説明

竹材の加圧割方法、装置と、この装置を利用した竹材処理システム

【課題】竹材を作業能率よく縦割りし、また、必要に応じその縦割り数を作業能率の低下なしに高めて、チップ化、粉体化を伴うバイオマス利用に好適なものとする。
【解決手段】竹材1を一対の加圧部材2、3間に長手方向に供給して、少なくとも一方の加圧部材の一方向への周回ないしは回転駆動により、供給される竹材1を加圧部材2、3間に押し込み力、または、および、噛み込み力により受け入れて圧潰し、周方向複数個所に長手方向の割れ目を作りながら、さらなる扁平化を伴い反供給側に移送することを連続して行い、前記圧潰による割れ目での竹材1の断裂を図って縦割り状態としそれを後続部分に連続させて行き、複数の縦割り片5として送り出すことで、上記目的を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹材の加圧割方法、装置と、この装置を利用した竹材の処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自然環境の保護のために、里山の復活、樹林や竹林の保護、地域林業の復活、さらには石油資源の枯渇対策としてのバイオマスエネルギーの活用などの必要性が強く認識されており、その対策の1つとして過剰に繁茂した竹材の伐採や間伐を行うとともにその間伐材を有効活用することが要請されている。竹材のバイオマスは、粉砕すると発酵促進剤添加による家畜の肥料化、健康食品への利用、堆肥などとしての利用、さらに炭化させると土壌改良剤、吸収剤などに利用できる。また、粉体化すると、金型成形してあらゆるバイオ成形品を製造することができ、竹の長尺繊維を利用して布などのエコ繊維製品とすることもでき、リサイクルで土に戻せるし、燃料とすることもできる。さらに、バイオエタノールを製造することもできる。竹材をこのように利用するには、減容化、比表面積増大が図れて、輸送、集積などの取り扱いや乾燥に有利で、チップ化や粉砕に便利なように、竹材を縦割りすることが望まれる。それには、下記の特許文献1、非特許文献1などで知られているように、環状体内に放射状に配したカッタないしはこれに代わる縦割り用部材を固定して作業台上の一端部に設置し、作業台の他端側に設けたプッシャーによって竹材の後端を押圧しながら、竹材の先端側を前記カッタに心合わせして押し付けていくことで、周方向に4つ割、6つ割、8つ割することを縦方向に連続して縦割りする技術を開示している。一方、竹材や間伐木材をそのままチップ化し粉砕するチッパーも下記非特許文献2、3などで知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−198102号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】http://www.pure.ne.jp/〜ecotan/takewarikun.htm
【非特許文献2】http://www.fjtex.co.jp/kankyo/19tree/
【非特許文献3】http://www.youtube.com/watch?v=QYwuhz4emDl
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、日本全国で竹林の存在、管理そのものが問題になるほど、その竹林面積や竹材の数は膨大であり、そのバイオマス資源を十分に活用することが望まれる。それには、竹材を大量に縦割りして微細化加工に供していくことが望まれている。
【0006】
しかし、大量の竹材が伐採できるにしても、特許文献1、非特許文献1で知られるような縦割り用部材への押し込み方式の技術では、竹材は曲がっているものも多くあって長尺なままでは縦割り用部材に対して効率よく押し込めないなどの理由で、短く寸切りしたものを縦割り作業に供することや、チップ化、粉体化の後加工処理によっては別途節取り作業の必要もあったりして、作業能率が低く大量処理には不向きである。しかも、縦割り数は多くて8分割程度で太い孟宗竹などでは縦割り片を粉体化するのに適した大きさのチップに加工するにはさらに細く縦割りする二次、三次の縦割り作業が必要となる。これらのため、今望まれる竹材のチップ化、粉体化、を伴うバイオマス利用に対応するには不十分である。また、非特許文献2、3などで知られるチッパーは処理能力上、産業的な大量処理には向かず、所定の作業場に輸送しての大量処理が好適で、輸送、集積、チップ化、粉砕化に有利な縦割り材にしておくのが望まれる。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、竹材を作業
能率よく縦割りし、また、必要に応じその縦割り数を作業能率の低下なしに高めて、チップ化、粉体化を伴うバイオマス利用に好適な、竹材の加圧割方法、装置とこの装置を利用した竹処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の竹材の加圧割方法は、竹材を一対の加圧部材間に長手方向に供給して、少なくとも一方の加圧部材の一方向への周回ないしは回転駆動により、供給される竹材を加圧部材間に押し込み力、または、および、噛み込み力により受け入れて圧潰し、周方向複数個所に長手方向の割れ目を作りながら、さらなる扁平化を伴い反供給側に移送することを連続して行い、前記圧潰による割れ目での竹材の断裂を図って縦割り状態としそれを後続部分に連続させて行き、複数の縦割り片として送り出すことを特徴としている。
