説明

筋ジストロフィーの予防および/または治療のためのN−(ジベンゾ(b,f)オキセピン−10−イルメチル)−N−メチル−N−プロプ−2−イニルアミン(omigapil)の使用法

本発明は、筋ジストロフィーの予防および/または治療のための医用製剤の調製を目的とする、下記式(I)の化合物または薬学的に許容される付加塩の使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋ジストロフィー、好ましくは先天型筋ジストロフィー、特にラミニン-α2欠損に起因する先天型筋ジストロフィーの予防および/または治療のための、N-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアミンまたはその薬学的に許容される付加塩の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
先天型筋ジストロフィー(CMD)は、筋肉疲労、筋線維壊死および線維症により特徴づけられる筋障害の異質の群である。他の筋ジストロフィー、特に肢帯筋異栄養症とは異なる特徴は、出生児または生後6ヶ月以内の症状の初期発現である。CMDは大抵は常染色体性劣性遺伝病である。筋肉の関与に加えて、一部のCMDは、脳の先天性異常も示し、しばしば精神遅滞に関連する。この疾病の分子起源の解読における近年の進展により、CMDの主要な特徴の一つとしてα-ジストログリカンの調節異常が暗に示される。今日ではCMDは、遺伝子起源に基づき10の異なる疾病にサブグループ化される。一般に、CMDの有病率は低い(約1〜2.5×10-5)。
【0003】
最近MDC1Aと改名されたメロシン(merosin)欠損CMDは、主要なサブグループの一つである。その有病率は国によって大きく異なる。例えば、ヨーロッパでは全CMD患者の約半分がMDC1Aを患っているが、一方日本ではCMD患者の約6%だけがこのサブグループに属する。
【0004】
MDC1A(MIM 156 225)は、ヒト染色体6q2に位置するラミニンα2鎖(以前はメロシンと称された)をコードする遺伝子の変異に起因する(Helbling-Leclerc A, et al. (1995) - Mutations in the Laminin-α2-chain gene (LAMA2) cause merosin-deficient congenital muscular dystrophy. Nat Genet 11: 216-218(非特許文献1))。
【0005】
MDC1Aの治療のための薬理学的介入は、支持療法、特に、しばしば観察される気道の感染症を克服するための抗感染薬に制限されている。疾病管理の重要な局面として、脊柱側弯症の整形外科手術ならびに栄養失調を回避するための補助的な栄養摂取が含まれる。先天型筋ジストロフィーにおける換気補助に関する特別な指針が公表された(Wallgren-Pettersson C. et al. (2004) - 117th ENMC workshop: ventilatory support in congenital neuromuscular dystrophies, congenital myotonic dystrophy and SMA (II). Neuromusc. Disord. 14: 56-69(非特許文献2))。
【0006】
革新的な治療選択肢が、小型化され調整された細胞外基質分子アグリン(agrin)を過剰発現したラミニン-α2欠損マウスにおける最近の知見から芽生えうる。この「ミニ・アグリン(mini-agrin)」は、細胞表面受容体αジストログリカンと誤発現されたラミニン網状構造との欠失した結合と機能的に置き換わることが実証された。この人工的かつ非相同性の「ミニ・アグリン」の発現により、ラミニン-α2欠損マウスの寿命が有意に延長され、運動能力が改善され、筋肉組織学が正常化された(Moll J. et al. (2001) An agrin minigene rescues dystrophic symptoms in a mouse model for congenital muscular dystrophy, Nature 413: 302-307(非特許文献3); Qiao C. et al. (2005) - Amelioration of laminin α2-deficient congenital muscular dystrophy by somatic gene transfer of miniagrin, Proc. Natl. Acad Sci USA 102: 11999-12004(非特許文献4))。しかし、これらの遺伝子療法アプローチは、ヒト患者においてまだ日常的な手段ではない体細胞遺伝子療法に依存している。
【0007】
【非特許文献1】Helbling-Leclerc A, et al. (1995) - Mutations in the Laminin-α2-chain gene (LAMA2) cause merosin-deficient congenital muscular dystrophy. Nat Genet 11: 216-218
【非特許文献2】Wallgren-Pettersson C. et al. (2004) - 117th ENMC workshop: ventilatory support in congenital neuromuscular dystrophies, congenital myotonic dystrophy and SMA (II). Neuromusc. Disord. 14: 56-69
