筒状フィルム
【課題】 本発明の課題は、良好な外観を有する筒状フィルムを提供することである。
【解決手段】 印刷層3を表側にして基材フィルム2を筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22が重ね合わされて溶着されている筒状フィルム1であって、印刷層3は、その一側縁が基材フィルム2の一側端部21の縁よりも内側に位置して形成されており、印刷層3の一側縁に連続して、印刷層3よりも印刷密度の小さい副印刷層5が、基材フィルム2の一側端部21の縁に向かって所定幅形成されており、副印刷層5の表面に基材フィルム2の他側端部22の縁が重なるように、基材フィルム2の一側端部21と他側端部22が溶着されている。
【解決手段】 印刷層3を表側にして基材フィルム2を筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22が重ね合わされて溶着されている筒状フィルム1であって、印刷層3は、その一側縁が基材フィルム2の一側端部21の縁よりも内側に位置して形成されており、印刷層3の一側縁に連続して、印刷層3よりも印刷密度の小さい副印刷層5が、基材フィルム2の一側端部21の縁に向かって所定幅形成されており、副印刷層5の表面に基材フィルム2の他側端部22の縁が重なるように、基材フィルム2の一側端部21と他側端部22が溶着されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材フィルムの両側端部を接合することにより、筒状に形成された筒状フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材フィルムの両側端部を重ね合わせて接合することにより、筒状に形成された筒状フィルムは周知である。
このような筒状フィルムの用途は幅広く、例えば、容器のキャップを保護するキャップシール、飲料容器の胴部に熱収縮装着される熱収縮性筒状ラベル、カップ状容器の胴部から底部にかけて熱収縮装着される外装フィルム、物品を包装する包装袋などの各種用途がある。
【0003】
上記筒状フィルムは、実用に際して、装飾などの目的のため、各種印刷層が設けられる。該印刷層としては、文字や絵柄などを表すための表示印刷、白ベタ印刷などの単色ベタ状印刷、艶消し印刷などの各種の目的に応じた印刷層がある。
【0004】
また、印刷層は、筒状フィルムの裏面(筒状に丸められた内側)に設けられる場合の他、筒状フィルムの表面に設けられる場合もある。例えば、艶消し印刷を行う場合や、不透明な基材フィルムに印刷を行う場合には、筒状フィルムの表面にこれらの印刷層が設けられる。
【0005】
かかる筒状フィルムは、基材フィルムの両側端部の接合方式によって、以下の2種類に大別できる。
1つの筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部を重ね合わせ、この両側端部の重ね合わせ部分を溶着することにより形成されている(以下、この接合方式のものを「直貼り式筒状フィルム」という場合がある)。
他の筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部を重ね合わせ、重ね合わせた他側端部の縁に跨って帯状テープを配置し、該帯状テープを基材フィルムの一側端部と他側端部の表面に溶着することにより形成されている(以下、この接合方式のものを「テープ貼り式筒状フィルム」という場合がある)。
【0006】
直貼り式筒状フィルムは、重ね合わせ部分を溶着にて接合する方式なので(印刷層が介在すると十分に溶着できず)、重ね合わせ接着部分には、印刷層が設けられておらず、基材フィルムが露出されている(特許文献1)。
また、テープ貼り式筒状フィルムも同様に、帯状テープの重ね合わせ接着部分には、印刷層が設けられておらず、基材フィルムが露出されている。
【0007】
具体的には、直貼り式筒状フィルム100は、図12(a)に示すように、基材フィルム200の一側端部210の縁210aから所定幅の範囲には、印刷層300を有しないフィルム露出部500が設けられ、該フィルム露出部500に基材フィルム200の他側端部220を重ね合わせ、該重ね合わせ部分が溶剤接着されている。
また、テープ貼り式筒状フィルム110は、図12(b)に示すように、基材フィルム200の一側端部210の縁210aから所定幅の範囲及び基材フィルム200の他側端部220の縁220aから所定幅の範囲には、印刷層300を有しないフィルム露出部500がそれぞれ設けられ、該一側端部210と他側端部220を重ね合わせ、重ね合わせた他側端部220の縁220aに跨って帯状テープ700を配置し、該帯状テープ700が基材フィルム200の一側端部210と他側端部220の表面に跨って溶剤接着されている。なお、帯状テープ700には、印刷層710が設けられている。
【特許文献1】特開2007−25174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の直貼り式筒状フィルム100は、他側端部220の縁220aと印刷層300の縁の間にフィルム露出部500が現れ出る。このフィルム露出部500は、印刷が施されていないので、現出したフィルム露出部500に対応して、筒状フィルム100の縦方向に、1条の細い線条痕(いわゆる印刷抜け)が視認される。
従来のテープ貼り式筒状フィルム110も同様に、帯状テープ700の両縁と印刷層300の縁の間にフィルム露出部500が現れ出るため、筒状フィルム100の縦方向に、2条の細い線条痕(いわゆる印刷抜け)が視認される。このため、いずれの筒状フィルムも、外観を損ねる原因となっていた。
【0009】
この点、直貼り式筒状フィルム100に於いて、他側端部220の縁220aが印刷層300の縁に一致するように基材フィルム200を重ね合わせれば、上記フィルム露出部500が基材フィルム200の他側端部220によって被覆されるので、上記線条痕の発生を防止できる。同様に、テープ貼り式筒状フィルム110に於いて、帯状テープ700の両縁が印刷層300の縁に一致するように帯状テープ700を重ね合わせれば、上記線条痕の発生を防止できる。
【0010】
しかしながら、機械的に大量生産される筒状フィルムにおいて、上記のように縁同士を一致させて精度良く重ね合わすことは、現実的に困難である。すなわち、筒状フィルムを形成する場合、他側端部の重ね合わせや帯状テープの重ね合わせは、数ミリ程度のズレを考慮して設計されるものであり、縁同士を精度良く一致させつつ筒状に成形することは困難である。
【0011】
本発明の課題は、重ね合わせ部分を接合して筒状に形成することができ、外観上優れた筒状フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る第1の筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部が重ね合わされ、この重ね合わせ部分が溶着されている筒状フィルムであって、印刷層は、その一側縁が基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、副印刷層の表面に基材フィルムの他側端部の縁が重なるように、基材フィルムの一側端部に基材フィルムの他側端部が重ね合わされていることを特徴とする。
【0013】
上記筒状フィルムは、副印刷層の表面に基材フィルムの他側端部の縁が重なるように、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部を重ね合わせて溶着されている。かかる溶着部分には、副印刷層が介在しているが、該副印刷層は、印刷密度が小さいので、基材フィルムの一側端部の表面の露出部が多くなっている。このため、基材フィルムの一側端部の表面と他側端部の裏面を十分な接着強度を以て溶着することができる。
さらに、副印刷層は、所定幅形成されているので、基材フィルムの他側端部を重ね合わせる際に、それが多少位置ずれしても、副印刷層の表面に基材フィルムの他側端部の縁を重ねることができる。
また、上記筒状フィルムは、副印刷層が印刷層の一側縁に連設されており、基材フィルムの他側端部の縁が副印刷層の表面に重ねられているので、印刷層の一側縁と基材フィルムの他側端部の縁の間に、副印刷層が現れ出る。このため、いわゆる印刷抜けに起因する線条痕の発生を防止しでき外観的に良好な筒状フィルムを提供できる。
【0014】
本発明に係る第2の筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部が重ね合わされ、重ね合わされた他側端部の縁に跨って帯状テープが配置され、帯状テープが基材フィルムの一側端部と他側端部の表面に溶着されている筒状フィルムであって、印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置し且つその他側縁が基材フィルムの他側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第1の副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、印刷層の他側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第2の副印刷層が、基材フィルムの他側端部の縁に向かって所定幅形成されており、第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、前記帯状テープの縁がそれぞれ重なるように、帯状テープが配置されていることを特徴とする。
【0015】
上記筒状フィルムは、第1及び第2の副印刷層の表面に基材フィルムの縁が重なるように、帯状テープが配置されて溶着されている。かかる帯状テープの溶着部分には、第1及び第2の副印刷層が介在しているが、該副印刷層は、印刷密度が小さいので、基材フィルムの一側端部の表面の露出部が多くなっている。このため、帯状テープの裏面と基材フィルムの表面を十分な接着強度を以て溶着することができる。
さらに、副印刷層は、所定幅形成されているので、帯状テープを重ね合わせる際に、それが多少位置ずれしても、第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、帯状テープの縁を重ねることができる。
また、上記筒状フィルムは、第1及び第2の副印刷層が印刷層の一側縁及び他側縁に連設されており、帯状テープの縁がそれぞれ第1及び第2の副印刷層の表面に重ねられているので、印刷層の一側縁及び他側縁と帯状テープの縁の間に、第1及び第2の副印刷層が現れ出る。このため、いわゆる印刷抜けに起因する線条痕の発生を防止して、外観的に良好な筒状フィルムを提供できる。
【0016】
本発明に係る第3の筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の縁と基材フィルムの他側端部の縁が突き合わされ、この突き合わせ部分に跨って帯状テープが配置され、帯状テープが基材フィルムの一側端部と他側端部の表面に溶着されている筒状フィルムであって、印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置し且つその他側縁が基材フィルムの他側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第1の副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、印刷層の他側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第2の副印刷層が、基材フィルムの他側端部の縁に向かって所定幅形成されており、第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、帯状テープの縁がそれぞれ重なるように、帯状テープが配置されていることを特徴とする。
【0017】
上記第3の筒状フィルムも、第2の筒状フィルムと同様に、帯状テープを十分な接着強度を以て溶着することができ、又、いわゆる印刷抜けに起因する線条痕の発生を防止できる。
【0018】
本発明の好ましい筒状フィルムは、上記いずれかの副印刷層の印刷密度が、印刷層の印刷密度の0.2倍〜0.8倍とされているものである。
【0019】
本発明の他の好ましい筒状フィルムは、上記何れかの筒状フィルムが、周方向に熱収縮可能に構成されている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の筒状フィルムは、重ね合わせ部分を十分な接着強度で以て接合して筒状に形成することができる。さらに、本発明の筒状フィルムは、線条痕の発生を防止でき、外観上に於いても優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
<第1実施形態>
本実施形態は、直貼り式筒状フィルムの態様を説明する。
図1及び図2に於いて、1は、筒状フィルムを示す。
該筒状フィルム1は、一面に印刷層3及び副印刷層5が設けられた矩形状の基材フィルム2を、その印刷層3を表側にして筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22が重ね合わされ、この重ね合わせ部分が溶着されている(この接着部分をセンターシール部4という)。
