説明

第1及び第2流路を有する分析装置

本発明は、第1流路、及び第2流路を含む分析装置を提供する。第2流路は、液体サンプルの一部が第1流路から当該第2流路に入り込むことを可能とするように、かつ第1流路の中に結果的に戻っていくように構成され、それ故、下流位置への当該サンプルの一部の逐次デリバリーを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2004年9月30日に出願された米国仮出願第60/615,116号の優先権を主張する、そして、その内容全てを本願明細書中に援用する。
【背景技術】
【0002】
リガンド−受容体相互作用(例えば、抗体抗原相互作用、核酸ハイブリダイゼーション、酵素/酵素基質、小分子/大分子相互作用、及び結合タンパク質−核酸相互作用を含む)は以下のステップ:(1)液体サンプルを装置に導入し;(2)分析のために当該サンプルと結合試薬(本明細書中で「タグ」という)を反応させることにより、当該サンプル中に存在する検体の少なくとも一部をタグ付けし;(3)いくらかのタグ付けされた検体を含むサンプルを検体捕捉試薬と接触させ、その結果、未反応サンプルのバルクから着目のタグ付けされた検体の少なくとも一部を取り除き;(4)未反応種(例えば、未反応のタグ又は検体)を、当該検体捕捉試薬を含む装置の領域から除去し;そして、(5)当該検体捕捉試薬を含む領域における捕捉された検体の存在を検出し、及び/又は分析する、を使用して検出され得る。
【0003】
かかる受容体−リガンドアッセイを実施するためのある種の装置は、当該アッセイを通じて多孔質材を使用する。通常、これらの装置において、全ての試薬(例えば、タグ付け試薬及び捕捉試薬)は、互いに流動的に連結する1又は複数の多孔質材上あるいは多孔質材中に配置される。液体サンプルは、当該多孔質材を介して流れ、当該サンプルと試薬の間の相互作用がそこで生じる。通常、これらの装置内の各試薬は、当該多孔質材上の又は多孔質材中の特定の領域に局在する。通常、液体サンプルは当該多孔質材に導入され、その後、例えば毛細管移行により当該領域を通じて移動する。この型の分析装置の例は、側方流動又はストリップ分析である。当該ストリップが典型的、連続的に配列され(頻繁に互いに重複関係にある)、単一、実質的に直線、及び連続する当該装置内の流路を形成する場合には、かかる側方流動装置は複数種の多孔質材からなり得る。
【0004】
例示的な側方流動装置は、例えば、米国特許第4,943,522号,Eisenger,et al.、同第5,096,837号,Fan et al.、同第5,223,220号,Fan et al.、同第5,521,102号,Boehringer,et al.、同第5,766,961号,Pawlak,et al.、及び同第5,770,460,Pawlak,et al.において実施例として記載される。さらなる側方流動装置は、例えば、米国特許第6,485,982号,Charlton,et al.、同第6,352,862号,Davis,et al.、同第5,622,871号,May,et al.、同第5,656,503号,May et al.、及び同第6,534,320号,Ching et al.に記載される。
【0005】
通常、かかる側方流動装置は、金属ゾル又は着色されたラテックスビーズの如き視覚的に検出可能な標識を使用し、捕捉された検体を可視化する。しかしながら、かかる標識は、見るのに十分な量で捕捉領域内に存在しなければならず、サンプル中に存在し、かつ当該捕捉領域に捕捉される検体の最小限の量を次々に必要とする。対照的に、酵素を基礎とする標識システムを使用し、及び一般的にプレート形式で実施される酵素免疫吸着測定法(ELISA法)は、通常、かかる側方流動装置より敏感であるが、しかし当該アッセイを達成するために複数のステップを必要とし、特にかかる反応中に連続反応、及び1又は複数の洗浄を必要とする。
【0006】
それ故、側方流動、及びELISA型リガンド/受容体アッセイシステムの双方は有用である一方、各々は不都合な点もある。それ故、例えば、逐次的な反応及び/又は単一過程の機能性を有する流動を可能とすることにより、一段階分析形式において標識の選択に関する柔軟性を提供し得る装置について、本分野における必要性がある。本発明は、この必要性及び他の必要性に関する問題に取り組む。
【0007】
本明細書中の文献の引用は、適切な先行技術であるとの自白として全く意図されない。日付に関する記述又は文献の内容に関する説明は、本出願人に有用である情報に基づき、当該文献の日付又は内容の正確性に関していかなる承認をも構成しない。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、液体サンプル中の少なくとも1つの検体の存在又は概算量を測定するための分析装置、及び方法を提供する。ある状況において、本発明の態様は、捕捉領域を有する第1流路、及び少なくとも1つの第2流路を含み、ここで、前記少なくとも1つの第2流路は、当該第1流路と、当該捕捉領域の上流にある単一の接合点で連結し、及び当該第2流路内の唯一の流体源は、当該第1流路からのものである。
【0009】
本明細書に記載されるある態様において、第2流路は非多孔質材からなり、第1流路は、多孔質材及び非多孔質材からなる。本発明のいくつかの装置は、捕捉領域の上流であり、及び第2流路と第1流路との接合点の下流にある当該第1流路内に位置するタグ付け領域をさらに含む。
【0010】
本発明の態様において、当該装置は、捕捉領域の下流にあり、かつ当該捕捉領域と流動的に連結する吸収剤(吸収材)をさらに含む、ここで、第2流路から第1流路への液体の回収は、吸収材による当該液体の吸収により促進される。
【0011】
本願明細書中に記載される装置の態様において、1又は複数の試薬を、第2流路内に配置する。例示的な試薬は、非制限的に、標識試薬(例えば、酵素基質)、調節試薬、制御試薬、分析終了試薬、及び/又は関連試薬を含む。
【0012】
本願明細書に記載される例示的な態様において、タグ付け領域は、非多孔質材と結合し、そして捕捉領域は、多孔質材と結合する。
【0013】
本発明の装置の態様において、当該タグは、検出標識に結合される。本発明の装置の態様において、当該タグは、視覚的に検出可能な標識に結合される。本発明の装置の態様において、当該タグは、酵素に結合され、そして、酵素基質と接触するとき、当該酵素基質を検出可能な標識に転換する。本願明細書中に記載される装置の態様において、当該第2流路は、当該酵素基質を含む。有利なことに、かかる装置は、本当の1段階過程の酵素に基づく免疫学的検定を提供する。
【0014】
本明細書中に記載される装置の態様において、当該タグは、第1連結要素を含む。そして、第2流路内に設置される標識は、検出可能成分、及びそれらと結合する第2連結要素を含み、ここで、当該第1連結要素と第2連結要素は結合し得、又は別の方法で、互いに会合する。ある態様において、検出可能な成分は、着色成分である。ある態様において、当該第1連結要素、及び当該第2連結要素のどちらかはビオチンであり、他は(ストレプト)アビジンである。
【0015】
本願明細書中に記載の装置の態様において、当該装置は、第1流路と流動的に連結する少なくとも2つの第2流路を含み、ここで、各第2流路は、当該第1流路と唯一の接合点を形成し、タグ付け領域は、当該接合点から下流に位置する。ある態様において、当該各々の第2流路は、同じ又は異なる試薬を含み得、又は試薬を全く含み得ない。
【0016】
本発明の態様において、当該装置は、第1流路内に配置される制御領域をさらに含む。特に当該装置を使用し液体サンプル中の単一の検体を検出するとき、かかる装置における当該制御領域は、好ましくは、捕捉領域の下流に位置する。本願明細書中に別に記載されるように、制御領域は、好ましくは、タグを固定化し得る固定化制御試薬又は別の制御試薬を含む。当該制御試薬は、第1流路又は第2流路内に設置され、そして直接的又は間接的に検出可能な成分を含む。当該制御試薬は、好ましくは、液体サンプルと結合するとき実質的に移動性を有する。
【0017】
本明細書中に記載される装置の態様において、検出可能な成分を含む制御試薬であって、液体サンプルと接触するときに実質的に移動性を有する当該制御試薬は、第2流路内に含まれる。かかる態様において、当該装置は、当該捕捉領域から下流にある、第1流路内に配置される制御領域をさらに含み、検出可能な制御試薬を結合し得る固定化制御試薬を含む、それ故、当該第1流路から当該第2流路へ、次いで当該制御領域を通過し第1流路へ戻る当該液体サンプルの流れを確実にし得る。
【0018】
本発明の態様において、当該装置は、第1流路内、かつ捕捉領域の下流であって、制御領域が存在するところに配置される分析終了試薬を含む。当該分析終了試薬は、サンプルと接触したときに検出可能なシグナルを産生し得る成分を含み、それ故、分析領域の末端へのサンプルの到着、及び当該試験結果を確実なものとするための好適な時間を示す。
【0019】
本願明細書中に記載される装置の態様において、サンプル口は、タグ付け領域の階層より下の階層でチャンバーと流動的に連結し;そして当該チャンバーは、当該流路と流動的に連結し、それ故、当該サンプルは、当該第2流路とタグ付け領域との間(すなわち、当該第2流路と第1流路との接合点)の当該流路の底から流路に入る。この態様において、当該液体サンプルは、下流に流れ当該タグ付け領域と接触する当該サンプルの部分と、上流に流れ当該第2流路に至る(そこにある試薬と接触する)当該サンプルの第2部分とに分かれる。
【0020】
本発明の他の態様において、当該装置は当該流路を囲うためのハウジングをさらに含み、当該ハウジングは、以下の:
i)液体サンプルを受け入れるためのサンプル口;
ii)所望サンプルの流れを促進する1又は複数の通気口;及び
iii)捕捉領域、及び/又は制御領域、及び/又は分析終了領域を読み込むことを可能とする読み取りアクセス手段、
のいくつか又は全てを含む。
【0021】
本発明は、本発明の装置を使用する液体サンプル中の検体の検出方法をさらに提供する。例証として、ある態様において、当該方法は、捕捉領域を含む本発明の装置に液体サンプルを適用すること、そして当該捕捉領域内の検体の存在又は概算量を測定することを含む。
【0022】
本発明のさらなる態様において、液体サンプルを本発明の装置に適用すること、それにより、当該液体サンプルの一部は当該第1流路を通じて調節領域(もしあれば)、次いでタグ付け領域に流れ、そこでタグは移動性を持たされ、当該サンプル中に存在する検体と反応し、次いで、当該捕捉領域へと流れ、そこでタグ付けされた検体の少なくとも一部分を捕捉し、次いで、残りの領域を通って分析終了領域まで流れる;そして、当該液体サンプルの第2部分は当該装置の第2流路に流れ、そこで標識は移動性を持たされ;そして、液体サンプルの当該第2部分は、当該第2流路を出て、そして当該第1流路、当該捕捉領域へと続いて流れ、そこで当該標識は当該捕捉されたタグ付けされた検体と反応し、当該サンプル中に存在する検体の存在又は概算量の表示である視覚的に検出可能なシグナルを産生する、を含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
I.定義
「検体」は、検出され得るいずれかの物質をいう。例えば、検体は、本発明に記載される分析装置の一連の実施の間に望ましくは保持され、及び検出されるサンプルの成分(例えば、サンプル中のタンパク質、抗原又は抗体の如き分子、細胞)、あるいはサンプルの当該成分の類似体又は誘導体となり得る。従って、当該サンプルの成分は、例えば、誘導体、類似体、あるいは当該成分の量又は存在の予測となる他の成分を検出することにより、直接的又は間接的に検出され得る。
【0024】
「タグ」は、検体又はそれらの誘導体と結合し得る検出可能な移動性を有する分子をいう。タグは、例えば着色成分を含むタグの場合のように直接的に検出され得、又は例えば酵素を含む場合のように間接的に検出され得る。
【0025】
「標識」は、検出可能な成分をいい、それは視覚的又は他の検出可能なシグナルをもたらす。標識は、検体又は検体の誘導体と直接的、あるいは検体特異的タグ又は連結要素の第2複合体を介して間接的に結合され得る。タグは、例えば着色ラテックスビーズ(当該標識)又は他の着色成分と結合する検体特異的抗体の如き直接的な検出可能標識を含み得、あるいはタグは、例えば検出可能なシグナル(例えば、視覚的シグナル)を産生するために基質(第2標識成分)を必要とする酵素の如き標識成分を含み得る。
