説明

管状袋を製造するための装置、形成型及び方法

本発明は、包装材料ウェブ(4)を、側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋へと形作るための形成型であって、形成エッジ(3)に沿って互いに接続されているショルダー部分(1)と角柱部分(2)を有し、その際、進入する包装材料ウェブ(4)の方を向いた、形成エッジ(3)の半分が、角柱部分(2)の断面の第一及び第二象限に位置し、およびシーム形成が第四象限において行われる形成型に関する。本発明に従い、第二及び第四象限において、形成エッジ(3)から始まる湾曲の無い面直線(11)が、角柱部分(2)からの増加する距離とともに互いに近づくこと、及び、ショルダー部分(1)の表面と、角柱部分(2)の内側の間で測定される形成エッジ角度が、第二象限から第三象限へと減少し、および第三象限から第四象限へと再び増加することが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状袋、例えば、側方にオフセットされた長手方向シームを有する、いわゆるスティックパック袋のようなものを製造するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
その際、側方にオフセットされた長手方向シームの概念は、シーム領域が、横断方向シームによって境界付けられた管状袋におけるシーム領域が、中央部の外にあり、つまり袋の長手方向中央平面が、ウェブ縁部のオーバーラップ領域と交差しないことを意味する。前記ウェブ縁部は、長手方向シーム、例えばいわゆるフィンシームまたはオーバーラップシームを形成する。図1には、従来の対称な袋断面の断面図(この袋断面においては、シームは、袋の一方の側の中央に、または中央近くに位置している)が、ここで取り扱われる非対称の袋断面(この非対称の袋断面においては、長手方向シームが側方に設けられている)と、それぞれオーバーラップシーム及びフィンシームの実施形で、対立している。
【0003】
側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋の製造は、形成型または他の適切な手段を使って、平らな包装材料ウェブ、例えばフィルムウェブやペーパーウェブから管断面を形成することによって、及び、長手方向シームを、ウェブエッジを熱融着するための長手方向熱融着器官によって封印することによって、並びに、そのように製造された管から生じる個々の袋の閉鎖を、後続的に横断方向熱融着装置によって行うことによって行われる。
【0004】
現在、スティックパック管状袋、つまり8から50mmの袋幅の管状個袋包装は、現在、平らに押さえられた袋の一方の側の中央または中央近くに存在する長手方向シームによって完成されている。スティックパックのシーム幅は、袋幅に比較して、比較的大きい。袋のシーム側は、よって広告目的および情報目的の為には限定的にのみ使用されることができる。通常フォーマット(50から250mm)の管状袋においては、このような理由から、長手方向シームが脇にあるということが広まっている。
【0005】
この特徴が、今までスティックパック領域に未だ受け入れられていないということは、従来の管状袋装置において非対称の管を処理することは、大きな労力・費用を伴ってのみ実現可能であり、つまり、このようなフォーマットに対して特別な装置を開発する必要があるということを理由としている。
【0006】
通常フォーマットの為の管状袋装置と異なり、スティックパック装置は常に多重列で動作し、つまり、スティックパック装置においては、多数のスティックパックが同時に形成され、そして充填される。長手方向シームが、管断面の一方の側の中央に設けられている管状袋においては、長手方向熱融着器官と、場合によっては、対向ホルダーが、図2に表されるように、これらが、列状の配置に対して横断方向に作用するように設けられる。
【0007】
しかし、長手方向シームが側方にオフセットされて設けられている場合、形成型の間に、長手方向熱融着装置を側方に位置させるためのスペースがあまりに少ない。対称な管の熱融着のための標準的装置における解決策と異なり、熱融着工具の提供は、図3に表されるように、斜めに行われなければならない。しかし、これは極めて費用・工数が掛かるので、このような装置の機械技術的実現は、これまで存在しない。
【0008】
脇に位置する長手方向シームを有するスティックパック袋をマーケットに提供することが出来るということは、これまで回避されてきた、上述の技術上の課題を克服することである。
【0009】