【0009】
このような構成では、一対の加圧部材の、少なくとも一方向の加圧部材の一方向への周回ないしは回転駆動により、加圧部材間の非弾性的または弾性的な隙間制限のもとに、長手方向に供給されてくる竹材を押し込み力、または、および、噛み込み力により受け入れながら、加圧部の周回ないしは回転方向への連続性を必須とせずに、圧潰していくことができる。この圧潰によって竹材の周方向複数個所に長手方向の割れ目を作りながら、さらなる扁平化により割れ目での竹材の断裂を図って縦割り状態とし、それを後続部分に連続させて行きながら、節を圧潰し除去した複数の縦割り片として送り出せる。
【0010】
このような方法を達成するための、本実施の竹材の加圧割装置は、長手方向に供給される竹材を、少なくとも一方の一方向への周回ないしは回転駆動により、押し込み力ないしは噛み込み力にて受け入れて圧潰する一対の加圧部材と、これら加圧部材の間隔の広がりを非弾性的または弾性的に制限する間隔制限部とを備えたことを特徴とするもので足りる。
【0011】
上記において、さらに、噛み込み力を持つ加圧部材は、加圧面の周回ないしは回転方向に等間隔に設けられ、周回ないしは回転方向に直交する幅方向に連続した凸条部が加圧部として形成されたものとすることができる。
【0012】
このような構成では、上記に加え、さらに、凸条部は加圧部材間に受け入れる竹材の長手方向に対し一定間隔で加圧する加圧部をなして、竹材に噛み込み作用および圧潰作用を及ぼし、竹材を押し込みなしにも自動的に受け入れ、圧潰させながら、縦割り状態の縦割り片を先へ送り出せるし、凸条部の幅方向への連続によって、圧潰による扁平化と縦割り状態で幅方向に広がったどの竹材にも確実に及んで、圧潰と扁平化による縦割り作用に不足が生じない。このような周回する加圧部材としては、金属製のクローラを装備したものが好適で、特に、クローラ表面に付帯されたゴムパッドを取り外し、このゴムパッドの基部を周開方向前後で受けている位置保持リブを凸条部とするのがより好ましい。
【0013】
上記において、さらに、竹材を一対の加圧部材間に長手方向に押し込むプッシャーを備えたものとすることができる。
【0014】
このような構成では、上記に加え、さらに、周回ないしは回転駆動する加圧部材に、噛み込み力による搬送機能がなくても、竹材を加圧部材間による圧潰とそれによる連続的な縦割りに安定して供することができる。
【0015】
上記において、さらに、回転駆動する加圧部材は、前後に配された複数の加圧ローラであり、供給される竹材の長手方向に複数設けられたものとすることができる。
【0016】
このような構成では、上記に加え、さらに、加圧部材が回転駆動するものであっても、供給される竹材の長手方向の複数位置にて順次に加圧力を及ぼし、周回駆動する加圧部材同様に順次に圧潰とそれによる扁平化を伴い縦割り状態にすることを連続的に実行し、送り出すことができるし、加圧部材の配置位置によって、最上流位置では竹材の竹先の嵩を半減させて少なくとも長手方向の部分的な割れを伴い準扁平化する程度に予備割りする予備割、予備割後の竹材の予備割された竹先を間隔を小さくした加圧部材間に容易に受け入れてさらに扁平化を促進して行き、所定の縦割り状態とした縦割片として送り出すといった役割分担をすることができる。
【0017】
上記において、さらに、一対の加圧部材は、周回ないしは回転駆動されるものと、回転自在なものとの組み合わせとすることができる。
【0018】
このような構成では、上記に加え、さらに、一対の加圧部材は、一方の周回ないしは回転駆動と、他方の従動回転とによって、供給される竹材を押し込み力またはおよび噛み込み力によって、摺動抵抗なしにスムーズに受け入れ、加圧による縦割りを達成することができる。
【0019】
上記において、さらに、加圧部材間から送り出される縦割り片を、定位置にて、その先端からの切り込みないしは割り込んでさらに細く裂き、ないしは、厚み方向に剪断力を働かせてさらに細く裂く、細分化手段を備えたものとすることができる。
【0020】
このような構成では、上記に加え、さらに、加圧による縦割り後に加圧部材間から送り出されてくる縦割り片に、定位置にある細分化手段が待ち構える形で働き、先端からの切り込み作用または厚み方向からの剪断作用によって、送り出されてくる縦割り片をさらに細くした細分化片までに細分化することができる。ここで、剪断作用による細分化手段が、円盤カッタを一定間隔に複数配列した円盤カッタ群どうしを、互いの円盤カッタが他方の円盤カッタ群の円盤カッタ間の隙間に入り込んで、加圧部材間から送り出されてくる縦割り片を厚み方向に受け入れて、これをさらに先へ送り出す側に回転駆動される構成である場合、送り出されてくる縦割り片を各円盤カッタ群の各円盤カッタ間に自身の回転も手伝って受け入れながら、各円盤カッタ群の円盤カッタどうしの入り込み境界部両側で、縦割り片を厚み方向の表側と内側との異なった方向に押圧することで、円盤カッタの幅、間隔に見合った位置に細分化の剪断力を長手方向に連続して逃げなく確実に及ぼし細分化させられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