップにおける位置に変換され、この変換されたタッチ入力に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップが変更される。したがって、プレイヤによるサブ画面に直接触れるかのような操作によってゲームマップに変化を与えることができ、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できる。また、プレイヤカートを常に含むメイン画面および所定の場所を固定的に表示するサブ画面の2つの画面を並列して表示するので、ゲームの展開を把握し易いばかりでなく、競争相手の知らないうちにコース上に仕掛けを施すような、新しい面白さを備えた競争ゲームを提供できる。
【0110】
また、プレイヤはゲームマップを変更する際には、ゲームマップの所定範囲が切替可能に固定的に表示されたサブ画面に対してタッチ操作を行えばよいので、ゲームマップの所望の位置に正確かつ簡単に変化を与えることができる。
【0111】
また、たとえばアイテムを追加的に配置したり地形を変形したりすることによってゲームマップを変更する場合には、競争相手を邪魔するようにアイテムを配置したり、競争相手に不利になるように地形を変えて自分を有利な立場にしたりすることができるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能であり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0112】
なお、上述の実施例では、第1のLCD12と第2のLCD14とを縦方向に並べて配置するようにしていたが、2つのLCDの配置は適宜に変更され得る。たとえば他の実施例のゲーム装置10では、第1のLCD12と第2のLCD14とを横方向に並べて配置するようにしてもよい。
【0113】
また、上述の各実施例では、2つのLCDを設けるようにしていたが、LCDの数は適宜変更され得る。たとえば他の実施例のゲーム装置10では、縦長形状の1つのLCDを
設けて、その上下に分けた領域のいずれか一方側にタッチパネル22を設け、2つの画像をそれぞれの領域に表示するようにしてもよいし、あるいは、横長形状の1つのLCDを設けて、その左右に分けた領域のいずれか一方側にタッチパネル22を設け、2つの画像をそれぞれの領域に表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】この発明の一実施例のゲーム装置の一例を示す外観図である。
【図2】図1実施例のゲーム装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すRAM48のメモリマップの一例を示す図解図である。
【図4】ゲームマップの内容を説明するための図解図である。
【図5】図5(A)はゲームマップ座標系におけるメイン画面表示範囲を示す図解図であり、図5(B)はゲームマップ座標系におけるサブ画面表示範囲を示す図解図である。
【図6】サブ画面切替操作があったときの2つのゲーム画面の一例を示す図解図である。
【図7】タッチ入力されたときの2つのゲーム画面の一例を示す図解図である。
【図8】タッチ位置のサブ画面座標系からゲームマップの座標系への変換を説明するための図解図である。
【図9】図1実施例のゲーム装置の動作の一例を示すフロー図である。
【図10】図9の続きを示すフロー図である。
【図11】図9におけるメイン画面描画処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図12】図9におけるサブ画面描画処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図13】図9におけるサブ画面タッチ処理の動作の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0115】
10 …ゲーム装置
12,14 …LCD
22 …タッチパネル
24 …スティック
28 …メモリカード
32 …スピーカ
42 …CPUコア
48 …RAM
50,52 …GPU
54 …I/F回路
56,58 …VRAM
60 …LCDコントローラ
【技術分野】
【0001】
この発明は競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムに関し、特にたとえば、複数の競争主体によって行われる競争ゲームをプレイするための競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえばカーレースゲームや競馬ゲームなど、競争を主体としたゲームは数多く知られている。非特許文献1は、本件出願人の販売にかかるカーレースゲーム、「マリオカート64」(登録商標)に関する。このゲームでは、プレイヤは他のプレイヤ(コンピュータ対戦も含む)とカーレースを行うだけでなく、色々なアイテムを使って、たとえば他のプレイヤの邪魔をしたり、プレイヤの操作するカート(競争主体)をパワーアップしたりすることができる。このようなアイテムの使用によって、カーレースゲームを有利に進めることができるよう配慮されている。
【0003】
このゲームでは複数人プレイを行っているときには、全てのカートに対応するようにプレイ画面が分割され、同じコースマップ上で違う視点から見た複数の分割画面が並列的に表示される。各々のプレイヤは、たとえば他のプレイヤのための分割画面を見ながら、コースマップ上のレース展開を把握することができる上、色々なアイテムを使用する戦略を立てることができる。
【0004】
一方、特許文献1には競馬ゲームを行うゲーム装置が開示される。この競馬ゲームでは、プレイヤは2種類の視点から見たレース画像を切り替えて選択できる。一方はレース全体を主体とした視点であり、他方はプレイヤの馬(競争主体)を主体とした視点である。そして、この視点切替に応じて実況音声が変化されるので、より臨場感にあふれた競馬ゲームをプレイすることができる。
【非特許文献1】「マリオカート64 攻略の帝王」(発行人 蓮見清一,発行所 株式会社宝島社,1997年2月24日発行,8頁〜9頁,134頁〜135頁)
【特許文献1】特許第3435155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載のレースゲームでは、ゲーム操作が従来の動作スイッチ操作と方向指示操作に基づくものであって、ゲーム操作に新しさを加えることができなかった。また、プレイヤは方向指示操作によってカートを操縦しながら、所定の動作スイッチ操作を行ってアイテムを狙った位置に仕掛けねばならない。たとえばカーブに配置されると効果の高いようなアイテムの場合には、プレイヤはカーブを速く曲がるためにドリフト走行の操作をしつつアイテムを仕掛ける操作を行わねばならないので、操作が困難であり、所望の位置にアイテムを仕掛けることが困難であった。また、複数人プレイ時では全てのプレイヤに対応した分割画面で、他者のゲームプレイ内容が把握できてしまうため、例えば相手に分からないようにアイテムを仕掛けたりする等、相手に突然のゲーム展開を与えて驚かせるような、新たな興奮を与えることが難しかった。
【0006】
一方、特許文献1に記載の競馬ゲームでは、レース全体を映す画面とプレイヤを主体にした画面のいずれか1つを切り替えて表示するだけであり、両方の画面を並列的に表示することができないので、両者を同時に見比べながらゲームをプレイするときに操作が煩雑になってしまうだけでなく、画面の切替が連続するので画面が見づらくなってしまう。さらに両者を把握したいときに、切替操作を伴うことによって、せっかくゲームプレイに熱
中していた状況を中断することとなり、ゲームの興趣性を阻害するおそれがあった。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、今までに無い操作を取り入れた新しい競争ゲームをプレイできる、競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムを提供することである。
【0008】
この発明の他の目的は、他のプレイヤをどのように邪魔するかなどのレース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能な競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムを提供することである。
【0009】
この発明のその他の目的は、コース上にアイテムを仕掛けるなどの変化を与えることが可能な競争ゲームにおいて、プレイヤの所望の位置に簡単かつ正確に変化を与えることができる、競争ゲーム装置および競争ゲームプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、複数の競争主体によって行われる競争ゲームをプレイするための競争ゲーム装置である。競争ゲーム装置は、第1の表示手段および第2の表示手段、タッチパネル、ゲームマップ記憶手段、操作手段、第1画面表示制御手段、第2画面表示範囲記憶手段、第2画面表示範囲更新手段、第2画面表示制御手段、タッチ位置変換手段、およびゲームマップ制御手段を備える。第1の表示手段および第2の表示手段は、競争ゲームの画像を表示するためのものである。タッチパネルは、第2の表示手段に重ねて形成される。ゲームマップ記憶手段は、少なくとも、複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含み、競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶する。操作手段は、少なくとも方向指示スイッチと動作指示スイッチとを含む。第1画面表示制御手段は、プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲でゲームマップを表示する第1画面を生成し、第1の表示手段に表示する。第2画面表示範囲記憶手段は、第2の表示手段に表示するゲームマップの表示範囲を記憶する。第2画面表示範囲更新手段は、操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲を更新する。第2画面表示制御手段は、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、第2の表示手段に表示する。タッチ位置変換手段は、タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換する。ゲームマップ制御手段は、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換手段によって変換されたタッチ入力の位置に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップを変更する。
【0011】
