説明

第1型糖尿病の新規な診断マーカー

本発明は第1型糖尿病の新規な診断マーカーに関するものであり、アミノアシルtRNA合成酵素又はこれに対する抗体を有効成分として含む第1型糖尿病の診断用組成物、アミノアシルtRNA合成酵素の第1型糖尿病診断用製剤の製造のための用途及び個体の試料から抗アラニンt-RNA合成酵素抗体、抗グリシンt-RNA合成酵素抗体、抗アスパラギンt-RNA合成酵素抗体及び抗トリプトファンt-RNA合成酵素抗体を検出する第1型糖尿病診断方法に関するものである。本発明の組成物、キット及び方法は患者の試料から容易に第1型糖尿病の可否を診断できるので、第1型糖尿病の早期診断及び確定のために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は第1型糖尿病の新規な診断マーカーに関するものであり、アミノアシルtRNA合成酵素、またはこれに対する抗体を有効成分として含む第1型糖尿病の診断用組成物、アミノアシルtRNA合成酵素の第1型糖尿病診断用製剤の製造のための用途及び個体の試料から抗−アラニンt-RNA合成酵素抗体、抗−グリシンt-RNA合成酵素抗体、抗−アスパラギンt-RNA合成酵素抗体及び抗−トリプトファンt-RNA合成酵素抗体を検出する第1型糖尿病診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は第1型と第2型糖尿病に大別し得るものの、第1型糖尿病は遺伝的感受性及びウイルス感染により、膵臓に免疫学的反応が誘発され、β細胞が選択的に破壊されて発生する自己免疫疾患であって、第2型糖尿病はインシュリン抵抗性が先行する型であり、主要病因には肥満、インシュリン受容体の減少、チロシンキナーゼ活性度減少、筋肉組織と脂肪組織の(muscle/adipose tissue type transporterの減少、(IRS-1))の細胞内欠乏等複雑な原因により発病するものと報告されている。
【0003】
その内、第1型糖尿病は典型的な自己免疫疾患の一つとして知られており、膵臓β細胞を認識する自己活性化T細胞により、インシュリンを生成する膵臓β細胞が破壊される慢性疾患である。体液性及び細胞性免疫反応は第1型糖尿病と主に関連しており、種々の島細胞抗体に対する自己抗体が第1型糖尿病患者の血漿に存在する。グルタミン酸脱カルボキシ化酵素(GAD65)、インシュリン、蛋白質チロシンリン酸化酵素−連関島抗体(IA-2)に対する自己抗体がHbA1C及びc−ペプチド定量化と共に第1型糖尿病診断に使用される。早期診断及び正確な判定は早期に医学的治療を可能にして、第1型糖尿病の進行を遅らせるのに有用なことから臨床的に重要である。自己抗体診断を使用した敏感度はGAD65は約60乃至80%、インシュリンは40乃至60%、IA-2は30乃至70%であった。これら三つの自己抗体を組合わせても第1型糖尿病の80乃至90%程度だけをカバーできる。従って、第1型糖尿病の早期診断のための新たな自己抗体診断法を開発する必要があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明者等はアミノアシルtRNA合成酵素の生理的機能に対して研究する中で、これらに対する自己抗体が第1型糖尿病患者に多数存在し、これらをその抗体に対するアミノアシルtRNA合成酵素を通じて検出できることを発見してアミノアシルtRNA合成酵素を含む第1型糖尿病の診断用組成物を開発することにより本発明を完成した。
【0005】
従って、本発明の目的はアミノアシルtRNA合成酵素の新規な用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような目的を達成する為に、本発明はアミノアシルtRNA合成酵素を含む第1型糖尿病診断用組成物を提供する。
【0007】
本発明の他の目的を達成する為に、本発明は前記組成物を含む第1型糖尿病診断キッドを提供する。
【0008】
本発明のさらに他の目的を達成する為に、本発明は第1型糖尿病診断に必要な情報を提供するために、患者の試料から抗原−抗体反応を通じて抗−ARS抗体、抗−GRS抗体、抗−NRS抗体及び抗−WRS抗体から一つ以上選ばれた抗体を検出する方法を提供する。
【0009】
本発明のさらに他の目的を達成する為に、本発明はアラニンt-RNA合成酵素、グリシンt-RNA合成酵素、アスパラギンt-RNA合成酵素及びトリプトファンt-RNA合成酵素から一つ以上選ばれたアミノアシルtRNA合成酵素の第1型糖尿病診断用製剤の製造のための用途を提供する。
【0010】
本発明のさらに他の目的を達成する為に、本発明は個体の試料から抗−アラニンt-RNA合成酵素抗体、抗−グリシンt-RNA合成酵素抗体、抗−アスパラギンt-RNA合成酵素抗体及び抗−トリプトファンt-RNA合成酵素抗体を検出する段階を含むことを特徴とする第1型糖尿病診断方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