【0022】
基材フィルム2の材質は、溶着可能であれば特に限定されず、合成樹脂フィルム、合成紙、発泡樹脂シート、不織布などを用いることができる。基材フィルム2は、通常、合成樹脂フィルム、または、合成樹脂フィルムに他の機能層が積層された積層フィルムを用いることが好ましい。
具体的には、基材フィルム2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物などを含むフィルムを用いることができる。基材フィルム2の両側端部21,22の重ね合わせ部分を溶剤接着し易いことから、基材フィルム2としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂を含むフィルムを用いることが好ましい。
また、基材フィルム2としては、金属蒸着層、金属箔、紙、不織布などの他の機能層が合成樹脂フィルムに積層された各種積層フィルムを用いることもできる。また、金属箔が合成樹脂フィルムに積層されている積層フィルムを用いる場合、例えば、金属箔が積層された非熱収縮性合成樹脂フィルム(A)と熱収縮性合成樹脂フィルム(B)とが積層され、熱収縮性合成樹脂フィルム(B)の収縮によって非熱収縮性合成樹脂フィルム(A)に筋状の皺が生じるように、非熱収縮性合成樹脂フィルム(A)と熱収縮性合成樹脂フィルム(B)が部分的に接着されているものでもよい(このようなフィルムは、通称、リンクルシールとも呼ばれる)。
なお、基材フィルム2として積層フィルムを用いる場合には、基材フィルム2の表面と裏面を構成するフィルム同士が溶剤などで溶着可能なものが用いられる。本実施形態は、直貼り式筒状フィルム1なので、基材フィルム2の一側端部21の表面に重ね合わせた他側端部22の裏面を、溶剤などで溶着できるようにするためである。このような積層フィルムは、例えば、金属蒸着層などの機能層の両面に、同種の合成樹脂フィルム(例えば、PETなどのポリエステル系フィルムやポリスチレン系フィルム)が積層された3層以上の積層フィルムが挙げられる。
基材フィルム2は、透明または非透明の何れでもよい。
基材フィルム2の厚みは、特に限定されないが、例えば20〜80μm、好ましくは20〜60μm程度のものを用いることができる。
【0023】
また、上記基材フィルム2として、熱収縮性(例えば80〜100℃に加熱されると収縮する性質)を有するフィルムを用いれば、本発明の筒状フィルム1は、周方向に熱収縮しうる所謂シュリンク筒状フィルムとなる。かかる筒状フィルム1は、キャップシールや熱収縮性筒状ラベルなどとして好適に利用できる。
上記フィルムは、公知の製法で製膜し延伸処理することにより熱収縮性を付与できる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、一方向(例えばTD方向。筒状に形成した際に周方向)に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度延伸することにより行われる。さらに、他方向(一方向に直交する方向。筒状に形成した際に縦方向)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られたフィルムは、一軸延伸フィルム又は主延伸方向と直交する方向に若干延伸された二軸延伸フィルムとなる。このような熱収縮性の基材フィルム2を用いる場合には、基材フィルム2の一方向(主たる熱収縮方向)が、筒状フィルム1の周方向となるように筒状に成形される。
【0024】
熱収縮性の基材フィルム2の熱収縮率としては、一方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)が約30%以上、好ましくは約40%以上のものが例示される。また、該基材フィルム2が他方向にも収縮しうる場合には、その他方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、約−1〜10%程度のものが例示される。
但し、熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
【0025】
この基材フィルム2の一面には、図3にも示すように、印刷層3と副印刷層5が設けられている。
印刷層3及び副印刷層5は、何れもインキを印刷することにより形成された層である。印刷層3及び副印刷層5の印刷内容は、特に限定されず、印刷目的に応じて、適宜設定できる。例えば、文字や絵柄などの所定の表示を表したい場合には、印刷層3及び副印刷層5は、任意の色彩インキを用いて、該表示を含む印刷が施される。
また、例えば、艶消し処理を施したい場合には、印刷層3及び副印刷層5は、マットインキを用いて印刷される。艶消し処理は、例えば、基材フィルム2として、金属蒸着フィルムまたは金属箔の積層フィルム(リンクルシールを含む)が用いられる場合において、該金属光沢を抑えたいときに有効である。なお、艶消し印刷は、艶消し印刷された基材フィルム2のヘイズ値が20%〜90%となる程度が好ましい。ただし、該ヘイズ値は、JIS−K7105に準じて測定された値をいう。
【0026】
上記副印刷層5は、インキの印刷密度が印刷層3の印刷密度よりも小さくなるように印刷されている。
ここで、印刷密度とは、フィルムにインキが付着している面積比をいい、式;印刷密度=(インキの付着面積/印刷を行ったフィルムの単位面積)×100、で求めることができる。
通常、フィルムへの印刷方法は、フレキソ印刷、グラビア印刷、凸版輪転印刷、シルク印刷などの公知の印刷法が用いられるが、印刷は、インキをフィルムに点状に且つ無数に付着させることにより実施される。従って、上記印刷密度のインキの付着面積は、1つの点状のインキ(以下、ドットという)の大きさ(面積)及び、フィルムの単位面積当たりのドット数によって規定される。
例えば、印刷層3(または副印刷層5)を形成すべく、基材フィルム2の100cm2の範囲に印刷を施した場合、上記式中の「印刷を行ったフィルムの単位面積」は、「100cm2」であり、上記式中の「インキの付着面積」は、「前記100cm2の範囲内において、1ドットの面積×ドット数」である。
【0027】
副印刷層5の印刷密度は、印刷層3の印刷密度の0.2倍〜0.8倍程度に形成され、好ましくは0.2倍〜0.7倍、より好ましくは0.2倍〜0.6倍に形成される。副印刷層5の印刷密度が小さ過ぎると、フィルム面の露出が多くなりすぎて印刷による視覚的効果を得られず、一方、副印刷層5の印刷密度が大きすぎると、フィルム面の露出が少なく、重ね合わせ接着部分(センターシール部4)の十分な接着強度を得られないからである。
【0028】
上記のように、印刷密度のインキの付着面積は、1ドットの大きさ(1ドットの面積)と単位面積当たりのドット数で規定される。
よって、例えば、副印刷層5に於ける1ドットと印刷層に於ける1ドットが、略同大の場合には、副印刷層5の単位面積当たりのドット数が、印刷層3の単位面積当たりのドット数に対して、上記倍率の範囲内となるように印刷される。
また、例えば、副印刷層5の単位面積当たりのドット数と印刷層3の単位面積当たりのドット数が、略同数の場合には、副印刷層5に於ける1ドットの大きさが、印刷層3に於ける1ドットの大きさよりも小さくなるように印刷される。
例えば、60線の印刷版(1平方センチメートル当たり3600ドットを有する)を用いて印刷層3を印刷する場合には、60線の印刷版のドット数(セル数)を上記倍率に応じて減数した印刷版を用いて副印刷層5を印刷すればよい。
【0029】
上記印刷層3は、その一側縁3aが基材フィルム2の一側端部21(この一側端部21は、センターシール部4の下側になる端部である)の縁21aよりも内側に位置し、且つその他側縁3bが基材フィルム2の他側端部22(この他側端部22は、センターシール部4の上側になる端部である)の縁22aに略一致して形成されている。従って、印刷層3は、基材フィルム2の一側端部21の縁21aから所定幅内側へ寄った領域(帯状領域)を除いて、基材フィルム2の表面全体に設けられている。
印刷層3の印刷密度の最大は、100%である。印刷層3の印刷密度の下限は、特に限定されないが、該印刷密度が余りに小さいと、インキの付着面積が小さくなりすぎ(基材フィルム2の露出が大きくなりすぎる)、印刷を施した実効性が低くなる。かかる観点から、印刷層3の印刷密度は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
なお、上記印刷密度の印刷層3の形成範囲は、基材フィルム2の一面の面積を1とした場合、0.6以上であり、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上である。該印刷層3の形成範囲の上限は、0.95以下が好ましい。基材フィルム2に副印刷層5を設けるためのスペースが必要だからである。
この帯状領域の幅W1は、基材フィルム2の一側端部21と他側端部22の重ね合わせ部分の幅よりも長く形成されている。具体的な寸法では、この帯状領域の幅W1は、6mm〜15mm程度である。通常、センターシール部4の幅は、3mm〜8mm程度であり、更に、センターシール部4の下側になる一側端部21に余り代を確保するためである。
【0030】
上記印刷層3は、(基材フィルム2の一側端部21の帯状領域を除いて)基材フィルム2の表面全体に設けられていることが好ましいが、該表面全体に設けられる場合に限定されない。例えば、印刷層3が、基材フィルム2の2つの離れた領域に形成された第1の印刷層及び第2の印刷層から構成されていてもよい。具体的には、前記第1の印刷層は、例えば、基材フィルム2の他側端部22の縁22aから一側端部21側へ所定幅形成される。第2の印刷層は、基材フィルム2の一側端部21において副印刷層5に連設され且つ他側端部22側へ所定幅形成される。かかる2つの領域に離れて印刷層3が形成されている場合でも、筒状フィルム1に形成した際、印刷層3の一側縁3aと他側縁3bの間に副印刷層5が現れ出るので、印刷層3は、印刷連続性を有する。
【0031】
副印刷層5は、印刷層3の一側縁3aに連続し、基材フィルム2の一側端部21の縁21aに向かって所定幅形成されている。従って、副印刷層5は、印刷層3の一側縁3aに連設され、且つ上記印刷層3が形成されていない帯状領域に形成されている。
副印刷層5は、図3に示すように、印刷層3の一側縁3aから基材フィルム2の一側端部21の縁21aにまで形成されている。
なお、変形例として、図4に示すように、副印刷層5は、印刷層3の一側縁3aから帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい。
副印刷層5の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。基材フィルム2の一側端部21の表面上に他側端部22を重ね合わせる際、多少位置ずれしても該他側端部22の縁22aが副印刷層5の表面に重なるようにするためである。
なお、副印刷層5の幅の上限は、上記帯状領域の幅である。
【0032】
副印刷層5は、全体的に同じ印刷密度で印刷されていてもよい。好ましくは、副印刷層5は、基材フィルム2の一側端部21の縁21aに向かうに従って段階的に印刷密度が小さくなるように印刷される。
【0033】
また、基材フィルム2、印刷層3及び副印刷層5が透光性を有する場合には、必要に応じて、図3(c)に示すように、基材フィルム2の裏面に、意匠印刷層8を設けてもよい。具体的には、基材フィルム2が透明(又は半透明)のフィルムで形成され、印刷層3及び副印刷層5が、艶消し印刷や透明コート印刷などのインキで形成されている場合、上記意匠印刷層8を設けることにより、該意匠印刷層を視認できる。意匠印刷層8の内容は、文字、絵柄、商標、説明書きなど、任意である。
なお、上記意匠印刷層8は、基材フィルム2の他側端部22の縁22aから所定幅内側へ寄った領域(帯状領域)を除いて設けられる。基材フィルム2の他側端部22の裏面と一側端部21の表面を、溶剤接着するためである。
【0034】
上記基材フィルム2の印刷層3を表側にして基材フィルム2を筒状にし、副印刷層5の表面に基材フィルム2の他側端部22の縁22aが重なるように、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を溶剤で溶着することにより、上記筒状フィルム1が形成されている。
上記溶剤は、基材フィルム2の表裏面を浸食できるものであって、該両面間に溶剤を塗布することにより、該両面を接着できるものであれば特に限定されない。該溶剤は、基材フィルム2の材質に応じて適宜公知なものを選択できる。基材フィルム2として、ポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、表裏面に非晶性ポリオレフィン系樹脂を積層した積層フィルムなどを用いる場合には、次のような溶剤を用いることができる。例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル系溶剤、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶剤、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤などの1種、又は2種以上の混合溶剤が例示される。
【0035】
