説明

管路の空隙充填方法

【課題】 ドレーン管路の周辺の土砂がドレーン管路内に侵入するのを防止することにより、地盤沈下が生じるのを防止する。
【解決手段】 地盤に削孔されたトンネル2内に複数のフィルタ部材7を挿入することによってドレーン管路1を構築し、この際にトンネル2の内壁面3とフィルタ部材7の外周面との間に形成される空隙4内に粒状体20を充填する。粒状体20は、比重が約1.0の樹脂製のビーズ等からなるものであって、この粒状体20を空隙4内に充填することにより、ドレーン管路1の周辺の土砂がドレーン管路1内に侵入するのを防止でき、地盤沈下を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路の空隙充填方法に関し、特に、河川の堤防の内側と外側とを連通するドレーン管路等の管路を構築する際に適用され、管路内に形成される空隙内に充填材を充填するのに好適な管路の空隙充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、河川の氾濫を防止するために、河川の堤防の内側と外側とを連通するドレーン管路を設け、このドレーン管路を介して河川堤防内の水を河川の外側の排水路等に排出させることにより、河川内を所定の水位に保つことが行われている。
【0003】
このような構成のドレーン管路は、シールド機によって河川の堤防堤内地側に連通するトンネルを掘削し、このトンネル内にフィルタ部材を挿入することにより構築されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような方法によってドレーン管路を構築する場合、シールド機のシールドを引抜く際にトンネルの内面が削られたり、トンネルを掘削する際の過堀り等によってフィルタ部材の外周面とトンネルの内壁面との間にリング状の空隙が形成され、この空隙の存在によって様々な問題が生じる。
【0005】
例えば、時間の経過に伴ってドレーン管路周辺の土砂が空洞内に侵入し、その侵入した土砂の体積分の地盤沈下を引き起こすことがあり、堤防堤外地側に位置している構造物や道路等が陥没する虞がある。また、構造物を支持している杭の水平抵抗が減少し、地震の際の安定性が損なわれることもある。さらに、空隙は、ドレーン管路の長手方向に連続しているため、地下水等の流れの方向によってはドレーン管路周辺の地盤が浸食され、部分的に大きな地盤沈下を引き起こすことがある。さらに、フィルタ部材の外周側に侵入した土砂によってフィルタ部材が目詰まりを起こし、ドレーン管路としての機能を十分に発揮できなくなることもある。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、ドレーン管路等の管路を構築する際に、ドレーン管路等の管路の存在によって地盤沈下を引き起こしたりすることがなく、また、ドレーン管路内のフィルタ部材が目詰まりしたりするようなことがなく、ドレーン管路としての機能を長期的に発揮することができる管路の空隙充填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するために、以下のような手段を作用している。
すなわち、請求項1に係る発明は、地盤に削孔されたトンネル内に複数のフィルタ部材を挿入することによって構築される管路の空隙充填方法であって、前記トンネルの内壁面と前記フィルタ部材の外周面との間に形成される空隙内に、比重が約1.0の素材からなる粒状体を充填することを特徴とする。
【0008】
本発明による管路の空隙充填方法によれば、管路のトンネルの内壁面とフィルタ部材の外周面との間に形成される空隙内に粒状体が充填されることになるので、管路の周囲の土砂が空隙内に侵入するのを防止でき、地盤沈下が生じるのを防止できる。また、空隙内に土砂が侵入するのを防止できるので、土砂によってフィルタ部材が目詰まりを起こすのを防止でき、長期的にフィルタ部材としての機能を維持することができる。さらに、粒状体によってフィルタ部材を保護することができるので、フィルタ部材としての機能を長期的に維持することができる。さらに、粒状体は比重が約1.0の素材から形成されているので、水に浮遊した状態で空隙内に充填することができるので、空隙内への粒状体の充填が容易になる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の管路の空隙充填方法であって、前記粒状体は、比重が約1.0の樹脂製のビーズであることを特徴とする。
【0010】
