説明

管密封器具

【課題】管密封器具の提供。
【解決手段】第一および第二のシャフトであって、第一のシャフトおよび第二のシャフトのそれぞれは、顎部材とハンドルとを有し、ハンドルは、顎部材が互いに対して離れた関係に配置された位置から、顎部材が組織を掴むように協働する位置への顎部材の移動をもたらし、組織の密封をもたらすために顎部材が保持された組織を通して選択的にエネルギーを伝導することが可能であるように各顎部材は電気外科エネルギー源に接続するように適合される、第一および第二のシャフトと、アクチュエータと、第一のシャフト上に配置されたスイッチであって、スイッチの第一の位置は、顎部材の間に掴まれた組織における所望の圧力に対応する情報をユーザに伝達し、少なくとも1つの後続の位置は顎部材に電気外科エネルギー供給するために器具を発動するように構成される、スイッチとを含む、双極電気外科器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連技術の背景)
本開示は、開口外科手術処置のために使用される鉗子に関する。さらに詳細には、本開示は、組織を密封するために電気外科電流を印加する鉗子に関する。
【背景技術】
【0002】
(技術分野)
止血鉗子または鉗子は、管を締めつけるために、その顎の間に機械的作用を使用する簡単なプライヤのような道具であり、組織を掴む、切り裂く、および/またはクランプするために開口外科手術処置において一般的に使用される。電気外科鉗子は、組織を凝固、焼灼、および/または密封するために組織および血管を熱することにより止血をもたらすように機械的クランピング作用および電気的エネルギーの双方を使用する。
【0003】
特定の外科手術処置では、血管または脈管組織を密封または切断することが必要とされる。いくつかの刊行物の記事が電気外科手術を使用する、小血管を密封するための方法を開示している。非特許文献1の記事は、小血管を密封するために使用される双極凝固器を記述する。記事は、直径が2から2.5ミリより大きな直径を有する動脈を安全に凝固することは可能でないと記す。非特許文献2の第二の記事は、管壁が焦げることを回避するように管への電気外科電力を停止する方法を記述する。
【0004】
電気外科鉗子を使用することにより、外科医は、組織に印加される電気外科エネルギーの強度、周波数、および継続時間を制御することにより焼灼、凝固/乾燥、出血の低減または鈍化、および/または管の密封をし得る。概して、電気外科鉗子の電気的構成は、2つの分類1)単極電気外科鉗子、および2)双極電気外科鉗子、に類別され得る。
【0005】
単極鉗子は、クランピングエンドエフェクタに関連付けられる1つのアクティブ電極と、典型的に外部的に患者に付属されるリモートの患者リターン電極またはパッドとを使用する。電気外科エネルギーが印加される場合、エネルギーは、アクティブな電極から外科手術部へ、患者を通って、リターン電極に移動する。
【0006】
双極電気外科鉗子は、2つの概ね対向する電極を使用し、これらの電極は、エンドエフェクタの内側の対向する表面に配置され、かつ、電気外科ジェネレータに電気的に結合される。各電極は、異なる電位に荷電される。組織は電気エネルギーの伝導体であるため、エフェクタがエフェクタの間の組織を掴むために使用される場合、電気エネルギーは組織を通して選択的に伝達され得る。
【0007】
より大きな管に適切なシールをもたらすためには、2つの主な機械的パラメータ(管に適用される圧力と電極間のギャップとであり、双方は密封された管の厚さに影響を及ぼす)が正確に制御されなければならない。さらに詳細には、圧力の正確な適用は、管の壁に向かい合わすことと、組織インピーダンスを、充分な電気外科エネルギーが組織を通ることを可能にする充分に低い値に低減することと、組織の過熱中に拡張力を克服することと、良いシールのインジケーションである端部組織の厚さに寄与することとに対して重要である。融合された管壁は、0.001および0.006インチの間が最適であることが特定されている。この範囲以下では、シールは裂けるかまたは細断し、この範囲以上では、内腔が正しくまたは効果的に密封されない場合がある。
【0008】
小血管に関して、効果的な密封に対し、組織に適用される圧力は関連性が低くなるのに対し、電気的伝導性を有する表面間のギャップの距離が重要性を増す。言い換えれば、管が小さくなるにつれ、発動中に2つの電気的伝導性を有する表面が接触する可能性が増大する。
【0009】
電気外科方法は、管壁に大きな閉鎖力を適用することが可能な器具と共に、適切な電気外科出力曲線を使用して、より大きな管を密封することが可能であり得る。小血管を凝固するプロセスは、基本的に電気外科管密封と異なると考えられている。本明細書の目的のために、「凝固」は、組織細胞が破裂され乾燥される、組織を脱水するプロセスと規定され、管密封は、融合された一塊に再形成するために、組織におけるコラーゲンを液状化するプロセスとして規定される。従って、小血管の凝固は、小血管を恒久的に閉鎖するために充分である。より大きな管は、恒久的な閉鎖を確実にするために密封される必要がある。
【0010】
様々な開口外科手術処置のために、数多くの双極電気外科鉗子が過去に提案されている。しかし、これらの設計の一部は血管に一定の再現可能な圧力を提供しない場合があり、非効果的または一定でないシールをもたらし得る。例えば、Willisへの特許文献1と、Hiltebrandtへの特許文献2および特許文献3と、Boebelへの特許文献4、特許文献5、および特許文献6と、Lottickへの特許文献7、特許文献8、特許文献9、および特許文献10と、Sternらへの特許文献11と、Eggersらへの特許文献12と、Richardsonらへの特許文献13は、すべて管または組織を凝固、切断、および/または密封するための電気外科器具に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第2,176,479号明細書
【特許文献2】米国特許第4,005,714号明細書
【特許文献3】米国特許第4,031,898号明細書
【特許文献4】米国特許第5,827,274号明細書
【特許文献5】米国特許第5,290,287号明細書
【特許文献6】米国特許第5,312,433号明細書
【特許文献7】米国特許第4,370,980号明細書
【特許文献8】米国特許第4,552,143号明細書
【特許文献9】米国特許第5,026,370号明細書
【特許文献10】米国特許第5,116,332号明細書
【特許文献11】米国特許第5,443,463号明細書
【特許文献12】米国特許第5,484,436号明細書
【特許文献13】米国特許第5,951,549号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Studies on Coagulation and the Development of an Automatic Computerized Bipolar Coagulator,J.Neurosurg.,Volume75,1991年7月)
【非特許文献2】Automatically Controlled Bipolar Electrocoagulation−“COA−COMP”,Neurosurg.Rev.(1984),187〜190項
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