【0026】
本明細書中に使用される「標識」は、酵素、及び基質の如き、標識系の単一の成分を含む。標識は、無色となり得るが、例えば、着色分子を産生するための酵素基質に作用する酵素の如き、他の標識成分と反応したときに検出可能なシグナルを産生し得る。本明細書中に記載される「着色成分」は、非制限的に、着色粒子、着色微粒子、及び着色分子を含む。例示的な着色成分は、非制限的に、金属ゾル、着色ラテックス及び/又は酵素/抗体/基質/着色分子会合の如き着色分子を含む化学会合を含む。
【0027】
「連結要素」は、検体とは別の混合物中の第2分子と相互作用し、結合し、又は別な方法で連結する分子をいう。本明細書中に記載されるように、第1及び第2連結要素は、互いに相互作用する。連結要素の例は、ビオチン、ストレプトアビジンの如き、互いに親和性を有するいずれか2つの分子を含む。
【0028】
本明細書中に使用される「タグ付け領域」は、タグを含む装置内の領域をいう。例えば、当該タグ付け領域は、当該標的検体に結合し得る抗体を含み得る、ここで、当該抗体は、着色成分の如き標識と又は酵素の如き標識成分と結合される。
【0029】
「捕捉領域」は、検体又は検体の誘導体に直接的又は間接的に結合し検出され得る固定化された試薬(「捕捉試薬」)を含む装置内の領域をいう。通常、当該捕捉試薬は、検体、それらの誘導体、あるいは検体又はそれらの誘導体を含む複合体と接触、結合、別な方法で連結し、その結果、当該捕捉領域に当該検体又は複合体を保持する。
【0030】
固定化された捕捉試薬の文脈の「固定化された」とは、十分量の当該捕捉試薬が、当該分析手順の間中、当該捕捉領域中に残り、当該検体の存在又は概算量の測定を可能とすることを意味する。捕捉試薬は、かかる測定を行うのに必要な時間を超えて保持される必要はない。当該捕捉領域における捕捉試薬の固定化は、非制限的に、共有結合又は吸着により行われ得る。当該捕捉領域が多孔質材上及び/又は多孔質材中に配置される場合、材料の性質に依存して、例えばグルタルアルデヒド又はカルボジイミドを使用し、当該捕捉領域の捕捉試薬の共有結合を可能とする誘導体化を使用し得る。
【0031】
当該捕捉試薬は、直接的、化学的、生物学的、又はその他の方法で、当該多孔質材と結合される必要はない。当該捕捉試薬は、他の材料が物理的に当該多孔質材中に閉じ込められ当該捕捉領域を形成する、あるいは、いずれかの物理的、化学的又は生物化学的な手段により当該捕捉領域中にその他の方法で添加される、別の材料と接着し得る。例えば、捕捉試薬は、ビーズなどと共有的又は受動的に結合され得、次いで当該多孔質材上に固定され又は多孔質材内に取り込まれ、あるいは、もし非多孔質材が使用されるときには、当該非多孔質材上に固定される。当業者は、当該捕捉領域を含む材料上に又はその中に捕捉試薬を固定化するための様々な方法又は手順を容易に理解し、及び実施するだろう。
【0032】
「検体の誘導体」とは、サンプル中のその濃度が検体に対して直接的に比例する当該検体又はいずれかの基質の化学的又は酵素的な変異による製品をいう。例えば、検体の誘導体は、入れ替わりで当該捕捉試薬に結合する追加成分との複合体、又は当該検体と当該検体を標識するためのみに有用である追加成分との複合体となり得るが、当該検体の捕捉試薬との結合能力に干渉しない。他の例証において、当該検体の誘導体は、反応中の検体との化学量論的関係において形成される反応物となり得る、ここで、当該反応生成物は、当該捕捉試薬と結合する。
【0033】
「下流」は、例えば流動体の、液体の適用口から離れて、分析終了に向かう流れの方向をいう。
【0034】
「上流」は、例えば流動体の、分析終了に向かってというよりはむしろ離れていく方向をいう。
【0035】
「流路」は、ハウジングの中、非多孔質の成分又は材料中又はその上、そして/あるいは多孔質の成分又は材料中又はその上のいずれかで流れるときに流動体/液体によりとられる経路をいう。当該流路は、単一の経路となり得るか、いくつかの経路を含み得、ここで、各経路は、同時に、他の経路に対して連続して又は独立して液体の流れを支持し得、及びここで、各経路は1又は複数の他の経路に流れ得、あるいは流れ得ない。流路は、液体の通路、チャンバー、チャネル、導管、マトリクス、あるいは液体がその中又はそれを介して流れ得る他の構造を含む。
【0036】
「第1流路」は、サンプルの入る上流末端から捕捉領域を介して下流への流動体伝達を含む流路をいう。当該第1流路は、1又は複数の調節領域、タグ領域、制御領域、及び分析終了領域をさらに含む。
【0037】
本明細書に記載されるとおり、「第2流路」は、捕捉領域の上流にある第1流路との単一の接合点を形成する流路をいい、ここで当該装置に適用された液体の一部分は、当該第1流路から第2流路に移動し、次いで、当該第1流路内の液体が当該装置を介して移動するにつれて、当該第1流路に戻る。当該第2流路は、多孔質又は非多孔質材あるいは両方を含み得る。
【0038】
「接合点」は、少なくとも2つの流路の出会う場所をいう、それ故、当該少なくとも2つの流路の間の流体伝達を可能とする。当該接合点は、複数の非多孔質流路、複数の多孔質流路の融合、1又は複数の多孔質流路と1又は複数の非多孔質流路との融合、あるいは複数の流路への1つの流路の分岐点を含む。
【0039】
「多孔質」の材料又は成分は、液体が流れ得る微細孔を含む不水溶性の材料である。例証として、多孔質材は、毛細管力により液体の流れを維持する不溶性材料の網状組織からなり得る。通常の多孔質材内の毛細管は、不規則に配向され、互いに連結される空間をもつれさせ、液体ウィッキング管の網状組織を形成する。多孔質材は、天然、及び/又は合成源、繊維又は微粒子から形成され得る。本明細書中において好適な多孔質材は、当業者によく知られ、例えば非制限的に、ニトロセルロースに基づく材料、ポリマーに基づく材料、引き伸ばされレース状のアクリルの如きアクリルに基づく材料などを含む。
【0040】
本明細書中に使用される「移動性」は、1又は複数の一連の条件下で固定され、そして1又は複数の一連の異なる条件下で実質的に移動性を有し得る、本発明に関する装置の多孔質又は非多孔質材量に結合する試薬をいう。通常、試薬は固定化され、その後、本発明の装置の実施の間、実質的に移動性を有する。例証において、移動性を有する試薬は、多孔質材中に満たされ又は設置され、本発明の装置の非多孔質成分上に設置、例えば乾燥される試薬となり得、それ故、当該装置の実施の間、サンプルにより接触されたときには、当該試薬は実質的に可溶化、水和化され、さもなければ当該多孔質又は非多孔質材から放出され、そして、サンプルは当該装置を通して進むように、サンプルと共に横方向に運ばれる。好ましくは、当該移動性をもたされた試薬、及びサンプルは、実質的に等しい比率で、及び比較的弱められていない流れで、当該装置を通して流れる。他の態様において、当該移動性をもたされた試薬は、溶解されず又は可溶化されない、しかしとはいうものの、実質的に移動性をもたされ、すなわち、当該サンプルにより放出させられ、そして移動させられる。
【0041】
「非多孔質」材料又は成分は、僅かな量の流動体(例えば、液体サンプル)が流れる材料をいう。本明細書中に使用されるように、通常、流動体は、非多孔質材上又はそれに沿って、あるいは、非多孔質材の複数の種類により形成された領域(又はチャネル又はチャンバー)内を流れる。次いで、非多孔質流路は、流動体がそれに沿って流れる1又は複数の非多孔質材により形成される流路をいう。多孔質材は、非多孔質材と流動的に連結し得る。かかる多孔質材は、例えば、当該非多孔質流路から当該多孔質領域内又はその上に流動体を吸収することにより、当該装置内の流れを促進し得る。あるいは又はさらに、非多孔質流路は、流動体が毛細管現象により流れ得る毛細管空間を形成するように構築され得る。その他の流れる機構は、当業者にとって明らかだろう、そして当該機構は同様に本願明細書中に企図される。例証において、流体工学、静水圧、及び/又は重力は、流動体の流れを促進するために有効に使用され得る。
【0042】
II.導入
本発明は、液体(すなわち流動体)サンプルにおける1又は複数の検体の存在又は概算量を測定する際の使用のための改良された分析装置、及びかかる装置を使用する方法を提供する。特に、本発明の装置は、1つの接合点で第1流路と連結する少なくとも1つの第2流路を含む。本発明に関する第2流路は、当該第1流路にある液体サンプルが当該単一の接合点を通って当該第2流路に入り、次いで、当該第1流路が使い果たされる(すなわち、分析終了へ流れる)につれて同じ単一の接合点を通って当該第1流路に引き戻されるように、構成される。当該第2流路からの液体サンプルの引き戻しは、例えば、当該第2流路と流動的に連結する多孔質材又は吸収材による、及び/又は当該第2流路内の毛細管作用による吸収により、達成され得る。
【0043】
本明細書において提供される他の態様において、当該第2流路は、底に配置される1又は複数の試薬を有する非多孔質材からなり、当該試薬は、続いて当該第1流路にデリバリーされる。本発明に企図される装置に関するその後のデリバリーのために好適な試薬は、例えば酵素基質の如き、酵素に基づく標識系の1又は複数の成分である。例えば、酵素基質である当該試薬は、最初に当該第2流路に置かれ、その後、当該サンプルにより実質的に移動性をもたされる。当該第2流路は、当該装置を通る液体の最初の流れの前の洗浄として作用する液体を回収するためにも使用される。それ故、当該第2流路は、液体のみ又は試薬(例えば、タグ付け又は標識試薬、調節試薬、及び/又は制御試薬)と一緒の、下流要素への液体の遅延したデリバリーを許容する。
【0044】
例えば、当該第2流路から、第1流路への、及び抗体−酵素複合体でタグ付けされた捕捉検体を含む捕捉領域への、酵素基質の遅延したデリバリーは、タグにおける当該酵素と酵素基質との早すぎるデリバリー又はそれらの混合を防ぐために有用である、もしそうでなければバックグラウンドの色を作り、及び当該分析結果の正確な解釈を妨害するだろう。
【0045】
他の有利な点において、本発明の装置、及び方法は、非制限的に、酵素に基づく標識、着色成分、蛍光成分などを含む様々な標識系のいずれかを使用し得る本当の一段階過程の分析形式を提供する。
【0046】
III.装置の一般的な配置
一般的に、本発明の装置は、流路において、多孔質材、及び非多孔質材の両方を使用する。好ましい装置において、第2流路は非多孔質材からなり、そして第1流路内に配置される捕捉領域は、多孔質材上又はその中に配置される。本明細書に関する分析装置のレベルは、検出結果についての直接的視覚的に検出可能なシグナル(標識系)に依存するため、当該捕捉領域は、好ましくは、当該捕捉領域で捕捉試薬のより高い濃度を提供するために多孔質材上/中に配置され、それ故、検体のより高い濃度の捕捉、及びよりよいシグナル産生を可能とする。機械で判読できるシグナル(例えば、放射活性、蛍光発光又は磁力)が使用される場合、当該捕捉領域は、より容易に非多孔質材上に配置され得る。
【0047】
本発明の装置は、時々サンプル口といわれるサンプル適用口、タグ付け領域、捕捉領域、第2流路(通常、そこに1又は複数の試薬を含む)及び場合により制御領域、分析終了領域、及び/又は、例えば当該装置の上流部分から下流部分への流動体の流れを促進するための吸収材を含む。本明細書中の好ましい態様において、当該装置は、流動体(液体サンプル)中の1又は複数の検体をタグ付けし、捕捉し、そして標識し、その結果、当該検体の存在を検出するために、場合により定量化するために設計される。あるいは、当該装置は、流動体中の1又は複数の検体をタグ付けし、標識するために使用され得、次いで、タグ付けされ/標識された検体は捕捉され、そして当該検体の存在又は概算量が測定される。当該装置の少なくとも一部分の非多孔質構造の使用は、当該捕捉領域への素早いデリバリーを可能とし、及び多孔質材からの流れの干渉を排除する。
【0048】
