説明

管継手ユニオン用の安全カラー

管継手TユニオンR用の安全カラー10であって、該ユニオンRは、ナットDによって管Tの端部に締結されるカップリングを含む、安全カラー。本発明によると、該安全カラー10は、実質的にU字形の第1のブラケット10.1及び第2のブラケット10.2を含み、該第1のブラケット10.1及び該第2のブラケット10.2は基本的に同一であり、各ブラケットの中間分岐10.3が、管Tの軸に対して実質的に直交する平面に180度よりも広がりが小さい円弧として凹面を有し、一方で各ブラケットの各末端分岐10.4が、その基部に、中間分岐10.3に隣接している貫通孔10.6、10.7と、その自由端に、U字形のブラケットの内側に向かって突出している歯10.5とを有し、上記第1のブラケットに穿孔された孔10.6にはねじが切られており、一方で上記第2のブラケットに穿孔された孔10.7は、それぞれのねじVのねじ切りシャンクが自由に通ること、及び第1のブラケットの対応するねじ孔10.6にねじ込まれることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手ユニオン(pipe fitting union)用の安全カラーに関する。
【0002】
本発明による管継手ユニオン用の安全カラーは、分離防止機能及び緩み防止機能を果たし、すなわち、ユニオンと、様々な直径の剛性管との安全な機械的接合を確実にする。
【0003】
本発明による安全カラーは、水圧系統、油圧系統及び空気圧系統、特に自動車部門、鉄道部門及び工業部門において配備される水圧系統、油圧系統及び空気圧系統に適用可能である。
【背景技術】
【0004】
既知のように、管継手ユニオンは、対応して雌ねじ加工されたナットによって少なくとも部分的に管の端部に締結される雄ねじ加工されたカップリングを含む。ユニオンは、以下の構成要素:ナット、円錐リング(ナットの座部に締め付けられ、パイプをしっかりとロックし、したがってその分離を回避するとともにその機械的シールを確実にする)、保護ワッシャ及びOリングを剛性管上に同軸に挿入することによって取り付けられる。カップリングの口金においてその座部に収容されているワッシャによって圧縮されるOリングは、気密シールを確実にする。次いで、ナットが、製造業者が指定するトルク値に従ってカップリングに締め付けられる。
【0005】
しかし、ユニオンは、その使用中に応力及び振動を受け、これによって締め付けトルクがかなり低下する可能性があり、結果としてユニオン自体のシール及び安全性のリスクが生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この問題の原因に対処することによってこの問題を解決することを目的とする。
【0007】
本発明の目的は、ユニオン及びその対応する剛性管の効果的かつ安全な機械的保持を確実にする管継手ユニオン用の安全カラーを実現(implement)することである。
【0008】
本発明の別の目的は、単純化された構造を有し、使用が簡単かつ便利であり、安全な動作特性及び比較的低いコストを有する、上述のような安全カラーを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的のために、本発明は、必須の特徴が請求項1の目的である管継手ユニオン用の安全カラーを実現する。
【0010】
更なる有利な特徴は従属請求項に記載されている。
【0011】
上記請求項は本明細書に完全に記載されている(reported)。
【0012】
本発明は、単に例として提供される添付の図面を参照して以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による管継手ユニオン用の安全カラーの正面図である。
【図2】本発明の一実施形態による管継手ユニオン用の安全カラーの側面図である。
【図3】本発明の一実施形態による管継手ユニオン用の安全カラーの上面図である。
【図4】ねじを用いていない、図1の安全カラーの分解斜視図である。
【図5】管継手ユニオンに取り付けられており、図4に関して180度回転した安全カラーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面の参照符号10は、本発明の一実施形態による完全な安全カラーを示す。安全カラー10は、六角ナットDによって剛性管Tに接続されているユニオンRと関連する。
【0015】
上記安全カラー10は、それぞれ実質的にU字形の第1のブラケット10.1及び第2のブラケット10.2を含み、該第1のブラケット10.1及び該第2のブラケット10.2は基本的に同一であり、それらの中間分岐(intermediate branch)10.3が、管Tの軸に対して実質的に直交する平面(すなわち、末端分岐(terminal branch)10.4に対して実質的に直交する平面)に180度よりも広がりが小さい円弧として凹面を有する。
【0016】
ブラケット10.1、10.2の2つの末端分岐は10.4と称され、これらはそれぞれ、その基部に、中間分岐に隣接している貫通孔と、その自由端に、U字の内側に向かって突出している歯10.5とを有する。
【0017】
上記第1のブラケット10.1に穿孔された上記孔にはねじが切られており、10.6(図4)と称され、一方で、10.7と称される、上記第2のブラケット10.2に穿孔された孔は、上記孔10.6よりも大きい直径を有し、それぞれのねじVのねじ切りシャンクが自由に通ること、及び第1のブラケット10.1の対応するねじ孔10.6にねじ込まれることを可能にする。
【0018】
安全カラー10の組み立てに関する指示
