筒状ラベル及び長尺積層シートの製造方法
【課題】 本発明は、第1空間部及び第2空間部を利用して2つの商品を纏めて包装でき、その第1空間部及び第2空間部にそれぞれ異なる機能を付与できる筒状ラベルを提供することである。
【解決手段】 本発明の筒状ラベル10は、第1シート1と前記第1シート1よりも幅広の第2シート2とが積層された積層シートを有し、前記積層シートを筒状にしてその両側端部を接着することによって、筒状となった前記第1シート1の内側に第1空間部3が形成され、前記第2シート2の幅と前記第1シート1の幅の差に対応する第2シート2の中途領域5を、前記第1シート1の幅方向中途部から離れて外方に出すことによって、前記中途領域5の内側に第2空間部4が形成されている。
【解決手段】 本発明の筒状ラベル10は、第1シート1と前記第1シート1よりも幅広の第2シート2とが積層された積層シートを有し、前記積層シートを筒状にしてその両側端部を接着することによって、筒状となった前記第1シート1の内側に第1空間部3が形成され、前記第2シート2の幅と前記第1シート1の幅の差に対応する第2シート2の中途領域5を、前記第1シート1の幅方向中途部から離れて外方に出すことによって、前記中途領域5の内側に第2空間部4が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの空間部を利用して少なくとも2つの商品を纏めて包装できる筒状ラベル、及びその筒状ラベルを形成するために用いられ得る長尺積層シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つ以上の商品を1つに纏めて包装できるように、2つの空間部が形成された筒状ラベルが知られている。
例えば、特許文献1の1つの実施形態に係る包装用フィルム構造体は、第1フィルムの両側が折り返され、接着剤層を介して第1フィルムの折り返された両側部同士を接続することによって第1の空間が形成され、第1フィルムの折り返された部位の少なくとも一部を覆うように第2フィルムの両側部が接着剤層を介して第1フィルムの表面に接着されることによって第2の空間が形成されている(特許文献1の[0021]〜[0023]及び図2等)。
また、特許文献1に示されている従来の包装用フィルム構造体は、1枚のフィルムをe字状に折り曲げ、その一方の側部をフィルムの表面に接着し且つ他方の側部をフィルムの裏面に接着することにより、第1及び第2の空間が形成されている(特許文献1の[0004]、[0005]、図7及び図8等)
【0003】
しかしながら、上記前者の包装用フィルム構造体においては、第2フィルムの両側部が第1フィルムの表面に接着されているので、構造体の表面に2箇所の接着部分が存在する。接着部分は外観を損ねるので、表面に現れる接着部分がより少ないことが好ましい。さらに、前記接着部分においては第2フィルムの縁が第1フィルムに接着せずに少し捲れることがある。このような理由から、表面に現れる接着部分は少ない方が好ましいが、前者の構造体においてはそれが2箇所存在している。
【0004】
一方、後者の包装用フィルム構造体においては、1枚のフィルムを折り返して第1及び第2の空間を形成しているため、第1及び第2の空間を形成するフィルムが同じである。従って、第1の空間と第2の空間にそれぞれ異なった機能を付与できない。
例えば、第1の空間内を透視可能とするためには第1の空間を透明フィルムで形成し、第2の空間内に断熱を付与するためには第2の空間を不織布や発泡樹脂シート(これらは不透明なシートである)で形成しなければならないが、上記後者の包装用フィルム構造体においては、かかる構成とすることが非常に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3110823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、第1空間部及び第2空間部にそれぞれ異なる機能を付与できる筒状ラベルを提供することである。
本発明の第2の目的は、第1空間部及び第2空間部を有する筒状ラベルを形成するために用いられる長尺積層シートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の筒状ラベルは、第1シートと前記第1シートよりも幅広の第2シートとが積層された積層シートを有し、前記積層シートを筒状にしてその両側端部を接着することによって、筒状となった前記第1シートの内側に第1空間部が形成され、前記第2シートの幅と前記第1シートの幅の差に対応する第2シートの中途領域を、前記第1シートの幅方向中途部から離して外方に出すことによって、前記中途領域の内側に第2空間部が形成されている。
【0008】
上記本発明の筒状ラベルにおいては、積層シートの両側端部を接着して筒状としているため、そのラベルの表面に、接着部分が1箇所しか現れない。従って、上記筒状ラベルは、上記従来の構造体に比して、外観上優れている。
また、第1空間部は、第1シートと第2シートが積層された積層シートの第1シートの内側に形成され、第2空間部は、第2シートの中途領域の内側に形成されている。従って、例えば、第1シート及び第2シートとして異なるシートをそれぞれ用いることにより、この第1シート及び第2シートに応じた機能を第1空間部及び第2空間部に付与できる。
【0009】
好ましい例では、前記第1シートが不透明であり、前記第2シートが熱収縮性を有し且つ透明である。
この場合、不透明な第1シートによって第1空間部内を外部から透視できず、一方、透明な第2シートによって第2空間部を外部から透視できる。また、第2シートは熱収縮性を有するので、熱を加えることによって第2空間部内に入れられた商品に第2シートが密着し、これを保持できる。
【0010】
さらに、好ましい例では、前記第2シートの中途領域の一方縁と他方縁が、接している又は近接している。
このように第2シートの中途領域の一方縁と他方縁が接する又は近接するようにすれば、筒状とされた第1シートの周囲を覆うように、第2シートが積層接着される。従って、第1シートが非熱収縮性のシートである場合でも、加熱時に、第2シートの熱収縮力によって第1空間部を略均等に縮めることが可能となる。
【0011】
本発明の別の局面によれば、長尺積層シートの製造方法を提供する。
この長尺積層シートの製造方法は、長尺状の第1シート原反と長尺状の第2シート原反を接着剤を介して接着するにあたり、前記第2シート原反の短手方向の中途部分を、外側に出し、その出した部分を前記第2シート原反の表面側に折り畳んだ後、中途部分を折り畳んだ前記第2シート原反の裏面を、前記第1シート原反の表面に接着剤を介して接着する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の筒状ラベルは、第1空間部及び第2空間部にそれぞれ異なる機能を付与できる。例えば、第1シートとして不織布や発泡樹脂シートを用い且つ第2シートとして透明なシートを用いることにより、第1空間部に断熱性を付与し、且つ第2空間部内を外部から透視できる。
また、本発明の長尺積層シートの製造方法によれば、第2シート原反の中途部分が第1シート原反に非接着とされた長尺積層シートを簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る筒状ラベルの正面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】本発明の変形例に係る筒状ラベルを、図2と同様な方向で切断した断面図。
【図4】本発明の他の変形例に係る筒状ラベルを、図2と同様な方向で切断した断面図。
【図5】本発明の他の変形例に係る筒状ラベルを、図2と同様な方向で切断した断面図。
【図6】本発明の1つの実施形態に係る長尺積層シートの製造ラインを示す概略参考図。
【図7】図6のVII−VII線で切断した参考端面図。
【図8】図6のVIII−VIII線で切断した参考端面図。
