説明

筒形圧着端子の外観検査装置

【課題】筒形圧着端子及びカメラを360度回転させなくとも、筒形圧着端子と背景との対比による外観検査を可能にすることを目的とする。
【解決手段】筒形圧着端子110を支持する支持部20と、筒形圧着端子110を撮像可能で、支持部20に支持される筒形圧着端子110の中心軸周りに等分された角度で配設された複数かつ奇数台のカメラ40と、支持部20と複数かつ奇数台のカメラ40とを、支持部20に支持される筒形圧着端子110の中心軸周りに相対回転可能な回転機構部50と、を備え、複数かつ奇数台のカメラ40は、回転機構部50により支持部20と複数かつ奇数台のカメラ40とが相対回転された複数位置で同時に撮像可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
端子の外観検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電線に圧着される圧着端子として、圧着部が筒形に形成されたものが種々開発されている。電線に圧着された上記筒形圧着端子について外観検査を行う場合、端子表面のうち圧着箇所等の検査箇所が外周方向のどの位置にくるかを特定することは困難である。このため、一方向からの撮像のみでは、安定して圧着箇所等の検査箇所を撮像することが困難である場合があった。つまり、筒形圧着端子の外観検査においては、その全周を撮像する必要がある。
【0003】
なお、異なる技術分野では、回転体の外観検査装置として特許文献1の技術がある。特許文献1には、回転体である検査対象物の表面を一部重複させて4方向から撮像し、画像処理により遠近歪みを補正してパターンマッチングにより画像を結合する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−128261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電線に圧着された筒形圧着端子の全周を撮像するためには、筒形圧着端子或いはカメラを端子(電線)の中心軸周りに360度回転させることが考えられる。しかしながら、筒形圧着端子は電線に圧着されているため、当該電線がじゃまになって筒形圧着端子を360度回転させることは困難である。また、カメラについては、電源、信号出力用ケーブル等の配線を取り回す必要があり、撮像の度に360度回転させると当該ケーブルの縒れ等が発生する恐れがある。
【0006】
ここで、筒形圧着端子を、その中心軸周りに複数のカメラを配設してその全周について撮像するとしても、他のカメラ又はカメラに接続されているケーブル等が筒形圧着端子と重なる位置に写り込み、良否判定を行えない恐れがある。
【0007】
すなわち、筒形圧着端子の外観検査においては、筒形圧着端子外への電線芯線部のはみ出し等、筒形圧着端子と背景との対比で良否判定を行うことがある。つまり、この場合、カメラは検査エリアとして筒形圧着端子とその背景とを撮像する必要があり、カメラの検査エリア内の筒形圧着端子と重なる位置にカメラ等が写り込んでいると、筒形圧着端子と背景との対比で良否判定を行うことが困難であった。
【0008】
そこで、この発明は、筒形圧着端子及びカメラを360度回転させなくとも、筒形圧着端子と背景との対比による外観検査を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様に係る筒形圧着端子の外観検査装置は、電線に圧着された筒形の圧着部を有する筒形圧着端子について外観検査を行うための筒形圧着端子の外観検査装置であって、前記筒形圧着端子を支持する支持部と、前記支持部に支持される前記筒形圧着端子を撮像可能で、前記筒形圧着端子の中心軸周りに等分された角度で配設された複数かつ奇数台のカメラと、前記支持部と前記複数かつ奇数台のカメラとを、前記支持部に支持される前記筒形圧着端子の中心軸周りに相対回転可能な回転機構部と、を備え、前記複数かつ奇数台のカメラは、前記回転機構部により前記支持部と前記複数かつ奇数台のカメラとが相対回転された複数位置で同時に撮像可能である。
【0010】
第2の態様に係る筒形圧着端子の外観検査装置は、第1の態様に係る筒形圧着端子の外観検査装置であって、前記回転機構部は、前記複数かつ奇数台のカメラを、前記支持部に支持される前記筒形圧着端子の中心軸周りに回転移動可能で、前記複数かつ奇数台のカメラは、前記回転機構部により回転移動された複数位置で同時に撮像可能である。
【0011】
第3の態様に係る筒形圧着端子の外観検査装置は、第1又は2の態様に係る筒形圧着端子の外観検査装置であって、前記複数かつ奇数台のカメラそれぞれに対して、前記支持部を挟んで対向する位置でかつ前記筒形圧着端子の背景となる位置に配設された背景部材をさらに備える。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様に係る筒形圧着端子の外観検査装置によると、筒形圧着端子を撮像可能な複数かつ奇数台のカメラが、支持部に支持される筒形圧着端子の中心軸周りに等分された角度で配設されている。このため、各カメラで撮像される画像において、筒形圧着端子と重なる位置に他のカメラが写り込むことを防止できる。また、支持部と複数かつ奇数台のカメラとを相対回転可能に構成されているため、相対回転させた複数箇所で複数かつ奇数台のカメラにより同時に筒形圧着端子を撮像することができる。これにより、筒形圧着端子及びカメラを360度回転させなくとも、筒形圧着端子と背景との対比による外観検査を行うことができる。