請求項1の発明では、競争ゲーム装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ。)は、複数の競争主体によって行われる競争ゲームをプレイするためのものである。第1の表示手段(12)および第2の表示手段(14)は競争ゲームの画像を表示するためのものである。タッチパネル(22)は第2の表示手段に重ねて形成される。ゲームマップ記憶手段(100)は、競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶する。ゲームマップは、少なくとも、複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含む。操作手段(20)は、少なくとも方向指示スイッチ(20a)と動作指示スイッチ(20b、20c、20d、20e、20L、20R)とを含む。第1画面表示制御手段(42、74、82、S5)は、プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲でゲームマップを表示する第1画面を生成し、第1の表示手段に表示する。第2画面表示範囲記憶手段(108)は、第2の表示手段に表示するゲームマップの表示範囲を記憶する。第2画面表示範囲更新手段(42、74、S15)は、操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、第2画面表示範囲
記憶手段に記憶された表示範囲を更新する。第2画面表示制御手段(42、74、82、S17)は、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、第2の表示手段に表示する。タッチ位置変換手段(42、86、S69)は、タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換する。ゲームマップ制御手段(42、80、94、S19)は、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換手段によって変換されたタッチ入力の位置に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップを変更する。
【0012】
請求項1の発明によれば、プレイヤ競争主体を常に含むようなゲーム画像(第1画面)と、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲を固定的に表示するゲーム画像(第2画面)とが並列して第1の表示手段および第2の表示手段に表示される。第2の表示手段に重ねて形成されたタッチパネルにおいてタッチ入力があったときには、タッチ入力の位置がゲームマップにおける位置に変換され、この変換されたタッチ入力に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップが変更される。したがって、プレイヤは第2画面に直接触れるかのような操作を行うことによって、ゲームマップに変化を与えることができるので、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できるとともに、より面白さの増した競争ゲームを提供できる。また、プレイヤは、ゲームマップを変更したいときには、ゲームマップの所定の表示範囲を固定的に表示する第2画面に対してタッチ操作を行えばよいので、プレイヤはゲームマップの所望の位置に正確かつ簡単に変化を与えることができる。また、操作手段から所定の操作入力があった場合第2画面の表示範囲が更新されるので、たとえば、プレイヤは第2画面に表示させるゲームマップの範囲を切り替えて所望の場所を表示させてから変化を与えることができる。また、プレイヤ競争主体を常に含む第1画面および所定の場所を固定的に表示する第2画面の2つの画面を並列して表示するので、ゲームの展開を把握し易いばかりでなく、競争相手の知らないうちにコース上に仕掛けを施すような、新しい面白さを備えた競争ゲームを提供できる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明に従属し、ゲームマップ制御手段は、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換手段によって変換されたタッチ入力の位置に対応する位置にアイテムを追加配置する。
【0014】
請求項2の発明では、ゲームマップ制御手段(S79)は、タッチ入力があったときに、変換されたタッチ入力の位置に対応する位置にアイテムを追加配置する。したがって、請求項2の発明によれば、プレイヤは第2画面に直接触れるようにしてタッチ操作することによって、タッチ入力位置に対応するゲームマップ上の位置にアイテムを追加的に配置することができる。したがって、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できるとともに、たとえば競争相手を邪魔するようにアイテムを配置できるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能であり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の発明に従属し、ゲームマップ制御手段は、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換手段によって変換されたタッチ入力の位置に対応するコースの地形配置を変更する。
【0016】
請求項3の発明では、ゲームマップ制御手段(S85)は、タッチ入力があったときに、変換されたタッチ入力の位置に対応するコースの地形配置を変更する。したがって、請求項3の発明によれば、プレイヤは第2画面に直接触れるようにしてタッチ操作することによって、タッチ入力位置に対応するコースの地形を変形することができる。したがって、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できるとともに、たとえばプレイヤは競争相手に不利になるように地形を変えて自分を有利な立場にするなど、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能であり、レースゲームをより興奮度
の高いものにすることができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1の発明に従属し、タッチ入力された回数が所定数を超えたときにゲームマップ制御手段によるゲームマップの変更を不能化するタッチ入力不能化手段をさらに備える。
【0018】
請求項4の発明では、タッチ入力不能化手段(42、S65、S67)は、タッチ入力された回数が所定数を超えたときにゲームマップ制御手段によるゲームマップの変更を不能化する。したがって、請求項4の発明によれば、タッチ入力回数に制限を設けるようにしたので、プレイヤは、レースゲームの展開に合わせたゲームマップの変化をゲームプレイの戦略に組み込むときに、制限回数を上回らないように気を配らなければならなくなる。したがって、より戦略性と緊張感とを高めたレースゲームを提供することができる。
【0019】
請求項5の発明は、請求項2の発明に従属し、アイテムの追加配置された回数が所定数を超えたときにゲームマップ制御手段による該アイテムの追加配置を不能化するアイテム配置不能化手段をさらに備える。
【0020】
請求項5の発明では、アイテム配置不能化手段(42、S75、S77)は、アイテムの追加配置された回数が所定数を超えたときにゲームマップ制御手段によるアイテムの追加配置を不能化する。したがって、請求項5の発明によれば、アイテムの追加配置に制限を設けるようにしたので、プレイヤは、各アイテムの使用に際して戦略を立てつつゲームをプレイする必要が生じる。したがって、さらに戦略性と緊張感とを高めたレースゲームを提供することができる。
【0021】
請求項6の発明は、ゲーム装置を、競争ゲームをプレイするための競争ゲーム装置として機能させるための競争ゲームプログラムである。ゲーム装置は、第1の表示手段および第2の表示手段、タッチパネル、ゲームマップ記憶手段、操作手段、および第2画面表示範囲記憶手段を備える。第1の表示手段および第2の表示手段は、複数の競争主体によって行われる競争ゲームの画像を表示するためのものである。タッチパネルは、第2の表示手段に重ねて形成される。ゲームマップ記憶手段は、少なくとも複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含み、競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶する。操作手段は、少なくとも方向指示スイッチと動作指示スイッチとを含む。第2画面表示範囲記憶手段は、第2の表示手段に表示するゲームマップの表示範囲を記憶する。この競争ゲームプログラムは、ゲーム装置のプロセサに、第1画面表示制御ステップ、第2画面表示範囲更新ステップ、第2画面表示制御ステップ、タッチ位置変換ステップ、およびゲームマップ制御ステップを実行させる。第1画面表示制御ステップは、プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲でゲームマップを表示する第1画面を生成し、第1の表示手段に表示する。第2画面表示範囲更新ステップは、操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲を更新する。第2画面表示制御ステップは、第2画面表示範囲記憶手段に記憶された表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、第2の表示手段に表示する。タッチ位置変換ステップは、タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換する。ゲームマップ制御ステップは、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、タッチ位置変換ステップによって変換されたタッチ入力の位置に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップを変更する。
【0022】
請求項6−10の発明によっても、請求項1−5の発明と同様に、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供でき、プレイヤはゲームマップの所望の位置に正確か
