説明

筆記具

【課題】口金体が軸本体に対して傾動する際に、傾動方向に従って定まる特定の位置を支点として傾動するように構成し、クッション性があってしなりの感じられる良い書き味が確実且つ安定的に得られ、芯折れ、筆記体の損傷等が軽減される筆記具を提供する。
【解決手段】軸本体2と口金体51を備える。口金体は口金本体12と中駒15と後駒17とを一体的に結合して構成する。後駒の先端部18は軸本体の孔6内に形成された内方フランジ7に当接する。スライド部材57が軸本体の孔内で軸方向スライド可能に配置される。中駒の球状の作用面53とスライド部材の先端側のテーパ部58とが当接する。圧縮コイルバネ28がスライド部材の後端部と内方フランジの前側面との間に配設され、スライド部材を介して口金体を常時軸本体先端側へ付勢する。筆記時には、力の作用する方向によって定まる内方フランジ上の位置を支点として口金は傾動し、それに伴ってバネに抗してスライド部材を後方へ移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はシャープペンシル、ボールペン、マーカーペン等の筆記具に関し、さらに詳細には、口金体が軸本体に対して任意の方向へ傾動できる筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
シャープペンシル、ボールペン、マーカーペンなどの筆記具は、軸本体に取付けられた口金を備え、例えばシャープペンシルの場合にはチャック機構を内蔵して芯の送出し量を調節し、ボールペン、マーカーペンなどでは挿通される筆記体をガイドしている。この口金は軸本体に対して固着されているのが通常である。この場合、筆記の際に筆記体あるいは筆記部に柔軟性が無く、書き味において万年筆に比して劣るということが指摘されていた。また、指の押圧によってシャープペンシルの芯が折れたり、ボールペン、マーカーペンなどでは筆記体の先端を損傷する欠点も指摘されていた。
【0003】
実願平3−85730号(実開平5−41878号)は上記の点を指摘し、その問題点を解決するものとして、軸本体と口金又は中ねじのいずれか又は双方との間に弾性体を介在させた構成を開示している。これにより筆記の際に弾性体がクッションとして機能し、たわみ性が発生し、腰のある書き味を得ることができるとしている。
【0004】
しかしこの構成においては、口金が傾動するときに特定の位置を支点として傾動する構成とはなっていない。このため、支点が定まらず、筆記具の紙面への角度、力の入れ方(強さ、方向など)、移動の仕方によって傾動状態は変化し、安定せず、ときには十分なクッション性は得られない場合もあり得る。従って書き味も必ずしも良好な状態が維持できるとはいえず、種々変化し、決して書き味が良好とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実願平3−85730号(実開平5−41878号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は上記従来例の問題点に鑑みなされたものであり、筆記部が傾動する際に必ずある位置を支点として動作し、常に安定したクッション性が生じて良好な書き味が得られ、芯折れ防止、筆記体の損傷防止の向上を図れる筆記具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明にかかる筆記具においては以下の構成とした。すなわち、 少なくとも先端側が開口した筒状の軸本体と、軸本体の前記先端側に配置され、軸本体の外側に位置する先端部と本体の孔に少なくとも後端側が挿入される軸部とを備えた口金体と、軸本体側から口金体内へ挿通される筆記体とを備えた筆記具において、筆記具はさらに口金体を軸本体の先端側へ付勢する付勢部材を備える。そして軸本体にはその孔内において軸本体に一体に形成された受止め部が形成され、口金体にはその受止め部に当接し、それにより口金体の軸本体の先端側への移動が阻止される当接部が形成される。軸本体の孔の径は口金体の軸部の外径より大きい。そして付勢部材は、口金体の軸部の軸心を中心とする円に沿って形成される作用部において口金体に力を作用させる。
その場合、付勢部材は口金体の軸部を囲むように配設することができる。
さらに、付勢部材は軸本体の孔内に配置することができる。