【非特許文献3】Moll J. et al. (2001) An agrin minigene rescues dystrophic symptoms in a mouse model for congenital muscular dystrophy, Nature 413: 302-307
【非特許文献4】Qiao C. et al. (2005) - Amelioration of laminin α2-deficient congenital muscular dystrophy by somatic gene transfer of miniagrin, Proc. Natl. Acad Sci USA 102: 11999-12004
【発明の開示】
【0008】
本発明の根底にある課題は、筋ジストロフィー、特にラミニン-α2欠損に起因するその壊滅的な合併症の予防および/または治療に適した化合物を提供することである。
【0009】
この課題は、筋ジストロフィーの予防および/または治療のための医用製剤の調製を目的とする、下記式(I)の化合物:

またはその薬学的に許容される付加塩の使用により解決される。
【0010】
式(I)の化合物またはその付加塩は、好ましくは、先天型筋ジストロフィー、特にラミニン-α2の部分的または完全な欠損に起因する先天型筋ジストロフィー1A(MDC1A)の予防および/または治療のために用いられる。
【0011】
式(I)の化合物は、N-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアミンである。式(I)の化合物またはその塩は、アポトーシス細胞溶解が役割を果たす様々な神経変性疾患の可能な治療選択肢として提唱され調査されている。このような神経変性疾患には、脳虚血、アルツハイマー病、ハンチントン病およびパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、緑内障の種類、網膜変性、ならびに一般のもしくは糖尿病性末梢神経障害が含まれる。これらの疾患の治療のための、式(I)の化合物またはその塩の使用、ならびにomigapilの調製のためのプロセスは、WO 97/45422、EP-A-0726265、WO 2004/066993、およびWO 2005/044255に開示されている。さらに、式(I)の化合物はグリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)に結合し、抗アポトーシス効果を発揮することが報告されている(Kragten E et al. (1998) - Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase, the putative target of the antiapoptotic compounds CGP 3466 and R(-)deprenyl. J. Biol. Chem. 273: 5821-5828)。
【0012】
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、好ましくは、鉱酸または有機カルボン酸の塩である。より好ましい態様において、有機カルボン酸は、任意でヒドロキシル化された(C1-7)アルカン酸、任意でヒドロキシル化、アミノ化、および/もしくはオキソ置換された(C2-7)アルカン-ジカルボン酸、任意でヒドロキシル化および/もしくはオキソ置換された(C3-7)アルカン-トリカルボン酸、任意でヒドロキシル化および/もしくはオキソ置換された(C4-7)アルケン-ジカルボン酸、任意でヒドロキシル化および/もしくはオキソ置換された(C4-7)アルキン-ジカルボン酸、脂肪族もしくは芳香族スルホン酸、または脂肪族もしくは芳香族N-置換スルファミン酸である。
【0013】
さらに好ましい態様において、式(I)の化合物の付加塩は、塩化物、過塩素酸塩、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、重硫酸塩、N-シクロヘキシルスルファミン酸塩、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、ピバル酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、アスコルビン酸塩、パントテン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、酒石酸塩、重酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アコナート(aconate)、フマル酸塩、マレイン酸塩、イタコン酸塩、アセチレンジカルボン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、p-ヒドロキシ安息香酸塩、2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩、p-メトキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトアート、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、およびサッカラートからなる群より選択される陰イオンを含む。