つ簡単に変化を与えることができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、プレイヤ競争主体を常に含むような第1画面と、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面とが並列して第1の表示手段および第2の表示手段に表示され、タッチパネルにおいてタッチ入力があったときには、タッチ入力の位置がゲームマップにおける位置に変換され、この変換されたタッチ入力に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップが変更される。したがって、プレイヤによる第2画面に直接触れるかのような操作によってゲームマップに変化が与えられるので、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できる。また、プレイヤはゲームマップを変更する際には、ゲームマップの所定範囲が切替可能に固定的に表示された第2画面に対してタッチ操作を行えばよいので、ゲームマップの所望の位置に正確かつ簡単に変化を与えることができる。また、たとえばアイテムを追加的に配置したり地形を変形したりすることによってゲームマップを変更する場合には、競争相手を邪魔するようにアイテムを配置したり、競争相手に不利になるように地形を変えて自分を有利な立場にしたりすることができるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能であり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0024】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1を参照して、この発明の一実施例であるゲーム装置10は、第1の液晶表示器(LCD)12および第2のLCD14を含む。このLCD12およびLCD14は、所定の配置位置となるようにハウジング16に収納される。この実施例では、ハウジング16は、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとによって構成され、LCD12は上側ハウジング16aに収納され、LCD14は下側ハウジング16bに収納される。したがって、LCD12とLCD14とは縦(上下)に並ぶように近接して配置される。
【0026】
なお、この実施例では、表示器としてLCDを用いるようにしてあるが、LCDに代えて、EL(Electronic Luminescence)ディスプレイやプラズマディスプレイを用いるよ
うにしてもよい。
【0027】
図1からも分かるように、上側ハウジング16aは、LCD12の平面形状よりも少し大きな平面形状を有し、一方主面からLCD12の表示面を露出するように開口部が形成される。一方、下側ハウジング16bは、その平面形状が上側ハウジング16aよりも横長に選ばれ、横方向の略中央部にLCD14の表示面を露出するように開口部が形成される。また、下側ハウジング16bには、音抜き孔18が形成されるとともに、操作スイッチ20(20a,20b,20c,20dおよび20e,20L,20R)が設けられる。
【0028】
また、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとは、上側ハウジング16aの下辺(下端)と下側ハウジング16bの上辺(上端)の一部とが回動可能に連結されている。したがって、たとえば、ゲームをプレイしない場合には、LCD12の表示面とLCD14の表示面とが対面するように、上側ハウジング16aを回動させて折りたたんでおけば、LCD12の表示面およびLCD14の表示面に傷がつくなどの破損を防止することができる。ただし、上側ハウジング16aと下側ハウジング16bとは、回動可能に連結せずに、それらを一体的(固定的)に設けたハウジング16を形成するようにしてもよい。
【0029】
操作スイッチ20は、方向指示スイッチ(十字スイッチ)20a,スタートスイッチ20b、セレクトスイッチ20c、動作スイッチ(Aボタン)20d、動作スイッチ(Bボタン)20e、動作スイッチ(Lボタン)20Lおよび動作スイッチ(Rボタン)20Rを含む。スイッチ20a,20bおよび20cは、下側ハウジング16bの一方主面において、LCD14の左側に配置される。また、スイッチ20dおよび20eは、下側ハウジング16bの一方主面において、LCD14の右側に配置される。さらに、スイッチ20Lおよびスイッチ20Rは、それぞれ、下側ハウジング16bの上端(天面)の一部において、上側ハウジング16aとの連結部以外に当該連結部を挟むように、左右に配置される。
【0030】
方向指示スイッチ20aは、ディジタルジョイスティックとして機能し、4つの押圧部の1つを操作することによって、プレイヤによって操作可能なプレイヤキャラクタ(また
はプレイヤオブジェクト)の移動方向を指示したり、カーソルの移動方向を指示したりす
る等のために用いられる。この実施例でたとえばカーレースゲームがプレイされる場合、プレイヤキャラクタは競争主体たるカートである。
【0031】
スタートスイッチ20bは、プッシュボタンで構成され、ゲームを開始(再開)したり、一時停止(Pause)したりする等に用いられる。セレクトスイッチ20cは、プッシュ
ボタンで構成され、ゲームモードの選択等に用いられる。
【0032】
動作スイッチ20dすなわちAボタンは、プッシュボタンで構成され、方向指示以外の動作、すなわち、プレイヤキャラクタに打つ(パンチ)、投げる、つかむ(取得)、乗る、ジャンプするなどの任意のアクションをさせることができる。たとえば、カーレースゲームにおいては、カートを駆動および加速させるアクセル等として機能する。動作スイッチ20eすなわちBボタンは、プッシュボタンで構成され、セレクトスイッチ20cで選択したゲームモードの変更やAボタン20dで決定したアクションの取り消し等のために用いられる。たとえば、カーレースゲームでは、カートを減速させるブレーキ等として機能する。
【0033】
動作スイッチ20L(左押しボタン)および動作スイッチ20R(右押しボタン)は、プッシュボタンで構成され、左押しボタン(Lボタン)20Lおよび右押しボタン(Rボタン)20Rは、Aボタン20dおよびBボタン20eと同様の操作に用いることができ、また、Aボタン20dおよびBボタン20eの補助的な操作に用いることができる。
【0034】
また、このゲーム装置10はタッチパネルを用いたゲーム装置であり、LCD14の上面には、タッチパネル22が装着される。タッチパネル22としては、たとえば、抵抗膜方式、光学式(赤外線方式)および静電容量結合式のいずれかの種類のものを用いることができる。また、タッチパネル22は、その上面をスティック24ないしはペン(スタイラスペン)或いは指(以下、これらを「スティック24等」という場合がある。)で、押圧したり撫でたり(触れたり)することにより操作すると、スティック24等の座標位置を検出して座標データ(タッチ入力データ)を出力する。
【0035】
なお、この実施例では、LCD14(LCD12も同じ、または略同じ。)の表示面の解像度は256dot×192dotであり、タッチパネル22の検出精度も表示画面に対応して256dot×192dotとしてあるが、タッチパネル22の検出精度は表示画面の解像度よりも低くてもよく、高くてもよい。
【0036】
たとえば、タッチパネル22の設けられるLCD14には、後述するように、プレイヤに見せかつタッチ操作させるためのゲーム画面(サブ画面)が表示され、LCD12にはプレイヤに見せるためのゲーム画面(プレイ画面)が表示される。なお、LCD14に表
示されるゲーム画面には、スティック24等で操作(タッチ)可能なたとえばオブジェクトないしアイコン、文字情報等が含まれる場合があり得る。プレイヤはLCD14に表示されたオブジェクトをスティック24等で直接触れるようにしてタッチパネル22上を操作することにより、たとえばそのオブジェクトの選択または操作、座標入力指示等を行うことができる。また、ゲームの種類に応じてその他各種の入力指示を行うことができ、たとえばLCD14の表示画面に表示される文字情報やアイコン等によるコマンドを選択したり、LCD12に表示されるゲーム画面(マップ)のスクロール(徐々に移動表示)方向を指示したりできる。
【0037】
このように、ゲーム装置10は、2画面分の表示部となるLCD12およびLCD14を有し、いずれか一方(この実施例では、LCD14)の表示画面上にタッチパネル22が設けられるので、2画面(LCD12,14)と2系統の操作部(20,22)を有する構成となるのである。
【0038】
また、この実施例では、スティック24は、たとえば上側ハウジング16aの側面(右側面)に設けられる収納部(収納穴)26に収納することができ、必要に応じて取り出される。ただし、スティック24を設けない場合には、収納部26を設ける必要もない。
【0039】
さらに、ゲーム装置10はメモリカード(またはゲームカートリッジ)28を含み、このメモリカード28は着脱自在であり、下側ハウジング16bの裏面ないしは下端(底面)に設けられる挿入口30から挿入される。図1では省略するが、挿入口30の奥部には、メモリカード28の挿入方向先端部に設けられるコネクタ(図示せず)と接合するためのコネクタ46(図2参照)が設けられており、したがって、メモリカード28が挿入口30に挿入されると、コネクタ同士が接合され、ゲーム装置10のCPUコア42(図2参照)がメモリカード28にアクセス可能となる。
【0040】
なお、図1では表現できないが、下側ハウジング16bの内部において、この下側ハウジング16bの音抜き孔18と対応する位置には、スピーカ32(図2参照)が設けられる。
【0041】
また、図1では省略するが、たとえば、下側ハウジング16bの裏面側には、電池収容ボックスが設けられ、また、下側ハウジング16bの底面側には、電源スイッチ、音量調節つまみ、外部拡張コネクタおよびイヤフォンジャックなどが設けられる。
【0042】
図2はゲーム装置10の電気的な構成を示すブロック図である。図2を参照して、ゲーム装置10は電子回路基板40を含み、この電子回路基板40にはCPUコア42等の回路コンポーネントが実装される。CPUコア42は、バス44を介してコネクタ46に接続されるととともに、RAM48、第1のグラフィック処理ユニット(GPU)50、第2のGPU52、入出カインターフエース回路(以下、「I/F回路」という。)54およびLCDコントローラ60が接続される。
【0043】
コネクタ46には、上述したように、メモリカード28が着脱自在に接続される。メモリカード28は、ROM28aおよびRAM28bを含み、図示は省略するが、ROM28aおよびRAM28bは、互いにバスで接続され、さらに、コネクタ46と接合されるコネクタ(図示せず)に接続される。したがって、上述したように、CPUコア42は、ROM28aおよびRAM28bにアクセスすることができるのである。
【0044】
ROM28aは、ゲーム装置10で実行すべきゲーム(仮想ゲーム:この実施例ではレースゲーム)のためのゲームプログラム、画像(キャラクタ画像、背景画像、アイテム画像、メッセージ画像など)データおよびゲームに必要な音ないし音楽のデータ(音データ
