説明

管継手

【課題】継手本体に結合した管体が外力により不用意に離脱するのを回避し得る管継手を提供する。
【解決手段】継手本体12の内周面には、管体30の挿入口27側から順に、軸方向に移動可能な解放リング16と、ロック爪18が内挿されている。解放リング16の周面には、フランジ部24の奥側に2つの突起部24Aが形成されている。継手本体12の内周面には、ロック部13Aと、凸部13Bと、突起部24Aが軸方向に移動可能なロック解除部13Cが形成されている。解放リング16のロックを解除するときは、ユーザーが解放リング16を回転させ、突起部24Aをロック部13Aから凸部13Bを弾性変形により拡径させてロック解除部13Cに移動させる。そして、解放リング16を奥側に押し込むことで管体30が離脱される。突起部24Aは凸部13Bを乗り越えなければロック解除部13Cに移動しないので、管体30が不用意に外れるのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管体を簡単な操作で確実に結合、離脱することができる管継手に関し、特に、管継手に結合した管体が誤って離脱するのを回避し得る管継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から管体を容易に結合及び離脱させることができる管継手が広く使用されている。
【0003】
図8は、このような従来の管継手100を示す半裁断面図であり、継手本体102に固定したスリーブ104の内周面に、管体挿入口112側から順に、軸方向に移動が可能な解放リング106と、拡径が可能なロック爪108とが挿入されている。
【0004】
管継手100に管体120を結合する際には、管体120の端部がロック爪108に接し、管体120の端部でロック爪108を押し広げ、管体120の端部がシール材(OリングやVパッキン)110を通過して継手本体102の最奥部まで達する。この状態で内圧が作用すると、管体120は継手本体102から離れる方向の力を受けるが、管体120の外周面にロック爪108の内周端108Aが食い込む結果、管体120の離脱が防止されるのである。
【0005】
一方、管体120を離脱させるには、解放リング106を継手本体102の奥側に向けて押し込んでやればよい。すると、解放リング106の先端部106Aがロック爪108を押し広げる結果、管体120の外周面に対する内周端108Aの食い込みが解除され、管体120を引き抜くことができるようになるのである。なお、管体120の引き抜きに伴って解放リング106は管体挿入口112側に移動するが、先端部106Aが外周面から突出しているため、スリーブ104から露出することはない(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−4187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、図8に示す従来の管継手100では、管体の結合及び離脱が容易であるという特徴を有している。しかしながら、その反面、解放リング106を不用意に継手本体102の奥側に押してしまった場合、ロック爪108の内周端108Aの食い込みが解除され、管体120が外れて(離脱して)しまうという問題がある。
【0007】
また、図9に示すように、合成樹脂製の管体120が管継手100の管体挿入口112で曲がるような無理な配管であった場合、湾曲した管体120の外周面120Aで解放リング106を押してしまい、結果としてロック爪108が管体120から離れてしまい、管体120が外れることがある。
【0008】
このような不具合を解消するため、図10(A)に示すように、ロッククリップ132を継手本体102と解放リング106のフランジ106Bとの間に挟むようにした管継手130が提案されている。このロッククリップ132は、図10(B)、(C)に示すように、解放リング106の外周面に沿った湾曲面132Aを備えたU字状の部材であり、継手本体102と解放リング106のフランジ106Bとの間に挟むことで、解放リング106が継手本体102の奥側に押し込まれるのを防止し、管体120が不用意に外れるのを回避している。
【0009】
しかし、図10(A)に示す管継手130では、配管時のロッククリップ132の挟み忘れや、使用時の脱落等が生じやすく、結果として管体120が外れてしまうことがある。
【0010】
この対策として、本発明者は、図7に示すように、解放リング204の継手本体202側に凸部204Aを設けると共に、継手本体202の縁部を切り欠き、凸部204Aを係止して軸方向の移動を規制する凹部202Aと、その隣に凸部204Aが軸方向に移動して解放リング204を押し込み可能とする係合凹部202Bとを備えた管継手200を考案した。
【0011】