側方に位置する長手方向シームを有するスティックパック袋の為の形成型の開発における方法技術上の問題は、(フィルム又は紙から成る)ウェブが、長い側におけるおよそ大きな造形力及び摩擦力に基づき、側方に滑り去ることにある。形成型の上で向きを変えられたウェブの巻かれた線長さは、中心線から出発sちえ異なる長さである。形成型状でウェブの向きを変える際の作動抵抗は、基本的に摩擦力によってと成形力によって定められる。これは、形成型の形状の造形によってこれら力が相殺され、およびウェブの一方側への滑り去りが回避されるよう、補償されるべきである。
【0010】
形成型により長手方向において一度形成されたウェブは、傾斜を開放された後に、再び伸ばされる。長手方向熱融着に関して、熱融着の直前に行われる管の位置決めと固定における技術上のリスクがある。これは、形成型と長手方向熱融着装置、つまり、長手方向融着器官と場合によっては対向ホルダー並びに場合によっては別の固定器官の理想的な造形によって、保障されるべきである。非対称の、つまり側方にオフセットされた長手方向熱融着の問題の解決のために、長手方向熱融着装置と形成型の造形の完全に新しいアプローチが提案される。
【0011】
その際、装置は、長手方向熱融着器官と長手方向熱融着器官の為の対向ホルダーを有することができ、その際、対向ホルダーは、成形型の管形成する要素、例えば形成型の角柱部分のもと、又は/及び、そのような形成型の中へと延びる充填パイプのもとを通り過ぎて延在し、又はこれを部分的に取り囲み、及び、そのようにして長手方向シームを、長手方向熱融着器官の作用に対抗して支持する。提案される装置のこのような実施形は、図5に表されている。代替として、長手方向熱融着器官及び対向ホルダーは、管形成する要素の同じ側に設けられている。その際、これらは互いに可動に接続されている。両方の実施形において、対向ホルダーは、長手方向熱融着器官として形成されていることが可能である。
【0012】
さらに装置は、管を押しつぶし横断方向熱融着シームを形成するための横断方向熱融着装置を備えていることが可能である。
【0013】
側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋を製造するための方法は、以下のステップを有している。
1.袋中央平面に対して直角に向けられた長手方向シームを有する管を、平らな材料、例えばフィルムウェブから形成する。
2.固定、つまり長手方向シームの長手方向熱融着による封印を、上述したとおり形成されており、および対向ホルダーに対抗して作用する熱融着器官によって行う。
3.管を押しつぶす、および場合によって横断方向熱融着シームを横断方向熱融着装置でもって形成する。
【0014】
上述した形態の第三の方法ステップの作用は、図4に表されている。
【0015】
脇に位置する長手方向シームを有する管状袋の製造のための、提案された装置は、従来の管状袋装置に対して、追加的な費用を求めることなく、増設可能であり、つまりすでに存在する装置に、簡単に装備追加するということが可能である。
【0016】
形成型を用いて、非対称のフィルム管状断面が作られ、および標準装置内での、長手方向熱融着工具の作用方向の保持の際の押しつぶしによって製造される。
【0017】
長手方向熱融着器官と、もし存在するなら対向ホルダーのねじ回しの際の従来の問題が、同時に回避される。解決策は、標準装置にて実現されることが可能である。長手方向熱融着器官のみが側方にオフセットされ、そして場合によっては、これに合わせられた対向ホルダーが組み付けられる。
【0018】
側方にオフセットされた長手方向シームを有するスティックパックの製造の際の上述した問題を、特に複数の成形装置、熱融着装置、および充填装置を有する設備において克服するために、以下に、管状袋を製造するための装置、および記載される装置の構成要素でありうる成形型が提案される。
【0019】
管状袋を製造するための装置であって、包装材料ウェブを、側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋に形作るための形成型を有する装置であって、その際、包装材料ウェブは、形成型のショルダー部分へとある進入方向にて進入し、そしてある退出方向で形成型の管形成する要素から退出し、そして長手方向シームは、管状袋の断面に対し中央を外れて製造され、そして更に、接触面を有する長手方向熱融着器官を有する装置において、長手方向熱融着器官が、進入方向と退出方向により形成される平面に対して平行に移動可能に支承されることが提案される。
【0020】
長手方向熱融着器官が、形成型の管形成する要素(角柱部分または充填パイプ)に力を及ぼすとき、および管形成する要素が、十分堅強にデザインされているとき、対向ホルダーは省略可能である。これと反対に、長手方向熱融着器官が管形成する要素に作用しないとき、又は長手方向熱融着器官が管形成する要素に作用し、そしてこれが力の作用のもと変形するとき、対抗ホルダーは必要とされる。