本発明による管路の空隙充填方法によれば、粒状体の素材としてリサイクル品の樹脂材を使用することができるので、粒状体の価格を安く抑えることができ、工費を削減することができる。さらに、長期的に使用しても粒状体が腐食するようなことはないので、水質が悪化したり、透水性が変化したりするようこともない。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の管路の空隙充填方法であって、前記フィルタ部材の外周面には、径方向外方に突出する複数のスペーサが一体に設けられ、該スペーサを前記トンネルの内壁面に当接させることにより、前記フィルタ部材が前記トンネルの略中心部に位置決めされることを特徴とする。
【0012】
本発明による管路の空隙充填方法によれば、スペーサによってフィルタ部材がトンネルの略中心部に位置決め固定されることになるので、フィルタ部材としての機能を確実に発揮させることができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れかに記載の管路の空隙充填方法であって、前記フィルタ部材の外周側には、径方向外方に環状に張り出る隔壁が設けられ、該隔壁の外周端を前記トンネルの内壁面に当接させることにより、フィルタ部材とトンネルの内壁面との間に形成される空隙がトンネルの長手方向に複数に区画されていることを特徴とする。
【0014】
本発明による管路の空隙充填方法によれば、フィルタ部材の外周面とトンネルの内壁面との間に形成される空隙が隔壁によって複数に区画されることになるので、空隙内に充填される粒状体が隣接する空隙間を移動するようなことはない。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の管路の空隙充填方法であって、前記隔壁の外周端部には、前記フィルタ部材の軸線方向の一方向に屈曲する屈曲部が設けられ、該屈曲部を前記トンネルの内壁面に当接させることにより、前記フィルタ部材のトンネル内での移動が阻止されていることを特徴とする。
【0016】
本発明による管路の空隙充填方法によれば、隔壁の屈曲部をトンネルの内壁面に当接させることにより、フィルタ部材がトンネル内で移動するのが阻止されることになる。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れかに記載の管路の空隙充填方法であって、前記各フィルタ部材の外周面には、各フィルタ部材の全長に亘る凹部が設けられ、該凹部内に前記フィルタ部材と前記トンネルとの間の空隙内に粒状体を充填するための注入管が挿着される特徴とする。
【0018】
本発明による管路の空隙充填方法によれば、注入管を介してフィルタ部材の外周面とトンネルの内壁面との間に粒状体が充填されることになる。この粒状体は、注入液体(主に水)と同じ程度の比重のものとすることにより、注入時に圧送抵抗を小さくできるので、注入液体に漂流させながら区画内に注入できる。また、注入液体は、繰り返し使用することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、本発明の管路の空隙充填方法によれば、管路のトンネルの内壁面とフィルタ部材の外周面との間に形成される空隙内に粒状体が充填されることになるので、管路の周囲の土砂が空隙内に侵入するのを防止でき、地盤沈下が生じるのを防止できる。また、空隙内に土砂が侵入するのを防止できるので、土砂によってフィルタ部材が目詰まりを起こすのを防止でき、長期的にフィルタ部材としての機能を維持することができる。さらに、粒状体によってフィルタ部材を保護することができるので、フィルタ部材としての機能を長期的に維持することができる。さらに、粒状体は比重が約1.0の素材から形成されているので、水に浮遊した状態で空隙内に充填することができるので、空隙内への粒状体の充填が容易になる。
【0020】
さらに、本発明による管路の空隙充填方法によれば、粒状体の素材としてリサイクル品の樹脂材を使用することができるので、粒状体の価格を安く抑えることができ、施工費を安く抑えることができる。さらに、長期的に使用しても粒状体が腐食するようなことはないので、水質が悪化したり、透水性が変化したりするようことはない。
【0021】
さらに、本発明による管路の空隙充填方法によれば、スペーサによってフィルタ部材がトンネルの略中心部に位置決めされることになるので、フィルタ部材としての機能を確実に発揮させることができる。
【0022】
さらに、本発明による管路の空隙充填方法によれば、フィルタ部材の外周面とトンネルの内壁面との間に形成される空隙が隔壁によって複数に区画されることになるので、空隙内に充填される粒状体が隣接する空隙間を移動するようなことはなく、粒状体としての機能が確実に得られることになる。