本明細書中に企図されるさらなる態様において、調節試薬を含む1又は複数の調節領域が、当該装置内に存在する。図6及び8を参照のこと。調節試薬は、例えば、pH、塩濃度又は金属イオン濃度の変化、無機又は有機成分あるいは合成洗剤の添加又は除去、例えば全血液サンプルからの赤血球の如き、当該サンプルの大きな及び/又は干渉する成分の非特異的相互作用の阻害又は除去/ろ過を含む、アッセイの性能を改良する。調節領域は、サンプル適用点で若しくはその近くに、及び/又は、当該第1若しくは第2流路内の全場所に、及び/又は、多孔質材若しくは非多孔質材の両方か片方の上/その中に含まれ得る。
【0049】
本発明の装置のさらなる態様において、制御試薬が、当該装置内にさらに含まれる。当業者により理解されるだろうが、かかる制御試薬は、例えばどのような型の制御試薬が使用されるのかに依存して、第1流路又は第2流路のいずれかに配置され得る。もし当該制御試薬が、サンプルを当該第2流路中に及びそこから流すことを単純に示すように意図されるならば、そのとき当該制御試薬は、好ましくは、当該第2流路内に配置され、より好ましくは、その流路内の他の試薬と同じ場所又はその上流に配置される。
【0050】
概して、本発明の装置は、好ましくは、当該装置に適用されたサンプルが当該第1流路内に流れ、場合により調節領域と接触するように配置される。次いで、当該サンプルの一部分は、当該第1流路から当該第2流路に流れる。当該第2流路内で、当該サンプルは、通常、標識試薬と接触し、そして、さらに又はあるいは、調節領域と接触し得る。本発明の装置における流体工学を理由として、当該第2流路中に流れるサンプルは、当該第1流路内のサンプルが当該第1流路から抜かれ始めるまで、当該流路内にとどまる。当該第1流路において、そこを流れる最初のサンプル部分は、好ましくはタグ付け領域を接触し、そこに配置された当該タグを移動性にさせ、そして場合により、1又は複数の調節領域に接触し得る。
【0051】
もし検体がそれらの中に存在するならばタグ付けされる検体を含む当該サンプルは、もし存在するならばタグ付けされる検体が捕捉される捕捉領域と接触するように流れる。当該サンプルは、当該捕捉領域を過ぎて流れ続け、場合により、1又は複数の制御領域、さらなる調節領域、分析終了領域と接触し、そして次いで分析終了と接触し、好ましくは、ある程度当該サンプルのシンクとして作用する吸収材に吸収される。
【0052】
液体サンプルが当該第1流路を通り流れるにつれて、当該第2流路からのサンプルは、当該第1流路に入り始め、好ましくはそれと共に当該第2流路から移動性をもたされた標識を運ぶ。当該第2流路からのサンプルは、下流に流れ、好ましくはもはやタグを含まないタグ付け領域と接触し、次いで捕捉領域と接触し、そこで、当該サンプルと共に流れる標識が捕捉され、さもなければ、当該捕捉領域で捕捉された試薬と反応し、そしてシグナルを産生する。サンプルは、当該装置を通って流れ続け、分析終了を通じて残りの領域と接触する。それ故、好ましくは、液体サンプルのバルクは、当該装置を通じて、当該分析の終了まで流れる。
【0053】
本発明の他の態様において、当該第1流路は、当該検体又はそれらの誘導体に結合した結果複合体を形成し得るタグを含むタグ付け領域と、流動的に連結する。当該サンプルが当該タグ付け領域と接触するにつれて、例えば水和又は可溶化により、当該タグは当該タグ付け領域から放出され、当該サンプルと共に移動性となる。タグと検体(又はそれらの誘導体)との反応又は結合は、当該タグ付け領域又はそれらの下流で生じる。好ましくは、当該タグ付け領域内に存在する全ての移動性をもたされたタグが、第1流路のサンプルにより移動性をもたされ、その後当該第2流路からのサンプルが当該領域と接触する。これは、当該第2流路が、当該タグの成分と反応しシグナルを産生しなければならない標識系の成分を含む際に好まれる。
【0054】
タグは、例えば、抗原、ハプテン、抗体、リガンド、受容体、核酸分子、又は化学反応体の如き親和性剤を含む。タグは検出可能な標識と直接的に結合し得、ここで当該検出可能な標識は、コロイド金/セレニウム又は着色ラテックス粒子の如き光吸収粒子、光吸収成分、リン光性成分又は粒子、蛍光性成分又は粒子、化学発光性成分又は粒子を非制限的に含み、あるいは、当該タグは検出可能な標識と間接的に結合し得、ここで当該検出可能な標識は、例えば、ヒドロラーゼ、エステラーゼ(例えばアルカリホスファターゼ)、又はオキシドレダクターゼ(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ)を非制限的に含む酵素である。当該タグ付け領域は、第1流路の多孔質材又は非多孔質材内に存在し得る。他の態様において、当該タグ付け領域は、第2流路の接合点の下流にある、当該装置の非多孔質材中にある。
【0055】
当該タグ付けされた検体、並びに遊離のタグ、あるいは検体又はそれらの誘導体は、次いで、当該装置を通じて進むにつれて、当該サンプルと共に下流へ流れる。好ましくは、当該液体サンプル、及びその成分は、当該装置を通じて実質的に等しい速度で流れる。いかなる理論にも縛られることなく、当該装置の多孔質部分を通る流れは、好ましくは非吸収剤であり、すなわち、当該多孔質材自体と当該サンプル成分との相互作用は、ごく僅か又は最小である(当該サンプル成分と当該多孔質材上又はその中の試薬との相互作用は、もちろん予期され、吸収的な流れの示唆を考慮しない)。
【0056】
当該捕捉領域は、当該装置上又はその中に固定化された試薬を含む。他の態様において、当該捕捉領域は、当該装置の多孔質領域に配置される。当該装置成分は、少なくとも1つの非多孔質流路の下流部分が多孔質成分で終わり、それ故、液体が当該非多孔質流路の末端まで流れるとき、当該液体は当該多孔質成分中に吸収され、そして当該流路の多孔質部分を通じて、下流へと続くように配置され得る。当該サンプルが当該捕捉領域に接触するとき、当該捕捉試薬は、当該検体、それらの誘導体、及び/又はタグ付けされた検体(複合体)に結合し、そして固定化する。
【0057】
当該標識系に依存して、当該タグは、直接的に検出可能な剤(例えば、着色成分)又は間接的に検出可能な剤(他の検出可能な剤に結合するための連結要素を含む剤を含む)を含み得る。間接的に検出可能な剤の1つの例は、酵素基質と接触するとき(例えば酵素標識系の場合)に検出される酵素である。他の態様において、検体及びタグが当該捕捉領域へ最初に流れる後まで、当該捕捉領域への酵素基質のデリバリーを遅延することが望まれる。それ故、かかる態様において、酵素基質は、好ましくは、当該第2流路に置かれ、当該捕捉領域においてタグが固定化された後、当該タグと当該酵素基質との接触を可能とする。連結要素を含む例示的な間接的に検出可能な剤は、ビオチン又は(ストレプト)アビジンを含む剤である。かかる剤は、第2連結要素、この例示においてはそれぞれ(ストレプト)アビジン又はビオチンのいずれかと「連結」、すなわち結合又は会合し得、その結果、どんな分子(例えば着色成分又は酵素)が当該第2連結要素に結合されたとしても、当該検体と会合する。
【0058】
当該捕捉領域に配置された結合試薬は、検体又は当該検体複合体の成分と結合又は相互作用し得、当該検体又は成分を保持(固定化)する。例えばサンドイッチ分析形式において、当該捕捉領域は、当該標的検体の第1結合パートナーである固定化された抗体を含み得、そして当該移動性を有するタグは、当該検体の第2結合パートナーである抗体を含み得る。それ故、捕捉領域で、当該検体は、当該2つの抗体の間にサンドイッチされる。
【0059】
競合分析系において、当該検体は、当該捕捉領域において、その類似体又は誘導体と置換し競合する、ここで、当該検体又はその誘導体は、当該捕捉領域の上流にあるタグ付け領域において標識を付けられる。
【0060】
他の態様において、当該捕捉領域は、当該装置の多孔質領域内に配置される。当該装置の構成部分は、少なくとも1つの第1非多孔質流路の下流部分が多孔質成分で終わり、それ故、液体が当該非多孔質流路の末端まで流れたとき、当該液体が当該多孔質成分内に吸収され、そして当該流路の多孔質部分を通って下流へと続くように配置されうる。
【0061】
他の態様において、当該装置は、酵素基質が酵素標識を含む遊離の移動性を有するタグと接触しない又は最小の接触となるように設計され、さもなければ、当該捕捉領域内でバックグラウンド、及び/又は偽陽性の読み取りを引き起こす。これらの態様において、酵素基質は、捕捉−結合タグからの遊離型の分離がほぼ達成された後、すなわち当該標識された検体が当該捕捉領域に結合された後、当該捕捉領域に到着する。当該結果は、バックグラウンドのほとんどない又は全く無い当該捕捉領域での検出可能な、通常、視覚的なシグナルである。このことは、好ましくは、当該タグ付け領域の上流に配置される第2流路に酵素基質を設置することにより達成され得る、ここで当該第2流路は、当該第1流路と流動的に連結する。
【0062】
他の態様において、本発明の装置は、構築物又はハウジングにおいて取り囲まれる。かかる装置は、好ましくは、流動体の導入と置換される当該装置内の空気を除去する手段をさらに含む、ここで当該手段は、流動体が当該流路から流れ出るにつれて、当該装置内に及び好ましくは当該分析の終了に空気を再び入れることを可能とするためにも機能する。このことは、当該装置を通る流れから液体を妨害し得る背圧の増加、及び/又は当該装置内の真空の形成を最小化するだろう。
【0063】
例えば、1又は複数の通気口が、例えば当該第2流路の上流末端又はその近く(当該第2流路と第1流路との接合点から離れて)、及び/又は当該分析終了点又はその近くの当該装置内に配置され、当該第2流路内への及びそこからの、並びに当該第1流路を通る、流動体の動きを促進する。当該装置内の空気の流れに影響を与えるいずれかの手段は、通気口、弁、減圧を非制限的に含むことが想像される。例えば、当該第2流路は、液体の流れを促進するため、及び当該装置内の置換された空気を提供するための両方のために設計され得る。
【0064】
さらなる態様は、当該第2流路の上流末端に配置される通気口を含み、当該第1流路からの流動体の流れ込み、及び、サンプル口のサンプルが最小となるか又は全くなくなり当該第1流路内の連続する流れを保つときの第1流路への当該流動体の連続する引き戻しを可能とする。当該第2流路内の流れを誘発するために、当該第1流路内に蓄積される当該サンプルの量は制御され得る。当該第2流路からの流動体が当該第1流路に再び入る前に当該第1流路は完全に空にする必要がないことが当業者により理解されるだろう。正しくは、例えば当該第1流路の下流にある吸収材に吸収されることにより、流動体が当該第1流路から空にされるにつれて、当該第2流路からの流れは、絶え間ない様子で当該第1流路に再び入る。重要なことに、本発明の装置の設計は、本当の一段階過程の酵素免疫学的検定を提供する。
【0065】
他の態様において、当該サンプルの一部分は、当該タグ付け領域の階の下の階にあるチャンバーと流動的に連結する。これらの態様において、当該より低いチャンバーは、第1流路と流動的に連結し、それ故、当該サンプルは当該流路の底から流路に入る。図3及び5を参照のこと。他の態様において、当該サンプルは、酵素基質の配置とタグ付け領域との配置との間で当該底から流路に入る。これらの態様において、当該サンプルは、当該装置に入り、当該チャンバーを通じて流れ、次いで、当該第1流路に入り、そこで当該サンプルの第1部分は、酵素基質と接触することなしにタグ付け領域と接触し、一方、当該サンプルの第2部分は、(例えば第2流路で)酵素基質と接触し、そして続いて、方向を変え、当該最初のサンプル部分に続いて当該第1流路に流れる。より低いチャンバー内に十分量のサンプルが存在し、十分な流速が当該装置内で得られ、それ故、当該第2流路から流れ出るサンプルは、当該より低いチャンバーと第1流路と第2流路との接合点を横切り、そして当該より低いチャンバーに戻ることよりもむしろ当該第1流路へ流れることが、当業者により理解されるだろう。
【0066】
より低いチャンバーを使用する本発明のかかる装置は、場合により、例えば、検体の検出を直接的又は間接的に妨害するサンプルの成分と結合する、より低いチャンバー内に調節領域を含み得る。米国特許第6,737,278号を参照のこと。妨害成分が捕捉領域に達する前にそれらを結合することにより、当該調節領域は、当該検体又はそれらの誘導体の検出を改善する。
【0067】
本発明の装置は、好ましくは当該捕捉領域の近くに配置される制御領域を、場合によりさらに含み得、通常さらに含む。図2〜5を参照のこと。
【0068】
