説明

筺体の開き防止構造

【課題】落下などの衝撃が加わっても筐体天面の開きを防止することのできる筺体の開き防止構造を提供する。
【解決手段】第1筐体構成部と第2筐体構成部を合わせてなり、内部に電子部品を収容する電子機器の筺体の開き防止構造であって、第1筐体構成部又は第2筐体構成部は、一方の筐体構成部の内面側に突設された凸部材と、他方の筐体構成部に設けられ、前記凸部材との嵌合方向に向けて開口する凹部材とを有し、前記凸部材は、凹部材との嵌合方向に向けて側壁どうしの間隔が縮小しない形状であり、前記凹部材は、凸部材との嵌合方向となる開口縁に向けて側面どうしの間隔が拡径しない形状にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の電子機器の筺体の開き防止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の電子機器は、内部に主要部品を収容し、レンズ、操作ボタン等が外部へ露出するよう、樹脂製の筺体からなる外装に包囲されている。
筺体(40)は、本発明の一実施例である図7に示すように、前後の筐体構成部(20)(30)どうしを、分割線(15)が天面(11)、側面(12)及び底面(13)を通るように嵌め合わせて構成される。
図7に示すように、筺体(40)の天面(11)に、複数の操作ボタン(37)(38)を搭載した操作パネル体(50)を筐体構成部(20)(30)間に介在させる場合もある。
また、筐体構成部(20)(30)どうしは、ネジ止めにより一体化される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008―53647号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、操作パネル体(50)の近傍は、部品や配線、可動部分が集中するから、ネジ止め用のネジ穴を形成するスペースを確保することが困難である。このため、筐体構成部(20)(30)どうしや、筐体構成部(20)(30)の一方と操作パネル体(50)は、筐体構成部(20)(30)又は操作パネル体(50)に突設された凸部材(60)に、他方に形成された凹部材(70)を嵌め合わせて構成される(図10参照)。
具体的には、図10に示す如く、凸部材(60)は、側壁(61)(61)どうしの間隔が嵌合方向に縮小するように略台形状に形成され、凹部材(70)は、開口縁(72)(72)に向けて、互いに対向する側面(71)(71)どうしの間隔が拡大している。
【0005】
上記の如き電子機器は、落下などによって衝撃力を受けると、筐体構成部(20)(30)が弾性によって撓み、凸部材(60)の側壁(61)に凹部材(70)の側面(71)が押し付けられる。その結果、凹部材(70)の側面(71)(71)が、嵌合方向に向けて間隔が縮小する凸部材(60)の側壁(61)(61)に対して、筐体構成部(20)(30)の開き方向(図中矢印Eで示す)にずれて、天面(11)が瞬間的に又は永続的に開いてしまうことがある。
【0006】
本発明の目的は、落下などによって衝撃力が加わっても2つの筐体構成部の開きを防止することのできる筺体の開き防止構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の電子機器の筺体の開き防止構造は、
第1筐体構成部と第2筐体構成部を合わせてなり、内部に電子部品を収容する電子機器の筺体の開き防止構造であって、
第1筐体構成部又は第2筐体構成部は、一方の筐体構成部の内面側に突設された凸部材と、他方の筐体構成部に設けられ、前記凸部材との嵌合方向に向けて開口する凹部材とを有し、
前記凸部材は、凹部材との嵌合方向に向けて側壁どうしの間隔が縮小しない形状であり、
前記凹部材は、凸部材との嵌合方向となる開口縁に向けて側面どうしの間隔が拡大しない形状である。
【0008】
前記凸部材は、凹部材との嵌合方向に向けて側壁どうしの間隔が拡大し、前記凹部材は、開口縁に向けて側面どうしの間隔が縮小する形状とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電子機器の筺体の開き防止構造によれば、凸部材の側壁どうしの間隔は、嵌合方向に向けて縮小しておらず、凹部材の側面どうしの間隔は、嵌合方向である開口縁に向けて拡大していない。
このため、筺体が落下等の衝撃を受けた場合、筺体が受けた衝撃によって筐体構成部が撓み、凹部材の側面が凸部材の側壁に押し付けられたときに、筐体構成部どうしが開く方向にずれることはない。
