説明

管理装置及び管理方法、管理システムとネットワークデバイス

【課題】アプリケーションの設定値を遠隔地から操作することができる管理装置及び管理方法、管理システムとネットワークデバイスを提供する。
【解決手段】管理装置は、アプリケーションの設定値を遠隔地から操作可能なネットワークデバイスにインストールされているアプリケーションがそのデバイス用に構成されていない場合、エージェントを使って設定値を操作する。その際には、当該アプリケーションを停止させた上で設定値を操作するか、または、当該アプリケーションを稼働させたまま設定値を操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークに接続されている1つ以上のネットワークデバイスにインストールされているアプリケーションプログラムあるいはデータ(以下アプリケーションと略称する)の各種設定値を遠隔地から操作(たとえば取得、配信、削除など)するための管理装置および管理方法、管理システムとネットワークデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Webサービスなどの通信プロトコルを用いて、遠隔地の管理装置が、ネットワークデバイスにインストールされたアプリケーションの設定値を操作することが可能となってきている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ネットワークデバイスにインストールされているアプリケーションの設定値が記載されたアプリケーション設定情報を、情報配信装置がネットワークデバイスに送付する。ネットワークデバイスのアプリケーション設定受信モジュールは、前記情報配信装置から前記アプリケーション設定情報を受信すると、ネットワークデバイスで実行されているアプリケーションに対して設定情報の反映を依頼する。前記アプリケーションは、前記アプリケーション設定受信モジュールから受け取ったアプリケーション設定情報を自身へ反映する。
【0004】
また、別の例として、特許文献2では、Webサービスインタフェース提供方法が提供されている。この方法では、クライアントとアプリケーションとの間にサービスサロゲートと呼ばれる代理モジュールを置き、前記サービスサロゲートを介してクライアントとアプリケーションが通信する。サービスサロゲートは、アプリケーションと通信するために、別途用意されたメタデータを用いて、自身を初期化する。アプリケーションごとに異なるメタデータを用いてサービスサロゲートを初期化することによって、クライアントは、様々なアプリケーションの設定値を操作することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−198598号公報
【特許文献2】特開2006−252537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、情報配信装置がアプリケーションの設定値を操作するためには、アプリケーションが、アプリケーション設定受信モジュールからアプリケーション設定情報を受信できるよう構成されていなければならない。
【0007】
また、特許文献2の方法では、アプリケーション自身が、設定値操作のためのサービスサロゲートとの間の通信インタフェースを持たなければならない。
【0008】
ところが、市場には、アプリケーション設定受信モジュールからアプリケーション設定情報を受信できるよう構成されておらず、かつ、設定値操作のための通信機能を持たないアプリケーションが多数存在している。
【0009】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであって、アプリケーションの設定値を遠隔地から操作することができる管理装置及び管理方法、管理システムとネットワークデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を備える。すなわち、ネットワークデバイスの管理装置であって、
ネットワークデバイスの機種と、所定の標準形式で定義された標準設定情報に前記機種が対応しているか否かを示す情報とを関連付けて登録したデバイスリストを格納する手段と、
前記デバイスリストを参照して、対象ネットワークデバイスが前記標準設定情報に対応した機種ではないと判定した場合には、当該対象ネットワークデバイス上で稼働する対象アプリケーションの設定情報を操作するためのエージェントを介して前記操作対象とする対象アプリケーションの設定情報を操作する操作手段とを備える。
【0011】
あるいは他の観点によれば、本発明は、アプリケーションが稼動しているネットワークデバイスであって、
前記アプリケーションにより用いられる所定の標準形式で定義されていない設定情報を操作するためのエージェントを実行するための制御手段と、
ネットワークデバイスを管理する管理装置から、前記アプリケーションの設定情報を操作する要求を受信する受信手段と、を有し、
前記エージェントの機能として、前記要求に応じて前記所定の標準形式で定義されていない設定情報を操作する。
【0012】
あるいは他の観点によれば、管理装置によりアプリケーションが稼動しているネットワークデバイスを管理する管理システムであって、
前記管理装置は、
ネットワークデバイスの機種と、所定の標準形式で定義された標準設定情報に前記機種が対応しているか否かを示す情報とを関連付けて登録したデバイスリストを格納した手段と、
前記デバイスリストを参照して、前記対象ネットワークデバイスが前記標準設定情報に対応した機種ではないと判定した場合には、当該対象ネットワークデバイス上で稼働する対象アプリケーションの設定情報を操作するためのエージェントを介して前記操作対象とする対象アプリケーションの設定情報を操作する要求を行う操作手段と、を備え、
前記ネットワークデバイスは、
前記エージェントを実行するための制御手段と、
前記管理装置から、前記ネットワークデバイス上で稼動しているアプリケーションの設定情報を操作する要求を受信する受信手段とを有し、
前記エージェントの機能として、前記要求に応じて前記設定情報を操作する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ネットワークデバイスにインストールされたアプリケーションの種類ごとに最適な方法でアプリケーションの設定値を遠隔的に操作することが可能となる。
【0014】
また、アプリケーション設定値を操作する際に設定値定義ファイルを用いることによって、ネットワークデバイス管理者が必要とするアプリケーション設定値のみを選択して操作することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施形態のシステムの構成図である。
【図2】管理装置の内部構成図である。
【図3】複合機の内部構成図である。
【図4】管理装置のソフトウェアの構成図である。
【図5】アプリケーションファイルの構成図である。
【図6】アプリケーション設定情報の構成図である。
【図7】複合機のソフトウェアモジュール階層図である。
【図8】第1の実施形態の管理装置のフローチャートである。
【図9】アプリケーションリストの例を示す図である。
【図10】設定値定義ファイルの構成例を示す図である。
【図11】デバイスリストの例を示す図である。
【図12】アプリケーション選択画面の例を示す図である。
【図13】複合機選択画面の例を示す図である。
【図14】アプリケーションの設定値の強制操作に関する指定画面の例を示す図である。
【図15】第1の実施形態のレガシーアプリケーション設定値全削除処理のフローチャートである。
【図16】第1の実施形態のレガシーアプリケーション設定値操作処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。本実施形態では、ネットワークデバイスの管理装置が1つ以上のネットワークデバイスにインストールされているアプリケーションの設定値を操作する際の動作について説明する。本発明に関して、設定値の操作とは、管理装置からネットワークデバイスに対して設定値を配信し、または設定し、または削除すること、または管理装置がネットワークデバイスから設定値を取得することの少なくともいずれかの処理のことである。なお「設定」には全部または一部の設定値の変更を含む。また、「削除」には全部または一部の設定値の削除を含む。
【0017】
図1は、管理装置が動作する管理システムの構成を示す図である。図1において、101は本実施形態の管理装置である。102、103は複合機に代表されるネットワークデバイスである。これらの機器はすべてLAN100によりネットワークに接続されている。
【0018】
<管理装置のハードウエア構成>
図2は、管理装置101の内部構成について説明した図である。本実施形態の管理装置101は、パーソナルコンピュータ(PC)上に実現されるため、汎用コンピュータと同様の構成を有する。ハードディスク(HDD)212には、後述のすべての説明で動作主体となる本実施形態に係るネットワークデバイス管理ソフトウェアのプログラムが格納される。
【0019】
図2において、管理装置200は管理装置101と同じものである。201はCPUで、後述のすべての説明において、特に断りのない限り、ハードウエア上の実行の主体であり、ネットワークデバイス管理ソフトウェアのプログラムなどを実行する。一方、ソフトウェア上の制御の主体は、ハードディスク(HDD)212に格納されたネットワークデバイス管理ソフトウェアである。