特に当該装置が液体サンプル中の単一の検体の検出のために設計される場合、当該制御領域は、好ましくは、当該捕捉領域の下流に設置される。複数の検体が検出され、そしてそれ故、複数の捕捉領域が当該装置内に使用されるときには、例えば1つの捕捉領域ともう1つを分ける手段として、当該制御領域は、2つの捕捉領域の間に配置されることが好ましいだろう。
【0069】
ある態様において、当該制御領域は、当該液体サンプルが確かに当該捕捉領域を過ぎて当該装置を通って流れ、そしてそれ故、当該アッセイが設計通り実施されることを示すシグナルを産生するために設計され得る。
【0070】
当該制御領域は、通常、サンプルの成分との相互作用の結果として検出可能なシグナルを産生し得ること、又はより好ましくは検出可能な成分を含む制御試薬を結合することができることのいずれかである固定化された試薬(「固定化制御試薬」)を含むだろう。例証として、当該制御領域は、タグの成分を結合する(固定化する)ことが可能な、又は着色成分と結合する抗原を含む分離制御試薬を結合することが可能な抗体を含み得る。
【0071】
分離制御試薬が使用されるとき、かかる試薬は、好ましくは、第2流路内に配置される、というのは、制御領域内のかかる制御試薬の固定化は、当該第2流路から当該装置を通って当該制御領域へと至るサンプルの流れの指標となるからである。当該制御領域内に固定化された成分は、直接的又は間接的に視覚化される。場合により、当該制御領域は、「参照」領域としての機能を有し得、当該液体サンプル中の検体の概算量の存在の測定の手助けとなり、あるいは制御及び参照領域の両方が当該装置内に使用され得る。当業者は、かかる参照領域をよく知り、そして容易に本発明の装置内にてそのように実施できるだろう。
【0072】
当業者は、制御領域は、ネガティブ又はポジティブコントロールとしても機能することを認識するだろう。例証として、ネガティブコントロール領域は、検出可能な標識の非特異的又はバックグラウンドの値を示すように設計されるだろう。このことは、捕捉試薬(例えば捕捉抗体)の捕捉成分が存在しない捕捉領域と同じようにネガティブコントロール領域を作ることにより達成され得る。
【0073】
例示的なポジティブコントロール領域は、当該領域内に確実な標的検体を固定化することにより作られ得、ここで当該検体は、当該アッセイの実施可能性のポジティブな兆候としてタグ及び/又は標識試薬を捕捉及び固定化し得る。
【0074】
当該装置は、例えば十分なサンプルが当該装置を通って流れたこと、及び/又はサンプルと試薬が当該装置内で十分な時間の間反応し、当該分析結果の正確な解釈を許容することを示唆するだろう分析終了領域を、場合により含み得る。本発明の装置内に使用される他の試薬と同様に、分析終了試薬は、第1流路又は第2流路のいずれか、又は両方に配置され得る。例証として、分析終了試薬は第2流路内に配置され得、それ故、当該分析終了領域内のかかる分析終了試薬の検出は、当該第2流路から当該装置を通るサンプルの成功した流れを明示するだろう。例示的な分析終了領域は抗体の如き固定化された結合試薬を含み得、及び例示的な分析終了試薬は、かかる抗体に抗原特異的に結合する着色ラテックスビーズを含む。
【0075】
さらに、本明細書中に記載の装置の態様は、第1流路の下流末端で、液体サンプル及び他の非結合試薬を取り上げるのに役立ち得る領域を含み得る。当該終了領域は、多孔質性の第1流路、または異なる多孔質、当該第1流路と流動的に連結する吸収材、または非多孔質の貯留槽の伸長となり得る。多孔質材/吸収材は、当該装置を通じて流れを促進し得るので好まれる。
【0076】
他の態様において、本発明の装置は、複数の検体の数量を検出する及び/又は見積もりするように設計され得る。かかる態様において、例えば異なる抗体の如き異なるタグ、
並びに異なる標識が、各検体又はそれらの誘導体のために提供され得る。さらに、当該装置は、異なる検体又はそれらの誘導体が捕捉される複数の捕捉領域を含み得る。さらに、1又は複数の制御領域は、例えば、異なる捕捉領域、及びそれ故異なる検体の検出を識別するために識別マークを提供するために使用され得る。
【0077】
第1流路は、多孔性又は非多孔性材のいずれかを含み得、あるいは、多孔質材と非多孔質材の両方からなり得る。他の態様において、当該装置は、非多孔質(場合によりマイクロ流体)の上流領域(例えば、当該非多孔質領域に結合するタグ付け領域を含む)、及び多孔質の下流領域(例えば、当該多孔質領域に結合する捕捉領域を含む)を含む第1流路を含む、ここで、当該領域は流動的に連結状態にある。例えば、図2A−B、及び3A−Cは、当該タグ付け領域が非多孔質である上流部分と結合し、当該捕捉領域が多孔質である下流領域と結合する態様を示す。他の態様において、図4及び5に示されるように、当該タグ付け領域は、当該捕捉領域から上流の当該装置の多孔質材中に存在し得る。
【0078】
本発明の装置は、好ましくは一段階分析装置として使用される、すなわち当該アッセイは当該装置にサンプルを添加することのみ必要とするけれども、本発明を利用する他のアッセイも同様に企図され、例えば、洗浄液又は調節剤の如き他の液体を、サンプル添加の前に又はその後で当該装置内に導入し得る。同様に、例えば試薬を含むサンプル添加の前に又はそれに続いてさらなる試薬、及び/又は反応剤を、当該装置に添加し、液体サンプル中の存在又は概算量を示すシグナル産生を強化し得る。
【0079】
IV.第2流路
第2流路は、多孔質部分をも含むが、好ましくは非多孔質である。当該第2流路は、第1流路の非多孔質部分と接合点を形成し得る。好ましくは、第2流路は、当該第2流路内の少なくともいくらかのサンプルが第1流路内の接合点の下流領域に到達する前に遅延されることが望まれる場所で、当該第1流路と接合点を形成する。この場合、サンプルの一部は、当該サンプルの残りの部分が第1流路の下流に引き続き流れる間、第2流路に入る。いったんサンプル口のほとんど又は全てのサンプルが第1流路に入ると、次いで、流れは、当該第2流路内のサンプルを第1流路に引き戻すことにより続く。それ故、ある態様において、第2流路は、当該第2流路とタグ付け領域との間に接合点を形成し、それにより、当該サンプルの少なくとも一部は、当該タグ付け領域に到達する前に、当該第2流路内で遅延される。
【0080】
いずれにしても、当該第2流路の量は、捕捉領域、及び任意の制御領域に到達するのに十分な量である。特に、当該上流端から当該制御領域(又は、もし制御領域が存在しないならば捕捉領域)の第1流路の空隙用量は、当該第2流路の容積容量よりも少なくなければならない。
【0081】
図2B、3C、4B、及び5Cは、サンプルの一部が最初にタグ付け領域に向かって移動し、一方他の部分が酵素基質に移動するような、当該サンプルの最初の流れ(実線)を例示する。図2B、3C、4B、及び5Cにおける点線は、サンプル口におけるサンプルの消費に続く当該サンプルのその後の流れを示す。当該サンプルのその後の流れは、タグ付け領域、及び捕捉領域へ向かい、そしてそれらを通ってその後の下流に流れる(例えば、多孔質成分及び/又は吸収性成分による当該サンプルの吸収により、及び/又は非多孔質成分内の毛細管作用又は層流により)。液体は、再び第2流路からでて当該第1流路へ入る前に、第1流路から当該第2流路に入る。
【0082】
酵素に基づく検出において、捕捉領域の上流にある、酵素標識されたタグと酵素基質との早いデリバリー、又はそれらの混合は、当該捕捉領域での正確な読み取りを妨害する望まないバックグラウンドを形成し得る。従って、遊離の酵素標識されたタグの大部分が当該捕捉領域の下流に流れた後に酵素基質をデリバリーすることが望ましい。それ故、多くの態様において、当該酵素基質を、タグ付け領域の上流に接合点を形成する非多孔質の第2流路内に配置することが有用である。当該酵素基質が第2流路内に存在するとき、当該第2流路に入る流れは、例えば可溶性にすることにより、当該酵素基質に実質的に移動性をもたせ、そして第1流路からのサンプルの大半が当該酵素と共に移動した後に、続いて当該第1流路内に引き戻される。
【0083】
本発明の装置において、第2流路への流れの唯一の供給源は当該第1流路(サンプル口又は流路を含む)から来ることが望ましい。それ故、第2流路から再度出て、そして第1流路に再度入る前には、液体は、当該第1流路から第2流路に入るのみである。それ故、本発明の第2流路は、通常、当該第1流路から当該第2流路へサンプルが入る前の液体を含む貯留層を全く含まず、そしてまた当該第2流路は、第2流動体の追加のための入り口を含まない。多くの態様において、当該第2流路は、当該第1流路との唯一の接合点を形成する。
【0084】
しかしながら、以下に記載の通り、ある場合において、当該第2流路は2つの当該第1流路と流動的に連結し、その結果、当該2つの第1流路と連結するだろう。ある態様において、当該第2流路は、安定剤、緩衝成分、及び他の試薬、さらに酵素基質又は他の検出又は標識付け系を含み得る。他の態様において、タグは第1連結要素{例えば(ストレプト)アビジン}と連合(結合)する。これらの態様において、当該第2流路は、当該第1連結要素(例えばビオチン)と結合する着色成分と連合する第2連結要素を含み得る。この形成は、タグの検出を可能とし、それゆえ検体の検出を可能とする。連結要素対の例は、例えば、ビオチンと(ストレプト)アビジン又は蛍光要素と抗蛍光要素を含む。
【0085】
第2流路の配置
図1に示されるように、第2流路は、第1流路とタグ付け領域に関する多くの位置づけにおいて配置され得る。ある場合には、サンプル口とタグ付け領域が、実質上直線状の流路にあり、第2流路が、サンプルと標識との間の点で第1流路と接合点を形成する。図1Aを参照のこと。あるいは、図1Bは、第1流路が接合点の上流で2つの第1流路に分かれ、第2流路の下流の接合点で融合する態様を示す。
【0086】
さらに他の態様において、第1流路が、その上流端(サンプル口)と当該タグ付け領域との角を形成し得る。図1C〜Eに示されるように、第2流路は、第1流路に配置されるタグ付け領域と実質的に直線状の流路を形成するように配置され得る。この態様は、例えば図2Bにも示される。
【0087】
他の特定の流路(例えば、多孔質又は非多孔質の流路の断面により示される)の最大の流量は、その全過程を通して、一定のままである必要はない。
【0088】
第2流路は、通常、液体サンプルの導入と引き換えの当該装置内の空気を削除するための手段を含むだろう。ある態様において、1又は複数の通気口がこのために使用される。例証として、通気口は、第2流路の上流末端に配置され得、液体サンプルがその流路に流れるようにそこから空気を逃がすことを可能とする。
【0089】
同様に、さらなる例証として、通気口は、当該分析終了付近で同様に使用され得、当該装置を通して当該終了までサンプルの流れを促進する。通気口は、通常、装置の頂点に、又は装置の側面に配置されるだろう、しかしながら、サンプルが好ましくはかかる通気口を通して当該装置から出て行かないという条件の下である。例証として、図8は、当該装置内の空気が上方かつ側面に流れ当該装置から出るように、当該通気口が構成される本発明の態様を示す。示されるように、このことは、当該装置のトップカバーの頂点に通気口を形成すること、当該通気口がカバーされないままになるように当該トップカバーにスペーサー材を添付し、次いで通気口カバーをスペーサー材に添付することにより達成され、ここでその通気口カバーは当該通気口を除くサンプル口と読み取り窓のカットアウトを含む。
【0090】
V.標識試薬
当業者は、本発明の装置に使用され得る様々な標識系を容易に理解するだろう。例示的な標識は、コロイド金/セレニウム又は着色されたラテックス粒子の如き光吸収粒子、リン光性成分又は粒子、蛍光性成分又は粒子、染料(例えば重合染料)又はゾル、あるいは、着色された又は蛍光性の又は化学発光性の分子又は粒子、あるいは酵素活性及び/又は放射活性分子の着色された不溶性生成物を非制限的に含む。
【0091】
好ましくは、当該標識により産生されたシグナルは、光学的に透明な又は光透過性の読み取り窓又は領域を通して検出され得るように、及び当該サンプル中の検体の存在、及び/又は量に関連して検出され得るように光学的に検出可能である。
【0092】