従って、本発明は第1型糖尿病に対する新規な診断マーカーとして、アラニンt-RNA合成酵素、グリシンt-RNA合成酵素、アスパラギンt-RNA合成酵素又はトリプトファンt-RNA合成酵素を含む第1型糖尿病診断用組成物、これを含む診断キット及び診断方法を提供する。本発明の組成物、キット及び方法は患者の試料から容易に第1型糖尿病の可否を診断できるので第1型糖尿病の早期診断及び確定のために使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は膵臓でARS、GRS、NRS及びWRSに対して免疫蛍光染色をした結果である(A:Mock、B:インシュリン、C:ARS、D:GRS、E:NRS、F:WRS)。
【図2】図2は血漿でそれぞれのアミノアシルtRNA合成酵素に対する自己抗体を検出した結果である(A:ARS、B:GRS、C:NRS、D:WRS、E:アミノアシルtRNA合成酵素、F:血漿に対してそれぞれARS、GRS、NRS及びWRSを利用した免疫ブロット結果)。
【図3】図3はGAD、ICA及びaaRSに対して特異的に結合する自己抗体を区分して表したものである(A:WRS、B:GRS、C:NRS、D:ARS、E:アミノアシルtRNA合成酵素)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の内容をより詳細に説明する。
本発明の組成物はアミノアシルtRNA合成酵素を含み、第1型糖尿病の診断の目的に使用できる。
【0014】
本発明のアミノアシルtRNA合成酵素は、アミノ酸とこれに対応するt-RNAの結合を触媒する蛋白質であって、本発明のアミノアシルtRNA合成酵素は好ましくは、アラニンt-RNA合成酵素(alanyl-tRNA synthetase,ARS)、グリシンt-RNA合成酵素(glycyl-tRNA synthetase,GRS)、アスパラギンt-RNA合成酵素(asparaginyl-tRNA synthetase,NRS)またはトリプトファンt-RNA合成酵素(tryptophanyl-tRNA synthetase,WRS)を単独または組合わせで使用できる。
【0015】
前記にてアラニンt-RNA合成酵素、グリシンt-RNA合成酵素、アスパラギンt-RNA合成酵素及びトリプトファンt-RNA合成酵素はこれに制限はされないものの、それぞれ配列番号1(ARS)、配列番号2(GRS)、配列番号3(NRS)及び配列番号4(WRS)で表示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドでもあり得る。さらに、アラニンt-RNA合成酵素はGenbank Accession No.D32050に記載された配列、グリシンt-RNA合成酵素Genbank Accession No.U09510に記載された配列、アスパラギンt-RNA合成酵素Genbank Accession No.D84273に記載された配列、トリプトファンt-RNA合成酵素Genbank Accession No.M61715に記載された配列でもあり得る。さらに、前記アラニンt-RNA合成酵素、グリシンt-RNA合成酵素、アスパラギンt-RNA合成酵素及びトリプトファンt-RNA合成酵素はそれぞれこれらの機能的同等物を含む。
【0016】
前記機能的同等物とは、配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号4で表示されるアミノ酸配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の配列相同性(つまり、同一性)を有するポリペプチドを言う。例えば、70%,71%,72%,73%,74%,75%,76%,77%,78%,79%,80%,81%,82%,83%,84%,85%,86%,87%,88%,89%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,98%,99%,100%の配列相同性を有するポリペプチドを含むものであって、それぞれのアミノアシルtRNA合成酵素(つまり、ARS,GRS,NRS,またはWRS)と実質的に同質の生理活性を示すポリペプチドを言う。ここで“実質的に同質の生理活性”とは、それぞれのアミノアシルtRNA合成酵素の活性を呈することを意味する。前記機能的同等物は配列番号1、配列番号2、配列番号3または配列番号4のアミノ酸配列の内、一部が付加、置換または欠失の結果生成されるものでもあり得る。前記にてアミノ酸の置換は好ましくは保存的置換である。天然に存在するアミノ酸の保存的置換の例は次の通りである。脂肪族アミノ酸(Gly,Ala,Pro)、疎水性アミノ酸(Ile,Leu,Val)、芳香族アミノ酸(Phe,Tyr,Trp)、酸性アミノ酸(Asp,Glu)、塩基性アミノ酸(His,Lys,Gln,Asn)及び硫黄含有アミノ酸(Cys,Met)、さらに、前記機能的同等物には、本発明のアミノアシルtRNA合成酵素のアミノ酸配列上、アミノ酸の一部が欠失された変形体も含まれる。前記アミノ酸の欠失または置換は好ましくは、本発明のアミノアシルtRNA合成酵素の生理活性に直接的に関連しない領域に位置している。さらに、アミノ酸の欠失は好ましくはアミノアシルtRNA合成酵素の生理活性に直接関与しない部分に位置する。従って、前記アミノアシルtRNA合成酵素のアミノ酸配列の両末端または配列内に幾つかのアミノ酸が付加された変形体も含まれる。さらに、本発明の機能的同等物の範囲には、本発明におけるアミノアシルtRNA合成酵素の基本骨格及びこれの生理活性を維持しながら一部化学構造が変形された誘導体も含まれる。例えば、本発明のアミノアシルtRNA合成酵素の安定性、貯蔵性、揮発性または溶解度等を変更させるための構造変更がこれに含まれる。
