符号化シンボルのパケット化方法及びその方法を用いる装置
【課題】伝達するパケット間の属性を減少させ、安定的にQoSを満たすパケット化方法及び装置を提供する。
【解決手段】符号化対象である第1ソースシンボルを決定し、And-Orツリー構造を利用して生成した第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルの中にパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、パケット化していない第1符号化シンボルとパケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを選択する符号化シンボル及び目標パケット選択段階と、And-Orツリー構造を用いて生成された第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルの生成後、And-Orツリー構造を利用して第2ソースシンボルに基づいて第2符号化シンボルを生成し、第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを目標パケットに第1符号化シンボルと共にパケット化するパケット化段階とを含む。
【解決手段】符号化対象である第1ソースシンボルを決定し、And-Orツリー構造を利用して生成した第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルの中にパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、パケット化していない第1符号化シンボルとパケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを選択する符号化シンボル及び目標パケット選択段階と、And-Orツリー構造を用いて生成された第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルの生成後、And-Orツリー構造を利用して第2ソースシンボルに基づいて第2符号化シンボルを生成し、第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを目標パケットに第1符号化シンボルと共にパケット化するパケット化段階とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号化シンボルのパケット化方法及びその方法を用いる装置に関し、より詳細には、シンボルをパケット化する方法及びその方法を用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク及びビデオコーディングを研究する分野においてビデオストリーミング技術は、重要に取り扱われている分野である。ビデオは、多量のデータを有しているだけでなく、データのQoS(Quality of Service)要求に起因して、実際ネットワーク環境でビデオストリーミングトラフィックを伝送することは難しい。
【0003】
このようなビデオストリーミングにおいてビデオデータの量を減らすために効果的なビデオ圧縮アルゴリズムを用いることが必須である。
【0004】
今まで効果的なビデオ圧縮アルゴリズムのためのデジタルビデオコーディング技術は、急速に発展した。MPEG−1、2、4、とH.261、H.263/+/++及びH.264のような国際的標準は、ISO/IECとITU−Tの多様な要求事項を満足させるために提案されてきた。圧縮されたビデオデータは、エントロピーコーダーの特性とビデオの場面変換/不規則な動き変化に起因して、多様なビットレートを有する。高い圧縮率で圧縮されたビデオデータは、低い圧縮率で圧縮されたビデオデータより相対的に伝送エラーと損失に弱い。
【0005】
無線ネットワークで高い品質の安定的なビデオストリーミングサービスを効果的に提供することは、解決すべき課題である。
【0006】
ビデオデータを伝送するに際して、経路損失、フェーディング、マルチパス及び干渉現象は、無線リンクで受信されたビデオデータのSNR(Signal to Noise Ratio)で不規則な変化をもたらす。
【0007】
低いSNRで受信された信号をデコードすることは難しく、その結果として、BER(Bit Error Rate)を増加させる。無線ネットワークでデータ伝送エラーと損失を緩和させるためには、ARQ(Automatic Repeatre Quest)とFEC(Forward Error Correction)が広く使用される。
【0008】
ARQは、フィードバック情報を受信した後、損失されたデータをさらに伝送しなければならないので、ディレイを増加させる。これによって、ARQは、ディレイに敏感なビデオストリーミングに適しないエラー防止方法になる。
【0009】
しかしながら、FECは、ネットワークでフィードバック情報が不要であり、データの損失とエラーを補償するための追加データを必要とする。このようなFECの特徴は、ARQ方法に比べてディレイに敏感なビデオストリーミングにおいて適している。
【0010】
ルビー変換、ラプター、オンラインコードのようなファウンテン(Fountain)コードは、ブロック基盤のFEC技術である。このようなファウンテンコードは、高いコーディング効率、低いエンコード/デコード処理時間及び適応性のような特性を有しているので、エラーが発生しやすい無線ネットワークでディレイに敏感なデータを伝送するのに非常に有用である。
【0011】
ファウンテンコードは、チャンネルコーディングのレートレスコード(Rateless code)であって、送信端側で受信端に対する情報が足りないか、または受信端の数が非常に多い場合のように、双方向情報伝送が難しい時にも、単方向伝送だけでエラーなしで完全な受信を可能にするという長所を持つ。
【0012】
これまでファウンテンコードは、消去チャンネル(Erasure Channel)において研究されて来ており、その他のチャンネルにおける適用が活発に進んでいる。消去チャンネルは、どんな情報が送信されるかに関係なく、一定の確率でその情報が消去され、何が伝送されたか分からないチャンネルである。このチャンネルは、理論的な仮想チャンネルとして認識されてきたが、最近、インターネットの発展に伴い、消去チャンネルは、インターネットをモデリングすることができるチャンネルとして注目された。
【0013】
インターネット上で各パケットは、正確に伝送されるか、どんなパケットが伝送されるかは関係なく、一定の確率で正確に受信、または消去される場合だけが適用されるので、インターネットチャンネルの環境は、消去チャンネルとしてモデリングされる。
【0014】
ファウンテンコードは、様々な分野において標準化に対する論議がなされている。現在までは、2005年ラプターコード(Raptor Code)が3GPP TS 26.346 MBMSとDVB−H IP Datacastで使用される標準放送用チャンネル符号化アルゴリズムとして採択された。標準で使用されているラプターコードは、システマチック(Systematic)な特性をもつように定義された。3GPP MBMSとDVB−Hでは、このような特性のラプターコードを実現するために、プレコード(Pre−Code)過程でLTデコードを用いる。すなわち、既存のソースシンボルをラプターコード内のLTコード部分のようなソースシンボル選択パターンで符号化されたシンボルとして仮定する。したがって、これをLTデコードして得た中間段階シンボルをLT エンコードすれば、伝送すべきエンコードシンボル内には、ソースシンボルがそのまま含まれる。
【0015】
ファウンテンコードは、基本的に消去チャンネルで動作するように設計されるので、有線ネットワーク上での通信においても適しているが、無線通信でもMACレイヤー(Layer)上では、CRCが適用され、受信されたパケットが正しい情報であるか否かだけが決定されるので、消去チャンネルのような場合と見なしてファウンテンコードを適用することができる。MACレイヤーで使用される他のコーディング技法であるH−ARQと比較してみると、ファウンテンコードは、送信端と受信端との間の相互作用がなくても、受信端でエラーなしに正確に情報を受信することができるという特徴がある。したがって、両端の間で情報を正確に受信するまで繰り返し相互作用によって通信するH−ARQ伝送技法に比べて長所を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
安定的にQoSを満足させるビデオストリーミングサービスを行うためには、無線ネットワークで発生するパケット損失により発生するデータの損失を最小化するために、伝達されるパケット間の従属性を減少させて、パケット損失を最小化しなければならない。また、エラーが発生しやすい無線ネットワークで十分な数の符号化シンボルを伝送することができるか否かを予想し、同じ数のパケットでLTデコード失敗率を低減しなければならない。
【0017】
したがって、本発明の第1目的は、パケット損失を最小化するためのAnd−Orツリーを用いた符号化シンボルをパケット化する方法を提供することにある。
【0018】
また、本発明の第2目的は、パケット損失を最小化するためのAnd−Orツリーを用いた符号化シンボルをパケット化する方法を用いる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の一態様による符号化シンボルのパケット化方法は、第1ソースシンボルを決定し、AND−ORツリー構造を利用して生成した前記第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルのうちパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、前記パケット化していない第1符号化シンボルと前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを選択する符号化シンボル及び目標パケット選択段階と、前記AND−ORツリー構造を利用して、前記パケット化していない少なくとも1つの第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づいて少なくとも1つの第2符号化シンボルを生成し、前記第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化するパケット化段階とを含む。前記符号化シンボルは、ルビー変換(Luby Transform)を利用して符号化したシンボルであってもよい。符号化シンボルのパケット化方法は、前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階と前記パケット化段階でパケット化していない第1符号化シンボルが存在しない場合、前記第1ソースシンボルではなく、前記第1ソースシンボルと同じAND−ORツリー階層にあるソースシンボルを第1ソースシンボルとして前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階とパケット化段階を進行することができる。
【0020】
符号化シンボルのパケット化方法は、前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階と前記パケット化段階でパケット化していない第1符号化シンボルが存在せず、前記他のソースシンボルを第1ソースシンボルとして選択することができない場合、まだパケット化していない第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットの残ったスペースに挿入することができる。前記パケット化段階で、前記第1符号化シンボルと共にパケット化される前記第2符号化シンボルが下記の数式1を満たせる値として決定される。
【0021】
【数1】
【0022】
前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階で、前記目標パケットは、空きパケットが存在する場合には、前記空きパケットのうち少なくとも1つを目標パケットとし、
空きパケットが存在しない場合には、所定のパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きいければ、前記所定のパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きいパケットの1つを目標パケットとして決定し、前記所定のパケットの使用可能なスペースが前記Rthr+1より大きくなければ、前記Rthr+1が
(
は、第1符号化シンボルの次数を意味する。)より大きいか等しく、かつ、前記所定のパケットの使用可能なスペースが
より大きいか等しい場合に、前記所定のパケットのうち少なくとも1つとして選択される。
【0023】
前記AND−ORツリーは、前記少なくとも1つの第1符号化シンボルをAND演算した値が第1ソースシンボルの値として決定され、前記少なくとも1つの第2ソースシンボルをOR演算した値が第1符号化シンボルの値として決定され、前記少なくとも1つの第2符号化シンボルをAND演算した値が第2ソースシンボルの値として算出されることができる。前記符号化シンボルのパケット化方法は、ビデオストリーミングサービスでビデオデータを伝送するのに使用されてもよい。
【0024】
また、本発明の他の態様による符号化シンボルのパケット化装置は、符号化対象であるソースシンボルに基づいてAND−ORツリーを用いて符号化シンボルを生成し、前記符号化シンボルに基づいて前記AND−ORツリーを用いてソースシンボルを生成するツリー構造化部と、前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部とを含んでもよい。前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、第1ソースシンボルを決定し、前記AND−ORツリー構造を利用して生成した前記第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルの中にパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、前記パケット化していない第1符号化シンボルと前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを選択し、前記AND−ORツリー構造を利用して、前記パケット化していない少なくとも1つの第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づく少なくとも1つの第2符号化シンボルを生成し、前記第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化することができる。
【0025】
前記AND−ORツリーは、前記少なくとも1つの第1符号化シンボルをAND演算した値が第1ソースシンボルの値として決定される。また、前記少なくとも1つの第2ソースシンボルをOR演算した値が第1符号化シンボルの値として決定される。そして、前記少なくとも1つの第2符号化シンボルをAND演算した値が第2ソースシンボルの値として算出される。前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、パケット化していない第1符号化シンボルが存在しない場合には、前記第1ソースシンボルを除いた他の第1ソースシンボルを選択する。前記AND−ORツリー構造を利用して生成した前記他の第1ソースシンボルの符号化シンボルである第1符号化シンボルの中にパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合には、前記パケット化していない第1符号化シンボルを選択する。そして、前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを決定して、前記第1符号化シンボルを前記目標パケットに挿入する。また、前記AND−ORツリー構造を利用して、生成された前記第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づいて第2符号化シンボルを生成する。また、前記第2符号化シンボルを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化する。前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、パケット化していない第1符号化シンボルが存在せず、前記第1ソースシンボルを除いた他の第1ソースシンボルを選択することができない場合には、まだパケット化していない第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットの残ったスペースに挿入してもよい。前記符号化シンボルは、ルビー変換(Luby Transform)を利用して符号化したシンボルであってもよい。符号化シンボルのパケット化装置は、ビデオストリーミングサービスにおいて、ビデオデータを伝送するのに使用されることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態による符号化シンボルのパケット化方法及びこのような方法を用いる装置によれば、無線ネットワークにおいて、ビデオストリーミングサービスを助けるために、And−Orツリーに基づく符号化シンボルのパケット化を行う。まず、エンコードされたシンボル間の関係は、And−Orツリーを用いることによって分析される。分析された結果に基づいてエンコードされたシンボルは、パケット間に相関を減少させる方法を用いて、データ伝送の間に損失されたパケットの効果は地域的に限定される。