)等を予め記憶する。RAM(バックアップRAM)28bは、そのゲームの途中データやゲームの結果データを記憶(セーブ)する。
【0045】
RAM48は、バッファメモリないしはワーキングメモリとして使用される。つまり、CPUコア42は、メモリカード28のROM28aに記憶されたゲームプログラム、および画像データ、音データ等のデータをRAM48にロードし、ロードしたゲームプログラムを実行する。また、CPUコア42は、ゲームの進行に応じて一時的に発生するデータ(ゲームデータやフラグデータ)をRAM48に記憶しつつゲーム処理を実行する。
【0046】
なお、ゲームプログラム、画像データおよび音データ等は、ROM28aから一度に全部、または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM48に記憶される。
【0047】
GPU50およびGPU52は、それぞれ、描画手段の一部を形成し、たとえばシングルチップASICで構成され、CPUコア42からのグラフィックスコマンド(graphics
command :作画命令)を受け、そのグラフィックスコマンドに従ってゲーム画像データ
を生成する。ただし、CPUコア42は、グラフィックスコマンドに加えて、ゲーム画像データの生成に必要な画像生成プログラム(ゲームプログラムに含まれる。)をGPU50およびGPU52のそれぞれに与える。
【0048】
なお、GPU50およびGPU52が作画コマンドを実行するにあたって必要なデータ(画像データ:ポリゴンやテクスチャ等のデータ)は、GPU50およびGPU52がそれぞれ、RAM48にアクセスして取得する。
【0049】
また、GPU50には、第1のビデオRAM(以下、「VRAM」という。)56が接続され、GPU52には、第2のVRAM58が接続される。GPU50は作成したゲーム画像データをVRAM56に描画し、GPU52は作成したゲーム画像データをVRAM58に描画する。
【0050】
VRAM56およびVRAM58は、LCDコントローラ60に接続される。LCDコントローラ60はレジスタ62を含み、レジスタ62はたとえば1ビットで構成され、CPUコア42の指示によって「0」または「1」の値(データ値)を記憶する。LCDコントローラ60は、レジスタ62のデータ値が「0」である場合には、VRAM56に描画されたゲーム画像データをLCD12に出力し、VRAM58に描画されたゲーム画像データをLCD14に出力する。また、LCDコントローラ60は、レジスタ62のデータ値が「1」である場合には、VRAM56に描画されたゲーム画像データをLCD14に出力し、VRAM58に描画されたゲーム画像データをLCD12に出力する。
【0051】
I/F回路54には、操作スイッチ20,タッチパネル22およびスピーカ32が接続される。ここで、操作スイッチ20は、上述したスイッチ20a,20b,20c,20d,20e,20Lおよび20Rであり、操作スイッチ20が操作されると、対応する操作信号(操作データ)がI/F回路54を介してCPUコア42に入力される。また、タッチパネル22からのタッチ入力データ(座標データ)がI/F回路54を介してCPUコア42に入力される。さらに、CPUコア42は、ゲーム音楽(BGM)、効果音またはゲームキャラクタの音声(擬制音)などのゲームに必要な音データをRAM48から読み出し、I/F回路54を介してスピーカ32から出力する。
【0052】
図3にはRAM48のメモリマップの一例が示される。RAM48はプログラム記憶領域70およびデータ記憶領域72を含む。プログラム記憶領域70にはメモリカード28のROM28aからゲームプログラムがロードされる。この実施例のゲームプログラムはゲームメインプログラム74、コントローラ入力プログラム76、タッチパネル入力プロ
グラム78、ゲームマップ制御プログラム80、メイン画面表示プログラム82、サブ画面表示プログラム84、タッチ位置コース位置変換プログラム86、カート表示プログラム88、アイテム制御プログラム90、アイテム処理プログラム92およびコース変形プログラム94等を含む。
【0053】
ゲームメインプログラム74は、仮想ゲームのゲームメイン処理を実行するためのプログラムである。コントローラ入力プログラム76は、コントローラすなわち操作スイッチ20から入力される操作データを検出し、検出した操作データをデータ記憶領域72に書き込むためのプログラムである。タッチパネル入力プログラム78は、タッチパネル22から入力されるタッチされた位置の座標データ(タッチ入力データ)を検出し、検出した座標データをデータ記憶領域72に書き込むためのプログラムである。
【0054】
ゲームマップ制御プログラム80は、ゲームの進行に応じてゲームマップを制御するためのプログラムである。ここで、コースの地形とそれを描くためのBG(背景画)の配置や、カートやアイテムなどのオブジェクトが現在存在している位置等を含むレースゲームが展開される仮想の空間を総称してゲームマップと言う。具体的には、ゲームマップデータは、後述するように、少なくとも、コースの地形配置を示すコースBG配置データ(コースマップデータ)と、複数のカートの位置を示すカート配置データ(競争主体配置データ)と、アイテムの配置位置を示すアイテム配置データとを含む。コースBG配置データは、後述するコース変形プログラム94によるコースの変形に応じたデータに変更される。また、プレイヤの操作するプレイヤカートの位置データは、操作データおよびプレイヤキャラクタ制御プログラム(ゲームメインプログラム74に含まれる。)等に基づいて算出される。プレイヤによって操作されない競争相手カートの位置データはノンプレイヤキャラクタ制御プログラム(ゲームメインプログラム74に含まれる。)等に基づいて算出される。これら算出されたプレイヤカート位置データおよび競争相手カート位置データに基づいて、カート配置データが変更される。また、アイテム配置データは、タッチパネル22においてタッチ入力がありアイテムが配置される場合、ゲームマップ上の対応する位置にそのアイテムが追加的に配置されるよう変更される。
【0055】
メイン画面表示プログラム82は、LCD12に表示されるメイン画面を生成して表示するためのプログラムである。メイン画面(第1画面)は、プレイヤが操作するプレイヤカートを常に含む所定の大きさの表示範囲を有するように設定される。つまり、メイン画面は、プレイヤカートが常に表示されてプレイヤがゲームをプレイするために主に見続けるプレイ画面である。メイン画面としては、プレイヤカートの移動に従って移動するすなわちプレイヤカートを追尾するカメラによって撮像されたようなゲーム画像が表示される。
【0056】
サブ画面表示プログラム84は、LCD14に表示されるサブ画面を生成して表示するためのプログラムである。サブ画面(第2画面)はサブ画面表示範囲データに基づいて生成され、コースのある地点を固定的に表示する。サブ画面の表示範囲は、操作スイッチ20からサブ画面の表示切替のための所定の操作入力があったときに更新される。たとえば、切替操作入力があったときにプレイヤカートの存在していた位置が取得され、サブ画面の表示範囲はその取得された位置を含む所定の大きさの表示範囲となるように変更される。したがって、サブ画面としては、切替操作時のプレイヤカート位置に基づいて所定位置に固定されたカメラによって撮像されたようなゲーム画像が表示される。つまり、サブ画面では、コースの地形などの背景は静止しており、コース上のカート等は移動している。
【0057】
タッチ位置コース位置変換プログラム86は、タッチパネル22から入力された位置座標データを、ゲームマップ上の位置座標データに変換するためのプログラムである。タッチ入力された位置座標データはサブ画面の座標系における座標であるので、ゲームマップ
データに変更を加えるためにゲームマップの座標系における座標に変換する。
【0058】
カート表示プログラム88は、競争主体であるプレイヤカートおよび相手カートを、それぞれの位置データに基づいてメイン画面およびサブ画面上に表示するためのものである。アイテム制御プログラム90は、アイテムの使用回数を制限したり、配置されたアイテムの位置とカートの位置とを比較したりするなどのアイテムに関する制御を行うためのプログラムである。
【0059】
アイテム処理プログラム92は、アイテムの種類に応じた処理を行うためのプログラムである。アイテムは種々のものが予め準備されている。たとえば、アイテムが爆弾である場合には、カートが接触したときに爆発して、接触したカートにダメージが与えられる。また、アイテムがバナナである場合には、接触したカートがスピンして停止する。また、縮小化させるアイテムである場合には、カートの車体が小さくされ、これによって、カートのスピードが遅くされたり、重さが軽くされたりする。
【0060】
コース変形プログラム94は、コースマップにおける地形配置を変形するためのプログラムである。タッチパネル22においてタッチ入力があり地形を変形するアイテムが選択された場合、タッチ位置に対応するゲームマップ上の位置における地形が、そのアイテムに応じて変更される。地形変形のためのアイテムも種々のものが予め準備されている。たとえば、穴を作るアイテムの場合にはコースマップに穴が形成され、坂を作るアイテムの場合にはコースマップに坂が形成される。
【0061】
なお、プログラム記憶領域70には図示は省略しているが、ゲーム音楽等を生成して出力するためのプログラムなど、その他のゲーム進行に必要な各種プログラムが記憶される。
【0062】
データ記憶領域72には、メモリカード28のROM28aまたはRAM28bからロードされたデータや、ゲーム処理に応じて生成されたデータ等が記憶される。データ記憶領域72は、コントローラデータバッファ領域96、タッチパネルデータバッファ領域98、ゲームマップデータ領域100、カートデータ領域102、アイテムデータ領域104、コースBGデータ領域106、サブ画面表示範囲データ領域108等を含む。
【0063】
コントローラデータバッファ領域96には、操作スイッチ20から入力された操作データが一時記憶される。タッチパネルデータバッファ領域98には、タッチパネル22から入力されたタッチ入力データが一時記憶される。
【0064】
ゲームマップデータ領域100には、仮想ゲームのマップを表すゲームマップデータが記憶される。ゲームマップデータには、複数のカートがレースを行うコースを形成する地形(BG)の配置を示すコースBG配置データ、各カートのゲームマップにおける配置を示すカート配置データ、およびコース上のアイテム(OBJ)の配置を示すアイテム(OBJ)配置データ等が含まれる。ここで、BGはたとえば地面、道路、穴、坂など、ゲーム画面における静的な背景画のことである。OBJはたとえばプレイヤカート、相手カート、アイテムなど、ゲーム画面において背景上を移動したり配置されたりする動的な物体すなわちオブジェクトのことである。
【0065】