【0014】
別の好ましい態様において、式(I)の化合物の付加塩は、H+、Na+、およびK+からなる群より選択される陽イオンを含む。
【0015】
式(I)の化合物のマレイン酸塩、すなわち、N-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウムマレイン酸塩が特に好ましい。この化合物はomigapil、CGP 3466、またはTCH346としても知られている。
【0016】
本発明はまた、筋ジストロフィー、好ましくは先天型筋ジストロフィー、特にラミニン-α2の部分的または完全な欠損に起因する先天型筋ジストロフィー1A(MDC1A)の予防および/または治療のための、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩の投与により、治療を必要とする哺乳動物の治療的処置および/または予防的処置の方法を目的とする。
【0017】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は、第2の治療剤と共に用いられることが好ましい。より好ましくは、第2の治療剤は、ラミニン-α2欠損に起因する筋衰弱を治療するためにMDC1A患者において用いられる任意の医用製剤である。さらにより好ましくは、第2の治療剤は、グルココルチコステロイド、カルパイン阻害剤、プロテアソームの阻害剤および抗感染薬からなる群より選択される。グルココルチコステロイドは例えば、6α-メチルプレドニソロン-21ナトリウムサクシネート(Solumedrol(登録商標))またはデフラザコート(Calcort(登録商標))である。適当なカルパイン阻害剤は、例えばWO 2004/078908に開示されている。プロテアソームの阻害剤は例えばボルテゾミブ(Velcade(登録商標))である。抗感染薬は、MDC1A患者において呼吸器感染の治療に日常的に用いられている抗感染薬から適当に選択される。
【0018】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩および第2の治療剤は、疾病の症状を予防または治療するために、同時に、別個に、または連続して用いることができる。2つの治療剤は、単一の投薬剤形として、または各製剤が2つの治療剤の内の少なくとも一つを含む別個の製剤として提供されうる。
【0019】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は、好ましくは、ラミニン-α2欠損に起因する先天型筋ジストロフィー、特にMDC1Aに関連する骨格筋組織の衰弱および損失を治療または予防するために用いられる。特に、本発明は、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩、好ましくはN-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウム塩、および特にN-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウムマレイン酸塩を投与することにより、先天型筋ジストロフィーMDC1A型を治療するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩の使用に関する。
【0020】
用いられる有効成分の有効用量は、用いられる特定の化合物、投与形態、治療される状態、および治療される状態の重篤度に応じて変動しうる。そのような用量は、当業者には容易に確認できる。ヒトにおいて式(I)の化合物またはその薬宅的に許容される付加塩は、好ましくは0.01mg/日〜80mg/日の用量範囲で、より好ましくは0.05mg/日〜40mg/日の用量範囲で、最も好ましくは0.1mg/日〜20mg/日の用量範囲で投与される。
【0021】
さらに、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は、ラミニン-α2欠損に起因するMDC1Aに関連した病兆の初期の改善(例えば、以下に限定はされないが、筋衰弱、呼吸器の問題の改善のような)が観察されるよう、好ましくは少なくとも一日に一回、好ましくは少なくとも3ヶ月、より好ましくは少なくとも6ヶ月、最も好ましくは6ヶ月〜12ヶ月の間、投与される。治療効果の維持のために長期の治療が推奨され、好ましい治療は一生涯である。
【0022】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩の有効用量を哺乳動物、特にヒトに提供するためのいかなる適当な投与経路も用いられうる。投与の形態には、直腸、局所、眼内、肺、口腔、腹腔内(i.p.)、静脈内(i.v.)、筋内(i.m.)、洞内(intracavernous)(i.c.)、非経口、鼻腔内、および経皮が含まれる。好ましい投与形態は、経口、腹腔内、静脈内、筋内、洞内、非経口、鼻腔内、および経皮であるが、経口投与が最も好ましい投与形態である。