の竹材の加圧割方法と装置によれば、少なくとも一方向が一方向への周回ないしは回転駆動される一対の加圧部材間にて隙間制限のもとに、長手方向に供給されてくる竹材を押し込み力またはおよび噛み込み力により受け入れながら加圧し圧潰して、竹材の周方向複数個所に長手方向に先行してできる割れ目をさらなる扁平化により割れ目での竹材の断裂を図って縦割り状態とすることを後続部分に連続させて行きながら、節は圧潰してまわりに脱落、飛散させて除去した複数の縦割り片として送り出すことが、供給する竹材が長尺であることや、曲がっていることにかかわりなく、容易にかつ加圧部材の周回または回転の駆動速度に見合った速さで効率よく縦割りできるし、押し込み力採用の場合でも、竹材の後端側が周回ないしは回転駆動される加圧部材間により単独に送り出される時間を利用して、押し込み力復帰と次の竹材の供給ができるのでほぼ間断なく、噛み込み力による場合では押し込み力復帰なしでの竹材の連続供給により間断なく実行して、竹材の縦割り片を生産性よく製造することができ、竹材のチップ化、粉体化を伴う大量のバイオマス利用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係る竹材の加圧割装置の、1つの例を示す正面図、平面図、加圧縦割り部の送り出し側の端面図、材受ステージの端面図、材受ステージと加圧縦割部との間の供給部の端面図、縦割り片排出ステージの端面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る竹材の加圧割装置の、別の例を示す正面図、材受ステージと供給装置との関係を示す端面図、加圧割部の送り出し側の端面図である。
【図3】図2に示す竹材の加圧割装置のカバーなど安全対策をした状態での正面図、平面図、加圧縦割り部の送り出し側の端面図である。
【図4】竹材に割れ目が生じた初期状態を示す斜視図、加圧縦割り処理により割れ目が破裂部となった縦割り片の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る竹材の加圧割装置の、他の例を示す正面である。
【図6】図1、図2または図4に示す装置との組み合わせにより竹の処理システムを構成する寸切装置を示す正面図、排出側端面図、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の具体例であって特許請求の範囲の記載事項を限定するものではない。
【0024】
本発明に係る竹材の加圧割方法は、図1に示す例の竹材の加圧割装置100、図2、図3に示す例の竹材の加圧割装置200を参照して、竹材1を一対の加圧部材2、3間に長手方向に供給して、少なくとも一方の加圧部材2の矢印Aで示す一方向への周回ないしは回転駆動により、供給される竹材1を加圧部材2、3間に、図2、図3の例に示すような、前記矢印Aに順方向となる押し込み力F1、または、および、図1の例に示すような噛み込み力F2により、受け入れて圧潰し、周方向複数個所に長手方向の図4(a)に示すような割れ目4を作りながら、さらなる扁平化を伴い図1の例、図2の例で矢印Aで示す反供給側に移送することを連続して行い、前記圧潰による割れ目4での図4(b)に示すような竹材1の断裂を図って断裂部4aが縦通した縦割り状態としそれを後続部分に連続させて行き、図3に示すような複数の縦割り片5として送り出すようにする。
【0025】
このようにすることで、一対の加圧部材2、3の少なくとも一方向の例えば加圧部材2の矢印Aで示す一方向への周回ないしは回転駆動により、加圧部材2、3間の非弾性的または弾性的な隙間制限のもとに、長手方向に供給されてくる竹材1を押し込み力F1、または、および、噛み込み力F2により受け入れながら、加圧部2a、3aの周回ないしは回転方向への連続性を必須とせずに、圧潰していくことができる。この圧潰によって竹材1の周方向複数個所に長手方向の割れ目4を作りながら、さらなる扁平化により割れ目4での竹材1の断裂を図って縦割り状態とし、それを後続部分に連続させて行きながら、図4(b)に仮想線で示すような節6をも圧潰し除去した複数の縦割り片5として送り出せる。圧潰した節6は、加圧部材2、3間から側方へガイド沿うなどして飛び散り、また、下側の加圧部材3が不連続な場合、その不連続部分から下方にも落下する。しかし、下方への落下によって可動部に噛み込む恐れのある場合は、落下する節6の破砕片を一旦受けてから側方に排出するガイド構造を採用するのが好適である。
【0026】
以上の結果、少なくとも一方向が一方向への周回ないしは回転駆動される一対の加圧部材2、3間にて隙間制限のもとに、長手方向に供給されてくる竹材1を押し込み力F1またはおよび噛み込み力F2により受け入れながら加圧し圧潰して、竹材1の周方向複数個所に長手方向に先行してできる割れ目14をさらなる扁平化により割れ目14での竹材の断裂を図った断裂部14aとして縦割り状態とすることを後続部分に連続させて行きながら、節6は圧潰してまわりに脱落、飛散させて除去した複数の縦割り片として送り出すことが、供給する竹材1が長尺であることや、曲がっていることにかかわりなく、容易にかつ加圧部材2、3の少なくとも一方の周回または回転の駆動速度に見合った速さで効率よく縦割りできるし、押し込み力F1採用の場合でも、竹材1の後端側が少なくとも一方が周回ないしは回転駆動される加圧部材2、3間により単独に送り出される時間を利用して、押し込み力F1の復帰と次の竹材1の供給ができるのでほぼ間断なく、噛み込み力F2による場合では押し込み力F1の復帰なしでの竹材1の連続供給により間断なく実行して、竹材1の縦割り片を生産性よく製造することができ、竹材1のチップ化、粉体化を伴う大量のバイオマス利用に好適である。