【0021】
よって、一つの形態においては、対向ホルダーが、長手方向熱融着器官によって発生させられる押圧力を支持するための接触面を有しており、これが同様に、進入方向および退出方向によって形成される平面に対して平行に移動可能に支承されている。
【0022】
このように長手方向熱融着器官及び/又は対向ホルダーの移動方向を定めることによって、公知の装置の記載した不利益が克服される。長手方向熱融着器官及び/又は対向ホルダーは、長手方向シームを包装材料ウェブに設けるために必要な温度を発生するために、暖めることが可能である。しかし、他の形態も本発明思想に明確に含まれる。これは例えば、長手方向熱融着器官及び/又は対向ホルダー、もし存在するなら超音波センサーが、長手方向シームを包装材料ウェブ中で超音波融着によって製造するために存在している形態である。
【0023】
更にまた、対向ホルダーが、形成型の管形成する要素(角柱部分または充填パイプ)の、長手方向シーム形成の箇所と向かい合った側に支承されているということも、意図されうる。代替として、対向ホルダーが、形成型の管形成する要素の、長手方向熱融着器官と同じ側に支承されていることうことも可能である。一つの形態に従い、長手方向熱融着器官と対向ホルダーは、互いに相対的に移動可能にお互いに接続されている。
【0024】
この装置の別の形態は、対向ホルダーが、管形成する要素(角柱部分又は充填パイプ)を通りすぎ、長手方向シーム形成の箇所まで伸びていること、又は/及び、対向ホルダーが、管形成する要素を少なくとも部分的に取り囲んでいることを、意図している。
【0025】
本発明の改良形においては、長手方向熱融着器官の接触面が、長手方向シーム形成の箇所において、管形成する要素(角柱部分または充填パイプ)に対して接する方向に延びている。対向ホルダーが設けられているとき、有利には、その接触面もまた同様に、長手方向熱融着器官の接触面に対して平行に延びるよう設けられている。
【0026】
その際さらに、長手方向熱融着器官の接触面と、対向ホルダーの接触面が、互いに半径方向に向かい合った位置で、管形成する要素と接触するよう移動可能であることが意図されていることができる。
【0027】
装置中には、後述する形成型もまた設けられることが可能であり、この形成型によって、側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋の製造が高品質で可能である。
【0028】
本発明の具体的説明のために、以下に種々の概念を用いる。これらの意義をまず説明する。
【0029】
「角柱部分の断面の象限」は、角柱部分を上面から見た断面のセクターである。その際、グローバル座標系の原点を、角柱部分の断面の中心に考え、よって製造される管断面の中心に考える。座標系のy軸は、包装材料ウェブの形成型への進入方向に対して平行にあり、その結果、座標系のx軸は、これに対して横切る方向にあり、およびz軸は包装材料ウェブの退出方向に対して平行に延びている。それゆえ、対称な形成型において、シーム形成はy軸上、第三および第四象限の間で行われる。
【0030】
ここで取り扱われる、側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋の製造の際には、反対にこれは、第三象限(左方中央に設けられる長手方向シームの場合)または第四象限(右方中央に設けられる長手方向シームの場合)において、これら象限の中でx軸にも極めて近く、つまり、隣接する第一または第二象限の近くという状況のもと行われる。説明を簡単とするため、さもなければ通常定義されている反時計回りの象限の数え方から逸脱して、以下では常に、シームが形成される象限を、第四象限とよぶので、左方中央に設けられる長手方向シームの場合、象限が時計回りと反対に数えられる。
【0031】
形成型の特徴づけの為に以下で使用される他のパラメータは、「折り角度」、「形成エッジ角度」、「ウェブライン」、「ショルダーライン」である。
【0032】
ショルダーラインは、湾曲の無い面直線とも称される。このショルダーラインは、空間における直線であり、ショルダー面上に位置している。つまりこれは、ショルダー面の上面図においてのみならず、ショルダー部分を通る断面図において、または他の任意の視線方向において直線である。ここで記載される形式の形成型においては、ショルダーラインは、形成エッジの各点から外側に向かって伸びている。ショルダー直線の方向は、以下に更に詳細に説明する通り、記載した形成型の特徴づけの為に使用される。
【0033】
これと反対にウェブラインは、変形されていない包装材料ウェブの長手方向に延びる仮想直線であり、この直線は、ウェブエッジに対して平行に延びている。よって、両ウェブエッジは、それ自体最も外側のウェブラインである。ショルダー面上におけるウェブラインの推移もまた、記載した形成型の特徴づけに使用される。この点、以下に詳細に説明する。