しかし、この管継手200は、解放リング204の移動を規制するためのロックを、凹部202Aと係合凹部202Bの軸方向の大きさを調整して決めており、ロックする荷重のコントロールが難しい。また、管継手200の結合時に外力がかかって解放リング204が継手本体202から離れる方向に移動すると、凸部204Aと凹部202Aとの係止が外れてしまい、解放リング204が周方向に移動可能となる。このため、凸部204Aが係合凹部202Bの位置に移動すると、解放リング204が継手本体202の奥側に押し込まれてしまい、管体が不用意に外れることを回避できない。
【0012】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、管体の結合及び離脱の容易性を維持しつつ、管体が不用意に離脱するのを回避することができる管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明に係る管継手は、管体が挿入される継手本体の軸方向に移動が可能で前記継手本体の挿入口側に把持部が設けられた解放リングと、前記継手本体に設けられ前記解放リングの奥側で前記管体の外周面を係止するロック爪と、を備え、前記解放リングを前記継手本体の奥側に押し込むと、前記解放リングの先端が前記ロック爪を拡径させて前記管体の離脱が可能となる管継手であって、前記解放リングの前記把持部に形成された突起部と、前記継手本体の内周面に凹設され、前記突起部をロックして前記解放リングの軸方向の移動を阻止するロック部と、前記ロック部より大きく凹設され、前記突起部が軸方向に移動可能なロック解除部と、を備え、前記解放リングを周方向に回転させて前記突起部が前記ロック解除部に移動したとき、前記解放リングが前記継手本体の奥側に押し込まれることを特徴としている。
【0014】
請求項1に記載の管継手によれば、継手本体の軸方向に移動が可能な解放リングと、解放リングの奥側にロック爪とが設けられており、管体を挿入すると、管体は解放リングの奥側でロック爪を拡径させ、継手本体の最奥部まで達する。そして、管継手に内圧が作用すると、管体の外周面にロック爪の内周端が食い込むので、管体が継手本体から抜けなくなる。
【0015】
この管継手では、解放リングの周面に突起部が形成されており、継手本体の内周面に凹設されたロック部で突起部がロックされ、解放リングの軸方向の移動が阻止される。また、継手本体の内周面にロック部より大きく凹設されたロック解除部が設けられており、解放リングを周方向に回転させて突起部をロック解除部に移動させることで、突起部は軸方向に移動可能となる。管継手に管体を結合したときは、突起部がロック部で外側から押さえることによってロックされているため、突起部を縮径する力が働き、外力が作用しても解放リングが回転しにくい。このため、突起部がロック解除部に移動することが阻止される。従って、解放リングを継手本体の奥側に押し込むことができず、管体が外力により継手本体から不用意に外れることが防止される。
【0016】
一方、管体を取り外す際には、ユーザーが解放リングを回転させ、突起部をロック部からロック解除部に移動させる。突状部はロック部で外側から押さえられているため、通常の外力では解放リングは回転しないが、ユーザーが所定以上の力をかけることで回転が可能となる。突起部がロック解除部に移動すると、突起部を軸方向に移動させることができ、解放リングを継手本体の奥側に押し込むことが可能となる。解放リングを奥側に押し込むと、解放リングの先端がロック爪を拡径させ、管体を取り外す(離脱する)ことが可能となる。
【0017】
このような管継手では、管体の結合及び離脱の簡便さを維持しつつ、管体が不用意に離脱するのを回避できる。また、解放リングのロックを継手本体のロック部とロック解除部の径方向のクリアランスで調整でき、ロックする荷重のコントロールが容易となる。また、管継手全体の部品点数が少なく、コストを低減することが可能となる。
【0018】
請求項2に記載の発明に係る管継手は、請求項1に記載の管継手において、前記継手本体が樹脂製であり、前記継手本体の内周面の前記ロック解除部と前記ロック部の境界に、前記継手本体の径方向へ突出して前記突起部の周方向の移動を規制する凸部を有することを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、樹脂製の継手本体のロック解除部とロック部の境界に径方向へ突出した凸部が形成されており、突起部の周方向の移動が凸部によって規制され、解放リングが回転しにくい。ロック部に位置する突起部は、凸部を弾性変形により拡径させることによりロック解除部に移動する。これにより、突起部が外力によってロック部からロック解除部に移動することが阻止される。このため、管体が不用意に離脱するのをより確実に回避することが可能となる。
【0020】
請求項3に記載の発明に係る管継手は、請求項1又は請求項2に記載の管継手において、前記ロック部と前記ロック解除部との前記継手本体の軸方向の段差を緩和するスロープを形成したことを特徴としている。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、ロック部とロック解除部との間で突起部に移動するとき、軸方向の段差を緩和するスロープに沿って移動することができ、突起部の移動がスムーズになる。
【0022】