【図9】図6のIX−IX線で切断した参考端面図。
【図10】同製造方法で得られた長尺積層シートの一部省略斜視図。
【図11】本発明の長尺積層シートの製造方法において、接着剤の塗工範囲の変形例をを示す断面図。
【図12】同製造方法の変形例で得られた長尺積層シートの一部省略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、接頭語として第1及び第2を付すが、該接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、その順序や優劣などを意味しない。
【0015】
[筒状ラベル]
図1及び図2に於いて、10は、積層シートから構成され、第1空間部3及び第2空間部4の2つの空間部を有する筒状ラベルを示す。
第1空間部3及び第2空間部4は、筒状ラベル10の縦方向Yに延びる空洞部分である。本実施形態では、第1空間部3及び第2空間部4は、上下(筒状ラベル10の縦方向Yの両端)に貫通する空洞部分とされている。なお、第1空間部3及び第2空間部4は、このように上下に開口を有する空洞部分に限定されるわけではない。
【0016】
なお、筒状ラベル10の縦方向Yは、筒状ラベル10の周方向Xを含む面に対して直交する方向である。
本実施形態では、第1空間部3の内面の周長さは、第2空間部4の内面の周長さよりも長く設定されている。もっとも、第1空間部3及び第2空間部4の各周長さが略同じでもよいし、或いは、第2空間部4の内面の周長さが第1空間部3のそれよりも長く設定されていてもよい。
【0017】
前記積層シートは、積層された第1シート1と第2シート2とを有する。本発明の積層シートは、第1シート1及び第2シート2の重ね合わせ面が接着剤を介して接着されている点において、一般的なラベルに用いられている積層シートと同様であるが、第2シート2の一部の領域が第1シート1の表面に接着しておらず、その領域が第1シート1の表面から離れて外方に突出している点において、一般的なラベルに用いられている積層シートと相違している。
【0018】
具体的には、第1シート1は、所定幅の平面視略矩形状のシートからなる。第2シート2は、第1シート1の幅(幅方向の長さ)よりも広い幅を有する平面視略矩形状のシートからなる。
第1シート1の幅は、特に限定されず、適宜設定される。第1シート1の幅は、第1空間部3の内面の周長さにほぼ等しい。このため、第1空間部3の大きさを考慮して、第1シート1の幅が決定される。
なお、幅方向とは、積層フィルムが筒状とされたときの周方向X(筒状ラベル10の周方向X)に相当する。
【0019】
第2シート2の幅は、第1シート1のそれよりも長いことを条件として特に限定されず、適宜設定される。本実施形態では、第2シート2の幅と第1シート1の幅の差は、第2空間部4の内面の周長さにほぼ等しい。このため、第2空間部4の大きさを考慮して、第2シート2の幅が決定される。
【0020】
図2に示すように、第1シート1の一方の側縁と第2シート2の一方の側縁が略一致するように揃えられ且つ第1シート1の他方の側縁と第2シート2の他方の側縁が略一致するように揃えられ、第1シート1と第2シート2は重ねられている。
【0021】
第2シート2は、第1シート1よりも幅広である。この第2シート2の幅と第1シート1の幅の差に対応する第2シート2の中途領域5(中途領域5の幅方向の長さ≒第2シート2の幅−第1シート1の幅)は、第1シート1に接着しておらず、第1シート1の幅方向中途部から離れて外方に出されている。従って、第2シート2の中途領域5を除いて、第1シート1の表面と第2シート2の裏面は、接着剤(図示せず)を介して接着されている。
なお、中途とは、幅方向の中央という限定的な意味ではなく、幅方向の任意の部分を意味する。
【0022】
上記積層シートを筒状にして、その両側端部を接着することによって、筒状となった前記第1シート1の内側に第1空間部3が形成され且つ筒状となった第2シート2の中途領域5の内側に第2空間部4が形成されている。
より具体的には、積層シートの一方の側端部の裏面(第1シート1の一方の側端部の裏面)を、積層シートの他方の側端部の表面(第2シート2の他方の側端部の表面)に重ね合わせる。この重ね合わせ部分6を、接着剤又は溶剤などを用いて接着することにより、積層シートが筒状に形成されている。この重ね合わせて接着した部分6は、通常、センターシール部と呼ばれる。この部分6は、筒状ラベル10の表面に現れるが、この部分6は1箇所だけである。つまり、積層シートの一方の縁だけが筒状ラベル10の表面に露出している。これは、一般的な筒状ラベル(筒状の空間部が1つしかない筒状ラベル)と同様である。
【0023】
積層シートを筒状にすると第1シート1も筒状になり、従って、その第1シート1の内側に上記第1空間部3が形成される。
また、第2シート2の中途領域5は第1シート1の表面に接着しておらず且つその中途領域5の内面同士も接着していないので、第2シート2の中途領域5の内側に筒状の上記第2空間部4が形成される。
【0024】
特に、第2シート2の中途領域5の一方縁5aと他方縁5bは、接している又は近接している。従って、前記中途領域5の一方縁5aと他方縁5bの間には、ほとんど第1シート1が存在していない。このように第2シート2の中途領域5の一方縁5aと他方縁5bが接する又は近接するようにすれば、筒状とされた第1シート1の周囲を覆うように、第2シート2が積層接着される。
後述するように、第1シート1が非熱収縮性のシートで且つ第2シート2が熱収縮性のシートである場合には、加熱時に、第2シート2の収縮力によって第1シート1が収縮する。上記第1シート1の周囲を覆うように第2シート2が積層されていれば、加熱時に第2シート2によって第1シート1の略全体を収縮させることができる。従って、加熱時に第1空間部3が略均等に縮まるので、第1商品に対する密着斑やラベルの皺などを防止できる。
なお、前記近接は、中途領域5の一方縁5aと他方縁5bの間の長さが10mm以下である場合を含む。
【0025】
第1シート1及び第2シート2は、特に限定されず、適宜なシートを用いることができる。好ましくは、第1シート1及び第2シート2の少なくとも何れか一方が熱収縮性を有するシートであり、より好ましくは少なくとも第2シート2が熱収縮性を有するシートである。このように熱収縮性のシートを用いることにより、本発明の筒状ラベル10は、加熱によって第1商品に装着できる、熱収縮性筒状ラベルとなる。
また、好ましくは第1シート1及び第2シート2の少なくとも何れか一方が透明なシートであり、より好ましくは第2シート2が透明で且つ第1シート1が不透明なシートである。
なお、第1シート1及び第2シート2には、必要に応じて、商品名、絵柄などのデザイン表示が印刷によって設けられる。
【0026】
前記熱収縮性のシートとしては、幅方向(筒状とした場合に周方向X)に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)が約30%以上、好ましくは約40%以上、より好ましくは約50%以上のシートが例示される。前記熱収縮性のシートは、縦方向(シートの面内で前記幅方向に直交する方向)に若干熱収縮してもよく、かかる縦方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、例えば、約−3〜15%である。
なお、非熱収縮性のシートとしては、幅方向及び縦方向に於ける熱収縮率(同上)がそれぞれ約5%以下のシートが例示される。
第1シート1が非熱収縮性のシートである場合には、この第1シート1を収縮させるために、第2シート2として、幅方向に於ける熱収縮率が約50%以上の熱収縮性のシートを用いることが好ましい。
但し、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
【0027】