【0027】
したがって、無線ネットワークで発生するパケット損失を最小化することができ、特に、ビデオストリーミングサービスの品質低下を最小化し、伝達するパケット間の従属性を減少させて、安定的にQoSを満足させるビデオストリーミングサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】エラーが発生しやすい無線ネットワークでビデオストリーミングシステムを示す。
【図2】本発明の一実施形態によるLT符号化シンボル間に繰り返し的な符号化過程を示すツリー構造である。
【図3】本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法を示す概念図である。
【図4】本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による提案されたパケット化アルゴリズムの制御変数Rthrの条件をテストしたグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による提案されたパケット化アルゴリズムの制御変数Rthrの条件をテストしたグラフである。
【図7】パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【図8】パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【図9】パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【図10】パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【図11】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース1の遷移確率分布(Transition Probability Distribution)を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図12】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース1の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図13】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース1の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図14】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース1の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図15】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図16】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図17】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図18】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図19】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図20】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図21】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図22】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図23】本発明の一実施形態による符号化シンボルをパケット化して伝送する装置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるため、その実施形態を図面に例示して詳細に説明する。これは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物及び代替物を含むものと理解すべきである。なお、各図面を説明するに際して、同一の参照符号を同一の構成要素に用いる。
【0030】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、前記構成要素は、前記用語に限定されるわけではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は、第2構成要素として称することができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素として称することができる。「及び/または」という用語は、複数の関連された記載項目の組み合わせまたは複数の関連された記載項目のうちいずれかの項目を含む。
【0031】
任意の構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、「接続されて」いると記述されたときには、他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、間に他の構成要素が存在することも有り得ると理解すべきである。一方、任意の構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」や、「直接接続されている」と記述されたときには、間に他の構成要素が存在しないものと理解すべきである。
【0032】
本出願において用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なったことを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、記述された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指すものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部分、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解すべきである。
【0033】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に説明する。以下、図面において、同一の構成要素については、同一の参照符号を使用し、同一の構成要素について重複説明は省略する。
【0034】
以下、本発明の一実施形態による符号化シンボルのパケット化方法及びこのような方法を用いる装置では、ルビー変換(Luby Transform)を利用した符号化シンボルをパケット化する方法及びこのような方法を用いる装置について開示する。しかし、本発明の本質を逸脱しない範囲内で、ルビー変換コードだけでなく、他のコードにも本発明で開示された方法を適用することができ、これも、また本発明の権利範囲に属する。
【0035】
以下、本発明の実施形態において用いるLTは、ルビー変換を意味し、以下の本発明の実施形態において同一の意味として使用されることができる。
【0036】
図1は、エラーが発生しやすい無線ネットワークにおいてのビデオストリーミングシステムを示す。
【0037】
図1を参照すれば、ビデオデータは、データの量を減少させるために、ビデオコーデックによって圧縮された形態で生成される。ビデオデータは、無線ネットワークで強靭な伝送のためにルビー変換を用いてエンコードされる。LTエンコードプロセスを進行する間に、圧縮されたビデオデータストリームは、ソースブロックに分けられる。
【0038】
ソースブロックは、あらかじめ定められたサイズのソースシンボルに分割される。LT符号化シンボルは、ソースシンボルの一部とマッピングされる。LT符号化シンボルは、ソースシンボルのXOR演算を行うことによって生成される。
【0039】
このようなLT符号化シンボルを生成するプロセスは、最後のLT符号化シンボルが生成されるまで繰り返される。ソースシンボルとLT符号化シンボルのマッピング手順は、生成多項式(Generator Polynomial)により制御できる。多くの無線ネットワークは、パケット交換方式を用いるので、LT符号化シンボルは、伝送前にパケット化されなければならない。
【0040】
伝送途中に発生するパケット損失は、エラーが発生しやすい無線ネットワークで不可避な現象である。パケットが損失された場合、受信されたLT符号化シンボルの数は、成功的なデコードのためには十分でないこともある。
【0041】
仮に受信端が成功的なLTデコードのための十分なLT符号化シンボルを得るまで持続的に多数のパケットが伝送できれば、エラーが発生しやすい無線ネットワークでは、エラーのないデコードが保証される。
【0042】
しかしながら、ビデオストリーミングはディレイ制約があり、無線ネットワークは制限されたリソースなので、実際に、エラーのない成功的なデコードを保証することは難しい。このような問題を解決するために、エラーが発生しやすい無線ネットワークを介して十分な数の符号化シンボルを伝送することができるかを予想できることは重要である。
【0043】
他に重要な問題としては、同じ数のパケットでどれほどLTデコード失敗率を低減できるかに関する。繰り返し的なデコードプロセスに存在する符号化シンボル間の従属性に起因して、LTデコード性能は、符号化シンボルをどれほどパケット化するかによって変わる。それで、符号化シンボル間の従属性が考慮されていない場合、デコード性能は、著しく劣化される。例えば、LT符号化シンボルが不規則にパケットにグループ化される場合、損失されたパケットは、多くのソースシンボルが成功的にデコードされることを阻害することがある。
【0044】
一般的にビデオストリーミングデータは、データの量を減らすために、高い圧縮率での圧縮を行うので、相対的にデータ損失にさらに脆弱である。それで、損失されたデータの小さい量は、重大なビデオ品質の低下を発生させることになる。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、データ損失を減らすために、LT符号化シンボルの間では、And−Orツリーを用いる。このような分析に基づいて提案されたパケット化アルゴリズムは、各々のパケットでエンコードされたシンボル間に相関(Correlation)を増加させ、パケット間の相関を減少させる方向に設計される。
【0046】
図2は、本発明の一実施形態によるLT符号化シンボル間での繰り返し符号化する過程を示すツリー構造である。
【0047】
図2を参照すれば、シンボル間の関係を誘導するための簡単なAnd−Orツリーが示されている。
【0048】
And−Orツリーは、符号化シンボル間の関係分析のための有用なツールであって、一般的に2lの深さを有するAnd−OrツリーTlが存在する時、ルートノードの深さは、0を有し、ルートノードに直接連結された子ノードの深さは、1を有する。また、ツリーの下方に行きほど、ノードの深さは1ずつ増加するようになる。すべてのノードは、0または1の値を有する。また、深さ0、2、4、…、2l−2に位置するノードは、Or−ノードと言い、Orノードは、子ノードのOr−演算を通じて値が決定される。1,3、5、…、2l−2に位置するノードをAnd−ノードと言い、子ノードのAnd−演算を通じて値が決定される。このツリーにLTコードのシンボルをマッピングさせれば、ソースシンボルは、Or−ノードとして、符号化シンボルは、And−ノードとして見なされ、各々は、互いに親と子ノードで結ばれるようになる。
【0049】
下記の表1は、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーに使用されるシンボルとシンボルの意味を示すものである。
【0050】
【表1】
【0051】
rootはOr−ノード、TESiはAnd−ノードなので、他の目標符号化シンボルと関係なく、TESiによってrootが復号化されるためには、
に属するソースシンボルが先行的にすべて復号化されなければならない。したがって、TESiを利用してrootが成功的に復号化されるためには、深さ2に位置する符号化シンボルの影響を受けるようになる。すなわち、TESiがrootの成功的な復号化に寄与するためには、
に属するソースシンボルが先行的に復号化されなければならない。
【0052】
仮に受信端でTESiとさらに多い
に属する符号化シンボルを同時に受信する場合、
に属するソースシンボルをより多く復号化ができる。これにより、rootの復号化成功率が高くなる。これは、TESiと
に属する符号化シンボルが互いに強い依存性を有していることを意味する。
【0053】
仮にTESiが伝送過程で損失されると、ツリー上で
に属する符号化シンボルとroot間の繋がりが切れることになり、結局、
に属する符号化シンボルがrootの復号化に何ら寄与をすることができない。LT復号化成功率を高めるためには、このようなシンボル間の関係が考慮されるべきであり、この関係に基づいて下記のような3つの有用な属性を導き出せる。
【0054】
属性1:rootの復号化成功率は、
の各々を互いに異なるパケットに挿入することによって向上させることができる。
【0055】
属性2:
に属する符号化シンボルがより多く利用可能であれば、
に属するソースシンボルの復号化成功率を向上させることができる。
【0056】
属性3:rootの復号化成功率は、TESiと
に属する符号化シンボルを同じパケットに挿入することによって、向上させることができる。
【0057】
但し、i≠j or p≠qであり、
と
とを、各々ソースシンボルpとqをrootとする時のTESiとTESjとの関連する符号化シンボルの集合であるとする時、
は、空集合ではないこともある。すなわち、一部のLT符号化シンボルは、互いに異なる集合に同時に含まれることもある。
【0058】
TESiが属するパケットに一緒に挿入される
に属する符号化シンボルの数を調節することによって、このようなAnd−Orツリー間の依存性を間接的に考慮して、パケット化過程でツリー間の依存度を完全に制御するためには、非常に高い計算的な複雑度を要求する分析が必要である。
【0059】
以下、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法では、説明の便宜上、And−Orツリーの分析深さを3に制限して説明するが、And−Orツリーは、3以上の深さを有することができ、このようなLT符号化シンボルパケット化方法も本発明の権利範囲に属する。
【0060】
以下、本発明の一実施形態によれば、ツリー構造で最も上端に位置するソースシンボルを第1ソースシンボル、第1ソースシンボルをAnd−Orツリーを利用して生成した符号化シンボルを第1符号化シンボル、第1符号化シンボルをAnd−Orツリーを利用して生成したソースシンボルを第2ソースシンボル、第2ソースシンボルをAnd−Orツリーを利用して生成した符号化シンボルを第2符号化シンボルという用語に定義して用いる。
【0061】
すなわち、ツリーの深さが増加する場合、一般化してツリー構造で上端に位置するソースシンボルを第nソースシンボル、第nソースシンボルをAnd−Orツリーを利用して生成した符号化シンボルを第n符号化シンボル、第n符号化シンボルをAnd−Orツリーを利用して生成したソースシンボルを第n+1ソースシンボル、第n+1ソースシンボルをAnd−Orツリーを利用して生成した符号化シンボルを第n+1符号化シンボルという用語に定義して用いる。
【0062】
図3は、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法を示す概念図である。
【0063】
以下、本発明の実施形態では、ツリーの深さを3に限定して説明するが、これは、説明の便宜のためのものであって、本発明の本質を逸脱しない範囲内でツリーの深さは3を超える値になることもあり、このようなツリー構造を利用したパケット化方法も本発明の権利範囲に含まれる。
【0064】
図3を参照すれば、TESselを
のうちrootの復号化に寄与するために選択された目標符号化シンボルであるとすれば、前述した属性に基づいて本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムは、
とTESselに属する、より多い符号化シンボルを同じパケットに挿入するように設計されなければならない。
を、TESselと同じパケットに挿入される
に属する符号化シンボルであると定義することができる。TESselが挿入されるパケットが目標パケットであるとすれば、
に属する符号化シンボルのうちいくつかの符号化シンボルが目標パケットにTESselと共に挿入されるべきかは、提案するパケット化アルゴリズムの制御変数Rthrによって決定される。 仮にRthrが0の場合、提案するパケット化アルゴリズムは、既存のパケット化アルゴリズムと同一の動作を行う。提案するパケット化アルゴリズムの動作は、以下の段階を経て動作する。
【0065】
段階0:rootを決定する。
【0066】
段階1:rootの
において
であり、パケット化していないTESselを選択する。
(すべての
が既にパケット化されたら段階4を行う。)
【0067】