【0020】
202はROMで、BIOSやブートプログラムが格納されている。203はRAMで、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。205はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)209やポインティングデバイス(PD)210等からの指示入力を制御する。206はディスプレイコントローラ(DSPC)で、ディスプレイ(DSP)211の表示を制御する。207はディスクコントローラ(DKC)で、ハードディスク(HDD)212やCD−ROM(CD)213などの二次記憶装置へのアクセスを制御するものである。ハードディスク(HDD)212およびCD−ROM(CD)213等には、ブートプログラム、オペレーティングシステム、データベース、ネットワークデバイス管理アプリケーションおよびそのデータ等を記憶している。208はインタフェースコントローラ(IFC)で、LAN(Local Area Network)を介して他のネットワーク機器と情報を送受信する。これらの各構成要素は、システムバス204上に配置される。また本実施形態においては、OSは例えば、ウィンドウズ(登録商標)(マイクロソフト社製)を想定しているが、これに限るものではない。
【0021】
なお、本実施形態に係るネットワークデバイス管理プログラムは、CD−ROMなどの記憶媒体に格納された形で供給されても良い。その場合には図2に示すCD−ROM(CD)213などによって記憶媒体からプログラムが読み取られ、ハードディスク(HDD)212にインストールされる。
【0022】
<ネットワークデバイスのハードウエア構成例>
図3は、ネットワークデバイス102、103の例として、印刷機能やスキャン機能、ネットワーク通信機能などを備える複合機の内部構成について説明した図である。図3において、複合機300はネットワークデバイス102、103としてもちいることができる。301は複合機全体の制御を司るCPUであり、複合機300にインストールされているアプリケーションも実行する。302はCPU301が実行する印刷処理プログラムやフォントデータを格納するROMである。303はCPU301のワークエリア、受信バッファ、画像描画に使用されるRAMである。前述したアプリケーションの設定値は、ROM302あるいはRAM303に保存されている。ROM302に保存する場合には、消去および書き込み可能なプログラマブルROMが用いられる。304は、アプリケーションのプログラムなどを記録するハードディスク(HDD)である。305は各種スイッチやボタン、並びに、メッセージ表示用の液晶表示部で構成される操作パネルである。操作パネル305では、ユーザが前記アプリケーションの設定値を操作することが可能である。306はネットワークに接続するためのネットワークインタフェースである。307は記録紙に印刷を行うプリンタエンジン、308は原稿を読み取るためのスキャナ、309はファクシミリの送受信を行うための通信部である。
【0023】
なお、着目デバイスがネットワークに接続可能なデバイスであり、着目ネットワークデバイス上で実行されるアプリケーションがインストールされており、そのアプリケーションが変更可能なパラメータ(すなわち設定値)を持つデバイスであれば、本実施形態にかかるネットワークデバイスとして採用することができる。しかし本実施形態では複合機300をネットワークデバイスの例として説明する。
【0024】
<管理装置のソフトウエア構成>
以下に、図面を参照して、管理装置101における各コンポーネントのソフトウェア機能を説明する。図4は、管理装置101上で稼動するソフトウェアの構成について説明した図である。図4において、400はネットワークデバイス管理ソフトウェアである。
【0025】
UI制御部401は、複合機の管理者が本ソフトウェアを操作するためのグラフィカルユーザインタフェースを提供する。グラフィカルユーザインタフェースは、管理装置101に備え付けられたディスプレイ211に表示されるよう構成される。もしくは、HTTP(HyperText Transfer Protocol)を用いて、他のクライアントPCから利用可能なWebアプリケーションとして構成することも可能である。
【0026】
アプリケーション管理部402は、ユーザが登録したアプリケーションファイルの情報を管理する。アプリケーションファイルは、CABファイルや、JAR(Java(登録商標)ARchive)ファイル、ZIPファイルのように複数のファイルを圧縮して1ファイルで構成される。また、アプリケーション管理部402は、UI制御部401からアプリケーションファイルを受け取り、ファイルを伸張した後にマニフェストファイルを取り出す。さらに、アプリケーション管理部402は、マニフェストファイルを解析し、アプリケーション名や、アプリケーションID、バージョンなどのアプリケーション付属情報を取り出す。その後、アプリケーションファイルとともに、アプリケーションデータベース408に格納する。
【0027】
マニフェストファイルは、java(登録商標)における標準的な圧縮形式ファイルであるJARファイルについての説明を記述する付属情報ファイルである。JARファイルについての付属情報をメタデータと称する場合もある。マニフェストファイルには、たとえばバージョンやJARファイルの作成ツールなどのほか、指定したテキストファイルの内容を追記することができる。なお。ここでは、マニフェストファイルは付属情報を記録したファイルの一例であり、CABファイルやZIPファイルについても同様のメタデータを記録したファイルを作成することができる。本実施形態ではこれらも含めて、アプリケーションについての付属情報を格納したファイルをマニフェストファイルと呼ぶことにする。
【0028】
デバイス管理部403は、探索部406を介してネットワークに接続された複合機を探索する。複合機の探索は、SLP(Service Location Protocol)や、SNMP(Simple Network Management Protocol)など探索要求パケットを送信することによって実現可能である。探索により発見された複合機に対しては、さらに通信部407を介して、複合機の詳細情報(機種名、シリアルナンバー、能力、状態、インストール済みアプリケーションなど)を取得することも可能である。複合機の所在情報(IPアドレス)と複合機から取得した情報は、デバイスデータベース409上のデバイスリストに格納する。データベースに登録した情報は、UI制御部401を介してユーザが閲覧することも可能である。複合機はネットワークデバイスの一例であるので、デバイスリストをより普遍化してデバイスリストとよぶこともある。
【0029】
インストール処理部404は、UI制御部401からのインストール指示を受けて、通信部407を介して複合機に接続し、アプリケーションを複合機にインストールするための処理を実行する。さらに、インストール処理部404は、インストールされたアプリケーションを開始したり、停止したりするための処理も実行する。アプリケーションを複合機にインストールするための処理とは、たとえば当該アプリケーションプログラムおよびそのインストーラプログラムを複合機300に送信し、インストーラプログラムを複合機300に実行させるなどの処理である。
【0030】
設定値管理部405は、通信部407を介して前記複合機にインストールされているアプリケーションの設定値を操作する。また、複数の設定値を含む設定情報をまとめて操作することも可能である。また、本実施形態では、HTTPおよびSOAPを用いたWebサービスを用いて、アプリケーション設定値の操作を実現することを想定しているが、他の通信プロトコルで実現してもよい。
【0031】
設定値管理部405により複合機から取得したアプリケーション設定値の情報は、アプリケーションデータベース408に格納する。データベースに登録した情報は、UI制御部401を介してユーザが閲覧することも可能である。
【0032】
複合機へアプリケーション設定値の情報を配信する場合は、アプリケーションデータベース408に格納されているもののうち、UI制御部401を介してユーザが選択した設定値の情報を配信する。
【0033】
アプリケーションデータベース408には、ネットワークデバイスである複合機にインストールされているアプリケーションを示すアプリケーションリストが登録される。また、デバイスデータベース409には、管理装置が検索した複合機のリスト化したデバイスリストが登録される。アプリケーションリストおよびデバイスリストについては複合機の構成を説明した後で、図9、図10、図11を参照して説明する。
【0034】
<アプリケーションファイル>
図5は、アプリケーションファイルについて説明した図である。アプリケーションファイルとは、アプリケーションプログラムのファイル(圧縮済みでもよい)およびそのメタデータファイルを含むファイルである。本図において、500はアプリケーションファイルそのものであり、CABファイルや、JAR (Java(登録商標)ARchive)ファイル、ZIPファイルのように複数のファイルを圧縮して1ファイルで構成する。
