説明

管体連結部材

【課題】 管体連結部材の使用上の利便性をさらに向上するため、蓋体間に弾性部材を設け、蓋体を開くことができる新規的な管体連結部材の提供。
【解決手段】 複数の管体の連結に用いる管体連結部材であって、主に第一蓋体、第二蓋体、螺合固定部材、弾性部材を含み、前記第一蓋体が第一凹槽と第三凹槽を含み、前記第二蓋体が第二凹槽と第四凹槽を含み、そのうち、前記第一凹槽が前記第二凹槽と第一管体収容空間を形成し、前記第三凹槽が前記第四凹槽と第二管体収容空間を形成し、前記螺合固定部材が前記第一蓋体と前記第二蓋体を固定するために用いられ、前記弾性部材が前記第一蓋体と前記第二蓋体の間に設置され、前記螺合固定部材が緩められたとき前記弾性部材が前記第一蓋体と前記第二蓋体を開くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の管体を連結するために用いられる管体連結部材に関し、特に、弾性部材を備えた管体連結部材に関する。
【背景技術】
【0002】
管体を組み立てて成る物品は日常生活においてあちこちで見受けられ、大きなものではプレハブの骨組みや、小さなものではさまざまな組み立て家具など、至る所で組立て管体の応用が利用されている。一般に、管体を組立てて物品を架設することには多くの利点があり、例えば組立てと分解が便利であることや、分解後体積が小さく運送と収納に便利であること、またいくつかの種類の管体のみで構造が複雑な物品に組み立てることができる、等が挙げられる。
【0003】
各種の応用の中で、管体及び管体を連結する管体連結部材が最も主要な部材となる。物品の組立て過程において、使用者は2本以上の管体を適切な位置に排列し、管体連結部材を利用してこれら管体を固定する。現在、市場において見受けられる管体連結部材は材質、構造、強度及び組立て方式に基づきさまざまなものがある。そのうち一種類の管体連結部材は主に2つの上下蓋体を利用して管体の一部を包覆し、且つボルトを利用して上下蓋体を固定し、管体を固定するという目的を達している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、複数の管体の連結に用いる管体連結部材であって、管体連結部材の使用上の利便性をさらに向上するため、蓋体間に弾性部材を設け、蓋体を開くことができる新規的な管体連結部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の管体連結部材は主に、第一蓋体、第二蓋体、螺合固定部材、弾性部材を含み、前記第一蓋体は第一凹槽と第三凹槽を含み、前記第二蓋体は第二凹槽と第四凹槽を含み、そのうち前記第一凹槽は前記第二凹槽と第一管体収容空間を形成し、前記第三凹槽は前記第四凹槽と第二管体収容空間を形成し、前記螺合固定部材は前記第一蓋体と前記第二蓋体を固定するために用いられ、前記弾性部材は前記第一蓋体と前記第二蓋体の間に設置され、前記螺合固定部材が緩められたとき前記第一蓋体と前記第二蓋体を押し開くことができる。
【0006】
本発明において、管体連結部材の螺合固定部材が緩められると蓋体が弾性部材により押し開かれ、組立て時に螺合固定部材がまだ完全に締め付けられていない状態においては第一蓋体と第二蓋体間に間隙が保持され、且つ、管体収容空間が管体の取り付けに便利な若干開いた状態を呈する。このため、管体連結部材の生産者が製品販売前に予め螺合固定部材を利用して蓋体を組み立て、管体収容空間を若干開いた状態にさせておくと、使用者が管体の取付けを行なう前に自ら管体連結部材を組み立てなくとも管体を楽に若干開いた管体収容空間に設置することができ、その後螺合固定部材を締め付けるだけで管体連結の目的を達することができる。同様に、使用者が管体を組み立てて成る物品を分解したいときも、螺合固定部材を少し緩めるだけで、第一蓋体と第二蓋体が弾力を受けて開き、使用者は簡単に管体を取り出すことができる。このため、本発明は管体の組立てと分解時の利便性を大幅に向上し、使用者が手動で2つの蓋体を開く手間をなくすことができる。
【0007】
本発明において、蓋体が形成する管体収容空間は円柱状またはその他形状の空間とすることができ、方形、花型、不規則な形状等、対応する形状の管体に合わせて使用し、管体を回動可能または不可能にすることができることに注意が必要である。このほか、本発明に適用する管体は空心または実心の構造、剛性または可撓性構造の棒や柱等あらゆる細長い形状の物体とすることができ、且つこれらに限らない。
【0008】
同時に、弾性部材をしっかりと固定するため、蓋体上に弾性部材を設置するための弾性部材収容空間を形成することができ、弾性部材収容空間内部に弾性部材を嵌設させるための弾性部材固定構造を形成してもよく、これにより弾性部材をしっかりと固定することができる。
【0009】