【0034】
形成角度は、ウェブラインの未だショルダー面の存在している部分と、同じウェブラインの、既に角柱部分内に存在する部分の間の、形成エッジの点において計測した角度であり、ここにおいて、一方の部分が他方へと移行している。
【0035】
それとは逆に、形成エッジ角度は、形成エッジのショルダー面と角柱部の間の点において、垂直な断面平面内、つまり上述したグローバル座標系のZ軸と、観測される点において形成エッジに対して直角に伸びる直線によって形成される平面内で計測される角度である。
【0036】
したがって、観測される点において、ウェブラインのショルダーライン上にある部分が直角であるとき、つまり形成エッジに直角であるとき、形成角度は、形成エッジ角度と同じである。そうでない場合、形成角度は、形成エッジ角度より大きい。
【0037】
包装材料ウェブを、側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋に形作る形成型であって、形成エッジに沿って互いに接続されているショルダー部分と角柱部分を有し、その際、進入する包装材料ウェブの方を向いた形成エッジの半分が、角柱部分の断面の第一及び第二象限に位置し、そして、シーム形成が第四象限において行われるものにおいて、ショルダー面の曲率が、ショルダー面を越えて推移する包装材料ウェブのウェブラインにそって観察すると、ウェブラインが包装材料ウェブの縁に近づくほど、第二象限及び第四象限において急になるということが提案される。
【0038】
代替として、形成型は、以下のようにも説明される。つまり、ショルダー部分と角柱部分の表面の間で計測した形成エッジ角度は、第二象限から第三象限に掛けて減少し、第三象限から第四象限にかけて再び増加する。他の言葉で言うと、未だ角柱部分内に侵入していない包装材料ウェブの領域は、第二象限と第四象限におけるショルダー部分の表面で比較的急こう配を有しており、第三象限では逆に比較的平坦である。
【0039】
別の表現では、包装材料ウェブは、第三象限において、可能な限り角柱部分にぴったりと案内されており、そして第四象限においては角柱部分から広がっている、そしてその後シーム形成の領域において再び急こう配となり角柱部分へと案内されている。
【0040】
しかしまた、形成型は、以下の表現で表すことも可能である。つまり、形成エッジから始まる湾曲の無い面直線は、第二および第四象限において角柱部分からの増加する距離とともに互いに近接する。これに直接続いて、形成エッジから始まる湾曲の無い面直線は、第三象限において角柱部分からの増加する距離と互いに離れる。
【0041】
第一の形態においては、第一象限に位置する形成エッジの部分が、包装材料ウェブの進入方向に対してまっすぐ横断方向に延びており、これによって第四象限には進入しない。代替としての第二の形態においては、逆に、第三象限から第四象限に延びる形成エッジの部分が、第一象限から第四象限に延びる形成エッジの部分よりも、急こう配で延びている。
【0042】
記載した場合においては、包装材料ウェブの半分は、ウェブ走行方向に対して横断方向に延びる形成エッジを越えて走るか、又は、第一象限から第四象限へと達し、その際、(包装材料ウェブの他方の半分を、形成エッジの第二象限から第三象限を越えて第四象限まで、シーム形成の箇所へと案内する。)向かい合っている形成エッジ部分よりも小さな傾斜を有している形成エッジ部分を越えて走る。そして包装材料ウェブのこの半分を形作ることは、製造すべきウェブ断面内において、ウェブ内における応力によって自発的に行われる。
【0043】
更、第一象限に位置する又は第一象限から第四象限に延びる形成エッジの部分が、シーム形成の箇所の前で終了していることが意図されることが可能である。包装材料ウェブは、形成エッジの端部とシーム形成の箇所の間の領域中で、形成型の構成要素により物理的補助無く推移している。これを可能とするために、形成型は、すべてのウェブラインが形成領域において同じ長さであるよう形成されている。
【0044】
別の形態においては、第四象限おショルダー面の下方に、長手方向シームの形成のサポートの為の第一のガイド要素が設けられている。第一の形成要素は、その際、角柱部分の長手方向で観察して、例えばくさびの形状を有しているか、またはプレート形状である。包装材料ウェブの両方の縁は、第一のガイド要素のエッジの辺りで、形成される断面から突き出ており、これらが一つの長手方向シームへと熱融着されることが可能であるように互いに位置している。その際、第一のガイド要素は、熱融着器官の為の対向面として使用されることが可能であり、または熱融着要素は、形成型の下方に設けられる。
【0045】