本発明の筒状フィルム1は、通常、長尺状に繋がった筒状フィルム連続体の形態で提供され、使用に際して、この連続体から個々の筒状フィルムが切り取られる。すなわち、本発明の筒状フィルム1を機械的に製造する場合、印刷層3及び副印刷層5が設けられた長尺状の基材フィルムを長手方向に送りながら、一方の側端部に溶剤を塗布し、基材フィルムの両側端部を溶着して、筒状フィルム連続体を形成し、これをロール状に巻き取る。なお、前記長尺状の基材フィルムの両側端部の溶着は、長尺状の基材フィルムの他側端部の裏面に溶剤を塗布し、該他側端部の裏面を、基材フィルムの一側端部の表面に重ね合わせることにより行うことが好ましい。
上記ロール状の筒状フィルム連続体は、使用者に供給され、ラベラーなどの装着装置に装填され、個々の筒状フィルムが切り出され、容器などに装着される。
【0036】
本発明の筒状フィルム1は、副印刷層5の表面に基材フィルム2の他側端部22の縁22aが重なるように、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22を重ね合わせて溶剤接着されている。従って、この重ね合わせ接着部分には、副印刷層5が介在しているが、該副印刷層5は、印刷密度が小さいので、基材フィルム2の一側端部21の表面の露出部が多くなっている。このため、基材フィルム2の一側端部21の表面と他側端部22の裏面を十分な接着強度を以て溶剤接着することができる。
【0037】
また、上記筒状フィルム1は、副印刷層5が、印刷層3の一側縁3aに連設されており、基材フィルム2の他側端部22の縁22aが副印刷層5の表面に重ねられているので、印刷層3の一側縁3aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aの間に、副印刷層5が現れ出る。該副印刷層5の存在により、印刷層3の一側縁3aと他側縁3bの間が印刷によって連続し、フィルム面が線条に露出しないので、外観的に良好な筒状フィルム1を構成できる。
なお、副印刷層5は、所定幅形成されているので(いわゆる遊び幅があるので)、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22を重ね合わせる際、該他側端部22の位置ずれを許容できる。
【0038】
<第2実施形態>
本実施形態は、テープ貼り式筒状フィルムの一態様を説明する。
ただし、本実施形態の説明について、主として、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。そして、上記第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、上記第1実施形態で用いた用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0039】
図5及び図6に於いて、1は、テープ貼り式筒状フィルムを示す。
該筒状フィルム1は、一面に印刷層3及び副印刷層51,52が設けられた矩形状の基材フィルム2を、その印刷層3を表側にして筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22が重ね合わされ、この重ね合わせ部分に帯状テープ7を配置し、該帯状テープ7が溶着されている(この溶着部分をセンターシール部4という)。
【0040】
基材フィルム2は、上記第1実施形態で例示した各種のフィルムを適宜用いることができる。
本実施形態のように、センターシール部4をテープ貼りで形成する態様は、重ね合わせた一側端部21の表面と他側端部22の裏面が溶剤などで溶着できない基材フィルム2を用いる場合に、特に有効である。
もっとも、本実施形態に於ける筒状フィルム1は、一側端部21の表面と他側端部22の裏面が溶着できない基材フィルム2を用いる場合に限られず、両面が溶着可能な基材フィルム2を用いてもよい。
【0041】
本実施形態の印刷層3は、図7にも示すように、その一側縁3aが基材フィルム2の一側端部21の縁21aよりも内側に位置し、且つその他側縁3bが基材フィルム2の他側端部22の縁22aよりも内側に位置して形成されている。従って、印刷層3は、基材フィルム2の一側端部21の縁21a及び他側端部22の縁22aからそれぞれ所定幅内側へ寄った領域(帯状領域)を除いて、基材フィルム2の表面全体に設けられている。
この2箇所の帯状領域の幅は、帯状テープ7の幅や基材フィルム2の両側端部21,22の重ね合わせ幅に応じて適宜設定されるものである。通常、基材フィルム2の両側端部21,22の重ね合わせ幅は、3mm〜7mm程度である。
基材フィルム2の両側端部21,22が重ね合わされた状態において、印刷層3の一側縁3aと他側縁3bの間隔が帯状テープ7よりも長くなるように、印刷層3は形成されている。
【0042】
副印刷層51,52は、上記2箇所の帯状領域に設けられ、インキの印刷密度が印刷層3の印刷密度よりも小さいものであり、その印刷密度は、上記第1実施形態と同様である。
一方の副印刷層51は、印刷層3の一側縁3aに連続し、基材フィルム2の一側端部21の縁21aに向かって所定幅形成されている(これを第1の副印刷層51という)。
他方の副印刷層52は、印刷層3の他側縁3bに連続し、基材フィルム2の他側端部22の縁22aに向かって所定幅形成されている(これを第2の副印刷層52という)。
第1の副印刷層51は、図7示すように、印刷層3の一側縁3aから基材フィルム2の一側端部21の縁21aにまで形成されている。もっとも、第1の副印刷層51は、印刷層3の一側縁3aから上記対応する帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい(図示せず)。第1の副印刷層51の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。第1の副印刷層51の幅の上限は、上記対応する帯状領域の幅である。
第2の副印刷層52は、図7示すように、印刷層3の他側縁3bから基材フィルム2の他側端部22の縁22aにまで形成されている。もっとも、第2の副印刷層52は、印刷層3の他側縁3bから上記対応する帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい(図示せず)。第2の副印刷層52の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。第2の副印刷層52の幅の上限は、上記対応する帯状領域の幅である。
【0043】
本実施形態では、図6に示すように、上記基材フィルム2の印刷層3を表側にして基材フィルム2を筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22の裏面を重ね合わせ、該他側端部22の縁22aに跨がるように帯状テープ7を配置し(つまり、他側端部22の縁22aを覆うように帯状テープ7を配置する)、該帯状テープ7の裏面と基材フィルム2の一側端部21及び他側端部22の表面とを溶剤接着することにより、上記筒状フィルム1が形成されている。
上記帯状テープ7は、第1の副印刷層51の表面及び第2の副印刷層52の表面に、帯状テープ7の両側縁7a,7bがそれぞれ重なるように配置される。
【0044】
帯状テープ7の幅は、特に限定されず、通常、5mm〜15mm程度である。
また、帯状テープ7は、基材フィルム2の表面と溶剤接着可能な合成樹脂フィルムが用いられる。該帯状テープ7は、例えば、ポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルムなどを用いることができる。
さらに、帯状テープ7の表面には、印刷層71が設けられている。
帯状テープ7の印刷層71の印刷内容は、基材フィルム2の印刷層3や第1及び第2の副印刷層51,52と同種のものが印刷される。例えば、基材フィルム2の印刷層3や第1及び第2の副印刷層51,52が、艶消し印刷の場合には、帯状テープ7の印刷層71も艶消し印刷とされる。また、帯状テープ7の印刷層71は、印刷層5と同じ印刷密度で印刷されていることが好ましい。もっとも、帯状テープ7の印刷層71は、副印刷層51,52と同じ印刷密度で印刷されていてもよい。
【0045】
本実施形態の筒状フィルム1は、帯状テープ7の裏面が第1及び第2の副印刷層51,52を介して基材フィルム2の一側端部21及び他側端部22の表面に接着されている。この点、該副印刷層51,52は印刷密度が小さいので、これを介在した状態でも帯状テープ7の裏面を十分な接着強度を以て溶剤接着することができる。
【0046】
また、上記筒状フィルム1は、第1の副印刷層51が印刷層3の一側縁3aに連設され且つ帯状テープ7の一方の側縁7aが第1の副印刷層51の表面に重ねられており、更に、第2の副印刷層52が印刷層3の他側縁3bに連設され且つ帯状テープ7の他方の側縁7bが第2の副印刷層52の表面に重ねられている。このため、印刷層3の一側縁3a及び他側縁3bと帯状テープ7の側縁7a,7bの間に、第1及び第2の副印刷層51,52が現れ出る(図6等参照)。従って、フィルム面が線条に露出しないので、外観的に良好な筒状フィルム1を構成できる。
なお、第1及び第2の副印刷層51,52は、所定幅形成されているので(いわゆる遊び幅があるので)、帯状テープ7を重ね合わせる際、その位置ずれを許容できる。
【0047】
<第3実施形態>
本実施形態は、テープ貼り式筒状フィルムの他の態様を説明する。
ただし、本実施形態の説明について、主として、上記第1及び第2実施形態と異なる部分について説明する。そして、上記第1及び第2実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、上記第1及び第2実施形態で用いた用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0048】
図8及び図9に於いて、1は、テープ貼り式筒状フィルムを示す。
該筒状フィルム1は、一面に印刷層3及び副印刷層51,52が設けられた矩形状の基材フィルム2を、その印刷層3を表側にして筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の縁21aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aを突き合わせて接触させ、この突き合わせ部分に跨って帯状テープ7が配置され、帯状テープ7が基材フィルム2の一側端部21の表面と他側端部22の表面に溶着されている。
【0049】
基材フィルム2は、上記第1実施形態で例示した各種のフィルムを適宜用いることができる。
本実施形態のように、センターシール部4をテープ貼りで形成する態様は、重ね合わせた一側端部21の表面と他側端部22の裏面が溶剤などで溶着できない基材フィルム2を用いる場合に、特に有効である。
もっとも、本実施形態に於ける筒状フィルム1は、一側端部21の表面と他側端部22の裏面が溶着できない基材フィルム2を用いる場合に限られず、両面が溶着可能な基材フィルム2を用いてもよい。
【0050】
本実施形態の印刷層3は、図10にも示すように、その一側縁3aが基材フィルム2の一側端部21の縁21aよりも内側に位置し、且つその他側縁3bが基材フィルム2の他側端部22の縁22aよりも内側に位置して形成されている。
この2箇所の帯状領域の幅は、帯状テープ7の幅に応じて適宜設定されるが、2箇所の帯状領域の幅の合計長さが、帯状テープ7の幅よりも長くなるように設定される。具体的な寸法では、2箇所の帯状領域の幅の合計は、帯状テープ7の幅よりも、4mm〜10mm程度長く形成される。帯状テープ7を接着する際の位置ずれを考慮して、いわゆる遊び幅を確保するためである。
【0051】
第1の副印刷層51は、図10に示すように、印刷層3の一側縁3aから基材フィルム2の一側端部21の縁21aにまで形成されている。もっとも、第1の副印刷層51は、印刷層3の一側縁3aから上記対応する帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい(図示せず)。第1の副印刷層51の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。第1の副印刷層51の幅の上限は、上記対応する帯状領域の幅である。
第2の副印刷層52は、図10に示すように、印刷層3の他側縁3bから基材フィルム2の他側端部22の縁22aにまで形成されている。もっとも、第2の副印刷層52は、印刷層3の他側縁3bから上記対応する帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい(図示せず)。第2の副印刷層52の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。第2の副印刷層52の幅の上限は、上記対応する帯状領域の幅である。
【0052】
本実施形態では、基材フィルム2の一側端部21の縁21aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aを突き合わせ、この突き合わせ部分に跨るように帯状テープ7を配置し(つまり、突き合わせ部分を覆うように帯状テープ7を配置する)、該帯状テープ7の裏面と基材フィルム2の一側端部21及び他側端部22の表面とを溶剤接着することにより、上記筒状フィルム1が形成されている。