このゲームマップの概要が図4に示される。図4を参照して、ゲームマップはゲームマップ座標系(原点O、Xm、Ym軸)で表される。コースBG配置データはコースマップを表すデータであり、地面、道路、穴などの地形(BG)をそれぞれ所定の位置に配置することによってコースマップが形成されている。カート配置データは、複数(p=1〜m(mは2以上の整数))のカートごとの位置座標(Xmkp,Ymkp)を含み、この図
4では、プレイヤカート位置座標は(Xmk1,Ymk1)、相手カート位置座標は(Xmk2,Ymk2)で示される。また、アイテム配置データは、複数のアイテム(q=1〜n(nは2以上の整数))ごとの位置座標(Xmiq,Ymiq)を含み、この図4の例では、アイテムi1およびi2がコース上の所定位置(Xmi1,Ymi1)および(Xmi2,Ymi2)にそれぞれ配置されている。
【0066】
また、この図4では、メイン画面およびサブ画面の表示範囲が点線で示されている。メイン画面の表示範囲はプレイヤカート位置(Xmk1,Ymk1)を含む所定の大きさの領域に設定される。この実施例では、プレイヤカート位置(Xmk1,Ymk1)が表示範囲のたとえば中心となるように設定される。このメイン画面はプレイヤカート位置の上方から俯瞰して見ているような画像となる。また、サブ画面の表示範囲は、サブ画面の切替操作があったときのプレイヤカート位置(Xmk1’,Ymk1’)を含む所定の大きさの領域に設定される。この実施例では、切替操作時のプレイヤカート位置(Xmk1’,Ymk1’)が表示範囲のたとえば中心となるように設定される。このサブ画面は切替時のプレイヤカート位置の上方から俯瞰して見ているような画像となる。具体的には、図5に、ゲームマップ座標系におけるメイン画面およびサブ画面の表示範囲が示される。
【0067】
図5(A)に示すように、メイン画面の表示範囲は、現在のプレイヤカート位置を中心として、Xm軸方向に所定の長さ2s、Ym軸方向に所定の長さ2rを有する矩形状の領域(r,sは固定値)である。つまり、点A(Xmk1−s,Ymk1+r)から点B(Xmk1+s,Ymk1−r)までの範囲がメイン画面表示範囲である。プレイヤカート位置(Xmk1,Ymk1)はゲームの進行に応じて変化するので、メイン画面表示範囲はプレイヤカート位置の変化に応じてプレイヤカートを追尾するようにして移動する。
【0068】
また、図5(B)に示すように、サブ画面の表示範囲は、サブ画面切替操作があったときのプレイヤカート位置を中心として、Xm軸方向に所定の長さ2e、Ym軸方向に所定の長さ2dを有する矩形状の領域(d,eは固定値)である。つまり、点C(Xmk1’−e,Ymk1’+d)から点D(Xmk1’+e,Ymk1’−d)までの範囲がサブ画面表示範囲である。切替時のプレイヤカート位置(Xmk1’,Ymk1’)は、次の切替操作があるまでは固定されるので、サブ画面表示範囲も固定される。
【0069】
なお、この実施例では、ゲームマップがXm軸Ym軸の2次元座標系で表された場合を説明しているが、ゲームマップは、さらにZm軸を加えた3次元座標系で表されたものであってよいのはもちろんである。
【0070】
図3に戻って、カートデータ領域102には、競争主体たるカートに関するデータが記憶される。具体的には、プレイヤによって操作されるプレイヤカートを表示するための画像データ等を含むプレイヤカートデータ、プレイヤによって操作されない競争相手カートを表示するための画像データ等を含む競争相手カートデータ、および各カートのゲームマップおよび表示画面における位置座標を示すカート位置データ等が記憶される。
【0071】
アイテムデータ領域104には、コース上にどのような変更(攻撃ないし悪戯等)をするのかを示すアイテムに関するデータが記憶される。たとえば、爆弾、バナナなどのアイテムの種類を示すアイテム種類データや、ゲームマップおよび表示画面におけるアイテムの位置座標を示すアイテム位置データ等が、アイテムごとに記憶される。
【0072】
コースBGデータ領域106には、コースを形成する地形(BG)に関するデータが記憶される。具体的には、コースにおける道路を示す画像データ等を含む道路BGデータ、コース上に形成される穴を示す画像データ等を含む穴BGデータ、コースに形成される坂を示す画像データ等を含む坂BGデータ、地面を示す画像データ等を含む地面データ等が
記憶される。
【0073】
サブ画面表示範囲データ領域108には、ゲームマップにおけるサブ画面の表示範囲を示すデータが記憶される。上述したように、サブ画面の表示範囲は、サブ画面を切り替える操作があったときのプレイヤカートの位置を含む所定の大きさの領域が設定される。このサブ画面表示範囲データ領域108には、図5(B)に示したように、たとえば、切替操作があったときのプレイヤカート位置座標(Xmk1’,Ymk1’)や、表示範囲を示す点の位置座標(点C(Xmk1’−e,Ymk1’+d)および点D(Xmk1’+e,Ymk1’−d)など)が記憶される。
【0074】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域72には、ゲームの進行に応じて発生する他のゲームデータ(フラグやカウンタも含む。)等も記憶される。
【0075】
このゲーム装置10は、複数の競争主体によって行われる競争ゲームがプレイされる競争ゲーム装置である。競争ゲームは、基本的に一定の距離を早く走ることを競うゲームである。ただし、この実施例では、アイテムを使って競争相手の邪魔をするようなレース以外の要素も含まれている。また、この実施例では、競争ゲームの一例として、たとえばカートによって競争するカーレースゲームが実行されるが、これに限定されるものではなく、たとえば競馬ゲーム、ドッグレースゲーム、競艇ゲームなど他の競争ゲームであってよい。
【0076】
第1のLCD12にはプレイヤカートを常に含むようなメイン画面が表示され、したがって、プレイヤは基本的にはこのLCD12に表示されるメイン画面を見て、自らのカートを操作してゲームをプレイする。
【0077】
一方、第2のLCD14には、ゲームマップの所定の場所が固定的に表示されるサブ画面が表示される。サブ画面は、アイテムを用いて競争相手に対して攻撃や悪戯を仕掛けるために利用される。
【0078】
なお、このアイテムによる攻撃は、たとえばコース上に配置された特定のアイテムを獲得することによって可能になる。特定アイテムを獲得したときには、たとえば、メイン画面の所定位置に、獲得したアイテムによる攻撃手法がスロットマシンのように回転するアイコンで表示される。プレイヤはたとえば適当な時間で操作スイッチ20のいずれかを操作してアイコン表示を止めると、止まったときのアイコン表示に応じた攻撃(爆弾、バナナ、地形変形など)を仕掛けることが可能になる。
【0079】
また、プレイヤは操作スイッチ20のいずれか(たとえばRボタン20Rなど)を操作することによって、このサブ画面の表示位置を変更することができる。ただし、サブ画面の表示範囲の更新には、所定の回数までの制限が設けられている。なお、ゲーム開始時には、サブ画面には何も表示せずに所定の操作があって初めてサブ画面を表示させるようにしてもよいし、あるいは予め所定の表示範囲を初期値として定めておいて初期状態のサブ画面を表示させるようにしてもよい。
【0080】
操作スイッチ20からサブ画面の切替を指示する操作データがあったとき、そのときのプレイヤカートの位置データに基づいてサブ画面の表示範囲が更新される。具体的には、切替操作のあったときプレイヤカートの位置データが取得され、取得されたプレイヤカート位置が、サブ画面の表示範囲のたとえば中心位置に設定される。そして、所定の大きさ(たとえばXm軸方向に2e、Ym軸方向に2dの長さ)を有するようにサブ画面の表示範囲が設定される。サブ画面は、更新された表示範囲データ、ゲームマップデータおよび各画像データ等に基づいて描画されて、LCD14に表示される。
【0081】
たとえば図6に、サブ画面の表示位置の切替時のゲーム画面の一例が示される。サブ画面の表示位置の切替操作があったときには、メイン画面120におけるプレイヤカートの位置と同じ位置を中心とした表示範囲を有するサブ画面122がLCD14に表示されることとなる。つまり、この実施例では、プレイヤはLCD12に表示されたメイン画面におけるプレイヤカートが、攻撃を仕掛けておきたいゲームマップの所望の場所に存在するときに、サブ画面の表示位置の切替操作を行うことによって、所望の表示範囲のサブ画面をLCD14に表示させることができる。
【0082】
サブ画面を利用してプレイヤはコース上に攻撃を仕掛けることができる。すなわち、図7に示すように、プレイヤは、サブ画面122上のコースに直接触れるかのようにして、タッチパネル22上の任意の位置にスティック24等でタッチ操作を行うことによって、タッチ位置に対応する位置のゲームマップに変形を加えることができる。具体的には、アイテムを追加的に配置したり地形を変更したりすることによって、相手に対しての攻撃ないし悪戯を仕掛ける。上述のように、サブ画面の表示範囲は切替可能に固定されており、サブ画面においてコースは固定的につまり静止状態で表示されている。したがって、プレイヤは静止しているコースに対して直接触れるようにして操作することができるので、プレイヤは正確に所望の位置に攻撃を仕掛けることができ、しかも簡単に行うことができる。
【0083】
たとえば、プレイヤは、比較的操縦の困難なカーブなどの地点を走行中に、サブ画面切替のための所定の操作を行って、その地点を含む所定範囲のコースをサブ画面に表示させておく。その後、プレイヤは、方向指示操作が比較的必要のない直線等を走行しているときに、サブ画面にタッチ操作を行うことによって、従来では正確な仕掛けが困難であったカーブなどの地点に対して、簡単かつ正確に攻撃を仕掛けることができる。
【0084】
具体的には、タッチパネル22でタッチ操作があったとき、タッチ位置の座標データが取得される。図8に示すように、タッチ位置データT(xt,yt)はサブ画面の座標系で得られるので、この実施例では、このタッチ位置データTをゲームマップの座標系における位置に変換する。図5(B)も参照して、サブ画面の座標系でのC(0,0)〜D(x,y)は、ゲームマップの座標系でのC(Xmk1’−e,Ymk1+d)〜D(Xmk1’+e,Ymk1’−d)に対応するので、サブ画面でのタッチ位置T(xt,yt)は、サブ画面座標系とゲームマップ座標系が1対1の対応関係にある場合には、ゲームマップの座標系では、T’((Xmk1’−e)+xt,(Ymk1’+d)−yt)になる。このゲームマップ上の位置T’に、アイテムによる攻撃が仕掛けられ、具体的には、アイテムが位置T’に追加的に配置されたり、位置T’における地形が変化されたりする。
【0085】