好ましいシグナル産生系において、溶解性の酵素基質は、視覚的なスペクトルにおける実質的吸収が足りない標識として使用され得、しかし、好ましくはタグの中に組み込まれる酵素作用により不水溶性及び可視的な(すなわち、可視的な波長領域において実質的に吸収される)生成物へ転換される。例示的な酵素は、アルカリホスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、及びペニシリナーゼを非制限的に含む。当業者は、かかる酵素に基づく標識系において使用され得る様々な基質を十分理解しているだろう。基質の選択は、例えば、使用される酵素、望まれる感度など(例えば、色の産生のみでも結果を視覚化するのに十分であり、そして蛍光性が好まれるだろう)に依存するだろう。あるいは、酵素により蛍光性又は発光性の生成物に転換され、視覚的なスペクトルにおける吸収性を有するか又は有しない酵素基質が、使用され得る。
【0093】
液体サンプル中の検体の存在又は概算量の測定が光学的に検出可能なシグナルの検出を含む際の分析的な装置を含むある態様の例示は、本発明における以下の:第1流路、当該第1流路内の検体を固定化し得る捕捉領域、及び当該捕捉領域の上流にある単一の接合点で当該第1流路に隣接する第2流路を含む分析装置をも企図し、ここで、当該第2流路への流れの唯一の供給源は当該第1流路からのものである。さらに、ここで、当該第1流路は多孔質及び非多孔質材を含み、及び当該第2流路は非多孔質材を含む。
【0094】
ある態様において、検体と複合体を形成することが可能な少なくとも1つのタグを含む第1流路内にタグ付け領域がさらに含まれ、ここで、当該タグは当該液体サンプルと接触するとき実質的に移動性を有し得、当該タグ領域は当該捕捉領域の上流に配置され当該捕捉領域と流動的に連結し得、そして当該捕捉領域は、当該検体を結合することが可能である固定化された捕捉試薬を含み得る。
【0095】
他の態様において、当該第2流路内に標識がさらに含まれ得、ここで、当該標識は着色成分と結合する第1連結要素を含み得、当該タグは第2連結要素を含み得、そして当該第1連結要素は当該第2連結要素を結合し得る。分析装置は、液体サンプル中に存在する検体が当該タグを結合しそして当該固定化された捕捉試薬により結合され、及び当該着色成分と結合される当該第1連結要素が当該タグ内に含まれる当該第2連結要素と結合され、その結果、当該捕捉領域内で光学的に検出可能なシグナルを提供する態様をさらに含み得る。分析装置は、当該第1連結要素及び第2連結要素が異なり、それぞれビオチンとアビジンであり、又はそれぞれアビジンとビオチンである態様をさらに含み得る。
【0096】
VI.装置の構成
本発明に関する装置は、当業者によりよく知られた様々な方法のいずれかにより構築され得る。ある態様において、本発明の装置の非多孔質部分の本体構造は、適切に合わさるときに当該装置内に非多孔質流路を形成する複数の(例えば3つ又はそれ以上)の分離層の集まりからなる。例えば図2A、及び3Aを参照のこと。これらの図において示されるように、かかる非多孔質構造は、トップカバー、底支持版、及び内部部分又は「カットアウト」からなり得る、ここで当該カットアウトは当該装置の流路を実質的に定義する。薄膜{例えばMylar(登録商標)ポリエステルフィルム}は、トップカバー、及び/又は底支持板として適用され得、当該カットアウト層により作られた空間をふさぐ。
【0097】
いずれかの手段が使用され、当該装置の多孔質材と非多孔質材を結合し、及び/又は互いに非多孔質材を固定するが、かかる手段が当該装置内の流動力学には干渉しないことが条件である。例証として、本発明の装置の非多孔質構造の内部(カットアウト)は、当該流路(チャネル/チャンバー)が打ち抜きにより作られる両側接着で構築され得る。リリースライナーを除去した後、次いで、当該非多孔質構造のカットアウト部分を、当該底支持板の平面に結合するように合わせた(例えば接触するように置いた)。このように、連続する製造工程又は手作業で達成され得る。あるいは、当該非多孔質流路の形状を、エンボス加工、鋳造、エッチング加工、フォトリソグラフィー又はレーザー切断により形成する。
【0098】
製造方法は、例えばフレキソ印刷方法を使用して、分析支持材上の1又は複数の所定の位置に少なくとも1つの生物学的試薬を正確に置くことを含み得る。フレキソ印刷の導入は、例えば、Encyclopedia of Chemical Technology(Kirk−Othmer,eds.,1993),vol.20,101−05ページに見られ、参照として本願明細書中にその内容を引用する。当該方法は、通常、ラミネート装置内で様々な支持層及びマトリクス層(例えば多孔質材)を結合し、フレキソグラフィーを使用し生物学的試薬の適用を含む試薬を適用し、任意のハウジングを有するウェブから当該装置を切り出し、そして製品の最終的なパウチングすることを含み得る。正確に置かれた試薬の所定の位置は、通常、当該装置の流路内であり、当該生物学的又は結合試薬は、通常、実質的に天然の生物学的活性を残したままである。
【0099】
当該方法のある態様において、当該フレキソ印刷方法は、印刷プレート及び当該生物学的試薬を含む試薬容器と操作可能な関係にあるAniloxローラーシステムを含み、それ故、当該生物学的試薬は、分析支持材上にそれぞれ印刷される。使用される当該分析支持材は、連続するウェブ型において多孔質材又は非多孔質材、不浸透性材を含み得る。ある態様において、連続工程は、タグ付け試薬、標識試薬、必要ならば例えば酵素基質、又はサンプル処理のための他の化学的組成物(例えば、塩、ポリマー、凝集素又は緩衝液剤形)が適切なチャネル又は流路内の所望の位置に置かれるウェブ形式において実施される。
【0100】
当該非多孔質構造のトップカバー及び底支持板は、好ましくは固体の平面材からなる。当該トップ部分は、ウェブ形式における連続工程内で実施される例えば打ち抜きを使用して製造され得る穴(通気口)を組み込み得る。当該非多孔質構造のトップ部分の穴は、好ましくは当該構築物の内部に形成された流路(チャネル、及び/又はチャンバー)と連結するように配向される。完成した装置において、これらの穴は、例えば当該装置内部へのサンプルの導入のための入り口としての機能、又は流動体の流れを促進するための装置内の通気口としての機能を有し得、例えば、通気口は標識要素(例えば、酵素基質)を含む流路内、及び/又は分析終了点に配置された吸収材の隣接の如き当該装置の下流末端に配置され得、そして/あるいは、通気口は捕捉領域及び/又は制御領域に隣接して配置され得、それらにより通気口として及び読み取り窓としての両方の機能を果たす。これらの穴の位置及び/又は大きさ、並びに当該流路の配置は、当該装置内の所望の連続流量を制御することに合わせて変化され得る、それにより所望の連続試薬デリバリーを提供する。
【0101】
1又は複数の多孔質成分は、流動体の流れがその上、下、さもなければその周辺というよりもむしろ当該多孔質材を通って進む限り、当該装置の非多孔質成分のトップカバーと底支持板部分との間にサンドイッチされることにより非多孔質構造と結合され得る。当該非多孔質構造のトップカバー部分は、当該カットアウトの平面的上面と結合し得、それにより、当該カットアウト部分をカバーし、シールし、当該トップカバーと底支持板成分との間に囲まれる当該装置の流路(チャネル及び/又はチャンバー)を形成する。
【0102】
調節試薬の如きある試薬は、当該トップカバー部分の底面上にあるいは配置され得る。同様の試薬を流路のトップ及び底の非多孔質部分上にプリントすることは、当該アッセイのために有用な試薬の量を増大するためにも使用され得る。
【0103】
ある態様において、当該非多孔質構造は、所望のインク印刷又は非多孔質ポリマー材料のラミネーションのいずれかの連続するフレキソ印刷工程に単に導入され得る、又は当該装置に手動で添付され得る、不透明な被覆層(例えばアートワークを含み得る)をその上面上に含むだろう。
【0104】
多様な材料が、当該非多孔質構造の底支持板又はトップカバー部分として使用され得る。本発明の装置が、ウェブ形式において実施される連続工程で製造されるとき、材料は、好ましくは、打ち抜き、印刷、ラミネーション、エンボス加工、アイランド配置、及び他の技術の如き、知られた転換技術との適合性に基づいて選択される。当該材料は、通常、pH、温度、塩濃度の両極端を含む本発明の装置がさらされ得る条件の全範囲と適合性のあるものとしても選ばれ、そして、全血、全血由来の検査サンプル(例えば血しょう又は血清)、尿、唾液、汗、糞、膣サンプル、及び精液サンプル、並びに特殊加工されたサンプル(例えば、伝染性疾患の試験のために抽出されたサンプル)の如き着目の検体を含む体液サンプル内の成分による所望しない干渉がなければ、本質的に適合性である。
【0105】
ある態様において、当該構造材料は、ポリマー材料からなるだろう、ここで当該ポリマー材料は、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカルボナート、ポリビニルクロリド(PVC)、ポリスルホン、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)などの如きプラスチックである。これらのプラスチック材料は、誘導体化又は被覆された表面の如き処理された表面、及び/又は物理化学的修正を含み得、促進された流量を提供すること又は印刷適合性を改良することにより、本発明の装置におけるそれらの利用性を促進する。
【0106】
好ましくは、当該非多孔質材は、ポリエチレンテレフタラート、及びMylar(登録商標)として知られるものから製造されたものの如きポリエステルフィルムである。
【0107】
多孔質材又は成分は、例えばセルロース誘導体の如き天然繊維成分を加工することにより形成され得、紙様材料又は例えばガラス繊維又は合成粘結剤と混合されるそれらの混合物(例えばポリマーアルコール、及び/又はビニル誘導体)の如き合成成分の好適な最終形態に存在され得、そしてろ過様材料の好適な最終形態に存在し得る。
【0108】
あるいは、多孔質成分は、不織布、並びに非繊維状材料、例えばセルロース、及びその誘導体(例えばニトロセルロース、セルロースエステル、及び再生セルロース)、ポリアルキレン(例えばポリエチレン)、ハロゲン置換ポリカーボン(例えばPVDFなど)、ナイロン66誘導体から選択されるポリマーから形成される。
【0109】
好ましくは、当該多孔質材は、ニトロセルロース膜(Milipore Corporation,Bedford,MA)又はPOREX(登録商標)LateralFlo(登録商標)膜(Porex Technologies Corporation,Fairburn,GA)の如きポリエチレン膜、あるいは例えば2003年5月22日に刊行された米国特許公開番号第2003/0096424号内に記載される他の焼結ポリマー膜を含む。
【0110】
VII.使用
当該検体は、検出され得るいかなる化合物となり得、例えば、小有機分子、ペプチドとタンパク質、糖、核酸、複合体カルボハイドラート、ウイルス、バクテリア粒子(バクテリア、バクテリア抽出物)、脂質、及びそれらの混合物、それらの天然素材又は合成品、あるいはそれらの混合物である。当該検体は、薬物、天然素材及び合成品の両方、血液成分、組織成分の如きヒトを含む動物の様々な成分;バクテリア、菌類、原生動物、ウイルスなどの如き微生物;商業過程で製造された製品のくずの又は製品の又は混入物質の成分;特に農薬、微生物などの如き混入物の環境の成分を非制限的に含む。
【0111】
当該装置におけるアッセイを実施する際、いかなる型の液体でも分析し得るが、かかる液体が自然に流れること、及び当該装置内を適切に流れるように処理され得ることを条件とする。例証として、特定の粘性液体は、当該アッセイにおける使用の前に希釈される必要があり得、又はかかるサンプルはそれらから溶液中に抽出された検体を有することが必要となり得、そして当該抽出されたサンプルが当該装置に適用される。当該液体サンプルは、いずれかの源からの人為的な(強化された)サンプルとなり得、又は天然サンプルとなり得る、ここで当該源は、例えば、血液、血清、血しょう、尿、唾液、脊髄液、溶解物、鼻咽頭吸引物などの如き生理学的源;水、土壌、ゴミの流れ、有機体などの如き生態学的着目のサンプル;肉、乳製品、植物生成物、他の有機物などの如き食物;薬物、及び工程中の薬物混入物などである。
【0112】