上記帯状テープ7は、第1の副印刷層51の表面及び第2の副印刷層52の表面に、帯状テープ7の両側縁7a,7bがそれぞれ重なるように配置される。
【0053】
帯状テープ7の幅は、特に限定されず、通常、5mm〜15mm程度である。
また、帯状テープ7は、基材フィルム2と溶剤接着可能な合成樹脂フィルムが用いられる。さらに、帯状テープ7の表面には、第2実施形態と同様の印刷層71が設けられている。
【0054】
本実施形態の筒状フィルム1も第2実施形態と同様に、帯状テープ7の裏面を十分な接着強度を以て溶剤接着することができる。また、上記筒状フィルム1は、帯状テープ7の両側縁7a,7bの外側において、フィルム面が線条に露出しないので、外観的に良好な筒状フィルム1を構成できる。
【0055】
なお、第3実施形態において、基材フィルム2の一側端部21の縁21aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aは、接触させているが、基材フィルム2の一側端部21の縁21aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aは、突き合わせていればよいので、前記縁21aと縁22aが、僅かに離れていてもよい。
【実施例】
【0056】
以下、実施例を示し、本発明を更に詳述する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
<使用材料>
(1)基材フィルム:
幅111mm×厚み59μmで長尺状。熱収縮性のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:50μm。熱収縮率:52%)の裏面に、長手方向に線状に塗布された接着剤層(この線状の接着剤層は、幅2mmで、フィルムの幅方向に約3mm間隔で並設されている)を介して、アルミニウム蒸着層を有する非熱収縮性のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み9μm)が積層された積層フィルム((株)麗光製、製品名「リンクルキャップ」)。
(2)インキ(a)
マットニスインキ(大日本インキ化学工業(株)製、製品名「ファインラップマットニス15」)。
(3)インキ(b)
マットニスインキ(大日本インキ化学工業(株)製、製品名「GR−CSマットOPニス ラミックNO.2)。
(4)帯状テープ
幅10mm×厚み45μmの長尺状の2軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、製品名「LX10S」)。
【0057】
<実施例1−1>
上記インキ(a)を用い、基材フィルムの表面に、印刷層と副印刷層を印刷した。図11にその寸法を示している。なお、図11において、印刷層を設けた範囲を網掛けで、副印刷層を設けた範囲を薄墨塗りで、無印刷の範囲を白地で示す。
印刷層は、60線のグラビア印刷版を用い、この印刷版のセルの全てにインキ(a)を含ませて該インキ(a)をベタ状に基材フィルムの表面(具体的には、熱収縮性のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面)に印刷した。副印刷層は、上記、上記印刷層の印刷密度に対して0.75倍の印刷密度とした。具体的には、同60線のグラビア印刷版のセルの総数を1としたとき、そのうち0.25倍のセルにインキ(a)が含まれないように印刷版のセルの一部を均等に潰し、この印刷版を用いて副印刷層を印刷した。
また、帯状テープの表面に、上記印刷層の形成と同様にして、60線のグラビア印刷版の全てのセルにインキ(a)を含ませてベタ状印刷を行った。この帯状テープのヘイズ値は、50%であった。なお、上記印刷層及び副印刷層のヘイズ値は、基材フィルムがアルミニウム蒸着層を有しているため、測定できなかった。
【0058】
得られた印刷済みの長尺状基材フィルムの一側端部の表面に他側端部の裏面を重ね合わせ(重ね合わせ幅:約8mm)、帯状テープの裏面全体に溶剤(ジオキソラン)を塗布しつつ、該帯状テープを前記重ね合わせ部分に跨って接着させて、筒状フィルムを作製した。実施例1では、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を、40m/分で行った。
【0059】
その結果、実施例1−1の筒状フィルムは、帯状テープが、殆ど問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着していた。得られた筒状フィルムは、帯状テープが十分な接着強度で接着しており、実用上、何ら支障のないものであった。
得られた筒状フィルムの帯状テープの両側縁の外側を目視で観察したところ、副印刷層の存在により、印刷抜けが現れることなく、外観上良好であった。
【0060】
<実施例1−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例1−2の筒状フィルムも実施例1−1と同様に、帯状テープが殆ど問題なく、基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0061】
<実施例2−1>
副印刷層の印刷密度0.75倍に代えて、副印刷層の印刷密度を0.5倍にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
実施例2−1の筒状フィルムは、帯状テープが、全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着していた。また、該筒状フィルムは、外観上良好であった。
【0062】
<実施例2−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例2−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例2−2の筒状フィルムも実施例2−1と同様に、帯状テープが全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0063】
<実施例3−1>
副印刷層の印刷密度0.75倍に代えて、副印刷層の印刷密度を0.25倍にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
実施例3−1の筒状フィルムは、帯状テープが、全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着していた。また、該筒状フィルムは、外観上良好であった。
【0064】
<実施例3−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例3−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例3−2の筒状フィルムも実施例3−1と同様に、帯状テープが全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0065】
<実施例4−1>
インキ(a)に代えて、インキ(b)を用いた(印刷層及び副印刷層の印刷、並びに、帯状テープの印刷にインキ(b)を用いた)こと以外は、実施例1−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例4−1の筒状フィルムも実施例1−1と同様に、帯状テープが殆ど問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0066】
<実施例4−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例4−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例4−2の筒状フィルムも実施例4−1と同様に、帯状テープが殆ど問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0067】
<実施例5−1>
副印刷層の印刷密度0.75倍に代えて、副印刷層の印刷密度を0.5倍にしたこと以外は、実施例4−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例5−1の筒状フィルムは、帯状テープが全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0068】
<実施例5−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例5−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例5−2の筒状フィルムは、帯状テープが殆ど問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施形態に係る筒状フィルムの斜視図。印刷層及び副印刷層の形成範囲を判り易く図示するため、印刷層の形成範囲を網掛けで、副印刷層の形成範囲を薄墨塗りで示している(この点、図3(a)、図4、図5、図7(a)、図8、図10、図11も同じ)。
【図2】図1のI−I線で切断した一部省略断面図。
【図3】(a)は、第1実施形態の基材フィルムを表面側から視た平面図、(b)は、そのII−II線断面図、(c)は、変形例の基材フィルムの断面図。
【図4】変形例の基材フィルムを表面側から視た平面図。
【図5】第2実施形態に係る筒状フィルムの斜視図。
【図6】図5のIII−III線で切断した一部省略断面図。
【図7】(a)は、第2実施形態の基材フィルムを表面側から視た平面図、(b)は、そのIV−IV線断面図。
【図8】第3実施形態に係る筒状フィルムの斜視図。
【図9】図8のV−V線で切断した一部省略断面図。
【図10】(a)は、第3実施形態の基材フィルムを表面側から視た平面図、(b)は、そのVI−VI線断面図。
【図11】実施例で作製した基材フィルムの一部省略平面図。
【図12】(a)は、従来の直貼り式筒状フィルムの接着部分を示す一部省略断面図、(b)は、従来のテープ貼り式筒状フィルムの接着部分を示す一部省略断面図。
【符号の説明】
【0070】
1…筒状フィルム、2…基材フィルム、21…基材フィルムの一側端部、21a…一側端部の縁、22…基材フィルムの他側端部、22a…他側端部の縁、3…印刷層、5,51,52…副印刷層、7…帯状テープ、71…帯状テープの印刷層、8…意匠印刷層
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材フィルムの両側端部を接合することにより、筒状に形成された筒状フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材フィルムの両側端部を重ね合わせて接合することにより、筒状に形成された筒状フィルムは周知である。
このような筒状フィルムの用途は幅広く、例えば、容器のキャップを保護するキャップシール、飲料容器の胴部に熱収縮装着される熱収縮性筒状ラベル、カップ状容器の胴部から底部にかけて熱収縮装着される外装フィルム、物品を包装する包装袋などの各種用途がある。
【0003】
上記筒状フィルムは、実用に際して、装飾などの目的のため、各種印刷層が設けられる。該印刷層としては、文字や絵柄などを表すための表示印刷、白ベタ印刷などの単色ベタ状印刷、艶消し印刷などの各種の目的に応じた印刷層がある。
【0004】
また、印刷層は、筒状フィルムの裏面(筒状に丸められた内側)に設けられる場合の他、筒状フィルムの表面に設けられる場合もある。例えば、艶消し印刷を行う場合や、不透明な基材フィルムに印刷を行う場合には、筒状フィルムの表面にこれらの印刷層が設けられる。
【0005】
かかる筒状フィルムは、基材フィルムの両側端部の接合方式によって、以下の2種類に大別できる。
1つの筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部を重ね合わせ、この両側端部の重ね合わせ部分を溶着することにより形成されている(以下、この接合方式のものを「直貼り式筒状フィルム」という場合がある)。
他の筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部を重ね合わせ、重ね合わせた他側端部の縁に跨って帯状テープを配置し、該帯状テープを基材フィルムの一側端部と他側端部の表面に溶着することにより形成されている(以下、この接合方式のものを「テープ貼り式筒状フィルム」という場合がある)。
【0006】
直貼り式筒状フィルムは、重ね合わせ部分を溶着にて接合する方式なので(印刷層が介在すると十分に溶着できず)、重ね合わせ接着部分には、印刷層が設けられておらず、基材フィルムが露出されている(特許文献1)。
また、テープ貼り式筒状フィルムも同様に、帯状テープの重ね合わせ接着部分には、印刷層が設けられておらず、基材フィルムが露出されている。
【0007】
具体的には、直貼り式筒状フィルム100は、図12(a)に示すように、基材フィルム200の一側端部210の縁210aから所定幅の範囲には、印刷層300を有しないフィルム露出部500が設けられ、該フィルム露出部500に基材フィルム200の他側端部220を重ね合わせ、該重ね合わせ部分が溶剤接着されている。