【0017】
本明細書で配列相同性及び同質性は、ARS,GRS,NRSまたはWRSのアミノ酸配列と候補配列を整列して、ギャップ(gaps)を導入した後、それぞれのアミノ酸配列に対する候補配列のアミノ酸残基の百分率として定義される。必要な場合、最大百分率配列同質性を収得するために、配列同質性の部分として保存的置換は考慮しない。さらに、ARS,GRS,NRSまたはWRSのアミノ酸配列のN末端、C末端または内部伸長、欠損または挿入は、配列同質性または相同性に影響を与える配列として解析されない。さらに、前記配列同質性は、二つのポリペプチドのアミノ酸配列の類似した部分を比較するために使用される、一般的な標準方法により決定できる。BLASTまたはFASTAのようなコンピュータプログラムは、(一つまたは二つ配列の全長配列に沿って、または一つまたは二つ配列の予測された部分に沿って)二つのポリペプチドをそれぞれのアミノ酸が最適にマッチングするように整列させる。前記プログラムはデファルトオプニングペナルティー(default opening penalty)及びデファルトギャップペナルティー(default gap penalty)を提供し、コンピュータプログラムと共に連携されて使用できるPAM250(標準スコーリングマトリックスDayhoff et al., in Atlas of Protein Sequence and Structure, vol.5,supp 3,1978)のようなスコーリングマトリックスを提供する。例えば、百分率同質性は次のように計算できる。一致する配列(identical matches)の総数に100を乗じて対応するスパン(matched span)内のより長い配列の長さと二つの配列を整列するために、より長い配列内に導入されたギャップの数の和で分ける。
【0018】
本発明におけるARS,GRS,NRSまたはWRSは、天然で抽出するか又は遺伝工学的方法により作製できる。例えば、一般的な方法により、前記ARS,GRS,NRS,WRS又はこれの機能的同等物を符号化する核酸を作製する。前記核酸は適切なプライマーを使用してPCR増幅することにより作製できる。他の方法で当業界に知られた標準方法により、例えば、自動DNA合成器(Biosearch又はApplied Biosystems社で販売するもの)を使用してDNA配列を合成することもできる。作製された核酸は、これに作動可能に連結(operatively linked)されて核酸の発現を調節する一つ以上の発現調節配列(expression control sequence)(例:プロモーター、インハンサー等)を含むベクターに挿入され、これより形成された組換え発現ベクターで宿主細胞を形質転換させる。生成された形質転換体を前記核酸の発現に適切な培地及び条件下で培養し、培養物から前記核酸により発現された実質的に純粋なポリペプチドを回収する。前記回収は当業界に知られた方法(例えば、クロマトグラフィー)を利用して行う。前記“実質的に純粋なポリペプチド”とは、本発明におけるポリペプチドが、宿主細胞より由来したいかなる他の蛋白質も実質的に含まないことを意味する。本発明のポリペプチド合成のための遺伝工学的方法は下記の文献を参考にできる:Maniatis et al., Molecular Cloning; A laboratory Manual, Cold Spring Harbor laboratory, 1982; Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, N.Y., Second(1998) and Third(2000) Editions Gene Expression Technology, Method in Enzymology, Genetics and Molecular Biology, Method in Enzymology, Guthrie & Fink(eds.), Academic Press, San Diego, Calif, 1991; Hitzeman et al., J. Biol. Chem., 255:12073-12080, 1990。
【0019】
さらに、本発明のARS,GRS,NRSまたはWRSは当業界に知られた化学的合成(Creighton, Proteins; Structures and Molecular Principles, W. H. Freeman and Co., NY, 1983)により容易に製造できる。代表的な方法であってこれらに限定はされないものの、液体又は固体状合成、断片凝縮、F-MOC 又は T-BOC化学法が含まれる(C Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins, Williams et al., Eds., CRC Press, Boca Raton Florida, 1997; A Practical Approach, Athert on & Sheppard, Eds., IRL Press, Oxford, England, 1989)。