また、この実施例では、タッチ入力回数には制限を設けている。すなわち、タッチ入力操作があった場合には、タッチ入力回数をカウントし、タッチ入力回数が制限回数を超えたか否かが判断される。タッチ入力回数が制限を超えた場合には、タッチ入力操作によるアイテム追加配置や地形変形などの攻撃を不能化する。このように、タッチ入力回数に制限を設けることによって、レースゲームの展開に合わせたコースの変化をゲームプレイの戦略に組み込むときに、プレイヤは制限回数を上回らないように気を配らねばならなくなり、したがって、より戦略性と緊張感とを高めることができる。
【0086】
タッチ入力回数が制限内である場合には、タッチ操作があったとき、どのような攻撃を仕掛けるのかを決定するためにアイテムが選択される。プレイヤが複数のアイテムを持っている場合には、たとえばランダムにまたはプレイヤ操作に基づいて1つのアイテムが選択され、プレイヤが1つのアイテムのみ持っている場合にはそのアイテムが選択される。
アイテムには、OBJ系のアイテムとBG系のアイテムとがある。
【0087】
OBJ系のアイテム(たとえば爆弾、バナナなど)が選択された場合には、ゲームマップの位置T’に追加的にそのアイテム(OBJ)が配置される。つまり、位置T’にそのアイテムが追加的に配置されたゲームマップデータが生成される。この追加的に配置されたアイテム(OBJ)にカートが接触したとき、このアイテムに対応付けられた攻撃ないし悪戯が加えられる。これによって他のカートを邪魔することができるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能になり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0088】
一方、BG系のアイテム(たとえば穴形成、坂形成など)が選択されると、マップの位置T’に対応する位置の地形がそのアイテムに対応付けられた変更方法に従って変更される。つまり、位置T’がそのアイテムに従った地形に変更されたゲームマップデータが生成される。したがって、他のカートに不利になるようにコースの地形を変えることによって、自分を有利な立場とすることができるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能になり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0089】
なお、アイテムの使用には回数制限を設けている。すなわち、アイテムを選択したときには、選択したアイテムの使用回数をカウントして、当該アイテムの使用回数制限を超えたか否かを判断する。使用回数制限を超えた場合には、選択したアイテムによる追加配置または地形変形を不能化する。このように、アイテムの使用に制限を設けるようにしたので、各アイテムの使用に際して戦略を立てつつゲームをプレイする必要が生じ、さらに戦略性と緊張感とを高めることができる。
【0090】
また、アイテムによる攻撃を仕掛けるとき、この実施例のようにアイテムの追加配置やコース変形の反映されたゲームマップデータを生成しておくことによって、たとえば複数のゲーム装置10を有線または無線によって接続して複数プレイヤで通信対戦するような場合に対応することが可能になる。つまり、各ゲーム装置10で行われた変更を反映したゲームマップデータを各ゲーム装置間でやり取りすることによって、全ゲーム装置でゲームマップデータを共通のものとすることができ、したがって、各プレイヤは同一のコースでプレイすることが可能になる。
【0091】
図9にはこのゲーム装置10のゲーム動作の一例が示される。このゲーム装置10の電源が投入されると、メモリカード28からゲームプログラムおよびデータがRAM48にロードされる。CPUコア42はこのゲームプログラムを実行してゲーム処理を開始し、図9の最初のステップS1でゲームの初期設定を実行して、各種変数やフラグ等に初期値を設定する。
【0092】
次に、ステップS3で、CPUコア42はゲームメイン処理を実行する。たとえば、操作スイッチ20からの操作データに基づいてプレイヤカートの動作および表示等が制御されたり、相手カートの動作等が制御されたりする。これによって、ゲームマップデータのカート配置データやカートデータのカート位置データなどが更新される。また、ゲームに必要な音を出力したり、プレイヤの指示や所定のイベント等に従ってゲームデータのバックアップ処理を実行したりもする。
【0093】
続いて、ステップS5では、CPUコア42は、メイン画面描画処理を実行する。このメイン画面描画処理は図11に詳細に示される。図11の最初のステップS41で、CPUコア42は、ゲームマップデータ領域100からプレイヤカートの位置データを取得する。次に、ステップS43で、CPUコア42は、取得した位置データに基づいて、たとえば図5(A)に示したように、所定の大きさとなるように、メイン画面の表示範囲を算
出する。続いて、ステップS45で、CPU42は、GPU50を用いて、算出された表示範囲に該当する範囲のゲームマップデータに基づいて、メイン画面をVRAM56に描画する。ステップS47では、CPUコア42は、GPU50を用いて、表示範囲に該当する範囲のゲームマップデータのカート配置データおよびアイテム(OBJ)配置データに基づいて、メイン画面に含まれ得る他のカートやアイテムなどをVRAM56のメイン画面上に描画する。このようにして描画されたメイン画面は、CPUコア42の制御の下、LCDコントローラ60によってLCD12に表示される。ステップS47を終了すると、このメイン画面描画処理を終了して図9のステップS7へ戻る。
【0094】
図9に戻って、ステップS7では、CPUコア42は、サブ画面の表示位置を切り替えるか否かを判断する。つまり、サブ画面の表示位置の切替を指示する操作データがコントローラデータバッファ領域96にあるかどうかを判断する。
【0095】
このステップS7で“YES”であれば、つまり、プレイヤによってサブ画面の表示位置の切替操作が行われた場合には、ステップS9で、CPUコア42はサブ画面の更新回数をカウントして、ステップS11で、サブ画面更新回数がその制限を超えたか否かを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり、更新回数が制限内であれば、ステップS13で、CPUコア42は、切替時のプレイヤカート位置データをゲームマップデータ領域100から取得する。そして、ステップS15で、CPUコア42は、たとえば図5(B)に示したように、取得した位置データに基づいてサブ画面表示範囲データを生成または更新し、新たなデータをサブ画面表示範囲データ領域108に書き込む。ステップS15を終了するとステップS17へ進む。
【0096】
一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり、サブ画面更新回数が制限を超えた場合には、現在のサブ画面の表示位置を維持すべく、そのままステップS17へ進む。また、ステップS7で“NO”であれば、つまり、サブ画面の表示位置の切替を指示する操作データがない場合には、そのままステップS17へ進む。
【0097】
ステップS17では、CPUコア42はサブ画面描画処理を実行する。このサブ画面描画処理は図12に詳細に示される。図12の最初のステップS51で、CPUコア42は、サブ画面表示範囲データ領域108からサブ画面表示範囲データを取得する。続いて、ステップS53で、CPUコア42は、GPU52を用いて、取得した表示範囲に該当する範囲のゲームマップデータに基づいて、サブ画面をVRAM58に描画する。ステップS55では、表示範囲に該当する範囲のゲームマップデータのカート配置データおよびアイテム(OBJ)配置データに基づいて、サブ画面に含まれ得る他のカートやアイテムなどをVRAM58のサブ画面上に描画する。このようにして描画されたサブ画面は、CPUコア42の制御の下、LCDコントローラ60によってLCD14に表示される。ステップS55を終了すると、このサブ画面描画処理を終了して図9のステップS19へリターンする。
【0098】
図9に戻って、ステップS19では、CPUコア42はサブ画面タッチ処理を実行する。このサブ画面タッチ処理は図13に詳細に示される。図13の最初のステップS61で、CPUコア42はタッチ操作があったかどうかを判断する。つまり、タッチパネル22から位置座標データが入力されたか否かを判断する。このステップS61で“NO”であれば、プレイヤがタッチパネル22にタッチ操作をしなかったので、そのままこのサブ画面タッチ処理を終了して、図10のステップS21へ戻る。
【0099】
一方、ステップS61で“YES”であれば、つまり、タッチパネル22から位置座標データが入力された場合には、続くステップS63で、CPUコア42はタッチデータ(位置座標データ)を取得してタッチパネルバッファデータ領域98に書き込む。なお、こ
の入力されたタッチ位置の座標はT(xt,yt)で示される。
【0100】
続いて、ステップS65で、CPUコア42はタッチ入力回数をカウントし、ステップS67で、タッチ入力回数が所定の制限回数を超えたか否かを判断する。このステップS67で“YES”であれば、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ戻る。
【0101】
一方、ステップS67で“NO”であれば、つまり、タッチ入力回数が制限内である場合には、ステップS69で、CPUコア42は、たとえば図8に示したように、サブ画面の座標系のタッチデータT(xt,yt)をゲームマップ座標系の位置データT’に変換する。
【0102】
そして、ステップS71で、CPUコア42はアイテム選択を処理して、続くステップS73で、選択したアイテムの種類がOBJであるか否かを判断する。つまり、選択したアイテムが、コースに配置されるアイテム(OBJ)であるか、またはコースの地形を変形するアイテム(BG)であるかを判断する。このステップS73で“YES”であれば、つまり、選択したアイテムがOBJである場合には、ステップS75で、CPUコア42は、選択したOBJアイテムの配置回数をカウントする。そして、ステップS77で、CPUコア42は選択したOBJアイテムの配置が所定の使用回数制限を超えたか否かを判断する。ステップS77で“NO”であれば、つまり、選択したOBJアイテムの配置が使用回数制限内である場合には、ステップS79で、CPUコア42は、ゲームマップ中の位置データT’に、当該アイテム(OBJ)を追加的に配置する。つまり、ゲームマップデータのアイテム配置データ(Xmiq,Ymiq;q=1〜n)に、選択したアイテムとその位置データT’が記録される。ステップS79を終了すると、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ進む。したがって、次に図9のステップS3でゲームメイン処理が実行され、さらにステップS5およびステップS17でメイン画面およびサブ画面が描画されると、このアイテムの追加配置の反映されたゲーム画像が生成されて表示されることとなる。したがって、たとえば競争相手カートはこのアイテム配置によって邪魔をされたりして、このアイテム配置に対応した走りを行う必要が生じる。
