説明

管理システム並びにそれに用いられるコンセント部及び管理装置

【課題】電気機器が自己の機器識別情報を自ら有していなくても、例えば電気機器が寿命間近又は寿命である旨などをユーザに知らせる。
【解決手段】直流機器102がコンセント部(直流コンセント131、引掛シーリング132)に接続されたときに、表示器117は、直流機器102の種類の一覧から操作部を用いて、直流コンセント131に接続された直流機器102をユーザが選択することによって、コンセント部に接続された直流機器102の機器種別を識別する機器識別情報を設定する。表示器117で設定された機器識別情報は直流コンセント131に記憶される。宅内サーバ116は、直流機器102の接続時からの経過時間や、直流機器102への給電時間の累積時間が寿命関連時間に到達したと判定した場合、直流機器102が寿命間近又は寿命である旨を表示器117や直流機器102に報知させ、センタサーバ200を介して携帯電話201に報知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の寿命を管理する管理システム並びにそれに用いられるコンセント部及び管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気機器の寿命を管理する従来の管理システムとして、特許文献1には、照明器具が接続される照明接続モジュールと、電気機器が接続されるコンセントモジュールと、センター装置とを備えるシステムが開示されている。特許文献1のシステムでは、照明接続モジュールが、自己に接続された照明器具への出力をオンさせている間、上記照明器具が点灯していると判断して、オン検知信号を生成する。また、コンセントモジュールは、自己に接続された電気機器に所定値以上の電流が流れた場合に、上記電気機器が動作していると判断して、オン検知信号を生成する。センター装置では、照明器具、電気機器のオン検知信号を受信している間の時間を、照明器具、電気機器の使用時間として計時し、モジュールの識別情報毎に累積する。そして、累積使用時間が所定時間に達すると、上記識別情報に対応するモジュールに接続された照明器具、電気機器が寿命に達したと判断する。
【特許文献1】特開2007−265049号公報(段落0054,0060及び図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のシステムにおいて、各モジュールに接続された照明器具や電気機器が、機器種別を識別する機器識別情報を有しないため、センター装置は、照明接続モジュールやコンセントモジュールを識別することができるものの、各モジュールに接続された照明器具や電気機器がどのようなものかを識別することができなかった。その結果、特許文献1のシステムには、異なる種類の照明器具や電気機器であっても、同じ時間で寿命と判断してしまうという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的は、電気機器が自己の機器識別情報を自ら有していなくても、例えば電気機器が寿命間近又は寿命である旨などをユーザに知らせることができる管理システム並びにそれに用いられるコンセント部及び管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る管理システムの発明は、個別のコンセント識別情報を有し、電気機器が接続されるコンセント部と、通信網を介して前記コンセント部と接続する管理装置とを備える管理システムであって、前記コンセント部は、前記電気機器のプラグと着脱自在に接続する接続手段と、前記電気機器が前記接続手段に接続されたか否か、及び前記接続手段に接続された前記電気機器への給電状態の少なくとも一方を検出する検出手段とを有し、前記管理装置は、前記コンセント部に接続された前記電気機器の寿命に関連する寿命関連閾値を当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、前記コンセント部に接続された前記電気機器の使用状況が、当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記寿命関連閾値に到達したか否かを判定する判定手段とを有し、前記検出手段の検出結果を用いて、前記コンセント部に接続された前記電気機器の前記使用状況を計測する計測手段と、前記判定手段で前記使用状況が前記寿命関連閾値に到達したと判定された場合、前記判定手段の判定結果を報知する報知手段と、前記コンセント部に接続された前記電気機器の機器識別情報を当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて設定する第1の設定手段と、前記第1の設定手段で設定された機器識別情報に対応する前記寿命関連閾値を、前記コンセント部に接続された前記電気機器の前記寿命関連閾値として当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶させる第2の設定手段とを前記通信網に備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る管理システムの発明は、請求項1の発明において、前記検出手段は、前記電気機器が前記接続手段に接続されたか否かを検出し、前記計測手段は、前記電気機器が前記接続手段に接続された時からの経過時間を前記使用状況として計測することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る管理システムの発明は、請求項1の発明において、前記検出手段は、前記接続手段に接続された前記電気機器への給電状態を検出し、前記計測手段は、前記電気機器への給電状態から前記電気機器への給電時間の累積時間を前記使用状況として計測することを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る管理システムの発明は、請求項1乃至3の何れか1項の発明において、前記コンセント部は、直流電力系統からの直流電力を前記接続手段の接続先に供給し、前記電気機器は