【0023】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は、好ましくは投与の前に投薬剤形に製剤化される。投薬剤形には、例えば錠剤、丸薬、顆粒、粉末、薬用ドロップ(lozenge)、サシェ、カプセル(cachet)、エリキシル剤、水性および油性の懸濁剤、乳剤、分散剤、滅菌注射剤のような溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液状媒質で)、軟および硬ゼラチンカプセル剤のようなカプセル剤(capsule)、坐薬、滅菌パッケージ入粉剤(sterile packaged powder)、トローチ(troche)、クリーム、軟膏、およびエアロゾルが含まれる。錠剤が最も好ましい。
【0024】
経口適用に適した製剤は、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、顆粒粉末、ドロップ、ジュース、およびシロップの形状であるが、非経口、局所、および吸入適用に適した形状は、溶液、懸濁剤、容易に再構成可能な乾燥製剤、ならびにスプレーである。
【0025】
したがって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は、任意の適当な薬学的担体と組み合わされてもよい。本発明にしたがった使用のための薬学的製剤は、周知の容易に入手可能な成分を用いて通常の手法で調製することができる。そのような成分は、賦形剤、充填剤、溶剤、希釈剤、染料、および/または結合剤でありうる。
【0026】
製剤の作成において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は、通常担体と混合されるか、もしくは担体により希釈され、または担体と共に封入され、それらはカプセル剤、カシュ剤、紙、または他の容器の形状でありうる。
【0027】
担体が希釈剤として使用される場合、固体、半固体、または液体の物質であってもよく、媒体、賦形剤、または有効成分の媒質として作用する。
【0028】
適当な担体、賦形剤、および希釈剤の一部の例として、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、メチルおよびプロピルヒドロキシ安息香酸塩、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ならびに鉱物油が含まれる。
【0029】
製剤は、さらに潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、保存剤、甘味料、ならびに/または着香料を含んでいてもよい。
【0030】
使用する補助剤ならびにその量の選択は、医用薬が経口、静脈内、腹腔内、皮内、筋内、鼻内、経頬、または局所投与されるか否かに依る。
【0031】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は、患者への投与後に有効成分を迅速放出、持続放出、または遅延放出させるために製剤化されうる。この目的を達成するために、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は、例えば、持続放出型物質として、溶解された形状で、または膏薬として、任意で皮膚への浸透を促進し経皮適用製剤として適している物質を添加して、投与することができる。経口または経皮的に使用されうる製剤の形状は、化合物の遅延放出をもたらす。
【0032】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩は毒性的に安全であり、それは医用製剤中の薬学的活性剤として使用できることを意味する。
【0033】
以下の実施例により本発明をさらに説明する。
【0034】
MDC1Aの動物モデル
約50年前、筋ジストロフィー(dystrophia muscularis)(dy/dy)マウスがジャクソン研究所(Jackson Laboratories)で同定された(Michelson AM, Russell ES, Harman PJ. (1955) - Dystrophia muscularis: a hereditary primary myopathy in the house mouse, Proc Natl Acad Sci USA. 41: 1079-1084)。上記およびdy2J/dy2Jと呼ばれるもう一つの自然発生突然変異体(Meier H, Southard JL. (1970) - Muscular dystrophy in the mouse caused by an allele at the dy-locus, Life Sci. 9: 137-144; Xu H. et al. (1994) - Murine muscular dystrophy caused by a mutation in the laminin-α2 (Lama2) gene, Nature Genetics 8: 296-302)は、双方ともラミニン-α2鎖の低次形態である(Guo LT, Zhang XU, Kuang W, et al. (2003) - Laminin-α2 deficiency and muscular dystrophy; genotype-phenotype correlation in mutant mice, Neuromuscul. Disord. 13(3): 207-215)。さらに、dyW/dyW(Kuang W, Xu H, Vachon PH, et al. (1998) - Merosin-deficient congenital muscular dystrophy. Partial genetic correction in two mouse models, J. Clin. Invest. 102(4): 844-852)およびdy3K/dy3K(Miyagoe Y, Hanaoka K, Nonaka I, et al. (1997) - Laminin-α2 chain-null mutant mice by targeted disruption of the Lama2 gene: a new model of merosin(laminin 2)-deficient congenital muscular dystrophy, FEBS Lett. 415(1): 33-39)と呼ばれる2つのマウスモデルが相同組換えに基づいている。