これらの器具の多くは、刃部材またはせん断部材を含み、これらの部材は、単に組織を機械的および/または電気機械的な態様で切断し、管の密封の目的に対して比較的非効果的である。他の器具は、正しい密封の厚さを得るためにクランピング圧力のみに依存し、正しく制御された場合に、一貫して効果的な組織シールを確定し得るギャップ公差および/または平行性要件および平坦性要件などのパラメータを考慮するように設計されていない。例えば、クランピング圧力のみを制御することによりもたらされる密封された組織の厚さを充分に制御することは、2つの理由のどちらかのために困難であることが周知である。2つの理由とは、1)大きすぎる力が適用された場合、2極が接触し、エネルギーが組織を通して伝達されず、非効果的なシールをもたらす可能性があることと、2)小さすぎる力が適用される場合、より厚く、より信頼できないシールが生成されることとである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本開示の実施形態によると、双極電気外科器具は、第一のシャフトおよび第二のシャフトを含み、第一のシャフトおよび第二のシャフトは、それぞれ、第一のシャフトおよび第二のシャフトの遠位端から延びる顎部材と、第一のシャフトおよび第二のシャフトの近位端に配置されたハンドルとを有する。ハンドルは、顎部材が互いに対して離れた関係に配置された第一の位置から、顎部材が組織を掴むように協働する第二の位置への顎部材の互いに対するピボットの周りの移動をもたらす。各顎部材は、組織の密封をもたらすために、顎部材が顎部材の間に保持された組織を通してエネルギーを選択的に伝導することが可能であるように電気外科エネルギー源に接続するように適合される。顎部材のうちの少なくとも1つは、顎部材のうちの少なくとも1つの長さに沿って規定されたナイフチャンネルを含む。ナイフチャンネルは、顎部材の間に掴まれた組織を切断するために、ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるように構成される。また、器具は、切断メカニズムが顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、切断メカニズムが顎部材の間に掴まれた組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ切断メカニズムを選択的に前進させるためのアクチュエータを含む。また、器具は、第一のシャフト上に配置されたスイッチを含む。スイッチは、第一の位置から第二の位置への顎部材の移動の際に、第二のシャフトに配置された機械的インターフェイスとの係合を付勢して、第一の位置と少なくとも1つの後続の位置との間で押し下げられるように構成される。スイッチの第一の位置は、顎部材の間に掴まれた組織における所望の圧力に対応する情報をユーザに伝達し、少なくとも1つの後続の位置は、顎部材に電気外科エネルギーを供給するために、電気外科エネルギー源を発動するように構成される。
【0015】
本開示の別の実施形態によると、双極電気外科器具は、第一のシャフトおよび第二のシャフトを含み、第一のシャフトおよび第二のシャフトは、それぞれ、第一のシャフトおよび第二のシャフトの遠位端から延びる顎部材と、第一のシャフトおよび第二のシャフトの近位端に配置されたハンドルとを有し、ハンドルは、顎部材が互いに対して離れた関係に配置された第一の位置から、顎部材が組織を掴むように協働する第二の位置への顎部材の互いに対するピボットの周りの移動をもたらす。各顎部材は、組織の密封をもたらすために、顎部材が顎部材の間に保持された組織を通してエネルギーを選択的に伝導することが可能であるように電気外科エネルギー源に接続するように適合される。ナイフチャンネルが顎部材の一方または両方の長さに沿って規定される。ナイフチャンネルは、顎部材の間に掴まれた組織を切断するために、ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるように構成される。また、器具は、切断メカニズムが顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、切断メカニズムが顎部材の間に掴まれた組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ切断メカニズムを選択的に前進させるためのアクチュエータを含む。また、器具は、第一のシャフト上に配置されたスイッチを含む。スイッチは、第一の位置から第二の位置への顎部材の移動の際に、第二のシャフトとの係合を付勢して、少なくとも2つの位置の間で押し下げられるように構成される。スイッチは、スイッチの第一の位置へ移動すると、第一の触知応答を生成し、スイッチの少なくとも1つの後続の位置へ移動すると、後続の触知応答を生成する。第一の触知応答は、顎部材の間に掴まれた組織における既定の圧力に対応する情報をユーザに伝達し、後続の触知応答は、顎部材に電気外科エネルギーを供給するために、電気外科エネルギー源を発動するように構成される。
【0016】
本開示の別の実施形態によると、電気外科処理を実行する方法は、第一のシャフトおよび第二のシャフトに関連する第一の顎部材と第二の顎部材との間に組織を掴むために、双極鉗子の第一のシャフトおよび第二のシャフトを近接するステップを含む。また、方法は、顎部材の間に掴まれた組織に適用された既定の掴む圧力に対応する情報をユーザに伝達するために、第一のシャフトおよび第二のシャフトの近接においてスイッチを第一の位置に押し下げるステップと、顎部材に電気外科エネルギーを供給するために、電気外科エネルギー源を発動するようにスイッチを少なくとも1つの後続の位置に押し下げるステップとを含む。
【0017】
本発明は例えば以下を提供する。
(項目1)第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトのそれぞれは、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの遠位端から延びる顎部材と、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの近位端に配置されたハンドルとを有し、上記ハンドルは、上記顎部材が互いに対して離れた関係に配置された第一の位置から、上記顎部材が上記顎部材の間に組織を掴むように協働する第二の位置への上記顎部材の互いに対するピボットの周りの移動をもたらし、各顎部材は、電気外科エネルギー源に接続するように適合され、上記顎部材は、組織密封をもたらすために、上記顎部材の間に保持された組織を通して選択的にエネルギーを伝導することが可能であり、上記顎部材のうちの少なくとも1つは、上記顎部材のうちの少なくとも1つの長さに沿って規定されたナイフチャンネルを含み、上記ナイフチャンネルは、上記顎部材の間に掴まれた組織を切断するために、上記ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるよう構成される、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、
上記切断メカニズムが上記顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、上記切断メカニズムが上記顎部材の間に掴まれた組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ上記切断メカニズムを選択的に前進させるためのアクチュエータと、
上記第一のシャフト上に配置されたスイッチであって、上記スイッチは、上記顎部材の第一の位置から第二の位置への移動の際に、上記第二のシャフト上に配置された機械的インターフェイスとの係合を付勢して、第一の位置と少なくとも1つの後続の位置との間で押し下げられるように構成され、上記スイッチの第一の位置は、上記顎部材の間に掴まれた組織に対する所望の圧力に対応する情報をユーザに伝達し、上記少なくとも1つの後続の位置は、上記顎部材に電気外科エネルギー供給するために電気外科エネルギー源を発動するように構成されている、スイッチと
を含む、双極電気外科器具。
(項目2) 上記スイッチは、上記スイッチの上記第一の位置へ移動すると、第一の触知応答を生成し、上記スイッチの少なくとも1つの後続の位置へ移動すると、後続の触知応答を生成する、上記項目に記載の双極電気外科鉗子。
(項目3) 上記所望の圧力は、鉗子内に配置された少なくとも1つのひずみゲージにより測定される約3kg/cmから約16kg/cmの範囲にある、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目4) 上記所望の圧力は、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの互いに対する感知された近さにより決定される約3kg/cmから約16kg/cmの範囲にある、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目5) 上記スイッチの第一の位置は、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの最初の閉鎖圧力に対応し、上記スイッチの少なくとも1つの後続の位置は、上記最初の閉鎖圧力よりも高い上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの後続の閉鎖圧力に対応する、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科鉗子。