【0013】
第2の態様に係る筒形圧着端子の外観検査装置によると、複数かつ奇数台のカメラを筒形圧着端子の中心軸周りに回転移動可能に構成されているため、筒形圧着端子の一端部を外観検査しつつ、他端部について端子圧着、加工等の処理を行うことができる。また、筒形圧着端子が圧着された電線が複数の配線材と結束されている状態でも、筒形圧着端子を容易に撮像して外観検査を行うことができる。
【0014】
第3の態様に係る筒形圧着端子の外観検査装置によると、各カメラにより背景部材を背景とする筒形圧着端子が撮像され、筒形圧着端子の背景との対比による外観検査をより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】筒形圧着端子付電線の一例を示す概略正面図である。
【図2】筒形圧着端子の外観検査装置の概略平面図である。
【図3】筒形圧着端子の外観検査装置の概略正面図である。
【図4】筒形圧着端子の支持態様を示す図である。
【図5】筒形圧着端子の外観検査用撮像画像を示す図である。
【図6】筒形圧着端子の外観検査不適用画像を示す図である。
【図7】芯線確認窓の不良状態の一例を示す図である。
【図8】圧着位置の不良状態の一例を示す図である。
【図9】芯線はみ出しの不良状態の一例を示す図である。
【図10】相対圧着位置の不良状態の一例を示す図である。
【図11】外観検査の手順を示すフローチャートである。
【図12】芯線確認窓検査の手順を示すフローチャートである。
【図13】圧着位置検査の手順を示すフローチャートである。
【図14】芯線はみ出し検査の手順を示すフローチャートである。
【図15】相対圧着位置検査の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態に係る筒形圧着端子の外観検査装置について説明する。本筒形圧着端子の外観検査装置は、電線端部に圧着された筒形圧着端子について、複数種の外観検査を行うための装置である。
【0017】
<1.筒形圧着端子について>
説明の便宜上、本実施形態に係る筒形圧着端子の外観検査装置の検査対象である筒形圧着端子について説明する。以下、図1に示した筒形圧着端子付電線100の一例に基づいて説明する。
【0018】
筒形圧着端子付電線100は、筒形圧着端子110と電線120とを備えている。
【0019】
電線120は、導体素線の集合により(ここではそれを撚って)構成された芯線部と、芯線部の周面を被覆する樹脂等により形成された被覆部124とを有している。電線120は、その端部において被覆部124を皮剥ぎされ、芯線端部122が露出された構造である。
【0020】
筒形圧着端子110は、長手方向に沿って接続部112と中間部113と圧着部114とが連なる形状に形成されている。図1では、筒形圧着端子110がオス端子である例を示しているが、筒形圧着端子110はこれに限られるものではなくメス端子であってもよい。接続部112は、メス端子に対して嵌入接続可能な長尺棒状(ここでは略円柱形状)に形成されている。なお、接続部112は、筒形圧着端子110がメス端子である場合には、オス端子を嵌入接続可能な筒状(略円筒状)に形成される。また、圧着部114は、電線120の芯線端部122を挿入配設可能な筒形(ここでは略円筒形)に形成されている。
【0021】
そして、上記電線120の芯線端部122が、筒形圧着端子110の圧着部114に挿入配設された状態で、圧着部114の外周面が押圧されることにより、筒形圧着端子110が芯線端部122に圧着される。より具体的には、筒形圧着端子110の中心軸に対する放射方向に沿った4方向から前記中心軸に向けて押圧され、筒形圧着端子110の周方向において略等間隔で4箇所に圧着痕116が形成される。この圧着痕116は、それぞれ、筒形圧着端子110の長手方向に沿って、2つの正面視略D字形状の凹部が互いに直線部分を対向させて離間した形状である。また、複数の圧着痕116は、筒形圧着端子110の長手方向において略同位置に形成される。
【0022】
また、圧着部114の外周面の一部には、その内部空間を外部から目視確認可能な(ここでは略円形状の)芯線確認窓115が形成されている。より具体的には、芯線確認窓115は、圧着部114の長手方向において、芯線端部122が予め設定された挿入寸法挿入された状態でその先端部が配設される(先端部を視認可能な)位置に、圧着部114内部に貫通する孔状に形成されている。つまり、芯線確認窓115を通じて、芯線端部122の先端部を視認でき、その位置によって芯線端部122の圧着部114に対する挿入量を確認することができる。
【0023】