第一のガイド要素は、形成型の固定された構成部材であることが可能であるし、またはこれから取り外し可能に固定されていることが可能である。
【0046】
さらに、形成される管断面の方を向いた第一のガイド要素の面は、管断面を部分的に再現していることが意図されることが可能である。これは、第一のガイド要素の内部輪郭が、製造すべき管断面であって、第一のガイド要素によりカバーされる角柱部分の領域中にある管断面の輪郭に対応することであると理解される。他の言葉で言うと、この形態における第一のガイド要素は、形成型の管形成する要素の一部を形成している。
【0047】
別の形態では、角柱部分の端部に、形成される管断面の外側輪郭を少なくとも領域的に再現する第二のガイド要素であって、長手方向シームの形成をサポートするための第二のガイド要素が設けられていることが意図されている。ここでは、形成型からのウェブ退出部の下方に設けられて要素である。この要素は、特に設備調整の際に、形成型の目的にかなった程度の通り抜けが図られるよう包装材料ウェブを位置決めするために使用され、そしてウェブエッジが、一つの長手方向シームへと封印されることが可能であるよう互いに重ねる。
【0048】
その際例えば、第二のガイド要素が、第二のガイド要素が形成される管断面を少なくとも領域的に取り囲む作動位置と、第二のガイド要素が、形成される管断面から引き離されて配置される設置位置の間で移動可能であることが意図される。装置調整の為に、包装材料ウェブの開始部は、まず手動で形成型に導入され、そして角柱部分のウェブ退出部から、管断面の形成が始まるまで引張出される。その際、第二のガイド要素は設置位置に存在している。包装材料ウェブの開始部が、熱融着器官又は/及び抜き取り装置によって捕えられることができるよう、形成型のウェブ退出部において位置決めされると、第二のガイド要素は、作動位置に動かされる。これによって、角柱部分のウェブ退出部端部と構造する装置、例えば抜き取り装置の間での、包装材料ウェブの正確な案内が簡単となるので、長手方向シームの形成もまたサポートされる。
【0049】
最後に、ショルダー部分が、少なくとも形成エッジの下方の領域で角柱部分に接触していることが意図されることが可能である。公知の形成型において知られている原則から外れて、ショルダー部分と角柱部分は、一貫して、一つの共通の形成エッジに沿って互いに接続されており、又は/及び、相互に入り込んで変化し、この形態において、本来の形成エッジが角柱部分のみによって形成されるという、少なくとも一つの部分が存在する。ショルダー部分は、形成エッジの下方のこの部分において、角柱部分に接触している。これは、上述した形成型において、特に第二象限から第三象限への移行領域に関し、そして、この領域に概して一つの物理的な形成エッジが設けられる限り、第一象限から第四象限への意向領域に関する。他の言葉でいうと、この形態は、特に、包装材料ウェブが、ぴったりと、つまり小さな形成エッジ角度でもって角柱部分の周りを巡らされている、という領域で有利に使用可能である。これによって、二つの事項が同時に達成される。つまり第一に、包装材料ウェブが、形成領域において、すべてのウェブラインが同じ長さであるよう案内される。これは、しわのない形作りの一つの前提である。第二に、包装材料ウェブ内の応力が、著しく高められるので、これによって意図された方法及び方式で望まれる管断面が正確に形成される。
【0050】
以下に、本発明を実施例及び添付の図面に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】従来の対称な袋断面と、非対称の袋断面の断面図の対比図
【図2】まっすぐに位置する熱融着工具を有する、対称な管の熱融着の為の多列式に作動する管状袋装置
【図3】ななめに位置する熱融着工具を有する、対称な管の熱融着の為の多列式に作動する管状袋装置
【図4】非対称の管断面の形成の図、および横方向熱融着装置による引き続いての押しつぶしの結果の図
【図5】形成型の管形成する要素を通りすぎて延びる、対抗ホルダーおよび長手方向熱融着器官を有する熱融着装置
【図6】包装材料ウェブを、側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋に形作るための形成型の多方面図
【図7】図6の形成型を、これを越えて走る包装材料ウェブと共に多方面図として表した図。
【図8】管形成する要素に対して接線方向に延びる接触面を有する熱融着装置。
【図9】図8の熱融着装置を有する図6および7に従う形成型を斜視図として表した図。