また、前記透明なシートとは、そのシートの外側から内側の表示を見たときに(シートを介して内側の表示を見たときに)、その内側の表示が視認できるようなシートをいい、前記非透明なシートとは、そのシートの外側から内側の表示を見たときに(シートを介して内側の表示を見たときに)、その内側の表示が視認できないようなシートをいう。
具体的には、透明なシートとしては、例えば、光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上のシートが例示される。
また、不透明なシートとしては、例えば、光線透過率が50%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下のシートが例示される。
但し、光線透過率は、JIS K 7361に準拠した測定法により、可視光領域における測定値をいう。
【0028】
使用される第1シート1及び第2シート2は、特に限定されず、合成樹脂シート、発泡樹脂シート、不織布、合成紙及びこれらの積層体などが挙げられる。前記積層体としては、例えば、2種以上の合成樹脂シートの積層体、合成樹脂シートと不織布との積層体などが挙げられる。さらに、前記合成樹脂シートなどに機能層が設けられたシートを用いてもよい。機能層としては、ガス及び/又は光バリア層や表面保護層などが挙げられる。
合成樹脂シート、発泡樹脂シート及び不織布の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物などが挙げられる。
【0029】
合成樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、20μm〜100μmが例示される。不織布の厚みは、特に限定されないが、50μm〜200μmが例示される。発泡樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、50μm〜150μmが例示される。
合成樹脂シート、発泡樹脂シート及び不織布は、熱収縮性のもの又は非熱収縮性のものを適宜選択して使用できる。
【0030】
好ましい実施形態では、第1シート1は、不透明で且つ非熱収縮性のシートであり、第2シート2は、透明で且つ熱収縮性を有するシートである。
より好ましい実施形態では、第1シート1は、非熱収縮性の不織布又は発泡樹脂シート(不織布及び発泡樹脂シートは、通常、不透明である)であり、第2シート2は、透明且つ熱収縮性を有する合成樹脂シートである。前記より好ましい実施形態によれば、第1空間部3に断熱性(及び緩衝性)を付与でき、一方、第2空間部4に視認性(第2空間部4内に入れた商品を外部から視認できる機能)を付与できる。
【0031】
本発明の筒状ラベル10は、例えば、下記のようにして使用される。
第1空間部3を第1商品A(図1の二点鎖線で示す)に挿入し、第2空間部4内に第2商品B(同前)を挿入する。
第1商品Aとしては、特に限定されず、例えば、飲料を入れた容器、ヨーグルトなどの食品を入れた容器、化粧品を入れた容器などが挙げられる。第2商品Bとしては、特に限定されず、例えば、おまけのような販促品、第1商品の用に供するもの(スプーンなど)などが挙げられる。
【0032】
第1シート1及び第2シート2が何れも非熱収縮性のシートである場合には、接着剤を用いた接着法や一部を溶融させる付着法などによって、第1空間部3を形成している第1シート1を第1商品Aに固定する。さらに、第2空間部4を形成している第2シート2の中途領域5の上下開口を閉塞して第2商品Bが抜け出ないようにする。
【0033】
少なくとも第2シート2が熱収縮性のシートである場合には、筒状ラベル10に、所定温度(例えば、100℃など)の熱を加える。加熱によって、少なくとも第2シート2が収縮する。第1シート1が非熱収縮性であっても、第2シート2の収縮力によって、第1シート1も追従して収縮する(つまり、積層シートが収縮する)。積層シートが熱収縮することによって第1空間部3の内面が第1商品Aに強く密着する。同時に、第2空間部4を形成している第2シート2の中途領域5が熱収縮することによって、その領域5が第2商品Bに密着する。
このようにして、本発明の筒状ラベル10を介して、第1商品Aと第2商品Bを纏めることができる。
【0034】
本発明の筒状ラベル10の表面には、シートの接着部分(センターシール部)が1箇所しか現れない。
また、本発明の筒状ラベル10においては、第1シート1及び第2シート2をそれぞれ異なったシートとすることにより、その第1シート1及び第2シート2に応じた機能を第1空間部3及び第2空間部4に付与できる。
【0035】
なお、本発明の筒状ラベル10は、上記に示した形態に限られず、適宜変更できる。以下、本発明の変形例について説明するが、上記実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号を援用する。
上記実施形態では、第1シート1の両側縁と第2シート2の両側縁が略一致するように揃えられているが、必ずしも両側縁同士が揃えられている場合に限定されない。
【0036】
例えば、図3に示すように、第1シート1の一方の側縁が第2シート2の一方の側縁よりも少し内側に寄って、第1シート1と第2シート2が積層接着されていてもよい。
この場合、第2シート2の一方の側端部の裏面2b側が帯状に露出する。この帯状に裏面が露出した部分は、センターシール部を形成するための部分であり、通常、その帯状裏面露出部分の幅は、3mm〜10mm程度である。この第2シート2の一方の側端部の裏面2b(帯状裏面露出部分)を、第2シート2の他方の側端部の表面に接着してセンターシール部を構成できる。つまり、第2シート2の裏面と表面とを接着してセンターシール部を構成できる。この変形例は、第1シート1と第2シート2が互いに接着し難いシートである場合に特に有効である。
【0037】
また、上記実施形態では、第2シート2の中途領域5の一方縁5aと他方縁5bが接している又は近接しているが、図4に示すように、この一方縁5aと他方縁5bが十分に離れていてもよい。
この場合、第2空間部4は、第2シート2の中途領域5の内側と第1シート1の表面の一部領域1bとによって囲われた空間となる。
【0038】
さらに、上記実施形態では、1つの筒状ラベル10に対して1つの第2空間部4が形成されているが、第2空間部4を2つ以上形成してもよい。具体的には、第1シート1の幅方向中途において、所定間隔を開けた2箇所から第2シート2の中途領域5をそれぞれ外方に出すことにより、図5に示すように、1つの第1空間部3と2つの第2空間部4を有する筒状ラベル10が得られる。
この変形例の場合も、第2シート2の中途領域5は、第2シート2の幅と第1シート1の幅の差に対応しており、中途領域5の幅方向の長さ(2つの中途領域の幅方向の長さの合計)≒第2シート2の幅−第1シート1の幅となっている。
【0039】
[長尺積層シートの製造方法]
次に、本発明の長尺積層シートの製造方法について説明する。
なお、長尺とは、幅方向に対して直交する方向の長さが、幅方向の長さよりも十分に長いことをいう。例えば、幅方向に対して直交する方向(以下、この方向を長手方向という)の長さが、幅方向(以下、短手方向という)の長さに対して10倍以上、好ましくは20倍以上である場合が挙げられる。
【0040】
上記第1シート1が連続的に繋がった長尺状の第1シート(以下、長尺状の第1シートを、第1シート原反1Lという)と、上記第2シート2が連続的に繋がった長尺状の第2シート(以下、長尺状の第2シートを、第2シート原反2Lという)とを準備する。
なお、第1シート原反1L及び第2シート原反2Lの材質や機能などは、上記筒状ラベル10の欄で例示したものから適宜選択される。
【0041】
図6に示すように、ラミネート装置のラインの上流側に第2シート原反2Lを装填する。
なお、通常、第1シート原反1L及び第2シート原反2Lは、ロールに巻き取られた状態で供給され、ラインに装填される。
このロールから第2シート原反2Lをラインの下流側に送り出す。
