説明

箱組立時の内外フラップ干渉防止方法

【課題】従来の内フラップを外側に折癖を付けるのを2箇所から1箇所にしても内外フラップが干渉せず折り曲げができ、箱素材から組立までの狭い空間での設置が可能で、且つ、折り曲げにシリンダー等を使用しない安価な折り曲げ方法を得るにある。
【解決手段】積み重ねられた箱素材と、この箱素材の一枚を吸着板等で引き出す時、前記箱素材下部の一対の内外フラップ部を内フラップから押し外フラップが外側に向け曲げ角度を付ける抵抗部材と、前記箱素材を開函したとき内フラップが内側に収まる状態になるよう箱組立時の内外フラップ干渉防止方法を構成している。これにより、内外フラップの干渉と破損がなくなった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は箱組立時フラップ折り曲げにおける内外フラップの干渉を防止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、箱組立時、フラップ折り曲げにおける内外フラップの干渉を防止するため、箱素材の状態から吸着板で引き出し箱組立に入る工程の間で内フラップ2箇所をシリンダー等で外側に押し出し折り曲げ癖を付けた後内フラップを内側に折収めていた。
【0003】
しかしながら、従来の箱素材の状態から箱組立までの工程間には空間がなく、内フラップ2箇所をシリンダー等で外側に折り曲げるには難点があった。更に、内フラップを折り曲げるのにシリンダー等を使用するのは高価格となり採用の拡大にも難点があった。
【特許文献】特開2005−289019
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、従来の内フラップを外側に折癖を付けるのを2箇所から1箇所にしても内外フラップが干渉せず折り曲げができ、箱素材から組立までの狭い空間での設置が可能で、且つ、折り曲げにシリンダー等を使用しない安価な折り曲げ方法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明と図面を照らし合わせて読むとより完全に明らかになることであろう。
ただし、図面はもっぱら解読のものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は積み重ねられた箱素材と、この箱素材の一枚を吸着板等で引き出す時、前記箱素材下部の一対の内外フラップ部を内フラップから押し外フラップが外側に向け曲げ角度を付ける抵抗部材と、前記箱素材を開函したとき内フラップが内側に収まる状態になるよう構成されている。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明で明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)本発明は積み重ねられた箱素材と、この箱素材の一枚を吸着板等で引き出す時、前記箱素材下部の一対の内外フラップ部を内フラップから押し外フラップが外側に向け曲げ角度を付ける抵抗部材と、前記箱素材を開函したとき内フラップが内側に収まる状態になるよう構成されている。
したがって、箱素材組立時、外フラップは外側に角度が付いているため、内フラップは内側に折り曲げ収まっており、その結果、外フラップも若干外側に開くため、対になるもう一方の内フラップも外フラップに干渉せず折り曲げられる状態になっているため、箱組立時には内外フラップが干渉、破損することは避けられる。
【0008】
(2)本発明だと箱素材の取り出し口から開函までの狭い箇所でも1本の抵抗部材となるバー等の設置で内外フラップを内フラップから押して外フラップを外側に角度を付けることで、箱組立時に内外フラップが干渉、破損することが避けられる。
また、従来のようにエアーシリンダー等で2箇所から内フラップを押して外フラップを外側に角度を付けることもなく、一本の抵抗部材であるバー等を設置するだけですむため部品コストが安くすむ。
【0009】
請求項2では、抵抗部材となるブラシ等を箱素材の飛び出し防止用のブラシの横に設けたことで、箱素材の搬送方向にスペースを取らず従来のスペー内で設置が可能である。この他は、請求項1の効果と同じである。
【0010】
請求項3では、抵抗部材はネジ等で上下左右に調整できるので、多種類の箱素材に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に示す実施するための第1の最良の形態により本発明を詳細に説明する。
図1ないし図5は本発明の第1の実施するための最良の形態において、1は箱素材、2は開函した箱素材、3、3′は内フラップ、4、4′は外フラップで5は抵抗部材である。
図1に示す通り、重ね合わせた箱素材1を取り出し、内外フラップ3、4を折り曲げ方向12に力を加えることで外側に折癖をつける。後、図示はしていないが箱素材1の箱巾面13を開函ガイドに当てることで箱素材1を開くと開函した箱素材2となり、内フラップ3は内側に折癖がつき、内側に収まっている状態を示している。
【0012】
図2、図3は内外フラップ3,4が折り曲げられ折癖がつけられる工程を示す。
本発明では、重ね合わされた箱素材1を吸着板9等で引き出し搬送する際、本装置の直後に抵抗部材5を設置し、抵抗部材5で内外フラップ3、4を内側から外側に押し曲げ折癖が付けられる状態を示したものである。
【0013】