【0023】
さらに、本発明による管路の空隙充填方法によれば、隔壁の屈曲部をトンネルの内壁面に当接させることにより、フィルタ部材がトンネル内で移動するのが阻止されることになる。
【0024】
さらに、本発明による管路の空隙充填方法によれば、注入管を介してフィルタ部材の外周面とトンネルの内壁面との間に粒状体が充填されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、本発明による管路の空隙充填方法の一実施の形態が示されていて、この管路の空隙充填方法は、河川25の水位を調整するために設けられるドレーン管路1等の管路に適用可能なものであって、ドレーン管路1内に形成される空隙4内に粒状体20を充填するのに有効なものである。
【0026】
ドレーン管路1は、例えば、ミニシールド工法等により河川25の堤防26の堤内地側に連通する所定の勾配のトンネル2を削孔し、このトンネル2内にフィルタ部材を挿入することによって構築される。本実施の形態においては、トンネル2の内径を約300mmとしている。
【0027】
フィルタ部材7は、網目構造の管壁8を有する合成樹脂製の管状部材であって、管壁8の網目構造によってフィルターとしての機能が得られ、地下水及び所定の粒度以下の土、砂等の内部への侵入を許容し、所定の粒度以上の土、砂等の内部への侵入を阻止する。フィルタ部材7は、耐衝撃性に優れた特性を有するため、土圧によって潰れるようなことはなく、長期に渡って所定のフィルタ機能を発揮することができる。
【0028】
本実施の形態においては、フィルタ部材7として、比重が約1.0、長さが4m〜6m、内径が約200mm、外径が約250mmのものを使用している。
【0029】
フィルタ部材7の外周面の複数箇所には、径方向外方に突出するスペーサ9が一体に設けられ、このスペーサ9の先端をトンネル2の内壁面3に当接させることにより、フィルタ部材7がトンネル2の略中心部に位置決めされる。
【0030】
スペーサ9は、合成樹脂製の線材を略V形状に屈曲させて、その両端部をフィルタ部材7の管壁8に熱融着、接着剤による接着等などによって一体に接合したものであって、本実施の形態においては、フィルタ部材7の外周面に周方向に向かって等配に3箇所に設けている。スペーサ9は、3箇所に限らず、4箇所以上に設けてもよい。スペーサ9の形状は特に制限はなく、フィルタ部材7をトンネル2の略中心部に位置決めできる形状であればよい。スペーサ9は金属製としてもよい。
【0031】
フィルタ部材7の管壁8の外周面の一部には、径方向内方に凹む半円断面又は円弧断面の凹部10が全長に亘って設けられ、この凹部10内に後述する注入管11が挿入され、この注入管11を介してフィル部材7の外周面とトンネル2の内壁面3との間に形成される空隙4内に後述する粒状体20が充填される。
【0032】
トンネル2内に複数のフィルタ部材7を挿入する際に、隣接するフィルタ部材7、7間は、図4に示すような継ぎ手12を介して一体に連結される。継ぎ手12は、合成樹脂から形成される筒状の本体部13と、本体部13の外周面の中央部に一体に設けられる環状のフランジ部14とから構成され、このフランジ部14によって本体部13の外周面が一方の半部15と他方の半部16の2つに分割されている。
【0033】
継ぎ手12の本体部13の一方の半部15を隣接する一方のフィルタ部材7の内部に挿入し、他方の半部16を隣接する他方のフィルタ部材7の内部に挿入し、両フィルタ部材7、7の端面が継ぎ手12のフランジ部14の両面に当接するまで本体部13の各半部15、16を各フィルタ部材7、7の内部に挿入することにより、隣接するフィルタ部材7、7が継ぎ手12を介して一体に連結される。
【0034】
継ぎ手12の本体13の一方の半部15及び他方の半部16の外周面は、それぞれ所定の角度のテーパ面に形成され、このテーパ面によって本体部13の一方の半部15及び他方の半部16の各フィルタ部材7の内部への挿入を容易にしている。
【0035】
また、継ぎ手12の本体部13の一方の半部15及び他方の半部16の外周面には、抜け止め用の突起17が複数箇所に一体に設けられ、この抜け止め用の突起17を各フィルタ部材7の内面に係止させることにより、継ぎ手12が隣接するフィルタ部材7、7間から抜け出るのが防止されている。
【0036】
なお、継ぎ手12は、上記のような構成のものに限らず、隣接するフィルタ部材7、7間を連結できる構成のものであればよい。
【0037】