【0042】
図7にも示すように、ラインの途中で、第2シート原反2Lの短手方向Wの中途部分21Lを、外側(図示例では下側)に出す。例えば、ラインの途中に、押し込み部材7を設けることによって、前記第2シート原反2Lの中途部分21Lを外側に押し出すことができる。
この押し込み部材7は、傾斜面71を有する。押し込み部材7の傾斜面71をラインの上流側に向け且つ押し込み部材7の下端部72がラインの水平面(押し込み部材7に接する前の第2シート原反2Lの裏面)よりも外側に出るように、前記押し込み部材7を設置する。
このように押し込み部材7を設置することにより、第2シート原反2Lの破損などが生じず、下流側に送られる第2シート原反2Lの中途部分21Lを、良好に外側に出すことができる。
【0043】
次に、図8にも示すように、外側に出した第2シート原反2Lの短手方向の中途部分21Lを第2シート原反2Lの表面2La側に折り畳む。折り畳んだ第2シート原反2Lが殆ど平面状と同一視できる程度にできれば、折り畳み方は特に限定されない。図示例では、略Z字状に折り畳んでいる。
このように第2シート原反2Lの表面2La側に接するように中途部分21Lを折り畳むと、その中途部分21Lの内側(中途部分21Lにおける第2シート原反2Lの裏面2Lb)が露出することがない。
【0044】
なお、図示例では、折り畳まれる中途部分21Lは、第2シート原反2Lの短手方向の中途の1箇所だけであるが、第2シート原反2Lの短手方向において所定間隔を開けた2箇所以上の部分で、同様にして折り畳んでもよい。この場合、第2シート原反2Lの短手方向に所定間隔を開けて上記中途部分21Lが2箇所以上並んで形成されることになる。このように複数箇所で折り畳む場合、通常、第2シート原反2Lとして幅広のシート原反が用いられる。この場合、最終的に得られる長尺積層シートは、短手方向に複数の中途部分2Lが並んでいるので、これを適宜長手方向に沿って切断することにより、1つの中途部分2L又は2つ以上の中途部分2Lが長手方向に延びる長尺積層シートが得られる。
【0045】
次に、図9に示すように、中途部分21Lを折り畳んだ第2シート原反2Lの裏面2Lb上に、接着剤8を塗工する。接着剤8は、通常、その裏面2Lb上にベタ状に塗工される。上述のように、中途部分21Lの内側は露出していないので、前記裏面2Lb上に接着剤8を塗工しても、接着剤8が折り畳んだ中途部分21Lの内側に殆ど入り込まない。
接着剤8としては、特に限定されず、従来公知の接着剤を用いることができる。例えば、ドライラミネート用接着剤、ウェットラミネート用接着剤、感熱性接着剤、光線硬化型接着剤などが挙げられる。接着剤を塗工した後、接着剤及び接着方法の種類に応じて、適宜な処理が行われる。例えば、ドライラミネート用接着剤を用いた場合には、接着剤の塗工後且つ他方のシートを重ね合わせる前に、接着剤に含まれる溶剤回収処理が行われる。
【0046】
また、第2シート原反2Lの裏面2Lbに接着剤を塗工する方式に代えて、第1シート原反1Lの表面1Laに前記接着剤を塗工してもよい。第1シート原反1L及び第2シート原反2Lの何れに接着剤を塗工しても両シート原反1L,2Lを接着できる。もっとも、第1シート原反1L及び第2シート原反2Lの何れか一方が不織布である場合には、不織布でない方のシート原反に、接着剤を塗工する方がよい。不織布に接着剤を塗工すると、接着剤がそれに浸み込み易く、多量の接着剤が必要となる。
【0047】
最後に、第2シート原反2Lの裏面2Lb上に、第1シート原反1Lの表面1Laを重ね合わせる(図9参照)。
このようにして、図10に示すような、第2シート原反2Lの中途部分21Lを除く第2シート2の裏面2Lbと第1シート1の表面1Laとが積層接着された長尺積層シート10Lが得られる。この非接着の中途部分21Lは、長尺積層シート10Lの長手方向Zに延びている。
必要に応じて、得られた長尺積層シート10Lの一方の側端部及び/又は他方の側端部を長手方向Zに沿って裁断してもよい(第1シート原反1Lと第2シート原反2Lの側縁の耳揃え処理)。
長尺積層シート10Lは、ロールに巻かれた状態で、運搬及び保管に供される。
【0048】
なお、図10では、第2シート2の中途部分21Lが外側に環状に膨らんで表されているが、これは、中途部分21Lが非接着であることを判りやすく表したものである。通常、得られた長尺積層シート10Lは、第2シート2の中途部分21Lが折り畳まれた状態となっていることに留意されたい。
【0049】
本発明の製造方法によれば、第1シート原反1L及び第2シート原反2Lを有し且つ第2シート原反2Lの中途部分21Lが第1シート原反1Lから離れて非接着とされた長尺積層シート10Lを簡単に製造できる。
本発明の長尺積層シート10Lを適宜の長さに裁断し、それを筒状にして両側端部を接着して1つのセンターシール部を形成することにより、図2に示すような筒状ラベル10を得ることができる。
【0050】
また、本発明の長尺積層シート10Lを適宜な形状に裁断した後、それを第1商品(第1シート1の裏面を商品側に向けて)に巻き付けることによって第1商品に装着でき、且つ、第2シート2の中途部分21Lの内側に第2商品を入れて保持できる。このような使用方法でも、上記筒状ラベル10と同様に、第1商品及び第2商品を纏めることができる。
さらに、本発明の長尺積層シート10Lを適宜な形状に裁断し、その第1シート1の裏面に粘着剤を塗工することにより、粘着ラベルを構成できる。この粘着ラベルを粘着剤を介して第1商品に貼り付け、且つ、第2シート2の中途部分21Lの内側に第2商品を入れて保持できる。このような使用方法でも、上記筒状ラベル10と同様に、第1商品及び第2商品を纏めることができる。
【0051】
なお、上記製造方法の実施形態において、中途部分21Lを折り畳んだ第2シート原反2Lの裏面2Lb上に、接着剤8をベタ状に塗工しているが、例えば、図11に示すように、中途部分21Lを折り畳んだ第2シート原反2Lの裏面2Lb上であって、折り畳み基部A1を中心とする所定幅の左右領域B1,B2を除いて、接着剤8を塗工してもよい。具体的には、中途部分21Lを折り畳んだ第2シート原反2Lの裏面2Lb上のうち、この第2シート原反2Lの一方縁から折り畳み基部A1の近傍までの領域及び第2シート原反2Lの他方縁から折り畳み基部A1の近傍までの領域に、それぞれ接着剤8をベタ状に塗工してもよい。このように接着剤8を塗工した後、第1シート原反1Lを貼り合わせることにより、図12に示すような長尺積層シート10が得られる。
この長尺積層シート10を適宜の長さに裁断し、それを筒状にして両側端部を接着して1つのセンターシール部を形成することにより、図4に示すような筒状ラベル10を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の筒状ラベルは、少なくとも2つの商品を纏める包装材として利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1…第1シート、2…第2シート、3…第1空間部、4…第2空間部、5…第2シートの中途領域、10…筒状ラベル、1L…第1シート原反、2L…第2シート原反、21L…第2シート原反の中途部分、10L…長尺積層シート
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの空間部を利用して少なくとも2つの商品を纏めて包装できる筒状ラベル、及びその筒状ラベルを形成するために用いられ得る長尺積層シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つ以上の商品を1つに纏めて包装できるように、2つの空間部が形成された筒状ラベルが知られている。