請求項4に記載の発明に係る管継手は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管継手において、前記把持部の周面から突出する指掛け部が形成されていることを特徴としている。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、ユーザーが把持部の周面から突出する指掛け部を把持して解放リングを周方向に回転させることが可能となる。このため、突起部をロック部からロック解除部に移動するための力をかけるときでも解放リングを回転しやすい。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る管継手は、上記のように構成したので、管体の結合及び離脱の容易性を維持しつつ、管継手の使用時に管体が不用意に離脱するのを防止することができる。また、解放リングのロックをロック部とロック解除部の径方向のクリアランスで調整でき、ロックする荷重のコントロールが容易となる。また、管継手全体の部品点数が少なく、コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の管継手における最良の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明の管継手10の第1実施形態を示す半裁断面図であり、継手本体12に管体30を結合する前の状態を示している。図2は、この管継手10のA−A線における断面図である。
【0027】
図1に示すように、継手本体12の内周面には、環状部材14が圧入されて固定されている。管継手10における管体30の挿入口27側には、解放リング16が軸方向に移動可能に内挿されており、環状部材14の突起14Aによって継手本体12から抜けないように構成されている。また、解放リング16の奥側には、ステンレス製のロック爪18が環状部材14に内挿されている。
【0028】
ロック爪18は、断面が横向きのV字形であり、V字形の開口部が奥側を向くように配置されている。このロック爪18はステンレス製であり、その円周端に管体30の外周面を把持する爪部19が形成されている。ロック爪18の爪部19は、図示しないが、内周面が切り割されており、爪部19が弾性変形して拡径が可能となっている。また、環状部材14の内面側には、ロック爪18の拡径時の収納空間が確保されるように、奥部側に向かって内径が大きくなるようにテーパー面14Bが形成されている。
【0029】
ロック爪18は、継手本体12に内挿されたバックリング20によって位置決めされている。バックリング20の奥側の継手本体12には、溝部12Aが形成されており、この溝部12Aにシールリング22としてEPDM製のリング状部材が嵌め込まれている。
【0030】
この継手本体12及び解放リング16の内側は、管体30が挿入される管体挿入孔28となっている。継手本体12は、最奥部の縮径された壁面12Bが管体30のストッパーになっている。
【0031】
図1に示すように、解放リング16は、周面が挿入口27側に露出しており、その周面に半径方向に張り出したフランジ部24が形成されている。図2及び図3に示すように、フランジ部24の奥側の解放リング16の周面には、継手本体12の内周面と対向する位置に複数の突起部24Aが形成されている。本実施形態では、突起部24Aは、解放リング16の周面の対角線上に2つ設けられている。また、図3に示すように、フランジ部24の外周面には、径方向に突出した2つの指掛け部24Bが形成されている。
【0032】
図2及び図3に示すように、継手本体12の挿入口27の内周面は、突起部24Aの外面を覆うような内径寸法で形成されており、継手本体12の内周面には、突起部24Aをロックして解放リング16の軸方向に移動を阻止する凹状のロック部13Aが形成されている。また、ロック部13Aの周方向に隣接する位置には、突起部24Aの周方向の移動を規制する凸部13Bが形成されており、凸部13Bと周方向に隣接する位置には、突起部24Aが軸方向に移動可能な凹状のロック解除部13Cが形成されている。すなわち、ロック部13Aとロック解除部13Cとの境界に凸部13Bが形成されており、凸部13Bの内径よりもロック部13Aの内径が大きく形成されている。さらに、ロック部13Aの内径よりもロック解除部13Cの内径が大きく形成されている。
【0033】
また、凸部13Bの内径は突起部24Aの外径よりも小さく形成されている。ロック部13Aの内径は突起部24Aの外径よりも大きく形成されており、ロック部13Aと突起部24Aとの間にクリアランスが設けられている。そして、突起部24Aがロック解除部13Cから凸部13Bを乗り越えてロック部13Aに移動することで、解放リング16がロックされるようになっている。
【0034】
また、ロック解除部13Cの軸方向長さは、ロック部13Aの軸方向長さよりも長く形成されており、ロック解除部13Cのロック部13A側には両者の軸方向の段差を緩和するためのスロープ33が形成されている。突起部24Aがロック解除部13Cにあるとき、突起部24Aの外面とロック解除部13Cの内周面との間にクリアランスが設けられているため、突起部24Aが軸方向に移動し、解放リング16が継手本体12の奥側に押し込まれるように構成されている。