【図10】包装材料ウェブを、側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋に形作るための形成型。第一及び第二のガイド要素を有する。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図6に表された形成型は、ショルダー部分1と角柱部分2を有している。形成型の上面図には、グローバル座標系が表されている。y軸は、包装材料ウェブの進入方向に位置しており、一方x軸はこれに対して横断方向に向けられている。上述した取り決めに従い、この形成型において象限の数え方は時計回りに行われる。
【0053】
形成される管のシーム形成は、4において行われる。管断面の象限、つまり角柱部分2の断面。
【0054】
形成エッジ3の第一象限に位置する部分は、包装材料ウェブ4の進入方向に対して横断方向にまっすぐ延び、そしてこれによって第四象限内に到達することは無い。形成エッジ3の第一象限に位置する部分は、よって、シーム形成の箇所の前で終了している。包装材料ウェブ4は、形成エッジ3の端部とシーム形成の箇所の間の領域において、形成型の構成要素による物理的サポート無しに、包装材料ウェブ4内で形成型の造形によって発生する応力のみによって推移している。
【0055】
ショルダー部分1の表面には、ショルダーライン11記入されている。このショルダーライン11は、湾曲の無い面直線、つまり空間における直線群である。図でわかる通り、これらは、実施例においては第二および第四象限において形成エッジ3から出発して、形成エッジ3から離れるほど、互いに重なり合っている。これとは対して、第三象限における形成エッジ3の点から出発するショルダーライン11は、形成エッジ3からの増加する距離と共に、互いに離れている。ショルダーライン11が、第二および第四象限において形成エッジ3からの増加する距離と共に、狭くなっていることによって、そこで、ショルダー面1の曲率が、形成エッジ3からの増加する距離と共に、大きくなっている。
【0056】
第四象限において、ショルダー面1の下方には第一のガイド要素8が長手方向シーム42の形成のサポートの為に設けられている。第一のガイド要素は、上面図においてくさび型に形成されている。第一のガイド要素は、形成エッジ3により自由に形成された包装材料ウェブ4を、第一及び第四象限の領域で受けとめ、そしてこれらを望まれる管断面へと形作ることをサポートする。同時に、第一のガイド要素8は、長手方向シーム42の形成をサポートする。これは、包装材料ウェブ4の両方の縁が、ガイド要素8のエッジの辺りで、形成される断面から突き出ており、そして第一のガイド要素8の外側で、これらが一つの長手方向シーム42に熱融着されることが可能であるように互いに位置していることによって行われる。
【0057】
図7には、形成型にわたって案内される包装材料ウェブ4が表されている。包装材料ウェブ4上で包装材料ウェブ4の縁に対して平行に延びる仮想のウェブライン41は、ショルダーライン11と重なり合っている。特に、形成型の上面図においてわかるのは、ウェブライン41が第三象限において極めて狭く角柱部分の周りを巡らされていることである。その後、第四象限において未だ角柱部分2に向けられていないウェブライン41が、ショルダー部分1の表面上で今一度角柱部分から離れて案内される、つまり広げられる。ショルダー面1および包装材料ウェブ4の曲率は、ショルダー面1にわたって走っている包装材料ウェブ4のウェブライン41に沿って観察され、第二および第四象限においては、ウェブライン41が包装材料ウェブ4の縁に近く位置するほど、大きくなっている。
【0058】
図8は、形成された管プロフィールの角柱部分2の端部における断面と、この中に設けられる充填パイプ5を示している。長手方向シーム42を製造するための長手方向熱融着装置6は、長手方向熱融着器官61と対向ホルダー62を有している。長手方向熱融着器官61と対向ホルダー62は、シーム形成42の領域に、接線方向に延びる接触面63を有している。このため、接触面63が、グローバル座標系のy軸に対して回転された角度kは、シーム形成42の箇所がx軸に対して回転される角度kと同じである。
【0059】
図9の図示は、形成型を、長手方向熱融着装置7と横断方向熱融着装置7と共に示している。この横断方向熱融着装置によって、管が横断方向に封印され、そして場合によっては孔をあけられまたは分離される。さらに、長手方向熱融着器官61と対向ホルダー62が充填パイプ5の下端部に作用する点が見て取れる。その際、対向ホルダー62は、長手方向熱融着器官61によって充填パイプ5に及ぼされる力を支持するために使用される。
【0060】
図10は、別の形成型を示している。この形成型においては、形成エッジ3は、第一象限から第四象限まで至っており、その際、第三象限から第四象限まで伸びる形成エッジ3の部分は、第一象限から第四象限へと延びる形成エッジ3の部分よりも急こう配で延びている。同時に、第一象限から第四象限へと延びる形成エッジ3の部分は、シーム形成の箇所の前で終了している。包装材料ウェブ4は、形成エッジ3の端部と、シーム形成の箇所の間で、形成型の構成要素による物理的サポート無しで、包装材料ウェブ4内に、形成型の造形によって発生する応力のみによって推移している。