従って、筐体構成部の開きを効果的に防止することができる。
【0010】
特に、前記凸部材を、凹部材との嵌合方向に向けて側壁どうしの間隔が拡大する形状とし、前記凹部材は、開口縁に向けて側面どうしの間隔が縮小する形状とすることで、筺体が落下等によって衝撃力を受けたときに、筐体構成部が撓むと、凸部材の側壁に対して、凹部材の側面は、筐体構成部の開き方向とは逆の閉じ方向に力を作用させるから、凹部材は凸部材をより強く挟むこととなり、筐体構成部の開きをより効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例である筐体の開き防止構造を有する凸部材と凹部材の嵌合前の状態を拡大して示す平面図である。
【図2】図2は、図1の凸部材と凹部材の嵌合状態を示す平面図である。
【図3】図3は、本発明の異なる実施例を拡大して示す平面図であって、開口縁の対向する側面を略平行に形成した凹部材と凸部材の嵌合前の状態を示す。
【図4】図4は、図3の凸部材と凹部材の嵌合状態を示す平面図である。
【図5】図5は、本発明の異なる実施例を拡大して示す平面図であって、凸部材と凹部材の嵌合前の状態を示す平面図である。
【図6】図6は、図5の凸部材と凹部材の嵌合状態を示す平面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例であるデジタルカメラの外観斜視図である。
【図8】図8は、本発明の実施例であるデジタルカメラの筐体の天面の結合前の状態を上方から見た分解図である。
【図9】図9は、本発明の実施例であるデジタルカメラの筐体の天面の結合前の状態を下方から見た分解図である。
【図10】図10は、従来の凸部材と凹部材の嵌合状態を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<筐体開き防止構造>
本発明の筺体の開き防止構造について説明する。
筐体の開き防止構造として、図1に示す様に、凸部材(60)を有する第1筐体構成部(20)と、凸部材(60)と嵌合する凹部材(70)を有する第2筐体構成部(30)を嵌め合わせて構成される筐体(40)を例に挙げて、凸部材(60)と凹部材(70)の形状について説明する。
【0013】
凸部材(60)と凹部材(70)の従来の形状では、図10に示すように、第1筐体構成部(20)に形成された凸部材(60)は、第1筐体構成部(20)の形状に対応して、側壁(61)どうしの間隔が嵌合方向に縮小するように略台形状に形成され、凹部材(70)は、開口縁(72)(72)に向けて、互いに対向する側面(71)(71)どうしの間隔が拡大するように形成される。
【0014】
上記形状の凸部材(60)と凹部材(70)を嵌め合わせて構成された筐体(40)を落下させると、その衝撃力が、図10の矢印Aの方向に作用して筐体構成部(20)が撓み、凸部材(60)の側壁(61)に凹部材(70)の側面(71)が押し付けられる。その結果、凹部材(70)の側面(71)(71)が、嵌合方向に向けて間隔が縮小する凸部材(60)の側壁(61)(61)に対して、図10の矢印Bで示す、筐体構成部の開き方向(図中矢印Eで示す)にずれて、筐体(40)が開いてしまう。
【0015】
これに対して、本発明の筐体の開き防止構造においては、凸部材(60)が、図1の矢印Cに示すように、凹部材(70)との嵌合方向に向けて側壁(61)(61)どうしの間隔が拡大する形状をとり、また、凹部材(70)は、凸部材(60)に対応するように、凸部材(60)との嵌合方向となる開口縁(72)(72)に向けて側面(71)(71)どうしの間隔が縮小する形状をとる。
【0016】
上記形状の凸部材(60)と凹部材(70)を図2に示すように嵌合させることによって、第1筐体構成部(20)と第2筐体構成部(30)を嵌め合わせて構成された筐体(40)が落下しても、その衝撃力により天面(11)が開くことを防止することができる。
即ち、筐体(40)が落下したときに生じる衝撃力が、図2で示した矢印Aの方向に作用して、筐体構成部(20)(30)を撓ませると共に、凸部材(60)と嵌合する凹部材(70)の側面(71)(71)の間隔を縮小させる方向に作用する。
【0017】