【0020】
一方、本発明はARS,GRS,NRSまたはWRSを単独又は2以上含む第1型糖尿病診断キットを提供する。
【0021】
本発明のキットはARS,GRS,NRSまたはWRS以外に免疫学的分析に使用される当業界に知られた道具及び/又は試薬を追加して含む。
【0022】
前記免疫学的分析は抗原と抗体の結合を測定できる方法であれば全て含められる。このような方法等は当分野に知られており、例えば、免疫細胞化学及び免疫組織化学、放射線免疫分析法(radioimmuno assays)、酵素結合免疫法(ELISA: Enzyme Linked Immunoabsorbent assay)、免疫ブロット(immunoblotting)、ファール分析法(Farr assay)、免疫沈降、ラテックス凝集、赤血球凝集、比濁計法、免疫拡散法、カウンター残留電気泳動法、単一ラジカル免疫拡散法、蛋白質チップ及び免疫蛍光法がある。
【0023】
免疫学的分析に使用される道具及び/又は試薬には適合した担体又は支持体、検出可能な信号を生成できる標識、溶解剤、洗浄剤が含まれる。さらに、標識物質が酵素の場合には、酵素活性を測定できる基質及び反応停止剤を含む。
【0024】
本発明の診断用キットに含まれるARS,GRS,NRSまたはWRSは、好ましくは適合した担体又は支持体に、文献に開示されたような多様な方法を利用して固定することができる(Antibodies: A Labotory Manual, Harlow & Lane; Cold SpringHarbor,1988)。適合した担体又は支持体の例には、アガロス、セルロースニトロセルロース、デキストラン、セパテックス、セパロス、リポソーム、カルボキシメチールセルロース、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、斑れい岩、濾過紙、イオン交換樹脂、プラスチックフィルーム、プラスチックチューブ、ガラス、ポリアミンメチルビニルエーテルマレイン酸共重合体、アミノ酸共重合体、エチレンマレイン酸共重合体、ナイロン、カップ、フラットパック(flat packs)等が含まれる。その他の個体基質には、細胞培養プレート、ELISAプレート、チューブ及びポリマー性膜がある。前記支持体は、任意の可能な形態、例えば球形(ビーズ)、円筒形(試験管又はウェル内面)、平面型(シート、試験ストリップ)を有する。
【0025】
検出可能な信号を生成できる標識は、抗原−抗体複合体の形成を定性又は定量的に測定可能にし、この例には酵素、蛍光物質、リガンド、発酵物質、微小粒子、レドックス分子及び放射線同位元素等を使用できる。酵素にはβグルクロニダーゼ、β−Dグルコシターゼ、ウレアゼ、ファオキシダーゼ、アルカラインホスファターゼ、アセチルコリンエステラーゼ、グリコースオキシターゼ、ヘキソキナーゼ、マレートジヒドロゲナーゼ、グルコス-6-リン酸ジヒドロゲナーゼ、インバターゼ等を使用できる。蛍光物質にはフルオレシン、イソチオシアネート、ローダミン、ピコエリテリン、ピコシアニン、アロピコシアニン、フルオレシンイソチオキシアネート等を使用できる。リガンドにはバイオチン誘導体等があり、発光物質にはアクリジニウムエステル、ブシフェリン、ルシフェラーゼ等がある。微小粒子にはコロイド金、着色されたラテックス等があって、レドックス分子にはフェロセン、ルテニウム着化合物、バイオロゲン、キノン、Tiイオン、Csイオン、ジイミド、1,4-ベンゾキノン、ヒドロキノン等がある。放射性同位元素には3H, 14C, 32P, 35S, 36Cl, 51Cr, 57Co, 58Co, 59Fe, 90Y, 125I, 131I, 186Re等がある。しかしながら、前記例示の他に免疫学的分析法に使用できるものであればいずれのものでも使用できる。
【0026】
さらに、本発明の第1型糖尿病診断キットは、従来知られた第1型糖尿病診断マーカーを追加して含め得る。従来知られた第1型糖尿病診断マーカーはこれに限定はされないものの、GAD65、IA-2、インシュリン、ICA、Hb1Ac、C-peptide、Slc30A8でもあり得る。
【0027】
従って、本発明は第1型糖尿病診断に必要な情報を提供するために、患者の試料から抗原−抗体反応を通じて抗−ARS抗体、抗−GRS抗体、抗−NRS抗体及び抗−WRS抗体から選ばれる一つ以上の抗体を検出する方法を提供する。この際、試料及び抗原−抗体反応については前記記載の通りである。
【0028】
前記にて抗−ARS抗体、抗−GRS抗体、抗−NRS抗体及び抗−WRS抗体は、それぞれARS、GRS、NRS及びWRSの抗原性部位に対して指示される特異的な蛋白質分子を意味する。本発明の目的上、前記抗体は ARS、GRS、NRS又はWRSに対して特異的に結合するそれぞれの抗体を意味し、好ましくは自己抗体である。
【0029】