【0027】
このような方法を達成するために、本実施の形態の図1に示す例、および図2に示す例の、竹材の加圧割装置100、200は、共通して、長手方向に供給される竹材1を、少なくとも一方の一方向への周回ないしは回転駆動により、押し込み力F1、または、および、噛み込み力F2にて受け入れて圧潰する一対の加圧部材2、3よりなる加圧縦割り部10と、これら加圧部材2、3の間隔の広がりを非弾性的または弾性的に制限する間隔制限部7とを備えたものとして足りる。このような間隔制限部7は、長手方向に受け入れる竹材1を一対の加圧部材2、3間で加圧することで、受入れた竹材1を圧潰して縦割り状態にして送り出せるための最少隙間を図1に示す例の加圧割装置100のような非弾性的であるか、図2、図3に示す例の加圧割装置200のような弾性的であるかを問わず確保するもので、具体的な構成は特に問うものではない。
【0028】
非弾性的な間隔制限は、加圧部材2、3間での竹材1に対する圧潰を、全くの逃げなく竹材1の太さに対する制限間隔の縮小比に応じて達成することができ、圧潰により縦割りした縦割り片5が上向きのものと下向きのものが上下に重なって縦割りされて行き送り出される傾向があることを鑑みれば、制限間隔は竹材1の厚みの2倍程度として好適である。
【0029】
しかし、非弾性的な遊びのない間隔制限によれば、竹材1の加圧部材2、3間への初期の押し込み、または、および、噛み込み抵抗が大きくなる。これには制限間隔を竹材1の受け入れ側を大きくすることで対応でき、具体的には、制限間隔の全体を送り出し側に向かって小さくなる楔形などに設定してもよいが、竹材1を受け入れて半圧潰させる初期圧潰域だけ楔形などにし、縦割り処理するために設定した平行な制限間隔域に繋がるようにして縦割り処理効率が低下しないようにするのがより好適である。
【0030】
また、弾性的な遊びのある間隔制限によれば、竹材1の受け入れ時の過負荷には加圧部材2、3間の弾性的な広がりにて受け入れやすくしながらも圧潰をしていって徐々に負荷を下げながら、所定の縦割り処理を達成できるようになる。もっとも、加圧部材2、3間の初期圧潰域だけ弾性的な間隔制限をして、それ以降は非弾性的な間隔制限とすることもできる。
【0031】
図1の例の加圧割装置100での間隔規制部7は、非弾性的な間隔制限を行う具体例を示している。加圧部材2、3が上下に対向し合って竹材1を加圧して縦割りするのに、上側の加圧部材2を駆動側とし、下側の加圧部材3は非駆動側としたことに関連して、上側の加圧部材2をそれの駆動源であるモータ8と共に、固定側として例えば架台9の天井フレーム11に固定するのに対し下側の加圧部材3を架台9の据え付け基台12上にジャッキ13で、油圧、空気圧、モータ、手動などにて昇降できるように支持し、非駆動で簡単かつ軽量となる下側の加圧部材3をジャッキ13で昇降させて上側の加圧部材2との間隔を、負荷少なく調整できるようにしている。また、上側の加圧部材2の周回ないしは回転駆動は、下側の加圧部材3との間に受け入れる竹材1に移送作用を働かせるのに役立つ。
【0032】
特に、図1の加圧割装置100の加圧部材2は噛み込み力F2を持つ加圧部2aを有したものとしてある。このために、加圧部2aは加圧面の周回ないしは回転方向に等間隔に設けられ、周回ないしは回転方向に直交する幅方向に連続した凸条部として形成している。これにより、加圧部2aをなす凸条部は加圧部材2、3間に受け入れる竹材1の長手方向に対し一定間隔で加圧する加圧部2aをなして、竹材1に噛み込み作用および圧潰作用を及ぼし、竹材1を押し込みなしにも自動的に受け入れ、圧潰させながら、縦割り状態の縦割り片5を先へ送り出せるし、加圧部2aをなす凸条部の幅方向への連続によって、圧潰による扁平化と縦割り状態で幅方向に広がった竹材1のどの部分にも確実に及んで、圧潰と扁平化による縦割り作用に不足が生じない。このような周回する加圧部材2としては、図1に示すように金属製のクローラ14を装備したものが好適で、特に、クローラ14表面に付帯されたゴムパッドを取り外し、このゴムパッドの基部を周開方向前後で受けている位置保持リブを加圧部2aとしての凸条部としており、十分な噛み込み力F2を得るのに好ましい。
【0033】
クローラ14は、ミニ油圧ショベル用程度のものが適当であり、既存の市販品、中古品などを有効利用できる。また、周回駆動のための起動輪、転輪、遊動輪による支持機構とのアッセンブリ品を採用するのがより好適で、起動輪は通常油圧駆動であるところ、本例では据え置き使用上、起動輪に代えてモータ8の回転を伝達してクローラ14を駆動する駆動輪14aを採用して、自動車などによる移動型の発電機からの給電を受けて運転できるようにしている。駆動輪、転輪、遊動輪などによるクローラ14の周回経路の設定によって、初期圧潰域に竹材1を受け入れやすくする傾斜を設けたり、弾性的な間隔制限域を設けたりしやすい利点がある。
【0034】