、前記接続手段からの直流電力供給によって駆動されることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係るコンセント部の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の管理システムに用いられ、個別のコンセント識別情報を有するコンセント部であって、電気機器のプラグと着脱自在に接続する接続手段と、前記電気機器が前記接続手段に接続されたか否か、及び前記接続手段に接続された前記電気機器への給電状態の少なくとも一方を検出する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る管理装置の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の管理システムに用いられる管理装置であって、前記コンセント部に接続された前記電気機器の寿命に関連する寿命関連閾値を当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、前記コンセント部に接続された前記電気機器の使用状況が、当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記寿命関連閾値に到達したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で判定された判定結果を報知手段に送信する判定結果送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、コンセント部に接続された電気機器が自己の機器識別情報を自ら有していなくても、ユーザの操作によって設定手段が電気機器の機器識別情報を設定し、コンセント部が、電気機器が接続手段に接続されたか否か、及び接続手段に接続された電気機器への給電状態の少なくとも一方を検出し、管理装置が、電気機器の使用状況が寿命関連閾値に到達したか否かを判定することによって、例えば電気機器が寿命間近又は寿命である旨などを判定結果としてユーザに知らせることができる。
【0012】
また、自己の機器識別情報を有する電気機器と、自己の機器識別情報を有しない電気機器とが混在して宅内網に存在する場合に、設定手段で設定された機器識別情報をコンセント部に記憶させることによって、管理装置は、自己の機器識別情報を有しない電気機器とコンセント部の組み合わせを、あたかも自己の機器識別情報を有する電気機器のようにみなして管理することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、電気機器の接続時からの経過時間を使用状況とすることによって、電気機器の接続時から使用開始時までの時間を使用状況に含めることができるので、例えば使用開始時からの経過時間を使用状況とした場合に比べて、電気機器の経年劣化に基づく寿命をより精度よく判定することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、電気機器に電力が供給されている時間の累積時間を使用状況とすることによって、通電によって発生する電気機器の性能劣化に基づいて寿命を判定することができる。つまり、電流が流れることによって劣化する電気的部分の劣化に基づいて寿命を判定する。
【0015】
請求項4の発明によれば、電気機器に直流電力が供給されることによって、交流電力が供給される場合のように交流電力から直流電力への変換を行う必要がないため、電力変換に伴う損失が発生しない。
【0016】
請求項5の発明によれば、電気機器が接続手段に接続されたか否か、及び接続手段に接続された電気機器への給電状態の少なくとも一方を検出し、検出結果を管理装置に送信することによって、例えば電気機器が寿命である旨や電気機器が寿命間近である旨などを判定結果としてユーザに知らせることができる。
【0017】
請求項6の発明によれば、電気機器の使用状況が寿命関連閾値に到達したか否かを判定することによって、例えば電気機器が寿命である旨や電気機器が寿命間近である旨などを判定結果としてユーザに知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
まず、本発明の実施形態における配電システム(管理システム)の構成について図1〜5を用いて説明する。以下に説明する実施形態は、本発明を適用する建物として戸建て住宅の家屋を想定して説明するが、本発明の技術思想を集合住宅に適用することを妨げるものではない。家屋Hには、図1に示すように、直流電力を出力する直流電力供給部101と、直流電力により駆動される負荷としての直流機器102とが設けられ、直流電力供給部101の出力端部に接続した直流供給線路Wdcを通して直流機器102に直流電力が供給される。直流電力供給部101と直流機器102との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流供給線路Wdc上で直流電力供給部101から直流機器102への給電を制限ないし遮断する直流ブレーカ114が設けられる。
【0019】
直流供給線路Wdcは、直流電力の給電路であるとともに通信路としても兼用されており、高周波の搬送波を用いてデータを伝送する通信信号を直流電圧に重畳することにより直流供給線路Wdcに接続された機器間での通信を可能にしている。この技術は、交流電力を供給する電力線において交流電圧に通信信号を重畳させる電力線搬送技術と類似した技術である。
【0020】
直流供給線路Wdcは、直流電力供給部101を介して宅内サーバ116に接続される。宅内サーバ116は、宅内の通信網(以下、「宅内網」という)を構築する主装置であり、宅内網において直流機器102が構築するサブシステムなどと通信を行う。
【0021】