例えば、特許文献1の1つの実施形態に係る包装用フィルム構造体は、第1フィルムの両側が折り返され、接着剤層を介して第1フィルムの折り返された両側部同士を接続することによって第1の空間が形成され、第1フィルムの折り返された部位の少なくとも一部を覆うように第2フィルムの両側部が接着剤層を介して第1フィルムの表面に接着されることによって第2の空間が形成されている(特許文献1の[0021]〜[0023]及び図2等)。
また、特許文献1に示されている従来の包装用フィルム構造体は、1枚のフィルムをe字状に折り曲げ、その一方の側部をフィルムの表面に接着し且つ他方の側部をフィルムの裏面に接着することにより、第1及び第2の空間が形成されている(特許文献1の[0004]、[0005]、図7及び図8等)
【0003】
しかしながら、上記前者の包装用フィルム構造体においては、第2フィルムの両側部が第1フィルムの表面に接着されているので、構造体の表面に2箇所の接着部分が存在する。接着部分は外観を損ねるので、表面に現れる接着部分がより少ないことが好ましい。さらに、前記接着部分においては第2フィルムの縁が第1フィルムに接着せずに少し捲れることがある。このような理由から、表面に現れる接着部分は少ない方が好ましいが、前者の構造体においてはそれが2箇所存在している。
【0004】
一方、後者の包装用フィルム構造体においては、1枚のフィルムを折り返して第1及び第2の空間を形成しているため、第1及び第2の空間を形成するフィルムが同じである。従って、第1の空間と第2の空間にそれぞれ異なった機能を付与できない。
例えば、第1の空間内を透視可能とするためには第1の空間を透明フィルムで形成し、第2の空間内に断熱を付与するためには第2の空間を不織布や発泡樹脂シート(これらは不透明なシートである)で形成しなければならないが、上記後者の包装用フィルム構造体においては、かかる構成とすることが非常に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3110823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、第1空間部及び第2空間部にそれぞれ異なる機能を付与できる筒状ラベルを提供することである。
本発明の第2の目的は、第1空間部及び第2空間部を有する筒状ラベルを形成するために用いられる長尺積層シートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の筒状ラベルは、第1シートと前記第1シートよりも幅広の第2シートとが積層された積層シートを有し、前記積層シートを筒状にしてその両側端部を接着することによって、筒状となった前記第1シートの内側に第1空間部が形成され、前記第2シートの幅と前記第1シートの幅の差に対応する第2シートの中途領域を、前記第1シートの幅方向中途部から離して外方に出すことによって、前記中途領域の内側に第2空間部が形成されている。
【0008】
上記本発明の筒状ラベルにおいては、積層シートの両側端部を接着して筒状としているため、そのラベルの表面に、接着部分が1箇所しか現れない。従って、上記筒状ラベルは、上記従来の構造体に比して、外観上優れている。
また、第1空間部は、第1シートと第2シートが積層された積層シートの第1シートの内側に形成され、第2空間部は、第2シートの中途領域の内側に形成されている。従って、例えば、第1シート及び第2シートとして異なるシートをそれぞれ用いることにより、この第1シート及び第2シートに応じた機能を第1空間部及び第2空間部に付与できる。
【0009】
好ましい例では、前記第1シートが不透明であり、前記第2シートが熱収縮性を有し且つ透明である。
この場合、不透明な第1シートによって第1空間部内を外部から透視できず、一方、透明な第2シートによって第2空間部を外部から透視できる。また、第2シートは熱収縮性を有するので、熱を加えることによって第2空間部内に入れられた商品に第2シートが密着し、これを保持できる。
【0010】
さらに、好ましい例では、前記第2シートの中途領域の一方縁と他方縁が、接している又は近接している。
このように第2シートの中途領域の一方縁と他方縁が接する又は近接するようにすれば、筒状とされた第1シートの周囲を覆うように、第2シートが積層接着される。従って、第1シートが非熱収縮性のシートである場合でも、加熱時に、第2シートの熱収縮力によって第1空間部を略均等に縮めることが可能となる。
【0011】
本発明の別の局面によれば、長尺積層シートの製造方法を提供する。
この長尺積層シートの製造方法は、長尺状の第1シート原反と長尺状の第2シート原反を接着剤を介して接着するにあたり、前記第2シート原反の短手方向の中途部分を、外側に出し、その出した部分を前記第2シート原反の表面側に折り畳んだ後、中途部分を折り畳んだ前記第2シート原反の裏面を、前記第1シート原反の表面に接着剤を介して接着する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の筒状ラベルは、第1空間部及び第2空間部にそれぞれ異なる機能を付与できる。例えば、第1シートとして不織布や発泡樹脂シートを用い且つ第2シートとして透明なシートを用いることにより、第1空間部に断熱性を付与し、且つ第2空間部内を外部から透視できる。
また、本発明の長尺積層シートの製造方法によれば、第2シート原反の中途部分が第1シート原反に非接着とされた長尺積層シートを簡単に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る筒状ラベルの正面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】本発明の変形例に係る筒状ラベルを、図2と同様な方向で切断した断面図。
【図4】本発明の他の変形例に係る筒状ラベルを、図2と同様な方向で切断した断面図。
【図5】本発明の他の変形例に係る筒状ラベルを、図2と同様な方向で切断した断面図。
【図6】本発明の1つの実施形態に係る長尺積層シートの製造ラインを示す概略参考図。
【図7】図6のVII−VII線で切断した参考端面図。
【図8】図6のVIII−VIII線で切断した参考端面図。
【図9】図6のIX−IX線で切断した参考端面図。
【図10】同製造方法で得られた長尺積層シートの一部省略斜視図。
【図11】本発明の長尺積層シートの製造方法において、接着剤の塗工範囲の変形例をを示す断面図。
【図12】同製造方法の変形例で得られた長尺積層シートの一部省略斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、接頭語として第1及び第2を付すが、該接頭語は、用語を区別するために付加されたものであり、その順序や優劣などを意味しない。
【0015】
[筒状ラベル]
図1及び図2に於いて、10は、積層シートから構成され、第1空間部3及び第2空間部4の2つの空間部を有する筒状ラベルを示す。
第1空間部3及び第2空間部4は、筒状ラベル10の縦方向Yに延びる空洞部分である。本実施形態では、第1空間部3及び第2空間部4は、上下(筒状ラベル10の縦方向Yの両端)に貫通する空洞部分とされている。なお、第1空間部3及び第2空間部4は、このように上下に開口を有する空洞部分に限定されるわけではない。
【0016】
なお、筒状ラベル10の縦方向Yは、筒状ラベル10の周方向Xを含む面に対して直交する方向である。
本実施形態では、第1空間部3の内面の周長さは、第2空間部4の内面の周長さよりも長く設定されている。もっとも、第1空間部3及び第2空間部4の各周長さが略同じでもよいし、或いは、第2空間部4の内面の周長さが第1空間部3のそれよりも長く設定されていてもよい。
【0017】
前記積層シートは、積層された第1シート1と第2シート2とを有する。本発明の積層シートは、第1シート1及び第2シート2の重ね合わせ面が接着剤を介して接着されている点において、一般的なラベルに用いられている積層シートと同様であるが、第2シート2の一部の領域が第1シート1の表面に接着しておらず、その領域が第1シート1の表面から離れて外方に突出している点において、一般的なラベルに用いられている積層シートと相違している。