【0103】
一方、ステップS77で“YES”であれば、つまり、選択したOBJアイテムの配置が回数制限を超えた場合には、そのアイテムの追加配置を行わず、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ進む。
【0104】
また、ステップS73で“NO”であれば、つまり、選択したアイテムがBGであった場合には、ステップS81で、CPUコア42は、選択したBGアイテムの使用回数をカウントする。そして、ステップS83で、CPUコア42は、選択したBGアイテムの変更方法は所定の使用回数制限を超えたか否かを判断する。このステップS83で“NO”であれば、つまり、選択したBGアイテムに基づく変更方法が使用回数制限内である場合には、ステップS85で、CPUコア42は、ゲームマップの位置T’の地形を当該アイテムによる変更方法に従って変更する。つまり、ゲームマップデータのコースBG配置データにおいて、位置データT’に対応するBGが、その選択したアイテムによるBGに変更される。ステップS85を終了すると、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ戻る。したがって、次に図9のステップS3でゲームメイン処理が実行され、さらにステップS5およびステップS17でメイン画面およびサブ画面が描画されると、この地形変形が反映されたゲーム画像が生成されて表示されることとなる。したがって、プレイヤカートおよび競争相手カートはこの地形変形に対応した走りを行う必要がある。
【0105】
一方、ステップS83で“YES”であれば、つまり、選択したBGアイテムの変更方
法が回数制限を超えた場合には、そのアイテムによる地形変形を行わずに、このサブ画面タッチ処理を終了して図10のステップS21へ戻る。
【0106】
図10に戻って、ステップS21で、CPUコア42は、ゲームマップデータにおける、全アイテム位置(Xmiq,Ymiq;q=1〜n)と全カート位置(Xmkp,Ymkp;p=1〜m)とを比較する。つまり、コースに配置されている全アイテムと、競争中の全カートとの当たり判定を行う。
【0107】
そして、ステップS23で、CPUコア42は、比較の結果、カート位置と位置の一致するアイテムがあったかどうかを判断する。このステップS23で“YES”であれば、つまり、アイテムに接触したカートが存在する場合には、ステップS25で、CPUコア42は、一致のあったアイテムに応じてアイテム処理を実行する。たとえば、一致したアイテムが爆弾の場合には爆弾を爆発させてカートにダメージを与える処理を実行し、また、一致したアイテムがバナナの場合にはカートをスピンさせて停止させる処理を実行する。なお、ステップS23で“NO”であれば、つまり、アイテム位置とカート位置とが全く一致しない場合には、そのままステップS27へ進む。
【0108】
ステップS27では、CPUコア42はゲーム終了であるか否かを判断する。このステップS27で“YES”と判断されるまで、図9のステップS3からの処理が繰り返されてゲームが進行される。そして、ステップS27で“YES”であればゲームを終了するための処理を実行してこのゲーム処理を終了する。
【0109】
この実施例によれば、プレイヤカートを常に含むようなメイン画面と、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示するサブ画面とが並列してLCD12およびLCD14に表示され、タッチパネル22においてタッチ入力があったときには、タッチ入力の位置がゲームマップにおける位置に変換され、この変換されたタッチ入力に対応するゲームマップの位置において、ゲームマップが変更される。したがって、プレイヤによるサブ画面に直接触れるかのような操作によってゲームマップに変化を与えることができ、今までにない操作を取り入れた新しい競争ゲームを提供できる。また、プレイヤカートを常に含むメイン画面および所定の場所を固定的に表示するサブ画面の2つの画面を並列して表示するので、ゲームの展開を把握し易いばかりでなく、競争相手の知らないうちにコース上に仕掛けを施すような、新しい面白さを備えた競争ゲームを提供できる。
【0110】
また、プレイヤはゲームマップを変更する際には、ゲームマップの所定範囲が切替可能に固定的に表示されたサブ画面に対してタッチ操作を行えばよいので、ゲームマップの所望の位置に正確かつ簡単に変化を与えることができる。
【0111】
また、たとえばアイテムを追加的に配置したり地形を変形したりすることによってゲームマップを変更する場合には、競争相手を邪魔するようにアイテムを配置したり、競争相手に不利になるように地形を変えて自分を有利な立場にしたりすることができるので、レース以外の要素に対する戦略を練ってプレイすることが可能であり、競争ゲームをより興奮度の高いものにすることができる。
【0112】
なお、上述の実施例では、第1のLCD12と第2のLCD14とを縦方向に並べて配置するようにしていたが、2つのLCDの配置は適宜に変更され得る。たとえば他の実施例のゲーム装置10では、第1のLCD12と第2のLCD14とを横方向に並べて配置するようにしてもよい。
【0113】
また、上述の各実施例では、2つのLCDを設けるようにしていたが、LCDの数は適宜変更され得る。たとえば他の実施例のゲーム装置10では、縦長形状の1つのLCDを
設けて、その上下に分けた領域のいずれか一方側にタッチパネル22を設け、2つの画像をそれぞれの領域に表示するようにしてもよいし、あるいは、横長形状の1つのLCDを設けて、その左右に分けた領域のいずれか一方側にタッチパネル22を設け、2つの画像をそれぞれの領域に表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】この発明の一実施例のゲーム装置の一例を示す外観図である。
【図2】図1実施例のゲーム装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示すRAM48のメモリマップの一例を示す図解図である。
【図4】ゲームマップの内容を説明するための図解図である。
【図5】図5(A)はゲームマップ座標系におけるメイン画面表示範囲を示す図解図であり、図5(B)はゲームマップ座標系におけるサブ画面表示範囲を示す図解図である。
【図6】サブ画面切替操作があったときの2つのゲーム画面の一例を示す図解図である。
【図7】タッチ入力されたときの2つのゲーム画面の一例を示す図解図である。
【図8】タッチ位置のサブ画面座標系からゲームマップの座標系への変換を説明するための図解図である。
【図9】図1実施例のゲーム装置の動作の一例を示すフロー図である。
【図10】図9の続きを示すフロー図である。
【図11】図9におけるメイン画面描画処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図12】図9におけるサブ画面描画処理の動作の一例を示すフロー図である。
【図13】図9におけるサブ画面タッチ処理の動作の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0115】
10 …ゲーム装置
12,14 …LCD
22 …タッチパネル
24 …スティック
28 …メモリカード
32 …スピーカ
42 …CPUコア
48 …RAM
50,52 …GPU
54 …I/F回路
56,58 …VRAM
60 …LCDコントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の競争主体によって行われる競争ゲームをプレイするための競争ゲーム装置であって、
前記競争ゲームの画像を表示するための第1の表示手段および第2の表示手段、
前記第2の表示手段に重ねて形成されたタッチパネル、
少なくとも、前記複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、前記複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含み、前記競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶するゲームマップ記憶手段、
少なくとも方向指示スイッチと動作指示スイッチとを含む操作手段、
プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲で前記ゲームマップを表示する第1画面を生成し、前記第1の表示手段に表示する第1画面表示制御手段、
前記第2の表示手段に表示する前記ゲームマップの表示範囲を記憶する第2画面表示範囲記憶手段、
前記操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、前記第2画面表示範囲記憶手段に記憶された前記表示範囲を更新する第2画面表示範囲更新手段、
前記第2画面表示範囲記憶手段に記憶された前記表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、前記第2の表示手段に表示する第2画面表示制御手段、
前記タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換するタッチ位置変換手段、および
前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換手段によって変換された前記タッチ入力の位置に対応する前記ゲームマップの位置において、前記ゲームマップを変更するゲームマップ制御手段を備える、競争ゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲームマップ制御手段は、前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換手段によって変換された前記タッチ入力の位置に対応する位置にアイテムを追加配置する、請求項1記載の競争ゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲームマップ制御手段は、前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換手段によって変換された前記タッチ入力の位置に対応するコースの地形配置を変更する、請求項1記載の競争ゲーム装置。
【請求項4】
タッチ入力された回数が所定数を超えたときに前記ゲームマップ制御手段によるゲームマップの変更を不能化するタッチ入力不能化手段をさらに備える、請求項1記載の競争ゲーム装置。
【請求項5】
アイテムの追加配置された回数が所定数を超えたときに前記ゲームマップ制御手段による該アイテムの追加配置を不能化するアイテム配置不能化手段をさらに備える、請求項2記載の競争ゲーム装置。
【請求項6】