図示例では、サブシステムとして、パーソナルコンピュータ、無線アクセスポイント、ルータ、IP電話機のような情報系の直流機器102からなる情報機器システムK101、照明器具のような照明系の直流機器102からなる照明システムK102,K105、来客対応や侵入者の監視などを行う直流機器102からなるインターホンシステムK103(図示はしないが、玄関に限らず、窓開閉・窓破壊を監視する侵入監視の防犯系システムとのあいだの定期監視情報・通報情報の送受信も可能とする)、火災感知器のような警報系の直流機器102からなる住警器システムK104などがある。各サブシステムは、自立分散システムを構成しており、サブシステム単独でも動作が可能になっている。
【0022】
上述した直流ブレーカ114は、サブシステムに関連付けて設けられており、図示例では、情報機器システムK101、照明システムK102及びインターホンシステムK103、住警器システムK104、照明システムK105に関連付けて5個の直流ブレーカ114を設けている。1台の直流ブレーカ114に複数個のサブシステムを関連付ける場合には、サブシステムごとに直流供給線路Wdcの系統を分割する接続ボックス121が設けられる。図示例においては、照明システムK102とインターホンシステムK103との間に接続ボックス121が設けられている。
【0023】
情報機器システムK101としては、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で家屋Hに先行配置(家屋Hの建築時に施工)される直流コンセント131に接続される直流機器102からなる情報機器システムK101が設けられる。
【0024】
照明システムK102、K105としては、家屋Hに先行配置される照明器具(直流機器102)からなる照明システムK102と、天井に先行配置される引掛シーリング132に接続する照明器具(直流機器102)からなる照明システムK105とが設けられる。引掛シーリング132には、家屋Hの内装施工時に施工業者が照明器具を取り付けるか、又は家人自身が照明器具を取り付ける。
【0025】
照明システムK102を構成する直流機器102である照明器具に対する制御の指示は、赤外線リモコン装置を用いて与えるほか、直流供給線路Wdcに接続されたスイッチ141から通信信号を用いて与えることができる。すなわち、スイッチ141は直流機器102とともに通信の機能を有している。また、スイッチ141の操作によらず、宅内網の別の直流機器102あるいは宅内サーバ116から通信信号により制御の指示がなされることもある。照明器具への指示には、点灯、消灯、調光、点滅点灯などがある。
【0026】
上述した直流コンセント131、引掛シーリング132には、任意の直流機器102を接続することができ、接続された直流機器102に直流電力を出力するから、以下では直流コンセント131、引掛シーリング132を区別する必要がない場合には「コンセント部」と呼ぶ。
【0027】
これらのコンセント部は、直流機器102に直接設けた接触子(プラグ)(図示せず)又は接続線を介して設けた接触子(図示せず)が差し込まれる差込式の接続口が器体に開口し、接続口に差し込まれた接触子に直接接触する接触子受けが器体に保持された構造を有している。すなわち、コンセント部は接触式で給電を行う。コンセント部に接続された直流機器102が通信機能を有する場合には、直流供給線路Wdcを通して通信信号を伝送することが可能になる。直流機器102だけではなくコンセント部にも通信機能が設けられている。なお、直流機器102に直接設けた接触子(プラグ)又は接続線を介して設けた接触子(プラグ)には、直流コンセント131に着脱自在に接続可能なものだけではなく、引掛シーリング132に着脱自在に接続可能なものも含まれる。
【0028】
宅内サーバ116は、宅内網に接続されるだけではなく、インターネットを構築する広域網NTに接続される接続口を有している。宅内サーバ116が広域網NTに接続されている場合には、広域網NTに接続されたコンピュータサーバであるセンタサーバ200によるサービスを享受することができる。
【0029】
センタサーバ200が提供するサービスには、広域網NTを通して宅内網に接続された機器(主として直流機器102であるが通信機能を有した他の機器も含む)の監視や制御を可能にするサービスがある。このサービスにより、パーソナルコンピュータ、インターネットTV、移動体電話機などのブラウザ機能を備える通信端末(図示せず)を用いて宅内網に接続された機器の監視や制御が可能になる。
【0030】
宅内サーバ116は、広域網NTに接続されたセンタサーバ200との間の通信と、宅内網に接続された機器との間の通信との両方の機能を備え、宅内網の機器に関する識別情報(ここでは、IPアドレスを用いるものとする)の取得の機能を備える。
【0031】
宅内サーバ116は、センタサーバ200との通信機能を用いることにより、広域網NTに接続された通信端末からセンタサーバ200を通して宅内の機器の監視や制御を可能にする。センタサーバ200は、宅内の機器と広域網NT上の通信端末とを仲介する。
【0032】
通信端末から宅内の機器の監視や制御を行う場合は、監視や制御の要求をセンタサーバ200に記憶させ、宅内の機器は定期的なポーリング監視に対応可能に構成されており、通信端末からの監視や制御の要求を受信する。この動作により、通信端末から宅内の機器の監視や制御が可能になる。
【0033】
また、宅内の機器において火災検知など通信端末に通知すべきイベントが生じたときには、宅内の機器からセンタサーバ200に通知し、センタサーバ200から通信端末に対して電子メールによる通知を行う。
【0034】
表示器117はタッチパネル式又は操作部が付設された構成を有し、表示器117の画面に表示された選択肢から所望の内容を選択する操作が可能になっている。したがって、宅内サーバ116の利用者(施工業者あるいは家人)は、表示器117の画面上で機器の監視ないし制御が可能になる。表示器117は宅内サーバ116とは分離して設けてもよい。
【0035】
例えば、表示器117は、図4に示すように、直流機器102の種類の一覧であるプルダウンメニューの中から操作部を用いて、コンセント部(直流コンセント131、引掛シーリング132)に接続された直流機器102をユーザが選択することによって、コンセント部に接続された直流機器102の機器種別を識別する機器識別情報を設定する設定手段である。機器識別情報を設定した表示器117は、機器識別情報を宅内サーバ116に送信し、後述の宅内サーバ116の記憶部52に記憶させる。