【0035】
アプリケーションファイル500の内部にはマニフェストファイル501が格納される。マニフェストファイル501には、アプリケーション名や、本アプリケーションを一意に識別すためのアプリケーションID、バージョンなどのアプリケーション付属情報を記載する。アプリケーションファイル500内のアプリケーションプログラム502は、第三者によるプログラムの改ざんなどを防止するため暗号化されている。アプリケーションファイルは、CDなどの記録媒体や、インターネットなどのメディアを介して使用者に配布され、配布先で解読されて実行される。
【0036】
<アプリケーション設定情報>
図6は、遠隔設定に対応したアプリケーションのアプリケーション設定情報の構成について説明した図である。この図6に例示した形式を標準形式と呼び、標準形式のアプリケーション設定情報に対応したアプリケーションを標準アプリケーションと呼ぶ。また標準形式の設定情報を標準設定情報と呼ぶことにする。
【0037】
図6において、600はアプリケーション設定情報そのものである。アプリケーション設定情報600はXML(Extensible Markup Language)形式で記載されている。
【0038】
本実施形態では、通信プロトコルがHTTPおよびSOAPであるため、アプリケーション設定情報600はXML形式を用いて記載されているが、別の形式で記載されていてもよい。以下、図6に記載されたアプリケーション設定値情報の例における各項目について説明する。
【0039】
<AppInfo>タグで囲まれた領域601はアプリケーション情報記載領域である。<AppInfo>タグのAppID属性には、アプリケーション設定情報600に関連するアプリケーションのアプリケーションIDの値が記述される。ここでは、アプリケーション情報記載領域601の<AppInfo>タグのAppID属性として、"abcde585-f319-4f24-b511-bbd9c8f690cc"という値が記述されている。
【0040】
<Data>タグで囲まれた項目602から項目604はそれぞれアプリケーション設定値である。<Data>タグのName属性には、アプリケーション設定値の名称が記述される。ここでは、アプリケーション設定値602、603、604の<Data>タグのName属性として、"Font"、"Font_Color"、"Font_Size"がそれぞれ記述されている。また、<Type>タグには<Value>タグの値の型情報が記述され、<Value>タグにはそれぞれの設定項目のアプリケーション設定値が記述される。図6の例では、全項目とも型はStringすなわち文字列型であり、値は順に「Century」「White」「20」である。
【0041】
図6に示したアプリケーション設定情報は、アプリケーションのIDを含み、XMLで記述したことで各項目及び設定情報全体の境界を、タグを解釈することで特定できる。したがって、標準形式で定義されたタグを解釈可能であれば、対応したアプリケーションやアプリケーション設定値操作部(図7で説明する)により操作することができる。
【0042】
これに対して遠隔設定に対応していない従来のアプリケーションは、図6のようなタグにより意味付けされた項目を持たず、アプリケーションごとに固有の形式を持つ。本実施形態では、アプリケーションIDと、設定項目の項目名を示す文字列およびその文字列の後に記述した設定値という形式を持つ。しかしながら含まれる項目や項目名、項目の順序等はアプリケーションに固有であり、統一的に扱うことは困難である。そこで、標準ではないアプリケーション(レガシーアプリケーションと呼ぶ)のためには、アプリケーションごとの項目や項目名などを定義した設定値定義ファイル(図9及び図10参照)が用意され、アプリケーションリスト(図9)の一部としてアプリケーションデータベースに登録されている。
【0043】
<複合機のソフトウエア構成>
図7は、複合機のソフトウェアモジュール階層について説明した図である。ソフトウェアモジュールはオペレーティングシステム(OS)701を有している。OS701の上には、各種機器制御のためのコントローラモジュール702を有し、その上にアプリケーションプログラムなどのプログラムを逐次実行するためのインタプリタ703を有する。インタプリタ703の上には、動的に着脱可能な複数のアプリケーション群を管理するためのアプリケーション管理部704を有する。各種機能を実現するアプリケーション708、709は、このアプリケーション管理部704の管理下で動作する。
【0044】
インタプリタ703を介して複合機のサービスを提供するためのアプリケーションモジュールを動作させることができる。例えば、アプリケーションインストーラ706により、アプリケーションが複合機に組み込まれるのに応答して、アプリケーション管理部704はアプリケーション708、709を管理対象として追加する。さらに複合機内からアプリケーションプログラムが削除されるのに応答して、アプリケーション管理部704はアプリケーション708、709を管理対象から外すことができる。
【0045】
また、上記インストールやアンインストールを行うためのアプリケーションインストーラ706自身も、このアプリケーション管理部704の上で動作させることができる。
【0046】
アプリケーションは複合機と協働して各種処理をユーザに提供する。例えば、画像の加工、圧縮を行うアプリケーション、印刷制限などの部門管理を行うアプリケーション、アプリケーションの一部として組み込まれるプラグインモジュールなどを例としてあげることができる。また、複合機の遠隔管理を行うアプリケーション、複合機のフィニッシャなどのユニットを制御して製本を行わせるアプリケーション、特定の文書データの変換・解析アプリケーションも一例である。更に、いわゆるワープロソフトのような文書作成プログラム、スケジュール管理プログラム、表計算プログラム、データベース管理プログラム、さらにはインターネットを介したプリントサービスを実現するためのサーバプログラムなども一例である。
【0047】
アプリケーションインストーラ706は、管理装置101からネットワーク通信部707を介してアプリケーションファイルを取得する。その後、アプリケーションファイルのフォーマットや情報が正規のものであるかどうか検証した上で、アプリケーションのインストール処理を実行する。さらに不正なユーザからのインストール指示を防止するため、ネットワーク通信部707を介してアクセスするユーザを認証するための機能を備える。アプリケーション708、709は、自身が動作するための設定情報をアプリケーション設定値管理DB705に保持することができる。
【0048】
アプリケーション管理部704がアプリケーション708、709を起動すると、アプリケーション708、709は、起動後のある段階でアプリケーション設定値管理DB705から自身のアプリケーション設定情報を読み出し、読み出したアプリケーション設定情報に従って起動処理を続行する。アプリケーション設定情報にはアプリケーションIDが付与されているので、そのIDを参照することでアプリケーションは対応するアプリケーション設定情報を特定できる。
【0049】
設定値操作部710は、ネットワーク通信部707を介して受信した管理装置101からの設定値操作要求に応じて、アプリケーション708、709の設定情報を操作する。その後、設定値操作部710は、アプリケーション708、709にアプリケーション設定値が操作されたことを通知する。設定値操作部710は、図6に示すような統一された形式のアプリケーション設定情報については、その設定値を操作することができる。なお、設定値操作部710を持たない複合機も広く使用されており、そのような複合機では、後述するエージェント711を用いなければアプリケーション設定情報を遠隔的に操作することができない。設定値操作部710を備えた複合機であっても、アプリケーション自体が設定情報の遠隔操作に対応していなければやはり遠隔操作はできない。すなわち、複合機が設定情報の遠隔操作に対応していないとは、当該複合機(複合機の機種)が設定値操作部710を持たないことである。また、アプリケーションが設定情報の遠隔操作に対応していないとは、当該アプリケーションの設定情報が図6に示したような標準形式ではないことである。
【0050】
アプリケーション708、709が設定値操作部710からの通知に応答するよう構成されていれば、アプリケーション708、709は前記通知を受けて、アプリケーション設定値の再読み込みなど、設定値の操作後に行うようプログラムされた処理を実行することができる。なお、複合機の型によっては、設定値操作部710を持たないものがありうる。
【0051】
エージェント711は、複合機へのインストールおよび複合機からのアンインストールが可能なアプリケーションで、設定値操作部710と通信できないアプリケーションのアプリケーション設定値を操作するためのプログラムである。エージェント711は、たとえばアプリケーションのベンダにより提供される設定値定義ファイルを与えられ、それを有している。この設定値定義ファイルは、図6のような標準形式ではないアプリケーション設定情報を操作するために、アプリケーションリストの一部として管理装置のアプリケーションデータベース408に登録され、そこからエージェントに対して提供される。エージェント711の動作については図8のフローチャート内で詳細に説明される。