また、テープ貼り式筒状フィルム110は、図12(b)に示すように、基材フィルム200の一側端部210の縁210aから所定幅の範囲及び基材フィルム200の他側端部220の縁220aから所定幅の範囲には、印刷層300を有しないフィルム露出部500がそれぞれ設けられ、該一側端部210と他側端部220を重ね合わせ、重ね合わせた他側端部220の縁220aに跨って帯状テープ700を配置し、該帯状テープ700が基材フィルム200の一側端部210と他側端部220の表面に跨って溶剤接着されている。なお、帯状テープ700には、印刷層710が設けられている。
【特許文献1】特開2007−25174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の直貼り式筒状フィルム100は、他側端部220の縁220aと印刷層300の縁の間にフィルム露出部500が現れ出る。このフィルム露出部500は、印刷が施されていないので、現出したフィルム露出部500に対応して、筒状フィルム100の縦方向に、1条の細い線条痕(いわゆる印刷抜け)が視認される。
従来のテープ貼り式筒状フィルム110も同様に、帯状テープ700の両縁と印刷層300の縁の間にフィルム露出部500が現れ出るため、筒状フィルム100の縦方向に、2条の細い線条痕(いわゆる印刷抜け)が視認される。このため、いずれの筒状フィルムも、外観を損ねる原因となっていた。
【0009】
この点、直貼り式筒状フィルム100に於いて、他側端部220の縁220aが印刷層300の縁に一致するように基材フィルム200を重ね合わせれば、上記フィルム露出部500が基材フィルム200の他側端部220によって被覆されるので、上記線条痕の発生を防止できる。同様に、テープ貼り式筒状フィルム110に於いて、帯状テープ700の両縁が印刷層300の縁に一致するように帯状テープ700を重ね合わせれば、上記線条痕の発生を防止できる。
【0010】
しかしながら、機械的に大量生産される筒状フィルムにおいて、上記のように縁同士を一致させて精度良く重ね合わすことは、現実的に困難である。すなわち、筒状フィルムを形成する場合、他側端部の重ね合わせや帯状テープの重ね合わせは、数ミリ程度のズレを考慮して設計されるものであり、縁同士を精度良く一致させつつ筒状に成形することは困難である。
【0011】
本発明の課題は、重ね合わせ部分を接合して筒状に形成することができ、外観上優れた筒状フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る第1の筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部が重ね合わされ、この重ね合わせ部分が溶着されている筒状フィルムであって、印刷層は、その一側縁が基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、副印刷層の表面に基材フィルムの他側端部の縁が重なるように、基材フィルムの一側端部に基材フィルムの他側端部が重ね合わされていることを特徴とする。
【0013】
上記筒状フィルムは、副印刷層の表面に基材フィルムの他側端部の縁が重なるように、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部を重ね合わせて溶着されている。かかる溶着部分には、副印刷層が介在しているが、該副印刷層は、印刷密度が小さいので、基材フィルムの一側端部の表面の露出部が多くなっている。このため、基材フィルムの一側端部の表面と他側端部の裏面を十分な接着強度を以て溶着することができる。
さらに、副印刷層は、所定幅形成されているので、基材フィルムの他側端部を重ね合わせる際に、それが多少位置ずれしても、副印刷層の表面に基材フィルムの他側端部の縁を重ねることができる。
また、上記筒状フィルムは、副印刷層が印刷層の一側縁に連設されており、基材フィルムの他側端部の縁が副印刷層の表面に重ねられているので、印刷層の一側縁と基材フィルムの他側端部の縁の間に、副印刷層が現れ出る。このため、いわゆる印刷抜けに起因する線条痕の発生を防止しでき外観的に良好な筒状フィルムを提供できる。
【0014】
本発明に係る第2の筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部が重ね合わされ、重ね合わされた他側端部の縁に跨って帯状テープが配置され、帯状テープが基材フィルムの一側端部と他側端部の表面に溶着されている筒状フィルムであって、印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置し且つその他側縁が基材フィルムの他側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第1の副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、印刷層の他側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第2の副印刷層が、基材フィルムの他側端部の縁に向かって所定幅形成されており、第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、前記帯状テープの縁がそれぞれ重なるように、帯状テープが配置されていることを特徴とする。
【0015】
上記筒状フィルムは、第1及び第2の副印刷層の表面に基材フィルムの縁が重なるように、帯状テープが配置されて溶着されている。かかる帯状テープの溶着部分には、第1及び第2の副印刷層が介在しているが、該副印刷層は、印刷密度が小さいので、基材フィルムの一側端部の表面の露出部が多くなっている。このため、帯状テープの裏面と基材フィルムの表面を十分な接着強度を以て溶着することができる。
さらに、副印刷層は、所定幅形成されているので、帯状テープを重ね合わせる際に、それが多少位置ずれしても、第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、帯状テープの縁を重ねることができる。
また、上記筒状フィルムは、第1及び第2の副印刷層が印刷層の一側縁及び他側縁に連設されており、帯状テープの縁がそれぞれ第1及び第2の副印刷層の表面に重ねられているので、印刷層の一側縁及び他側縁と帯状テープの縁の間に、第1及び第2の副印刷層が現れ出る。このため、いわゆる印刷抜けに起因する線条痕の発生を防止して、外観的に良好な筒状フィルムを提供できる。
【0016】
本発明に係る第3の筒状フィルムは、基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の縁と基材フィルムの他側端部の縁が突き合わされ、この突き合わせ部分に跨って帯状テープが配置され、帯状テープが基材フィルムの一側端部と他側端部の表面に溶着されている筒状フィルムであって、印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置し且つその他側縁が基材フィルムの他側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第1の副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、印刷層の他側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第2の副印刷層が、基材フィルムの他側端部の縁に向かって所定幅形成されており、第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、帯状テープの縁がそれぞれ重なるように、帯状テープが配置されていることを特徴とする。
【0017】
上記第3の筒状フィルムも、第2の筒状フィルムと同様に、帯状テープを十分な接着強度を以て溶着することができ、又、いわゆる印刷抜けに起因する線条痕の発生を防止できる。
【0018】
本発明の好ましい筒状フィルムは、上記いずれかの副印刷層の印刷密度が、印刷層の印刷密度の0.2倍〜0.8倍とされているものである。
【0019】
本発明の他の好ましい筒状フィルムは、上記何れかの筒状フィルムが、周方向に熱収縮可能に構成されている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の筒状フィルムは、重ね合わせ部分を十分な接着強度で以て接合して筒状に形成することができる。さらに、本発明の筒状フィルムは、線条痕の発生を防止でき、外観上に於いても優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
<第1実施形態>
本実施形態は、直貼り式筒状フィルムの態様を説明する。
図1及び図2に於いて、1は、筒状フィルムを示す。
該筒状フィルム1は、一面に印刷層3及び副印刷層5が設けられた矩形状の基材フィルム2を、その印刷層3を表側にして筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22が重ね合わされ、この重ね合わせ部分が溶着されている(この接着部分をセンターシール部4という)。
【0022】
基材フィルム2の材質は、溶着可能であれば特に限定されず、合成樹脂フィルム、合成紙、発泡樹脂シート、不織布などを用いることができる。基材フィルム2は、通常、合成樹脂フィルム、または、合成樹脂フィルムに他の機能層が積層された積層フィルムを用いることが好ましい。
具体的には、基材フィルム2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物などを含むフィルムを用いることができる。基材フィルム2の両側端部21,22の重ね合わせ部分を溶剤接着し易いことから、基材フィルム2としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂を含むフィルムを用いることが好ましい。
また、基材フィルム2としては、金属蒸着層、金属箔、紙、不織布などの他の機能層が合成樹脂フィルムに積層された各種積層フィルムを用いることもできる。また、金属箔が合成樹脂フィルムに積層されている積層フィルムを用いる場合、例えば、金属箔が積層された非熱収縮性合成樹脂フィルム(A)と熱収縮性合成樹脂フィルム(B)とが積層され、熱収縮性合成樹脂フィルム(B)の収縮によって非熱収縮性合成樹脂フィルム(A)に筋状の皺が生じるように、非熱収縮性合成樹脂フィルム(A)と熱収縮性合成樹脂フィルム(B)が部分的に接着されているものでもよい(このようなフィルムは、通称、リンクルシールとも呼ばれる)。
なお、基材フィルム2として積層フィルムを用いる場合には、基材フィルム2の表面と裏面を構成するフィルム同士が溶剤などで溶着可能なものが用いられる。本実施形態は、直貼り式筒状フィルム1なので、基材フィルム2の一側端部21の表面に重ね合わせた他側端部22の裏面を、溶剤などで溶着できるようにするためである。このような積層フィルムは、例えば、金属蒸着層などの機能層の両面に、同種の合成樹脂フィルム(例えば、PETなどのポリエステル系フィルムやポリスチレン系フィルム)が積層された3層以上の積層フィルムが挙げられる。
基材フィルム2は、透明または非透明の何れでもよい。
基材フィルム2の厚みは、特に限定されないが、例えば20〜80μm、好ましくは20〜60μm程度のものを用いることができる。
【0023】
また、上記基材フィルム2として、熱収縮性(例えば80〜100℃に加熱されると収縮する性質)を有するフィルムを用いれば、本発明の筒状フィルム1は、周方向に熱収縮しうる所謂シュリンク筒状フィルムとなる。かかる筒状フィルム1は、キャップシールや熱収縮性筒状ラベルなどとして好適に利用できる。
上記フィルムは、公知の製法で製膜し延伸処理することにより熱収縮性を付与できる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、一方向(例えばTD方向。筒状に形成した際に周方向)に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度延伸することにより行われる。さらに、他方向(一方向に直交する方向。筒状に形成した際に縦方向)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。得られたフィルムは、一軸延伸フィルム又は主延伸方向と直交する方向に若干延伸された二軸延伸フィルムとなる。このような熱収縮性の基材フィルム2を用いる場合には、基材フィルム2の一方向(主たる熱収縮方向)が、筒状フィルム1の周方向となるように筒状に成形される。
【0024】
熱収縮性の基材フィルム2の熱収縮率としては、一方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)が約30%以上、好ましくは約40%以上のものが例示される。また、該基材フィルム2が他方向にも収縮しうる場合には、その他方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、約−1〜10%程度のものが例示される。
但し、熱収縮率(%)=[{(一方向(又は他方向)の元の長さ)−(一方向(又は他方向)の浸漬後の長さ)}/(一方向(又は他方向)の元の長さ)]×100。
【0025】
この基材フィルム2の一面には、図3にも示すように、印刷層3と副印刷層5が設けられている。