段階2:TESselを次のような規則により選択された目標パケットに挿入する(規則iは、規則(i+1)より優先順位が高い)。例えば、規則によって選択できる目標パケットがそれ以上存在しない場合は、段階4を行う。
【0068】
規則1:仮に空きパケットが存在すれば、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0069】
規則2:仮にパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きければ、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0070】
規則3:仮にRthrが
より大きいか等しく、パケットの使用可能なスペースが
より大きいか同一の場合、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0071】
規則3は、パケットの残ったスペースを活用するためのものである。規則1、2の過程を経ると、パケットに実際のRthr+1より小さいスペースが残っていることもある。この場合、Rthr+1の規則だけに従う場合、残ったスペースを活用することができない。
【0072】
例えば、パケットに10個の符号化シンボルが入れるとして、Rthrを5とすると、規則2に従う場合、パケットに6個のシンボル
が挿入される。すると、このパケットに4個の符号化シンボルが入ることのできるスペースが残るようになり、このパケットは、規則1と2を満たすことができない。この場合、規則3によって
を満たせる最小スペースが存在すれば、
個の
に属する符号化シンボルを挿入することができる。
【0073】
段階3:
に属する符号化シンボルのうち、Rthr個を任意に選択して
を決定する(但し、
を集合Aの大きさ(cardinality)とする時、
を満たす。)。そして、
を図3に示すように、目標パケットに挿入する。
【0074】
すなわち、符号化対象である第1ソースシンボルを決定し、And−Orツリー構造を利用して生成した第1ソースシンボルの符号化シンボルである第1符号化シンボルのうちパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、パケット化していない第1符号化シンボルを選択して、パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを決定する。また、第1符号化シンボルを前記目標パケットに挿入する。And−Orツリー構造を利用して、生成された前記第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、And−Orツリー構造を利用して第2ソースシンボルに基づいて第2符号化シンボルを生成する。前記第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化できる。
【0075】
ツリーの深さが3以上の場合において、符号化対象である第nソースシンボルを決定し、And−Orツリー構造を利用して生成した前記第nソースシンボルの符号化シンボルである第n符号化シンボルのうちパケット化していない第n符号化シンボルが存在する場合には前記パケット化していない第n符号化シンボルを選択し、前記パケット化していない第n符号化シンボルを挿入する目標パケットを決定して、前記第n符号化シンボルを前記目標パケットに挿入することができる。また、And−Orツリー構造を利用して、生成された第n符号化シンボルに基づく第n+1ソースシンボルを生成した後、And−Orツリー構造を利用して第n+1ソースシンボルに基づいて第n+1符号化シンボルを生成し、第n+1符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第n符号化シンボルと共にパケット化することができる。
【0076】
段階4:仮にこれ以上rootを選択することができない場合は、段階5を行う。そうではない場合は、他のrootを選択して、段階1〜3を繰り返す。
【0077】
段階5:残りのパケット化していない符号化シンボルをパケットの空きスペースに挿入する。
【0078】
図4は、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法を示すフローチャートである。
【0079】
図4を参照すれば、rootを決定することができる(段階S400)。
【0080】
パケット化のためには、パケット化を行うrootを優先的に決定しなければならない。
【0081】
パケット化していないTESselが存在するか否かを判断することができる(段階S410)。
【0082】
パケット化していないTESselが存在しない場合、段階S460に進み、他のrootを選択することができるか否かを判断し、他のrootが選択できる場合、ルートを決定する段階S400を繰り返す。
【0083】
他のrootか存在しない場合、残った符号化シンボルをパケットの空きスペースに入れる段階S470を行う。
【0084】
パケット化していないTESselが存在する場合、そのパケット化していないTESsel
を選択することができる(段階S420)。
【0085】
rootの
において
で、かつ、パケット化していないTESselを選択する。
【0086】
TESselを挿入する目標パケットを決定することができる(段階S430)。
【0087】
TESselを目標パケットに挿入するには、下記のような規則を用いて目標パケットを決定することができる。小さい番号の規則が大きい番号の規則より優先して適用される。
【0088】
規則1:仮に空きパケットが存在すれば、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0089】
規則2:仮にパケットの使用可能スペースがRthr+1より大きければ、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0090】
規則3:仮にRthrが
より大きいか等しく、パケットの使用可能なスペースが
より大きいか同一の場合、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0091】
目標パケットを決定する上記規則は、小さい数字の規則1が最も優先順位が高く、規則3が最も優先順位が低い。すなわち、規則1を満足するパケットが優先的に目標パケットとして選択される。
【0092】
TESselを決定された目標パケットに挿入することができる(段階S440)。
【0093】
段階S430によって決定された目標パケットにTESselを挿入する。
【0094】
を決定し、目標パケットに挿入することができる(段階S450)。
【0095】
に属する符号化シンボルのうちRthr個を任意に選択し、
を決定する(但し、
を集合Aの大きさとする時、
を満たす。)。そして、
を、図3に示すように目標パケットに挿入する。
【0096】
rootを選択することができるか否かを判断する(段階S460)。
【0097】
パケット化が進んでいないrootが存在する場合、当該rootを選択し、段階S400から段階S450を繰り返し行う。
【0098】
選択できるrootが存在しない場合、残りのパケット化していない符号化シンボルをパケットの残った空きスペースに挿入することができる(段階S470)。
【0099】
本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化アルゴリズムの性能の尺度は、成功的に受信した
に属する符号化シンボルの数である。
と
を、各々提案されたパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムを適用した時、エラーなく成功的に受信端で受信した
に属する符号化シンボルであると定義すると、
を満たす場合、提案されたパケット化アルゴリズムが既存のパケット化アルゴリズムよりさらに優れた性能を有すると判断することができる。
【0100】
パケット化アルゴリズム適用による性能分析のために、TESselが伝送過程で損失された場合と正常に受信端で利用可能な場合のような2つの状況が考えられる。まず、TESselが伝送過程で損失された場合は、前述のように、ツリー上で
に属する符号化シンボルとroot間の連結が切れるようになり、結局、
に属する符号化シンボルがrootの復号化に何ら寄与することができない。次は、TESselが正常に受信端で受信された場合である。この場合、パケット損失がランダムに発生すると仮定すれば、下記の数式2のように、
と
を計算することができる。
【0101】
【数2】
【0102】
ここで、nsymは、生成された符号化シンボルの数、npktは、伝送されるパケット数(すなわち、
より小さくない最小の整数)、αは、パケット化されず、残った符号化シンボルをパケットの残った空きスペースに挿入する過程で目標パケットに含まれている
に属する平均符号化シンボルの数を意味する。また、PLRは、パケット損失率を意味する。
【0103】
これに基づいて
を常に保障するために、Rthrは、下記の数式3を満さなければならない。
【0104】
【数3】
【0105】
数式2と数式3によって下記数式4が導かれる。
【0106】
【数4】
【0107】
一般的に、LT符号化シンボルの次数確率分布は、{Ω1・・・・・Ωk}で示し、ここで、kは、ソースシンボルの数、Ωiは、符号化シンボルが次数iをもつ確率を意味する。LTコードの次数確率分布を下記数式5の生成多項式で表すと、
【0108】
【数5】
【0109】
符号化シンボルの平均次数をΩ′(1)で示すことができる。したがって、
と
を下記数式6のように示すことができる。
【0110】
【数6】
【0111】
ここで、γは、LT符号化オーバーヘッドの割合(すなわち、
)を意味する。最終的に、本発明は、提案されたパケット化アルゴリズムが既存のパケット化アルゴリズムよりさらに優れた性能を有することを証明するためのRthrの条件を下記数式7のように誘導することができる。
【0112】
【数7】
【0113】
図5及び図6は、本発明の一実施形態による提案されたパケット化アルゴリズムの制御変数Rthrの条件をテストしたグラフである。
【0114】
図5は、k=1000であり、spacket=10である場合、Rthrの下限(Lower Limit)を示すグラフである。
【0115】
図6は、k=2000であり、spacket=10である場合、Rthrの下限を示すグラフである。
【0116】
図5及び図6を参照すれば、数式7のkとspacketが固定された場合、γが増加することが分かる。図4から分かるように、γの範囲でRthrの下限が常に1より小さい。図3の段階3で述べたように、
Rthrは、1と
間の整数である。
【0117】
本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化アルゴリズムが広い範囲のγにおいて既存のパケット化アルゴリズムより高いLTデコード成功率を有することを示す。
【0118】
図7〜図10及び表2は、パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【0119】
下記の表2は、k=1000、γ=1.26である場合、
Rthrと
の関係を示すものである。
【0120】
【表2】
【0121】
ここで、目標パケットで
の元素の数を比較する。実験結果は、表2と図7〜図10で示す。
【0122】
上記表2から分かるように、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムがRthrの値に関係なく、既存のパケット化アルゴリズムより
の値が大きい。さらに、
の平均値は、Rthrが増加するほど大きくなる(例えば、既存のパケット化アルゴリズムに比べて、
の多くの元素がTESselと共にパケット化される)。
の標準偏差値も同一の現象を示す。
【0123】
増加された標準偏差は、デコード成功率がルートによって異なることができることを意味する。この差は、ツリー間の従属性によって起きる。事実上、標準偏差が相対的に小さくて、すべてのシンボルにおいて同一のデコード成功率を保障することは必要である。標準偏差を果たせる範囲に維持すると同時に、
の平均値を最大化するために、Rthrは、調節されなければならない。
【0124】
図7〜図10は、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムとを比較し、TESselと共にパケット化された
の数の差を示すグラフである。
【0125】
図7〜図10のグラフは、spacketが10で、Rthrが5に固定された場合を仮定した。
【0126】
図7は、k=1000及びγ=1.26の場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムを適用した場合、TESselと共にパケット化された
の数を示すグラフである。
【0127】
図8は、k=1000及びγ=1.26の場合、既存のパケット化アルゴリズムを適用した場合、TESselと共にパケット化された
の数を示すグラフである。
【0128】
図9は、k=2000及びγ=1.20の場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムを適用した場合、TESselと共にパケット化された
の数を示すグラフである。
【0129】
図10は、k=2000及びγ=1.20の場合、既存のパケット化アルゴリズムを適用した場合、TESselと共にパケット化された
の数を示すグラフである。
【0130】
図8及び図10から分かるように、TESselと共にパケット化された
の数が均一に分布している。
【0131】
また、図7及び図9から分かるように、And−Orツリー間の従属性が考慮されていないため、提案されたパケット化アルゴリズムが進んでいる間に、TESselと共にパケット化された
の数は減少するにもかかわらず、既存のパケット化アルゴリズムより好ましい性能を示す。
【0132】
無線ネットワークでパケット損失パターンは、任意的と言うよりも、集中的な形態を示す。実際的な無線環境で、提案されたパケット化性能を比較するために、2つの状態を有するマルコフチャンネルモデルが適用される。状態遷移確率は、p(パケット損失がない状態からパケット損失がある状態に遷移する確率)とq(パケット損失がある状態からパケット損失がない状態に遷移する確率)を含む。
【0133】
様々な無線ネットワークを考慮するために、本発明は、下記の表3で示された3つの確率分布をテストする。
【0134】
【表3】
【0135】
ケース1とケース2では、大きいパケット損失率及び集中したパケット損失長さ(Burst Packet Loss Length)が非常に頻繁に発生するので、成功的なLTデコードのためのγは、パケット損失パターンが不規則な場合より増加する。
【0136】
ケース3で要求されるγは、相対的にパケット損失パターンが不規則な場合と近似の値を有する。
【0137】
図11〜図14は、パケット損失パターンが集中している場合、ケース1の遷移確率分布(Transition Probability Distribution)を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【0138】
一般的にパケット損失(Packet loss)が発生する過程で、ファウンテンコードは、受信側で符号化シンボルをより多く受けるほど復号化成功率も高くなる。したがって、グラフを見れば、オーバーヘッド比率(overhead ratio)が増加するほど、受信側で受けられる符号化シンボルの数が上昇し、結果、平均LTデコード失敗率(average LT decoding failurerate)が0に収斂される傾向が見られる(つまり、すべてのソースシンボルが復号化される方向に収斂するようにする)。
【0139】
ソースシンボルの復元失敗率が低くなるほど、映像のPSNRは上昇できる。この時、提案されたパケット化技法と既存のパケット化技法を適用した時、性能を比較すると、提案されたパケット化を適用した場合、さらに優れた復号化性能とPSNR値を提供することが分かる。
【0140】
図11及び図12は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Harbour映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0141】
図11を参照すれば、平均LTデコード失敗率において既存のパケット化アルゴリズムより本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合2倍程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムとの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂される。
【0142】
図12を参照すれば、平均PSNRにおいて本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約2dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0143】
図13及び図14は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Soccer映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0144】