【0052】
次に、管理装置の動作を説明する前に、アプリケーションリストおよび設定値定義ファイルおよびデバイスリストについて、それぞれ図9、図10、図11を参照して説明する。
【0053】
<アプリケーションリスト>
図9は、アプリケーションデータベース408に保持されたアプリケーションリストの例である。900はアプリケーションリストそのものである。901はアプリケーション名で、本リストに登録されたアプリケーションの名称を格納するための領域である。902はアプリケーションIDで、本リストに登録されたアプリケーションのIDを格納するための領域である。903はバージョンで、本リストに登録されたアプリケーションのバージョンを格納するための領域である。904は複合機が持つ、アプリケーション設定値を遠隔地から操作する機能に、アプリケーションが対応しているかどうかを格納するための領域である。なお遠隔地からの操作(あるいは遠隔操作、リモート操作)とは、アプリケーションがインストールされている複合機以外の装置に主導された操作を指し、物理的な距離とは必ずしも関係はない。アプリケーションが複合機の設定値操作部710とだけ通信する場合には、アプリケーションがリモートからのアプリケーションの設定値の操作機能に対応していると判断する。アプリケーションが複合機の設定値操作部710とエージェント711の双方と通信する場合には、アプリケーションがリモートからの操作機能に一部対応していると判断する。アプリケーションがエージェント711とだけ通信する場合には、アプリケーションがリモートからの操作機能に非対応であると判断する。この判断はあらかじめアプリケーションごとにおこなっておき、アプリケーションのメタデータとして保存されていてもよいし、アプリケーションリストへの登録時に管理者により行ってもよい。
【0054】
本実施形態では、設定値操作904の値として、「対応」、「一部対応」、「非対応」を格納しているが、格納される値はこれに限定されるものではない。なお、以後、904の値が「対応」であるアプリケーションを「標準アプリケーション」と呼ぶ。同様に、「一部対応」であるアプリケーションを「ハイブリッドアプリケーション」、「非対応」であるアプリケーションを「レガシーアプリケーション」と呼ぶ。905はパス情報で、本リストに登録されたアプリケーションの登録場所を格納するための領域である。ここでいう「標準アプリケーション」は、定義ぶりこそ異なるものの、標準形式の設定情報に対応しているとした前述の「標準アプリケーション」と同義であり、設定値操作904に記述される「対応」の意味はまさに標準形式の設定情報への対応も意味している。図9の例においては、アプリケーション名「App1」と「App2」の登録場所は同一装置内であるが、アプリケーション名「App3」の登録場所はFTPサーバ内であることが分かる。
【0055】
906は設定値定義ファイルで、管理装置101がエージェント711を介してハイブリッドまたはレガシーアプリケーションのアプリケーション設定値を操作する際に使用するファイルの情報を格納するための領域である。設定値定義ファイル906は、設定情報が含む項目を記述したファイルであり、設定項目定義ファイルといい替えることもできる。
【0056】
907はアプリケーションタイプで、本リストに登録されたアプリケーションの種類を格納するための領域である。本実施形態では、アプリケーション名「App1」と「App3」は一般アプリケーション、アプリケーション名「App2」は認証アプリケーションと分類されている。ここで、一般アプリケーションは、複合機に新機能を付加するためのアプリケーションである。また、認証アプリケーションは、複合機を使用するための認証処理を行うためのアプリケーションである。なお、本実施形態では、アプリケーションの種類として、「一般」と「認証」を例示したが、その他に、複合機の基本機能を稼働させるため前もって複合機にインストールされる「システム」などがあってもよい。
【0057】
<設定値定義ファイル>
図10は、設定値定義ファイル906の構成について説明した図である。本図において、1000は設定値定義ファイルそのものである。設定値定義ファイル1000はXML形式で記載されている。なお、本実施形態では、通信プロトコルがHTTPおよびその上で利用するSOAPであるため、設定値定義ファイル1000はXML形式を用いて記載されているが、別の形式で記載されていてもよい。
【0058】
<AppInfo>タグで囲まれたアプリケーション情報記載領域1001は図6の601と同様であるため、説明を省略する。ここでは、アプリケーション情報記載領域1001の<AppInfo>タグのAppID属性として、" aaabb585-f319-4f24-b511-bbd9c8f690cc"という値が指定されている。ここでもわかるように、設定値定義ファイル1000は、アプリケーションごとに用意される。
【0059】
<Data>タグで囲まれた1002から1004はアプリケーション設定値定義である。<Data>タグのName属性には、アプリケーション設定値定義の名称が指定される。ここでは、アプリケーション設定値定義1002、1003、1004の<Data>タグのName属性として、"Font"、"Font_Color"、"Font_Size"が指定されている。
【0060】
また、設定値定義ファイルは、アプリケーションのアプリケーション設定値の項目を定義することが目的であるため、図6のアプリケーション設定値602から604に存在する<Type>タグ、<Value>タグは、不要である。
【0061】
エージェント711は、たとえば指定された標準ではないアプリケーションのアプリケーション設定情報の取得要求を受信すると、当該アプリケーションのIDで特定される設定値定義ファイルを参照する。そして、DataタグのName属性として記述された項目名(たとえな文字列)を、当該アプリケーションの設定情報から検索する。アプリケーションの設定情報全体は、たとえばIDなどでアプリケーションと関連けられており、またそのデータ長は固定されているなど、特定することができる。そして検索により得られた文字列と文字列の間のデータを、その直前の文字列を項目名とする項目の設定値として読み取る。これを全項目について行い、たとえば図10の設定値定義ファイルをテンプレートとして、例えば各Dataタグに図6のようなValueタグを追加し、その値として読み出した各項目の設定値を複製する。そのようにして作成した設定値情報を、管理装置に送信する。これは個別の項目の読み出しや変更、あるいは全項目の更新などを行う際にも同様である。設定値の更新を行う際には、設定項目ごとの設定値を管理装置から受信しておき、その設定値で、検索した項目の設定値を更新する。
【0062】
<デバイスリスト>
図11は、デバイスデータベース409に保持された複合機の情報を含むデバイスリストの例である。1100はデバイスリストそのものである。1101はシリアルナンバーで、複合機のシリアルナンバーを格納するための領域である。1102はIPアドレスで、複合機のIPアドレスを格納するための領域である。1103は製品名で、複合機の製品名を格納するための領域である。1104は複合機がリモートからのアプリケーションの設定値の操作機能を持つかどうかを格納するための領域である。具体的には、複合機が設定値操作部710を持つ場合に、複合機がリモートからの操作機能を持つと判断する。なお、本実施形態では、設定値操作1104の値として、「可能」、「不可能」を格納しているが、これに限定されるものではない。またこの判断はデバイスリストの作成時に行う必要はなく、あらかじめ複合機の製品名(すなわち機種)ごとに「可能」または「不可能」を管理装置に登録しておき、デバイスリストの作成時には、登録した複合機の製品名に対応する値を設定値操作1104として登録する。
【0063】
1105はインストール済みアプリケーションで、複合機にインストールされているアプリケーションプログラムを列挙するための領域である。なお、デバイスリスト1100には、項目1101から1105の詳細情報以外に、例えば、複合機のニックネーム、複合機の設置場所等の情報が含まれていても良い。
【0064】
<管理装置による設定値の操作手順>
さて、1つ以上のネットワークデバイスにインストールされている1つ以上のアプリケーションの設定値を操作するために、管理装置101のCPUは、図8のフローチャートでその手順(ステップ)が示されるプログラムを実行する。
【0065】
例えば、ユーザがUIからメニューを選択したなどの処理をUI制御部401が検知し、UI制御部401がアプリケーション管理部402を起動することにより、本フローチャートが開始される。
【0066】
図8において、S801では、アプリケーション管理部402がUI制御部401経由でユーザからのアプリケーション追加要求を受け付け、アプリケーションデータベース408のアプリケーションリストに、要求されたアプリケーションプログラムあるいはデータを保持する。追加されるアプリケーションは、たとえば記録媒体や通信媒体などから供給される。
【0067】