(項目6) 上記顎部材が上記第一の位置に配置されている場合に、上記切断メカニズムの往復を防止するように構成された安全ロックアウトをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目7) 第一の電位および第二の電位を搬送する第一のリードおよび第二のリードが、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトのうちの1つに機能的に結合する単一のケーブルに束ねられている、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目8) 第一のリードおよび第二のリードのうちの少なくとも1つが、上記ピボットを通して配置されている、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目9) 上記顎部材のそれぞれは、電気的伝導性を有する密封表面を含み、上記顎部材のうちの少なくとも1つは、上記電気的伝導性を有する密封表面上に配置された少なくとも1つの非伝導性のストップ部材を含み、上記電気的伝導性を有する密封表面は、組織が上記電気的伝導性を有する密封表面の間に保持される場合に、対向する上記電気的伝導性を有する密封表面の間の距離を制御するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目10) 第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトのそれぞれは、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの遠位端から延びる顎部材と、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの近位端に配置されたハンドルとを有し、上記ハンドルは、上記顎部材が互いに対して離れた関係に配置された第一の位置から、上記顎部材が上記顎部材の間に組織を掴むように協働する第二の位置への上記顎部材の互いに対するピボットの周りの移動をもたらし、各顎部材は電気外科エネルギー源に接続するように適合され、上記顎部材は、上記顎部材が組織の密封をもたらすために、上記顎部材の間に保持された組織を通して選択的にエネルギーを伝導することが可能であり、上記顎部材のうちの少なくとも1つは、上記顎部材のうちの少なくとも1つの長さに沿って規定されたナイフチャンネルを含み、上記ナイフチャンネルは、上記顎部材の間に掴まれた組織を切断するために、上記ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるように構成される、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、
上記切断メカニズムが上記顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、上記切断メカニズムが上記顎部材の間に保持された組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ上記切断メカニズムを選択的に前進させるためのアクチュエータと、
上記第一のシャフトに配置されたスイッチであって、上記スイッチは、上記顎部材の第一の位置から第二の位置への移動の際に、上記第二のシャフトとの係合を付勢して、少なくとも2つの位置の間で押し下げられるように構成され、上記スイッチは、上記スイッチの第一の位置へ移動すると、第一の触知応答を生成し、上記スイッチの少なくとも1つの後続の位置へ移動すると、後続の触知応答を生成し、上記第一の触知応答は、上記顎部材の間に掴まれた組織における既定の圧力に対応する情報をユーザに伝達し、上記後続の触知応答は、上記顎部材に電気外科エネルギーを供給するために、上記電気外科エネルギー源を発動するように構成される、スイッチと
を含む、双極電気外科器具。
(項目11) 上記スイッチの第一の位置は、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの最初の閉鎖圧力に対応し、上記スイッチの少なくとも1つの後続の位置は、上記最初の閉鎖圧力よりも高い上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの後続の閉鎖圧力に対応する、上記項目に記載の双極電気外科鉗子。
(項目12) 上記顎部材が上記第一の位置に配置されている場合に上記切断メカニズムの往復を防止するように構成された安全ロックアウトをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目13) 第一のシャフトおよび第二のシャフトに関連する第一の顎部材と第二の顎部材との間に組織を掴むために双極鉗子の上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトを近接するステップと、
上記顎部材の間に掴まれた組織に適用された既定の掴む圧力に対応する情報をユーザに伝達するように、上記第一のシャフトおよび上記第二のシャフトの近接の際にスイッチを第一の位置に押し下げるステップと、
上記顎部材に電気外科エネルギーを供給するために、電気外科エネルギー源を発動するように少なくとも1つの後続の位置に上記スイッチを押し下げるステップと
を含む、電気外科処置を実行する方法。
(項目14) 切断メカニズムが上記顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、上記切断メカニズムが上記顎部材の間に保持された組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ上記切断メカニズムを選択的に前進させるステップをさらに含む、上記項目に記載の方法。
(項目15) 上記第一の押し下げられた位置に対応する第一の触知応答を生成するステップをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目16) 上記少なくとも1つの後続の押し下げられた位置に対応する第二の触知応答を生成するステップをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目1A) 第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトのそれぞれは、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの遠位端から延びる顎部材と、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの近位端に配置されたハンドルとを有し、該ハンドルは、該顎部材が互いに対して離れた関係に配置された第一の位置から、該顎部材が該顎部材の間に組織を掴むように協働する第二の位置への該顎部材の互いに対するピボットの周りの移動をもたらし、各顎部材は、電気外科エネルギー源に接続するように適合され、該顎部材は、組織密封をもたらすために、該顎部材の間に保持された組織を通して選択的にエネルギーを伝導することが可能であり、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材のうちの少なくとも1つの長さに沿って規定されたナイフチャンネルを含み、該ナイフチャンネルは、該顎部材の間に掴まれた組織を切断するために、該ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるような大きさを有する、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、
該切断メカニズムが該顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、該切断メカニズムが該顎部材の間に保持された組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ該切断メカニズムを選択的に前進させるためのアクチュエータと、