サンプルの性質に依存して、当該サンプルは、抽出、蒸留、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、溶解、遠心分離、ろ過、細胞分離などの如き、その後の処置に供され得る。血液について、赤血球を除去し、血しょう又は血清することが望ましい。
【0113】
VI.ハウジング
本発明の装置は、ハウジングに含まれ又は囲まれ得る。当該ハウジングは、流路内のサンプルの流れに干渉せず、アッセイが完了したときに当該サンプルの読み取りができれば、いかなるデザイン又は構造のものでもよい(例えば、鋳造の、エンボス加工の又はラミネートのプラスチック)。当該ハウジングは、以下の:
(1)液体サンプルを受け入れるサンプル口;
(2)捕捉領域を読み取れるようにし、それ故、当該捕捉領域を読み取ることによりサンプルにおける検体の存在又は非存在又は概算量の測定を可能とする読み取り方法;
(3)制御領域を読み取れるようにする読み取り方法;
(4)分析終了領域を読み取れるようにする読み取り方法;及び/又は
(5)サンプルの流れを促進するための1又は複数の通気口、
のいずれか又は全てを含み得る。
【0114】
本発明を一般的に記載してきたが、以下の実施例は例証を提供するものであり、本発明の限定を意図しない。
【実施例】
【0115】
実施例1 アルカリホスファターゼhCG抗体複合体タグの製造
一般的な薬物は、分析的試薬級又は商業的に入手可能な最も高い精製度のいずれかとした。hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)に対するヤギ抗体を、以下のように、ヘテロ2価性チオエステル化学反応を使用して、仔ウシ腸内アルカリホスファターゼに結合させた。
【0116】
組み換えアルカリホスファターゼ(Roche Diagnostics GmbH,Mannheim,Germany)を、0.1Mのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)で希釈し、そして当該酵素の限られた数のアミノ基を、室温でインキュベートすることにより、sulfo−SMCC(Pierce Chemical Company,Rockford,IL)を使用して、マレイミドで置換した。当該改変された酵素を、0.1Mのリン酸ナトリウム(pH7.5)において平衡化したSephadex G−25カラム(Amersham Biosciences Corporation,Piscataway,NJ)におけるゲルろ過により精製し、そして導入された多くのマレイミド基を測定した。50mMのTris−0.5MのNaCl−0.1%のアジ化ナトリウム緩衝液(pH8.0)中の抗hCGポリクローナルヤギ抗体(Quidel Corporation,San Diego,CA)のF(ab’)断片を、窒素雰囲気下、37℃で、2−メルカプトエチルアミンヒドロクロリド(TCI America,Portland,OR)と反応させた。
【0117】
還元された抗体をSephadex G−25カラムにおけるゲルろ過により精製し、そして当該抗体中に導入されたチオールのモル当量を測定した。当該改変されたアルカリホスファターゼと抗体との複合反応を、室温で、0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.5)において実施した。
【0118】
当該未反応マレイミド、及び2−メルカプトエタノールとN−エチルマレイミドを有するチオールをそれぞれ急冷した後、当該複合体を、1mMのMgCl、0.1mMのZnCl、1mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA;Biocell Laboratories Inc.,Rancho Dominguez,CA)、及び0.1%のアジ化ナトリウムを含む50mMのTrisHCl緩衝液(pH8.0)で平衡化したSephacryl S−300 HRカラム(Amersham Biosciences Corporation)におけるゲルろ過により分画した。得られた複合体を、続く実施例において記載される分析装置におけるhCGの検出能について評価した。
【0119】
実施例2 多孔質流路の製造
9mmの厚さの微少孔性ポリエチレン膜の2.5cm幅のストリップ{「Porex膜」(登録商標);Porex Technologies Corporation;米国特許出願第US2003/0096424号の特に実施例1を参照のこと}を、加圧ローラーを通じた圧延により、2mmの厚さの両面粘着テープ(Adhesive Research Inc.,Glen Rock,PA)でラミネートした。当該ラミネートの2つの層の間に接着剤を定着させるのに必要な24時間の硬化期間の後、0.5〜2.0mm幅の当該検体特異的、及び制御捕捉ラインについて、当該ストリップの長さに沿って、Rapidographペン(1mm分配チップ;Koh−I−Noor Inc.,Leeds,MA)を備えたX−Yプロッターを使用してすじを付けた。
【0120】
250mMのNaClを含む100mMのPOPSO緩衝液(pH7.5)中に製造されたhCGのβサブユニットに対するモノクローナル抗体(Scripps Laboratories INC.,San Diego,CA)について、当該Porex膜の端から7mm間隔ですじを付けた。25mMのTris−シトラート緩衝液(pH5.0)中に製造されたアルカリホスファターゼ(Biodesign,Saco,ME)に対するヤギ抗体について当該膜の端から11mm間隔ですじを付けた。
【0121】
検体を含むとされるサンプルのための調節溶液は、Triton X−100(Sigma Chemical Company,St.Louis,MO)を含む250mMのPOPSO緩衝液(pH7.5)に溶解されたBSAを含んだ。当該調節溶液について、2mmの分配チップを含むRapidographペンを使用して、当該膜の端から1mm間隔ですじを付けた。得られたラミネートストリップを、対流式オーブン内において、45℃で10分間乾燥した。
【0122】
実施例3 非多孔質流路の製造
図6(カットアウト)に示されるように、非多孔質流路の形状は、回転式の打ち抜き、その後、連続するウェブ加工における透明な7mmの透明底ポリエステルMylar(登録商標)テープ(Transilwrap Company,Inc.,Franklin Park,IL)とのラミネート加工を使用した、10mmの厚さの両面粘着テープ(Lohmann Technologies,Hebron,KY)におけるカットアウトだった。得られた非多孔質流路のウェブを、各々10個の試験装置を含む10.5インチの長さのパネルに切断した。
【0123】
当該アルカリホスファターゼ−抗体複合体のタグストック(実施例1を参照のこと)を、BSA、スクロース、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、MgCl、ZnCl、ウシ腸内アルカリホスファターゼ(Calzyme Laboratories Inc.,SanLuis Obispo,CA)、保存料としてのProclin300(Suplco,Bellefonte,PA)を補充した50mMのTris緩衝液(pH8.0)で希釈した。アルカリホスファターゼ又は当該アルカリホスファターゼと当該抗体との複合体のいずれかについての基質を、パートA、及びパートBの2つのパートからなる配合において製造した。
【0124】
パートAは、3−インドキシルホスフェイトのジナトリウム塩(3−IP;Biosynth International Inc.,Naperville,IL)、ソルビトール、ジエタノールアミン、OGME(オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル)、及びメタノール中に溶解されたPVAを含んだ。パートBは、2.5MのソジウムカルボナートL−酒石酸緩衝液(pH10.0)を含んだ。パートAの重量割合が48とパートBの重量割合が52で混合した後、当該基質を、15分内に、当該装置に適用した。
【0125】
当該装置のパネルを、位置決めテンプレートと貼り付け、当該基質と複合体の溶液を、図2Bに示されるように、当該装置の底の透明なポリエステルMylar(登録商標)部分に適用した。当該基質を、少なくとも1mm上流で、かつ当該サンプル口から右に、5×5mmの正方形として、マイクロピペットチップで当該溶液の1.5μlを薄く塗ることにより位置づけた。当該複合体を、少なくとも1mm下流で、かつ当該サンプル口から左に、2×5mmの長方形として、マイクロピペットチップで当該溶液の1.5μlを薄く塗ることにより位置づけた。当該装置を含む得られたパネルを、対流オーブン内、45℃で、10分間乾燥した。
【0126】
実施例4 当該装置の完成
実施例2に記載され、かつすじを付けられた捕獲抗体及び制御抗体を含むラミネートされたストリップを、8mm幅の試験ストリップに切り、当該非多孔質流路(9mm、図2A、中間層、及び図2B)の拡張部分につけた。接着剤にさらされるようにライナーを除去した後、当該試験ストリップを、2mm以下の下流、かつ当該配置された複合体から左にある当該チャネルの拡張部分に添付した(図2B)。
【0127】
トップカバーを構築するために、7mmの透明なポリエステルMylarテープのストリップを切り、2mm重ねた当該多孔質捕捉ストリップの端、及び当該全基盤配置の両方を覆った(図6の「カバー」)。続いて、当該トップカバーの構築を完全なものとするために、サンプルチャネルと合わせるサンプル口、及び当該基質の配置を僅かに超えて伸長される基質の通気口を、当該Mylarストリップ中に切った。最終的に、ライナーを当該非多孔質流路(図6における「カットアウト」)における接着から除去し、そして当該完成したトップカバーをそれに接着した。吸収紙(Ahlstrom Filtration Inc.,Madisonville,TN)の25cm長、及び20mm幅のストリップを当該Porex膜の端から15mm下流で、捕捉ストリップの上に置き、そして当該カットアウトの接着剤に接着した。
【0128】
実施例5 手作業で組み立てられた装置の性能
当該試験装置を、実施例2〜4に記載の通り、50、100、200又は400μg/mlに希釈された当該抗体−酵素結合タグを適用することにより製造した。75μlの雌尿プール(hCG−ネガティブサンプル)又は25mIU/ml(hCG−ポジティブサンプル)の値までhCG(Quidel Corporation)を混入した当該プールを、当該試験装置のサンプル口に添加した。当該装置をhCG特異的な青い捕捉線の出現について測定した。
【0129】
当該ポジティブサンプルに由来する薄い色のシグナルの出現までの時間(「シグナルまでの時間」)を記録した。ネガティブサンプルで試験された装置においては、全ての複合体値において、視覚的なシグナルはなかった。シグナルが、当該複合体の増大値に対して次第により早く出現し、一方、アッセイの特異性は変化しないままであった。
【0130】
実施例6 hCGに対する蛍光発光に基づく免疫学的検定
当該非多孔質流路のトップ及び底を覆うための不水溶性下塗りインクを、金属プロペラのへらを有する電動ミキサーを使用し、プロピルアセテートにポリ(ビニルアセテート)(Scientific Polymer Products Inc.,Ontario,NY)を溶解することにより製造した。アルカリホスファターゼについての印刷可能な基質を、以下:炭酸ナトリウム、マンニトール、OGME、ジエチルアミン、AttoPhos(登録商標)基質(2’−[2−ベンゾチアゾイル]−6’−ヒドロキシベンゾチアゾールホスフェイトのジソジウム塩;Promega Corporation,Madison,WI)のジソジウム塩を、混合し、そして室温で、高速ブレンダーホモゲナイザーで粉砕した、のように、プロパノール懸濁液として配合した。
【0131】
次のステップにおいて、ヒュームドシリカ(Sigma Chemical Company)、及びポリビニルピロリドン(PVP)を当該懸濁液中に溶解した。次いで、当該得られたインクを印刷するために準備し、又は印刷の前には当該得られたインクを冷蔵した。サンプル調節インクを、BSA及びトレハロースを2MのTris−HCl(pH8.0)に溶解すること、その後、保存料としてProclin300(Supelco,Bellefonte,PA)の添加により製造した。次いで、このインクは即時使用のために準備するか又は保存のために冷蔵した。