また、圧着部114及び中間部113の外周面には、筒形圧着端子110の種類を識別可能な識別ライン118が付されている。ここでは、複数色の識別ライン118が、筒形圧着端子110の長手方向に(図1では3本)並ぶように、圧着部114及び中間部113の外周面の周方向に沿って描かれている。
【0024】
<2.筒形圧着端子の外観検査装置について>
次に、実施形態に係る筒形圧着端子の外観検査装置10の構成について説明する(図2及び図3参照)。
【0025】
筒形圧着端子の外観検査装置10は、支持部20と、カメラ40と、回転機構部50と、背景部材60と、照明部70と、制御部90とを備えている。
【0026】
支持部20は、筒形圧着端子110を、その検査箇所を外部から視認可能な態様で支持可能に構成されている(図4参照)。ここでは、支持部20は、筒形圧着端子110が圧着された電線120の被覆部124(より具体的には、その先端部より後方側つまり図4の下側部分)を把持することにより、間接的に筒形圧着端子110を支持可能に構成されている。もっとも、支持部20は、筒形圧着端子110を直接把持して支持するように構成されてもよい。支持部20には、例えば、シリンダ或いはモータ等を用いて把持部を開閉する種々の把持機構を採用することができる。なお、この支持部20は、筒形圧着端子110又は電線120の種類(直径、長さ寸法等)が異なる場合でも、筒形圧着端子110を支持可能であることが望ましい。
【0027】
カメラ40は、支持部20に支持される筒形圧着端子110を撮像可能で、筒形圧着端子110の中心軸周りに等分された角度で(ここでは、中心軸を中心とする略同心円上に略等角度間隔で)複数かつ奇数台配設されている。より具体的には、この複数かつ奇数台のカメラ40は、筒形圧着端子110の検査箇所及びその背景を含む検査エリア42を撮像可能であると共に、筒形圧着端子110の中心軸周りで互いに検査エリア42外に位置するように配設されている。ここでは、カメラ40は、120度間隔で3台配設され、カメラ40に付属する電源、信号ケーブル等も互いの検査エリア42外に位置するように配設されている。また、ここでは、複数かつ奇数台のカメラ40は、後述する回転機構部50の回転部材52に対して上記位置関係で取付けられている。
【0028】
本筒形圧着端子の外観検査装置10では、後述する芯線確認窓検査、圧着位置検査、芯線はみ出し検査、相対圧着位置検査を行う。このため、少なくとも、筒形圧着端子付電線100のうち、その長手方向において、圧着部114の先端部から電線120の被覆部124の先端部を含む範囲を撮像する必要がある。ここでは、検査エリア42は、支持部20に支持される筒形圧着端子付電線100のうち、その長手方向において、中間部113の先端部から電線120の被覆部124の先端部を含む範囲に設定されている。また、検査エリア42は、筒形圧着端子110の幅方向において、筒形圧着端子110とその両側の背景(後述する背景部材60の一部である芯線はみ出し検査エリア84)を含む範囲に設定されているとよい。
【0029】
また、ここでは、カメラ40は、カラー画像を出力可能なカラーカメラであるとよい。すなわち、筒形圧着端子110の外観検査においては、検査箇所の色相の差等によって良否を判断することもあるため、カラー画像を得られることが好ましい。もっとも、画像の濃淡(輝度)の差によって検査箇所の良否判断が可能である場合等には、白黒画像を出力するカメラを採用してもよい。
【0030】
回転機構部50は、支持部20と複数かつ奇数台のカメラ40とを、支持部20に支持される筒形圧着端子110の中心軸周りに相対回転可能に構成されている。ここでは、回転機構部50は、複数かつ奇数台のカメラ40を回転移動可能に構成されている。この回転機構部50は、回転部材52と、モータ57及び伝達部58を有する駆動部56とを備えている。
【0031】
回転部材52は、円板状に形成されており、その中心軸を支持部20に支持される筒形圧着端子110の中心軸と略一致させる姿勢で、支持部20の前方(図4の上方)に離間して配設されている。この回転部材52の一主面には、複数かつ奇数台のカメラ40が前述の位置関係で取付けられている。もっとも、回転部材52は、円板状に限られるものではなく、複数かつ奇数台のカメラ40を筒形圧着端子110の中心軸周りに支持可能であればよい。例えば、多角形板状、各カメラ40の配設位置に対応して当該中心軸に対する放射方向に延びるアームを有する構造等を採用することができる。
【0032】
駆動部56は、回転部材52を、その中心軸周りに回転可能に構成されている。より具体的には、駆動部56は、モータ57の回転駆動力を、伝達部58を通じて回転部材52に伝達し、回転部材52を回転駆動するように構成されている(図3参照)。伝達部58には、例えば、複数のプーリー及びベルト(複数のギアであってもよい)を組合せた機構を採用することができる。もっとも、駆動部56は、上記構成に限られず、モータにより回転部材52を直接回転させる構成でもよい。この場合、モータとして中空モータを採用することもできる。
【0033】