該第一のシャフト上に配置されたスイッチであって、該スイッチは、該顎部材の第一の位置から第二の位置への移動の際に、該第二のシャフト上に配置された機械的インターフェイスとの係合を付勢して、第一の位置と少なくとも1つの後続の位置との間で押し下げられるように構成され、該スイッチの第一の位置は、該顎部材の間に掴まれた組織に対する所望の圧力に対応する情報をユーザに伝達し、該少なくとも1つの後続の位置は、該顎部材に電気外科エネルギーを供給するために該器具を発動するように構成されている、スイッチと
を含む、双極電気外科器具。
(項目2A) 前記スイッチは、該スイッチの前記第一の位置へ移動すると、第一の触知応答を生成し、該スイッチの少なくとも1つの後続の位置へ移動すると、後続の触知応答を生成する、上記項目に記載の双極電気外科器具。
(項目3A) 前記所望の圧力は、鉗子内に配置された少なくとも1つのひずみゲージにより測定される約3kg/cmから約16kg/cmの範囲にある、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目4A) 前記所望の圧力は、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトの互いに対する感知された近さにより決定される約3kg/cmから約16kg/cmの範囲にある、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目5A) 前記スイッチの第一の位置は、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトの最初の閉鎖圧力に対応し、前記スイッチの少なくとも1つの後続の位置は、該最初の閉鎖圧力よりも高い該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの後続の閉鎖圧力に対応する、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目6A) 前記顎部材が前記第一の位置に配置されている場合に、前記切断メカニズムの往復を防止するように構成された安全ロックアウトをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目7A) 第一の電位および第二の電位を搬送する第一のリードおよび第二のリードが、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトのうちの1つに機能的に結合する単一のケーブルに束ねられている、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目8A) 第一のリードおよび第二のリードのうちの少なくとも1つが、前記ピボットを通して配置されている、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目9A) 前記顎部材のそれぞれは、電気的伝導性を有する密封表面を含み、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該電気的伝導性を有する密封表面上に配置された少なくとも1つの非伝導性のストップ部材を含み、該電気的伝導性を有する密封表面は、組織が該電気的伝導性を有する密封表面の間に保持される場合に、対向する該電気的伝導性を有する密封表面の間の距離を制御するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
(項目10A) 第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトのそれぞれは、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの遠位端から延びる顎部材と、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの近位端に配置されたハンドルとを有し、該ハンドルは、該顎部材が互いに対して離れた関係に配置された第一の位置から、該顎部材が該顎部材の間に組織を掴むように協働する第二の位置への該顎部材の互いに対するピボットの周りの移動をもたらし、各顎部材は電気外科エネルギー源に接続するように適合され、該顎部材は、該顎部材が組織の密封をもたらすために、該顎部材の間に保持された組織を通して選択的にエネルギーを伝導することが可能であり、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材のうちの少なくとも1つの長さに沿って規定されたナイフチャンネルを含み、該ナイフチャンネルは、該顎部材の間に掴まれた組織を切断するために、該ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるように構成される、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、
該切断メカニズムが該顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、該切断メカニズムが該顎部材の間に保持された組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ該切断メカニズムを選択的に前進させるためのアクチュエータと、
該第一のシャフトに配置されたスイッチであって、該スイッチは、該顎部材の第一の位置から第二の位置への移動の際に、該第二のシャフトとの係合を付勢して、少なくとも2つの位置の間で押し下げられるように構成され、該スイッチは、該スイッチの第一の位置へ移動すると、第一の触知応答を生成し、該スイッチの少なくとも1つの後続の位置へ移動すると、後続の触知応答を生成し、該後続の触知応答は、該顎部材への電気外科エネルギーの発動を示す、スイッチと
を含む、双極電気外科器具。
(項目11A) 前記スイッチの第一の位置は、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトの最初の閉鎖圧力に対応し、前記スイッチの少なくとも1つの後続の位置は、該最初の閉鎖圧力よりも高い該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの後続の閉鎖圧力に対応する、上記項目に記載の双極電気外科器具。
(項目12A) 前記顎部材が前記第一の位置に配置されている場合に前記切断メカニズムの往復を防止するように構成された安全ロックアウトをさらに含む、上記項目のいずれか一項に記載の双極電気外科器具。
【0018】
(摘要)
双極電気外科器具は、その遠位端から延びる顎部材をそれぞれ有する第一のシャフトおよび第二のシャフトを含む。各顎部材は、顎部材がその間に保持された組織を通してエネルギーを選択的に伝導することが可能であるように電気外科エネルギー源に接続するように適合される。ナイフチャンネルは、ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるように構成される。アクチュエータは、切断メカニズムを選択的に前進させる。スイッチが第一のシャフト上に配置され、第二のシャフト上に配置された機械的インターフェイスとの係合を付勢して、第一の位置と少なくとも1つの後続の位置との間で押し下げられるように構成される。スイッチの第一の位置は、組織における所望の圧力に対応する情報をユーザに伝達し、少なくとも1つの後続の位置は、顎部材に電気外科エネルギーを供給するために、電気外科エネルギー源を発動するように構成される。
【0019】
対象器具の様々な実施形態が図面への参照と共に本明細書で記述される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本開示の1つの実施形態に従った鉗子の右側斜視図である。
【図2】図2は、図1の鉗子の分解図である。
【図3A】図3Aは、図1の鉗子のエンドエフェクタアセンブリの分解図である。
【図3B】図3Bは、図1の鉗子のエンドエフェクタアセンブリの断面図である。
【図4A】図4Aは、図1の鉗子の側面図であり、スイッチとエンドエフェクタアセンブリとの間の電気的接続を示すために、一部分が部分的に取り除かれている。