【0035】
継手本体12は合成樹脂製(例えば、PP(ポリプロピレン)など)であり、ロック解除部13Cと凸部13Bとロック部13Aは、成形時又は成形後に形成される。解放リング16は合成樹脂製(例えば、POM(ポリオキシメチレン)など)であり、2つの突起部24Aは成形時に一体的に形成される。なお、解放リング16は、圧入等の方法で継手本体12に組み込まれている。また、本実施形態の管体30は合成樹脂製であり、例えばエチレン酢酸ビニル共重合樹脂などで形成されている。
【0036】
次に、本発明の管継手10の作用について説明する。
【0037】
図1に示すように、管体30を管継手10に結合する際、ユーザーは解放リング16の指掛け部24Bを把持して解放リング16を周方向に回転させ、突起部24Aを継手本体12のロック部13Aに位置させる。突起部24Aがロック解除部13Cにあるときは、突起部24Aの回転により合成樹脂製の凸部13Bを弾性変形により拡径させ、凸部13Bを乗り越えることによってロック部13Aに移動する。突起部24Aが凸部13Bを乗り越えることでロック感が得られる。また、解放リング16の指掛け部24Bを把持することで、解放リング16の周方向の回転がスムーズに行える。
【0038】
この状態で、管体挿入孔28の挿入口27から管体30を挿入すると、解放リング16が奥側に移動して止まり、更に管体30を挿入すると、管体30がロック爪18を拡径する(図4(A)参照)。そして、管体30の外周面がロック爪18の爪部19を摺接しながら管体30が継手本体12の奥側へ挿入され、管体30の外周面がシールリング22を押圧する。そして、図4(A)に示すように、管体30の先端が継手本体12の壁面12Bに到達することで、管体30が管継手10に結合される。
【0039】
この結合状態において、管体30に内圧が作用すると、管体30が継手本体12から抜ける方向の力を受け、管体30とロック爪18と解放リング16が挿入口27側に若干移動し、ロック爪18の外周傾斜面が環状部材14のテーパー面14Bに当たる。この状態で、ロック爪18の爪部19が管体30の外周面に食い込み、管体30への把持力が大きくなる。
【0040】
図4(B)に示すように、管継手10に管体30を結合した状態では、解放リング16の突起部24Aが継手本体12のロック部13Aにあり、突起部24Aが凸部13Bでロックされることで、解放リング16が周方向に回転しないように規制される。突起部24Aの外径は凸部13Bの内径よりも大きいので、管継手10の結合時に外力によって突起部24Aが凸部13Bを乗り越えることが阻止される。つまり、ユーザーが所定の力を加えて解放リング16を回転させ、突起部24Aが凸部13Bを乗り越えなければロック解除部13Cへ移動しない。従って、突起部24Aがロック解除部13Cに移動して解放リング16が継手本体12の奥側に押し込まれることがなく、管体30が不用意に離脱するのを防止できる。
【0041】
一方、管体30を継手本体12から取り外す際には、図5(A)、(B)に示すように、ユーザーは解放リング16の指掛け部24Bを把持して解放リング16を周方向(矢印A方向)に回転させ、突起部24Aをロック部13Aからロック解除部13Cに移動させる。その際、突起部24Aは凸部13Bを弾性変形により拡径させ、凸部13Bを乗り越えることによってロック解除部13Cに移動する。解放リング16の指掛け部24Bを把持することで、必要な力をかけることができ、解放リング16の周方向の移動がスムーズに行える。
【0042】
突起部24Aがロック解除部13Cに移動することで、解放リング16のロックが外れ、解放リング16を継手本体12の奥側に押し込むことができる。そのとき、突起部24Aはスロープ33に沿って軸方向に移動するため、突起部24Aの移動がスムーズになる。図6に示すように、解放リング16を矢印B方向に押し込むと、解放リング16の先端部16Aがロック爪18を拡径させ、爪部19が管体30から離れる。この状態で、管体30を解放リング16の内周面に沿って矢印C方向に引き抜くことにより、管体30を継手本体12の管体挿入孔28から離脱させることができる。
【0043】
このような管継手10では、ユーザーが所定の力を加えて解放リング16を回転させて継手本体12の凸部13Bを弾性変形により拡径しない限り、突起部24Aがロック部13Aからロック解除部13Cに移動しない。このため、管継手10の結合時に外力により解放リング16が継手本体12の奥側に押し込まれることがなく、管体30が不用意に離脱するのを防止できる。さらに、この管継手10は部品点数が少なく、組み立ても簡単であり、コストを低減することができる。
【0044】