また、ここでは、回転機構部50の回転部材52には、その一主面の中心部分で開口し、支持部20に支持される筒形圧着端子110の接続部112の先端部を配設可能な凹部53が形成されている。この凹部53は、接続部112の断面積より僅かに大きい断面形状に形成されている。つまり、この凹部53は、支持部20に支持される筒形圧着端子110の傾きを抑制するように、接続部112の先端部をその中心軸に略直交する方向において移動規制可能に構成されている。
【0034】
背景部材60は、複数かつ奇数台のカメラ40それぞれに対して、支持部20を挟んで対向する位置でかつ筒形圧着端子110の背景(ここではカメラ40の検査エリア42内で筒形圧着端子付電線100の背景)となる位置に配設されている。より具体的には、背景部材60は、各カメラ40に対して1つずつ回転部材52の一主面に配設されている(図2参照、図3では省略)。この背景部材60としては、単色の板状部材(好ましくは筒形圧着端子110及び電線120各部と異なる色相のもの)、或いはバックライトを採用することができる。
【0035】
もっとも、背景部材60は、各カメラ40に対して1つずつ配設される構成に限られるものではない。例えば、背景部材60は、中心軸が回転部材52の中心軸と略一致すると共に各カメラ40の外側に配設され、その内周面がカメラ40の検査エリア42内で筒形圧着端子110の背景となる円筒部材であってもよい。この場合、背景部材60は、回転部材52に取付けられてもよいし、それとは別に回転不能に取付けられてもよい。
【0036】
照明部70は、支持部20に支持される筒形圧着端子110に光を照射可能に構成されている。好ましくは、照明部70は、筒形圧着端子110のうち検査エリア42内の部分に対して光を略均一に照射可能であるとよい。ここでは、照明部70は、円環型のLED照明(蛍光灯でもよい)であり、回転部材52の一主面側でかつ各カメラ40の検査エリア42外の位置に、その中心軸を筒形圧着端子110の中心軸と略一致させる姿勢で配設されている。
【0037】
もっとも、照明部70は、上記構成に限られるものではなく、筒形圧着端子110のうち検査エリア42内の部分に対して光を照射可能であればよい。照明部70としては、例えば他にも、複数かつ奇数台のカメラ40それぞれに対して、検査エリア42に向けて光を照射するLED照明を個別に配設した構成、又は、これと上記円環型のLED照明とを両方配設した構成を採用することができる。
【0038】
また、筒形圧着端子の外観検査装置10は、複数かつ奇数台のカメラ40で撮像した画像を表示可能な図示省略の表示部を有していてもよい。
【0039】
次に、上記構成の筒形圧着端子の外観検査装置10の撮像動作について説明する。図2では、複数かつ奇数台のカメラ40が回転移動された状態を2点鎖線で示している。
【0040】
まず、作業者は、接続部112の先端部が回転部材52の凹部53内に配設される位置で、筒形圧着端子110(筒形圧着端子付電線100)を支持部20に対してセットする。
【0041】
筒形圧着端子110が支持部20に支持された状態で、複数かつ奇数台のカメラ40により同時に1度目の撮像を行う。この撮像動作により、複数かつ奇数台のカメラ40のうちの一台のカメラ40には、図5に示すような撮像画像が得られる。また、他のカメラ40にも、筒形圧着端子110に対するそれぞれの配設位置に応じた撮像画像が得られる。
【0042】
次に、回転機構部50により複数かつ奇数台のカメラ40を一方向に予め設定された角度(例えば時計周りに45度)回転移動させる。この回転移動中に、複数かつ奇数台のカメラ40は、回転機構部50により回転移動(支持部20に対して相対回転)された複数位置で同時に撮像する。より具体的には、複数かつ奇数台のカメラ40は、予め設定された角度回転移動される間に、略等角度間隔で複数回撮像を行うように構成されている。例えば、回転移動前の一度目の撮像と回転移動終了位置での最後の撮像との間に2度、合計4度の撮像を行うように設定することができる。
【0043】
上記回転機構部50による複数かつ奇数台のカメラ40の回転角度、及び、カメラ40の撮像回数は、撮像画像に対して行われる外観検査の内容によって各々決定されるとよい。
【0044】
全ての撮像動作が終了し、回転機構部50による複数かつ奇数台のカメラ40の回転移動が終了すると、回転機構部50により複数かつ奇数台のカメラ40が初期位置に回転(逆回転)移動される。
【0045】
そして、作業者は、支持部20に支持されている筒形圧着端子110を取除き、次の外観検査対象となる筒形圧着端子110を支持部20に支持して上記撮像動作を繰り返すとよい。
【0046】
上記撮像動作により得られた撮像画像は、外観検査に供される。この外観検査は、順次表示部等に撮像画像を表示させてそれぞれ目視確認で行われてもよいし、コンピュータ等を用いて画像処理により行われてもよい。または、その両者で行われてもよい。ここでは、外観検査は、筒形圧着端子の外観検査装置10に備えられた下記制御部90により行われる。
【0047】
制御部90は、図示省略のCPU、RAM、ROM、入出力回路部等を有する一般的なコンピュータである。この制御部90は、CPUによりROMに格納されたプログラムを読出して実行し、筒形圧着端子110の外観検査を行うように構成されている。