エージェント711も本ステップによってアプリケーションリストに追加される。また、管理装置がエージェント711を使ってアプリケーション設定値を操作する際に必要な「設定値定義ファイル」も本ステップによってアプリケーションリストに追加される。
【0068】
なお、アプリケーション追加要求には、追加するアプリケーションや設定値定義ファイルの実体が含まれていても良いし、アプリケーションや設定値定義ファイルの実体は外部のFTPサーバなどに配置し、その実体へのパス情報のみが含まれていても良い。アプリケーションリストの例は図9に、それに含まれる設定値定義ファイルの例は図10に示したとおりである。
【0069】
S802では、デバイス管理部403が探索部406を介してネットワークに接続された複合機を探索する。さらに、デバイス管理部403は通信部407を介して探索された複合機の詳細情報を取得し、デバイスデータベース409のデバイスリストに保持する。デバイスリストの例は図11に示したとおりである。
【0070】
S803では、UI制御部401はアプリケーション選択画面を表示してそこからユーザからの入力を受け付け、アプリケーション管理部402、設定値管理部405に入力結果を渡す。アプリケーション管理部402は上記入力結果からユーザが選択したアプリケーションを特定し、アプリケーションデータベース408からアプリケーションの情報を引き出す。アプリケーション管理部402は引き出した情報を一時的にRAM203またはHDD212に保持する。設定値管理部405は入力された操作方法の情報をRAM203またはHDD212に保持する。アプリケーション選択のための操作画面は図12として示し、その説明は後述する。
【0071】
S803によって、ユーザによるチェックボックス選択がなされると、UI制御部401は、アプリケーションの選択情報をアプリケーション管理部402に引き渡す。ここで選択されたアプリケーションを対象アプリケーションと呼ぶ。また、ユーザによるラジオボタン選択がなされると、UI制御部401は、アプリケーションの操作方法情報を設定値管理部405に引き渡す。
【0072】
S804では、UI制御部401は複合機選択画面からユーザの入力を受け付け、デバイス管理部403に入力結果を渡す。デバイス管理部403は渡された入力結果からユーザが選択した複合機を特定し、デバイスデータベース409から複合機の情報を引き出す。デバイス管理部403は引き出した情報を一時的にRAM203またはHDD212に保持する。設定値管理部405は図13の1306にユーザが入力した認証情報を一時的にRAM203またはHDD212に保持する。複合機の選択画面は図13として示し、その説明は後述する。ここで選択されたネットワークデバイスを対象ネットワークデバイスと呼ぶ。
【0073】
S804によって、ユーザによるチェックボックス選択がなされると、UI制御部401は、複合機の選択情報をデバイス管理部403に引き渡す。
【0074】
S805では、設定値管理部405が、S804で選択された複合機がリモートからのアプリケーションの設定値の操作機能を持つかどうかを判断する。具体的には、設定値管理部405が、デバイスリスト1100のリモートアプリケーション設定値操作1104の値を調べることによって判断する。S804で選択された複合機がリモートからの操作機能を持つと判断された場合は、S806に進む。そうでない場合は、S809に進む。
S806では、設定値管理部405が、S803で選択されたアプリケーションが標準またはハイブリッドアプリケーションであるかどうかを判別する。すなわち図6等に所定の標準設定情報に対応しているか判定する。具体的には、設定値管理部405が、アプリケーションリスト900の設定値操作904の値を調べることによって判断する。
【0075】
本実施形態では、設定値操作904の値が「対応」であれば、標準アプリケーションであると判別する。また、「一部対応」であれば、ハイブリッドアプリケーションであると判別する。当該アプリケーションが標準またはハイブリッドアプリケーションであると判断された場合は、S807に進む。そうでない場合は、S809に進む。
【0076】
S807では、後述のS819において設定値管理部405がアプリケーション設定値の操作要求を送信するためのフラグを有効化する。
【0077】
S808では、設定値管理部405が、S803で選択されたアプリケーションがハイブリッドアプリケーションであるかどうかを判別する。具体的には、設定値管理部405が、アプリケーションリスト900の設定値操作904の値を調べることによって判断する。本実施形態では、設定値操作904の値が「一部対応」であれば、ハイブリッドアプリケーションであると判別する。当該アプリケーションがハイブリッドアプリケーションであると判断された場合は、S809に進む。そうでない場合は、S818に進む。
【0078】
S809−S817は、操作対象の複合機にインストールされたエージェントを用いてアプリケーション設定値を操作する場合に実行される。ハイブリッドアプリケーションについては、遠隔操作に対応していない一部のアプリケーション設定値が対象となる。認証管理を行っている操作対象の複合機に何らかの操作を依頼する場合、設定値管理部405は、前もって図13の1306にユーザが入力した認証情報を用いて認証を行っておく必要がある。
【0079】
S809では、UI制御部401はアプリケーションの設定値の強制操作に関する指定画面からユーザの選択入力を受け付け、設定値管理部405に入力結果を渡す。設定値管理部405は、その入力結果から、ユーザがアプリケーション設定値の操作方法として「強制的な操作を行う」ことを指定したか否かを特定し、RAM203またはHDD212に保持する。本実施形態において、「強制的な操作を行う」ということは、操作対象のアプリケーションの状態に関わらずアプリケーション設定値操作を行うことを意味する。すなわち、アプリケーションが実行中であっても停止させずにその設定値操作を行う。例えば、複合機の操作ログを収集するアプリケーションなどは、一時的であっても停止させることが困難である。このような場合に、強制的な操作が必要となる。なお強制操作を行うか否かを指定する指定画面の例は図14に示し、その説明は後述する。
【0080】
S810では、デバイス管理部403が、S804で選択された複合機にエージェント711がインストールされているかどうかを判別する。具体的には、デバイス管理部403が、デバイスリスト1100のインストール済みアプリケーション1105の値を確認する。例えば、インストール済みアプリケーション1105のうち、S804で選択された複合機に該当する箇所に「エージェント」という値が含まれていれば、当該複合機にエージェント711がインストールされていることになる。エージェント711の動作については、S815、S817において詳細に説明する。エージェント711がインストールされていると判断された場合は、S814に進む。そうでない場合は、S811に進み、エージェントのインストールを試みる。
【0081】
S811では、デバイス管理部403が、S804で選択された複合機にエージェント711のインストールが可能かどうかを判別する。例えば、アプリケーションリスト900にエージェント711が登録されていなければ、エージェント711のインストールはできない。この場合、S801でアプリケーションリスト900にエージェント711を追加することによって、インストール処理部404がエージェント711をインストールするための準備が整う。また、例えば、エージェント711のマニフェストファイル501に、インストール可能な複合機の型が記載されている場合がある。S804で選択された複合機がこの型に一致しない場合、インストール処理部404はエージェント711のインストールができない。さて、エージェント711のインストールが可能であると判別された場合は、S812に進む。そうでない場合は、本フローチャートを終了する。
【0082】
S812では、インストール処理部404がS804で選択された複合機に対してエージェント711のインストール要求を発行する。S804で選択された複合機は、前記S812のインストール要求およびエージェント711のアプリケーションファイルを受信する。その後、アプリケーションインストーラ706がエージェント711のインストール処理を実行し、その結果を管理装置101に返信する。
【0083】
S813では、インストール処理部404が、前記S812において当該複合機のアプリケーションインストーラ706が返信したインストール処理結果を受信する。その後、インストール処理部404は、エージェント711のインストールが成功したかどうかを判別する。エージェント711のインストールが成功したと判別された場合は、S814に進む。そうでない場合は、本フローチャートを終了する。
【0084】
S814では、設定値管理部405が、S803で選択されたハイブリッドまたはレガシーアプリケーションの操作方法が「全削除」かどうかを判別する。操作方法が「全削除」であると判別された場合は、S815に進む。そうでない場合は、S816に進む。
【0085】