そしてさらに、付勢部材は、口金体の軸方向に伸びて配設され、軸本体と口金体にそれぞれ形成される受け部に両端が当接して受止められるようにすることができる。
付勢部材を軸本体の孔内に配置した場合において以下の構成とすることができる。すなわち、筆記具はさらに、軸本体の孔内に該軸本体の軸方向に摺動可能に配設されたスライド部材を備え、そのスライド部材は先端側に設けられた作用部において該作用部に対向する口金体の作用部に当接し、付勢部材は口金体の軸方向に伸びて配設され、スライド部材の後端側に設けられた受け部と軸本体に形成された受け部とに両端が当接し、口金体はスライド部材を介して付勢部材により付勢される。
その場合、口金体の作用部は球面状に形成し、スライド部材の作用部は、後端側に向かって径が小さくなるテーパ状に、又は球面状の窪みとして形成することもできる。
以上の場合において、筆記具にはさらに、口金体が軸本体の受止め部を支点として軸本体の軸線に対して傾動するときに、口金体により圧縮されてクッション作用を果たす、収縮、復元が可能な弾性材料で造られたクッション材を備えてもよい。
その場合において、そのクッション材は筒状に形成され、軸本体の先端面の軸方向前後所定の範囲で口金の軸部外周を覆って配置されてようにすることができる。
さらには、クッション材は、リング状に形成され、口金体は、先端部と軸部との間に該軸部の径方向へ広がる肩部を備え、クッション材は、肩部と軸本体の先端側端面とに間に配設するようにもできる。
さらには、クッション材は、筒状部と該筒状部の先端側において径方向外方へ広がる鍔部とを備え、口金体は、先端部と軸部との間に該軸部の径方向へ広がる肩部を備え、クッション材の筒状部は口金の軸部外周を覆って配置され、鍔部は肩部と軸本体の先端側端面とに間に配設するようにすることもできる。
付勢部材を口金体の軸部を囲むように配設したばあいにおいて、口金体は、先端部と軸部との間に該軸部の径方向へ広がる肩部を備え、付勢部材は、その肩部と軸本体の先端側端面とに間に配設することもできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、筆記時に口金体が定まった点を支点として軸本体の軸心に対して傾動し、クッション性があってしなりの感じられる良い書き味が確実且つ安定的に得られ、芯折れ、筆記体の損傷等が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態に係るシャープペンシルを示す部分縦断面図である。
【図2】第2の実施の形態に係るシャープペンシルを示す部分縦断面図である。
【図3】第4の実施の形態に係るボールペンを示す部分縦断面図である。
【図4】第5の実施の形態に係るシャープペンシルを示す部分縦断面図である。
【図5】第6の実施の形態に係るマーカーペンを示す部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明するが、以下の実施の形態は例示的に示すものであり、本願発明の範囲がそれに限定されるものではない。
【0011】
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる筆記具、具体的にはシャープペンシル1の先端側を示す部分縦断面図である。図において符号2は軸本体であり、後軸部材3と後軸部材に組み付けられて一体化されている前軸部材4と、前軸部材と後軸部材の所定の範囲までそれらの外周上に被着されたゴムなどで形成されたグリップ5とを備えている。軸本体2の先端側(以下、「先端側」とは図において左側すなわち、後述する口金体11が位置する側をいい、反対側を「後端側」という。)は開口しており、軸本体2には貫通孔6が形成され、その後端部には図示しない公知のノックが取付けられている。前軸部材4の軸方向所定の位置に径方向内方へ拡がる内方フランジ7が形成されている。これは後述する口金体を受止めて先端側への移動を阻止する受止め部として機能する。
【0012】