【0132】
次いで、タグ印刷インクを2つのステップで製造した。第1ステップにおいて、2MのTris−HCl緩衝液(pH8.0)を、実施例3に記載の当該タグストック、及び仔ウシ腸アルカリホスファターゼと混合した。次のステップにおいて、トレハロース、MgCl、ブロッキングペプチド断片(Toyobo,Osaka,Japan)、及びウシPoly−Pep(Sigma Chemical Company)を、続いて溶解し、最終タグ印刷インクを産生した。捕捉及び制御線を含む多孔質流路を、実施例2において記載したように連続ウェブ工程を使用して製造した。続いて、hCGの蛍光性に基づく免疫学的検定のための分析装置を、多孔質流路、トップカバー、及び吸収材を使用して、実施例4に記載された材料と共に製造した。
【0133】
操作中、AttoPhos(登録商標)基質(2’−[2−ベンゾチアゾイル]−6’−ヒドロキシベンゾチアゾールホスフェイト;Promega Corporation,Madison,WI)をアルカルホスファターゼにより開裂し、無機ホスフェイト、及びアルコールである2’−[2−ベンゾチアゾイル]−6’−ヒドロキシベンゾチアゾール(BBT)を製造した。AttoPhos(登録商標)基質のリン酸塩型のBBTへの、この酵素触媒された転換は、蛍光性特質の強化に伴って起こる。AttoPhos(登録商標)基質と比較して、BBTは、量子効率、及び視覚領域にうまくシフトされる蛍光励起、及び発光分光を著しく増大する。
【0134】
他の蛍光分析によるレポーターと比較して、当該BBTアニオンは、120nmの非常に大きなストークスのシフトを有し、バックグラウンドの蛍光発光のより低い値、及びより高い検出感度を導く。蛍光発光に基づく分析的装置の能力を評価するために、75μlの雌尿プール(hCGネガティブサンプル)、あるいは0.8、6又は25mIU hCG/ml(hCG−ポジティブサンプル)の値までhCG(Quidel Corporation)を混入した当該プールを、各装置に添加した。当該装置を、400nmの発光ダイオードで照射し、そして、非冷却電荷結合素子を使用して放出蛍光発光を500〜600nmで測定した。結果は、当該装置にサンプルを添加後10分で、0.8mIU hCG/mlの分析感度を実証した。
【0135】
本願明細書中に引用された刊行物、及び特許出願は、各々の刊行物又は特許出願が明確に及び個別に参照により引用されることを意図するように、その内容全てを本願明細書中に援用する。
【0136】
本明細書中において使用される用語「a」、「an」、及び「any」は、それぞれ単数形及び複数形の両方を含むことを意図する。
【0137】
本発明に記載された全てを用いて、本発明の本質及び範囲を逸脱せずに、かつ過度の実験をすることなしに、同等のパラメータ、濃度、及び条件の広い範囲内で同じことを実施し得ることが、当業者によって理解されるだろう。本発明は、それらの特別な態様と関連して記載されているが、さらなる改良をし得ることが理解されるだろう。この出願は、一般的に本発明の原則に従い、並びに本発明の属する分野のよく知られた又は慣習的なやり方に付属するように、及び以上に説明された本質的な特徴に適用され得るように本発明の開示からのかかる逸脱を含む、本発明のいかなる変化、使用または翻案の範囲に渡ることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】図1(A−E)は、本発明による分析装置の第2流路及び第1流路の一部の例示的構造を示す。特に、本願明細書中の装置に関する非多孔質部分の例示的態様を示す。これらの図において、通気口、及びサンプル適用部位(サンプル入り口)を、空所として示す。各々の流路は、当該タグ付け領域(各図の底)の下流に配置される当該捕捉領域(示されていない)と流動的に連結するように意図される。 図1Aは、第1流路の異なる側から各々分岐する2つの第2流路を示す。図1Bは、第2流路の上流末端の両側に沿っていくように分割する第1流路を示す。図1A及び1Bの両方において、サンプルは、最初、当該サンプル口から直接的に下流に流れ、当該サンプルの一部は、その後当該第1流路から出て上流へ流れて1又は複数の第2流路へ入る。図1C、1D、及び1Eは、当該サンプルがサンプル口から横方向に流れ、次いで上流の第2流路、及び下流の第1流路へと双方に流れる態様を示す。 これらの図に示されるように、これらの例示的態様は、非多孔質構造中にタグ及び基質(例示的には標識成分である)を配置する。当該捕捉領域、並びに、もしあれば制御領域、分析終了領域は、示された領域の下流に配置され、ある態様においては、多孔質材上又は多孔質材中にある。
【図2A】図2〜5は、本発明における分析装置の異なる態様の様々な流路、及び試薬の構造を示す。これらの図に吸収材が示されないけれども(通常は当該分析の末端、及びそれらと流動的に連結するところに配置される。)、その場合は企図される。例証として、吸収材は、図2Aのカットアウトとトップカバーとの間に、当該多孔質材と流動的に連結するが、当該捕捉領域、制御領域又は分析終了領域に重ならないように設置される。 図2Aは、流路の多孔質部分と流動的に連結する当該流路の非多孔質部分であって、図1C、D、及びEに示された態様と似た構成を有する当該非多孔質部分を含む本発明の例示的な分析装置を示す。この態様において、当該タグ付け領域は、第1及び第2流路の接合点の下流の当該装置の非多孔質部分に配置される。示されるトップカバー、カットアウト、及び底支持板要素(並びに他の図において示された類似要素)は、当該図の対照を提供するために少し暗くした。特にトップカバーは、使用者により観察され得るように好ましくは透明であり、当該捕捉、制御、及び/又は分析終了領域の上に更にカットアウトを含むことが当業者に理解されるだろう。
【図2B】図2Bは、図2Aに示される態様の多孔質/非多孔質流路部分の構造であって、それらの中の試薬の位置を含む当該構造の上面図を示す。この図は、サンプル口の上流(図の右側)にある第2流路の位置を示す。この態様において、液体サンプルの一部がサンプル口から、最初は横向きに、次いで上流に流れ、基質と接触する。当該液体サンプルの残りの部分は、当該サンプル口から第1流路に流れ、そして分析終了へ流れる。当該装置の非多孔質部分内に位置する実線矢印は、当該サンプルの最初の流れを示し、点線矢印は、当該第2流路から第1流路へと遅れて続く流れを示す。
【図3A】図3Aは、本願明細書中に記載される分析装置であって、その分析的部分が図2Aに示されたものと類似の分析装置の他の態様の分解図を示す。しかしながら、この態様において、2つの底層である底支持板、及び下側カットアウトが追加され、当該第2流路の下にサンプルチャンバーを作る。中間支持板は、当該サンプルチャンバーと当該装置の上側カットアウト(分析的)部分との間に流動的な連結のために提供されるカットアウトを含む。
【図3B】図3Bは、図3Aに示される組み立て装置の断面図を提供する。実施において、液体サンプルをサンプル口から適用する。当該サンプルは、上側カットアウト、及び中間支持板におけるカットアウトを通過し、サンプルチャンバーの中へ下方向に流れる。いったんサンプルが、当該サンプルチャンバーを満たすと、サンプル再取り込み口を通じて、当該装置の分析的部分(上側カットアウト)の中へ流れる。次いで、サンプルは、上流の第2流路、及び下流の第1流路の双方へ流れ、本明細書に記載の捕捉領域にサンプルの連続デリバリーを提供する。このことは様々な方法により達成され、例えば、下流の流れ(すなわち、サンプル口又はサンプルチャネルから、捕捉領域への流れ)は、当該流路の多孔質成分の毛管作用により促進され、一方、上流への流れ(すなわち、サンプル口から例えば酵素基質を含む第2流路への流れ)は、非多孔質中空チャネルの毛管作用により促進される。 あるいは、十分量の液体サンプルが、サンプル口又はチャネルに追加され得、当該非多孔質中空チャネルを満たし、当該流路の多孔質成分と接触する。かかる代替案の場合において、非多孔質中空チャネルからの流動体の流れは、当該多孔質成分が当該流動体を吸収しながら生じる。それ故、各場合において、いったん入り口でサンプルの残りがなくなり、次いで、当該流路の多孔質成分は、当該サンプルを、酵素基質領域を含む第2流路から引き戻す。
【図3C】図3Cは、トップを除いた、図3Aに示される装置の分析的部分(上側カットアウト)の上面図を示す。図2Bのように、流路内の実線矢印は、流動体の最初の流れを示し、そして、点線矢印は遅延した又は流動体の第2の流れを示す。
【図4A】図4Aは、図2A、及び2Bに示された装置と類似の本願明細書中に記載される装置の他の態様の分解図を示す。しかし、タグ付け領域が非多孔質材上よりもむしろ多孔質材内又は多孔質材上に配置される。
【図4B】図4Bは、図4Aに示された態様の分析的部分(又はカットアウト)の上面図(トップカバーを通して見る)を示す。流路内の実線矢印は、上流の第2流路へと下流の第1流路への双方の流動体の最初の流れを示し、そして、点線矢印は第2流路から第1流路への連続した又は遅延した流れを示す。
【図5A】図5Aは、図4Aに示された装置と類似のものの分解図を示す。しかし、タグ付け領域が、第1流路内の非多孔質材上よりもむしろ多孔質材内又は多孔質材上に配置される。図4Aのように、2つの底支持板が追加され、第2流路の下に配置されるサンプルチャンバーを作る。
【図5B】図5Bは、図5Aに示される組み立て装置の断面図を提供する。図4Bと同様に、サンプル口に適用されたサンプルは、サンプルチャンバーに流れ、サンプル再取り込み口を経由して、当該装置の分析的部分(上側カットアウト)に入る。次いで、当該サンプルは、上流の第2流路、及び下流の第1流路の双方に流れる。続いて、当該第2流路に位置するサンプルは、第1流路に流れ、分析終了に至る。
【図5C】図5Cは、カバーを通した図5Aの態様の分析的部分(トップ−カットアウト)の上面図を示す。流路に示された実線矢印は、上流の第2流路、及び下流の第1流路双方へのサンプルの最初の流れを示し、点線矢印は、当該第2流路から第1流路への連続した又は遅延した流れを示す。
【図6】図6は、本発明に関する分析的装置の分解組み立て図、及びそれらの例示的な組立作業書を示す。特に例証するのは、プリントされた3つの試薬である、第2流路に配置された基質(例示的には標識成分)、第1流路に位置する調節試薬、及びタグを有する非多孔質底支持板である。この底支持版の表面に、当該カットアウトを添付する。 当該多孔質材は、示されるカットアウト内に置かれる。中間カバーは、第2流路の上流末端に設置される通気口に合わせて、当該カットアウトの上に設置される。吸収材は、当該制御領域の下流にある多孔質材の上であり、かつ流動的に連結して配置される。最後に、好ましくはサンプル口、通気口、及び1又は複数の読み取り窓のためのカットアウトを含むトップカバーは、頂点を合わせ、中間カバー及びカットアウトに添付し、完全な装置を形成する。