さらに、本発明の抗体は、2個の全長の軽鎖及び2個の全長の重鎖を有する完全な形態のみならず、抗体分子の機能的な断片を含む。抗体分子の機能的な断片とは、少なくとも抗原結合機能を有している断片を意味し、Fab, F(ab'), F(ab')2及びFv等がある。
【0030】
本発明の組成物は、アラニン t-RNA合成酵素、グリシンt-RNA合成酵素、アスパラギンt-RNA合成酵素及びトリプトファンt-RNA 合成酵素から一つ以上選ばれたアミノアシルtRNA合成酵素0.001乃至99.999重量%及び残量の担体を含む組成を有する。さらに、本発明の組成物は、抗アラニンt-RNA合成酵素抗体、抗グリシンt-RNA合成酵素抗体、アスパラギンt-RNA合成酵素抗体及びトリプトファンt-RNA合成酵素抗体から一つ以上選ばれた抗体0.001乃至99.999重量%及び残量の担体を含む組成を有する。
【0031】
従って、本発明でARS、GRS、NRS又はWRSは全長を有するポリペプチドのみならず、抗ARS抗体、抗GRS抗体、抗NRS抗体及び抗WRS抗体とそれぞれ結合できる断片でもあり得る。
【0032】
本発明はアラニンt-RNA合成酵素、グリシンt-RNA合成酵素、アスパラギンt-RNA合成酵素及びトリプトファンt-RNA合成酵素から一つ以上選ばれたアミノアシルtRNA合成酵素の第1型糖尿病診断用製剤の製造のための用途を提供する。
【0033】
さらに、本発明は個体の試料から抗アラニンt-RNA合成酵素抗体、抗グリシンt-RNA合成酵素抗体、抗アスパラギンt-RNA合成酵素抗体及び抗トリプトファンt-RNA合成酵素抗体を検出する担体を含むことを特徴とする第1型糖尿病診断方法を提供する。
【0034】
本発明で“個体”とは動物、好ましくは哺乳動物でもあって、動物から由来した細胞、組織、器官でもある。前記個体は診断が必要な患者でもある。
【0035】
本発明で前記“生物学的試料”又は“試料”には、血液及び生物学的起源のその他の液状試料、生検標本、組織培養のような固形組織試料又はこれより由来した細胞が含まれる。より具体的に例をあげればこれに限定はされないものの、組織、抽出物、細胞溶解物、全血、血漿、唾、眼球液、脳脊髄液、汗、尿、乳液、腹水液、滑液、腹膜液等である。前記試料は動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトから採取することもできる。前記試料は、検出に使用する前に前処理することができる。例えば、濾過、蒸留、抽出、濃縮、妨害成分の不活性化、試薬の添加等を含む。さらに、前記試料から核酸及び蛋白質を分離して検出に使用できる。
【0036】
参考に、前記にて言及したヌクレオチド及び蛋白質作業には、下記の文献を参照できる(Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y.(1982); Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989); Deutscher, M., Guide to Protein Purification Methods Enzymology, vol. 182. Academic Press. Inc., San Diego, CA(1990))。
【0037】
さらに、第1型糖尿病及びこれのマーカーについては、下記の文献を参照できる:Latent autoimmune (Type-1) diabetes mellitus in adults. Part. I. Serologic markers of autoimmune involvement of pancreatic beta-cells: GADA, ICA, IA-2 a IA-A. Martinka E, OcenA, StrakovJ, MokM.Vnitr Lek. 1999 Feb;45(2):97-102; Prevalence of ICA and GAD antibodies at initial presentation of type 1 diabetes mellitus in Singapore children. Lee YS, Ng WY, Thai AC, Lui KF, Loke KY.J Pediatr Endocrinol Metab. 2001 Jun;14(6):767-72; A comparison of serum and EDTA plasma in the measurement of glutamic acid decarboxylase autoantibodies (GADA) and autoantibodies to islet antigen-2 (IA-2A) using the RSR radioimmunoassay (RIA) and enzyme linked immunosorbent assay (ELISA) kits. Rahmati K, Lernmark A, Becker C, Foltyn-Zadura A, Larsson K, Ivarsson SA, TC. Clin Lab. 2008;54(7-8):227-35; GAD treatment and insulin secretion in recent-onset