【0061】
第四象限において、ショルダー面1の下方には、第一のガイド要素8が、長手方向シーム42の形成をサポートするために設けられている。第一のガイド要素は、プレート形状に形成され、そして形成型と、スクリュー10によって取り外し可能に接続されている。ガイド要素は、形成エッジ3によって自由に形成された包装材料ウェブ4を、第一象限および第四象限の領域で受けとめ、これらを望まれる管断面へと形作ることをサポートする。同時に、第一のガイド要素8は、長手方向シーム42の形成をサポートする。これは、包装材料ウェブの両方の縁が、第一のガイド要素8のエッジの辺りで、形成される断面から突き出しており、第一のガイド要素8の外側で、これらが一つの長手方向シーム42へと熱融着されることが可能であるように、互いに重ね合わされていることによって行われる。
【0062】
角柱部分2の端部には、形成される管断面の外側輪郭を領域的に再現する第二のガイド要素9が、長手方向シームの形成のサポートの為に設けられている。これは、形成型からのウェブ退出部の下方に設けられて要素である。この要素は、特に設備調整の際に、形成型の目的にかなった程度の通り抜けが図られるよう包装材料ウェブを位置決めするために使用され、そしてウェブエッジを、一つの長手方向シームへと封印されることが可能であるよう互いに重ねる。
【0063】
第二のガイド要素9は、第二のガイド要素9が、形成される管断面を少なくとも領域的に取り囲んでいる作動位置(図左側)と、第二のガイド要素9が形成される管断面から引き離されて配置される設置位置(図右側)の間を移動可能である。実施例においては、これは、管断面に適合され、作動位置において管断面と当接し、よって実施例によおいてはカーブ形状の輪郭であるプレート形状の要素である。この要素は、スクリュー10によって、形成型の下側へと揺動可能に取り付けられている。
【符号の説明】
【0064】
1 ショルダー部分
11 ショルダーライン
2 管形成する要素 角柱部分
3 形成エッジ
4 包装材料ウェブ
41 ウェブライン
42 長手方向シーム
5 管形成する要素 充填パイプ
6 長手方向熱融着装置
61 長手方向熱融着器官
62 対向ホルダー
63 接触面
7 横断方向熱融着装置
8 第一のガイド要素
9 第二のガイド要素
10 スクリュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料ウェブ(4)を、側方にオフセットされた長手方向シームを有する管状袋へと形作るための形成型であって、形成エッジ(3)に沿って互いに接続されているショルダー部分(1)と角柱部分(2)を有し、その際、進入する包装材料ウェブ(4)の方を向いた、形成エッジ(3)の半分が、角柱部分(2)の断面の第一及び第二象限に位置し、およびシーム形成が第四象限において行われる形成型において、
第二及び第四象限において、形成エッジ(3)から始まる湾曲の無い面直線(11)が、角柱部分(2)からの増加する距離とともに互いに近づくこと、及び、
ショルダー部分(1)の表面と、角柱部分(2)の内側の間で測定される形成エッジ角度が、第二象限から第三象限へと減少し、および第三象限から第四象限へと再び増加することを特徴とする形成型。
【請求項2】
形成エッジ(3)の、第一象限に位置する部分が、包装材料ウェブ(4)の進入方向をまっすぐ横切って伸び、およびこれによって第四象限の中へ到達しないことを特徴とする請求項1に記載の形成型。
【請求項3】
形成エッジ(3)の、第三象限から第四象限に延びる部分が、形成エッジ(3)の第一象限から第四象限に延びる部分よりも急角度で伸びていることを特徴とする請求項1に記載の形成型。
【請求項4】
形成エッジ(3)の第一象限に位置する部分、又は第一象限から第四象限に延びる部分が、シーム形成の箇所の前で終了していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の形成型。
【請求項5】
第四象限におけるショルダー面(1)の下方に、長手方向シーム(42)の形成をサポートする第一のガイド要素(8)が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の形成型。
【請求項6】
形成された管断面の方を向いた、第一のガイド要素(8)の面が、管断面を部分的に再現していることを特徴とする請求項5に記載の形成型。
【請求項7】