本発明において、凹槽が形成する管体収容空間は2つまたは2つ以上とすることができ、且つ、相通させても相通させなくともよい。このほか、各管体収容空間の相互の空間関係は特定のいくつかの種類に限定されない。つまり、管体連結部材を介して複数の管体を相互に連結する(本発明において、連結は実際に接触があるものに限らない)とき、各管体間を平行、垂直または特定角度を呈する関係とすることができ、達成する構造によって決定することができる。このほか、各管体収容空間の大きさは同じでも同じでなくともよい。このため、本発明の管体連結部材は管径及び形状が同じまたは異なる管体を連結することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の管体連結部材は螺合固定部材が緩められると蓋体が弾性部材により押し開かれ、管体収容空間が管体の取り付けに便利な若干開いた状態を呈するため、管体の組立てと分解時の利便性を大幅に向上し、使用者が手動で2つの蓋体を開く手間をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の技術内容についてより深い理解を促すため、いくつかの具体的な最良の実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1に本発明の実施例1を示す。この実施例の管体連結部材1は、複数の管体100を連結するために用いられ、管体連結部材1は主に、第一凹槽11と第三凹槽13を含む第一蓋体(蓋体)10と、第二凹槽21と第四凹槽23を含む第二蓋体(蓋体)20と、第一蓋体10と第二蓋体20を固定するための4つの螺合固定部材40と、第一蓋体10と第二蓋体20の間に設置される4つの弾性部材50を含む。そのうち、前記第一蓋体10と第二蓋体20を組み立てると、第一凹槽11が第二凹槽21と第一管体収容空間(第一凹槽11と第二凹槽21の間の空間であり、図示しない)を形成し、第三凹槽13が第四凹槽23と第二管体収容空間(第三凹槽13と第四凹槽23の間の空間であり、図示しない)を形成する。前記弾性部材50は前記螺合固定部材40が緩められると、前期第一蓋体10と第二蓋体20を押し開くことができる。この図に示すように、本実施例の管体連結部材1は主に2つの垂直の管体100を連結するために用いることができる。
【0013】
本実施例において、全部で4つの螺合固定部材40を使用して第一蓋体10と第二蓋体20を螺合固定しているが、数量はこれに制限されず、螺合固定部材40は1つでもさらに多くともよく、必要な固定の安定性により決定することができる。同様に、弾性部材50の数量も4つに限られず、1つ以上で本発明の効果を達成することができ、その数量は必要な弾性に応じて決定することができる。且つ、ほとんどの状況において、螺合固定部材40と弾性部材50を設置する位置は特に限定されず、原則上管体収容空間以外の位置はすべて利用可能である。
【0014】
図1に示すように、弾性部材50を蓋体10、20の間に嵌設できるようにするため、蓋体10、20上にはさらに弾性部材収容空間60を開設し、弾性部材50を収容することができる。このほか、弾性部材収容空間60の中に本実施例に示す突起構造のような弾性部材固定構造61を形成し、弾性部材50を弾性部材固定構造61周囲に嵌置することができる。さらに、弾性部材固定構造61はその他弾性部材50を固定できる構造としてもよい。
【0015】
本発明において、螺合固定部材40は上下の蓋底を固定できるあらゆる部材を用いることができ、例えば本実施例におけるボルト41とナット43、またはその同等の部材とすることができる。弾性部材50は本実施例におけるバネまたはその同等の部材とすることができ、螺合固定部材40が緩められると第一蓋体10と第二蓋体20を押し開くことができるものとする。
【0016】
このほか、管体100の構造またはその他あらゆる固定部材の使用上の必要に応じ、本発明の第一蓋体10または第二蓋体20、或いはこれら両者にはさらに通孔70を開設することができ、クリップまたはその他類似構造を持つ管体100に供し、管体100と管体連結部材1の間の固定の安定性を高めることができる。このほか、前記通孔70は使用者が固定ボルトなどの各種固定部材を組み合わせて使用することもできる。このため、本発明の管体連結部材1は各種異なるニーズに対応でき、固定の安定性の要求が比較的高い管体組立て物品においては、本発明の管体連結部材1の通孔70に各種固定部材を設置して使用者のさまざまな要求を満たすことができる。
【実施例2】
【0017】
続いて、図2に本発明の実施例2を示す。図2に示すように、本実施例の管体連結部材1は少なくとも3つの管体100の連結に用いることができ、そのうち2つの管体100は同一の延伸線上に位置し、且つ第三の管体100と実質上垂直の関係を呈することができる。本発明の管体連結部材1は2つまたは3つの管体100の連結に限られず、4つまたはそれ以上の管体100の連結に用いることができることをここで強調しておく。このほか、同じく重要なのは、蓋体10、20の凹槽が形成する管体収容空間の相互の空間の向きも特に制限されず、平行、垂直または特定の角度関係を呈することができ、必要な構造に応じて決定することができる点である。蓋体10、20上の管体収容空間以外の他の一面上には補強構造81を設け、蓋体10、20の構造強度を強化してもよい。
【実施例3】
【0018】
図3に本発明の実施例3を示す。そのうち、前記管体連結部材1は主に2つの平行な管体の連結に用いることができる。このほか、前述の実施例1及び2と異なるのは、この管体連結部材1の凹槽上に溝部83の構造を形成した点である。前記構造の効果は、鑄造または射出方式で製造される蓋体10、20において、成型材料の不均一が発生しにくく、また、成型材料の使用を減少でき、コストを抑えることができる。