【0048】
より具体的には、制御部90は、複数かつ奇数台のカメラ40に対して、撮像動作信号を出力可能であると共に、その撮像画像データを取得可能に接続されている(図2参照)。また、制御部90は、回転機構部50のモータ57に対して回転駆動信号を出力可能に接続されているとよい(図3参照)。
【0049】
以下、制御部90のCPUにより行われる筒形圧着端子110の外観検査について、図11〜図15のフローチャートに基づいて説明する。この外観検査においては、複数かつ奇数台のカメラ40により複数箇所で順次撮像された複数の画像それぞれについて外観検査を行っていく。なお、図11〜15のフローチャートにおいて、変数名については“”(二重引用符)でくくっている。
【0050】
ここでは、外観検査は、圧着部114に対する芯線端部122の挿入量を検査する芯線確認窓検査、圧着部114の外周面上の圧着痕116の位置を検査する圧着位置検査、圧着部114外への芯線端部122の素線のはみ出しを検査する芯線はみ出し検査、電線120に対する筒形圧着端子110の相対的な圧着位置を検査する相対圧着位置検査の項目について行う。
【0051】
本外観検査は、制御部90の入力部等の操作による外部信号の入力により開始される。
【0052】
まず、ステップS1では、芯線確認窓検査及び圧着位置検査の合格確認変数(“芯線確認窓”及び“圧着位置”)に0(不合格)を入れると共に、回転機構部50による複数かつ奇数台のカメラ40の回転に関する回転変数(“回転”)に0(回転中)を入れる。なお、ここでは、回転変数は、実際の回転の有無を示すものではなく、複数かつ奇数台のカメラ40が、回転機構部50による回転を終了し、全ての撮像が終了され、撮像画像全てについて各検査が終了された状態を1(回転終了)、未検査画像が残っている状態を0としている。
【0053】
ステップS2では、複数かつ奇数台のカメラ40により撮像された画像のうちの1つを取込む。ここでは、3台のカメラ40により各回ごとに同時に撮像された画像を、筒形圧着端子110の中心軸に対する周方向に沿った順で1画像ずつ取込むように設定されているとよい。
【0054】
ステップS3では、ステップS2で取込まれた1つの撮像画像に写された筒形圧着端子110の位置補正を行う。より具体的には、画像内の筒形圧着端子110の傾きを補正(ここでは、端子側面の傾きで角度を補正)すると共に、筒形圧着端子110を基準位置に移動させて端子位置座標を補正(ここでは、端子径が変化する部分が基準位置にくるように補正)する。
【0055】
ステップS4では、ステップS3での位置補正が正常に完了したか否かを判定する。位置補正が正常に完了したと判定された場合は各外観検査のステップTa1、Tb1、Tc1、Td1に進み、そうでない場合はステップS9に進む。なお、図11では、各外観検査を並列的に示しているが、これは、順次(直列)処理で行われても並列処理(擬似的な並列処理を含む)で行われてもよい。
【0056】
まず、芯線確認窓検査について説明する(図12参照)。ステップTa1では、芯線確認窓検査の検査毎の終了確認変数(“芯線確認窓検査”)に0(検査中)を入れ、ステップTa2に進む。
【0057】
芯線確認窓検査が開始されると、ステップTa2では、芯線確認窓検査の合格確認変数に0(不合格)が入っている場合にはTa3に進み、外観検査対象である筒形圧着端子110について、以前(他の画像)の芯線確認窓検査のいずれかで芯線確認窓検査が合格と判定された(合格確認変数に1が入っている)場合は、ステップTa6に進む。つまり、芯線確認窓検査では、複数の撮像画像のうちのいずれかの画像で合格である旨の判定がされた場合、ステップTa3〜Ta5の外観検査処理が省略される。
【0058】
ステップTa3では、芯線確認窓検出処理により芯線確認窓115を検出し、ステップTa4に進む。すなわち、ステップTa3は、円筒形の圧着部114の周方向一部に形成されている芯線確認窓115の検出を試みる処理を行う。この芯線確認窓検出処理は、例えば、パターンマッチング等の画像処理技術により行うことができる。さらに、芯線確認窓検出処理では、検出された芯線確認窓115から確認できる芯線端部122の長手方向寸法或いは面積を検出する。当該検出は、芯線確認窓115内の輝度、色相等の差により行うことができる。
【0059】
なお、この芯線確認窓検出処理では、例えば、芯線確認窓115が、全体的に或いは部分的に撮像画像内に写っていない場合(図6参照)又は圧着部114の側部に歪んで映っている場合等には、芯線確認窓115が検出されない場合がある。
【0060】
ステップTa4では、芯線確認窓115から芯線端部122を設定量以上確認できるか否かを判定する。より具体的には、ステップTa3で検出された芯線確認窓115から確認できる芯線端部122の長手方向寸法或いは面積が、検査閾値(寸法或いは面積に対する閾値)を満たすか否かを判定する。例えば、芯線端部122の長手方向寸法について判定する場合、芯線確認窓115から確認できる芯線端部122が、芯線確認窓115の直径の4分の1(直径が0.56mmであれば0.14mm)以上であるというような検査閾値を設定するとよい。そして、芯線確認窓115から芯線端部122が設定量確認できる場合(図5参照)にはステップTa5に進み、設定量確認できない場合(図7参照)にはステップTa6に進む。