しかし、駆動形式は特に問わないし、回転駆動する加圧部材2、つまり加圧ローラとして、クローラ14で例示した凸条部とした加圧部2aを採用して噛み込み力F2を持ったものとすることができる。この場合、加圧ローラは、供給される竹材1の長手方向に複数設けられたものとすることができる。これにより、加圧部材2が回転駆動するものであっても、供給される竹材1の長手方向の複数位置にてボトム点を加圧部2aとして順次に加圧力を及ぼし、周回駆動する加圧部材2同様に順次に圧潰とそれによる扁平化を伴い縦割り状態にすることを連続的に実行し、送り出すことができるし、加圧部材2の配置位置によって、最上流位置では竹材1の竹先の嵩を半減させて少なくとも長手方向の部分的な割れを伴い準扁平化する程度に予備割りする予備割、予備割後の竹材の予備割された竹先を間隔を小さくした加圧部材2、3間に容易に受け入れてさらに扁平化を促進して行き、所定の縦割り状態とした縦割片として送り出すといった役割分担をすることができる。
【0035】
本例では、さらに、図1に示すように周回ないしは回転駆動される加圧部材2と、回転自在な加圧ローラ15によるものとの組み合わせた加圧部材3との組み合わせとしてある。このようにすると、一対の加圧部材2、3は、加圧部材2の周回ないしは回転駆動と、加圧部材3の従動回転とによって、供給される竹材1を押し込み力F1、または、および、噛み込み力F2によって、摺動抵抗なしにスムーズに受け入れ、加圧による縦割りを達成することができる。加圧ローラ15は、供給される竹材1の長手方向に複数設けてある。これにより、加圧部材2が回転駆動するものであっても、供給される竹材1の長手方向の複数位置にてトップ点を加圧部3aとして加圧部材2との間で順次に加圧力を及ぼし、周回駆動する加圧部材2同様に順次に圧潰とそれによる扁平化を伴い縦割り状態にすることを連続的に実行し、送り出すことができるし、加圧部材3の配置位置によって、最上流位置では竹材1の竹先の嵩を半減させて少なくとも長手方向の部分的な割れを伴い準扁平化する程度に予備割りする予備割、予備割後の竹材の予備割された竹先を間隔を小さくした加圧部材2、3間に容易に受け入れてさらに扁平化を促進して行き、所定の縦割り状態とした縦割片として送り出すといった役割分担をすることができる。
【0036】
さらに、本例では図1に示すように、加圧縦割り部10の竹材1の受け入れ側である上流側に竹材1を受載して加圧部材2、3間に供給する供給装置21を設置し、そのさらに上流側に供給装置21に竹材1を地形や環境に合わせて搬入するための材受ステージ22を設置している。材受ステージ22は、周回駆動などされて伐採作業が行われる先山側から伐採された竹材1が、1段ないしは多段の搬出ロープ23によって吊持ベルト23aなどで吊持されるなどして搬出されてくるのを、集材位置側にて、例えば、供給装置21の供給作業高さよりも低位で、供給作業位置よりも側方に外れた受載部22aに受載して吊持を解除し、順次に回収することを繰り返せるようにする。吊持の解除は作業員24による手作業に委ねるが、これに限られることはない。材受ステージ22の供給装置21の供給部21aに対向する部分には供給部21aに対応する高さの送り込み部22bが受載部22aから傾斜部22cで繋がるように設けられている。これに対応して、供給装置21には材受ステージ22の受載部22aに対応する位置および高さで、搬出されてくる竹材1の垂れ下がる基部を予備ガイド28に嵌め入れての案内の基に、受載部22aに先行受載して、受載部22aの傾斜部22cが立ち上がり基部に対応する位置まで案内する傾斜面21bと、傾斜面21bにより案内してきた竹材1を材受ステージ22の傾斜部22cに沿って供給部21aにまで掻き上げるように上流と下流とに一対設けられた掻き上げコンベア25とを備えている。掻き上げコンベア25はチエン25aに掻き上げアタッチメント25bを等間隔に付帯させ、傾斜面21bの最低位部に案内されてくる竹材1を掻き上げて供給部21aに転がらせ自動的に落とし込む。
【0037】
そこで、作業員24は、まず、受載部22aに受載した竹材1を受載部22aから傾斜面21bまで長手方向に送り込んで、作業員24ないしは連携した別の作業員24により始動させた掻き上げコンベア25の自動掻き上げ機能による支援のもと送り込み部22bおよび供給部21bにまで持ち上げる。ところで、搬出ロープ23による竹材1の搬出向きを、図1(b)に示すように枝葉部1aが搬出側に向くよう行われるように作業手順を定めておくことに関連して、作業員24はさらに、持ち上げた竹材1を図1(a)(b)に示すように供給部21b上流に設けたストッパ26にまで送り付ける。これによって、竹材1はストッパ26に基部を受け止められて加圧部材2、3間に対する所定の上流位置に長手方向に位置決めされる。このとき、竹材1の枝葉部1aは、竹材1の伐採長さの違いにかかわらず、送り込み部22bの送り込み方向途中に設けられた切断装置27のチエンソー27aよりも送り方向下流に位置するように設定してあり、前記位置決め状態にてチエンソー27aをモータ20により駆動して昇降シリンダ27bにより下降させて位置決めした竹材1を切断すると、竹材1は基部から所定長さに切り揃えられて、ストッパ26のエアシリンダによる上動などにより開いて加圧部材2、3間に挿入することで加圧縦割り部10での縦割りに供せるとともに、枝葉部1aが切り離される。これによって、枝葉部1aが加圧部材2、3間に供給されても圧潰されない無駄、および圧潰されないでは張り広がろうとする枝葉部1aの各部への噛み込みなどによるトラブルを回避することができるし、枝葉部1aに限った集中処理ができる。