図13を参照すれば、平均LTデコード失敗率における本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより0.01程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0145】
図14を参照すれば、平均PSNRにおける本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約2dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0146】
図15〜図18は、パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布(Transition Probability Distribution)を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【0147】
図15及び図16は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Harbour映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0148】
図15を参照すれば、平均LTデコード失敗率における本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより2倍程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0149】
図16を参照すれば、平均PSNRにおける本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約5dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0150】
図17及び図18は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Soccer映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0151】
図17を参照すれば、平均LTデコード失敗率における本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより0.02程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0152】
図18を参照すれば、平均PSNRにおける本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約3dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0153】
図19〜図22は、パケット損失パターンが集中している場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【0154】
図19及び図20は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Harbour映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0155】
図19を参照すれば、平均LTデコード失敗率において本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより2倍程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0156】
図20を参照すれば、平均PSNRにおいて本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約4dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0157】
図21及び図22は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Soccer映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0158】
図21を参照すれば、平均LTデコード失敗率において本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより0.01程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0159】
図22を参照すれば、平均PSNRにおいて本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約3dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0160】
図23は、本発明の一実施形態による符号化シンボルをパケット化して伝送する装置を示す概念図である。
【0161】
図23を参照すれば、符号化シンボルパケット化伝送装置は、ツリー構造化部2300と、パケット化部2310と、伝送部2320とを含む。
【0162】
ツリー構造化部2300は、ソースシンボルに基づいてAnd−Orツリーを用いてツリー構造を生成することができる。
【0163】
And−Orツリーは、符号化シンボル間の関係分析のための有用なツールであって、一般的に2lの深さを有するAnd−OrツリーTlが存在する時、ルートノードの深さは、0を有し、ルートノードに直接連結された子ノードの深さは、1を有する。また、ツリーの下方に行くほどノードの深さが1ずつ増加するようになる。すべてのノードは、0または1の値を有する。また、深さ0、2、4、…、2l−2に位置するノードは、Or−ノードと言い、Orノードは、子ノードのOr−演算を通じて値が決定される。1、3、5、…、2l−1に位置するノードをAnd−ノードと言い、子ノードのAnd−演算を通じて値が決定される。このツリーにLTコードのシンボルをマッピングさせれば、ソースシンボルはOr−ノードとして見なされ、符号化シンボルはAnd−ノードとして見なされ、各々は互いに親と子ノードで結ばれるようになる。
【0164】
前述の図2に開示された本発明の一実施形態によるツリー構造を活用してソースシンボルを基礎にパケット化するためのツリー構造を生成することができる。
【0165】
本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法では、説明の便宜上、And−Orツリーの分析深さを3に制限して説明するが、And−Orツリーは、3以上の深さを有することもでき、このようなLT符号化シンボルパケット化方法も本発明の権利範囲に属する。
【0166】
パケット化部2310は、ツリー構造化部2300から提供されたツリー構造情報を基礎にして符号化シンボルをパケット化することができる。TESiが属するパケットに一緒に挿入される
に属する符号化シンボルの数を調節することによって、このようなAnd−Orツリー間の依存性を間接的に考慮してパケット化することができる。
【0167】
伝送部2320は、パケット化部で生成されたパケットを、通信チャンネルを利用して伝送することができる。
【0168】
ビデオストリーミングは、ディレイ制約があり、無線ネットワークは、制限されたリソースなので、実際に、エラーのない成功的なデコードを保証することは難しい。このような問題を解決するために、エラーが発生しやすい無線ネットワークを通じて十分な数の符号化シンボルを伝送することができるかどうかが予想できることは重要である。
【0169】
したがって、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたパケット化方法を用いる場合、特にパケット化を利用してビデオコーデックにより圧縮された形態であるビデオデータを伝送する方法において効果的に活用されることができる。
【0170】
以上、実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更できることは理解できることである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、符号化シンボルのパケット化方法及びその方法を用いる装置に関し、より詳細には、シンボルをパケット化する方法及びその方法を用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク及びビデオコーディングを研究する分野においてビデオストリーミング技術は、重要に取り扱われている分野である。ビデオは、多量のデータを有しているだけでなく、データのQoS(Quality of Service)要求に起因して、実際ネットワーク環境でビデオストリーミングトラフィックを伝送することは難しい。
【0003】
このようなビデオストリーミングにおいてビデオデータの量を減らすために効果的なビデオ圧縮アルゴリズムを用いることが必須である。
【0004】
今まで効果的なビデオ圧縮アルゴリズムのためのデジタルビデオコーディング技術は、急速に発展した。MPEG−1、2、4、とH.261、H.263/+/++及びH.264のような国際的標準は、ISO/IECとITU−Tの多様な要求事項を満足させるために提案されてきた。圧縮されたビデオデータは、エントロピーコーダーの特性とビデオの場面変換/不規則な動き変化に起因して、多様なビットレートを有する。高い圧縮率で圧縮されたビデオデータは、低い圧縮率で圧縮されたビデオデータより相対的に伝送エラーと損失に弱い。
【0005】
無線ネットワークで高い品質の安定的なビデオストリーミングサービスを効果的に提供することは、解決すべき課題である。
【0006】
ビデオデータを伝送するに際して、経路損失、フェーディング、マルチパス及び干渉現象は、無線リンクで受信されたビデオデータのSNR(Signal to Noise Ratio)で不規則な変化をもたらす。
【0007】
低いSNRで受信された信号をデコードすることは難しく、その結果として、BER(Bit Error Rate)を増加させる。無線ネットワークでデータ伝送エラーと損失を緩和させるためには、ARQ(Automatic Repeatre Quest)とFEC(Forward Error Correction)が広く使用される。
【0008】
ARQは、フィードバック情報を受信した後、損失されたデータをさらに伝送しなければならないので、ディレイを増加させる。これによって、ARQは、ディレイに敏感なビデオストリーミングに適しないエラー防止方法になる。
【0009】
しかしながら、FECは、ネットワークでフィードバック情報が不要であり、データの損失とエラーを補償するための追加データを必要とする。このようなFECの特徴は、ARQ方法に比べてディレイに敏感なビデオストリーミングにおいて適している。
【0010】
ルビー変換、ラプター、オンラインコードのようなファウンテン(Fountain)コードは、ブロック基盤のFEC技術である。このようなファウンテンコードは、高いコーディング効率、低いエンコード/デコード処理時間及び適応性のような特性を有しているので、エラーが発生しやすい無線ネットワークでディレイに敏感なデータを伝送するのに非常に有用である。
【0011】
ファウンテンコードは、チャンネルコーディングのレートレスコード(Rateless code)であって、送信端側で受信端に対する情報が足りないか、または受信端の数が非常に多い場合のように、双方向情報伝送が難しい時にも、単方向伝送だけでエラーなしで完全な受信を可能にするという長所を持つ。
【0012】
これまでファウンテンコードは、消去チャンネル(Erasure Channel)において研究されて来ており、その他のチャンネルにおける適用が活発に進んでいる。消去チャンネルは、どんな情報が送信されるかに関係なく、一定の確率でその情報が消去され、何が伝送されたか分からないチャンネルである。このチャンネルは、理論的な仮想チャンネルとして認識されてきたが、最近、インターネットの発展に伴い、消去チャンネルは、インターネットをモデリングすることができるチャンネルとして注目された。
【0013】
インターネット上で各パケットは、正確に伝送されるか、どんなパケットが伝送されるかは関係なく、一定の確率で正確に受信、または消去される場合だけが適用されるので、インターネットチャンネルの環境は、消去チャンネルとしてモデリングされる。
【0014】
ファウンテンコードは、様々な分野において標準化に対する論議がなされている。現在までは、2005年ラプターコード(Raptor Code)が3GPP TS 26.346 MBMSとDVB−H IP Datacastで使用される標準放送用チャンネル符号化アルゴリズムとして採択された。標準で使用されているラプターコードは、システマチック(Systematic)な特性をもつように定義された。3GPP MBMSとDVB−Hでは、このような特性のラプターコードを実現するために、プレコード(Pre−Code)過程でLTデコードを用いる。すなわち、既存のソースシンボルをラプターコード内のLTコード部分のようなソースシンボル選択パターンで符号化されたシンボルとして仮定する。したがって、これをLTデコードして得た中間段階シンボルをLT エンコードすれば、伝送すべきエンコードシンボル内には、ソースシンボルがそのまま含まれる。
【0015】
ファウンテンコードは、基本的に消去チャンネルで動作するように設計されるので、有線ネットワーク上での通信においても適しているが、無線通信でもMACレイヤー(Layer)上では、CRCが適用され、受信されたパケットが正しい情報であるか否かだけが決定されるので、消去チャンネルのような場合と見なしてファウンテンコードを適用することができる。MACレイヤーで使用される他のコーディング技法であるH−ARQと比較してみると、ファウンテンコードは、送信端と受信端との間の相互作用がなくても、受信端でエラーなしに正確に情報を受信することができるという特徴がある。したがって、両端の間で情報を正確に受信するまで繰り返し相互作用によって通信するH−ARQ伝送技法に比べて長所を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
安定的にQoSを満足させるビデオストリーミングサービスを行うためには、無線ネットワークで発生するパケット損失により発生するデータの損失を最小化するために、伝達されるパケット間の従属性を減少させて、パケット損失を最小化しなければならない。また、エラーが発生しやすい無線ネットワークで十分な数の符号化シンボルを伝送することができるか否かを予想し、同じ数のパケットでLTデコード失敗率を低減しなければならない。
【0017】
したがって、本発明の第1目的は、パケット損失を最小化するためのAnd−Orツリーを用いた符号化シンボルをパケット化する方法を提供することにある。
【0018】
また、本発明の第2目的は、パケット損失を最小化するためのAnd−Orツリーを用いた符号化シンボルをパケット化する方法を用いる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の一態様による符号化シンボルのパケット化方法は、第1ソースシンボルを決定し、AND−ORツリー構造を利用して生成した前記第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルのうちパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、前記パケット化していない第1符号化シンボルと前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを選択する符号化シンボル及び目標パケット選択段階と、前記AND−ORツリー構造を利用して、前記パケット化していない少なくとも1つの第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づいて少なくとも1つの第2符号化シンボルを生成し、前記第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化するパケット化段階とを含む。前記符号化シンボルは、ルビー変換(Luby Transform)を利用して符号化したシンボルであってもよい。符号化シンボルのパケット化方法は、前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階と前記パケット化段階でパケット化していない第1符号化シンボルが存在しない場合、前記第1ソースシンボルではなく、前記第1ソースシンボルと同じAND−ORツリー階層にあるソースシンボルを第1ソースシンボルとして前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階とパケット化段階を進行することができる。
【0020】
符号化シンボルのパケット化方法は、前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階と前記パケット化段階でパケット化していない第1符号化シンボルが存在せず、前記他のソースシンボルを第1ソースシンボルとして選択することができない場合、まだパケット化していない第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットの残ったスペースに挿入することができる。前記パケット化段階で、前記第1符号化シンボルと共にパケット化される前記第2符号化シンボルが下記の数式1を満たせる値として決定される。