印刷層3及び副印刷層5は、何れもインキを印刷することにより形成された層である。印刷層3及び副印刷層5の印刷内容は、特に限定されず、印刷目的に応じて、適宜設定できる。例えば、文字や絵柄などの所定の表示を表したい場合には、印刷層3及び副印刷層5は、任意の色彩インキを用いて、該表示を含む印刷が施される。
また、例えば、艶消し処理を施したい場合には、印刷層3及び副印刷層5は、マットインキを用いて印刷される。艶消し処理は、例えば、基材フィルム2として、金属蒸着フィルムまたは金属箔の積層フィルム(リンクルシールを含む)が用いられる場合において、該金属光沢を抑えたいときに有効である。なお、艶消し印刷は、艶消し印刷された基材フィルム2のヘイズ値が20%〜90%となる程度が好ましい。ただし、該ヘイズ値は、JIS−K7105に準じて測定された値をいう。
【0026】
上記副印刷層5は、インキの印刷密度が印刷層3の印刷密度よりも小さくなるように印刷されている。
ここで、印刷密度とは、フィルムにインキが付着している面積比をいい、式;印刷密度=(インキの付着面積/印刷を行ったフィルムの単位面積)×100、で求めることができる。
通常、フィルムへの印刷方法は、フレキソ印刷、グラビア印刷、凸版輪転印刷、シルク印刷などの公知の印刷法が用いられるが、印刷は、インキをフィルムに点状に且つ無数に付着させることにより実施される。従って、上記印刷密度のインキの付着面積は、1つの点状のインキ(以下、ドットという)の大きさ(面積)及び、フィルムの単位面積当たりのドット数によって規定される。
例えば、印刷層3(または副印刷層5)を形成すべく、基材フィルム2の100cm2の範囲に印刷を施した場合、上記式中の「印刷を行ったフィルムの単位面積」は、「100cm2」であり、上記式中の「インキの付着面積」は、「前記100cm2の範囲内において、1ドットの面積×ドット数」である。
【0027】
副印刷層5の印刷密度は、印刷層3の印刷密度の0.2倍〜0.8倍程度に形成され、好ましくは0.2倍〜0.7倍、より好ましくは0.2倍〜0.6倍に形成される。副印刷層5の印刷密度が小さ過ぎると、フィルム面の露出が多くなりすぎて印刷による視覚的効果を得られず、一方、副印刷層5の印刷密度が大きすぎると、フィルム面の露出が少なく、重ね合わせ接着部分(センターシール部4)の十分な接着強度を得られないからである。
【0028】
上記のように、印刷密度のインキの付着面積は、1ドットの大きさ(1ドットの面積)と単位面積当たりのドット数で規定される。
よって、例えば、副印刷層5に於ける1ドットと印刷層に於ける1ドットが、略同大の場合には、副印刷層5の単位面積当たりのドット数が、印刷層3の単位面積当たりのドット数に対して、上記倍率の範囲内となるように印刷される。
また、例えば、副印刷層5の単位面積当たりのドット数と印刷層3の単位面積当たりのドット数が、略同数の場合には、副印刷層5に於ける1ドットの大きさが、印刷層3に於ける1ドットの大きさよりも小さくなるように印刷される。
例えば、60線の印刷版(1平方センチメートル当たり3600ドットを有する)を用いて印刷層3を印刷する場合には、60線の印刷版のドット数(セル数)を上記倍率に応じて減数した印刷版を用いて副印刷層5を印刷すればよい。
【0029】
上記印刷層3は、その一側縁3aが基材フィルム2の一側端部21(この一側端部21は、センターシール部4の下側になる端部である)の縁21aよりも内側に位置し、且つその他側縁3bが基材フィルム2の他側端部22(この他側端部22は、センターシール部4の上側になる端部である)の縁22aに略一致して形成されている。従って、印刷層3は、基材フィルム2の一側端部21の縁21aから所定幅内側へ寄った領域(帯状領域)を除いて、基材フィルム2の表面全体に設けられている。
印刷層3の印刷密度の最大は、100%である。印刷層3の印刷密度の下限は、特に限定されないが、該印刷密度が余りに小さいと、インキの付着面積が小さくなりすぎ(基材フィルム2の露出が大きくなりすぎる)、印刷を施した実効性が低くなる。かかる観点から、印刷層3の印刷密度は、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
なお、上記印刷密度の印刷層3の形成範囲は、基材フィルム2の一面の面積を1とした場合、0.6以上であり、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上である。該印刷層3の形成範囲の上限は、0.95以下が好ましい。基材フィルム2に副印刷層5を設けるためのスペースが必要だからである。
この帯状領域の幅W1は、基材フィルム2の一側端部21と他側端部22の重ね合わせ部分の幅よりも長く形成されている。具体的な寸法では、この帯状領域の幅W1は、6mm〜15mm程度である。通常、センターシール部4の幅は、3mm〜8mm程度であり、更に、センターシール部4の下側になる一側端部21に余り代を確保するためである。
【0030】
上記印刷層3は、(基材フィルム2の一側端部21の帯状領域を除いて)基材フィルム2の表面全体に設けられていることが好ましいが、該表面全体に設けられる場合に限定されない。例えば、印刷層3が、基材フィルム2の2つの離れた領域に形成された第1の印刷層及び第2の印刷層から構成されていてもよい。具体的には、前記第1の印刷層は、例えば、基材フィルム2の他側端部22の縁22aから一側端部21側へ所定幅形成される。第2の印刷層は、基材フィルム2の一側端部21において副印刷層5に連設され且つ他側端部22側へ所定幅形成される。かかる2つの領域に離れて印刷層3が形成されている場合でも、筒状フィルム1に形成した際、印刷層3の一側縁3aと他側縁3bの間に副印刷層5が現れ出るので、印刷層3は、印刷連続性を有する。
【0031】
副印刷層5は、印刷層3の一側縁3aに連続し、基材フィルム2の一側端部21の縁21aに向かって所定幅形成されている。従って、副印刷層5は、印刷層3の一側縁3aに連設され、且つ上記印刷層3が形成されていない帯状領域に形成されている。
副印刷層5は、図3に示すように、印刷層3の一側縁3aから基材フィルム2の一側端部21の縁21aにまで形成されている。
なお、変形例として、図4に示すように、副印刷層5は、印刷層3の一側縁3aから帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい。
副印刷層5の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。基材フィルム2の一側端部21の表面上に他側端部22を重ね合わせる際、多少位置ずれしても該他側端部22の縁22aが副印刷層5の表面に重なるようにするためである。
なお、副印刷層5の幅の上限は、上記帯状領域の幅である。
【0032】
副印刷層5は、全体的に同じ印刷密度で印刷されていてもよい。好ましくは、副印刷層5は、基材フィルム2の一側端部21の縁21aに向かうに従って段階的に印刷密度が小さくなるように印刷される。
【0033】
また、基材フィルム2、印刷層3及び副印刷層5が透光性を有する場合には、必要に応じて、図3(c)に示すように、基材フィルム2の裏面に、意匠印刷層8を設けてもよい。具体的には、基材フィルム2が透明(又は半透明)のフィルムで形成され、印刷層3及び副印刷層5が、艶消し印刷や透明コート印刷などのインキで形成されている場合、上記意匠印刷層8を設けることにより、該意匠印刷層を視認できる。意匠印刷層8の内容は、文字、絵柄、商標、説明書きなど、任意である。
なお、上記意匠印刷層8は、基材フィルム2の他側端部22の縁22aから所定幅内側へ寄った領域(帯状領域)を除いて設けられる。基材フィルム2の他側端部22の裏面と一側端部21の表面を、溶剤接着するためである。
【0034】
上記基材フィルム2の印刷層3を表側にして基材フィルム2を筒状にし、副印刷層5の表面に基材フィルム2の他側端部22の縁22aが重なるように、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を溶剤で溶着することにより、上記筒状フィルム1が形成されている。
上記溶剤は、基材フィルム2の表裏面を浸食できるものであって、該両面間に溶剤を塗布することにより、該両面を接着できるものであれば特に限定されない。該溶剤は、基材フィルム2の材質に応じて適宜公知なものを選択できる。基材フィルム2として、ポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、表裏面に非晶性ポリオレフィン系樹脂を積層した積層フィルムなどを用いる場合には、次のような溶剤を用いることができる。例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソランなどのエーテル系溶剤、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル系溶剤、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤などの1種、又は2種以上の混合溶剤が例示される。
【0035】
本発明の筒状フィルム1は、通常、長尺状に繋がった筒状フィルム連続体の形態で提供され、使用に際して、この連続体から個々の筒状フィルムが切り取られる。すなわち、本発明の筒状フィルム1を機械的に製造する場合、印刷層3及び副印刷層5が設けられた長尺状の基材フィルムを長手方向に送りながら、一方の側端部に溶剤を塗布し、基材フィルムの両側端部を溶着して、筒状フィルム連続体を形成し、これをロール状に巻き取る。なお、前記長尺状の基材フィルムの両側端部の溶着は、長尺状の基材フィルムの他側端部の裏面に溶剤を塗布し、該他側端部の裏面を、基材フィルムの一側端部の表面に重ね合わせることにより行うことが好ましい。
上記ロール状の筒状フィルム連続体は、使用者に供給され、ラベラーなどの装着装置に装填され、個々の筒状フィルムが切り出され、容器などに装着される。
【0036】
本発明の筒状フィルム1は、副印刷層5の表面に基材フィルム2の他側端部22の縁22aが重なるように、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22を重ね合わせて溶剤接着されている。従って、この重ね合わせ接着部分には、副印刷層5が介在しているが、該副印刷層5は、印刷密度が小さいので、基材フィルム2の一側端部21の表面の露出部が多くなっている。このため、基材フィルム2の一側端部21の表面と他側端部22の裏面を十分な接着強度を以て溶剤接着することができる。
【0037】
また、上記筒状フィルム1は、副印刷層5が、印刷層3の一側縁3aに連設されており、基材フィルム2の他側端部22の縁22aが副印刷層5の表面に重ねられているので、印刷層3の一側縁3aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aの間に、副印刷層5が現れ出る。該副印刷層5の存在により、印刷層3の一側縁3aと他側縁3bの間が印刷によって連続し、フィルム面が線条に露出しないので、外観的に良好な筒状フィルム1を構成できる。
なお、副印刷層5は、所定幅形成されているので(いわゆる遊び幅があるので)、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22を重ね合わせる際、該他側端部22の位置ずれを許容できる。
【0038】
<第2実施形態>
本実施形態は、テープ貼り式筒状フィルムの一態様を説明する。
ただし、本実施形態の説明について、主として、上記第1実施形態と異なる部分について説明する。そして、上記第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、上記第1実施形態で用いた用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0039】
図5及び図6に於いて、1は、テープ貼り式筒状フィルムを示す。
該筒状フィルム1は、一面に印刷層3及び副印刷層51,52が設けられた矩形状の基材フィルム2を、その印刷層3を表側にして筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22が重ね合わされ、この重ね合わせ部分に帯状テープ7を配置し、該帯状テープ7が溶着されている(この溶着部分をセンターシール部4という)。
【0040】
基材フィルム2は、上記第1実施形態で例示した各種のフィルムを適宜用いることができる。
本実施形態のように、センターシール部4をテープ貼りで形成する態様は、重ね合わせた一側端部21の表面と他側端部22の裏面が溶剤などで溶着できない基材フィルム2を用いる場合に、特に有効である。
もっとも、本実施形態に於ける筒状フィルム1は、一側端部21の表面と他側端部22の裏面が溶着できない基材フィルム2を用いる場合に限られず、両面が溶着可能な基材フィルム2を用いてもよい。
【0041】
本実施形態の印刷層3は、図7にも示すように、その一側縁3aが基材フィルム2の一側端部21の縁21aよりも内側に位置し、且つその他側縁3bが基材フィルム2の他側端部22の縁22aよりも内側に位置して形成されている。従って、印刷層3は、基材フィルム2の一側端部21の縁21a及び他側端部22の縁22aからそれぞれ所定幅内側へ寄った領域(帯状領域)を除いて、基材フィルム2の表面全体に設けられている。