【0018】
具体的には、第1シート1は、所定幅の平面視略矩形状のシートからなる。第2シート2は、第1シート1の幅(幅方向の長さ)よりも広い幅を有する平面視略矩形状のシートからなる。
第1シート1の幅は、特に限定されず、適宜設定される。第1シート1の幅は、第1空間部3の内面の周長さにほぼ等しい。このため、第1空間部3の大きさを考慮して、第1シート1の幅が決定される。
なお、幅方向とは、積層フィルムが筒状とされたときの周方向X(筒状ラベル10の周方向X)に相当する。
【0019】
第2シート2の幅は、第1シート1のそれよりも長いことを条件として特に限定されず、適宜設定される。本実施形態では、第2シート2の幅と第1シート1の幅の差は、第2空間部4の内面の周長さにほぼ等しい。このため、第2空間部4の大きさを考慮して、第2シート2の幅が決定される。
【0020】
図2に示すように、第1シート1の一方の側縁と第2シート2の一方の側縁が略一致するように揃えられ且つ第1シート1の他方の側縁と第2シート2の他方の側縁が略一致するように揃えられ、第1シート1と第2シート2は重ねられている。
【0021】
第2シート2は、第1シート1よりも幅広である。この第2シート2の幅と第1シート1の幅の差に対応する第2シート2の中途領域5(中途領域5の幅方向の長さ≒第2シート2の幅−第1シート1の幅)は、第1シート1に接着しておらず、第1シート1の幅方向中途部から離れて外方に出されている。従って、第2シート2の中途領域5を除いて、第1シート1の表面と第2シート2の裏面は、接着剤(図示せず)を介して接着されている。
なお、中途とは、幅方向の中央という限定的な意味ではなく、幅方向の任意の部分を意味する。
【0022】
上記積層シートを筒状にして、その両側端部を接着することによって、筒状となった前記第1シート1の内側に第1空間部3が形成され且つ筒状となった第2シート2の中途領域5の内側に第2空間部4が形成されている。
より具体的には、積層シートの一方の側端部の裏面(第1シート1の一方の側端部の裏面)を、積層シートの他方の側端部の表面(第2シート2の他方の側端部の表面)に重ね合わせる。この重ね合わせ部分6を、接着剤又は溶剤などを用いて接着することにより、積層シートが筒状に形成されている。この重ね合わせて接着した部分6は、通常、センターシール部と呼ばれる。この部分6は、筒状ラベル10の表面に現れるが、この部分6は1箇所だけである。つまり、積層シートの一方の縁だけが筒状ラベル10の表面に露出している。これは、一般的な筒状ラベル(筒状の空間部が1つしかない筒状ラベル)と同様である。
【0023】
積層シートを筒状にすると第1シート1も筒状になり、従って、その第1シート1の内側に上記第1空間部3が形成される。
また、第2シート2の中途領域5は第1シート1の表面に接着しておらず且つその中途領域5の内面同士も接着していないので、第2シート2の中途領域5の内側に筒状の上記第2空間部4が形成される。
【0024】
特に、第2シート2の中途領域5の一方縁5aと他方縁5bは、接している又は近接している。従って、前記中途領域5の一方縁5aと他方縁5bの間には、ほとんど第1シート1が存在していない。このように第2シート2の中途領域5の一方縁5aと他方縁5bが接する又は近接するようにすれば、筒状とされた第1シート1の周囲を覆うように、第2シート2が積層接着される。
後述するように、第1シート1が非熱収縮性のシートで且つ第2シート2が熱収縮性のシートである場合には、加熱時に、第2シート2の収縮力によって第1シート1が収縮する。上記第1シート1の周囲を覆うように第2シート2が積層されていれば、加熱時に第2シート2によって第1シート1の略全体を収縮させることができる。従って、加熱時に第1空間部3が略均等に縮まるので、第1商品に対する密着斑やラベルの皺などを防止できる。
なお、前記近接は、中途領域5の一方縁5aと他方縁5bの間の長さが10mm以下である場合を含む。
【0025】
第1シート1及び第2シート2は、特に限定されず、適宜なシートを用いることができる。好ましくは、第1シート1及び第2シート2の少なくとも何れか一方が熱収縮性を有するシートであり、より好ましくは少なくとも第2シート2が熱収縮性を有するシートである。このように熱収縮性のシートを用いることにより、本発明の筒状ラベル10は、加熱によって第1商品に装着できる、熱収縮性筒状ラベルとなる。
また、好ましくは第1シート1及び第2シート2の少なくとも何れか一方が透明なシートであり、より好ましくは第2シート2が透明で且つ第1シート1が不透明なシートである。
なお、第1シート1及び第2シート2には、必要に応じて、商品名、絵柄などのデザイン表示が印刷によって設けられる。
【0026】
前記熱収縮性のシートとしては、幅方向(筒状とした場合に周方向X)に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)が約30%以上、好ましくは約40%以上、より好ましくは約50%以上のシートが例示される。前記熱収縮性のシートは、縦方向(シートの面内で前記幅方向に直交する方向)に若干熱収縮してもよく、かかる縦方向に於ける熱収縮率(90℃温水中に10秒間浸漬)は、例えば、約−3〜15%である。
なお、非熱収縮性のシートとしては、幅方向及び縦方向に於ける熱収縮率(同上)がそれぞれ約5%以下のシートが例示される。
第1シート1が非熱収縮性のシートである場合には、この第1シート1を収縮させるために、第2シート2として、幅方向に於ける熱収縮率が約50%以上の熱収縮性のシートを用いることが好ましい。
但し、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
【0027】
また、前記透明なシートとは、そのシートの外側から内側の表示を見たときに(シートを介して内側の表示を見たときに)、その内側の表示が視認できるようなシートをいい、前記非透明なシートとは、そのシートの外側から内側の表示を見たときに(シートを介して内側の表示を見たときに)、その内側の表示が視認できないようなシートをいう。
具体的には、透明なシートとしては、例えば、光線透過率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上のシートが例示される。
また、不透明なシートとしては、例えば、光線透過率が50%以下、好ましくは25%以下、より好ましくは15%以下のシートが例示される。
但し、光線透過率は、JIS K 7361に準拠した測定法により、可視光領域における測定値をいう。
【0028】
使用される第1シート1及び第2シート2は、特に限定されず、合成樹脂シート、発泡樹脂シート、不織布、合成紙及びこれらの積層体などが挙げられる。前記積層体としては、例えば、2種以上の合成樹脂シートの積層体、合成樹脂シートと不織布との積層体などが挙げられる。さらに、前記合成樹脂シートなどに機能層が設けられたシートを用いてもよい。機能層としては、ガス及び/又は光バリア層や表面保護層などが挙げられる。
合成樹脂シート、発泡樹脂シート及び不織布の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物などが挙げられる。
【0029】
合成樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、20μm〜100μmが例示される。不織布の厚みは、特に限定されないが、50μm〜200μmが例示される。発泡樹脂シートの厚みは、特に限定されないが、50μm〜150μmが例示される。
合成樹脂シート、発泡樹脂シート及び不織布は、熱収縮性のもの又は非熱収縮性のものを適宜選択して使用できる。
【0030】
好ましい実施形態では、第1シート1は、不透明で且つ非熱収縮性のシートであり、第2シート2は、透明で且つ熱収縮性を有するシートである。