【0036】
宅内サーバ116では、機器の接続に関する情報を管理しており、宅内網に接続された機器の種類や機能とアドレスとを把握する。したがって、宅内網の機器を連動動作させることができる。機器の接続に関する情報は上述のように自動的に検出されるが、機器を連動動作させるには、機器自身が保有する属性により自動的に関係付けを行うほか、宅内サーバ116にパーソナルコンピュータのような情報端末を接続し、情報端末のブラウザ機能を利用して機器の関係付けを行うこともできる。
【0037】
機器の連動動作の関係は各機器がそれぞれ保持する。したがって、機器は宅内サーバ116を通すことなく連動動作することができる。各機器について、連動動作の関係付けを行うことにより、例えば、機器であるスイッチの操作により、機器である照明器具の点灯あるいは消灯の動作を行うことが可能になる。また、連動動作の関係付けはサブシステム内で行うことが多いが、サブシステムを超える関係付けも可能である。
【0038】
ところで、直流電力供給部101は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤110に内器として取り付けられた主幹ブレーカ111を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ112に入力される。AC/DCコンバータ112から出力される直流電力は、協調制御部113を通して各直流ブレーカ114に接続される。
【0039】
直流電力供給部101には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池162が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池161や燃料電池163を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ112を備える主電源に対して、太陽電池161や二次電池162や燃料電池163は分散電源になる。なお、図示例において、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池162は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
【0040】
分散電源のうち太陽電池161や燃料電池163は必ずしも設けなくてもよいが、二次電池162は設けるのが望ましい。二次電池162は主電源や他の分散電源により適時充電され、二次電池162の放電は、交流電源ACから電力が供給されない期間だけではなく必要に応じて適時に行われる。二次電池162の充放電や主電源と分散電源との協調は、協調制御部113により行われる。すなわち、協調制御部113は、直流電力供給部101を構成する主電源及び分散電源から直流機器102への電力の配分を制御する直流電力制御部として機能する。なお、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163の出力を交流電力に変換し、AC/DCコンバータ112の入力電力として用いる構成を採用してもよい。
【0041】
直流機器102の駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部113にDC/DCコンバータを設け、主電源及び分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換するのが望ましい。通常は、1系統のサブシステム(又は1台の直流ブレーカ114に接続された直流機器102)に対して1種類の電圧が供給されるが、1系統のサブシステムに対して3線以上を用いて複数種類の電圧を供給するように構成してもよい。あるいはまた、直流供給線路Wdcを2線式とし、線間に印加する電圧を時間経過に伴って変化させる構成を採用することも可能である。DC/DCコンバータは、直流ブレーカと同様に複数に分散して設けてもよい。
【0042】
上述の構成例では、AC/DCコンバータ112を1個だけ図示しているが、複数個のAC/DCコンバータ112を並設することが可能であり、複数個のAC/DCコンバータ112を設けるときには、負荷の大きさに応じて運転するAC/DCコンバータ112の台数を増減させるのが望ましい。
【0043】
上述したAC/DCコンバータ112、協調制御部113、直流ブレーカ114、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163には通信機能が設けられており、主電源及び分散電源や直流機器102を含む負荷の状態に対処する連携動作を行うことを可能にしている。この通信に用いる通信信号は、直流機器102に用いる通信信号と同様に直流電圧に重畳する形式で伝送する。
【0044】
上述の例では主幹ブレーカ111から出力された交流電力をAC/DCコンバータ112により直流電力に変換するために、AC/DCコンバータ112を分電盤110内に配置しているが、主幹ブレーカ111の出力側において分電盤110内に設けた分岐ブレーカ(図示せず)で交流供給線路を複数系統に分岐し、各系統の交流供給線路にAC/DCコンバータを設けて系統ごとに直流電力に変換する構成を採用してもよい。
【0045】
この場合、家屋Hの各階や各部屋を単位として直流電力供給部101を設けることができるから、直流電力供給部101を系統別に管理することができ、しかも、直流電力を利用する直流機器102との間の直流供給線路Wdcの距離が小さくなるから、直流供給線路Wdcでの電圧降下による電力損失を低減させることができる。また、主幹ブレーカ111及び分岐ブレーカを分電盤110に収納し、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114と宅内サーバ116とを分電盤110とは別の盤に収納してもよい。
【0046】