type 1 diabetes. Ludvigsson J, FaresjM, Hjorth M, Axelsson S, ChM, Pihl M, Vaarala O, Forsander G, Ivarsson S, Johansson C, Lindh A, Nilsson NO, Aman J, Ortqvist E, Zerhouni P, Casas R. N Engl J Med. 2008 Oct 30;359(18):1909-20; Analysis of pancreas tissue in a child positive for islet cell antibodies.23: Oikarinen M, Tauriainen S, Honkanen T, Vuori K, Karhunen P, Vasama-Nolvi C, Oikarinen S, Verbeke C, Blair GE, Rantala I, Ilonen J, Simell O, Knip M, HyH.Diabetologia. 2008 Oct;51(10):1796-802; Autoimmune mechanisms in type 1 diabetes. Knip M, Siljander H. Autoimmun Rev. 2008 Jul;7(7):550-7; A common nonsynonymous single nucleotide polymorphism in the SLC30A8 gene determines ZnT8 autoantibody specificity in type 1 diabetes. Wenzlau JM, Liu Y, Yu L, Moua O, Fowler KT, Rangasamy S, Walters J, Eisenbarth GS, Davidson HW, Hutton JC. Diabetes. 2008 Oct;57(10):2693-7; Diabetes Antibody Standardization Program: evaluation of assays for autoantibodies to glutamic acid decarboxylase and islet antigen-2. Diabetes Antibody Standardization Program: evaluation of assays for autoantibodies to glutamic acid decarboxylase and islet antigen-2. Diabetologia. 2008 May;51(5):846-52。
【0038】
本発明の一実施例ではヒトの膵臓からアミノアシルtRNA合成酵素の発現プロファイルを確認するために、抗ARS抗体、抗GRS抗体、抗NRS抗体及び抗WRS抗体をそれぞれ利用して間接免疫蛍光染色法でARS、GRS、NRS又はWRSの膵臓における位置を確認した。その結果、ARS及びGRSはランゲルハンス島のβ細胞(図1のC及びD)及び膵管(pancreatic ductal epithelial)細胞(図1のC及びDの矢印部分)に主に存在し、NRS及びWRSは膵臓内のランゲルハンス島及び胞状細胞(acinar cell)に均等に分布していることが分った(図1のE及びF)。
【0039】
本発明のさらに他の実施例では第1型糖尿病患者及び第2型糖尿病患者の血漿から抗アミノアシルtRNA合成酵素に対する自己抗体を検出して、第1型糖尿病の診断に活用できるかを確認した。その結果、抗ARS自己抗体、抗GRS自己抗体、抗NRS自己抗体及び抗WRS自己抗体は、全て正常であり、第2型糖尿病に比べて第1型糖尿病患者から多数検出され、第1型糖尿病に対する診断マーカーとして利用できることが分った。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
ただし、下記実施例は本発明を例示するのみであり、本発明の内容は下記実施例に限定されるものではない。
【0041】
<実験方法>
1.蛋白質の発現及び精製
1-685(GRS)、1-548(NRS)、1-968(AlaRS)及び1-471(WRS)をエンコーディングする配列が増幅するようにPCR増幅し、PCR産物とpET28aベクターをそれぞれEcoRI/SalIを処理して切断し、pET28a(Novagen)によりサブクローニング(subclone)して、12時間23℃で0.5mM IPTGを加えて大腸菌(E.Coli)BL21で過発現させた(この際、挿入されたGRS,NRS,ALaRS,WRSの配列はそれぞれ配列番号5,配列番号6、配列番号7及び配列番号8の通りである)。前記細胞を採取して、バッファA(50mM Tris-HCl, 50mM NaCl,0.5mM EDTA, 2mM 2-mereaptoethanol, pH7.8)で高周波分解して溶解し、22,000×gの速度で遠心分離した。前記遠心分離後、上澄液を硫酸アンモニウムで除々にかき混ぜて沈殿させた。25-50%程度をバッファB(50mM Tris-HCl, 100mM NaCl, 0.5mM EDTA, 2mM 2-mereaptoethanol,1 5%グリセロール、pH7.6)で透析し、SP-sepharoseカラム(BioRad)にロッドした。前記沈殿された蛋白質を0.7M Naclの濃度勾配及びheparinカラムで溶離した。前記蛋白質をNi++カラム(invitrogen)に再度ロッドし、250mMイミダゾールで溶離した。前記蛋白質は1×PBSに対して透析して70℃で貯蔵した。