図4は抵抗部材5を用いて内フラップ3を押し内外フラップ3,4に折癖を付けた状態を示した図である。
図5は折癖の付いた箱素材1″を吸着板9で引き、図示はしていないが開函ガイドを用いて箱素材1の箱巾面13にあて箱素材1を開函する。この時点で、外フラップ4は外側に曲げ角度が付いているため内フラップ3は内側に折れ収まり、対となるもう一方の内フラップ3′も外フラップ4′に干渉せず折り曲げられる。
この後、外フラップ折り曲げ具11,11′を作動させ外フラップ4,4′を外側から内側に折り収め箱組立は完了する。
【0014】
また、図4の状態から、図5の状態になる吸着板押さえ動作ストロークSは実際狭くシリンダー等は設置に難点があるが、本発明の抵抗部材5なるバー等ならスペースを取らないため設置が可能である。
【0015】
本発明を実施するための第2の最良の実施の形態を図6、図7、図8に示す。
なお、これらの本発明の実施するための第2の形態の説明にあたって、前記の本発明の第1の最良の形態と同一構成部品には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0016】
本発明の特徴は図6、図7に示す通り箱素材1を一枚毎に吸着板9で取り出す際、従来よく使われているブラシの一部を抵抗部材5′として用いるためにブラシを高めにして剛性を上げている。図8に示すとおり、吸着板9で吸引し引き出された箱素材1は抵抗部材5′の抵抗で内外フラップ3、4、を内フラップ3から外側に押し角度を付けるようにしている。
【0017】
本発明だと抵抗部材5′は従来ブラシと同一場所で、内フラップ3に当たる位置に取り付けられているため、箱素材1から開函までの吸着板押さえ動作スペースSなる狭いスペースでも内外フラップ3、4を内側から押し外側に角度を付けることが可能である。
【0018】
抵抗部材5、5′は図2、図3及び図6、図7に示す通り上下調整ネジ6および左右調整ネジ7を調整移動させることで多種類の箱素材1に適用が可能である。
【0019】
また、図2に示す抵抗部材5の上端部8は内外フラップ3,4がスムーズに折り曲げられるようベアリング等の回転体を適用するのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は箱素材の製造、開函組立てする産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施の形態の箱素材を開函した状態を示した立体図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の動作順序を示した側面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の正面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の折り曲げ状況を示した側面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の開函と内外フラップ折り曲げ状況を示した図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の側面図。
【図7】本発明の第2の実施の形態の正面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態の動作順序を示した側面図。
【符号の説明】
【0022】
1、 1、1′、1′′箱素材、
2、 開函した箱素材、
3、 3′内フラップ、
4、 4′外フラップ、
5、 5′抵抗部材、
6、 上下調整ネジ、
7、 左右調整ネジ、
8、 抵抗部材上端部、
9、 吸着板、
10、 上押さえプレート、
11、 11′外フラップ折り曲げ具、
12、 折り曲げ方向
13、 箱巾面
14、 箱長さ面
S、 吸着板押さえ動作ストローク、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねられた箱素材と、この箱素材の一枚を吸着板等で引き出す時、前記箱素材下部の一対の内外フラップ部を内フラップから押し外フラップが外側に向け曲げ角度を付ける抵抗部材と、前記箱素材を開函したとき内フラップが内側に収まる状態になることを特徴とする箱組立時の内外フラップ干渉防止方法。
【請求項2】
積み重ねられた箱素材と、この箱素材の一枚を吸着板等で引き出す時、前記箱素材下部の一対の内外フラップ部を内フラップから押し外フラップが外側に向け曲げ角度を付ける抵抗部材と、前記抵抗部材はブラシ等を用い箱素材の飛び出し防止用のブラシの横に設け、箱素材の搬送方向にスペースを取らず設置し、前記箱素材を開函したとき内フラップが内側に収まる状態になることを特徴とする箱組立時の内外フラップ干渉防止方法。
【請求項3】
抵抗部材は上下左右に移動し多種類の箱組立に適用可能にした請求項1、2記載の箱組立時の内外フラップ干渉防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−301966(P2007−301966A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160263(P2006−160263)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(501421960)
【Fターム(参考)】