続いて、それぞれの直流機器102の構成について図2を用いて説明する。直流機器102は、直流電力供給部101からの直流電力供給によって駆動されるものであり、直流コンセント131、引掛シーリング132又は宅内サーバ116との間で通信を行う通信部32と、表示画面330及びスピーカ331を有する報知部33と、各部32,33を制御する処理部34とを備えている。
【0047】
続いて、コンセント部(直流コンセント131、引掛シーリング132)の構成について図3を用いて説明する。直流コンセント131(引掛シーリング132)は、個別のコンセント識別情報を有し、直流機器102が接続されるものであり、直流機器102のプラグと着脱自在に接続する機器接続部40と、宅内サーバ116との間で通信を行う通信部43と、記憶部44と、各部40,43,44を制御する処理部45とを備えている。
【0048】
通信部43は、機器接続部40に接続された直流機器102の機器識別情報を表示器117から受信する。また、通信部43は、機器識別情報、コンセント識別情報及び後述の処理部45での検出結果を宅内サーバ116に送信する。記憶部44には、通信部43で受信された直流機器102の機器識別情報及び自己のコンセント識別情報が記憶されている。
【0049】
処理部45は、直流機器102が機器接続部40に接続されたか否か、及び機器接続部40に接続された直流機器102への給電状態の両方を検出する検出手段であり、検出結果を機器識別情報及びコンセント識別情報とともに、予め決められたタイミングで宅内サーバ116に送信させるように通信部43を制御する。
【0050】
ここで、直流機器102への給電状態を宅内サーバ116に送信する信号の一例として、直流機器102に給電しているときにオン信号を送信し、直流機器102に給電していないときにオフ信号を送信するものがある。また、他の例として、検出時の直流機器102への供給電流、供給電圧、供給電力などを送信するものがある。
【0051】
続いて、宅内サーバ116の構成について図4を用いて説明する。宅内サーバ116は、宅内網単位で直流機器102を管理するものであり、それぞれの直流機器102、直流コンセント131及び引掛シーリング132との間で通信を行う通信部50と、広域網NTを介してセンタサーバ200との間で通信を行う通信部51と、記憶部52と、タイマ部53と、各部50〜53を制御する処理部54とを備えている。
【0052】
通信部50は、直流コンセント131及び引掛シーリング132から機器識別情報、コンセント識別情報及び処理部45の検出結果を受信する。
【0053】
タイマ部53は、通信部50で受信された処理部45の検出結果を用いて直流機器102の使用時間を計測する。
【0054】
ところで、上記使用時間とは、図6に示すように、直流機器102が機器接続部40に接続された時からの経過時間(接続時からの経過時間)や、機器接続部40に接続された直流機器102への給電時間の累積時間(累積給電時間)をいう。上記給電時間とは、直流コンセント131(引掛シーリング132)から直流機器102への給電状態に関する信号がオフ信号→オン信号になったときからオン信号→オフ信号になったときまでをいう。なお、直流機器102への給電状態に関する信号として供給電流、供給電圧、供給電力の情報を含む信号の場合、所定の閾値以上である期間を給電時間としてもよい。
【0055】
使用時間が接続時からの経過時間である場合、直流機器102の通電の有無に関係なく経年劣化による寿命を判定することができる。特に、安全性を高める必要がある直流機器102の場合に使用時間として用いられる。上記の経年劣化としては、例えば、電流機器102に用いられている部品の材料やパッキンなどの電気的部分ではない部分の劣化が考えられる。
【0056】
一方、使用時間が累積給電時間である場合、通電によって発生する直流機器102の性能劣化(例えば照明負荷の照度低下)に基づいて寿命を判定することができる。つまり、電流が流れることによって劣化する電気的部分の劣化に基づいて寿命を判定する。この場合は、もともと直流機器102の安全性が高く、直流機器102を違和感なくできるだけ長期間使用したい場合に使用時間として用いられる。
【0057】
なお、安全性や機器性能の両方を満たす点から、接続時からの経過時間と累積給電時間の両方を使用時間とすることが望ましい。したがって、本実施形態において、タイマ部53は、直流機器102が機器接続部40に接続された時からの経過時間(接続時からの経過時間)を第1の使用時間として計測するとともに、直流機器102への給電状態から直流機器102への給電時間の累積時間(累積給電時間)を第2の使用時間として計測する。
【0058】
記憶部52には、表1のように、表示器117で設定されたコンセント部のコンセント識別情報と、直流機器102の機器識別情報とが対応付けられて記憶されている。
【0059】
【表1】

【0060】
記憶部52には、表2のように、通信部50で受信された機器識別情報に対応する直流機器102の寿命に関連する寿命関連時間が記憶されている。なお、上記寿命関連時間としては、直流機器102の寿命時間や、この寿命時間より短い時間であって、もうすぐ寿命であることを予想するための寿命間近時間がある。また、記憶部52には、寿命関連時間として、第1の使用時間と比較するものと、第2の使用時間と比較するものの両方が記憶されている。
【0061】
【表2】

【0062】
処理部54は、上記第1,2の使用時間と寿命関連時間を比較し、第1,2の使用時間が寿命関連時間に到達したか否かを判定する判定手段である。この処理部54は、第1,2の使用時間が寿命間近時間に到達したと判定した場合、直流機器102が寿命間近である旨の寿命判定結果を報知させるための寿命間近報知信号を表示器117に出力するとともに、上記寿命間近報知信号を直流機器102に送信するように通信部50を制御し、センタサーバ200に送信するように通信部51を制御する。一方、第1,2の使用時間が寿命時間に到達したと判定した場合、処理部54は、直流機器102が寿命である旨の寿命判定結果を報知させるための寿命報知信号を表示器117に出力するとともに、上記寿命報知信号を直流機器102に送信するように通信部50を制御し、センタサーバ200に送信するように通信部51を制御する。