【0042】
2.ELISA
GAD及びICAの自己抗体を検出するために、GAD及びICA ELISAキットをBiomerica社から購入して、下記製造者プロトコルによりELISAを行った。aaRS自己抗体分析のため、各ウェルを2ng/μlのARSsで4℃で12時間コーティングし、2.5%BSAが含有されたPBSで常温で1時間遮断して1/100に希釈された血清を各ウェルに加えて、常温で1時間培養した。0.1%Tween20が含まれたPBSで前記プレートを洗浄し、1/10,000に希釈されたHPRが結合された抗−ヒト抗体を各ウェルに加えて常温で1時間培養した。洗浄バッファで前記プレートを洗浄し、TMB(tetramethylbenzidine,Sigma)を添加して光が遮断された状態で、常温で20分間反応させた。以降、1N HClを添加して反応を止め、405nmで吸光度を測定した。
【0043】
3.患者の血清を利用したウェスタンブロット
各精製されたaaRSs10ngを10%SDS-PAGEにローディングし、PVDF膜(0.4μm,Millipore)に移動させた。前記膜を5%BSAが含有されたTBST(20mM Tris-HCl, 130mM NaCl,0.2%Tween20)で常温で1時間遮断した。一方、本発明者等は1%BSAが含有されたTBSTで各患者等のサンプルを1/100倍に希釈して、常温で1時間膜を培養した。前記膜を洗浄して、本発明者等は前記膜に1/10,000で希釈されたHRP(horseradish peroxidase)が結合された抗−ヒト抗体を加えて反応させた。
【0044】
<実験結果>
1.膵臓でaaRSs(aminoacyl-tRNA synthetases)の免疫蛍光染色
最近研究は幾つかのaaRSsの発現が膵臓で多発する事実を示している。本発明者等はヒトの膵臓でのaaRSsの発現プロファイル(expression profile)を確認するため、各aaRSsの特異抗体を生成して、間接免疫蛍光染色法を用いてARS、-GRS、-NRS及び-WRSの膵臓での位置を調べた。
その結果、前記ARS及びGRSはランゲルハンス島のβ細胞(図1のC及びD)及び膵管(pancreatic ductal cpithelial)細胞(図1のC及びDの矢印部分)において、主に特異的に位置することが分った。一方、NRS及びWRSは、膵臓内のランゲルハンス島及び胞状細胞に均等に分布されていることが分った(図1のE及びF)。
【0045】
2.ヒト血漿(Human Plasma)を用いた自己抗体分析
aaRSsに対する自己抗体が自己免疫疾患の患者から発見され、1型糖尿病が膵臓のβ細胞の死滅によって、誘発される自己免疫により発生するため、本発明者等は、正常、1型糖尿病、及び2型糖尿病患者の血漿から抗aaRSs自己抗体の存在の可否にもとづき糖尿病を診断できるか否かと、さらに糖尿病の診断マーカーに用いられるか否かを確認した。
本発明者等は各精製されたaaRSsで96ウェルプレートの各ウェルをコーティングして、抗aaRS自己抗体を探知するため、正常(n-65)、1型糖尿病(n-58)、及び2型糖尿病(n-60)患者の血漿をロッドした。
その結果、抗−ARS自己抗体は、正常では4.6%、1型糖尿病では25.9%、さらに、2型糖尿病では5%見出だされた(図2A)。抗−GRS自己抗体は正常では4.6%、1型糖尿病では10.3%、さらに、2型糖尿病では5%見出だされた(図2B)。抗−NRS自己抗体は正常では4.6%、1型糖尿病では17.2%、さらに、2型糖尿病では5%見出だされた(図2C)。抗−WRS自己抗体は正常では4.6%、1型糖尿病では13.8%、さらに、2型糖尿病では5%見出だされた(図2D)。前記結果を総合すれば、1型糖尿病血漿の41.3%が抗aaRS抗体を有している反面、正常及び2型糖尿病血漿では5%のみが抗aaRS抗体を有していることが分った。以降、本発明者等は抗aaRS抗体に陽性と判断された血漿が、特異的に各aaRSを認識できるか否かを確認した。ARS、GRS、NRS及びWRSを利用した免疫ブロット行った結果、ヒトの血漿が特異的に各aaRSを認識していることが分った。
前記結果を通じて、抗aaRS抗体が、1型糖尿病で特異的に見出されたことが明らかになり、1型糖尿病であるか否かを決定できる診断マーカーとして使用できることが分った。
【0046】
3.GAD及びICAからaaRSの差異分析
自己抗体からGAD及びICAでaaRSの差を分析するため、本発明者等はまず抗GAD及び抗ICA検出キットを利用してELISAを行った。1型糖尿病血漿を利用した分析で抗GAD及び抗ICA抗体がそれぞれ62.1%及び22.4%見出された。さらに、患者の19%が二重陽性(double positive)を示した(図3A)。