その結果、凸部材(60)の側壁(61)に対して、凹部材(70)の側面(71)は、筐体構成部(20)(30)の開き方向とは逆の、図2中の矢印Bで示す閉じ方向にずれようとする力を受けるから、矢印Dに示すように凸部材(60)と凹部材(70)が接近し、凹部材(70)の開口縁(72)は凸部材(60)の基端(62)をより強く挟むこととなり、凸部材(60)が抜け出ることを防ぐ。
この様にして、凸部材(60)と凹部材(70)が互いに強く嵌合することにより、筐体(40)の天面(11)が開くことを防止する。
【0018】
また、凸部材(60)と凹部材(70)の他の実施形態として、図3及び図4に示すように、第1筐体構成部(20)に設けた凸部材(60)の側壁(61)(61)どうしを略平行にし、第2筐体構成部(30)に設けた凹部材(70)の側面(71)(71)どうしを略平行に形成した形状とすることが可能である。
【0019】
この凸部材(60)と凹部材(70)の形状も、前記形状と同様に、筐体(40)の落下による衝撃力が、図4に示す矢印Aの方向に作用して筐体構成部(20)(30)を撓ませたとしても、凹部材(70)の側面(71)は、図4中に矢印Bで示す、筐体構成部(20)(30)の開き方向に垂直な力として作用するから、凹部材(70)の開口縁(72)(72)が互いの接近によって、凸部材(60)の先端(63)を挟むこととなり、凸部材(60)が凹部材(70)から抜け出ることを防ぐことができる。
【0020】
さらに、凸部材(60)の側壁(61)と凹部材(70)の側面(71)が互いに平行に形成されているため、凸部材(60)と凹部材(70)を嵌合させたときに、凹部材(70)の側面(71)と凸部材(60)の壁面(61)の間に隙間が生じず、筐体構成部(20)(30)どうしの間に、ズレが生じにくい。
【0021】
そのため、筐体構成部(20)(30)のずれや摩耗による経年劣化による凸部材(60)と凹部材(70)の形状の変化を防ぐことができる。また、凸部材(60)の側壁(61)と凹部材(70)の側面(71)が互いに平行に形成されているため、筐体(40)の形成時に、凸部材(60)と凹部材(70)をスムースに嵌合させることができる。
【0022】
他の実施形態として、図5及び図6に示すように、凸部材(60)の何れか一方の側壁(61a)を、凹部材(70)との嵌合方向に向けて他方の側壁(61b)から離間する方向に傾斜させる一方、他方の側壁(61b)を基端(62)から嵌合方向と平行に延びるように形成する。
また、凹部材(70)の側面(71)を凸部材(60)の側壁(61)に対応するように、一方の側面(71a)は基端(73)に向けて傾斜させ、他方の側面(71b)は開口縁(72)から基端(73)に向けて、ほぼ垂直となるように形成する。
【0023】
筐体(40)を落下させたときに生じる衝撃は、天面(11)の中央に近いほど大きくなり、筐体構成部(20)(30)が大きく撓むため、凹部材(70)と凸部材(60)との嵌合が外れ易く、筐体構成部(20)(30)間に隙間が生じやすい。そのため、天面(11)の中央に近い側の凸部材(60)の側壁(61a)を、凹部材(70)との嵌合方向に向けて、他の側壁(61b)から離間するよう傾斜させる。
【0024】
筐体(40)の撓みが最大となる筐体(40)中央に近い側の凸部材(60)の側壁(61a)を、凹部材(70)との嵌合方向に向けて、他の側壁(61)から離間するように傾斜させ、対応する凹部材(70)の側面(71)を開口縁(72)に向けて内側に傾斜させたことで、筐体(40)が落下したときに生じる衝撃力が、凹部材(70)の開口縁(72)(72)によって、矢印Bに示すように、凸部材(60)の基端(62)(62)をより強く挟むように作用することとなり、矢印Dに示すように凸部材(60)と凹部材(70)が接近し、凸部材(60)が抜け出ることを防ぐ。
この様にして、筐体(40)の落下時に生じる衝撃力によって、筐体構成部(20)(30)の撓みを原因とする天面(11)の開きを防止する。
【0025】
上記の筐体(40)の開き防止構造を有する筐体構成部(20)(30)を組み合わせて筐体(40)を形成する際は、凸部材(60)を凹部材(70)の上方に位置させ、凸部材(60)の側壁(61)の先端と凹部材(70)の側面(71)の開口縁(72)を合わせた後に、接点を軸に凸部材(60)を押し下げて、凸部材(60)を凹部材(70)に嵌め合わせる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の筺体の開き防止構造を電子機器に適用した実施例について説明する。電子機器として、デジタルカメラ(10)を例に挙げるが、本発明はデジタルカメラ以外の電子機器にも好適であり、特に、携帯型の電子機器に好適である。