複数の競争主体によって行われる競争ゲームの画像を表示するための第1の表示手段および第2の表示手段、前記第2の表示手段に重ねて形成されたタッチパネル、少なくとも前記複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、前記複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含み、前記競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶するゲームマップ記憶手段、少なくとも方向指示スイッチと動作指示スイッチとを含む操作手段、および前記第2の表示手段に表示する前記ゲームマップの表示範囲を記憶する第2画面表示範囲記憶手段を備えるゲーム装置を、前記競争ゲームをプレイするため
の競争ゲーム装置として機能させるための競争ゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置のプロセサに、
プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲で前記ゲームマップを表示する第1画面を生成し、前記第1の表示手段に表示する第1画面表示制御ステップ、
前記操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、前記第2画面表示範囲記憶手段に記憶された前記表示範囲を更新する第2画面表示範囲更新ステップ、
前記第2画面表示範囲記憶手段に記憶された前記表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、前記第2の表示手段に表示する第2画面表示制御ステップ、
前記タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換するタッチ位置変換ステップ、および
前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換ステップによって変換された前記タッチ入力の位置に対応する前記ゲームマップの位置において、前記ゲームマップを変更するゲームマップ制御ステップを実行させる、競争ゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームマップ制御ステップは、前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換ステップによって変換された前記タッチ入力の位置に対応する位置にアイテムを追加配置する、請求項6記載の競争ゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲームマップ制御ステップは、前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換ステップによって変換された前記タッチ入力の位置に対応するコースの地形配置を変更する、請求項6記載の競争ゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲーム装置のプロセサに、タッチ入力された回数が所定数を超えたときに前記ゲームマップ制御ステップによるゲームマップの変更を不能化するタッチ入力不能化ステップをさらに実行させる、請求項6記載の競争ゲームプログラム。
【請求項10】
前記ゲーム装置のプロセサに、アイテムの追加配置された回数が所定数を超えたときに前記ゲームマップ制御ステップによる該アイテムの追加配置を不能化するアイテム配置不能化ステップをさらに実行させる、請求項7記載の競争ゲームプログラム。
【請求項1】
複数の競争主体によって行われる競争ゲームをプレイするための競争ゲーム装置であって、
前記競争ゲームの画像を表示するための第1の表示手段および第2の表示手段、
前記第2の表示手段に重ねて形成されたタッチパネル、
少なくとも、前記複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、前記複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含み、前記競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶するゲームマップ記憶手段、
少なくとも方向指示スイッチと動作指示スイッチとを含む操作手段、
プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲で前記ゲームマップを表示する第1画面を生成し、前記第1の表示手段に表示する第1画面表示制御手段、
前記第2の表示手段に表示する前記ゲームマップの表示範囲を記憶する第2画面表示範囲記憶手段、
前記操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、前記第2画面表示範囲記憶手段に記憶された前記表示範囲を更新する第2画面表示範囲更新手段、
前記第2画面表示範囲記憶手段に記憶された前記表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、前記第2の表示手段に表示する第2画面表示制御手段、
前記タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換するタッチ位置変換手段、および
前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換手段によって変換された前記タッチ入力の位置に対応する前記ゲームマップの位置において、前記ゲームマップを変更するゲームマップ制御手段を備える、競争ゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲームマップ制御手段は、前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換手段によって変換された前記タッチ入力の位置に対応する位置にアイテムを追加配置する、請求項1記載の競争ゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲームマップ制御手段は、前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換手段によって変換された前記タッチ入力の位置に対応するコースの地形配置を変更する、請求項1記載の競争ゲーム装置。
【請求項4】
タッチ入力された回数が所定数を超えたときに前記ゲームマップ制御手段によるゲームマップの変更を不能化するタッチ入力不能化手段をさらに備える、請求項1記載の競争ゲーム装置。
【請求項5】
アイテムの追加配置された回数が所定数を超えたときに前記ゲームマップ制御手段による該アイテムの追加配置を不能化するアイテム配置不能化手段をさらに備える、請求項2記載の競争ゲーム装置。
【請求項6】
複数の競争主体によって行われる競争ゲームの画像を表示するための第1の表示手段および第2の表示手段、前記第2の表示手段に重ねて形成されたタッチパネル、少なくとも前記複数の競争主体が競争を行うコースの地形配置を示すコースマップデータと、前記複数の競争主体の位置を示す競争主体配置データと、複数のアイテムの配置される位置を示すアイテム配置データとを含み、前記競争ゲームの行われる仮想空間を示すゲームマップを記憶するゲームマップ記憶手段、少なくとも方向指示スイッチと動作指示スイッチとを含む操作手段、および前記第2の表示手段に表示する前記ゲームマップの表示範囲を記憶する第2画面表示範囲記憶手段を備えるゲーム装置を、前記競争ゲームをプレイするため
の競争ゲーム装置として機能させるための競争ゲームプログラムであって、
前記ゲーム装置のプロセサに、
プレイヤの操作するプレイヤ競争主体を常に含む範囲で前記ゲームマップを表示する第1画面を生成し、前記第1の表示手段に表示する第1画面表示制御ステップ、
前記操作手段から所定の操作入力があったことに応じて、前記第2画面表示範囲記憶手段に記憶された前記表示範囲を更新する第2画面表示範囲更新ステップ、
前記第2画面表示範囲記憶手段に記憶された前記表示範囲に基づいて、ゲームマップの所定の場所を固定的に表示する第2画面を生成し、前記第2の表示手段に表示する第2画面表示制御ステップ、
前記タッチパネルのタッチ入力の位置をゲームマップにおける位置に変換するタッチ位置変換ステップ、および
前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換ステップによって変換された前記タッチ入力の位置に対応する前記ゲームマップの位置において、前記ゲームマップを変更するゲームマップ制御ステップを実行させる、競争ゲームプログラム。
【請求項7】
前記ゲームマップ制御ステップは、前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換ステップによって変換された前記タッチ入力の位置に対応する位置にアイテムを追加配置する、請求項6記載の競争ゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲームマップ制御ステップは、前記タッチパネルにおいてタッチ入力があったときに、前記タッチ位置変換ステップによって変換された前記タッチ入力の位置に対応するコースの地形配置を変更する、請求項6記載の競争ゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲーム装置のプロセサに、タッチ入力された回数が所定数を超えたときに前記ゲームマップ制御ステップによるゲームマップの変更を不能化するタッチ入力不能化ステップをさらに実行させる、請求項6記載の競争ゲームプログラム。
【請求項10】
前記ゲーム装置のプロセサに、アイテムの追加配置された回数が所定数を超えたときに前記ゲームマップ制御ステップによる該アイテムの追加配置を不能化するアイテム配置不能化ステップをさらに実行させる、請求項7記載の競争ゲームプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−200538(P2008−200538A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144007(P2008−144007)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【分割の表示】特願2004−51136(P2004−51136)の分割
【原出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【分割の表示】特願2004−51136(P2004−51136)の分割
【原出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
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