【0038】
また、加圧縦割り部10の下流には、送り出されてくる縦割り片5を中央などの一部に寄せ集めて送り出されるようにするガイド31を片側または両側に持った送り出しガイド台32を設け、この送り出しガイド台32の下流には送り出されてくる縦割り片5を受け入れ部33aに受け入れて排出部33bへ地形に合わせて集め排出に供する縦割り片排出ステージ33を設けてある。縦割り片排出ステージ33は、図1(b)(f)に示すように、送り出しガイド台32を通じ送り出されてくる縦割り片5を送り出しガイド台32ガイド高さよりも低い受載部33aに受載して、堆積させながら、さらに低い片側への傾斜部33bに崩れ落ちさせて、傾斜部33b下端の集材排出部33cに集材しておき適宜排出に供せるようにしている。なお、加圧割装置100は、各部のシリンダを動作させるコンプレッサ34が併設されている。
【0039】
これに対し、図2、図3に示す例の竹材の加圧割装置200の加圧縦割り部10は、加圧部材2を1つの加圧ローラ41aと、これとは異なる、具体的には大径とした3つの同種の加圧ローラ41bとを竹材1の矢印Aで示す受け入れ方向の上流側から下流側に配列したものとし、加圧部材3を加圧部材2の加圧ローラ41aに対向するバックアップステージ42aと、加圧部材2の3つの加圧ローラ41aと対向し合う3つの同種の加圧ローラ42bとを上流側から下流側に配列した本割ユニット43bとし、上流側で対向し合う加圧ローラ41aとバックアップステージ42aとで、そこに供給された竹材1の先端を半潰程度にして先割りする先割りユニット43aとし、加圧ローラ41aをモータ44により駆動しながら、シリンダ46により加圧ローラ41aを下動させることで、バックアップステージ42aとの間に受け入れた竹材1の先端を弾性的に加圧し、先割り処理できるようにしている。
【0040】
一方、3つの加圧ローラ41bどうしは、架台9の天井部11下に設置した上固定支持基板50に、エアによるクッションダンパ51を介し支持した可動支持基板52に回転自在に支持する弾性的間隔規制機能を持たせた上で、上固定支持基板50に設けたボルト・ナットよりなる突出調節可能なストッパ152によって上方への逃げ位置を適宜規制して、架台9の下部に設置した中間固定基板53上に回転自在に支持した加圧ローラ42bどうしと対向させ、ストッパ52による非弾性的な間隔規制内で、クッションダンパ51による弾性間隔規制機能を働かせる非弾性的間隔規制と弾性的間隔規制とを併用した間隔規制部7をなして、過剰負荷を軽減しながらも加圧による竹材1の先割り処理後の全体をより確実かつ高効率に縦割りできるようにしている。
【0041】
このような非弾性的間隔規制の併用による、加圧を伴う竹材1の受け入れがやや難になることに対応して、加圧部材2の加圧ローラ41bどうしは、架台9の天井部11上に設置したモータ53によって、加圧部材3の加圧ローラ42bどうしは、架台9の下部台54上に設置したモータ55によって、それぞれ前記受け入れ方向に対する順方向に回転駆動して受け入れ側への移送力を持たすのに加え、供給部21には図1の例とは異なり、材受ステージ22から送り込まれた竹材1を、加圧縦割り部10に押し込み力F1を付与して送り込むプッシャ56を設けてある。このプッシャ56は、枝葉部が切断された竹材1を受け入れる長さ以上の搬送域を持った無端チエンなどからなるプッシャコンベア48に取り付け、このプッシャコンベア48のモータ47による往復駆動にて、プッシャ56の進出による竹材1の加圧縦割り部10への押し込み力F1を付与しての送り込みと、その後の復帰とを行えるようにしている。このようなプッシャ機能は、加圧部材2、3の回転駆動する加圧ローラ41a、41b、42a、42bに、噛み込み力F2による搬送機能がなくても、竹材1を加圧部材2、3間による圧潰とそれによる連続的な縦割りに安定して供することができる。
【0042】
また、材受ステージ22はプッシャコンベア48の側壁48aの、一方の上端に向けた傾斜部22cを持ち、受載した竹材1をプッシュコンベア48側に転がらせるようにしてあり、傾斜部22cとプッシュコンベア48との間の図2(c)に示す斜め渡り部61の途中に設けたストッパ62により堰止めながら、シリンダ63によるストッパ62の定期的な下動とその直後の上動によって、竹材1を一本ずつ切り出してプッシュコンベア48に落し込み、縦割り処理に共せるようにしている。プッシュコンベア48の竹材1を落とし込む側と反対の側には、落し込まれる竹材1が跳ねて飛び出すのを防止し、プッシュコンベア48上に案内できるようにしている。なお、エア機器を動作させるエアコンプレッサ71を供給装置21に装備している。
【0043】