【0035】
ラミニン-α2欠損マウスの表現型はヒトの病状に酷似している。例えば、マウスは生後まもなく(すなわち3〜16週)死に、野生型の同腹子よりはるかに遅い速度で成長し、すべてのマウスが脊柱側弯症を発症する。生後3週で、筋力は野生型マウスと比較すると有意に低い。罹患筋の組織学はヒト患者のものと非常に似ており、多様な線維サイズ、広範な線維化、脂肪組織の浸潤、および血中の高濃度クレアチンキナーゼにより特徴づけられる。さらに、ラミニン-α2欠損マウスの後肢は数週間後に麻痺し、異常な髄鞘形成が中枢神経系で観察されうる。したがって、これらのマウスは、疾病の根底にある可能な分子機構を解明するためのよく認識された広く用いられるモデルである。
【0036】
実施例1
N-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウムマレイン酸塩(omigapil)の生存率における効果を、ラミニン-α2発現において欠損性であるMDC1Aのマウスモデルで試験した。15日目に開始し、ホモ接合型dyW/dyWマウスをomigapilで処置した。それらの生存率を、媒体のみで処置したホモ接合型dyW/dyWマウスと比較した。このために、omigapilを0.5%w/vエタノールに溶解し最終濃度を20μg/mlとした。処置レジメは以下の通りであった:omigapil(0.5%エタノール中20μg/ml)を一日一回、腹腔内(i.p.)注射により3週齢のdyW/dyWマウスに適用した;4週齢を超えてからマウスに同濃度のomigapilを一日一回i.p.適用の代わりに強制飼養により投与した。全ての回でdyW/dyWマウスに与えられたomigapilの最終用量は、他で記載された指針に従って一日一回0.1mg/kg体重であった(Sagot Y. et al. (2000) - An orally active anti-apoptotic molecule (CGP 3466B) preserves mitochondria and enhances survival in an animal model of motoneuron disease. Br. J. Pharmacol. 131: 721-728)。対照マウスは同等量の媒体のみを投与した。
【0037】
驚くべき事に、omigapilは、dyW/dyWマウスの初期の死亡を有意に防ぐことが見出された。図1に示したように、媒体で処理したdyW/dyWマウス15匹中6匹(=40%)が最初の80日齢以内に死亡した一方、omigapil処理した群ではこの日齢で死亡した動物は13匹中1匹のみ(=8%)であった。このデータから、ラミニン-α2欠損に起因する筋ジストロフィーの動物モデルにおいてomigapilは初期の疾病率および死亡率を防ぐと結論づけられる。
【0038】
図1は、寿命(日数)に対するKaplan-Meierの累積的生存プロットを示す。新生dyW/dyWマウスは記載された方法(Kuang, W., H. Xu, et al. (1998) - "Merosin-deficient congenital muscular dystrophy. Partial genetic correction in two mouse models," J Clin Invest 102(4): 844-52)に従って遺伝子型を決定し、媒体群またはomigapil群に無作為に割り当てた。媒体群およびomigapil群それぞれに、計15匹および13匹の動物が含まれた。
【0039】
実施例2
実施例2は、ラミニン-α2発現において欠損性であるMDC1Aのマウスモデルにおける体重増加に対する、N-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウムマレイン酸塩(omigapil)の治療的関連効果を記載する。15日目に開始し、ホモ接合型dyW/dyWマウスをomigapilで処置した。それらの個々の体重を毎日評価し、媒体のみで処置したホモ接合型dyW/dyWマウス(対照群)と比較した。このために、omigapilをそれぞれ0.1または1mg/kg体重の用量でdyW/dyWマウスに投与した。処置レジメは実施例1に記載した通りであった。
【0040】
驚くべき事に、omigapilはdyW/dyWマウスにおいて体重増加をかなり増加させることが見出された。図2に示したように、最初の11週齢以内に媒体処置dyW/dyWマウスの最大11%が体重12グラム超に達した一方、0.1および1mg/kg omigapil処置群ではそれぞれ25%および43%がこの閾値を超えた体重に達した。このデータから、omigapilは、ラミニンα2欠損に起因する筋ジストロフィーの動物モデルにおいて体重減少を防ぐことが結論づけられる。