【0021】
【数1】
【0022】
前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階で、前記目標パケットは、空きパケットが存在する場合には、前記空きパケットのうち少なくとも1つを目標パケットとし、
空きパケットが存在しない場合には、所定のパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きいければ、前記所定のパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きいパケットの1つを目標パケットとして決定し、前記所定のパケットの使用可能なスペースが前記Rthr+1より大きくなければ、前記Rthr+1が
(
は、第1符号化シンボルの次数を意味する。)より大きいか等しく、かつ、前記所定のパケットの使用可能なスペースが
より大きいか等しい場合に、前記所定のパケットのうち少なくとも1つとして選択される。
【0023】
前記AND−ORツリーは、前記少なくとも1つの第1符号化シンボルをAND演算した値が第1ソースシンボルの値として決定され、前記少なくとも1つの第2ソースシンボルをOR演算した値が第1符号化シンボルの値として決定され、前記少なくとも1つの第2符号化シンボルをAND演算した値が第2ソースシンボルの値として算出されることができる。前記符号化シンボルのパケット化方法は、ビデオストリーミングサービスでビデオデータを伝送するのに使用されてもよい。
【0024】
また、本発明の他の態様による符号化シンボルのパケット化装置は、符号化対象であるソースシンボルに基づいてAND−ORツリーを用いて符号化シンボルを生成し、前記符号化シンボルに基づいて前記AND−ORツリーを用いてソースシンボルを生成するツリー構造化部と、前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部とを含んでもよい。前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、第1ソースシンボルを決定し、前記AND−ORツリー構造を利用して生成した前記第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルの中にパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、前記パケット化していない第1符号化シンボルと前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを選択し、前記AND−ORツリー構造を利用して、前記パケット化していない少なくとも1つの第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づく少なくとも1つの第2符号化シンボルを生成し、前記第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化することができる。
【0025】
前記AND−ORツリーは、前記少なくとも1つの第1符号化シンボルをAND演算した値が第1ソースシンボルの値として決定される。また、前記少なくとも1つの第2ソースシンボルをOR演算した値が第1符号化シンボルの値として決定される。そして、前記少なくとも1つの第2符号化シンボルをAND演算した値が第2ソースシンボルの値として算出される。前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、パケット化していない第1符号化シンボルが存在しない場合には、前記第1ソースシンボルを除いた他の第1ソースシンボルを選択する。前記AND−ORツリー構造を利用して生成した前記他の第1ソースシンボルの符号化シンボルである第1符号化シンボルの中にパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合には、前記パケット化していない第1符号化シンボルを選択する。そして、前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを決定して、前記第1符号化シンボルを前記目標パケットに挿入する。また、前記AND−ORツリー構造を利用して、生成された前記第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づいて第2符号化シンボルを生成する。また、前記第2符号化シンボルを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化する。前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、パケット化していない第1符号化シンボルが存在せず、前記第1ソースシンボルを除いた他の第1ソースシンボルを選択することができない場合には、まだパケット化していない第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットの残ったスペースに挿入してもよい。前記符号化シンボルは、ルビー変換(Luby Transform)を利用して符号化したシンボルであってもよい。符号化シンボルのパケット化装置は、ビデオストリーミングサービスにおいて、ビデオデータを伝送するのに使用されることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態による符号化シンボルのパケット化方法及びこのような方法を用いる装置によれば、無線ネットワークにおいて、ビデオストリーミングサービスを助けるために、And−Orツリーに基づく符号化シンボルのパケット化を行う。まず、エンコードされたシンボル間の関係は、And−Orツリーを用いることによって分析される。分析された結果に基づいてエンコードされたシンボルは、パケット間に相関を減少させる方法を用いて、データ伝送の間に損失されたパケットの効果は地域的に限定される。
【0027】
したがって、無線ネットワークで発生するパケット損失を最小化することができ、特に、ビデオストリーミングサービスの品質低下を最小化し、伝達するパケット間の従属性を減少させて、安定的にQoSを満足させるビデオストリーミングサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】エラーが発生しやすい無線ネットワークでビデオストリーミングシステムを示す。
【図2】本発明の一実施形態によるLT符号化シンボル間に繰り返し的な符号化過程を示すツリー構造である。
【図3】本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法を示す概念図である。
【図4】本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による提案されたパケット化アルゴリズムの制御変数Rthrの条件をテストしたグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による提案されたパケット化アルゴリズムの制御変数Rthrの条件をテストしたグラフである。
【図7】パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【図8】パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【図9】パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【図10】パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【図11】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース1の遷移確率分布(Transition Probability Distribution)を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図12】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース1の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図13】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース1の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図14】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース1の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図15】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図16】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図17】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図18】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図19】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図20】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図21】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図22】パケット損失パターンが集中されている場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【図23】本発明の一実施形態による符号化シンボルをパケット化して伝送する装置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるため、その実施形態を図面に例示して詳細に説明する。これは、本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物及び代替物を含むものと理解すべきである。なお、各図面を説明するに際して、同一の参照符号を同一の構成要素に用いる。
【0030】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、前記構成要素は、前記用語に限定されるわけではない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲内で、第1構成要素は、第2構成要素として称することができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素として称することができる。「及び/または」という用語は、複数の関連された記載項目の組み合わせまたは複数の関連された記載項目のうちいずれかの項目を含む。
【0031】
任意の構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか、「接続されて」いると記述されたときには、他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、間に他の構成要素が存在することも有り得ると理解すべきである。一方、任意の構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」や、「直接接続されている」と記述されたときには、間に他の構成要素が存在しないものと理解すべきである。
【0032】
本出願において用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なったことを意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、記述された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指すものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部分、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解すべきである。
【0033】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態をさらに詳細に説明する。以下、図面において、同一の構成要素については、同一の参照符号を使用し、同一の構成要素について重複説明は省略する。
【0034】
以下、本発明の一実施形態による符号化シンボルのパケット化方法及びこのような方法を用いる装置では、ルビー変換(Luby Transform)を利用した符号化シンボルをパケット化する方法及びこのような方法を用いる装置について開示する。しかし、本発明の本質を逸脱しない範囲内で、ルビー変換コードだけでなく、他のコードにも本発明で開示された方法を適用することができ、これも、また本発明の権利範囲に属する。
【0035】
以下、本発明の実施形態において用いるLTは、ルビー変換を意味し、以下の本発明の実施形態において同一の意味として使用されることができる。
【0036】
図1は、エラーが発生しやすい無線ネットワークにおいてのビデオストリーミングシステムを示す。
【0037】
図1を参照すれば、ビデオデータは、データの量を減少させるために、ビデオコーデックによって圧縮された形態で生成される。ビデオデータは、無線ネットワークで強靭な伝送のためにルビー変換を用いてエンコードされる。LTエンコードプロセスを進行する間に、圧縮されたビデオデータストリームは、ソースブロックに分けられる。
【0038】
ソースブロックは、あらかじめ定められたサイズのソースシンボルに分割される。LT符号化シンボルは、ソースシンボルの一部とマッピングされる。LT符号化シンボルは、ソースシンボルのXOR演算を行うことによって生成される。
【0039】
このようなLT符号化シンボルを生成するプロセスは、最後のLT符号化シンボルが生成されるまで繰り返される。ソースシンボルとLT符号化シンボルのマッピング手順は、生成多項式(Generator Polynomial)により制御できる。多くの無線ネットワークは、パケット交換方式を用いるので、LT符号化シンボルは、伝送前にパケット化されなければならない。
【0040】
伝送途中に発生するパケット損失は、エラーが発生しやすい無線ネットワークで不可避な現象である。パケットが損失された場合、受信されたLT符号化シンボルの数は、成功的なデコードのためには十分でないこともある。
【0041】
仮に受信端が成功的なLTデコードのための十分なLT符号化シンボルを得るまで持続的に多数のパケットが伝送できれば、エラーが発生しやすい無線ネットワークでは、エラーのないデコードが保証される。
【0042】
しかしながら、ビデオストリーミングはディレイ制約があり、無線ネットワークは制限されたリソースなので、実際に、エラーのない成功的なデコードを保証することは難しい。このような問題を解決するために、エラーが発生しやすい無線ネットワークを介して十分な数の符号化シンボルを伝送することができるかを予想できることは重要である。
【0043】
他に重要な問題としては、同じ数のパケットでどれほどLTデコード失敗率を低減できるかに関する。繰り返し的なデコードプロセスに存在する符号化シンボル間の従属性に起因して、LTデコード性能は、符号化シンボルをどれほどパケット化するかによって変わる。それで、符号化シンボル間の従属性が考慮されていない場合、デコード性能は、著しく劣化される。例えば、LT符号化シンボルが不規則にパケットにグループ化される場合、損失されたパケットは、多くのソースシンボルが成功的にデコードされることを阻害することがある。
【0044】
一般的にビデオストリーミングデータは、データの量を減らすために、高い圧縮率での圧縮を行うので、相対的にデータ損失にさらに脆弱である。それで、損失されたデータの小さい量は、重大なビデオ品質の低下を発生させることになる。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、データ損失を減らすために、LT符号化シンボルの間では、And−Orツリーを用いる。このような分析に基づいて提案されたパケット化アルゴリズムは、各々のパケットでエンコードされたシンボル間に相関(Correlation)を増加させ、パケット間の相関を減少させる方向に設計される。
【0046】
図2は、本発明の一実施形態によるLT符号化シンボル間での繰り返し符号化する過程を示すツリー構造である。
【0047】
図2を参照すれば、シンボル間の関係を誘導するための簡単なAnd−Orツリーが示されている。
【0048】
And−Orツリーは、符号化シンボル間の関係分析のための有用なツールであって、一般的に2lの深さを有するAnd−OrツリーTlが存在する時、ルートノードの深さは、0を有し、ルートノードに直接連結された子ノードの深さは、1を有する。また、ツリーの下方に行きほど、ノードの深さは1ずつ増加するようになる。すべてのノードは、0または1の値を有する。また、深さ0、2、4、…、2l−2に位置するノードは、Or−ノードと言い、Orノードは、子ノードのOr−演算を通じて値が決定される。1,3、5、…、2l−2に位置するノードをAnd−ノードと言い、子ノードのAnd−演算を通じて値が決定される。このツリーにLTコードのシンボルをマッピングさせれば、ソースシンボルは、Or−ノードとして、符号化シンボルは、And−ノードとして見なされ、各々は、互いに親と子ノードで結ばれるようになる。