【図4B】図4Bは、図1のエンドエフェクタアセンブリの顎部材の左側斜視図である。
【図4C】図4Cは、図1のエンドエフェクタアセンブリの顎部材の左側斜視図である。
【図5A】図5Aは、開いた位置と閉じた位置との間での鉗子の作動を描写する図1の鉗子の側面図である。
【図5B】図5Bは、開いた位置と閉じた位置との間での鉗子の作動を描写する図1の鉗子の側面図である。
【図5C】図5Cは、開いた位置と閉じた位置との間での鉗子の作動を描写する図1の鉗子の側面図である。
【図6】図6は、本開示の1つの実施形態に従った図1の鉗子との使用のためのナイフの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
最初に図1および2を参照すると、開口外科手術処理での使用のための鉗子10は、細長いシャフト部分12aおよび12bを含み、各シャフト部分12aおよび12bは、それぞれ、近位端14aおよび14bと、遠位端16aおよび16bとを有する。図面、および以下に続く記述において、「近位」という用語は、従来的であるように、ユーザにより近い鉗子10の端部を指し、「遠位」という用語は、ユーザから離れた端部を指す。
【0022】
鉗子10は、シャフト12aおよび12bの、それぞれ、遠位端16aおよび16bに付属するエンドエフェクタアセンブリ100を含む。エンドエフェクタアセンブリ100は、1組の対向する顎部材110および120を含み、顎部材110および120は、組織を掴むために旋回可能に接続され、互いに対しピボット65(図2)の周りを移動可能である。ピボット65は、顎部材120の近位端に配置された、対向する半分部65aおよび65bを含み、チャンネル126(図4C)の両側に配置され、チャンネル126は、以下に詳細に論考されるように、チャンネル126を通る切断メカニズムまたはナイフ85の往復を容易にするように構成される(図2)。
【0023】
シャフト12aおよび12bのそれぞれは、シャフト12aおよび12bのそれぞれの近位端14aおよび14bにそれぞれ配置されたハンドル15および17を含む。各ハンドル15および17は、ユーザの指を受け取るためのハンドル15および17のそれぞれを通った指穴15aおよび17aをそれぞれ規定する。ハンドル15および17は、シャフト12aおよび12bの互いに対する動作を容易にし、次に、顎部材110および120が互いに対して離れた関係に配置される開いた位置から、顎部材110および120がその間に組織を掴むように協働するクランピングまたは閉じた位置に顎部材110および120を旋回する。
【0024】
図2で最良に示されるように、シャフト12aは、2つのコンポーネント、すなわち12a1および12a2から構成され、これらの2つのコンポーネントは、シャフト12aを形成するように一緒に結合される。同様に、シャフト12bは、2つのコンポーネント、すなわち12b1および12b2から構成され、これらの2つのコンポーネントは、シャフト12bを形成するように一緒に結合される。一部の実施形態では、コンポーネントの半分部12a1および12a2と、コンポーネントの半分部12b1および12b2は、複数の異なる溶接点で一緒に超音波的に溶接され(るか)、および/またはスナップ嵌め、接着剤、ファスナなどを含む任意の適当な方法により機械的に一緒に結合され得る。
【0025】
シャフト12bの配列は、シャフト12aから幾分異なる。さらに詳細には、シャフト12aは、ナイフ85および作動メカニズム40を収納するために概ね中空である。作動メカニズム40は、左手および右手でのトリガー45の操作を容易にするために、シャフト12aの両側に配置されたハンドル部材45aおよび45bを有するトリガー45に機能的に関連付けされる。トリガー45は、一連の適当な協働する要素(例えば、図2は、トリガーリンク43、ナイフ押しリンク41、バネ49、および抗展開リンク47を示す)に機能的に関連付けられ、これらの要素は、トリガー45の作動と同時に顎部材110および120の間に掴まれた組織を通してナイフ85を作動するために機械的に協働するように構成される(明確な図示なし)。ハンドル部材45aおよび45bは、ハンドル部材45aおよび45bのどちらか一方の使用が、ナイフチャンネル115を通ってナイフ85が往復するようにトリガー45を操作するように、同一な様式で動作する(図5C)。さらに、シャフト12bの近位端14bは、スイッチ空洞13を含み、スイッチ空洞13は、シャフト12bの内向する表面23bから突出し、スイッチ空洞13内に押し下げ可能なスイッチ50(およびスイッチ50に関連する電子コンポーネント)を据えつけるように構成される。スイッチ50は、シャフト12aおよび12bの互いへの近接において、スイッチ50がシャフト12aの近位端14aの対向する内向する表面23aに押し下げられて付勢係合するように、シャフト12aの近位端14aの対向する内向する表面23aと整列する。
【0026】
図1に示されるように、近位端にプラグ200を有する電気外科ケーブル210は、鉗子10を電気外科ジェネレータ(図示なし)に接続する。さらに詳細には、ケーブル210の遠位端は、近位シャフトコネクタ19によりシャフト12bにしっかりと保持され、ケーブル210の近位端は、電気外科ジェネレータに電気的および機械的に係合するように構成された突起部202a、202b、および202cを有するプラグ200を含む。
【0027】
顎部材110および120の組織を掴む部分は、概ね対称的であり、組織を掴むことおよび密封することをもたらすために、ピボット65の周りでの容易な回転を可能にするために協働する同様なコンポーネントの特徴を含む。その結果、そうでないと明記されない限り、顎部材110および顎部材110と関連する機能的特徴は、本明細書に最初に詳細に記述され、顎部材120に関する同様なコンポーネント特徴は、その後簡単に概要される。
【0028】
図3Aおよび3Bを参照すると、顎部材110は、外側筐体116aと、第一の非伝導プラスチック絶縁体108aおよび第二の非伝導プラスチック絶縁体114aと、電気的伝導性を有する密封表面112aとを含む。第一および第二の絶縁体108aおよび114aは、2段階オーバーモールド成形プロセスにより顎筐体116aの周りにオーバーモールド成形される。さらに詳細には、第一の絶縁体108aが、顎筐体116aを密封表面112aから電気的に絶縁するために、顎筐体116aの周りにオーバーモールド成形され、第二の絶縁体114aが、顎筐体116aに電気的伝導性を有する密封表面112aを固定するために顎筐体116aの周りにオーバーモールド成形される。これは、スタンピング、オーバーモールド成形、スタンピングされた密封表面のオーバーモールド成形、および/または金属粉末射出成型された密封表面のオーバーモールド成形により達成され得る。顎部材110および120は、伝導性を有する材料から生成される。一部の実施形態では、顎部材110および120は、密封中に迷走電流の集中を低減するために、絶縁コーティングで粉末塗装される。
【0029】
図3Bの断面図により最良に示されるように、顎部材110および120が閉じた位置にある場合に、組織が対向する、電気的伝導性を有する密封表面112aおよび112bにより掴まれるように、顎部材110の電気的伝導性の有する密封表面112aは、顎筐体116aおよび第二の絶縁体114aから突出している。
【0030】
同様に、顎部材120は、外側筐体116bと、第一および第二のプラスチック絶縁体108bおよび114bと、顎筐体116bおよび第二の絶縁体114bから突出した、電気的伝導性を有する密封表面112bを含む、顎部材110に対応する同様な要素を含む。顎部材110に関して上記されたように、第一の絶縁体108bは、顎筐体116bを密封表面112bから電気的に絶縁し、第二の絶縁体114bは、顎筐体116bに密封表面112bを固定する。絶縁体114aおよび114bは、密封中に交流電流または迷走電流経路を低減するために、それぞれ、顎部材110および120の全長に沿って延びる。一部の実施形態では、密封表面112aおよび112bのそれぞれは、各絶縁体114aおよび114bが、それぞれの密封表面112aおよび112bと、半径に概ね接する境界線を共有する縁に沿って合う、および/または半径に沿って合うような半径を有する外側の周縁を含み得る。