一方、図7に示す管継手200では、解放リング204のロックを凹部202Aと係合凹部202Bの軸方向のクリアランスで決めており、ロックする荷重のコントロールが難しく、外力により解放リング204が係合凹部202Bに移動して奥側に押し込まれるという問題があった。しかし、本実施形態の管継手10は、継手本体12の内周面にロック部13Aと凸部13Bとロック解除部13Cとを設けることで、解放リング16のロックを径方向のクリアランスで調整しコントロールすることができる。このため、外力により解放リング16がロック部13Aから簡単に外れることを防止できる。
【0045】
なお、上記実施形態では、継手本体12にロック部13Aと凸部13Bとロック解除部13Cとが設けられているが、この構成に限定するものではない。継手本体12に内挿されるスリーブにロック部13Aと凸部13Bとロック解除部13Cとを設ける構成でもよい。また、突起部24Aは本実施形態では2つであるが、個数は適宜に設定できる。
【0046】
なお、上記実施形態では、凸部13Bによって突起部24Aがロック部13Aからロック解除部13Cへ回転することが規制され、ロック部13Aと突起部24Aとの間にクリアランスが設けられているが、この構成に限定するものではない。例えば、凸部13Bを設けずに、突起部24Aの外径とロック部13Aの内径が係合するように構成し、突起部24Aをロック部13Aで外側から押さえることによってロックする構成でもよい。この構成では、ロック部13Aにより突起部24Aを縮径する力が働くため、外力が作用しても解放リング16が回転しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の管継手の第1実施形態を示す半裁断面図である。
【図2】図1に示す管継手をA−A線で切断した断面図である。
【図3】図1に示す管継手の継手本体と解放リングの分解斜視図である。
【図4】図1に示す管継手において、管体を継手本体に結合した状態を示す半裁断面図及び側面図である。
【図5】図1に示す管継手において、管体を継手本体から引き抜いく過程を示す半裁断面図及び側面図である。
【図6】図1に示す管継手において、管体を継手本体から引き抜いく過程を示す半裁断面図である。
【図7】比較例である管継手を示す半裁断面図であって、継手本体に管体を結合した状態を示す図である。
【図8】従来の管継手の一例を示す半裁断面図であって、継手本体に管体を結合した状態を示す図である。
【図9】図8に示す従来の管継手の問題点を説明する図である。
【図10】従来の管継手の他の例を示す半裁断面図であって、継手本体に管体を結合した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 管継手
12 継手本体
13A ロック部
13B 凸部
13C ロック解除部
14 環状部材
16 解放リング
16A 先端部
18 ロック爪
19 爪部
20 バックリング
22 シールリング
24 フランジ部(把持部)
24A 突起部
27 挿入口
28 管体挿入孔
30 管体
33 スロープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体が挿入される継手本体の軸方向に移動が可能で前記継手本体の挿入口側に把持部が設けられた解放リングと、前記継手本体に設けられ前記解放リングの奥側で前記管体の外周面を係止するロック爪と、を備え、
前記解放リングを前記継手本体の奥側に押し込むと、前記解放リングの先端が前記ロック爪を拡径させて前記管体の離脱が可能となる管継手であって、
前記解放リングの前記把持部に形成された突起部と、
前記継手本体の内周面に凹設され、前記突起部をロックして前記解放リングの軸方向の移動を阻止するロック部と、前記ロック部より大きく凹設され、前記突起部が軸方向に移動可能なロック解除部と、を備え、
前記解放リングを周方向に回転させて前記突起部が前記ロック解除部に移動したとき、前記解放リングが前記継手本体の奥側に押し込まれることを特徴とする管継手。
【請求項2】
前記継手本体が樹脂製であり、
前記継手本体の内周面の前記ロック解除部と前記ロック部の境界に、前記継手本体の径方向へ突出して前記突起部の周方向の移動を規制する凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記ロック部と前記ロック解除部との前記継手本体の軸方向の段差を緩和するスロープを形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管継手。
【請求項4】
前記把持部の周面から突出する指掛け部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の管継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−113737(P2007−113737A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307410(P2005−307410)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(390034452)ブリヂストンフローテック株式会社 (80)
【Fターム(参考)】