【0049】
下記の表1は、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーに使用されるシンボルとシンボルの意味を示すものである。
【0050】
【表1】
【0051】
rootはOr−ノード、TESiはAnd−ノードなので、他の目標符号化シンボルと関係なく、TESiによってrootが復号化されるためには、
に属するソースシンボルが先行的にすべて復号化されなければならない。したがって、TESiを利用してrootが成功的に復号化されるためには、深さ2に位置する符号化シンボルの影響を受けるようになる。すなわち、TESiがrootの成功的な復号化に寄与するためには、
に属するソースシンボルが先行的に復号化されなければならない。
【0052】
仮に受信端でTESiとさらに多い
に属する符号化シンボルを同時に受信する場合、
に属するソースシンボルをより多く復号化ができる。これにより、rootの復号化成功率が高くなる。これは、TESiと
に属する符号化シンボルが互いに強い依存性を有していることを意味する。
【0053】
仮にTESiが伝送過程で損失されると、ツリー上で
に属する符号化シンボルとroot間の繋がりが切れることになり、結局、
に属する符号化シンボルがrootの復号化に何ら寄与をすることができない。LT復号化成功率を高めるためには、このようなシンボル間の関係が考慮されるべきであり、この関係に基づいて下記のような3つの有用な属性を導き出せる。
【0054】
属性1:rootの復号化成功率は、
の各々を互いに異なるパケットに挿入することによって向上させることができる。
【0055】
属性2:
に属する符号化シンボルがより多く利用可能であれば、
に属するソースシンボルの復号化成功率を向上させることができる。
【0056】
属性3:rootの復号化成功率は、TESiと
に属する符号化シンボルを同じパケットに挿入することによって、向上させることができる。
【0057】
但し、i≠j or p≠qであり、
と
とを、各々ソースシンボルpとqをrootとする時のTESiとTESjとの関連する符号化シンボルの集合であるとする時、
は、空集合ではないこともある。すなわち、一部のLT符号化シンボルは、互いに異なる集合に同時に含まれることもある。
【0058】
TESiが属するパケットに一緒に挿入される
に属する符号化シンボルの数を調節することによって、このようなAnd−Orツリー間の依存性を間接的に考慮して、パケット化過程でツリー間の依存度を完全に制御するためには、非常に高い計算的な複雑度を要求する分析が必要である。
【0059】
以下、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法では、説明の便宜上、And−Orツリーの分析深さを3に制限して説明するが、And−Orツリーは、3以上の深さを有することができ、このようなLT符号化シンボルパケット化方法も本発明の権利範囲に属する。
【0060】
以下、本発明の一実施形態によれば、ツリー構造で最も上端に位置するソースシンボルを第1ソースシンボル、第1ソースシンボルをAnd−Orツリーを利用して生成した符号化シンボルを第1符号化シンボル、第1符号化シンボルをAnd−Orツリーを利用して生成したソースシンボルを第2ソースシンボル、第2ソースシンボルをAnd−Orツリーを利用して生成した符号化シンボルを第2符号化シンボルという用語に定義して用いる。
【0061】
すなわち、ツリーの深さが増加する場合、一般化してツリー構造で上端に位置するソースシンボルを第nソースシンボル、第nソースシンボルをAnd−Orツリーを利用して生成した符号化シンボルを第n符号化シンボル、第n符号化シンボルをAnd−Orツリーを利用して生成したソースシンボルを第n+1ソースシンボル、第n+1ソースシンボルをAnd−Orツリーを利用して生成した符号化シンボルを第n+1符号化シンボルという用語に定義して用いる。
【0062】
図3は、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法を示す概念図である。
【0063】
以下、本発明の実施形態では、ツリーの深さを3に限定して説明するが、これは、説明の便宜のためのものであって、本発明の本質を逸脱しない範囲内でツリーの深さは3を超える値になることもあり、このようなツリー構造を利用したパケット化方法も本発明の権利範囲に含まれる。
【0064】
図3を参照すれば、TESselを
のうちrootの復号化に寄与するために選択された目標符号化シンボルであるとすれば、前述した属性に基づいて本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムは、
とTESselに属する、より多い符号化シンボルを同じパケットに挿入するように設計されなければならない。
を、TESselと同じパケットに挿入される
に属する符号化シンボルであると定義することができる。TESselが挿入されるパケットが目標パケットであるとすれば、
に属する符号化シンボルのうちいくつかの符号化シンボルが目標パケットにTESselと共に挿入されるべきかは、提案するパケット化アルゴリズムの制御変数Rthrによって決定される。 仮にRthrが0の場合、提案するパケット化アルゴリズムは、既存のパケット化アルゴリズムと同一の動作を行う。提案するパケット化アルゴリズムの動作は、以下の段階を経て動作する。
【0065】
段階0:rootを決定する。
【0066】
段階1:rootの
において
であり、パケット化していないTESselを選択する。
(すべての
が既にパケット化されたら段階4を行う。)
【0067】
段階2:TESselを次のような規則により選択された目標パケットに挿入する(規則iは、規則(i+1)より優先順位が高い)。例えば、規則によって選択できる目標パケットがそれ以上存在しない場合は、段階4を行う。
【0068】
規則1:仮に空きパケットが存在すれば、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0069】
規則2:仮にパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きければ、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0070】
規則3:仮にRthrが
より大きいか等しく、パケットの使用可能なスペースが
より大きいか同一の場合、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0071】
規則3は、パケットの残ったスペースを活用するためのものである。規則1、2の過程を経ると、パケットに実際のRthr+1より小さいスペースが残っていることもある。この場合、Rthr+1の規則だけに従う場合、残ったスペースを活用することができない。
【0072】
例えば、パケットに10個の符号化シンボルが入れるとして、Rthrを5とすると、規則2に従う場合、パケットに6個のシンボル
が挿入される。すると、このパケットに4個の符号化シンボルが入ることのできるスペースが残るようになり、このパケットは、規則1と2を満たすことができない。この場合、規則3によって
を満たせる最小スペースが存在すれば、
個の
に属する符号化シンボルを挿入することができる。
【0073】
段階3:
に属する符号化シンボルのうち、Rthr個を任意に選択して
を決定する(但し、
を集合Aの大きさ(cardinality)とする時、
を満たす。)。そして、
を図3に示すように、目標パケットに挿入する。
【0074】
すなわち、符号化対象である第1ソースシンボルを決定し、And−Orツリー構造を利用して生成した第1ソースシンボルの符号化シンボルである第1符号化シンボルのうちパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、パケット化していない第1符号化シンボルを選択して、パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを決定する。また、第1符号化シンボルを前記目標パケットに挿入する。And−Orツリー構造を利用して、生成された前記第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、And−Orツリー構造を利用して第2ソースシンボルに基づいて第2符号化シンボルを生成する。前記第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化できる。
【0075】
ツリーの深さが3以上の場合において、符号化対象である第nソースシンボルを決定し、And−Orツリー構造を利用して生成した前記第nソースシンボルの符号化シンボルである第n符号化シンボルのうちパケット化していない第n符号化シンボルが存在する場合には前記パケット化していない第n符号化シンボルを選択し、前記パケット化していない第n符号化シンボルを挿入する目標パケットを決定して、前記第n符号化シンボルを前記目標パケットに挿入することができる。また、And−Orツリー構造を利用して、生成された第n符号化シンボルに基づく第n+1ソースシンボルを生成した後、And−Orツリー構造を利用して第n+1ソースシンボルに基づいて第n+1符号化シンボルを生成し、第n+1符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第n符号化シンボルと共にパケット化することができる。
【0076】
段階4:仮にこれ以上rootを選択することができない場合は、段階5を行う。そうではない場合は、他のrootを選択して、段階1〜3を繰り返す。
【0077】
段階5:残りのパケット化していない符号化シンボルをパケットの空きスペースに挿入する。
【0078】
図4は、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法を示すフローチャートである。
【0079】
図4を参照すれば、rootを決定することができる(段階S400)。
【0080】
パケット化のためには、パケット化を行うrootを優先的に決定しなければならない。
【0081】
パケット化していないTESselが存在するか否かを判断することができる(段階S410)。
【0082】
パケット化していないTESselが存在しない場合、段階S460に進み、他のrootを選択することができるか否かを判断し、他のrootが選択できる場合、ルートを決定する段階S400を繰り返す。
【0083】
他のrootか存在しない場合、残った符号化シンボルをパケットの空きスペースに入れる段階S470を行う。
【0084】
パケット化していないTESselが存在する場合、そのパケット化していないTESsel
を選択することができる(段階S420)。
【0085】
rootの
において
で、かつ、パケット化していないTESselを選択する。
【0086】
TESselを挿入する目標パケットを決定することができる(段階S430)。
【0087】
TESselを目標パケットに挿入するには、下記のような規則を用いて目標パケットを決定することができる。小さい番号の規則が大きい番号の規則より優先して適用される。
【0088】
規則1:仮に空きパケットが存在すれば、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0089】
規則2:仮にパケットの使用可能スペースがRthr+1より大きければ、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0090】
規則3:仮にRthrが
より大きいか等しく、パケットの使用可能なスペースが
より大きいか同一の場合、当該パケットを目標パケットとして決定する。
【0091】
目標パケットを決定する上記規則は、小さい数字の規則1が最も優先順位が高く、規則3が最も優先順位が低い。すなわち、規則1を満足するパケットが優先的に目標パケットとして選択される。
【0092】
TESselを決定された目標パケットに挿入することができる(段階S440)。
【0093】
段階S430によって決定された目標パケットにTESselを挿入する。
【0094】
を決定し、目標パケットに挿入することができる(段階S450)。
【0095】
に属する符号化シンボルのうちRthr個を任意に選択し、
を決定する(但し、
を集合Aの大きさとする時、
を満たす。)。そして、
を、図3に示すように目標パケットに挿入する。
【0096】
rootを選択することができるか否かを判断する(段階S460)。
【0097】
パケット化が進んでいないrootが存在する場合、当該rootを選択し、段階S400から段階S450を繰り返し行う。
【0098】
選択できるrootが存在しない場合、残りのパケット化していない符号化シンボルをパケットの残った空きスペースに挿入することができる(段階S470)。
【0099】
本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化アルゴリズムの性能の尺度は、成功的に受信した
に属する符号化シンボルの数である。
と
を、各々提案されたパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムを適用した時、エラーなく成功的に受信端で受信した
に属する符号化シンボルであると定義すると、
を満たす場合、提案されたパケット化アルゴリズムが既存のパケット化アルゴリズムよりさらに優れた性能を有すると判断することができる。
【0100】
パケット化アルゴリズム適用による性能分析のために、TESselが伝送過程で損失された場合と正常に受信端で利用可能な場合のような2つの状況が考えられる。まず、TESselが伝送過程で損失された場合は、前述のように、ツリー上で
に属する符号化シンボルとroot間の連結が切れるようになり、結局、
に属する符号化シンボルがrootの復号化に何ら寄与することができない。次は、TESselが正常に受信端で受信された場合である。この場合、パケット損失がランダムに発生すると仮定すれば、下記の数式2のように、
と
を計算することができる。
【0101】
【数2】
【0102】
ここで、nsymは、生成された符号化シンボルの数、npktは、伝送されるパケット数(すなわち、
より小さくない最小の整数)、αは、パケット化されず、残った符号化シンボルをパケットの残った空きスペースに挿入する過程で目標パケットに含まれている
に属する平均符号化シンボルの数を意味する。また、PLRは、パケット損失率を意味する。
【0103】
これに基づいて
を常に保障するために、Rthrは、下記の数式3を満さなければならない。
【0104】
【数3】
【0105】
数式2と数式3によって下記数式4が導かれる。
【0106】
【数4】
【0107】
一般的に、LT符号化シンボルの次数確率分布は、{Ω1・・・・・Ωk}で示し、ここで、kは、ソースシンボルの数、Ωiは、符号化シンボルが次数iをもつ確率を意味する。LTコードの次数確率分布を下記数式5の生成多項式で表すと、
【0108】
【数5】
【0109】
符号化シンボルの平均次数をΩ′(1)で示すことができる。したがって、
と
を下記数式6のように示すことができる。
【0110】
【数6】
【0111】
ここで、γは、LT符号化オーバーヘッドの割合(すなわち、
)を意味する。最終的に、本発明は、提案されたパケット化アルゴリズムが既存のパケット化アルゴリズムよりさらに優れた性能を有することを証明するためのRthrの条件を下記数式7のように誘導することができる。
【0112】
【数7】
【0113】
図5及び図6は、本発明の一実施形態による提案されたパケット化アルゴリズムの制御変数Rthrの条件をテストしたグラフである。
【0114】
図5は、k=1000であり、spacket=10である場合、Rthrの下限(Lower Limit)を示すグラフである。
【0115】
図6は、k=2000であり、spacket=10である場合、Rthrの下限を示すグラフである。
【0116】
図5及び図6を参照すれば、数式7のkとspacketが固定された場合、γが増加することが分かる。図4から分かるように、γの範囲でRthrの下限が常に1より小さい。図3の段階3で述べたように、
Rthrは、1と
間の整数である。
【0117】
本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化アルゴリズムが広い範囲のγにおいて既存のパケット化アルゴリズムより高いLTデコード成功率を有することを示す。
【0118】
図7〜図10及び表2は、パケット損失パターンが不規則な場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムをLTデコード失敗率の観点で比較したものである。
【0119】
下記の表2は、k=1000、γ=1.26である場合、
Rthrと
の関係を示すものである。
【0120】
【表2】
【0121】
ここで、目標パケットで
の元素の数を比較する。実験結果は、表2と図7〜図10で示す。
【0122】
上記表2から分かるように、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムがRthrの値に関係なく、既存のパケット化アルゴリズムより