符号11は軸本体2の先端側へ配置される口金体であり、口金本体12を備えている。口金本体12は後端側へ向かって次第に径が大きくなる先端部13と、先端部13の後端より径が小さく、軸本体2の孔6内へ挿入される軸状の挿入部14を備えている。挿入部14の後端には中空軸に形成された中駒15がネジ結合その他適宜な手段で一体的に取付けられている。そして、軸部14の後端に突当たるところには径方向外方へ広がる外方フランジ16が形成されている。中駒15の後端側は前軸部材4に形成された内方フランジ7の中心穴を通って延びており、この後端側にはこれも中空軸に形成された後駒17がネジ結合など適宜な手段で一体的に取付けられている。後駒17の前側端面は内方フランジ7の後側端面に当接し、この前端部分は当接部18となっている。口金本体12と中駒15と後駒17とで口金体11を構成し、口金本体12の挿入部14と中駒15と後駒17とで口金体12の軸部19を構成している。口金体11は軸本体2と同心状に配置される。そして、内方フランジ7と外方フランジ16とにその両端が受止められて、中駒15の外周を囲むようにして圧縮コイルバネ28が配設されている。従って、口金体11は図中先端側へ常時付勢され、当接部18が内方フランジ7に当接し、内方フランジ7により先端側への移動を阻止されている。
【0013】
図示の通り口金体11は軸方向全長に渡って中心を通る貫通穴20が形成されている。そしてその先端側には公知のガイドパイプ21と芯戻り止め22とが固定されている。符号23はこれも公知の芯タンクであり、後軸部材3側から口金体11内へ挿入されている。口金体11の中空部24には芯タンクに作用する公知のバネ機構(図示せず)が配設され、中空部25にはこれも公知のチャックリング(図示せず)は配設され、チャック(図示せず)と協働して芯送りをするようになっている。芯の図示も省略している。
【0014】
図から判るとおり、口金体11の軸部19は全長にわたってその外径が軸本体2の孔6の径より小さく、口金体11の軸部19の外周と軸本体2の内周との間には隙間が設けられている。符号26は丈の短い筒状のクッション材としてのスリーブであり、ゴムその他の適宜圧縮、復元が可能な弾性材で作られており、前端が口金本体12の先端部13と挿入部14との境界となる肩部27に当接し、その一部が軸本体2の孔6内へ挿入された状態で挿入部19を被覆して取付けられている。スリーブ26の外周と軸本体2の内周との間には僅かなクリアランスが設けられている。しかし、非圧縮状態で接するようにしてもよい。
【0015】
上記の構成を備えたシャープペンシル1では、筆記する際には通常紙面に傾いた状態になっており、芯を介して口金体11に作用する力によって口金体11全体が軸本体2の軸心に対して傾動することができる。すなわち、バネ28の作用によって口金体11の当接部18が軸本体2の内方フランジ7の後側端面に当接しているので、口金体11はこの内方フランジ7の後側面上の点を支点として、軸本体2の軸心に対して、先端が作用する力の向きの方向へ触れるように傾動する。そしてこの際、スリーブ26がクッションの機能を果たすので、傾動動作が滑らかになり、しなりの感じられる良い書き味が得られる。そして、前述の従来例と異なって、明確な支点が設けられているので、その傾動動作は安定している。また、バネは口金体11の軸心を中心とする円に沿ってその全周に渡る作用点で作用するので、いずれの方向へも同じように傾動することができ、力が除かれると速やかに元の真直状態へ復帰することができる。なお、この実施の形態では付勢部材として圧縮コイルバネを使用したが、例えばゴムなどの圧縮、復元が可能な弾性材料で作ったスリーブなど圧縮状態で用いることも可能である。
【0016】
図2は第2の実施の形態にかかるシャープペンシル31を示す部分縦断面図である。この実施の形態において第1の実施の形態と異なる点は、スリーブ26に代えて、外方へ拡がる鍔部付きのスリーブ32を使用している点であり、その他の構成は第1の実施の形態と同じであるので、対応する部材には同じ番号を付し、その説明は省略する。
【0017】
クッション材としてのスリーブ32は筒部33とその前端部から外方へ広がる鍔部34を備えている。そして筒部33は軸本体2の孔6内に位置し、鍔部34は口金体11の肩部27と軸本体2の先端面2aとの間に配置されている。筒部33の外周と軸本体2の孔6の内周面との間、及び鍔部34の前端面と肩部27との間にはわずかな隙間が設けられているが、非圧縮状態で接するようにしてもよい。この実施の形態では、クッションが二つ設けられている点を除き、口金体11の傾動動作は第1の実施の形態の場合と同じである。
【0018】