継ぎ手12の本体部13の他方の半部16の外周面上には円板状の樹脂製の隔壁18が装着され、この隔壁18の外周端部をトンネル2の内壁面3に当接させることにより、隣接する隔壁18、18間でトンネル2の内壁面3とフィルタ部材7の外周面との間に形成される空隙4がトンネル2の長手方向に複数に区画される。
【0038】
隔壁18の外周端部には、継ぎ手12の軸方向に所定の角度で屈曲する屈曲部19が設けられ、この屈曲部19の外周端をトンネル2の内壁面3に当接させることにより、フィルタ部材7が挿入方向と反対方向に移動するのが阻止されている。
【0039】
フィルタ部材7の内部には後述するロープ21が挿通され、このロープ21にフィルタ部材7を固着させることにより、ロープ21と一緒にフィルタ部材7がトンネル2内に挿入され、トンネル2内に複数のフィルタ部材7によるフィルタ層6が構築される。
【0040】
フィルタ部材7をトンネル2内に挿入するには、トンネル2の入口から出口に向かって樹脂製又は鋼製のロープ21を挿入し、このロープ21と一緒に複数のフィルタ部材7をトンネル2内に挿入し、トンネル2内の全長に渡って複数のフィルタ部材7を一連に配置する。
【0041】
具体的には、トンネル2の全長よりも長い樹脂製又は鋼製のロープ21を用意し、このロープ21を複数のフィルタ部材7の内側に通し、隣接するフィルタ部材7、7間に介装されている継ぎ手12にロープ21を溶着、バンド等の固着手段により固着させ、複数のフィルタ部材7をロープ21を介して数珠状に連結する。
【0042】
そして、トンネル2を削孔する際に使用したミニシールド機等を用い、シールド機のシールドにロープ21の先端を固定し、シールドをトンネル2内の入口から出口に向かって前進させ、又は出口から入口に向かって後退させ、ロープ21と一緒に複数のフィルタ部材7をトンネル2内に挿入する。
【0043】
この場合、フィルタ部材7は、比重が約1.0の樹脂製であるので、トンネル2内に地下水が浸透している場合には、フィルタ部材7をトンネル2内で浮遊状態とすることができるので、フィルタ部材7の挿入の際の抵抗を非常に小さくすることができ、フィルタ部材7のトンネル2内への挿入作業を容易にすることができる。
【0044】
フィルタ部材7をトンネル2内に挿入する際に、フィルタ部材7の管壁8の外周面の凹部10内に予め注入管11を挿入しておき、フィルタ部材7と一緒に注入管11をトンネル2内に挿入し、フィルタ部材7の挿入が完了した後に、注入管11を介してトンネル2の内壁面3とフィルタ部材7の外周面との間の空隙4内に後述する粒状体20を充填する。
【0045】
このようにして、トンネル2内にロープ21と一緒に複数のフィルタ部材7を挿入することにより、トンネル2内の全長に亘って複数のフィルタ部材7を一連に配置することができ、トンネル2内に複数のフィルタ部材7からなる一連のフィルタ層6を構築することができる。
【0046】
この場合、隣接するフィルタ部材7、7間に介装されているフランジ部18の外周端がトンネル2の内壁面3に当接することにより、フィルタ部材7の外周面とトンネル2の内壁面3との間に形成される空隙4がトンネル2の長手方向に複数に区画され、隣接する隔壁18、18間にそれぞれ環状の室5が形成される。
【0047】
そして、複数のフィルタ部材7をトンネル2内に挿入した後に、複数のフィルタ部材7のフランジ部8の外周面の凹部10内に設けられている注入管11を用い、この注入管11を介して注入装置によりフィルタ部材7の外周面とトンネル2の内壁面3との間の各室5内にそれぞれ粒状体である樹脂製のビーズ20を充填し、各室5内に所定量の樹脂製のビーズ20を充填する。
【0048】
樹脂製のビーズ20としては、例えば、ポリプロピレン原料ビーズ(直径:約2mm、比重:約0.9(嵩比重0.6〜0.7))、ポリスチレン再生ビーズ(直径:3〜5mm、比重0.9〜1.4(嵩比重:0.6〜0.8))等が挙げられる。注入装置としては特に制限はなく、例えば、水中ポンプ、ピストン式注入装置等を使用することができる。
【0049】
このようにして、河川25の堤内地側に連通するドレーン管路1が構築され、このドレーン管路1を介して河川25の水位が所定の水位に保たれる。また、河川25から堤防26に浸透している地下水は、ドレーン管路1のフィルタ層6の各フィルタ部材7の管壁8を通過してフィルタ層6の内側に回収され、ドレーン管路1を介して排水路27に排水される。また、所定の粒度以下の細粒土、砂等はフィルタ層6の各フィルタ部材7を通過し、フィルタ部材7の内部に侵入し、フィルタ部材7の内部を流れる水と一緒に排水路27にポンプ排水される。トンネル2の底部に堆積された堆積物は、フランジ部18によってその部分から下流側へ移動するのが阻止される。