角柱部分(2)の端部に、形成された管断面の外輪郭を少なくとも領域的に再現する第二のガイド要素(9)が、長手方向シーム(42)の形成をサポートするために設けられていることを特徴とする請求項1から6に記載の形成型。
【請求項8】
第二のガイド要素(9)が、第二のガイド要素が形成された管断面を少なくとも領域的に取り囲む作動位置と、第二のガイド要素が形成された管断面から引き離されて配置される設置位置の間で、移動可能であることを特徴とする請求項7に記載の形成型。
【請求項9】
ショルダー部分(1)が、形成エッジ(3)の下方の少なくともある範囲において、角柱部分(2)に接触していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の形成型。
【請求項10】
管状袋を製造するための装置であって、包装材料ウェブ(4)を、オフセットされた長手方向シーム(42)を有する管状袋に形作るための形成型を有し、形成エッジ(3)に沿って互いに接続されたショルダー部分(1)および角柱部分(2)を有し、この形成エッジにおいて、包装材料ウェブ(4)が、形成型のショルダー部分(1)への進入方向で進入し、および形成型の管形成する要素(2,5)から退出方向で退出し、および、長手方向シーム(42)が、管状袋の断面に対し偏心して作られ、並びに、接触面(63)を有する長手方向熱融着器官(61)を有し、その際、長手方向融着器官(61)が、進入方向及び退出方向によって形成される平面に対して平行に移動可能であるよう支承されていることを特徴とする装置。
【請求項11】
長手方向熱融着器官(61)が、長手方向熱融着器官(61)によって生じる押圧力を支持するための、接触面(63)を有する対向ホルダー(62)を有し、およびこの対向ホルダー(62)が、進入方向及び退出方向によって形成される平面に対して平行に移動可能であるよう支承されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
対向ホルダー(62)が、形成型の管形成する要素(2,5)の、長手方向シーム形成の箇所と向かい合っている側に支承されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
対向ホルダー(62)が、形成型の管形成する要素(2,5)の、長手方向熱融着器官(61)と同じ側に支承されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
長手方向熱融着器官(61)と対抗ホルダー(62)が、互いに相対的に移動可能に接続されていることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
対向ホルダー(62)が、管形成する要素(2,5)の際で、長手方向シーム形成の箇所まで延在していることを特徴とする請求項11から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
対向ホルダー(62)が、管形成する要素(2,5)を少なくとも部分的に取り囲んでいることを特徴とする請求項11から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
長手方向熱融着器官(61)の接触面(63)が、少なくとも長手方向シーム形成の箇所において、管形成する要素(2,5)に対して接線方向に延びていることを特徴とする請求項10から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
対向ホルダー(62)の接触面(63)が、少なくとも長手方向シーム形成の箇所において、管形成する要素(2,5)に対して接線方向に延びていることを特徴とする請求項11から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
長手方向熱融着器官(61)の接触面(63)と、対向ホルダーの接触面(63)を、半径方向で互いに向かい合った位置において、管形成する要素(2,5)と接触するに至らしめることが可能であることを特徴とする請求項11から18のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2013−511439(P2013−511439A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539176(P2012−539176)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【国際出願番号】PCT/DE2010/001047
【国際公開番号】WO2011/060749
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(512130475)
【Fターム(参考)】