の値が大きい。さらに、
の平均値は、Rthrが増加するほど大きくなる(例えば、既存のパケット化アルゴリズムに比べて、
の多くの元素がTESselと共にパケット化される)。
の標準偏差値も同一の現象を示す。
【0123】
増加された標準偏差は、デコード成功率がルートによって異なることができることを意味する。この差は、ツリー間の従属性によって起きる。事実上、標準偏差が相対的に小さくて、すべてのシンボルにおいて同一のデコード成功率を保障することは必要である。標準偏差を果たせる範囲に維持すると同時に、
の平均値を最大化するために、Rthrは、調節されなければならない。
【0124】
図7〜図10は、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズムとを比較し、TESselと共にパケット化された
の数の差を示すグラフである。
【0125】
図7〜図10のグラフは、spacketが10で、Rthrが5に固定された場合を仮定した。
【0126】
図7は、k=1000及びγ=1.26の場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムを適用した場合、TESselと共にパケット化された
の数を示すグラフである。
【0127】
図8は、k=1000及びγ=1.26の場合、既存のパケット化アルゴリズムを適用した場合、TESselと共にパケット化された
の数を示すグラフである。
【0128】
図9は、k=2000及びγ=1.20の場合、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムを適用した場合、TESselと共にパケット化された
の数を示すグラフである。
【0129】
図10は、k=2000及びγ=1.20の場合、既存のパケット化アルゴリズムを適用した場合、TESselと共にパケット化された
の数を示すグラフである。
【0130】
図8及び図10から分かるように、TESselと共にパケット化された
の数が均一に分布している。
【0131】
また、図7及び図9から分かるように、And−Orツリー間の従属性が考慮されていないため、提案されたパケット化アルゴリズムが進んでいる間に、TESselと共にパケット化された
の数は減少するにもかかわらず、既存のパケット化アルゴリズムより好ましい性能を示す。
【0132】
無線ネットワークでパケット損失パターンは、任意的と言うよりも、集中的な形態を示す。実際的な無線環境で、提案されたパケット化性能を比較するために、2つの状態を有するマルコフチャンネルモデルが適用される。状態遷移確率は、p(パケット損失がない状態からパケット損失がある状態に遷移する確率)とq(パケット損失がある状態からパケット損失がない状態に遷移する確率)を含む。
【0133】
様々な無線ネットワークを考慮するために、本発明は、下記の表3で示された3つの確率分布をテストする。
【0134】
【表3】
【0135】
ケース1とケース2では、大きいパケット損失率及び集中したパケット損失長さ(Burst Packet Loss Length)が非常に頻繁に発生するので、成功的なLTデコードのためのγは、パケット損失パターンが不規則な場合より増加する。
【0136】
ケース3で要求されるγは、相対的にパケット損失パターンが不規則な場合と近似の値を有する。
【0137】
図11〜図14は、パケット損失パターンが集中している場合、ケース1の遷移確率分布(Transition Probability Distribution)を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【0138】
一般的にパケット損失(Packet loss)が発生する過程で、ファウンテンコードは、受信側で符号化シンボルをより多く受けるほど復号化成功率も高くなる。したがって、グラフを見れば、オーバーヘッド比率(overhead ratio)が増加するほど、受信側で受けられる符号化シンボルの数が上昇し、結果、平均LTデコード失敗率(average LT decoding failurerate)が0に収斂される傾向が見られる(つまり、すべてのソースシンボルが復号化される方向に収斂するようにする)。
【0139】
ソースシンボルの復元失敗率が低くなるほど、映像のPSNRは上昇できる。この時、提案されたパケット化技法と既存のパケット化技法を適用した時、性能を比較すると、提案されたパケット化を適用した場合、さらに優れた復号化性能とPSNR値を提供することが分かる。
【0140】
図11及び図12は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Harbour映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0141】
図11を参照すれば、平均LTデコード失敗率において既存のパケット化アルゴリズムより本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合2倍程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムとの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂される。
【0142】
図12を参照すれば、平均PSNRにおいて本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約2dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0143】
図13及び図14は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Soccer映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0144】
図13を参照すれば、平均LTデコード失敗率における本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより0.01程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0145】
図14を参照すれば、平均PSNRにおける本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約2dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0146】
図15〜図18は、パケット損失パターンが集中されている場合、ケース2の遷移確率分布(Transition Probability Distribution)を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【0147】
図15及び図16は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Harbour映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0148】
図15を参照すれば、平均LTデコード失敗率における本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより2倍程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0149】
図16を参照すれば、平均PSNRにおける本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約5dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0150】
図17及び図18は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Soccer映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0151】
図17を参照すれば、平均LTデコード失敗率における本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより0.02程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0152】
図18を参照すれば、平均PSNRにおける本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約3dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0153】
図19〜図22は、パケット損失パターンが集中している場合、ケース3の遷移確率分布を有する時、本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のアルゴリズムを比較したグラフである。
【0154】
図19及び図20は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Harbour映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0155】
図19を参照すれば、平均LTデコード失敗率において本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより2倍程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0156】
図20を参照すれば、平均PSNRにおいて本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約4dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0157】
図21及び図22は、spacketが10で、Rthrが5の場合、Soccer映像において本発明の一実施形態によるパケット化アルゴリズムと既存のパケット化アルゴリズム間の平均LTデコード失敗率と平均PSNRをもって性能比較をしたものである。
【0158】
図21を参照すれば、平均LTデコード失敗率において本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより0.01程度低いデコード失敗率を有し、γが増加するほど既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムの差が少なくなり、デコード失敗率が0に近い値に収斂する。
【0159】
図22を参照すれば、平均PSNRにおいて本発明によるパケット化アルゴリズムは、γが1に近い小さい値の場合、既存のパケット化アルゴリズムより約3dB程度高い値を有し、γが増加するにつれ既存のパケット化アルゴリズムと本発明によるパケット化アルゴリズムのPSNR差が収斂することが分かる。
【0160】
図23は、本発明の一実施形態による符号化シンボルをパケット化して伝送する装置を示す概念図である。
【0161】
図23を参照すれば、符号化シンボルパケット化伝送装置は、ツリー構造化部2300と、パケット化部2310と、伝送部2320とを含む。
【0162】
ツリー構造化部2300は、ソースシンボルに基づいてAnd−Orツリーを用いてツリー構造を生成することができる。
【0163】
And−Orツリーは、符号化シンボル間の関係分析のための有用なツールであって、一般的に2lの深さを有するAnd−OrツリーTlが存在する時、ルートノードの深さは、0を有し、ルートノードに直接連結された子ノードの深さは、1を有する。また、ツリーの下方に行くほどノードの深さが1ずつ増加するようになる。すべてのノードは、0または1の値を有する。また、深さ0、2、4、…、2l−2に位置するノードは、Or−ノードと言い、Orノードは、子ノードのOr−演算を通じて値が決定される。1、3、5、…、2l−1に位置するノードをAnd−ノードと言い、子ノードのAnd−演算を通じて値が決定される。このツリーにLTコードのシンボルをマッピングさせれば、ソースシンボルはOr−ノードとして見なされ、符号化シンボルはAnd−ノードとして見なされ、各々は互いに親と子ノードで結ばれるようになる。
【0164】
前述の図2に開示された本発明の一実施形態によるツリー構造を活用してソースシンボルを基礎にパケット化するためのツリー構造を生成することができる。
【0165】
本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたLT符号化シンボルパケット化方法では、説明の便宜上、And−Orツリーの分析深さを3に制限して説明するが、And−Orツリーは、3以上の深さを有することもでき、このようなLT符号化シンボルパケット化方法も本発明の権利範囲に属する。
【0166】
パケット化部2310は、ツリー構造化部2300から提供されたツリー構造情報を基礎にして符号化シンボルをパケット化することができる。TESiが属するパケットに一緒に挿入される
に属する符号化シンボルの数を調節することによって、このようなAnd−Orツリー間の依存性を間接的に考慮してパケット化することができる。
【0167】
伝送部2320は、パケット化部で生成されたパケットを、通信チャンネルを利用して伝送することができる。
【0168】
ビデオストリーミングは、ディレイ制約があり、無線ネットワークは、制限されたリソースなので、実際に、エラーのない成功的なデコードを保証することは難しい。このような問題を解決するために、エラーが発生しやすい無線ネットワークを通じて十分な数の符号化シンボルを伝送することができるかどうかが予想できることは重要である。
【0169】
したがって、本発明の一実施形態によるAnd−Orツリーを用いたパケット化方法を用いる場合、特にパケット化を利用してビデオコーデックにより圧縮された形態であるビデオデータを伝送する方法において効果的に活用されることができる。
【0170】
以上、実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更できることは理解できることである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ソースシンボルを決定し、
AND−ORツリー構造を利用して生成した前記第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルのうちパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、前記パケット化していない第1符号化シンボルと、前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットとを選択する符号化シンボル及び目標パケット選択段階と、
前記AND−ORツリー構造を利用して、前記パケット化していない少なくとも1つの第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、
前記AND−ORツリー構造を利用して、前記第2ソースシンボルに基づく少なくとも1つの第2符号化シンボルを生成し、前記第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化するパケット化段階と
を含む符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項2】
前記符号化シンボルは、
ルビー変換(Luby Transform)を用いて符号化したシンボルであることを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項3】
前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階と、前記パケット化段階とにおいて、パケット化していない第1符号化シンボルが存在しない場合、前記第1ソースシンボルではなく、前記第1ソースシンボルと同じAND−ORツリー階層にあるソースシンボルを第1ソースシンボルとして、前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階とパケット化段階とを進めすることを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項4】
前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階と前記パケット化段階において、パケット化していない第1符号化シンボルが存在せず、前記別のソースシンボルを第1ソースシンボルとして選択することができない場合には、まだパケット化していない第2符号化シンボルのうちの少なくとも1つを前記目標パケットの残りスペースに挿入することを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項5】
前記パケット化段階において、
前記第1符号化シンボルと共にパケット化される前記第2符号化シンボルが、下記の数式8を満足する値として決定されることを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【数8】
【請求項6】
前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階において、