なお、第2の実施の形態において、鍔部34の厚みを厚くし、圧縮状態で軸本体2の先端面2aと肩部27との間に配置することとすると、素材として適宜な硬度を備えたものを選択することにより、口金体11へ十分な付勢力を作用させることが可能であり、その場合鍔部34は付勢部材とクッション材の両方の機能を果たし、圧縮コイルバネ28を省略することが可能となる。この場合も、コイルバネの場合と同じように、口金体11の軸心を中心とする円の周に沿って作用点が存在することとなるので、いずれの方向へも滑らかに傾動することができ、真直状態への復帰もスムーズに行われる。
【0019】
また、第3の実施の形態として、第2の実施の形態で使用した鍔つきスリーブに代えて、その鍔部の部分だけからなるリング状の部材をクッション材として使用することも可能である。その際、Oリングのような形状を採用することも勿論可能である。また、その厚みを厚くして、第2の実施の形態について説明したように、付勢部材とクッション部材としての機能を併せて持たせることが可能である。なお、そのようなリングに代えてこの位置に圧縮コイルバネを配置することも可能である。
【0020】
図3は第4の実施の形態を示す部分縦断面図である。この実施の形態に係る筆記具はボールペン41である点で第1の実施の形態と異なるが、軸本体2と口金体11は第1の実施の形態と同じ構成となっている。すなわち、符号42はインクタンクであり、符号43はその先端に取付けられた、ボールを保持する筆記部である。軸本体2と口金体11については対応する部材には第1の実施形態のそれと同じ符号を付し、その説明は省略する。傾動動作についての説明も省略する。
【0021】
図4は第5の実施の形態を示す部分縦断面図である。この筆記具は第1乃至第3の実施の形態と同じシャープペンシルである。このシャープペンシル50が第1の実施の形態と異なるのは、口金体51を構成する中駒52の形状が異なることと、スライド部材57が使用されていることである。従って、第1の実施の形態と同じ部材には同じ番号を付して、その説明は省略する。
【0022】
この中駒52はその先端部において口金本体12にネジ結合など適宜手段で一体的に取付けられる。そして第1の実施の形態で設けられていた外方フランジ16に代えて、後側が凸となった半球状部53が形成されている。そしてその頂部から軸部54が後側へ伸び、軸本体2の内方フランジ7の中心穴を通って延び、後駒17にネジ結合など適宜手段で一体的に結合されている。
【0023】
スライド部材57は中空円筒状の部材であり、外径は全長を通じて同じであり、前軸部材4の内周に沿って軸方向にスライド可能となっている。内周側は、先端側で、後方へ行くに従って次第に内径が小さくなるテーパ部58と、それに続く径の一定の小径部59、肩部60を介してそれに繋がる大径部61を備えている。そしてバネ28はスライド部材57の肩部60と軸本体2の内方フランジ7との間に圧縮状態で配設されている。従って、口金体51が内方フランジ上の一点を支点として傾動すると、スライド部材57はバネ28の力に抗して後へ移動する。この際、バネ28はクッション材としても機能する。この実施の形態の場合、中駒52とスライド部材57との球面とテーパ部による力伝達を利用するので、傾動及び真直状態への復帰動作が確実且つ滑らかになる。また、使用する芯の太さ(強さ)に応じてバネ28の強さを変更して対応し、芯の太さが異なっても良好な書き味が得られ、芯折れの度合いも同様に減少する。なお、この実施の形態においても第1乃至第3の実施の形態で使用したクッション材を使用することは可能である。なお、テーパ部58に代えて球面状の窪みとして形成しても良い。
【0024】
図5は第6の実施の形態にかかる筆記具の部分縦断面図である。この筆記具はマーカーペン71であり、フェルトの筆記部73とインクタンク74とを備える筆記体72を備えている。軸本体2と口金体51及びスライド部材57は第5の実施の形態と同じ構成であるので、同じ部材には同じ番号を付し、その説明は省略する。また、口金体51の傾動、復帰動作も第5の実施の形態での説明から明らかなのでこれも省略する。
【0025】