【0041】
図2は、閾値12グラムを超えた体重を有する6週齢から11週齢の動物の割合を週1回の頻度で示す。新生dyW/dyWマウスの遺伝子型を決定し、媒体群または0.1および1mg/kg omigapil群に無作為に割り当てた。個々の体重を毎日評価し、平均体重を毎週算出した。平均体重12グラムを超えるマウスの割合を、各処置群について週齢(6から11週齢の間)にしたがってグループ分けして示す。計27、34、および25匹の動物が、媒体群、ならびに0.1および1mg/kg omigapil群にそれぞれ含まれた。
【0042】
実施例3
N-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウムマレイン酸塩(omigapil)の骨格筋アポトーシスにおける効果を、ラミニン-α2発現において欠損性であるMDC1Aのマウスモデルにおいて試験した。15日目に開始し、ホモ接合型dyW/dyWマウスをomigapilで試験した。アポトーシス筋細胞核(myonuclei)の数を解析し、媒体のみで処置したホモ接合型dyW/dyWマウスで決定したアポトーシス筋細胞核の数および無処置の野生型マウスで決定したアポトーシス筋細胞核の数と比較した。このために、実施例1に記載した処置レジメに従って、omigapilを0.1mg/kg体重の用量でdyW/dyWマウスに投与した。
【0043】
驚くべき事に、omigapilは、dyW/dyWマウスにおいて三頭筋のアポトーシス筋細胞核の数をかなり減少させることが見出された。図3に示したように、媒体処置したdyW/dyWマウスの三頭筋の筋線維の1.1%が6週齢でアポトーシス筋細胞核を有していた一方、omigapil処置群では0.7%のみのアポトーシス筋線維が検出された。このアポトーシス筋線維における35%の減少から、omigapilは、ラミニンα2欠損に起因する筋ジストロフィーの動物モデルにおいてアポトーシス筋線維の増加を防ぐと結論づけられる。
【0044】
図3は、6週齢のdyW/dyWマウスの三頭筋におけるアポトーシス筋線維の割合を示す。新生dyW/dyWマウスを遺伝子型決定し、媒体群またはomigapil群に無作為に割り当てた。前肢三頭筋におけるアポトーシス筋線維を、ターミナルdUTPニック末端標識(Terminal dUTP nick end labeling)(TUNEL)で陽性に染色された筋線維を計測することにより決定した。各筋肉について、一断面の全ての筋線維を解析に含めた。アポトーシス筋線維の相対数は、TUNEL陽性筋細胞核の数を筋線維の総数で割ることにより算出した。一処置群につき7匹の動物を解析した。媒体処置したdyW/dyWマウスの三頭筋における筋線維の1.1%が6週齢でアポトーシス筋細胞核を有していた一方、omigapil処置群では0.7%のみのアポトーシス筋線維が検出された。比較のため、無処置の野生型動物におけるTUNEL陽性筋線維の数を同様に示す。
【0045】
実施例4
筋線維サイズの分布におけるN-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウムマレイン酸塩(omigapil)の効果を、ラミニン-α2発現において欠損性であるMDC1Aのマウスモデルにおいて試験した。筋線維の直径を、0.1mg/kg体重omigapilまたは媒体のみで処置した6週齢のdyW/dyWマウスの三頭筋において解析した。処置レジメは実施例1に記載した通りであった。
【0046】
驚くべき事に、omigapilは、dyW/dyWマウスの三頭筋において大きな直径の筋線維の総対数を増加させることが見出された。図4に示したように、媒体処置したdyW/dyWマウスの三頭筋における筋線維の8%が6週齢で50マイクロメータを超える筋線維直径を有していた一方、omigapil処置群では15%の筋線維が50マイクロメータを超える筋線維直径を有していた。この大直径の筋線維の増加から、omigapilは、ラミニンα2-欠損に起因する筋ジストロフィーの動物モデルにおいて筋肉組織学を改善させると結論づけられる。
【0047】
図4は、6週齢のdyW/dyWマウスの三頭筋における大直径筋線維の割合を示す。新生dyW/dyWマウスを遺伝子型決定し、媒体群またはomigapil群に無作為に割り当てた。筋線維直径を当業者に公知の方法に従い測定した(Briquet, A., Courdier-Fruh, I., Foster, M., Meier, T., Magyar, J.P. (2004) - "Histological parameters for the quantitative assessment of muscular dystrophy in the mdx-mouse", Neuromuscul Disord 14(10): 675-82)。各筋肉について一断面の全ての筋線維を解析に含めた。一処置群につき7匹の動物を解析した。媒体処置したdyW/dyWマウスの三頭筋における筋線維の8%が、6週齢で50マイクロメータを超える筋直径を有していた一方、omigapil処置群では筋線維の15%がこの基準を満たしていた。アスタリスク: p値 <0.05。
【0048】
実施例5