より好ましい実施形態では、第1シート1は、非熱収縮性の不織布又は発泡樹脂シート(不織布及び発泡樹脂シートは、通常、不透明である)であり、第2シート2は、透明且つ熱収縮性を有する合成樹脂シートである。前記より好ましい実施形態によれば、第1空間部3に断熱性(及び緩衝性)を付与でき、一方、第2空間部4に視認性(第2空間部4内に入れた商品を外部から視認できる機能)を付与できる。
【0031】
本発明の筒状ラベル10は、例えば、下記のようにして使用される。
第1空間部3を第1商品A(図1の二点鎖線で示す)に挿入し、第2空間部4内に第2商品B(同前)を挿入する。
第1商品Aとしては、特に限定されず、例えば、飲料を入れた容器、ヨーグルトなどの食品を入れた容器、化粧品を入れた容器などが挙げられる。第2商品Bとしては、特に限定されず、例えば、おまけのような販促品、第1商品の用に供するもの(スプーンなど)などが挙げられる。
【0032】
第1シート1及び第2シート2が何れも非熱収縮性のシートである場合には、接着剤を用いた接着法や一部を溶融させる付着法などによって、第1空間部3を形成している第1シート1を第1商品Aに固定する。さらに、第2空間部4を形成している第2シート2の中途領域5の上下開口を閉塞して第2商品Bが抜け出ないようにする。
【0033】
少なくとも第2シート2が熱収縮性のシートである場合には、筒状ラベル10に、所定温度(例えば、100℃など)の熱を加える。加熱によって、少なくとも第2シート2が収縮する。第1シート1が非熱収縮性であっても、第2シート2の収縮力によって、第1シート1も追従して収縮する(つまり、積層シートが収縮する)。積層シートが熱収縮することによって第1空間部3の内面が第1商品Aに強く密着する。同時に、第2空間部4を形成している第2シート2の中途領域5が熱収縮することによって、その領域5が第2商品Bに密着する。
このようにして、本発明の筒状ラベル10を介して、第1商品Aと第2商品Bを纏めることができる。
【0034】
本発明の筒状ラベル10の表面には、シートの接着部分(センターシール部)が1箇所しか現れない。
また、本発明の筒状ラベル10においては、第1シート1及び第2シート2をそれぞれ異なったシートとすることにより、その第1シート1及び第2シート2に応じた機能を第1空間部3及び第2空間部4に付与できる。
【0035】
なお、本発明の筒状ラベル10は、上記に示した形態に限られず、適宜変更できる。以下、本発明の変形例について説明するが、上記実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号を援用する。
上記実施形態では、第1シート1の両側縁と第2シート2の両側縁が略一致するように揃えられているが、必ずしも両側縁同士が揃えられている場合に限定されない。
【0036】
例えば、図3に示すように、第1シート1の一方の側縁が第2シート2の一方の側縁よりも少し内側に寄って、第1シート1と第2シート2が積層接着されていてもよい。
この場合、第2シート2の一方の側端部の裏面2b側が帯状に露出する。この帯状に裏面が露出した部分は、センターシール部を形成するための部分であり、通常、その帯状裏面露出部分の幅は、3mm〜10mm程度である。この第2シート2の一方の側端部の裏面2b(帯状裏面露出部分)を、第2シート2の他方の側端部の表面に接着してセンターシール部を構成できる。つまり、第2シート2の裏面と表面とを接着してセンターシール部を構成できる。この変形例は、第1シート1と第2シート2が互いに接着し難いシートである場合に特に有効である。
【0037】
また、上記実施形態では、第2シート2の中途領域5の一方縁5aと他方縁5bが接している又は近接しているが、図4に示すように、この一方縁5aと他方縁5bが十分に離れていてもよい。
この場合、第2空間部4は、第2シート2の中途領域5の内側と第1シート1の表面の一部領域1bとによって囲われた空間となる。
【0038】
さらに、上記実施形態では、1つの筒状ラベル10に対して1つの第2空間部4が形成されているが、第2空間部4を2つ以上形成してもよい。具体的には、第1シート1の幅方向中途において、所定間隔を開けた2箇所から第2シート2の中途領域5をそれぞれ外方に出すことにより、図5に示すように、1つの第1空間部3と2つの第2空間部4を有する筒状ラベル10が得られる。
この変形例の場合も、第2シート2の中途領域5は、第2シート2の幅と第1シート1の幅の差に対応しており、中途領域5の幅方向の長さ(2つの中途領域の幅方向の長さの合計)≒第2シート2の幅−第1シート1の幅となっている。
【0039】
[長尺積層シートの製造方法]
次に、本発明の長尺積層シートの製造方法について説明する。
なお、長尺とは、幅方向に対して直交する方向の長さが、幅方向の長さよりも十分に長いことをいう。例えば、幅方向に対して直交する方向(以下、この方向を長手方向という)の長さが、幅方向(以下、短手方向という)の長さに対して10倍以上、好ましくは20倍以上である場合が挙げられる。
【0040】
上記第1シート1が連続的に繋がった長尺状の第1シート(以下、長尺状の第1シートを、第1シート原反1Lという)と、上記第2シート2が連続的に繋がった長尺状の第2シート(以下、長尺状の第2シートを、第2シート原反2Lという)とを準備する。
なお、第1シート原反1L及び第2シート原反2Lの材質や機能などは、上記筒状ラベル10の欄で例示したものから適宜選択される。
【0041】
図6に示すように、ラミネート装置のラインの上流側に第2シート原反2Lを装填する。
なお、通常、第1シート原反1L及び第2シート原反2Lは、ロールに巻き取られた状態で供給され、ラインに装填される。
このロールから第2シート原反2Lをラインの下流側に送り出す。
【0042】
図7にも示すように、ラインの途中で、第2シート原反2Lの短手方向Wの中途部分21Lを、外側(図示例では下側)に出す。例えば、ラインの途中に、押し込み部材7を設けることによって、前記第2シート原反2Lの中途部分21Lを外側に押し出すことができる。
この押し込み部材7は、傾斜面71を有する。押し込み部材7の傾斜面71をラインの上流側に向け且つ押し込み部材7の下端部72がラインの水平面(押し込み部材7に接する前の第2シート原反2Lの裏面)よりも外側に出るように、前記押し込み部材7を設置する。
このように押し込み部材7を設置することにより、第2シート原反2Lの破損などが生じず、下流側に送られる第2シート原反2Lの中途部分21Lを、良好に外側に出すことができる。
【0043】
次に、図8にも示すように、外側に出した第2シート原反2Lの短手方向の中途部分21Lを第2シート原反2Lの表面2La側に折り畳む。折り畳んだ第2シート原反2Lが殆ど平面状と同一視できる程度にできれば、折り畳み方は特に限定されない。図示例では、略Z字状に折り畳んでいる。
このように第2シート原反2Lの表面2La側に接するように中途部分21Lを折り畳むと、その中途部分21Lの内側(中途部分21Lにおける第2シート原反2Lの裏面2Lb)が露出することがない。
【0044】
なお、図示例では、折り畳まれる中途部分21Lは、第2シート原反2Lの短手方向の中途の1箇所だけであるが、第2シート原反2Lの短手方向において所定間隔を開けた2箇所以上の部分で、同様にして折り畳んでもよい。この場合、第2シート原反2Lの短手方向に所定間隔を開けて上記中途部分21Lが2箇所以上並んで形成されることになる。このように複数箇所で折り畳む場合、通常、第2シート原反2Lとして幅広のシート原反が用いられる。この場合、最終的に得られる長尺積層シートは、短手方向に複数の中途部分2Lが並んでいるので、これを適宜長手方向に沿って切断することにより、1つの中途部分2L又は2つ以上の中途部分2Lが長手方向に延びる長尺積層シートが得られる。
【0045】