なお、先に説明した第1乃至第4の実施の形態において、後駒17と内方フランジ7とが互いに当接する部分を第5、第6の実施の形態における互いに当接する作用部である半球状部53とテーパ部58(或いは球面状の窪み)と同様の構成を採用することができる。すなわち、後駒17の先端部を半球状或いは断面円弧状に形成し、内方フランジ7の後側端面に中心穴に繋がるテーパ状或いは半球状或いは断面円弧状の窪みに形成してもよい。或いは、それらを互いに反対の部材に形成してもよい。これにより、口金11が傾動した後に真直状態に復帰する動作がよりスムースになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも先端側が開口した筒状の軸本体と、前記軸本体の前記先端側に配置され、前記軸本体の外側に位置する先端部と前記本体の孔に少なくとも後端側が挿入される軸部とを備えた口金体と、前記軸本体側から前記口金体内へ挿通される筆記体とを備えた筆記具において、前記筆記具はさらに前記口金体を前記軸本体の先端側へ付勢する付勢部材を備え、前記軸本体には前記孔内において前記軸本体に一体に形成された受止め部が形成され、前記口金体には前記受止め部に当接し、それにより前記口金体の前記軸本体の先端側への移動が阻止される当接部が形成され、前記軸本体の穴の径は前記口金体の前記軸部の外径より大きく、前記付勢部材は、前記口金体の前記軸部の軸心を中心とする円に沿って形成される作用部において前記口金体に力を作用させる構成となっていることを特徴とする、筆記具。
【請求項2】
請求項1記載の筆記具において、前記付勢部材は前記口金体の前記軸部を囲むように配設されていることを特徴とする、筆記具。
【請求項3】
請求項2記載の筆記具において、前記付勢部材は前記軸本体の前記孔内に配置されていることを特徴とする、筆記具。
【請求項4】
請求項3記載の筆記具において、前記付勢部材は、前記口金体の軸方向に伸びて配設され、前記軸本体と前記口金体にそれぞれ形成される受け部に両端が当接していることを特徴とする、筆記具。
【請求項5】
請求項3記載の筆記具において、前記筆記具はさらに、前記軸本体の孔内に該軸本体の軸方向に摺動可能に配設されたスライド部材を備え、前記スライド部材は前記先端側に設けられた作用部において該作用部に対向する前記口金体の作用部に当接し、前記付勢部材は前記口金体の軸方向に伸びて配設され、前記スライド部材の後端側に設けられた受け部と前記軸本体に形成された受け部とに両端が当接し、前記口金体は前記スライド部材を介して前記付勢部材により付勢されていることを特徴とする、筆記具。
【請求項6】
請求項5記載の筆記具において、前記口金体の作用部は球面状に形成され、前記スライド部材の作用部は、後端側に向かって径が小さくなるテーパ状又は球面状の窪みとして形成されていることを特徴とする、筆記具。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれか1に記載の筆記具において、前記筆記具はさらに、前記口金体が前記軸本体の前記受止め部を支点として前記軸本体の軸線に対して傾動するときに、前記口金体により圧縮されてクッション作用を果たす、収縮、復元が可能な弾性材料で造られたクッション材を備えていることを特徴とする、筆記具。
【請求項8】
請求項7記載の筆記具において、前記クッション材は筒状に形成され、前記軸本体の先端面の軸方向前後所定の範囲で前記口金の軸部外周を覆って配置されていることを特徴とする、筆記具。
【請求項9】
請求項7記載の筆記具において、前記クッション材は、リング状に形成され、前記口金体は、前記先端部と軸部との間に該軸部の径方向へ広がる肩部を備え、前記クッション材は、前記肩部と前記軸本体の先端側端面とに間に配設されていることを特徴とする、筆記具。
【請求項10】
請求項8記載の筆記具において、前記クッション材は、筒状部と該筒状部の先端側において径方向外方へ広がる鍔部とを備え、前記口金体は、前記先端部と軸部との間に該軸部の径方向へ広がる肩部を備え、前記筒状部は前記口金の軸部外周を覆って配置され、前記肩部と前記軸本体の先端側端面とに間に配設されていることを特徴とする、筆記具。
【請求項11】
請求項2記載の筆記具において、前記口金体は、前記先端部と軸部との間に該軸部の径方向へ広がる肩部を備え、前記付勢部材は、前記肩部と前記軸本体の先端側端面とに間に配設されていることを特徴とする、筆記具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−264638(P2010−264638A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117206(P2009−117206)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000134589)株式会社トンボ鉛筆 (158)
【Fターム(参考)】