骨格奇形(すなわち脊柱後弯症)におけるN-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウムマレイン酸塩(omigapil)の有益な治療的関連効果を、ラミニン-α2発現において欠損性であるMDC1Aのマウスモデルにおいて試験した。このために、ホモ接合型dyW/dyWマウスをomigapilで処置し(1mg/kg体重の用量で)、11週齢にてそれらの脊柱後弯症を視診およびX線解析によりスコア化し、媒体のみで処置したホモ接合型dyW/dyWマウスおよび無処置の野生型マウスにおいて見られる脊柱後弯症の程度と比較した。処置レジメは実施例1に記載した通りであった。
【0049】
驚くべき事に、omigapilは、dyW/dyWマウスにおける脊柱後弯症をかなり減少させることが見出された。図5における例で示したように、媒体処置したdyW/dyWマウスの回転は、11週齢で、66°の角度に渡り、これは重篤な脊柱後弯症を示す一方、omigapil処置したdyW/dyWマウスの回転は89°の角度に渡り、これは明らかに骨格奇形の重篤度がより少ないことを示す。無処置の野生型マウスにおける状況と比較する事により、omigapilでの処置が、ラミニンα2欠損に起因する筋ジストロフィーの動物モデルにおいて骨格奇形を有意に改善できる(すなわち脊髄の脊柱後弯症における減少)と結論づけられる。
【0050】
図5は、11週齢のdyW/dyWマウスの脊柱後弯症を示す。骨格奇形は、週齢を適合させた野生型マウス(A)、媒体処置マウス(B)、および1mg/kg omigapil処置dyW/dyWマウス(C)のX線画像により実証した。脊柱後弯症は視覚的スコア化システムを用いて生存動物において定量化した(1:わずかに検出可能、2:軽度、3:中等度、4:重度)(D)。9匹の媒体処置動物および7匹のomigapil処置動物を解析した。
【0051】
実施例6
自発的移動運動におけるN-(ジベンゾ(b,f)オキセピン-10-イルメチル)-N-メチル-N-プロプ-2-イニルアンモニウムマレイン酸塩(omigapil)の治療的関連効果を、ラミニン-α2発現において欠損性であるMDC1Aのマウスモデルにおいて試験した。15日目に開始し、ホモ接合型dyW/dyWマウスを0.1または1mg/kg体重の用量でomigapilを用いて処置した。それらの個々の探索的移動運動活性を6週齢で評価し、媒体のみで処置した週齢を適合させたdyW/dyWマウスと比較した。処置レジメは実施例1に記載した通りであった。
【0052】
驚くべき事に、omigapilは、6週齢のdyW/dyWマウスにおいて、探索的移動運動活性および自発的移動運動活性の時間を有意に増加させることが見出された。図6に示したように、媒体処置したdyW/dyWマウスは、新しいケージに動物を置いた後10分の試験期間中236秒の移動運動活性を示した一方、0.1および1mg/kg omigapil処置群はそれぞれ330秒(すなわち媒体群と比較して39%増加)および301秒(すなわち26%増加)の移動運動活性を示した。omigapilは、ラミニンα2欠損に起因する筋ジストロフィーの動物モデルにおいて移動運動活性を増加させると結論づけられる。
【0053】
図6は、6週齢のdyW/dyWマウスの自発的移動運動活性の時間を示す。新生dyW/dyWマウスを遺伝子型決定し、媒体群または0.1および1mg/kg omigapil群に無作為に割り当てた。自発的移動運動活性は、新しいケージに動物を置いた後最初の10分以内で測定した。媒体処置dyW/dyWマウスは236秒の移動運動活性を示した一方、0.1および1mg/kg体重omigapil処置群は330秒および301秒の移動運動活性を示した。活性の差は、omigapil処置群双方について統計学的に有意である(アスタリスク: p値 <0.05)。計13、15および10匹の動物が、媒体群、0.1および1mg/kg omigapil群にそれぞれ含まれた。
【0054】
(1)体重増加の増加、(2)筋肉組織におけるアポトーシスの減少、(3)筋線維直径の正常化、(4)骨格奇形の減少、(5)移動運動活性の増加、および(6)寿命の延長により決定されたように、omigapilがMDC1Aの齧歯類モデルにおいてラミニン-α2欠損の重篤な疾病特異的表現型を改善させることは驚くべき事である。GAPDHの阻害が病理学的兆候、特にMDC1Aに関連する筋衰弱を改善させる可能性があることは当業者に明らかでないため、このことは特に驚くべき事である。この疾病における筋ジストロフィーに至るアポトーシスプロセスの原因はBcl-2/Bax経路の関与にある(Girgenrath M et al. (2004) - Inhibition of apoptosis improves outcome in a model of congenital muscular dystrophy, J Clin Invest 114: 1635-1639)。対照的に、細胞シグナル伝達プロセスを媒介するGAPDHの関与は(Hara MR et al. (2005) - S-nitrosylated GAPDH initiates apoptotic cell death by nuclear translocation following Siah1 binding, Nature Cell Biol 7:665-674)、ラミニン-α2欠損に関連する筋ジストロフィーに関与しておらず、現在の所、Bcl-2/Baxシグナル伝達経路およびGAPDHが一般の筋肉疾患および特にMDC1Aにおいて相互作用する証拠はない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】寿命(日数)に対するKaplan-Meierの累積的生存プロットを示す。