次に、図9に示すように、中途部分21Lを折り畳んだ第2シート原反2Lの裏面2Lb上に、接着剤8を塗工する。接着剤8は、通常、その裏面2Lb上にベタ状に塗工される。上述のように、中途部分21Lの内側は露出していないので、前記裏面2Lb上に接着剤8を塗工しても、接着剤8が折り畳んだ中途部分21Lの内側に殆ど入り込まない。
接着剤8としては、特に限定されず、従来公知の接着剤を用いることができる。例えば、ドライラミネート用接着剤、ウェットラミネート用接着剤、感熱性接着剤、光線硬化型接着剤などが挙げられる。接着剤を塗工した後、接着剤及び接着方法の種類に応じて、適宜な処理が行われる。例えば、ドライラミネート用接着剤を用いた場合には、接着剤の塗工後且つ他方のシートを重ね合わせる前に、接着剤に含まれる溶剤回収処理が行われる。
【0046】
また、第2シート原反2Lの裏面2Lbに接着剤を塗工する方式に代えて、第1シート原反1Lの表面1Laに前記接着剤を塗工してもよい。第1シート原反1L及び第2シート原反2Lの何れに接着剤を塗工しても両シート原反1L,2Lを接着できる。もっとも、第1シート原反1L及び第2シート原反2Lの何れか一方が不織布である場合には、不織布でない方のシート原反に、接着剤を塗工する方がよい。不織布に接着剤を塗工すると、接着剤がそれに浸み込み易く、多量の接着剤が必要となる。
【0047】
最後に、第2シート原反2Lの裏面2Lb上に、第1シート原反1Lの表面1Laを重ね合わせる(図9参照)。
このようにして、図10に示すような、第2シート原反2Lの中途部分21Lを除く第2シート2の裏面2Lbと第1シート1の表面1Laとが積層接着された長尺積層シート10Lが得られる。この非接着の中途部分21Lは、長尺積層シート10Lの長手方向Zに延びている。
必要に応じて、得られた長尺積層シート10Lの一方の側端部及び/又は他方の側端部を長手方向Zに沿って裁断してもよい(第1シート原反1Lと第2シート原反2Lの側縁の耳揃え処理)。
長尺積層シート10Lは、ロールに巻かれた状態で、運搬及び保管に供される。
【0048】
なお、図10では、第2シート2の中途部分21Lが外側に環状に膨らんで表されているが、これは、中途部分21Lが非接着であることを判りやすく表したものである。通常、得られた長尺積層シート10Lは、第2シート2の中途部分21Lが折り畳まれた状態となっていることに留意されたい。
【0049】
本発明の製造方法によれば、第1シート原反1L及び第2シート原反2Lを有し且つ第2シート原反2Lの中途部分21Lが第1シート原反1Lから離れて非接着とされた長尺積層シート10Lを簡単に製造できる。
本発明の長尺積層シート10Lを適宜の長さに裁断し、それを筒状にして両側端部を接着して1つのセンターシール部を形成することにより、図2に示すような筒状ラベル10を得ることができる。
【0050】
また、本発明の長尺積層シート10Lを適宜な形状に裁断した後、それを第1商品(第1シート1の裏面を商品側に向けて)に巻き付けることによって第1商品に装着でき、且つ、第2シート2の中途部分21Lの内側に第2商品を入れて保持できる。このような使用方法でも、上記筒状ラベル10と同様に、第1商品及び第2商品を纏めることができる。
さらに、本発明の長尺積層シート10Lを適宜な形状に裁断し、その第1シート1の裏面に粘着剤を塗工することにより、粘着ラベルを構成できる。この粘着ラベルを粘着剤を介して第1商品に貼り付け、且つ、第2シート2の中途部分21Lの内側に第2商品を入れて保持できる。このような使用方法でも、上記筒状ラベル10と同様に、第1商品及び第2商品を纏めることができる。
【0051】
なお、上記製造方法の実施形態において、中途部分21Lを折り畳んだ第2シート原反2Lの裏面2Lb上に、接着剤8をベタ状に塗工しているが、例えば、図11に示すように、中途部分21Lを折り畳んだ第2シート原反2Lの裏面2Lb上であって、折り畳み基部A1を中心とする所定幅の左右領域B1,B2を除いて、接着剤8を塗工してもよい。具体的には、中途部分21Lを折り畳んだ第2シート原反2Lの裏面2Lb上のうち、この第2シート原反2Lの一方縁から折り畳み基部A1の近傍までの領域及び第2シート原反2Lの他方縁から折り畳み基部A1の近傍までの領域に、それぞれ接着剤8をベタ状に塗工してもよい。このように接着剤8を塗工した後、第1シート原反1Lを貼り合わせることにより、図12に示すような長尺積層シート10が得られる。
この長尺積層シート10を適宜の長さに裁断し、それを筒状にして両側端部を接着して1つのセンターシール部を形成することにより、図4に示すような筒状ラベル10を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の筒状ラベルは、少なくとも2つの商品を纏める包装材として利用できる。
【符号の説明】
【0053】
1…第1シート、2…第2シート、3…第1空間部、4…第2空間部、5…第2シートの中途領域、10…筒状ラベル、1L…第1シート原反、2L…第2シート原反、21L…第2シート原反の中途部分、10L…長尺積層シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シートと前記第1シートよりも幅広の第2シートとが積層された積層シートを有し、
前記積層シートを筒状にしてその両側端部を接着することによって、筒状となった前記第1シートの内側に第1空間部が形成され、
前記第2シートの幅と前記第1シートの幅の差に対応する第2シートの中途領域を、前記第1シートの幅方向中途部から離して外方に出すことによって、前記中途領域の内側に第2空間部が形成されていることを特徴とする筒状ラベル。
【請求項2】
前記第1シートが不透明であり、前記第2シートが熱収縮性を有し且つ透明である請求項1に記載の筒状ラベル。
【請求項3】
前記第2シートの中途領域の一方縁と他方縁が、接している又は近接している請求項1又は2に記載の筒状ラベル。
【請求項4】
長尺状の第1シート原反と長尺状の第2シート原反を接着剤を介して接着するにあたり、
前記第2シート原反の短手方向の中途部分を、外側に出し、その出した部分を前記第2シート原反の表面側に折り畳んだ後、
中途部分を折り畳んだ前記第2シート原反の裏面を、前記第1シート原反の表面に接着剤を介して接着することを特徴とする長尺積層シートの製造方法。
【請求項1】
第1シートと前記第1シートよりも幅広の第2シートとが積層された積層シートを有し、
前記積層シートを筒状にしてその両側端部を接着することによって、筒状となった前記第1シートの内側に第1空間部が形成され、
前記第2シートの幅と前記第1シートの幅の差に対応する第2シートの中途領域を、前記第1シートの幅方向中途部から離して外方に出すことによって、前記中途領域の内側に第2空間部が形成されていることを特徴とする筒状ラベル。
【請求項2】
前記第1シートが不透明であり、前記第2シートが熱収縮性を有し且つ透明である請求項1に記載の筒状ラベル。
【請求項3】
前記第2シートの中途領域の一方縁と他方縁が、接している又は近接している請求項1又は2に記載の筒状ラベル。
【請求項4】
長尺状の第1シート原反と長尺状の第2シート原反を接着剤を介して接着するにあたり、
前記第2シート原反の短手方向の中途部分を、外側に出し、その出した部分を前記第2シート原反の表面側に折り畳んだ後、
中途部分を折り畳んだ前記第2シート原反の裏面を、前記第1シート原反の表面に接着剤を介して接着することを特徴とする長尺積層シートの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−186122(P2011−186122A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50366(P2010−50366)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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