S815では、設定値管理部405が、S804で選択された複合機に対して、S803で選択されたハイブリッドまたはレガシーアプリケーションのアプリケーション設定値の全削除を実行する。具体的には、設定値管理部405が、複合機のネットワーク通信部707経由でエージェント711と通信を行い、エージェントを介して操作対象のハイブリッドまたはレガシーアプリケーションのアプリケーション設定値の全削除を実行する。S815の処理の詳細は、図15で説明される。この説明は図8の説明の後に記述する。なお、S815では、標準アプリケーションを対象とすることもある。たとえば、着目複合機(すなわち着目ネットワークデバイス)が設定値操作部710を備えていない場合には、操作対象のアプリケーションが標準アプリケーションであったとしても、その標準アプリケーションの設定情報はやはりエージェントを介して全削除されることになる。
【0086】
S816では、設定値管理部405が、S803で選択されたハイブリッドまたはレガシーアプリケーションの設定値定義ファイルが管理装置101に登録されているかどうかを判別する。具体的には、設定値管理部405がアプリケーションリスト900の設定値定義ファイル906の値を読み、設定値定義ファイルの有無を判定する。設定値定義ファイル906のうち、当該アプリケーションに該当する箇所に設定値定義ファイルの情報が格納されていれば、当該アプリケーションの設定値定義ファイルが管理装置101に登録されていることになる。ハイブリッドまたはレガシーアプリケーションの設定値定義ファイルが管理装置101に登録されていると判別された場合は、S817に進む。そうでない場合は、本フローチャートを終了する。
【0087】
S817では、設定値管理部405が、S804で選択された複合機に対して、S803で選択されたハイブリッドまたはレガシーアプリケーションのアプリケーション設定値をS803で指定された操作方法で操作する。具体的には、設定値管理部405が、複合機のネットワーク通信部707経由でエージェント711と通信を行い、エージェントを介して操作対象のハイブリッドまたはレガシーアプリケーションのアプリケーション設定値を操作する。本ステップで対象となる操作は、「全削除」以外の操作である。S817の処理の詳細は、図16で説明される。この説明は図8の説明の後に記述する。
【0088】
なお、S817では、標準アプリケーションを対象とすることもある。たとえば、着目複合機(すなわち着目ネットワークデバイス)が設定値操作部710を備えていない場合には、操作対象のアプリケーションが標準アプリケーションであったとしても、その標準アプリケーションの設定情報はやはりエージェントを介して操作されることになる。その場合には標準形式に対応した設定値定義ファイルが用意されるが、これは標準形式であるのでアプリケーションのベンダに依存せず、管理装置にあらかじめ用意しておくことができる。
【0089】
S818では、S807で、操作対象のアプリケーションが標準またはハイブリッドアプリケーションであることを示すフラグが有効化されたかどうかを判別する。フラグが有効化されたと判別された場合は、S819に進む。そうでない場合は、S820に進む。すなわち、操作対象がレガシーアプリケーションの場合にはS819をスキップし、標準またはハイブリッドアプリケーションの場合にはS819へ進む。
【0090】
S819では、設定値管理部405が、S804で選択された複合機に対して、S803で選択された標準またはハイブリッドアプリケーションのアプリケーション設定値をS803で指定された操作方法で操作するための要求を送信する。認証管理を行っている操作対象の複合機に何らかの操作を依頼する場合、設定値管理部405は、前もって図13の1306にユーザが入力した認証情報を用いて認証を行っておく必要がある。また、ネットワーク通信部707経由で前記要求を受信した設定値操作部710は、要求された操作を実行する。
【0091】
例えば、アプリケーション設定値の配信を行う場合は、設定値管理部405が、図6に例示したようなアプリケーション設定情報を複合機の設定値操作部710に送付する。なお、前記アプリケーション設定情報は、アプリケーションデータベース408に保持されている。設定値操作部710は受信したアプリケーション設定情報を該当するアプリケーション設定情報に書き込む。
【0092】
アプリケーション設定値の取得を行う場合は、設定値管理部405が、アプリケーション設定情報の取得要求を複合機の設定値操作部710に送付する。複合機の設定値操作部710は、前記要求に応答して、対象となるアプリケーションのアプリケーション設定情報を読み、管理装置に返信する。このアプリケーション設定値情報は、管理装置において、複合機を特定する識別情報およびアプリケーション識別情報と関連付けて、アプリケーションデータベース408に登録される。
【0093】
アプリケーション設定値の削除・全削除を行う場合は、設定値管理部405が、アプリケーション設定情報の削除要求を複合機の設定値操作部710に送付する。複合機の設定値操作部710は、前記要求に応答してアプリケーション設定値管理DB705の設定情報を削除する。この場合たとえば、対応するアプリケーションは、稼働にあたってアプリケーション設定情報がないと判定すると、アプリケーションプログラムとともにインストールされている設定情報の初期値をアプリケーション設定情報に再設定する。もちろん削除後の動作はこれ以外にも採りえる。
【0094】
アプリケーション設定値管理DB705の設定情報が変更されると、設定値操作部710は、前記変更の影響を受ける標準またはハイブリッドアプリケーションに対してアプリケーション設定値が操作されたことを通知する。
【0095】
通知を受けた標準またはハイブリッドアプリケーションは、必要に応じて、アプリケーション管理部704経由でアプリケーション設定値管理DB705からアプリケーション設定値を読み込む。
【0096】
S820では、設定値管理部405がS815、S817、S819で実行したアプリケーションの設定情報の操作の後処理を実行する。
【0097】
操作内容がアプリケーション設定情報の配信であった場合、設定値管理部405は、複合機から通信部407経由でアプリケーション設定情報の配信の結果を受信する。受信結果はRAM203またはHDD212に保持される。
【0098】
操作内容がアプリケーション設定情報の取得であった場合、設定値管理部405は、複合機から通信部407経由でアプリケーションの設定情報の取得の結果を受信する。取得結果が成功である場合は、アプリケーション設定情報も同時に受信する。受信結果はRAM203またはHDD212に保持される。受信したアプリケーション設定情報は、アプリケーションデータベース408に格納される。
【0099】
操作内容がアプリケーション設定情報の削除・全削除であった場合、設定値管理部405は、複合機から通信部407経由でアプリケーション設定情報の削除・全削除の結果を受信する。受信結果はRAM203またはHDD212に保持される。
【0100】
設定情報の配信、設定情報の取得、設定情報の削除・全削除、いずれの操作であっても、UI制御部401は必要に応じてRAM203またはHDD212に保持された受信結果をユーザに提示することが可能である。
【0101】
以上で図8のフローチャートの説明を終了する。
【0102】
<S815の詳細>
図15はS815の処理を詳細に説明したフローチャートである。図8において、S1501では、設定値管理部405がS809の入力結果をRAM203またはHDD212から読み出す。その後、設定値管理部405は、前記読み出された入力結果からアプリケーション設定値の強制操作を行うかどうかを判別する。アプリケーション設定値の強制操作を行うと判断された場合は、S1502に進む。そうでない場合は、S1503に進む。
【0103】
S1502では、設定値管理部405が、S804で選択された複合機のエージェント711に対してS803で選択されたハイブリッドまたはレガシーアプリケーションのアプリケーション設定値を全削除するための要求を送信する。また、ネットワーク通信部707経由で前記要求を受信したエージェント711は、要求された全削除操作を実行する。なお、S1502は、S1503からS1507までのステップとは異なり、操作対象のハイブリッドまたはレガシーアプリケーションが稼働したままの状態で実行される。
【0104】
S1503では、設定値管理部405が、S1502で全削除が実行されたハイブリッドまたはレガシーアプリケーションが、認証アプリケーションかどうかを判別する。
具体的には、上記アプリケーションのアプリケーションタイプ907の値が「認証」であるかどうかを判別する。
認証アプリケーションである場合は、S1504に進む。そうでない場合は、本フローチャートを終了する。
【0105】
S1504では、設定値管理部405が、図13の1306にユーザが入力した認証情報を用いて再度認証処理を行う。本ステップを実行することによって、S1502でアプリケーション設定値を全削除した結果、複合機の認証機能が無効化されたかどうかを検証することができる。
【0106】
S1505では、設定値管理部405は、S1504で実行した認証処理の結果、認証が成功したかどうかを判別する。認証が成功すれば、認証アプリケーションの認証機能が有効であることが分かる。認証が成功した場合は、本フローチャートを終了する。そうでない場合は、S1506に進む。
【0107】