【0031】
図3Aおよび3Bに示されるように、顎部材の少なくとも1つ(例えば、顎部材120)は、電気的伝導性を有する密封表面112bおよび/または112aの内向する表面に配置された少なくとも1つのストップ部材750を含む。あるいは、またはその上、1つまたは複数のストップ部材750は、電気的伝導性を有する密封表面112a、112bに隣接して、またはピボット65に近接して配置され得る。1つのまたは複数のストップ部材750は、組織の密封および切断中に、組織の把握および操作と、対向する顎部材110と120との間のギャップを規定することとを容易にする。一部の実施形態では、1つまたは複数のストップ部材750は、約0.001インチ(約0.03ミリメートル)から約0.006インチ(約0.015ミリメートル)の範囲内に対向する顎部材110および120の間のギャップ距離を維持する。
【0032】
図2に示されるように、シャフト12bは、シャフト12b内に配置され、かつ、ハンドル15と顎部材110との間に延びる梁57を含む。一部の実施形態では、梁57は、顎部材110と120との間に掴まれた組織に、ユーザが追加的な密封圧力を生成することを可能にするために、柔軟な鉄鋼で構成される。さらに詳細には、エンドエフェクタアセンブリ100が組織の周りで閉じられたときには、シャフト12aおよび12bは、顎部材110と120との間に必要とされる閉鎖圧力を生成するために、梁57の柔軟性を使用するように互いに向かって圧搾され得る。この場面では、梁57に関連する圧縮力により実現された機械的な有利点は、顎部材110と120との間に掴まれた組織の周りに一貫した、一定で正確な閉鎖圧力を容易にし、確定する(例えば、約3kg/cmから約16kg/cmの作業圧力範囲内)。組織に印加される電気外科エネルギーの強度、周波数、および持続時間を制御することにより、ユーザは組織を密封し得る。一部の実施形態では、密封中の対向する密封表面112aおよび112bの間のギャップ距離は、約0.001インチから約0.005インチにわたる。
【0033】
一部の実施形態では、密封表面112aおよび112bは、鋭い縁での電流の集中と、高い点の間でのアーキングとを避けるために、比較的平坦である。その上、係合された場合の組織の反力のために、顎部材110および120のそれぞれは、曲がることに抵抗するように製造され得る(例えば、平行な状態で一定の組織の厚さに対して一定の圧力を提供するように長さに沿って先細りし、顎部材110および120のより厚い近位部分は、組織の反力により曲がることに抵抗する)。
【0034】
図3A、3B、4B、および4Cに示されるように、顎部材110および120の少なくとも1つは、その間に配置されたナイフチャンネル115aおよび/または115bをそれぞれ含む。ナイフチャンネル115aおよび/または115bは、ナイフチャンネル115aおよび/または115bを通るナイフ85の往復を可能にするように構成される。描写される実施形態では、組織を掴むときに顎部材110および120に関連するそれぞれの2つの対向するチャンネルの半分部115aおよび115bが一体となる場合に、完全なナイフチャンネル115が形成される。各プラスチック絶縁体108aおよび108bは、ナイフチャンネル115を通る往復のときに、ナイフ85がプラスチック絶縁体108aおよび108bに接触しないように、またはプラスチック絶縁体108aおよび108bを切断しないように、対向するナイフチャンネルの半分部115aおよび115bのそれぞれと縦に整列するトラフ121aおよび121bをそれぞれ含む。一部の実施形態では、ナイフチャンネル115aおよび115b、およびナイフチャンネル115aおよび115bのそれぞれのトラフ121aおよび121bの幅は、それらの全長に沿って等しい場合がある。
【0035】
図4Aに最良に示されるように、ケーブル210の内部は、リード71a、71b、および71cを収納する。リード71a、71b、および71cは、ケーブル210を通ってプラグ200から延び、シャフト12bの近位コネクタ19内のケーブル210の遠位端を出る。さらに詳細には、リード71aは、突起部202bとスイッチ50の第一の端子75aとの間に相互接続される。リード71bは、突起部202cとソルダースリーブ73aとの間に相互接続され、ソルダースリーブ73aは、次に、リード71bをRFリード71dと、コネクタリード71fを介してスイッチ50の第二の端子75bとに接続する。RFリード71dは、電気外科エネルギーの第一の電位をリード71bから密封表面112aに搬送する。リード71cは、突起部202aとソルダースリーブ73bとの間に相互接続され、ソルダースリーブ73bは、次に、リード71cをRFリード71eに接続する。RFリード71eは、電気外科エネルギーの第二の電位をリード71cから密封表面112bに搬送する。
【0036】
図4Bを参照すると、密封表面112aの近位端から延びるジャンクション311a(図3A)に接続するために、リード71dのための通路を提供するように、リードチャンネル77が顎部材110の近位端に規定される。リードチャンネル77の近位端は、軌道70に開き、軌道70は、細くなった近位端72と、弓形の側壁68を規定する広がった遠位端74とを有する概ね細長い構成を含む。リード71dは、軌道70の近位端72を通る通路と、さらにジャンクション311aへの接続のためにリードチャンネル77を通る通路とに従ってルーティングされる。
【0037】
図4Cを参照すると、ピボットの半分部65aおよび65bは、チャンネル126を通るナイフ85の移動を容易にするために、チャンネル126の両側に配置される(図5A−5C)。ピボットの半分部65aおよび65bは、分割された球状構成で配置され、各々がベース部分165aおよび165bをそれぞれ含み、ベース部分165aおよび165bは、それらの上に、それぞれ、拡張部分166aおよび166bを支持する。拡張部分166aおよび166bは、顎部材110を顎部材120に旋回可能に固定するために、ピボットプレート66を通して配置される、それらに応じて大きさを決められた開口部67aおよび67bと係合するように構成される。リードチャンネル109は、密封表面112bの近位端から延びるジャンクション311bに接続するために、リード71eのための通路を提供するように顎部材120の近位端に規定される。リード71eは、軌道70を通る通路と、さらに対向するピボットの半分部65aと65bとの間と、ジャンクション311bへの接続のためにリードチャンネル109とを通る通路に従ってルーティングされる。
【0038】
図5A−5Cを参照すると、ユーザがスイッチ50を押し下げるようにシャフト12aおよび12bに閉鎖圧力を適用するにつれ(図5B)、スイッチ50の変位の関数としてスイッチ50に適用された閉鎖力に対応する第一の閾値が満たされ、スイッチ50の変位は スイッチ50が顎部材110と120との間に配置された組織を完全に掴むことに対応する第一の触知応答を生成することをもたらす。第一の触知応答に続いて、ユーザがシャフト12aおよび12bに追加的な閉鎖圧力を適用するにつれ(図5C)、スイッチ50の変位の関数としてスイッチ50に適用された閉鎖力に対応する第二の閾値が満たされ、スイッチ50の変位は、スイッチ50が密封表面112aおよび112bに電気外科エネルギーを提供するために電気外科ジェネレータに生成された信号に対応する第二の触知応答を生成することをもたらす。さらに詳細には、第二の触知応答は、スイッチ端子75aと75bとの間で通常開いている回路の閉鎖を示し、次に、リード71aと71bとの間での電気的接続の確立を示す。リード71aと71bとの間での電気的接続の結果、電気外科ジェネレータは、突起部202bと202cとの間の電圧の降下を感知し、それに応答してリード71dおよび71eを介して密封表面112aおよび112bに電気外科エネルギーを供給する。
【0039】
1つの実施形態では、第一の触知応答は、エンドエフェクタ100が活性化される前に、ユーザが必要に応じて組織を自由に近づけ、操作し、掴むことができる最大の掴む圧力に到達したことをユーザに示す。この場合、第二の触知応答は、エンドエフェクタ100の電気外科発動をユーザに示す。スイッチ50は、上記の第一触知応答と第二の触知応答との間に、および/または第二の触知応答に後続の複数の他の触知応答を含み得、これらの応答は、以下に詳細に論考されるように、例えばナイフ85および/または作動アセンブリ40の動作、作動アセンブリ40に関連する安全ロックアウトメカニズムの動作のような鉗子10の特定の機能に対応する。