【実施例4】
【0019】
図4に本発明の実施例4を示す。この実施例は主に図2に示すような管体の連結に供することができる。前述の各実施例と異なるのは、ここにおける弾性部材50が螺合固定部材40と同一の空間を共用しており、且つ、螺合固定部材40が前記弾性部材50の間に穿設されている点である。同時に、本実施例の螺合固定部材40は主にボルト41、ナット43、閉鎖部材45及びワッシャ47を含む。ワッシャ47は主にボルト41が蓋体10、20を摩損するのを防ぐものであり、必須の部材ではなく、閉鎖部材45の主な目的は、前記ボルト41と前記ナット43の分離を防ぐことにある。
【0020】
本実施例において、閉鎖部材45は閉鎖ネジとし、螺旋状の溝が外周面に形成された円柱体であり、且つ、その溝の方向がボルト41に相対し、即ち、ボルト41を正ネジ構造に設計し、ゆるみ止めボルトを逆ネジ構造に設計する。これにより、使用者がボルト41、ナット43を相当回数緩めたとしても、ゆるみ止めボルトがボルト41から分離せず、ナット43とボルト41の分離を効果的に防止することができる。本発明の閉鎖部材はその他の固定ボルトやピン等、前記ボルト41と前記ナット43分離を防止できるあらゆる構造とすることができ、且つこれらに限らない点に注意が必要である。
【0021】
最後に、図5に本発明の管体連結部材1の応用図を示す。図5に示すように、管体組立て物品90は主に管体連結部材1と管体100から構成され、そのうち、管体組立て物品90は正六角形の構造を呈するため、管体連結部材1内の2つの管体収容空間は120度を呈し、且つ、各管体100の長さはすべて同じである。ここでは1つの管体連結部材1の応用を提示したが、その他本発明の管体連結部材1を利用したあらゆる構造、組立てはすべて本発明の範疇に含まれることに注意が必要である。
【0022】
上述をまとめると、本発明はその目的、手段及び効果のいずれにおいても従来技術とは異なる特徴を備えており、突破口的発明であるため、審査委員各位にはご明察の上、一日も早く特許を賜り、社会に貢献できることを願うものである。上述の実施例は例示的に本発明の原理及びその効果を説明するためだけのものであり、本発明の範囲を制限するものではないことに注意が必要である。関連技術を熟知した人物であれば、本発明の技術原理及び要旨を逸脱せずに実施例に対して修正と変化を行なうことが可能である。本発明の権利保護範囲は特許請求の範囲において述べる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1の立体図である。
【図2】本発明の実施例2の立体図である。
【図3】本発明の実施例3の立体図である。
【図4】本発明の実施例4の立体図である。
【図5】本発明の管体連結部材の応用例の上面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 管体連結部材
100 管体
10 第一蓋体
11 第一凹槽
13 第三凹槽
20 第二蓋体
21 第二凹槽
23 第四凹槽
40 螺合固定部材
50 弾性部材
60 弾性部材収容空間
61 弾性部材固定構造
41 ボルト
43 ナット
45 閉鎖部材
47 ワッシャ
70 通孔
81 補強構造
83 溝部
90 管体組立て物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体連結部材であって、複数の管体を連結するために用いられ、前記管体連結部材が、第一蓋体、第二蓋体、螺合固定部材、弾性部材を含んで成り、そのうち、前記第一蓋体が第一凹槽と第三凹槽を含み、前記第二蓋体が第二凹槽と第四凹槽を含み、前記第一凹槽が前記第二凹槽と第一管体収容空間を形成し、前記第三凹槽が前記第四凹槽と第二管体収容空間を形成し、前記螺合固定部材が前記第一蓋体と前記第二蓋体を固定するために用いられ、前記弾性部材が前記第一蓋体と前記第二蓋体の間に設置され、前記螺合固定部材が緩められると前記第一蓋体と前記第二蓋体を押し開くことを特徴とする、管体連結部材。
【請求項2】
前記第一蓋体に弾性部材収容空間を開設し、且つ、前記弾性部材が前記弾性部材収容空間内に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の管体連結部材。
【請求項3】
前記弾性部材収容空間に弾性部材固定構造を形成することを特徴とする、請求項2に記載の管体連結部材。
【請求項4】
前記螺合固定部材が前記弾性部材の間に穿設されることを特徴とする、請求項1に記載の管体連結部材。
【請求項5】
前記螺合固定部材が、ボルトと、前記ボルトと螺合されるナットと、前記ボルトと前記ナットの分離を防止するための閉鎖部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載の管体連結部材。
【請求項6】
前記閉鎖部材が閉鎖ネジであることを特徴とする、請求項5に記載の管体連結部材。
【請求項7】
前記第一蓋体に通孔を開設し、前記複数の管体の固定を強化できることを特徴とする、請求項1に記載の管体連結部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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