【0061】
また、ステップTa4では、ステップTa3で芯線確認窓115を検出できなかった場合にも、ステップTa6に進む。つまり、この場合には、芯線確認窓115を検出しないまま処理が続行され、さらに他の画像について芯線確認窓検査が行われる。
【0062】
ステップTa5では、芯線確認窓検査の合格確認変数に1(合格)を入れ、ステップTa6に進む。すなわち、芯線確認窓検査については、いずれかの画像で合格と判定されればよい。
【0063】
ステップTa6では、芯線確認窓検査の検査毎の終了確認変数に1(検査終了)を入れ、ステップS5に進む。
【0064】
次に、圧着位置検査について説明する(図13参照)。まず、ステップTb1では、圧着位置検査の検査毎の終了確認変数(“圧着位置検査”)に0(検査中)を入れ、ステップTb2に進む。
【0065】
圧着位置検査が開始されると、ステップTb2では、圧着位置検査の良否変数に0(不合格)が入っている場合にはTb3に進み、現外観検査対象となる筒形圧着端子110について、以前の圧着位置検査のいずれかで合格と判定された(良否変数に1が入っている)場合は、ステップTb8に進む。つまり、圧着位置検査では、複数の撮像画像のうちのいずれかの画像で合格である旨の判定がされた場合、ステップTb3〜Tb7の外観検査処理が省略される。
【0066】
ステップTb3では、圧着痕検出処理により圧着痕116を検出し、ステップTb4に進む。ここでは、圧着痕検出処理は、圧着痕検査エリア82内において、圧着部114の外形(幅寸法)の変化により圧着痕116の先端部と基端部とを検出している。ここでは、圧着痕検査エリア82は、圧着痕116の先端部と基端部との位置に対してそれぞれ設定されている。すなわち、ステップTb3は、圧着部114の圧着痕116の検出を試みる処理を行う。なお、この圧着痕検出処理では、撮像画像における圧着痕116の位置によっては、圧着部114の外形の変化がなく(或いは微小で)、圧着痕116の先端部及び基端部が検出されないことがある(図6、図8参照)。
【0067】
ステップTb4では、ステップTb3の圧着痕検出処理により圧着痕116(先端部及び基端部)が検出されたか否かを判定し、圧着痕116が検出された場合(図5参照)はステップTb5に進み、検出されなかった場合はステップTb8に進む。
【0068】
ステップTb5では、圧着痕位置検出処理により圧着痕116の位置を検出し、ステップTb6に進む。より具体的には、ステップTb3で検出された圧着痕116の先端部及び基端部について圧着部114の基端部からの距離を求め、これらの距離に基づいて筒形圧着端子110の基端部から圧着痕116の中心位置までの距離M(図5参照)を算出する。
【0069】
ステップTb6では、ステップTb5で検出した圧着痕116の中心位置距離Mが設定範囲内に収まっているか否かを判定する。この設定範囲は、圧着部114の基端部からの距離について定められる検査閾値の範囲(例えば、圧着部114の基端部から1.7mmの前後0.25mm以内の範囲等)である。そして、圧着痕116の中心位置距離Mが設定範囲内に収まっていると判定された場合にはステップTb7に進み、収まっていないと判定された場合にはステップS9に進む。
【0070】
ステップTb7では、圧着位置検査の良否変数に1(合格)を入れ、ステップTb8に進む。すなわち、圧着位置検査についてはいずれかの画像で合格と判定されればよい。
【0071】
ステップTb8では、圧着位置検査の検査毎の終了確認変数に1(検査終了)を入れ、ステップS5に進む。
【0072】
次に、芯線はみ出し検査について説明する(図14参照)。まずTc1では、芯線はみ出し検査の検査毎の終了確認変数(“芯線はみ出し検査”)に0(検査中)を入れ、ステップTc2に進む。
【0073】
ステップTc2では、芯線はみ出し検出処理により芯線端部122の素線の圧着部114外へのはみ出しを検出し、ステップTc3に進む。ここでは、芯線はみ出し検出処理は,圧着部114の側方に設定された芯線はみ出し検査エリア84の面積と、その範囲にはみ出した芯線端部122の素線のはみ出し部分122a面積比率を求めることにより行われる。この芯線端部122の素線のはみ出し部分122aの検出は、その背景との対比つまり輝度、色相等の差により行うことができる。
【0074】
なお、この芯線はみ出し検出処理では、芯線端部122の素線のはみ出し部分122aが、撮像画像において筒形圧着端子付電線100の奥側(死角)或いは手前側の位置にはみ出している場合等、素線のはみ出しが発生しているにも関わらず、はみ出し部分122aを検出できないことがある(図6参照)。このような場合には、他の撮像画像においてはみ出し部分122aを検出可能であるため問題はない。
【0075】