【0063】
なお、機器識別情報に対応する直流機器102の寿命関連時間は、使用頻度が高い直流機器102の場合、宅内サーバ116の製造時に予め記憶されていてもよい。また、センタサーバ200が機器識別情報に対応する寿命関連時間を記憶し、宅内サーバ116は、直流コンセント131(又は引掛シーリング132)から直流機器102の機器識別情報を最初に受信したときに、受信した機器識別情報に対応する寿命関連時間をセンタサーバ200から取得して、記憶部52に記憶してもよい。
【0064】
表示器117は、宅内サーバ116の処理部54で使用時間が寿命関連時間に到達したと判定された場合、処理部54の判定結果を報知する。具体的には、表示器117は、宅内サーバ116の処理部54で使用時間が寿命間近時間に到達したと判定された場合、処理部54から寿命間近報知信号を受信し、直流機器102が寿命間近である旨を判定結果として表示画面(図示せず)に表示したり、スピーカ(図示せず)から音声出力したりする。これに対して、宅内サーバ116の処理部54で使用時間が寿命時間に到達したと判定された場合、処理部54から寿命報知信号を受信し、直流機器102が寿命である旨を判定結果として表示画面に表示したり、スピーカから音声出力したりする。上記より、直流機器102が寿命間近又は寿命であることを、表示器117の近くにいる人に知らせることができる。
【0065】
直流機器102も同様に、宅内サーバ116の処理部54で使用時間が寿命関連時間に到達したと判定された場合、処理部54の判定結果を報知する。具体的には、直流機器102の報知部33は、宅内サーバ116の処理部54で使用時間が寿命関連時間に到達したと判定された場合、処理部54の判定結果を報知する。具体的には、直流機器102は、宅内サーバ116の処理部54で使用時間が寿命間近時間に到達したと判定された場合、通信部32が宅内サーバ116から寿命間近報知信号を受信し、直流機器102が寿命間近である旨を判定結果として報知部33の表示画面330に表示したり、スピーカ331から音声出力したりする。これに対して、宅内サーバ116の処理部54で使用時間が寿命時間に到達したと判定された場合、通信部32が宅内サーバ116から寿命報知信号を受信し、直流機器102が寿命である旨を判定結果として報知部33の表示画面330に表示したり、スピーカ331から音声出力したりする。上記より、直流機器102が寿命間近又は寿命であることを、直流機器102の近くにいる人に知らせることができる。
【0066】
センタサーバ200は、宅内サーバ116から寿命間近報知信号や寿命報知信号を受信すると、予め登録されている携帯電話201に寿命判定結果を電子メールで送信する。携帯電話201は、上記電子メールをセンタサーバ200から受信し、直流機器102が寿命間近又は寿命である旨を表示する。つまり、携帯電話201は、宅内サーバ116の処理部54で使用時間が寿命関連時間に到達したと判定された場合、処理部54の判定結果を報知する。上記より、直流機器102が寿命間近又は寿命であることを、例えば外出中の携帯者に知らせることができる。
【0067】
ところで、宅内サーバ116の通信部51が、直流機器102の寿命前に使用をやめさせるための警告情報をセンタサーバ200から入力する機能を有し、表示器117、直流機器102の報知部33及び携帯電話201は、宅内サーバ116の通信部51で警告情報が入力された場合、警告情報を報知する。以下、具体的に説明する。
【0068】
製造者側は、例えば直流機器102に不具合が発生した場合、直流機器102の寿命前に使用をやめさせるための警告情報をセンタサーバ200に記憶させる。センタサーバ200は、上記警告情報を宅内サーバ116に送信する。
【0069】
一方、宅内サーバ116では、通信部51がセンタサーバ200からの警告情報を受信すると、直流機器102の使用時間が寿命間近時間又は寿命時間に到達したか否かに関わらず、処理部54が、警告情報を報知させるための警告報知信号を表示器117に出力するとともに、上記警告報知信号を直流機器102に送信するように通信部50を制御する。
【0070】
表示器117は、宅内サーバ116の処理部54から警告報知信号を受信すると、直流機器102に関する警告情報を表示画面(図示せず)に表示したり、スピーカ(図示せず)から音声出力したりする。上記より、直流機器102に関する警告情報を、表示器117の近くにいる人に知らせることができる。
【0071】
また、警告情報が発生した直流機器102も、通信部32で宅内サーバ116からの警告報知信号を受信すると、処理部34の制御によって自己の直流機器102が寿命間近又は寿命である旨を報知部33の表示画面330に表示させたり、スピーカ331から音声出力させたりする。上記より、自己の直流機器102の寿命前に使用をやめさせるための警告情報を、直流機器102の近くにいる人に知らせることができる。
【0072】
さらに、宅内サーバ116からの制御又はセンタサーバ200による制御によって、携帯電話201にも、直流機器102の寿命前に使用をやめさせるための警告情報を電子メールで送信する。携帯電話201では、上記電子メールを受信すると、直流機器102の寿命前に使用をやめさせるための警告情報を表示する。これにより、外出中の携帯者にも、直流機器102の寿命前に使用をやめさせるための警告情報を知らせることができる。
【0073】