さらに、図1に示す加圧割装置100や図2、図3に示す加圧割装置200において、加圧縦割り部10の加圧部材2、3間から送り出される縦割り片5を、定位置にて、その先端からの図1の例で示すような多数並列配置した固定カッタ65がによる切り込み、ないしは割り込んでさらに細く裂き、あるいは図2、図3に示す例のように厚み方向に剪断機構66により配列各書で剪断力を働かせてさらに細く裂く、細分化手段67を備えたものとすることができる。これにより、加圧による縦割り後に加圧部材2、3間から送り出されてくる縦割り片5に、定位置にある細分化手段67が待ち構える形で働き、先端からの切り込み作用または厚み方向からの剪断作用によって、送り出されてくる縦割り片5を、さらに細くした細分化片5aまでに細分化することができる。ここに、細分化手段67は加圧縦割り部10の直後、直近にあるほどより遊びなく縦割り片5に対して働き、逃げが生じやすいカッタ65の場合に特に有効である。
【0044】
ここで、図2に示す例の剪断作用による細分化手段67が、図2に示すような円盤カッタ68を一定間隔に複数配列した上下の円盤カッタ群69、70どうしを、互いの円盤カッタ68が他方の円盤カッタ群の円盤カッタ68間の隙間に入り込んで、加圧部材2、3間から送り出されてくる縦割り片5を厚み方向に受け入れて、これをモータ71によりさらに先へ送り出す側に回転駆動される構成としてある。これにより、送り出されてくる縦割り片5を各円盤カッタ群69、70の各円盤カッタ68間に自身の回転も手伝って受け入れながら、各円盤カッタ群69、70の円盤カッタ68どうしの入り込み境界部両側で、縦割り片5を厚み方向の表側と内側との異なった方向に押圧することで、円盤カッタ68の幅、間隔に見合った位置に細分化の剪断力を長手方向に連続して逃げなく確実に及ぼし細分化させられる。また、図3に示すように、内部機構が露出して危険な個所にはカバー91を施し、必要に応じカバー91に開閉ないしは着脱できる点検カバー92を設けて、点検やメンテナンスに不便にならないようにし、竹材1の受け入れ口や縦割り片5などの送り出し口にも、受け入れや送り出しの邪魔にならない暖簾状などの可撓カバー93を設けて安全を図っている。なお、図2に示す細分化手段67の送り出し側には、細分化した細分化片5aを上下のガイドローラ94、94により案内して上下に振れ動くのを抑えて、スムーズに送り出せるようにしている。
【0045】
図5に示す例の竹材の加圧割装置300は、図2、図3に示す竹材の加圧割装置200に対し、プッシャコンベア48、プッシャ56に代えて、ストレートなガイドローラ95a、鼓状のガイドローラ95bにより竹材1を案内して加圧縦割り部10に手送りし供給する供給装置21とし、加圧縦割り部10は加圧ローラ41a、バックアップステージ42aの組み合わせによる先割りユニット43aを踏襲しているが、本割りユニット43bは、図1に示す加圧割装置100でのクローラ14と加圧ローラ15との組み合わせによるものを踏襲し、先割り後の竹材1の先端を無理なく噛み込み、噛み込み力F2での加圧にて縦割りしながら送り出すようにしている。また、本割ユニット43bの後の細分化手段67は円盤カッタ群69、70による剪断作用タイプのものを踏襲しているが、本割りユニット43bと細分化手段67との間には、非偏心ローラ96aと偏心ローラ96bとの組み合わせによる送りローラ対96を設置して、本割りユニット43bにて細分化した細分化片5aを脈動的な送り力にて送り込み抵抗の高い細分化手段67に確実に送り込めるようにしている。他の構造は特に変わるところはない。
【0046】
なお、図1に示例、図2、図3に示す例、図5に示す例の、竹材の加圧割装置100、200、300の細分化手段67によって細分化加工された細分化片5aを、図6(b)(c)に示すように複数並列に受け入れて所定の寸切長さずつ間欠搬送する間欠搬送手段101と、間欠搬送される細分化片5aが停止する都度鋸歯103により切断して寸切りする切断手段102とを備えた寸切装置400を、後工程装置として設置し、組み合わせ使用する竹材処理システムを構築するのが好適である。
【0047】
これにより、細分化片5aを複数間欠搬送しながら鋸歯103により所定間隔ごとに効率よく寸切りして必要なサイズに寸切りし、場合によっては図6(a)(b)に示すようなサイコロ形状体5bにすることもできる。このような寸切りは、バイオ燃料とすのに蒸し焼きにする際に便利な取り扱い長さ、長尺繊維を抽出する際の釜のサイズに合わせた取り扱い長さなど、用途上、取り扱い上、必要な長さが自由に得られる。サイコロ形状体5bにした場合は、クラッシャーで破砕して粉体にし肥料とするのに好適である。
【0048】
図6に示す寸切装置400は、間欠搬送手段101の上流にガイドローラ104を配した送り込み台105を設置し、この送り込み台105の横に側方から送り込み台105の片側上に下向きに傾斜した補給台106を設けている。これにより、細分化片5aを補給台106上に、寸切装置400での同時処理本数を数倍以上上回る多数本並べ置きながら、前記傾斜を利用して、送り込み台105が空になる都度、同時処理本数分ずつ移し、それをガイドローラ104の回転を伴い間欠搬送手段101に送り込めば、後は自動で、適時に間欠搬送されて切断手段102による寸切処理される。
【0049】