【0027】
図7は、本発明の一実施例であるデジタルカメラ(10)の斜視図である。
一般的なデジタルカメラ(10)は、主要部品を外装となる筐体(40)に収容して構成される。筐体(40)は、前側の第1筐体構成部(20)と後側の第2筐体構成部(30)を分割線(15)が天面(11)、側面(12)及び底面(13)を通るように、組み合わせて形成される。
【0028】
前側の第1筐体構成部(20)は、図7に示すように、矩形状の主面部(21)と、該主面部(21)の周縁から後方に突出した周縁部(22)とを有する。天面(11)側の周縁部(22)には、図9に示すように、内面に向けて複数の凹み(35)が形成されており、次に説明する突起(34)と係合する。
【0029】
後側の第2筐体構成部(30)は、図8に示すように、前側の第1筐体構成部(20)と同様に矩形状の主面部(31)と、該主面部(31)の周縁から後方に突出した周縁部(32)とを有する。天面(11)側の周縁部(32)には、図8、図9に示すように、前記凹み(35)と係合する複数突起(34)が形成されており、第1筐体構成部(20)と第2筐体構成部(30)を係合させたときに、凹み(35)に突起(34)が嵌まって、第1筐体構成部(20)と第2筐体構成部(30)が係止される。
【0030】
前側の第1筐体構成部(20)の主面部(21)にはレンズ(23)やフラッシュ(25)を具え、後側の第2筐体構成部(30)の主面部(31)には、液晶パネル等の表示部(33)を具える。
【0031】
また、筐体(40)の天面(11)には、シャッタを切るためのシャッタボタン(38)と各種モード切り替え用の回転式操作手段(37)を具える。シャッタボタン(38)の周縁にはワイド操作又はズーム操作を行う回動式のレバー(39)を具える。
【0032】
筐体(40)の全体的な薄型化を図ると共に、デジタルカメラ(10)の主要部品を第1筐体構成部(20)に収容した状態で、第2筐体構成部(30)を取り付ける構造としている。このため、第2筐体構成部(30)は、第1筐体構成部(20)に比して薄く、周縁部(32)の突出量が小さくなるように形成される。
【0033】
従って、上記シャッタボタン(38)や回転式操作手段(37)などの可動部分は、別途形成された操作パネル体(50)に設けられ、操作パネル体(50)を第1筐体構成部(20)と第2筐体構成部(30)間に挟まれるよう取り付けられている。
【0034】
デジタルカメラにおいては、天面(11)に設けられた操作パネル体(50)の近傍には、部品や配線、可動部分が集中するから、ネジ止め用のネジ穴を形成するスペースを確保することが困難である。そこで、本実施例では、筐体(40)の天面(11)の一部を形成する操作パネル体(50)に凸部材(60)を溶設し、該凸部材(60)と係合する凹部材(70)を薄型の第2筐体構成部(30)に形成している。
【0035】
即ち、本実施例では、操作パネル体(50)と、第2筐体構成部(30)との係合部分に、本発明の筐体の開き防止構造を適用している。
【0036】
なお、操作パネル体(50)と、第1筐体構成部(20)との係合部分に、本発明の開き防止構造を適用してもよい。さらに、操作パネル体(50)を第1筐体構成部(20)又は第2筐体構成部(30)の何れか一方に形成し、他方の筐体構成部との係合部分に開き防止構造を適用することもできる。
【0037】
一方、筐体(40)の側面(12)及び底面(13)では、第1筐体構成部(20)と第2筐体構成部(30)にネジ止め用のネジ孔を形成し、ネジ止めすることにより両筐体構成部(20)(30)を互いに固定することができる。
【0038】
操作パネル体(50)は、前記したシャッタボタン(38)や回転式操作手段(37)を具え、これらには、フレキシブル基板等(何れも図示せず)を介して電気制御部材と電気的に接続されると共に、操作パネル体(50)は第1筐体構成部(20)に取り付けられている。
【0039】
回転式操作手段(37)は、操作性及び視認性を高めるためにできるだけ径を大きく形成することが好ましく、各種モード切替を行うために円形形状が好ましい。
【0040】
そこで、本実施例では、操作パネル体(50)には、回転式操作手段(37)を回転可能に支持する円板状の支持台(26)(図9参照)が形成されており、その下側の一部を利用して嵌合用の凸部材(60)を形成している。
【0041】