【0040】
図4Aに示されるように、鉗子10は、エンドエフェクタ100により目標組織に適用されているクランピング力または掴む力が測定および/または検出され得るようにシャフト12aおよび12bの一方または双方内に配置されたゲージまたはセンサ要素87を含み得る。例えば、一部の実施形態では、センサ要素87は、顎部材110および120の一方または双方に操作可能に関連付けられるひずみゲージ87であり得る。センサ要素87は、組織圧力を検出するために、シャフト12aおよび12bの一方または双方および/または顎部材110および120の一方または双方内に配置され得る1つ以上のホール効果センサ、または例えば金属ひずみゲージ、ピエゾ抵抗ひずみゲージのようなひずみゲージであり得る。金属ひずみゲージは、伝導性を有する材料の個体形状(例えば長さ、幅、厚さなど)が機械的応力により変化するにつれ、伝導性を有する材料の抵抗が伝導性を有する材料の固体形状の変化の関数として変化する原理に基づいて動作する。抵抗におけるこの変化は、例えば、顎部材110および120により組織に適用された機械的応力のようなひずみまたは適用された機械的応力を検出するために使用される。ピエゾ抵抗ひずみゲージは、機械的応力の適用による半導体の変化する抵抗に基づいて動作する。
【0041】
ホール効果センサは、顎部材110と120との間の磁界の強さと、顎部材110と120との間の距離との間の検出された関係に基づいて顎部材110と120との間のギャップを決定するように組み込まれ得る。
【0042】
一部の実施形態では、図4Aに示されるように、1つ以上のリードスイッチ81aおよび81bの互いに対する近さを決定するために、1つ以上のリードスイッチ81aおよび81bがシャフト12aおよび12b内に組み込まれ得る。さらに詳細には、1つのまたは複数のリードスイッチは、シャフトの1つ(例えばシャフト12a)内に配置されたスイッチ81aと、対向するシャフト(例えばシャフト12b)内に配置された磁気要素81b(例えば、電磁石、永久磁石、コイルなど)から成り得、シャフト12aおよび12bが近接するとき、リードスイッチ81aは、磁気要素81bの磁界により発動または閉鎖され、同様に、シャフト12aおよび12bが互いに離されるにつれ、磁界の欠如がリードスイッチ81aを非アクティブ化するかまたは開く。この態様で、シャフト12aおよび12bの近さ、従って顎部材110および120の近さがリードスイッチ81aの電磁要素81bへの反応に基づいて決定され得る。
【0043】
前に論考された任意のセンサ、スイッチ、および/または1つもしくは複数のひずみゲージは、ひずみゲージにより検出されたひずみが回路を通る電気信号を変更するように電子回路内に組み込まれ得る。この目的を留意して、ひずみゲージ、スイッチ50および/または電気外科ジェネレータ(図示なし)間の電子回路は、電子回路への所望の組織圧力のような情報の伝達を可能にする。この情報は、ひずみゲージにより検出されたような顎部材110と120との間に掴まれた組織における所望のおよび/または既定の圧力が達成されるまでスイッチが発動されないように、スイッチ50の発動に結び付けられ得る。従って、ひずみゲージは、顎部材110と120との間の掴まれた組織に適用された圧力がひずみゲージに影響を及ぼすように鉗子10に(例えば、1つ以上の顎部材110および120上に)戦略的に配置され得る。
【0044】
使用において、鉗子10は、スイッチ50の特定の触知応答(例えば、第一の触知応答)が、上記の1つ以上のセンサ、スイッチ、および/または1つもしくは複数のひずみゲージの使用を通して決定されるような組織における既定の掴む圧力に対応するように較正され得る。1つの実施形態において、組織への規定の掴む圧力は、約3kg/cmから約16kg/cmの範囲内にあり、別の実施形態では、約7kg/cmから約13kg/cmの範囲内にある。一部の実施形態では、スイッチ50は、複数の触知応答を生成し得、これらの触知応答のそれぞれは、異なる既定の掴む力に対応する。ロードセル、ひずみゲージなどのような力感知デバイスまたは力測定デバイスのさらに詳細な論考には、2006年4月21日に出願された、出願者が共通の米国出願第11/409,154号に参照がなされる。
【0045】
図2、4B、および4Cに示されるように、ピボット65は、顎部材120を通して規定される開口部125を通して接続し、開口部125の周縁部の周りに規定された円周沿いのリップまたはフランジ78(図4B)内に据えつけられたピボットプレート66に嵌合係合し、その結果、ピボット65は、開いた位置と閉じた位置との間で顎部材110および120を移動させる開口部125内で回転可能に移動可能である。
【0046】
一部の実施形態では、ナイフ85の作動は、スイッチ50の発動に関連付けられる。例えば、センサ87は、顎部材110と120および/またはその間に保持された組織に対するナイフ85の位置を検出するように構成された位置センサとして具現化され得る。そのうえ、またはあるいは、センサ87は、センサ50の第一および第二の触知応答のいずれかを検出するように構成され得、それに応じてナイフ85の作動を許容するかまたは防止し得る。例えば、センサ87からのフィードバックに基づいて、以下にさらに詳細に記述されるように、作動メカニズム40に関連する任意の1つ以上の協働する要素またはロックアウトメカニズムが、ナイフ85の作動を許容または防止するために活性化または非活性化され得る。
【0047】
図6に示されるように、ナイフ85は、ナイフ85の遠位端でナイフ85のプロフィールを低減する段86を含む。ナイフ85の遠位端は、鋭利にされた遠位切断縁89の方のナイフ85のプロフィールを増大する段88を有する。ナイフ85は、ナイフチャンネル15を通ったナイフ85の円滑な後退を容易にするために、鋭利にされた遠位切断縁89が段88と合う面取りされた部分84を含む。
【0048】
一部の実施形態では、鉗子10は、顎部材110および120が開いた位置に配置されている場合にナイフ85の非意図的な発動を防止するために一緒に働く一連の適当な協働する要素(例えば、抗展開リンク47、トリガーリンク43)を有する安全ロックアウトメカニズムを含み得る。概して、抗展開リンク47は、顎部材110および120が組織の周りで閉じられるまでナイフ85の前進を防止するようにトリガーリンク43と機械的に協働する。鉗子10での使用のためのこのような安全ロックアウトメカニズムの1つは、2010年10月1日に出願された“Blade Deployment Mechanisms for Surgical Forceps”と題される、出願者が共通の米国出願第12/896,100号に記述される。
【0049】
一部の実施形態では、任意の1つ以上の安全ロックアウトメカニズムの協働する要素(例えば、抗展開リンク47)は、電気的にスイッチ50と相互接続され得、機械的に安全ロックアウトメカニズムを操作するためのスイッチ50の発動を介して(例えば、リード71a、71b、71c、71d、71eのうちの任意の1つのリードを介して)活性化されるように構成された適当な電気機械コンポーネント(例えば、バネ、ロッド、ソレノイドなど)を含み得る。例えば、エンドエフェクタ100を活性化するためにリード71dおよび71eを通した電気的伝導のときに、安全ロックアウトメカニズムがナイフ85の選択的な作動を可能にするように係合を解くような抗展開リンク47の作動をもたらすように抗展開リンク47が活性化される。この場合、例として、ナイフ85の選択的な発動は、スイッチ50が少なくとも第一の触知応答を生成するように押し下げられるまで防止され得る。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されるが、本開示は当該分野が許容する限り範囲が広く、明細書がそのように読まれることが意図されるために、本開示がそれらの図面に制限されることが意図されない。従って、上記は、制限的に解釈されるものではなく、単に特定の実施形態の例示化として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付の特許請求の範囲および精神内の他の改変を想起する。