前記目標パケットは、空きパケットが存在する場合には、前記空きパケットのうち少なくとも1つを目標パケットとし、
空きパケットが存在しない場合には、所定のパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きければ、前記所定のパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きいパケットのうちの1つを目標パケットとして決定し、
また、前記所定のパケットの使用可能なスペースが前記Rthr+1より大きくなければ、前記Rthrが
(
は、第1符号化シンボルの次数を意味する。)より大きいか等しく、かつ、前記所定のパケットの使用可能なスペースが
より大きいか等しい場合に、前記所定のパケットのうちの少なくとも1つとして選択されること
を特徴とする請求項5に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項7】
前記AND−ORツリーは、
前記少なくとも1つの第1符号化シンボルをAND演算した値が第1ソースシンボルの値として決定され、
前記少なくとも1つの第2ソースシンボルをOR演算した値が第1符号化シンボルの値として決定され、
前記少なくとも1つの第2符号化シンボルをAND演算した値が第2ソースシンボルの値として算出されること
を特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項8】
前記符号化シンボルのパケット化方法は、
ビデオストリーミングサービスにおいてビデオデータを伝送するのに用いられることを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項9】
符号化シンボルのパケット化装置において、
符号化対象であるソースシンボルに基づいてAND−ORツリーを用いて符号化シンボルを生成し、前記符号化シンボルに基づいて前記AND−ORツリーを用いてソースシンボルを生成するツリー構造化部と、
前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部と、を含む符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項10】
前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、
第1ソースシンボルを決定して、前記AND−ORツリー構造を利用して生成した前記第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルのうちパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、
前記パケット化していない第1符号化シンボルと前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットとを選択し、
前記AND−ORツリー構造を利用して、前記パケット化していない少なくとも1つの第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、
前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づく少なくとも1つの第2符号化シンボルを生成し、
前記第2符号化シンボルのうちの少なくとも1つを前記第1符号化シンボルと共に前記目標パケットにパケット化すること
を特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項11】
前記AND−ORツリーは、
前記少なくとも1つの第1符号化シンボルをAND演算した値が、第1ソースシンボルの値として決定され、
前記少なくとも1つの第2ソースシンボルをOR演算した値が、第1符号化シンボルの値として決定され、
前記少なくとも1つの第2符号化シンボルをAND演算した値が、第2ソースシンボルの値として算出されること
を特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項12】
前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、
パケット化していない第1符号化シンボルが存在しない場合、前記第1ソースシンボルを除いた別の第1ソースシンボルを選択し、
前記AND−ORツリー構造を利用して生成した前記別の第1ソースシンボルの符号化シンボルである第1符号化シンボルの中にパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、前記パケット化していない第1符号化シンボルを選択し、
前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを決定して前記第1符号化シンボルを前記目標パケットに挿入し、
前記AND−ORツリー構造を利用して、生成された前記第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、
前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づく第2符号化シンボルを生成し、
前記第2符号化シンボルを前記第1符号化シンボルと共に前記目標パケットにパケット化すること
を特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項13】
前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、
パケット化していない第1符号化シンボルが存在せず、前記第1ソースシンボルを除いた別の第1ソースシンボルを選択することができない場合、まだパケット化していない第2符号化シンボルのうちの少なくとも1つを前記目標パケットの残ったスペースに挿入することを特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項14】
前記符号化シンボルは、
ルビー変換を利用して符号化したシンボルであることを特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項15】
符号化シンボルのパケット化装置は、
ビデオストリーミングサービスにおいてビデオデータを伝送するのに使用されることを特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項1】
第1ソースシンボルを決定し、
AND−ORツリー構造を利用して生成した前記第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルのうちパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、前記パケット化していない第1符号化シンボルと、前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットとを選択する符号化シンボル及び目標パケット選択段階と、
前記AND−ORツリー構造を利用して、前記パケット化していない少なくとも1つの第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、
前記AND−ORツリー構造を利用して、前記第2ソースシンボルに基づく少なくとも1つの第2符号化シンボルを生成し、前記第2符号化シンボルのうち少なくとも1つを前記目標パケットに前記第1符号化シンボルと共にパケット化するパケット化段階と
を含む符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項2】
前記符号化シンボルは、
ルビー変換(Luby Transform)を用いて符号化したシンボルであることを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項3】
前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階と、前記パケット化段階とにおいて、パケット化していない第1符号化シンボルが存在しない場合、前記第1ソースシンボルではなく、前記第1ソースシンボルと同じAND−ORツリー階層にあるソースシンボルを第1ソースシンボルとして、前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階とパケット化段階とを進めすることを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項4】
前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階と前記パケット化段階において、パケット化していない第1符号化シンボルが存在せず、前記別のソースシンボルを第1ソースシンボルとして選択することができない場合には、まだパケット化していない第2符号化シンボルのうちの少なくとも1つを前記目標パケットの残りスペースに挿入することを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項5】
前記パケット化段階において、
前記第1符号化シンボルと共にパケット化される前記第2符号化シンボルが、下記の数式8を満足する値として決定されることを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【数8】
【請求項6】
前記符号化シンボル及び目標パケット選択段階において、
前記目標パケットは、空きパケットが存在する場合には、前記空きパケットのうち少なくとも1つを目標パケットとし、
空きパケットが存在しない場合には、所定のパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きければ、前記所定のパケットの使用可能なスペースがRthr+1より大きいパケットのうちの1つを目標パケットとして決定し、
また、前記所定のパケットの使用可能なスペースが前記Rthr+1より大きくなければ、前記Rthrが
(
は、第1符号化シンボルの次数を意味する。)より大きいか等しく、かつ、前記所定のパケットの使用可能なスペースが
より大きいか等しい場合に、前記所定のパケットのうちの少なくとも1つとして選択されること
を特徴とする請求項5に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項7】
前記AND−ORツリーは、
前記少なくとも1つの第1符号化シンボルをAND演算した値が第1ソースシンボルの値として決定され、
前記少なくとも1つの第2ソースシンボルをOR演算した値が第1符号化シンボルの値として決定され、
前記少なくとも1つの第2符号化シンボルをAND演算した値が第2ソースシンボルの値として算出されること
を特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項8】
前記符号化シンボルのパケット化方法は、
ビデオストリーミングサービスにおいてビデオデータを伝送するのに用いられることを特徴とする請求項1に記載の符号化シンボルのパケット化方法。
【請求項9】
符号化シンボルのパケット化装置において、
符号化対象であるソースシンボルに基づいてAND−ORツリーを用いて符号化シンボルを生成し、前記符号化シンボルに基づいて前記AND−ORツリーを用いてソースシンボルを生成するツリー構造化部と、
前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部と、を含む符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項10】
前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、
第1ソースシンボルを決定して、前記AND−ORツリー構造を利用して生成した前記第1ソースシンボルの符号化シンボルである少なくとも1つの第1符号化シンボルのうちパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、
前記パケット化していない第1符号化シンボルと前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットとを選択し、
前記AND−ORツリー構造を利用して、前記パケット化していない少なくとも1つの第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、
前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づく少なくとも1つの第2符号化シンボルを生成し、
前記第2符号化シンボルのうちの少なくとも1つを前記第1符号化シンボルと共に前記目標パケットにパケット化すること
を特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項11】
前記AND−ORツリーは、
前記少なくとも1つの第1符号化シンボルをAND演算した値が、第1ソースシンボルの値として決定され、
前記少なくとも1つの第2ソースシンボルをOR演算した値が、第1符号化シンボルの値として決定され、
前記少なくとも1つの第2符号化シンボルをAND演算した値が、第2ソースシンボルの値として算出されること
を特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項12】
前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、
パケット化していない第1符号化シンボルが存在しない場合、前記第1ソースシンボルを除いた別の第1ソースシンボルを選択し、
前記AND−ORツリー構造を利用して生成した前記別の第1ソースシンボルの符号化シンボルである第1符号化シンボルの中にパケット化していない第1符号化シンボルが存在する場合、前記パケット化していない第1符号化シンボルを選択し、
前記パケット化していない第1符号化シンボルを挿入する目標パケットを決定して前記第1符号化シンボルを前記目標パケットに挿入し、
前記AND−ORツリー構造を利用して、生成された前記第1符号化シンボルに基づく第2ソースシンボルを生成した後、
前記AND−ORツリー構造を利用して前記第2ソースシンボルに基づく第2符号化シンボルを生成し、
前記第2符号化シンボルを前記第1符号化シンボルと共に前記目標パケットにパケット化すること
を特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項13】
前記AND−ORツリーを用いて生成された前記符号化シンボルのうち少なくとも1つをパケット化するパケット化部は、
パケット化していない第1符号化シンボルが存在せず、前記第1ソースシンボルを除いた別の第1ソースシンボルを選択することができない場合、まだパケット化していない第2符号化シンボルのうちの少なくとも1つを前記目標パケットの残ったスペースに挿入することを特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項14】
前記符号化シンボルは、
ルビー変換を利用して符号化したシンボルであることを特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【請求項15】
符号化シンボルのパケット化装置は、
ビデオストリーミングサービスにおいてビデオデータを伝送するのに使用されることを特徴とする請求項9に記載の符号化シンボルのパケット化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−120161(P2012−120161A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248963(P2011−248963)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(511258411)ポハン工科大学校産学協力団 (3)
【氏名又は名称原語表記】POSTECH ACADEMY−INDUSTRY FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】San 31,Hyoja−dong,Nam−gu,Pohang−si,Gyeongbuk 790−784,Republic of Korea
【出願人】(596099882)エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート (179)
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(511258411)ポハン工科大学校産学協力団 (3)
【氏名又は名称原語表記】POSTECH ACADEMY−INDUSTRY FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】San 31,Hyoja−dong,Nam−gu,Pohang−si,Gyeongbuk 790−784,Republic of Korea
【出願人】(596099882)エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート (179)
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】
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