この2箇所の帯状領域の幅は、帯状テープ7の幅や基材フィルム2の両側端部21,22の重ね合わせ幅に応じて適宜設定されるものである。通常、基材フィルム2の両側端部21,22の重ね合わせ幅は、3mm〜7mm程度である。
基材フィルム2の両側端部21,22が重ね合わされた状態において、印刷層3の一側縁3aと他側縁3bの間隔が帯状テープ7よりも長くなるように、印刷層3は形成されている。
【0042】
副印刷層51,52は、上記2箇所の帯状領域に設けられ、インキの印刷密度が印刷層3の印刷密度よりも小さいものであり、その印刷密度は、上記第1実施形態と同様である。
一方の副印刷層51は、印刷層3の一側縁3aに連続し、基材フィルム2の一側端部21の縁21aに向かって所定幅形成されている(これを第1の副印刷層51という)。
他方の副印刷層52は、印刷層3の他側縁3bに連続し、基材フィルム2の他側端部22の縁22aに向かって所定幅形成されている(これを第2の副印刷層52という)。
第1の副印刷層51は、図7示すように、印刷層3の一側縁3aから基材フィルム2の一側端部21の縁21aにまで形成されている。もっとも、第1の副印刷層51は、印刷層3の一側縁3aから上記対応する帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい(図示せず)。第1の副印刷層51の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。第1の副印刷層51の幅の上限は、上記対応する帯状領域の幅である。
第2の副印刷層52は、図7示すように、印刷層3の他側縁3bから基材フィルム2の他側端部22の縁22aにまで形成されている。もっとも、第2の副印刷層52は、印刷層3の他側縁3bから上記対応する帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい(図示せず)。第2の副印刷層52の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。第2の副印刷層52の幅の上限は、上記対応する帯状領域の幅である。
【0043】
本実施形態では、図6に示すように、上記基材フィルム2の印刷層3を表側にして基材フィルム2を筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の表面に基材フィルム2の他側端部22の裏面を重ね合わせ、該他側端部22の縁22aに跨がるように帯状テープ7を配置し(つまり、他側端部22の縁22aを覆うように帯状テープ7を配置する)、該帯状テープ7の裏面と基材フィルム2の一側端部21及び他側端部22の表面とを溶剤接着することにより、上記筒状フィルム1が形成されている。
上記帯状テープ7は、第1の副印刷層51の表面及び第2の副印刷層52の表面に、帯状テープ7の両側縁7a,7bがそれぞれ重なるように配置される。
【0044】
帯状テープ7の幅は、特に限定されず、通常、5mm〜15mm程度である。
また、帯状テープ7は、基材フィルム2の表面と溶剤接着可能な合成樹脂フィルムが用いられる。該帯状テープ7は、例えば、ポリエステル系フィルム、ポリスチレン系フィルムなどを用いることができる。
さらに、帯状テープ7の表面には、印刷層71が設けられている。
帯状テープ7の印刷層71の印刷内容は、基材フィルム2の印刷層3や第1及び第2の副印刷層51,52と同種のものが印刷される。例えば、基材フィルム2の印刷層3や第1及び第2の副印刷層51,52が、艶消し印刷の場合には、帯状テープ7の印刷層71も艶消し印刷とされる。また、帯状テープ7の印刷層71は、印刷層5と同じ印刷密度で印刷されていることが好ましい。もっとも、帯状テープ7の印刷層71は、副印刷層51,52と同じ印刷密度で印刷されていてもよい。
【0045】
本実施形態の筒状フィルム1は、帯状テープ7の裏面が第1及び第2の副印刷層51,52を介して基材フィルム2の一側端部21及び他側端部22の表面に接着されている。この点、該副印刷層51,52は印刷密度が小さいので、これを介在した状態でも帯状テープ7の裏面を十分な接着強度を以て溶剤接着することができる。
【0046】
また、上記筒状フィルム1は、第1の副印刷層51が印刷層3の一側縁3aに連設され且つ帯状テープ7の一方の側縁7aが第1の副印刷層51の表面に重ねられており、更に、第2の副印刷層52が印刷層3の他側縁3bに連設され且つ帯状テープ7の他方の側縁7bが第2の副印刷層52の表面に重ねられている。このため、印刷層3の一側縁3a及び他側縁3bと帯状テープ7の側縁7a,7bの間に、第1及び第2の副印刷層51,52が現れ出る(図6等参照)。従って、フィルム面が線条に露出しないので、外観的に良好な筒状フィルム1を構成できる。
なお、第1及び第2の副印刷層51,52は、所定幅形成されているので(いわゆる遊び幅があるので)、帯状テープ7を重ね合わせる際、その位置ずれを許容できる。
【0047】
<第3実施形態>
本実施形態は、テープ貼り式筒状フィルムの他の態様を説明する。
ただし、本実施形態の説明について、主として、上記第1及び第2実施形態と異なる部分について説明する。そして、上記第1及び第2実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略し、上記第1及び第2実施形態で用いた用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0048】
図8及び図9に於いて、1は、テープ貼り式筒状フィルムを示す。
該筒状フィルム1は、一面に印刷層3及び副印刷層51,52が設けられた矩形状の基材フィルム2を、その印刷層3を表側にして筒状にし、基材フィルム2の一側端部21の縁21aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aを突き合わせて接触させ、この突き合わせ部分に跨って帯状テープ7が配置され、帯状テープ7が基材フィルム2の一側端部21の表面と他側端部22の表面に溶着されている。
【0049】
基材フィルム2は、上記第1実施形態で例示した各種のフィルムを適宜用いることができる。
本実施形態のように、センターシール部4をテープ貼りで形成する態様は、重ね合わせた一側端部21の表面と他側端部22の裏面が溶剤などで溶着できない基材フィルム2を用いる場合に、特に有効である。
もっとも、本実施形態に於ける筒状フィルム1は、一側端部21の表面と他側端部22の裏面が溶着できない基材フィルム2を用いる場合に限られず、両面が溶着可能な基材フィルム2を用いてもよい。
【0050】
本実施形態の印刷層3は、図10にも示すように、その一側縁3aが基材フィルム2の一側端部21の縁21aよりも内側に位置し、且つその他側縁3bが基材フィルム2の他側端部22の縁22aよりも内側に位置して形成されている。
この2箇所の帯状領域の幅は、帯状テープ7の幅に応じて適宜設定されるが、2箇所の帯状領域の幅の合計長さが、帯状テープ7の幅よりも長くなるように設定される。具体的な寸法では、2箇所の帯状領域の幅の合計は、帯状テープ7の幅よりも、4mm〜10mm程度長く形成される。帯状テープ7を接着する際の位置ずれを考慮して、いわゆる遊び幅を確保するためである。
【0051】
第1の副印刷層51は、図10に示すように、印刷層3の一側縁3aから基材フィルム2の一側端部21の縁21aにまで形成されている。もっとも、第1の副印刷層51は、印刷層3の一側縁3aから上記対応する帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい(図示せず)。第1の副印刷層51の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。第1の副印刷層51の幅の上限は、上記対応する帯状領域の幅である。
第2の副印刷層52は、図10に示すように、印刷層3の他側縁3bから基材フィルム2の他側端部22の縁22aにまで形成されている。もっとも、第2の副印刷層52は、印刷層3の他側縁3bから上記対応する帯状領域の幅方向中途部まで形成されていてもよい(図示せず)。第2の副印刷層52の幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上に形成される。第2の副印刷層52の幅の上限は、上記対応する帯状領域の幅である。
【0052】
本実施形態では、基材フィルム2の一側端部21の縁21aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aを突き合わせ、この突き合わせ部分に跨るように帯状テープ7を配置し(つまり、突き合わせ部分を覆うように帯状テープ7を配置する)、該帯状テープ7の裏面と基材フィルム2の一側端部21及び他側端部22の表面とを溶剤接着することにより、上記筒状フィルム1が形成されている。
上記帯状テープ7は、第1の副印刷層51の表面及び第2の副印刷層52の表面に、帯状テープ7の両側縁7a,7bがそれぞれ重なるように配置される。
【0053】
帯状テープ7の幅は、特に限定されず、通常、5mm〜15mm程度である。
また、帯状テープ7は、基材フィルム2と溶剤接着可能な合成樹脂フィルムが用いられる。さらに、帯状テープ7の表面には、第2実施形態と同様の印刷層71が設けられている。
【0054】
本実施形態の筒状フィルム1も第2実施形態と同様に、帯状テープ7の裏面を十分な接着強度を以て溶剤接着することができる。また、上記筒状フィルム1は、帯状テープ7の両側縁7a,7bの外側において、フィルム面が線条に露出しないので、外観的に良好な筒状フィルム1を構成できる。
【0055】
なお、第3実施形態において、基材フィルム2の一側端部21の縁21aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aは、接触させているが、基材フィルム2の一側端部21の縁21aと基材フィルム2の他側端部22の縁22aは、突き合わせていればよいので、前記縁21aと縁22aが、僅かに離れていてもよい。
【実施例】
【0056】
以下、実施例を示し、本発明を更に詳述する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
<使用材料>
(1)基材フィルム:
幅111mm×厚み59μmで長尺状。熱収縮性のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:50μm。熱収縮率:52%)の裏面に、長手方向に線状に塗布された接着剤層(この線状の接着剤層は、幅2mmで、フィルムの幅方向に約3mm間隔で並設されている)を介して、アルミニウム蒸着層を有する非熱収縮性のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み9μm)が積層された積層フィルム((株)麗光製、製品名「リンクルキャップ」)。
(2)インキ(a)
マットニスインキ(大日本インキ化学工業(株)製、製品名「ファインラップマットニス15」)。
(3)インキ(b)
マットニスインキ(大日本インキ化学工業(株)製、製品名「GR−CSマットOPニス ラミックNO.2)。
(4)帯状テープ
幅10mm×厚み45μmの長尺状の2軸延伸のポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂社製、製品名「LX10S」)。
【0057】
<実施例1−1>
上記インキ(a)を用い、基材フィルムの表面に、印刷層と副印刷層を印刷した。図11にその寸法を示している。なお、図11において、印刷層を設けた範囲を網掛けで、副印刷層を設けた範囲を薄墨塗りで、無印刷の範囲を白地で示す。
印刷層は、60線のグラビア印刷版を用い、この印刷版のセルの全てにインキ(a)を含ませて該インキ(a)をベタ状に基材フィルムの表面(具体的には、熱収縮性のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面)に印刷した。副印刷層は、上記、上記印刷層の印刷密度に対して0.75倍の印刷密度とした。具体的には、同60線のグラビア印刷版のセルの総数を1としたとき、そのうち0.25倍のセルにインキ(a)が含まれないように印刷版のセルの一部を均等に潰し、この印刷版を用いて副印刷層を印刷した。
また、帯状テープの表面に、上記印刷層の形成と同様にして、60線のグラビア印刷版の全てのセルにインキ(a)を含ませてベタ状印刷を行った。この帯状テープのヘイズ値は、50%であった。なお、上記印刷層及び副印刷層のヘイズ値は、基材フィルムがアルミニウム蒸着層を有しているため、測定できなかった。
【0058】
得られた印刷済みの長尺状基材フィルムの一側端部の表面に他側端部の裏面を重ね合わせ(重ね合わせ幅:約8mm)、帯状テープの裏面全体に溶剤(ジオキソラン)を塗布しつつ、該帯状テープを前記重ね合わせ部分に跨って接着させて、筒状フィルムを作製した。実施例1では、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を、40m/分で行った。
【0059】
その結果、実施例1−1の筒状フィルムは、帯状テープが、殆ど問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着していた。得られた筒状フィルムは、帯状テープが十分な接着強度で接着しており、実用上、何ら支障のないものであった。