ステップTc3では、ステップTc2の芯線はみ出し検出処理により芯線端部122の素線の圧着部114外へのはみ出しが検出されたか否かを判定する。ここでは、芯線端部122の素線の芯線はみ出し検査エリア84内へのはみ出しが0%である場合に合格とする。そして、芯線端部122の素線のはみ出しが検出されなかった場合(図5参照)はステップTc4に進み、検出された場合(図9参照)はステップS9に進む。
【0076】
ステップTc4では、芯線はみ出し検査の検査毎の終了確認変数に1(検査終了)を入れ、ステップS5に進む。
【0077】
すなわち、芯線はみ出し検査では、全ての撮像画像について外観検査を行い、1画像でも芯線端部122の素線のはみ出しが検出された場合には、筒形圧着端子110が良好に圧着されていないとして不良品判定される(ステップS9)。
【0078】
次に、相対圧着位置検査について説明する(図15参照)。まずTd1では、相対圧着位置検査の検査毎の終了確認変数(“相対圧着位置検査”)に0(検査中)を入れ、ステップTd2に進む。
【0079】
ステップTd2では、相対圧着位置検出処理により、芯線端部122に圧着された圧着部114の被覆部124の先端部に対する位置を検出し、ステップTd3に進む。ここでは、相対圧着位置検出処理は、圧着部114の基端部と被覆部124の先端部との距離(相対圧着距離G)を検出することにより行われる。この圧着部114の基端部及び被覆部124の先端部は、相対圧着痕検査エリア86において、圧着部114とその後方側の芯線端部122、被覆部124とその前方側の芯線端部122について、背景(背景部材60)との対比により外形(幅寸法)の変化により検出することができる。
【0080】
ステップTd3では、ステップTd2の相対圧着位置検出処理により相対圧着距離Gが設定範囲(例えば、0.4mm〜0.8mmの範囲)内に収まっているか否かを判定する。そして、相対圧着距離Gが設定範囲内に収まっている場合はステップTd4に進み、収まっていない場合(図10参照)はステップS9に進む。
【0081】
ステップTd4では、相対圧着位置検査の検査毎の終了確認変数に1(検査終了)を入れ、ステップS5に進む。
【0082】
すなわち、相対圧着位置検査では、全ての撮像画像について外観検査を行い、1画像でも相対圧着距離Gが設定範囲内に収まっていないと判定された場合には、筒形圧着端子110が良好に圧着されていないとして不良品判定される(ステップS7)。
【0083】
ステップS5では、各終了確認変数全てに1が入っているか否かを判定する。そして、各終了確認変数全てに1が入っている場合にはステップS6に進む。また、各終了確認変数のいくつかに0が入っている状態で、ステップS4で位置補正が完了したと判定されてから(或いはステップS2で画像取込されてから)設定時間経過すると、タイムアウト(処理中断)してステップS9に進む。上記時間の経過は、プログラムによるタイマーにより計測するとよい。また、上記設定時間とは、例えば、1つの画像に対する各外観検査が全て終了するべき時間である。
【0084】
すなわち、ステップS5は、1つの画像に対する各外観検査が終了しているか否かを確かめる処理であり、検査処理がエラー等により停止している場合等、処理時間の遅延が発生している場合については、設定時間経過により強制的に中断するように設定されている。
【0085】
ステップS6では、回転機構部50による複数かつ奇数台のカメラ40の回転に関する回転変数に1が入っているか否かを判定し、1が入っている場合にはステップS7に進み、そうでない(0が入っている)場合にはステップS2に進む。すなわち、回転変数に1が入っている場合には、全ての画像に対する外観検査処理が終了しているので、次の処理に進む。また、回転変数に0が入っている場合には、未検査の画像が残っているので、その画像を取込んで各検査を行うように設定されている。
【0086】
ステップS7では、芯線確認窓検査および圧着位置検査の良否変数の両方に1が入っている場合はステップS8に進み、そうでない場合はステップS9に進む。より具体的には、ステップS7は、全ての画像について各外観検査が終了した段階で、芯線確認窓検査及び圧着位置検査のいずれか一方或いは両方が合格になっていない場合、不良品判定を行う(ステップS9)ように設定されている。つまり、芯線確認窓検査においては芯線確認窓115が検出されない又は芯線端部122を設定量確認できない場合、圧着位置検査においては圧着痕116が検出されない場合にも不合格の判定をされないため、ステップS7で検査の合否判定を行っている。
【0087】
ステップS6では、外観検査対象である筒形圧着端子110が電線120の芯線端部122に良好に圧着されているとして良品判定を行い、筒形圧着端子110の外観検査を終了する。
【0088】
また、ステップS7では、筒形圧着端子110が芯線端部122に良好に圧着されていないとして不良品判定を行い、筒形圧着端子110の外観検査を終了する。
【0089】
なお、本外観検査においては、ステップS2の処理とステップS3の処理との間に、制御部90の入力部等の操作により入力される外部信号或いはタイマーの設定時間経過により、回転変数に1(回転終了)が入れられる処理(B1)が割り込み可能に設定されている。
【0090】