【図7A】図7Aは、非酵素的標識系を使用し、タグ付け領域を多孔質材中又はその上に配置する本発明の分析的装置のさらなる態様の断面図を示す。この図において、第2流路に配置される非酵素的標識系は、ラテックスビーズと結合するビオチンを有する着色された当該ラテックスビーズを含む。当該ビオチン−標識ビーズは、当該非多孔質材上に配置され、それ故、当該標識は液体サンプルの如き流動体の適用に関して移動性を有する。第2流路の下流である第1流路において、移動性を有するタグは、当該多孔質材上又は多孔質内に配置され、そして標的検体に結合可能な抗体であって、(ストレプト)アビジンと結合する当該抗体を含む。当該タグ付け領域の下流にあり、当該タグ付け領域と流動的に連結する、当該標的検体とも結合し得る第2抗体は、当該多孔質材上又は多孔質材内で固定化され、捕捉領域を形成する。当該タグ付け領域、及び捕捉領域は、同じ又は異なる多孔質材上に配置され得ることが当業者により理解されるだろう。しかしながら、もし複数種の多孔質材が使用されるならば、それらは互いに流動的に連結するように配置されるだろう。 図7Aに示されるアッセイの実施の間、液体サンプルは、サンプル適用部位(又はサンプル口)に適用され、そこで、一部は上流に流れ第2流路へ入り、当該ビオチン結合ラテックスビーズ標識に移動性をもたせ、残りの一部は下流へ流れ第1流路へ入る。当該第1流路において、当該サンプルは多孔質材中に入りタグに移動性をもたせ、もしサンプル中に存在するならば、検体は抗体(Ab)−アビジン複合体(タグ)と結合する。次いで、検体−Ab−アビジン複合体は、捕捉領域まで当該サンプルと一緒に流れ、そこで、捕捉抗体は、当該検体−抗体−アビジン複合体を結合又は捕捉し、捕捉抗体(Ab)−検体−抗体タグ(Ab−アビジン)を含むサンドイッチを形成する。液体サンプルが当該第1流路から抜かれるにつれて、当該第2流路に配置されるサンプルの一部分は、移動性を有する標識をもったまま当該第1流路に入る。当該第2流路からのサンプルは、多孔質材に入り、そして制御領域と接触する。次いで、捕捉されたタグのアビジン部分は、ビオチン−ラテックスビーズ標識を結合又は捕捉し、当該捕捉領域内の標識の蓄積は、当該サンプル中の検体の存在の視覚的に検出可能なシグナルの示唆をもたらす。図7Aにおいて、当該液体サンプルのための「シンク」として、及び当該分析的装置を通して流れを促進するためのものとして有用となり得る、当該捕捉領域の下流に配置される吸収材をも示す。
【図7B】図7Bは、図7Aの例示的装置の上面図を示し、ここで、第2流路についての通気口が、サンプル適用のための領域又は開口部、及び透明な表示(又は読み取り)窓と共に、示され、当該捕捉領域の上に配置される、よって、当該試験結果を観察できる。
【図8】図8は、本発明の分析的装置の態様の上面図、及び断面図を示す。標的検体を含むと思われるサンプルを、当該装置のサンプル口に添加し、サンプル入り口チャネルに入れる。当該液体サンプルの一部は、第1流路を介して、調節領域、タグ付け領域、次いで捕捉、及び制御領域へ移動する。ここに示される態様において、当該捕捉及び制御領域は、Porex(登録商標)ストリップのように、多孔質材上又は多孔質材中に配置され、一方、当該タグ付け領域、及び調節領域は、非多孔質材上に配置される。 液体サンプルは第1流路を介して流れ、タグ付け領域に接触することにより、当該タグ(この例証において、酵素を含む)は、移動性をもたせられ、当該サンプルと共に、当該多孔質材の中に、かつ当該捕捉領域を介して運ばれる。もし検体が当該サンプル内に存在するならば、当該検体は当該タグと複合体となり、そして当該捕捉領域に配置される固定化された捕捉試薬により捕捉されるだろう。当業者は、当該捕捉試薬により捕捉される前又は後に、当該タグと検体が複合体を形成し得ることを理解するだろう。もし検体が当該サンプル中に存在しないのならば、当該タグは、当該捕捉試薬により捕捉されないが、当該サンプルと共に分析終了まで流れ続けるだろう。 当該サンプルの一部分が第1流路を介して流れるように、残りのサンプルは、非多孔質第2流路に流れる。当該サンプルにより移動性をもたされる酵素基質は、当該第2流路内に配置される。有利なことに、当該第2流路内のサンプルは、最初のサンプルが当該第1流路に流れた後で、当該第1流路に再び入る。それ故、当該酵素基質を含む第2流路からのサンプルは、当該多孔質材を介して捕捉領域に流れ、固定化されたタグ付け検体と接触し、その結果、当該タグ(この例証において、酵素を含む)が当該酵素基質と反応し検出可能なシグナルを産生する。 示されるように、横向き通気口と一緒の当該分析終了での吸収パッドは、当該装置を介するサンプルの流れを促進する。第2流路の横向き通気口は、当該第2流路への流れ、及び当該第2流路からの流れを促進する。特に示された態様において、読み取り窓は、制御、及び捕捉領域の上に配置され、当該分析結果の測定のための使用者によるそれらの領域の容易な検査を可能とする。中間カバーは、トップカバーの下、かつ当該多孔質材の上に配置され、当該装置の非多孔質部分のトップ部分を形成する。底層は、だいたい当該装置の長さである。 これらの図に示された装置は、本発明に関する装置のある態様、及び/又は配置を示すことを意図したものであることが当業者に理解されるだろう。これらは、装置の配置を限定することを意図しない。例証として、図2〜5は、図6〜8に示される分析終了での任意の吸収材を示していない。かかる吸収材は、例証された装置内に含まれ得、そして、本明細書中に同様にそのように企図される。同様に、当該図に必然的に示されたものよりも、さらなる及び/又は異なる試薬及び/又は領域は、本発明に関する装置に含まれ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体サンプル中の検体の存在又は概算量を測定するアッセイを実施するための分析装置であって、以下の:
第1流路;
前記第1流路内に検体を固定化し得る捕捉領域;及び
前記捕捉領域の上流にある単一の接合点で前記第1流路に隣接する第2流路、
を含み、ここで前記第2流路への唯一の流体源が第1流路からのものである、前記分析装置。
【請求項2】
前記第1流路が、多孔質材、及び非多孔質材を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2流路が、非多孔質材からなる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記検体と複合体を形成することが可能な少なくとも1つのタグを含む前記第1流路内のタグ付け領域を、さらに含む請求項1に記載の装置であり、
ここで、前記液体サンプルと接触したときに、前記タグが実質的に移動性を有し;
前記タグ付け領域が、前記捕捉領域の上流に、かつ当該捕捉領域と流動的に連結するように配置され;そして
前記捕捉領域が、前記検体を結合することが可能な固定された捕捉試薬を含む、
上記装置。
【請求項5】
前記タグ付け領域が、前記第1流路と第2流路との接合点の下流に位置する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1流路が多孔質材、及び非多孔質材を含み、並びに前記タグ付け領域が前記非多孔質材上に配置され、及び前記捕捉領域が前記多孔質材上に又は前記多孔質中に配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第1流路が多孔質材及び非多孔質材を含み、並びに、前記タグ付け領域及び捕捉領域が当該多孔質材上又は多孔質材中に配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記捕捉領域の下流にあり、かつ当該捕捉領域と流動的に連結する吸収材をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記タグが、着色成分、蛍光成分、化学発光成分、及びリン光性成分からなる群より選択される視覚的に検出可能な標識を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記タグが、酵素基質と反応し視覚的に検出可能なシグナルを産生する酵素を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項11】
前記酵素が、ヒドロラーゼ、エステラーゼ、及びオキシドレダクターゼからなる群より選択される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
酵素基質を含み前記第2流路に配置される前記標識試薬を、さらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記視覚的に検出可能なシグナルが、前記酵素と前記酵素基質との反応により産生される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1流路内に制御領域をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記捕捉領域の下流であって前期第1流路内に、分析終了領域をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記分析終了領域が、前記サンプルと接触したときに検出可能なシグナルを産生する試薬を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1流路内に調節領域をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
ハウジングをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記装置から空気を移動させる手段をさらに含み、ここで、当該空気は前記装置への液体サンプルの導入により移動させられる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記空気を移動させる手段が、少なくとも1つの通気口を含む、請求項19の装置。
【請求項21】
前記第2流路の上流末端に配置される前記通気口を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置の下流末端に通気口をさらに含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第2流路内に標識をさらに含む、請求項4に記載の装置。
【請求項24】
前記液体サンプル中の検体の存在又は概算量の測定が、光学的に検出可能なシグナルの検出を含む、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記標識が着色成分と結合する第1連結要素を含み、及び前記タグが第2連結要素を含み、ここで、当該第1連結要素は当該第2連結要素と結合し得る、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記液体サンプル中に存在する検体は、前記タグと結合し、前記固定された捕捉試薬により結合され、そして前記着色成分と結合する第1連結要素は前記タグ内に含まれる前記第2連結要素と結合し、それ故、前記捕捉領域内で光学的に検出可能なシグナルを産生する、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記第1連結要素、及び前記第2連結要素が異なり、そしてそれぞれビオチンとアビジンであるか、又はそれぞれアビジンとビオチンである、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
液体サンプル中の少なくとも1つの検体の存在又は概算量を測定する方法であって、以下のステップ:
当該液体サンプルを、請求項1に記載の装置の第1流路に適用し;そして
前記捕捉領域における当該検体の存在又は概算量を測定する、
を含む前記方法。
【請求項29】
前記装置が、前記捕捉領域の上流、かつ前記第1流路と第2流路との接合点の下流に位置するタグ付け領域をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1流路が、多孔質材、及び非多孔質材を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記装置が、前記捕捉領域の下流にある、かつ当該捕捉領域と流動的に連結する吸収材をさらに含む、請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−514966(P2008−514966A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534815(P2007−534815)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/035275
【国際公開番号】WO2006/039542
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(591270970)クイデル コーポレイション (5)
【氏名又は名称原語表記】QUIDEL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】10165 McKellar Court, San Diego, California 92121, United States of America
【Fターム(参考)】