得られた筒状フィルムの帯状テープの両側縁の外側を目視で観察したところ、副印刷層の存在により、印刷抜けが現れることなく、外観上良好であった。
【0060】
<実施例1−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例1−2の筒状フィルムも実施例1−1と同様に、帯状テープが殆ど問題なく、基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0061】
<実施例2−1>
副印刷層の印刷密度0.75倍に代えて、副印刷層の印刷密度を0.5倍にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
実施例2−1の筒状フィルムは、帯状テープが、全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着していた。また、該筒状フィルムは、外観上良好であった。
【0062】
<実施例2−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例2−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例2−2の筒状フィルムも実施例2−1と同様に、帯状テープが全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0063】
<実施例3−1>
副印刷層の印刷密度0.75倍に代えて、副印刷層の印刷密度を0.25倍にしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
実施例3−1の筒状フィルムは、帯状テープが、全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着していた。また、該筒状フィルムは、外観上良好であった。
【0064】
<実施例3−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例3−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例3−2の筒状フィルムも実施例3−1と同様に、帯状テープが全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0065】
<実施例4−1>
インキ(a)に代えて、インキ(b)を用いた(印刷層及び副印刷層の印刷、並びに、帯状テープの印刷にインキ(b)を用いた)こと以外は、実施例1−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例4−1の筒状フィルムも実施例1−1と同様に、帯状テープが殆ど問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0066】
<実施例4−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例4−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例4−2の筒状フィルムも実施例4−1と同様に、帯状テープが殆ど問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0067】
<実施例5−1>
副印刷層の印刷密度0.75倍に代えて、副印刷層の印刷密度を0.5倍にしたこと以外は、実施例4−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例5−1の筒状フィルムは、帯状テープが全く問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【0068】
<実施例5−2>
送り速度40m/分に代えて、基材フィルム及び帯状テープの送り速度を80m/分で行ったこと以外は、実施例5−1と同様にして、長尺状の筒状フィルムを作製した。
この実施例5−2の筒状フィルムは、帯状テープが殆ど問題なく基材フィルムの両側端部の表面に接着しており、又、外観上良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】第1実施形態に係る筒状フィルムの斜視図。印刷層及び副印刷層の形成範囲を判り易く図示するため、印刷層の形成範囲を網掛けで、副印刷層の形成範囲を薄墨塗りで示している(この点、図3(a)、図4、図5、図7(a)、図8、図10、図11も同じ)。
【図2】図1のI−I線で切断した一部省略断面図。
【図3】(a)は、第1実施形態の基材フィルムを表面側から視た平面図、(b)は、そのII−II線断面図、(c)は、変形例の基材フィルムの断面図。
【図4】変形例の基材フィルムを表面側から視た平面図。
【図5】第2実施形態に係る筒状フィルムの斜視図。
【図6】図5のIII−III線で切断した一部省略断面図。
【図7】(a)は、第2実施形態の基材フィルムを表面側から視た平面図、(b)は、そのIV−IV線断面図。
【図8】第3実施形態に係る筒状フィルムの斜視図。
【図9】図8のV−V線で切断した一部省略断面図。
【図10】(a)は、第3実施形態の基材フィルムを表面側から視た平面図、(b)は、そのVI−VI線断面図。
【図11】実施例で作製した基材フィルムの一部省略平面図。
【図12】(a)は、従来の直貼り式筒状フィルムの接着部分を示す一部省略断面図、(b)は、従来のテープ貼り式筒状フィルムの接着部分を示す一部省略断面図。
【符号の説明】
【0070】
1…筒状フィルム、2…基材フィルム、21…基材フィルムの一側端部、21a…一側端部の縁、22…基材フィルムの他側端部、22a…他側端部の縁、3…印刷層、5,51,52…副印刷層、7…帯状テープ、71…帯状テープの印刷層、8…意匠印刷層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部が重ね合わされ、この重ね合わせ部分が溶着されている筒状フィルムであって、
前記印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、
前記印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記副印刷層の表面に基材フィルムの他側端部の縁が重なるように、基材フィルムの一側端部に基材フィルムの他側端部が重ね合わされていることを特徴とする筒状フィルム。
【請求項2】
基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部が重ね合わされ、重ね合わされた他側端部の縁に跨って帯状テープが配置され、この帯状テープが基材フィルムの一側端部の表面と他側端部の表面に溶着されている筒状フィルムであって、
前記印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置し且つその他側縁が基材フィルムの他側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、
前記印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第1の副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記印刷層の他側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第2の副印刷層が、基材フィルムの他側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、前記帯状テープの縁がそれぞれ重なるように、帯状テープが配置されていることを特徴とする筒状フィルム。
【請求項3】
基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の縁と基材フィルムの他側端部の縁が突き合わされ、この突き合わせ部分に跨って帯状テープが配置され、この帯状テープが基材フィルムの一側端部の表面と他側端部の表面に溶着されている筒状フィルムであって、
前記印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置し且つその他側縁が基材フィルムの他側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、
前記印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第1の副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記印刷層の他側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第2の副印刷層が、基材フィルムの他側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、前記帯状テープの縁がそれぞれ重なるように、帯状テープが配置されていることを特徴とする筒状フィルム。
【請求項4】
前記副印刷層の印刷密度が、印刷層の印刷密度の0.2倍〜0.8倍である請求項1〜3のいずれかに記載の筒状フィルム。
【請求項5】
前記筒状フィルムが、周方向に熱収縮する請求項1〜4のいずれかに記載の筒状フィルム。
【請求項1】
基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部が重ね合わされ、この重ね合わせ部分が溶着されている筒状フィルムであって、
前記印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、
前記印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記副印刷層の表面に基材フィルムの他側端部の縁が重なるように、基材フィルムの一側端部に基材フィルムの他側端部が重ね合わされていることを特徴とする筒状フィルム。
【請求項2】
基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の表面に基材フィルムの他側端部が重ね合わされ、重ね合わされた他側端部の縁に跨って帯状テープが配置され、この帯状テープが基材フィルムの一側端部の表面と他側端部の表面に溶着されている筒状フィルムであって、
前記印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置し且つその他側縁が基材フィルムの他側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、
前記印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第1の副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記印刷層の他側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第2の副印刷層が、基材フィルムの他側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、前記帯状テープの縁がそれぞれ重なるように、帯状テープが配置されていることを特徴とする筒状フィルム。
【請求項3】
基材フィルムの印刷層を表側にして基材フィルムを筒状にし、基材フィルムの一側端部の縁と基材フィルムの他側端部の縁が突き合わされ、この突き合わせ部分に跨って帯状テープが配置され、この帯状テープが基材フィルムの一側端部の表面と他側端部の表面に溶着されている筒状フィルムであって、
前記印刷層は、その一側縁が前記基材フィルムの一側端部の縁よりも内側に位置し且つその他側縁が基材フィルムの他側端部の縁よりも内側に位置して形成されており、
前記印刷層の一側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第1の副印刷層が、基材フィルムの一側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記印刷層の他側縁に連続して、印刷層よりも印刷密度の小さい第2の副印刷層が、基材フィルムの他側端部の縁に向かって所定幅形成されており、
前記第1の副印刷層の表面及び第2の副印刷層の表面に、前記帯状テープの縁がそれぞれ重なるように、帯状テープが配置されていることを特徴とする筒状フィルム。
【請求項4】
前記副印刷層の印刷密度が、印刷層の印刷密度の0.2倍〜0.8倍である請求項1〜3のいずれかに記載の筒状フィルム。
【請求項5】
前記筒状フィルムが、周方向に熱収縮する請求項1〜4のいずれかに記載の筒状フィルム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−281836(P2008−281836A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−126653(P2007−126653)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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