次に、本発明者等はGAD及びICA抗体を用いて、各aaRS抗体が1型糖尿病診断を区別できるのか否かを分析した。抗WRS抗体の場合に、5.2%がGAD及びICAと重複し、さらにそれぞれ1.7%がGAD又はICAと重複した。その結果、13.2%の内、5.2%がWRS特異的であることが分った。抗GRS抗体の分析では、6.9%がGAD及びICAと重複し、さらにそれぞれ1.7%がGAD又はICAと重複した。その結果、GRSのみに特異的な自己抗体は存在しないことが分った。抗NRS抗体の分析では、6.9%がGAD及びICAと重複しており、さらに、6.9%がGADと重複した。その結果、17.2%の内3.4%が特異的抗NRS抗体であることが分った。抗ARS抗体の分析では、8.6%がGAD及びICAと重複し、さらに、13.8%がGADと重複した。その結果、25.9%の内3.5%が特異的抗ARSであることが分った。全ての抗aaRS抗体を分析に一緒に使用した際、10.3%がGAD及びICAと重複し、17.2%及び3.5%がGAD及びICAとそれぞれ重複した。
前記実験結果を通じて、41.35%の内10.3%が特異的抗aaRSであることが分かり、特異的ICAは存在しないことが分った。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上説明した通り、本発明は第1型糖尿病に対する新規な診断マーカーであって、アラニンt-RNA合成酵素(alanyl-tRNA synthetase)、グリシンt-RNA合成酵素(glycyl-tRNA synthetase)、アスパラギンt-RNA合成酵素(asparaginyl-tRNA synthetase)又はトリプトファンt-RNA合成酵素(tryptophanul-tRNA synthetase)を含む第1型糖尿病診断用組成物、これを含む診断キット、及び診断方法を提供する。本発明の組成物、キット及び方法は患者の試料から容易に第1型糖尿病の可否を診断できるので、第1型糖尿病の早期診断及び確定のために使用できる。
【図1(A)】

【図1(B)】

【図1(C)】

【図1(D)】

【図1(E)】

【図1(F)】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図2F】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】

【図3E】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラニンt-RNA合成酵素(alanyl-tRNA synthetase)、グリシンt-RNA合成酵素(glyeyl-tRNA synthetase)、アスパラギンt-RNA合成酵素(asparaginyl-tRNA synthetase)及びトリプトファンt-RNA合成酵素(tryptophanyl-tRNA synthetase)から一つ以上選ばれたアミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl-tRNA synthetase)を有効成分として含む第1型糖尿病診断用組成物。
【請求項2】
第1項記載の組成物を含む第1型糖尿病診断キット。
【請求項3】
前記キットはGAD65,IA-2、インシュリン、ICA,HblAc、C-peptide、S1c30A8から選ばれた第1型糖尿病診断マーカーを追加して含むことを特徴とする第2項記載のキット。
【請求項4】
第1型糖尿病診断に必要な情報を提供するため、患者の試料から抗原−抗体反応を通じて抗アラニンt-RNA合成酵素抗体、抗グリシンt-RNA合成酵素抗体、抗アスパラギンt-RNA合成酵素抗体及び抗トリプトファンt-RNA合成酵素抗体から一つ以上選ばれた抗体を検出する方法。
【請求項5】
アラニンt-RNA合成酵素、グリシンt-RNA合成酵素、アスパラギンt-RNA合成酵素及びトリプトファンt-RNA合成酵素から一つ以上選ばれたアミノアシルtRNA合成酵素の第1型糖尿病診断用製剤の製造のための用途。
【請求項6】
製剤の試料から抗アラニンt-RNA合成酵素抗体、抗グリシンt-RNA合成酵素抗体、抗アスパラギンt-RNA合成酵素抗体及び抗トリプトファンt-RNA合成酵素抗体から一つ以上選ばれた抗体を検出する段階を含むことを特徴とする第1型糖尿病診断方法。


【公表番号】特表2012−517014(P2012−517014A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549067(P2011−549067)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【国際出願番号】PCT/KR2010/000710
【国際公開番号】WO2010/090471
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(504314133)ソウル ナショナル ユニバーシティ ホスピタル (3)
【出願人】(508369906)エスエヌユー アール アンド ディービー ファウンデーション (11)
【Fターム(参考)】