S1506では、UI制御部401が、複合機の再起動を促すメッセージをネットワークデバイス管理ソフトウェア400上に表示する。仮にネットワークデバイス管理ソフトウェア400が複合機の再起動を行う機能を有するならば、S1506のメッセージと共に、複合機の再起動を行うためのボタンが表示されてもよい。その場合、以下のS1507、S1508が実行される。
【0108】
S1507では、上記再起動を行うためのボタンがユーザによって押下されたかどうかを判断する。ユーザが上記ボタンを押下し、複合機の再起動を指示した場合は、S1508に進む。そうでない場合は、本フローチャートを終了する。
【0109】
S1508では、デバイス管理部403が複合機の再起動要求を発行する。本再起動要求を受信した複合機は、自身を再起動させる。
【0110】
S1509では、アプリケーション管理部402が、S803で選択されたハイブリッドまたはレガシーアプリケーションを停止させることが可能かどうかを判定する。アプリケーション管理部402が当該アプリケーションを停止させることができる場合は、S1510に進む。そうでない場合は、本フローチャートを終了する。
【0111】
S1510では、インストール処理部404が、S804で選択された複合機に対して、S1509で停止させることができると判定されたアプリケーションを停止させるための要求を複合機に対して送信する。ネットワーク通信部707経由で前記要求を受信したアプリケーションインストーラ706は、要求された操作を実行する。
【0112】
S1511では、アプリケーション管理部402は、複合機から通信部407経由で前記S1510の処理結果を受信し、前記停止処理が成功したかどうかを判別する。当該アプリケーションの停止処理が成功したと判断された場合は、S1512に進む。そうでない場合は、本フローチャートを終了する。
【0113】
S1512は、S1502と同様であるため説明を省略する。ただし、本ステップでは、操作対象のハイブリッドまたはレガシーアプリケーションが停止しているため、設定値管理部405はアプリケーション設定値をより安全に操作することが可能である。
【0114】
S1513では、インストール処理部404が、前記S1510で停止された当該アプリケーションの開始要求を発行する。また、ネットワーク通信部707経由で前記要求を受信したアプリケーションインストーラ706は、要求された操作を実行する。以上で図15のフローチャートの説明を終了する。
【0115】
<S817の詳細>
図16はS817の処理を詳細に説明したフローチャートである。図16において、S1601は、図15のS1501と同一であるため、説明を省略する。
【0116】
S1602では、設定値管理部405が、S804で選択された複合機のエージェント711に対してS803で選択されたハイブリッドまたはレガシーアプリケーションのアプリケーション設定値を操作するための要求を送信する。設定値管理部405は、前記要求を送信する際に、操作対象のアプリケーションに対応づけて設定値定義ファイル906に登録されている設定値定義ファイルを付加して送付する。また、ネットワーク通信部707経由で前記要求を受信したエージェント711は、設定値定義ファイル906に記載されている内容に従って要求された操作を実行する。なお、S1602は、S1603からS1607までのステップとは異なり、操作対象のハイブリッドまたはレガシーアプリケーションが稼働したままの状態で実行される。
【0117】
S1603−S1605は、図15のS1509−S1511と同一であるため、説明を省略する。
【0118】
S1606は、S1602と同様であるため説明を省略する。ただし、本ステップでは、操作対象のハイブリッドまたはレガシーアプリケーションが停止しているため、設定値管理部405はアプリケーション設定値をより安全に操作することが可能である。
【0119】
S1607は、図15のS1513と同一であるため、説明を省略する。
【0120】
以上の手順により、ネットワークデバイスが、遠隔からのアプリケーション設定情報の操作に対応しているか否かに関わらず、また、ネットワークデバイスにインストールされたアプリケーションが、遠隔からのアプリケーション設定情報の操作に対応しているか否かに関わらず、遠隔からのアプリケーション設定情報の操作が可能となる。
【0121】
ユーザは、アプリケーションの選択とネットワークデバイスの選択とどのような操作を行うかの指定とを行えば、指定したアプリケーションおよびデバイスを対象として指定した操作が行われる。たとえば選択した複数のデバイスに標準アプリケーションに対応した複合機とそうではない複合機とが含まれていたとしても、その両方に対して指定した操作を遂行することが可能となる。これはアプリケーションについても同様であり、選択した複数のアプリケーションに標準アプリケーションとそうではないアプリケーションとが含まれていたとしても、その両方に対して指定した操作を遂行することが可能となる。ただしこの場合には、アプリケーションごとに操作を指定できることが望ましいが、全項目の読み出しに関しては、指定したアプリケーションすべてに対してまとめて指定してもよい。
【0122】
<アプリケーション選択画面の例>
図12は、アプリケーション選択画面の例である。1200はアプリケーション選択画面そのものである。1201はアプリケーション名で、図9のアプリケーション名901の値を表示する。「App1」などのアプリケーション名の前には、ユーザによって選択可能なチェックボックスが配置されている。1202はアプリケーションIDで、図9のアプリケーションID902の値を表示する1203はバージョンで、図9のバージョン903の値を表示する。1204は、図9の904の値を表示する。1205はパス情報で、図9のパス情報905の値を表示する。1206は設定値定義ファイルで、図9の設定値定義ファイル906の値を表示する。設定値定義ファイルの情報が格納されていない場合、本実施形態では、「−」(標準アプリケーションの場合)あるいは「なし」(ハイブリッドまたはレガシーアプリケーションの場合)を表示しているが、これに限定されるものではない。1207はアプリケーションタイプで、図9のアプリケーションタイプ907の値を表示する。なお、アプリケーションリスト900に、901から907のアプリケーション情報以外の情報が格納されている場合は、必要に応じてアプリケーション選択画面1200に表示してもよい。1208は操作方法指定ラジオボタンで、設定値管理部405がS803で選択されたアプリケーションをどのように操作するかを指定する。本図では、「取得」、「配信」、「削除」、「全削除」の4つの操作方法が列挙されている。
【0123】
<複合機選択画面の例>
図13は、複合機選択画面の例である。1300は複合機選択画面そのものである。1301はシリアルナンバーで、図11のシリアルナンバー1101の値を表示する。「ABC123」などのシリアルナンバーの前には、ユーザによって選択可能なチェックボックスが配置されている。1302はIPアドレスで、図11のIPアドレス1102の値を表示する。1303は製品名で、図11の製品名1103の値を表示する。1304は、図11の1104の値を表示する。1305はインストール済みアプリケーションで、図11のインストール済みアプリケーション1105の値を表示する。1306は認証情報で、複合機が本実施形態で想定している操作を実行する際に必要な認証情報をユーザが入力する。なお、デバイスリスト1100に、1101から1105の詳細情報以外の情報が格納されている場合は、必要に応じて複合機選択画面1300に表示してもよい。
【0124】
<設定値の強制操作に関する指定画面の例>
図14は、アプリケーションの設定値の強制操作に関する指定画面の例である。1400は指定画面そのものである。1401は強制操作方法指定チェックボックスで、設定値管理部405が、ハイブリッドまたはレガシーアプリケーションのアプリケーション設定値を操作する際に、強制的な操作を行うかどうかを選択するためのチェックボックスである。
【0125】
なお、本図では、1つのチェックボックスによって、複合機、アプリケーション、操作内容等、すべての操作方法が指定されるが、複合機毎、アプリケーション毎、操作内容毎にチェックボックスを用意してもよい。
【0126】
[その他の実施例]
本実施形態では、デバイスリストすなわちデバイスリストとアプリケーションリストとを参照して、デバイスおよびアプリケーションがいずれも設定情報の遠隔操作に対応している場合には、アプリケーション設定値操作部を用いる。そうでなければエージェント必要に応じてインストールし、設定値定義ファイルとともにエージェントを用いる。したがって、たとえばデバイスリストのみに着目して、指定された複合機が標準形式の設定情報に対応していなければ、当該デバイスにエージェントがインストールされているか否か(すなわち有無)を判定し、なければエージェントをインストールするように構成してもよい。S815で説明したように、そのようなデバイスではアプリケーションが標準であるかレガシーであるかによらずエージェントを用いねばならないからである。そのように構成することで、標準形式の設定情報に対応していない複合機にインストールされたアプリケーションの設定情報を遠隔的に操作可能となる。
【0127】