間欠搬送手段101は一例として、ガイドローラ107で各所をサポートしたベルトコンベア108を、図示しないモータで間欠駆動するようにしているが、これに限定されることはない。鋸歯103は、丸鋸を利用し、モータ109で高速回転させながら、図6(b)に矢印で示すように上下動させることで、停止している細分化片5aを同時に切断するようにしている。このため、鋸歯103を直結しているモータ109を昇降台111に支持しエアシリンダ112により上下動させるようにしている。このために、エアコンプレッサ113を設置し加圧空気をエアシリンダ112に供給できるようにしている。ここで、鋸歯103は同時に切断する細分化片5aの並べ幅を超える直径であることにより、それらを同時切断できる。よりよくは、図示例のように並べ幅のほぼ2倍の直径と大きいほど、鋸歯103のより少ない下降ストロークにて複数の細分化片5aを同時切断でき、作業速度が向上する。
【0050】
しかし、切断手段102で寸切りしたサイコロ形状体5bとするのは、切断回数の増加、作業時間の徒な延長の原因になるので、本例では、切断手段102下のサイコロ化機構201の受け入れ幅未満の長さに寸切りして、サイコロ化機構201上に落下供給し、サイコロ化させるようにしてある。このサイコロ化機構201は、図2に示す細分化手段67と同様の機構を、向きを変えて設置したもので、円盤カッタ168を一定間隔に複数配列した左右の円盤カッタ群169、170どうしを、互いの円盤カッタ168が他方の円盤カッタ群の、円盤カッタ168間の隙間に側方から入り込んで、切断手段102から落下してくる寸切りした細分化片5aを、左右の円盤カッタ群169、170どうしの入り込み境界部に長手方向が一致する向きで受け入れて、図示しないモータによる回転駆動を伴い、上方から下方に噛み込んで個々のチップ形状体5aに一挙にスリッティングしてチップ化し、これをホッパ114内に自然落下させるなどして捕集しながら、搬出コンベア115により排出してコンテナ115などに投入し、粉砕工程に供する。もっとも、粉砕工程を寸切装置400に付帯することも、独立した粉砕装置を併設することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、伐採などされた竹材を効率よく縦割りでき、経済性よくバイオマス利用に供することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 竹材
2、3 加圧部
2a、3a 加圧部
4 割れ目
4a 断裂部
5 縦割り片
5a 細分化片
6 節
7 間隔規制部
10 加圧縦割り部
14 クローラ
15 加圧ローラ
41a、41b バックアップステージ
42b 加圧ローラ
43a 先割りユニット
43b 本割ユニット
56 プッシャ
65 固定カッタ
66 せん断機構
67 細分化手段
68 円盤カッタ
69、70 円盤カッタ群
101 間欠搬送手段
102 切断手段
103 鋸歯
100、200、300 竹材の加圧割装置
400 竹処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹材を一対の加圧部材間に長手方向に供給して、少なくとも一方の加圧部材の一方向への周回ないしは回転駆動により、供給される竹材を加圧部材間に押し込み力、または、および、噛み込み力により受け入れて圧潰し、周方向複数個所に長手方向の割れ目を作りながら、さらなる扁平化を伴い反供給側に移送することを連続して行い、前記圧潰による割れ目での竹材の断裂を図って縦割り状態としそれを後続部分に連続させて行き、複数の縦割り片として送り出すことを特徴とする竹材の加圧割方法。
【請求項2】
長手方向に供給される竹材を、少なくとも一方の一方向への周回ないしは回転駆動により、押し込み力ないしは噛み込み力にて受け入れて圧潰する一対の加圧部材と、これら加圧部材の間隔の広がりを非弾性的または弾性的に制限する間隔制限部とを備えたことを特徴とする竹材の加圧割装置。
【請求項3】
噛み込み力を持つ加圧部材は、加圧面の周回ないしは回転方向に等間隔に設けられ、周回ないしは回転方向に直交する幅方向に連続した凸条部が加圧部として形成された請求項2に記載の竹材の加圧割装置。
【請求項4】
竹材を一対の加圧部材間に長手方向に押し込むプッシャーを備えている請求項2、3のいずれか1項に記載の竹材の加圧割装置。
【請求項5】
回転駆動する加圧部材は、前後に配された複数の加圧ローラであり、供給される竹材の長手方向に複数設けられている請求項2〜3のいずれか1項に記載の竹材の加圧割装置。
【請求項6】
一対の加圧部材は、周回ないしは回転駆動されるものと、回転自在なものとの組み合わせとした請求項2〜3のいずれか1項に記載の竹材の加圧割装置。
【請求項7】
加圧部材間から送り出される縦割り片を、定位置にて、その先端からの切り込みないしは割り込んでさらに細く裂き、ないしは、厚み方向に剪断力を働かせてさらに細く裂く、細分化手段を備えている請求項2〜6のいずれか1項に記載の竹材の加圧割装置。
【請求項8】
請求項7に記載の竹材の加圧割装置によって細分化加工された細分化片につき、複数並列に受け入れて所定の寸切長さずつ間欠搬送する間欠搬送手段と、間欠搬送される細分化片5aが停止する都度鋸歯により切断して寸切りしサイコロ形状にする切断手段を備えた寸切装置を、請求項7に記載の、竹材の加圧割装置の後工程処理装置として設置したことを特徴とする竹材処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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