【符号の説明】
【0051】
12a シャフト
12b シャフト
15 ハンドル
17 ハンドル
45 トリガー
100 エンドエフェクタ
110 顎部材
120 顎部材
210 電気外科ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトのそれぞれは、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの遠位端から延びる顎部材と、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの近位端に配置されたハンドルとを有し、該ハンドルは、該顎部材が互いに対して離れた関係に配置された第一の位置から、該顎部材が該顎部材の間に組織を掴むように協働する第二の位置への該顎部材の互いに対するピボットの周りの移動をもたらし、各顎部材は、電気外科エネルギー源に接続するように適合され、該顎部材は、組織密封をもたらすために、該顎部材の間に保持された組織を通して選択的にエネルギーを伝導することが可能であり、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材のうちの少なくとも1つの長さに沿って規定されたナイフチャンネルを含み、該ナイフチャンネルは、該顎部材の間に掴まれた組織を切断するために、該ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるような大きさを有する、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、
該切断メカニズムが該顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、該切断メカニズムが該顎部材の間に保持された組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ該切断メカニズムを選択的に前進させるためのアクチュエータと、
該第一のシャフト上に配置されたスイッチであって、該スイッチは、該顎部材の第一の位置から第二の位置への移動の際に、該第二のシャフト上に配置された機械的インターフェイスとの係合を付勢して、第一の位置と少なくとも1つの後続の位置との間で押し下げられるように構成され、該スイッチの第一の位置は、該顎部材の間に掴まれた組織に対する所望の圧力に対応する情報をユーザに伝達し、該少なくとも1つの後続の位置は、該顎部材に電気外科エネルギーを供給するために該器具を発動するように構成されている、スイッチと
を含む、双極電気外科器具。
【請求項2】
前記スイッチは、該スイッチの前記第一の位置へ移動すると、第一の触知応答を生成し、該スイッチの少なくとも1つの後続の位置へ移動すると、後続の触知応答を生成する、請求項1に記載の双極電気外科器具。
【請求項3】
前記所望の圧力は、器具内に配置された少なくとも1つのひずみゲージにより測定される約3kg/cmから約16kg/cmの範囲にある、請求項1に記載の双極電気外科器具。
【請求項4】
前記所望の圧力は、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトの互いに対する感知された近さにより決定される約3kg/cmから約16kg/cmの範囲にある、請求項1に記載の双極電気外科器具。
【請求項5】
前記スイッチの第一の位置は、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトの最初の閉鎖圧力に対応し、前記スイッチの少なくとも1つの後続の位置は、該最初の閉鎖圧力よりも高い該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの後続の閉鎖圧力に対応する、請求項1に記載の双極電気外科器具。
【請求項6】
前記顎部材が前記第一の位置に配置されている場合に、前記切断メカニズムの往復を防止するように構成された安全ロックアウトをさらに含む、請求項1に記載の双極電気外科器具。
【請求項7】
第一の電位および第二の電位を搬送する第一のリードおよび第二のリードが、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトのうちの1つに機能的に結合する単一のケーブルに束ねられている、請求項1に記載の双極電気外科器具。
【請求項8】
第一のリードおよび第二のリードのうちの少なくとも1つが、前記ピボットを通して配置されている、請求項1に記載の双極電気外科器具。
【請求項9】
前記顎部材のそれぞれは、電気的伝導性を有する密封表面を含み、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該電気的伝導性を有する密封表面上に配置された少なくとも1つの非伝導性のストップ部材を含み、該電気的伝導性を有する密封表面は、組織が該電気的伝導性を有する密封表面の間に保持される場合に、対向する該電気的伝導性を有する密封表面の間の距離を制御するように構成される、請求項1に記載の双極電気外科器具。
【請求項10】
第一のシャフトおよび第二のシャフトであって、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトのそれぞれは、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの遠位端から延びる顎部材と、該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの近位端に配置されたハンドルとを有し、該ハンドルは、該顎部材が互いに対して離れた関係に配置された第一の位置から、該顎部材が該顎部材の間に組織を掴むように協働する第二の位置への該顎部材の互いに対するピボットの周りの移動をもたらし、各顎部材は電気外科エネルギー源に接続するように適合され、該顎部材は、該顎部材が組織の密封をもたらすために、該顎部材の間に保持された組織を通して選択的にエネルギーを伝導することが可能であり、該顎部材のうちの少なくとも1つは、該顎部材のうちの少なくとも1つの長さに沿って規定されたナイフチャンネルを含み、該ナイフチャンネルは、該顎部材の間に掴まれた組織を切断するために、該ナイフチャンネルに沿って切断メカニズムを往復させるように構成される、第一のシャフトおよび第二のシャフトと、
該切断メカニズムが該顎部材の間に掴まれた組織に対して近位に配置された第一の位置から、該切断メカニズムが該顎部材の間に保持された組織に対して遠位に配置された少なくとも1つの後続の位置へ該切断メカニズムを選択的に前進させるためのアクチュエータと、
該第一のシャフトに配置されたスイッチであって、該スイッチは、該顎部材の第一の位置から第二の位置への移動の際に、該第二のシャフトとの係合を付勢して、少なくとも2つの位置の間で押し下げられるように構成され、該スイッチは、該スイッチの第一の位置へ移動すると、第一の触知応答を生成し、該スイッチの少なくとも1つの後続の位置へ移動すると、後続の触知応答を生成し、該後続の触知応答は、該顎部材への電気外科エネルギーの発動を示す、スイッチと
を含む、双極電気外科器具。
【請求項11】
前記スイッチの第一の位置は、前記第一のシャフトおよび前記第二のシャフトの最初の閉鎖圧力に対応し、前記スイッチの少なくとも1つの後続の位置は、該最初の閉鎖圧力よりも高い該第一のシャフトおよび該第二のシャフトの後続の閉鎖圧力に対応する、請求項10に記載の双極電気外科器具。
【請求項12】
前記顎部材が前記第一の位置に配置されている場合に前記切断メカニズムの往復を防止するように構成された安全ロックアウトをさらに含む、請求項10に記載の双極電気外科器具。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−75906(P2012−75906A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219394(P2011−219394)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(510011673)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (57)
【Fターム(参考)】