また、上記外観検査は、専用の論理回路でハード的に実現されてもよいし、上記画像処理に加え、表示部に撮像画像を映し出して作業者の目視によっても行われてよい。
【0091】
また、上記外観検査は、複数かつ奇数台のカメラ40による複数回の撮像がされている間から、順次得られた画像について行われる例で説明したが、全撮像動作が終了してから行われてもよい。
【0092】
上記構成に係る筒形圧着端子の外観検査装置10によると、複数かつ奇数台のカメラ40が支持部20に支持される筒形圧着端子110の中心軸周りに、等角度間隔で配設されている。さらに、この複数かつ奇数台のカメラ40は、筒形圧着端子110及びその背景を含む検査エリア42を撮像する複数かつ奇数台のカメラ40及びこれに付属するケーブル等が互いの検査エリア42外に位置するように配設されている。このため、検査エリア42内の筒形圧着端子110の背景にカメラ40及びこれに付属するケーブル等が写り込むことを防止でき、筒形圧着端子110及びカメラ40を360度回転させなくとも、筒形圧着端子110と背景との対比による外観検査を行うことができる。
【0093】
また、複数のカメラ40を配設することにより、撮像動作をより短時間で行うことができる。
【0094】
また、支持部20と複数かつ奇数台のカメラ40とを相対回転可能であるため、相対回転させた複数箇所でカメラ40により筒形圧着端子110を撮像することができる。これにより、一つの撮像箇所で、電線120の芯線端部122の素線がカメラに対して死角又は筒形圧着端子付電線100手前の視認し難い位置ではみ出している場合(図6参照)でも、相対回転した他の撮像位置でその不良を発見することができる。また、筒形圧着端子110のうち比較的遠近歪みの少ない中央部分に芯線確認窓115等の検査箇所が位置する撮像画像においてその検査箇所を外観検査することができる。さらに、圧着位置等の検査については、撮像画像のうち圧着痕116が圧着部114の側部に位置する(圧着部114の外形が変化する)画像で外観検査することができる。そして、これにより、より確実に圧着状態の良否を判定することができる。
【0095】
また、複数かつ奇数台のカメラ40を筒形圧着端子110の中心軸周りに回転移動可能に構成されているため、筒形圧着端子110の一端部を外観検査しつつ、他端部について端子圧着、加工等の処理を行うことができる。また、筒形圧着端子110が圧着された電線120が複数の配線材と結束された状態でも、容易に撮像して外観検査を行うことができる。
【0096】
また、カメラ40で撮像される検査エリア42内には背景部材60を背景とする筒形圧着端子110が写し出される。つまり、各カメラの検査エリア42内に、他のカメラ及びそれに伴うケーブル等、また、その他筒形圧着端子の外観検査装置を配設する環境の周囲が写りこむことを防止することができる。このため、筒形圧着端子110の背景との対比による外観検査をより正確に行うことができる。
【符号の説明】
【0097】
10 筒形圧着端子の外観検査装置
20 支持部
40 カメラ
50 回転機構部
60 背景部材
110 筒形圧着端子
114 圧着部
120 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線に圧着された筒形の圧着部を有する筒形圧着端子について外観検査を行うための筒形圧着端子の外観検査装置であって、
前記筒形圧着端子を支持する支持部と、
前記支持部に支持される前記筒形圧着端子を撮像可能で、前記筒形圧着端子の中心軸周りに等分された角度で配設された複数かつ奇数台のカメラと、
前記支持部と前記複数かつ奇数台のカメラとを、前記支持部に支持される前記筒形圧着端子の中心軸周りに相対回転可能な回転機構部と、
を備え、
前記複数かつ奇数台のカメラは、前記回転機構部により前記支持部と前記複数かつ奇数台のカメラとが相対回転された複数位置で同時に撮像可能である筒形圧着端子の外観検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の筒形圧着端子の外観検査装置であって、
前記回転機構部は、前記複数かつ奇数台のカメラを、前記支持部に支持される前記筒形圧着端子の中心軸周りに回転移動可能で、
前記複数かつ奇数台のカメラは、前記回転機構部により回転移動された複数位置で同時に撮像可能である筒形圧着端子の外観検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の筒形圧着端子の外観検査装置であって、
前記複数かつ奇数台のカメラそれぞれに対して、前記支持部を挟んで対向する位置でかつ前記筒形圧着端子の背景となる位置に配設された背景部材を、さらに備える筒形圧着端子の外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−107024(P2011−107024A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263914(P2009−263914)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】