次に、本実施形態の動作について図7を用いて説明する。ここでは、直流コンセント131に接続された1つの直流機器102に限定して説明するが、直流コンセント131に接続された他の直流機器102や引掛シーリング132に接続された直流機器102についても同様の動作を行う。まず、直流機器102を直流コンセント131に接続する(S1)。上記直流コンセント131に接続された直流機器102の機器識別情報がユーザによって表示器117から設定され、設定された機器識別情報が直流コンセント131で記憶される(S2)。このとき、宅内サーバ116は、設定された機器識別情報に対応する寿命関連情報をセンタサーバ200から取得する(S3)。直流コンセント131は、直流機器102が接続された旨の情報を、直流機器102の機器識別情報及び直流コンセント131のコンセント識別情報とともに宅内サーバ116に送信し、宅内サーバ116は、直流コンセント131からの機器識別情報、コンセント識別情報及び直流機器102が接続された旨の情報を取得する(S4)。宅内サーバ116は、直流機器102が接続された旨の情報から、直流機器102の接続時からの経過時間(第1の使用時間)を計測する(S5)。
【0074】
宅内サーバ116は、予め決められたタイミングで直流コンセント131から自己に接続された直流機器102への給電状態を、機器識別情報及びコンセント識別情報とともに取得し(S6)、取得した直流機器102への給電状態から、直流機器102への給電時間の累積給電時間(第2の使用時間)を計測する(S7)。そして、宅内サーバ116は、第1,2の使用時間の少なくとも一方が寿命間近時間に到達したか否かを判定する(S8)。第1,2の使用時間の何れもが寿命間近時間に到達したと判定されなかった場合、ステップS6に戻る。一方、第1,2の使用時間の少なくとも一方が寿命間近時間に到達したと判定した場合、宅内サーバ116は、直流機器102が寿命間近であると判定し、直流機器102が寿命間近である旨を表示器117や直流機器102、携帯電話201に報知させる(S9)。
【0075】
その後、第1,2の使用時間の少なくとも一方が寿命時間に到達したか否かを判定する(S10)。第1,2の使用時間の何れもが寿命間近時間に到達したと判定されなかった場合、ステップS6に戻る。一方、第1,2の使用時間の少なくとも一方が寿命時間に到達したと判定した場合、宅内サーバ116は、直流機器102が寿命であると判定し、直流機器102が寿命である旨を表示器117や直流機器102、携帯電話201に報知させる(S11)。
【0076】
このような動作の中で、直流機器102をオン状態からオフ状態にした場合、宅内サーバ116は、第1の使用時間の計測を継続し、第2の使用時間の計測を停止する。再度、直流機器102をオン状態にした場合、宅内サーバ116は既に機器識別情報、コンセント識別情報及び寿命関連時間を取得しているため、ステップS1〜S5を行う必要はなく、ステップS6から開始する。
【0077】
以上、本実施形態によれば、コンセント部(直流コンセント131、引掛シーリング132)に接続された直流機器102が自己の機器識別情報を自ら有していなくても、ユーザの操作によって表示器117が直流機器102の機器識別情報を設定し、コンセント部が、直流機器102が機器接続部40に接続されたか否か、及び機器接続部40に接続された直流機器102への給電状態の少なくとも一方を検出し、検出結果を宅内サーバ116に送信し、宅内サーバ116が、直流機器102の使用時間が寿命関連時間に到達したか否かを判定することによって、例えば直流機器102が寿命である旨や直流機器102が寿命間近である旨などを判定結果としてユーザに知らせることができる。
【0078】
また、自己の機器識別情報を有する直流機器102と、自己の機器識別情報を有しない直流機器102とが混在して宅内網に存在する場合に、表示器117で設定された機器識別情報をコンセント部(直流コンセント131、引掛シーリング132)に記憶させることによって、宅内サーバ116は、自己の機器識別情報を有しない直流機器102とコンセント部の組み合わせを、あたかも自己の機器識別情報を有する直流機器102のようにみなして管理することができる。
【0079】
さらに、直流機器102の接続時からの経過時間を使用時間(第1の使用時間)とすることによって、直流機器102の接続時から使用開始時までの時間を使用時間に含めることができるので、例えば使用開始時からの経過時間を使用時間とした場合に比べて、直流機器102の経年劣化に基づく寿命をより精度よく判定することができる。一方、直流機器102に電力が供給されている時間の累積時間を使用時間(第2の使用時間)とすることによって、通電によって発生する直流機器102の性能劣化に基づいて寿命を判定することができる。つまり、電流が流れることによって劣化する電気的部分の劣化に基づいて寿命を判定する。
【0080】
また、直流機器102に直流電力が供給されることによって、交流電力が供給される場合のように交流電力から直流電力への変換を行う必要がないため、電力変換に伴う損失が発生しない。
【0081】
さらに、ある直流機器102に不具合などが発生した場合、その直流機器102の使用時間が寿命関連時間に到達していなくても、直流機器102の寿命前に使用をやめさせるための警告情報をユーザに知らせることができる。
【0082】
さらに、管理装置は、各家庭ごとに直流機器102の寿命を管理することができる。
【0083】
なお、本実施形態の変形例として、直流機器102の使用時間が寿命間近時間又は寿命時間に到達したか否かの判定を、宅内サーバ116が行うのではなく、センタサーバ200が行うものであってもよい。このようにすると、宅内サーバ116の負荷を軽くすることができる。センタサーバ200は、一般的に大きな負荷にも耐えられるものであるから、上記判定を行ったとしても問題はない。
【0084】
なお、本実施形態の変形例として、使用時間が寿命関連時間に到達するか否かの判定に代えて又は上記判定とともに直流機器102の使用回数が寿命関連回数に到達するか否かの判定を行うものであってもよい。使用回数とは、直流機器102の使用状況の1つであり、直流機器102がオフ状態からオン状態になって、その後オフ状態になる回数をいう。このような判定を用いても、本実施形態と同様に、直流機器102が寿命間近又は寿命であることを判定することができる。以下の実施形態においても同様である。
【0085】