2つのブラケット10.1、10.2を、管Tの軸を通る平面に対して鏡面対称に配置し、それによって上記末端分岐10.4の端の歯10.5をユニオンRのナットDの下面と係合させ、2つのねじVのシャンクを第2のブラケット10.2の孔10.7に挿入し、次いでこれらを上記第1のブラケット10.1のねじ孔10.6にねじ込み、最後に、安全カラー10の中間分岐10.3が管Tをジョーのようにクランプする方法で上記ねじVを所定のトルク値に従ってねじ孔10.6に締め付け、したがってユニオンRのナットDをそれぞれの歯10.5で終端している末端分岐10.4によって安定した安全なやり方で保持し、それによってユニオンの緩み及び分離を防止する。
【0019】
特に、各末端分岐10.4は、ブラケットの内側に面しているとともに、一方の側からは上記端の歯10.5によって、また他方の側からは突起10.9によって境界を定められている凹部10.8を有し、このように、該凹部10.8がユニオンRのナットDに対して並置され、したがって突起10.9によって上部が、かつ上記歯10.5によって底部がナットDと係合する。
【0020】
各ブラケット10.1は、ニッケルめっき真鍮、白色不動態化された亜鉛めっき鋼(galvanized steel with white passivation)、ステンレス鋼又はプラスチック材料のいずれかからなる単一片として作製することができ、一方で2つの六角頭部の締結ねじは例えば亜鉛めっき鋼から作製することができる。
【0021】
安全カラーのカップリング直径は、一例として4mm〜8インチの範囲とすることができる。
【0022】
本発明による安全カラー10は、ユニオンRの保持効力のかなりの増大によって、外部応力及び振動に起因する経時的な締め付けトルクの低下を顕著に低減させ、それによってその主要な安全性能を改善する。これは、カラー10とナットDとの間で係合する締め付け歯10.5によって確実となる管TとユニオンRとの間の固定(anchorage)の改善によるものである。
【0023】
安全カラー10は、新たな設備だけでなく、既に設置されており動作中の管継手ユニオンにも容易に設置(後付け)することができるため、それらの安全性をかなり改善することに留意することが重要である。技術的な分離防止特性及び緩み防止特性は、200バールまで増大する圧力で、及び30Nmから300Nmまで増加する締め付けトルク値で適切に試験された。
【0024】
明らかに、実施の際には本明細書において記載及び説明されているものに対して多くの変更を行うことができる。例えば、本発明による安全カラーの形状、寸法、使用する材料(どの金属及び合金、プラスチック材料を使用するか)は、最終ユーザーの要件に適合するように幅広く変えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管継手(T)ユニオン(R)用の安全カラー(10)であって、前記ユニオン(R)は、対応して雌ねじ加工されたナット(D)によって少なくとも部分的に前記管(T)の端部に締結される雄ねじ加工されたカップリングを含み、
該安全カラー(10)は、実質的にU字形の第1のブラケット(10.1)及び第2のブラケット(10.2)を含み、該第1のブラケット(10.1)及び該第2のブラケット(10.2)は基本的に同一であり、各ブラケットの中間分岐(10.3)が、前記管(T)の軸に対して実質的に直交する平面に180度よりも広がりが小さい円弧として凹面を有し、一方で各ブラケットの各末端分岐(10.4)が、その基部に、前記中間分岐(10.3)に隣接している貫通孔(10.6、10.7)と、その自由端に、前記U字形のブラケットの内側に向かって突出している歯(10.5)とを有し、前記第1のブラケットに穿孔された前記孔(10.6)にはねじが切れられており、一方で、前記第2のブラケットに穿孔された前記孔(10.7)は、それぞれのねじ(V)のねじ切りシャンクが自由に通ること、及び前記第1のブラケット(10.1)の対応する前記ねじ孔(10.6)にねじ込まれることを可能にし、
それによって、前記2つのブラケット(10.1、10.2)を、前記管(T)の軸を通る平面に対して鏡面対称に配置すると、それによって前記ブラケット(10.1、10.2)の前記端の歯(10.5)を前記ユニオン(R)のナット(D)の下面と係合させ、次いで2つのねじ(V)の前記シャンクを前記第2のブラケット(10.2)の前記それぞれの孔(10.7)に挿入して前記第1のブラケット(10.1)の前記ねじ孔(10.6)にねじ込み、最後に、前記ねじ(V)を、所定のトルク値に従って前記ねじ孔(10.6)に締め付け、前記ブラケット(10.1、10.2)の前記中間分岐(10.3)を前記管(T)にジョーのようにクランプさせ、したがって前記ユニオン(R)の前記ナット(D)をそれぞれの歯(10.5)で終端している前記末端分岐(10.4)によって安定した安全なやり方で保持し、それによって前記ユニオンの緩み及び分離を防止することを特徴とする、安全カラー。
【請求項2】
前記ブラケット(10.1、10.2)の各末端分岐(10.4)は、前記U字形のブラケットの内面に面しているとともに、一方の側からは前記端の歯(10.5)によって、また他方の側からは突起(10.9)によって境界を定められている凹部(10.8)を有し、それによって該凹部(10.8)が前記ユニオン(R)の前記ナット(D)に対して並置され、したがって前記突起(10.9)によって上部が、かつ前記歯(10.5)によって底部が前記ナット(D)と係合することを特徴とする、請求項1に記載の安全カラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−505406(P2013−505406A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529355(P2012−529355)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002338
【国際公開番号】WO2011/033376
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(512070470)
【Fターム(参考)】