【図2】閾値12グラムを超えた体重を有する6週齢から11週齢の動物の割合を週1回の頻度で示す。
【図3】6週齢のdyW/dyWマウスの三頭筋におけるアポトーシス筋線維の割合を示す。
【図4】6週齢のdyW/dyWマウスの三頭筋における大直径筋線維の割合を示す。
【図5】11週齢のdyW/dyWマウスの脊柱後弯症を示す。
【図6】6週齢のdyW/dyWマウスの自発的移動運動活性の時間を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筋ジストロフィーの予防および/または治療のための医用製剤の調製を目的とする、下記式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩の使用:


【請求項2】
筋ジストロフィーが、先天型筋ジストロフィー、特にラミニン-α2の部分的または完全な損失に起因する先天型筋ジストロフィー1A(MDC1A)である、請求項1記載の使用。
【請求項3】
式(I)の化合物の塩が鉱酸または有機カルボン酸の塩である、請求項1または2記載の使用。
【請求項4】
有機カルボン酸が、任意でヒドロキシル化された(C1-7)アルカン酸、任意でヒドロキシル化、アミノ化および/もしくはオキソ置換された(C2-7)アルカン-ジカルボン酸、任意でヒドロキシル化および/もしくはオキソ置換された(C3-7)アルカン-トリカルボン酸、任意でヒドロキシル化および/もしくはオキソ置換された(C4-7)アルケン-ジカルボン酸、任意でヒドロキシル化および/もしくはオキソ置換された(C4-7)アルキン-ジカルボン酸、脂肪族もしくは芳香族スルホン酸、または脂肪族もしくは芳香族N-置換スルファミン酸である、請求項3記載の使用。
【請求項5】
式(I)の化合物の塩が、塩化物、過塩素酸塩、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、重硫酸塩、N-シクロヘキシルスルファミン酸塩、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、ピバル酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、アスコルビン酸塩、パントテン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、酒石酸塩、重酒石酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、アコナート(aconate)、フマル酸塩、マレイン酸塩、イタコン酸塩、アセチレンジカルボン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フタル酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、p-ヒドロキシ安息香酸塩、2,5-ジヒドロキシ安息香酸塩、p-メトキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトアート、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、およびサッカラートからなる群より選択される陰イオンを含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の使用。
【請求項6】
式(I)の化合物の塩が、H+、Na+、およびK+からなる群より選択される陽イオンを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の使用。
【請求項7】
化合物が式(I)の化合物のマレイン酸塩である、請求項1〜6のいずれか一項記載の使用。
【請求項8】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩が、錠剤の形で経口投与される、請求項1〜7のいずれか一項記載の使用。
【請求項9】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容される付加塩が、第2の治療剤と共に使用される、請求項1〜8のいずれか一項記載の使用。
【請求項10】
第2の治療剤が、グルココルチコステロイド、カルパイン阻害剤、プロテアソームの阻害剤、および抗感染薬からなる群より選択される、請求項9記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−505998(P2009−505998A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527382(P2008−527382)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008237
【国際公開番号】WO2007/022951
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(506388716)サンセラ ファーマシューティカルズ (シュバイツ) アーゲー (4)
【Fターム(参考)】