また図8の手順ではひとつの複合機にインストールされたひとつのアプリケーションを対象として、その設定情報を遠隔操作する場合の手順を説明した。しかしながら、ユーザインターフェースの例でも示したように、複数の複合機と複数のアプリケーションを対象として指定することもできる。その場合には、指定されたすべての複合機とアプリケーションとを対象として図8の手順を繰り返す。具体的には、たとえば図8のS820の後、ENDの直前(分岐の合流後)に、着目デバイス(現在処理対象としている複合機)において、指定された全アプリケーションについて設定情報の操作が完了しているか判定する。完了していなければ、新たなアプリケーションを操作対象として着目し、S805に分岐する。もちろん着目デバイスおよび着目アプリケーションを示す識別情報はメモリ等に記憶しておく。一方完了していれば、指定された全複合機について設定情報の操作が完了しているか判定する。完了していなければ、指定された複合機のうち次の複合機を操作対象として着目し、また、着目アプリケーションを指定されたうちの先頭のアプリケーションに戻し、やはりS805に分岐する。一方完了していれば、図8の手順を終了する。
【0128】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークデバイスの管理装置であって、
ネットワークデバイスの機種と、所定の標準形式で定義された標準設定情報に前記機種が対応しているか否かを示す情報とを関連付けて登録したデバイスリストを格納する手段と、
前記デバイスリストを参照して、対象ネットワークデバイスが前記標準設定情報に対応した機種ではないと判定した場合には、当該対象ネットワークデバイス上で稼働する対象アプリケーションの設定情報を操作するためのエージェントを介して前記操作対象とする対象アプリケーションの設定情報を操作する操作手段と
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項2】
アプリケーションと、前記標準設定情報に前記アプリケーションが対応しているか否かを示す情報とを関連付けて登録したアプリケーションリストを格納した手段をさらに備え、
前記操作手段は、前記対象ネットワークデバイスが、前記標準設定情報に対応した機種であると判定した場合には、前記アプリケーションリストを参照して、前記対象アプリケーションが前記標準設定情報に対応していない場合には前記エージェントを介して前記アプリケーションの設定情報を操作し、前記対象アプリケーションが前記標準設定情報に対応している場合には前記エージェントを介さずに前記設定情報を操作することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記標準形式ではない設定情報に含まれる項目を定義した設定項目定義ファイルを格納する手段をさらに備え、
前記操作手段は、前記エージェントを介して前記設定情報を操作する場合には、対象アプリケーションに対応した設定項目定義ファイルを前記エージェントに対して送信しておくことを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記操作手段は、前記エージェントを介して前記設定情報を操作する際に、前記エージェントが前記対象ネットワークデバイスにインストールされていない場合に、前記エージェントを前記対象ネットワークデバイスにインストールさせるインストール手段をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記操作手段が行う操作には、前記設定情報の読み出しと、前記設定情報の変更との少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記操作手段は、前記エージェントを介して前記設定情報の操作を行う場合に、前記設定情報を用いるアプリケーションの動作の状態に関わらず前記エージェントを介して前記設定情報を操作することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記操作手段は、前記エージェントを介して前記設定情報の操作を行う場合に、前記設定情報を用いるアプリケーションをいったん停止させてから前記エージェントを介して前記設定情報を操作することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の管理装置。
【請求項8】
ネットワークデバイスの管理装置における管理方法であって、
ネットワークデバイスの機種と、所定の標準形式で定義された標準設定情報に前記機種が対応しているか否かを示す情報とを関連付けて登録したデバイスリストを格納するステップと、
前記デバイスリストを参照して、前記対象ネットワークデバイスが前記標準設定情報に対応した機種ではないと判定した場合には、当該対象ネットワークデバイス上で稼働する対象アプリケーションの設定情報を操作するためのエージェントを介して前記操作対象とする対象アプリケーションの設定情報を操作する操作ステップとを備えることを特徴とする管理方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
アプリケーションが稼動しているネットワークデバイスであって、
前記アプリケーションにより用いられる所定の標準形式で定義されていない設定情報を操作するためのエージェントを実行するための制御手段と、
ネットワークデバイスを管理する管理装置から、前記アプリケーションの設定情報を操作する要求を受信する受信手段と、を有し、
前記エージェントの機能として、前記要求に応じて前記所定の標準形式で定義されていない設定情報を操作することを特徴とするネットワークデバイス。
【請求項11】
前記ネットワークデバイス上で稼動する他のアプリケーションにより用いられる所定の標準形式で定義された設定情報である標準設定情報を操作するための設定値操作手段をさらに有し、
前記設定値操作手段が、前記要求に応じて前記標準設定情報を操作することを特徴とする請求項10に記載のネットワークデバイス。
【請求項12】
前記要求には、前記設定情報の読み出しと、前記設定情報の更新と、前記設定情報のうち指定した項目の変更との少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項10又は11に記載のネットワークデバイス。
【請求項13】
アプリケーションが稼動しているネットワークデバイスにおける管理方法であって、
ネットワークデバイスを管理する管理装置から、前記アプリケーションの設定情報を操作する要求を受信する受信ステップと、
前記アプリケーションにより用いられる所定の標準形式で定義されていない設定情報を操作するためのエージェントを実行するための制御ステップとを有し、
前記エージェントの機能として、前記要求に応じて前記所定の標準形式で定義されていない設定情報を操作することを特徴とするネットワークデバイス。
【請求項14】
管理装置によりアプリケーションが稼動しているネットワークデバイスを管理する管理システムであって、
前記管理装置は、
ネットワークデバイスの機種と、所定の標準形式で定義された標準設定情報に前記機種が対応しているか否かを示す情報とを関連付けて登録したデバイスリストを格納した手段と、
前記デバイスリストを参照して、前記対象ネットワークデバイスが前記標準設定情報に対応した機種ではないと判定した場合には、当該対象ネットワークデバイス上で稼働する対象アプリケーションの設定情報を操作するためのエージェントを介して前記操作対象とする対象アプリケーションの設定情報を操作する要求を行う操作手段と、を備え、
前記ネットワークデバイスは、
前記エージェントを実行するための制御手段と、
前記管理装置から、前記ネットワークデバイス上で稼動しているアプリケーションの設定情報を操作する要求を受信する受信手段と、を有し、
前記エージェントの機能として、前記要求に応じて前記設定情報を操作することを特徴とする管理システム。
【請求項15】
管理装置によりアプリケーションが稼動しているネットワークデバイスを管理する管理システムにおける管理方法であって、
前記管理装置は、
ネットワークデバイスの機種と、所定の標準形式で定義された標準設定情報に前記機種が対応しているか否かを示す情報とを関連付けて登録したデバイスリストを格納するステップと、
前記デバイスリストを参照して、前記対象ネットワークデバイスが前記標準設定情報に対応した機種ではないと判定した場合には、当該対象ネットワークデバイス上で稼働する対象アプリケーションの設定情報を操作するためのエージェントを介して前記操作対象とする対象アプリケーションの設定情報を操作する要求を行う操作ステップと、を備え、
前記ネットワークデバイスは、
前記エージェントを実行するための制御ステップと、
前記管理装置から、前記ネットワークデバイス上で稼動しているアプリケーションの設定情報を操作する要求を受信する受信ステップと、を有し、
前記エージェントの機能として、前記要求に応じて前記設定情報を操作することを特徴とする管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−185794(P2012−185794A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125713(P2011−125713)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】