【0050】
上記のように構成した本実施の形態による管路の空隙充填方法にあっては、フィルタ部材7の外周面とトンネル2の内壁面との間の空隙4内に粒状体20を充填しているので、土砂がフィルタ部材7の外周面とトンネル2の内壁面との間の空隙4内に侵入するのを防止できる。従って、土砂の侵入によって地盤沈下が生じるのを防止でき、構造物や道路の陥没等を防止できる。
【0051】
また、空隙4内に土砂が侵入するのを防止できるので、土砂によってフィルタ部材7が目詰まりを起こすようなことはなく、フィルタ部材7としての機能を長期的に維持することができる。さらに、粒状体20によってフィルタ部材7を保護することができるので、フィルタ部材7としての機能を長期的に維持することができる。
【0052】
さらに、粒状体20は、比重が約1.0の樹脂材から形成されているので、水に浮遊した状態で空隙4内に充填することができるので、空隙4内へ粒状体20を容易に充填することができる。さらに、粒状体20の素材としてリサイクル品の樹脂材を使用することができるので、粒状体20の価格を安く抑えることができ、施工費を安く抑えることができる。さらに、樹脂製の粒状体20は、長期的に使用しても腐食するようなことはないので、水質が悪化したり、透水性が変化したりするようことはない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による管路の空隙充填方法の一実施の形態を示した説明図であって、ドレーン管路の全体を示した説明図である。
【図2】ドレーン管路の部分拡大縦断面図である。
【図3】ドレーン管路の部分拡大横断面図である。
【図4】継ぎ手の斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ドレーン管路
2 トンネル
3 内壁面
4 空隙
5 室
6 フィルタ層
7 フィルタ部材
8 管壁
9 スペーサ
10 凹部
11 注入管
12 継ぎ手
13 本体部
14 フランジ部
15 一方の半部
16 他方の半部
17 突起
18 隔壁
19 屈曲部
20 粒状体
21 ロープ
25 河川
26 堤防
27 排水路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に削孔されたトンネル内に複数のフィルタ部材を挿入することによって構築される管路の空隙充填方法であって、
前記トンネルの内壁面と前記フィルタ部材の外周面との間に形成される空隙内に、比重が約1.0の素材からなる粒状体を充填することを特徴とする管路の空隙充填方法。
【請求項2】
前記粒状体は、比重が約1.0の樹脂製のビーズであることを特徴とする請求項1に記載の管路の空隙充填方法。
【請求項3】
前記フィルタ部材の外周面には、径方向外方に突出する複数のスペーサが一体に設けられ、該スペーサを前記トンネルの内壁面に当接させることにより、前記フィルタ部材が前記トンネルの略中心部に位置決めされることを特徴とする請求項1又は2に記載の管路の空隙充填方法。
【請求項4】
前記フィルタ部材の外周側には、径方向外方に環状に張り出る隔壁が設けられ、該隔壁の外周端を前記トンネルの内壁面に当接させることにより、フィルタ部材とトンネルの内壁面との間に形成される空隙がトンネルの長手方向に複数に区画されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の管路の空隙充填方法。
【請求項5】
前記隔壁の外周端部には、前記フィルタ部材の軸線方向の一方向に屈曲する屈曲部が設けられ、該屈曲部を前記トンネルの内壁面に当接させることにより、前記フィルタ部材のトンネル内での移動が阻止されていることを特徴とする請求項4に記載の管路の空隙充填方法。
【請求項6】
前記各フィルタ部材の外周面には、各フィルタ部材の全長に亘る凹部が設けられ、該凹部内に前記フィルタ部材と前記トンネルとの間の空隙内に粒状体を充填するための注入管が挿着されることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の管路の空隙充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−190288(P2008−190288A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−28259(P2007−28259)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(000204099)太洋興業株式会社 (30)
【Fターム(参考)】