図8及び図9に示す回転式操作手段(37)の支持台(26)の下方に形成された操作パネル体(50)側の凸部材(60)の形状は、上記本発明の筐体開き防止構造を具えるように、図1に示すように、凹部材(70)との嵌合方向に向けて側壁(61)(61)どうしの間隔が拡大する形状とし、対応する第2筐体構成部(30)の凹部材(70)は、凸部材(60)との嵌合方向となる開口縁(72)に向けて側面(71)(71)どうしの間隔が縮小する形状とすることで、回転式操作手段(37)近傍の嵌合強度を高めることが可能であり、筐体(40)の落下による天面(11)の開きを防止することができる。
【0042】
また、図7に示すように、回転式操作手段(37)を天面(11)の中央から右寄りに配置したときには、図5に示すように、嵌合方向に向けて、凸部材(60)の何れか一方の側壁(61a)を、他方の側壁(61b)から離間する方向に傾斜させると共に、凹部材(70)の対応する側面(71a)を、側面(71b)に対して接近する方向に傾斜させて、前記他方の側壁(61b)及び側面(71b)を垂直に形成するようにしてもよい。
【0043】
これにより、回転操作手段(37)を天面(11)の中央寄りの右側に配置したときにも、筐体(40)の落下による衝撃力によって、天面(11)が開くことを防止することができる。
【0044】
上記実施例では、本発明の筐体開き防止構造を構成する凸部材(60)を回転式操作手段(37)の下側に配置した例を示したが、シャッタボタン(38)の下側に設けたり、デジタルカメラ(10)の側面(12)又は底面(13)に設けることもできる。勿論、本発明は、デジタルカメラ(10)に限定されるものではなく、凸部材(60)と凹部材(70)が嵌合する形状であれば、機器やその位置を問わず適用することができる。
【0045】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは特許請求の範囲を減縮する様に解すべきではない。また、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、筐体を落下させたときや筐体に負荷がかかったときでも、筐体の天面が開くことを防止できる携帯用機器として有用である。
【符号の説明】
【0047】
(10) デジタルカメラ
(11) 天面
(12) 側面
(13) 底面
(15) 分割線
(20) 第1筐体構成部
(30) 第2筐体構成部
(50) 操作パネル体
(60) 凸部材
(61) 側壁
(62) 基端
(70) 凹部材
(71) 側面
(72) 開口縁
(73) 基端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体構成部と第2筐体構成部を合わせてなり、内部に電子部品を収容する電子機器の筺体の開き防止構造であって、
第1筐体構成部又は第2筐体構成部は、一方の筐体構成部の内面側に突設された凸部材と、他方の筐体構成部に設けられ、前記凸部材との嵌合方向に向けて開口する凹部材とを有し、
前記凸部材は、凹部材との嵌合方向に向けて側壁どうしの間隔が縮小しない形状であり、
前記凹部材は、凸部材との嵌合方向となる開口縁に向けて側面どうしの間隔が拡大しない形状であることを特徴とする電子機器の筺体の開き防止構造。
【請求項2】
前記凸部材は、凹部材との嵌合方向に向けて側壁どうしの間隔が拡大し、
前記凹部材は、開口縁に向けて側面どうしの間隔が縮小する形状である、
請求項1に記載の筺体の開き防止構造。
【請求項3】
前記凸部材は、側壁どうしが略平行であり、
前記凹部材は、側面どうしが略平行である、
請求項1に記載の筺体の開き防止構造。
【請求項4】
凸部材は、電子機器の操作用手段が配備されたパネル板に形成され、操作パネル板は、第1筐体構成部又は第2筐体構成部の一方に連結され、他方の筐体構成部に前記凹部材が形成される請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電子機器の筺体の開き防止構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−220573(P2012−220573A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83809(P2011−83809)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】