なお、上述の実施形態の記載において、直流供給線路Wdcを経由して直流電力を受電するとともに当該直流電力に重畳した通信を行う負荷として直流機器102を挙げているが、本発明はこのような直流電力駆動(および直流媒体通信)式に限るものではなく、直流機器を、交流電源を受けて駆動する交流駆動タイプの機器として、これら交流駆動タイプの機器との間を直流供給線路ではなく旧来どおりの交流電力路とし、電力線搬送通信を用いた通信によって、本願発明の意図を実現することも可能である。なお、このとき、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114とを、交流対応型のものに置き換える必要があり、このとき、場合によってはAC/DCコンバータ112を不要として主幹ブレーカ111から協調制御部113と宅内サーバ116(および/または表示器117)との間を交流接続したトポロジーであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施形態の配電システムの構成図である。
【図2】同上の直流機器の構成を示すブロック図である。
【図3】同上の直流コンセント及び引掛シーリングの構成を示すブロック図である。
【図4】同上の宅内サーバの構成を示すブロック図である。
【図5】同上の表示器の表示画面を示す図である。
【図6】同上の配電システムにおいて使用時間を説明する図である。
【図7】同上の配電システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
102 直流機器
116 宅内サーバ
117 表示器
131 直流コンセント
132 引掛シーリング
200 センタサーバ
201 携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別のコンセント識別情報を有し、電気機器が接続されるコンセント部と、通信網を介して前記コンセント部と接続する管理装置とを備える管理システムであって、
前記コンセント部は、前記電気機器のプラグと着脱自在に接続する接続手段と、前記電気機器が前記接続手段に接続されたか否か、及び前記接続手段に接続された前記電気機器への給電状態の少なくとも一方を検出する検出手段とを有し、
前記管理装置は、前記コンセント部に接続された前記電気機器の寿命に関連する寿命関連閾値を当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、前記コンセント部に接続された前記電気機器の使用状況が、当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記寿命関連閾値に到達したか否かを判定する判定手段とを有し、
前記検出手段の検出結果を用いて、前記コンセント部に接続された前記電気機器の前記使用状況を計測する計測手段と、
前記判定手段で前記使用状況が前記寿命関連閾値に到達したと判定された場合、前記判定手段の判定結果を報知する報知手段と、
前記コンセント部に接続された前記電気機器の機器識別情報を当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて設定する第1の設定手段と、
前記第1の設定手段で設定された機器識別情報に対応する前記寿命関連閾値を、前記コンセント部に接続された前記電気機器の前記寿命関連閾値として当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶させる第2の設定手段と
を前記通信網に備える
ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記検出手段は、前記電気機器が前記接続手段に接続されたか否かを検出し、
前記計測手段は、前記電気機器が前記接続手段に接続された時からの経過時間を前記使用状況として計測する
ことを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記検出手段は、前記接続手段に接続された前記電気機器への給電状態を検出し、
前記計測手段は、前記電気機器への給電状態から前記電気機器への給電時間の累積時間を前記使用状況として計測する
ことを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項4】
前記コンセント部は、直流電力系統からの直流電力を前記接続手段の接続先に供給し、
前記電気機器は、前記接続手段からの直流電力供給によって駆動される
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の管理システムに用いられ、個別のコンセント識別情報を有するコンセント部であって、
電気機器のプラグと着脱自在に接続する接続手段と、前記電気機器が前記接続手段に接続されたか否か、及び前記接続手段に接続された前記電気機器への給電状態の少なくとも一方を検出する検出手段とを備えることを特徴とするコンセント部。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の管理システムに用いられる管理装置であって、
前記コンセント部に接続された前記電気機器の寿命に関連する寿命関連閾値を当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて記憶する記憶手段と、前記コンセント部に接続された前記電気機器の使用状況が、当該コンセント部のコンセント識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されている前記寿命関連閾値に到達したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で判定された判定結果を報知手段に送信する判定結果送信手段とを備えることを特徴とする管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−157495(P2009−157495A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332835(P2007−332835)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】