簡易型カプセル充填機
【課題】この発明の第１の目的は、ボディをキャップから確実かつ迅速に分離することであり、またこの発明の第２の目的は、ボディに傷を付けることなくボディを分離回収することができ、不良品の発生を大幅に低減することができる簡易型カプセル充填機を提案することにある。
【解決手段】一体となって搬送されてきたボディとキャップからなるカプセルを収納する複数の貫通孔を備え、該貫通孔にキャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板と、該キャップ用基板の下部に配設され、ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板とを備え、
キャップ用基板に保持されたキャップとボディとの間に圧縮空気を送り込む送気手段により、キャップ用基板に保持されたキャップからボディを分離させるようにしたことを特徴とする簡易型カプセル充填機。
【解決手段】一体となって搬送されてきたボディとキャップからなるカプセルを収納する複数の貫通孔を備え、該貫通孔にキャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板と、該キャップ用基板の下部に配設され、ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板とを備え、
キャップ用基板に保持されたキャップとボディとの間に圧縮空気を送り込む送気手段により、キャップ用基板に保持されたキャップからボディを分離させるようにしたことを特徴とする簡易型カプセル充填機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明はボディとキャップからなる各種カプセルに粉体や液状、あるいはシロップ状の内容物を充填する際に、一体となって搬送されてきたボディとキャップとを分離するために使用する簡易型カプセル充填機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、ボディとキャップからなる各種カプセルに粉体や液状、あるいはシロップ状の内容物を充填する際に、一体となって搬送されてきたボディとキャップとを分離するための機構は以下のようになっていた。すなわち、段差を設けた分離用の基板に一体となって搬送されてきたボディとキャップとを投入してキャップを段差部分で浮き支持し、基板の下から露出したボディをクリップ状の挟着手段で挟んで引き下ろすことにより、ボディをキャップから分離するものである。
【０００３】
しかしながら、前記ボディをクリップ状の挟着手段で挟んで引き下ろす従来の機構においては、ボディをクリップ状の挟着手段で挟むものであるために、ボディをキャップから確実に分離することが難しく、またボディに傷を付けて不良品を出しやすいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特にありません
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
したがって、この発明の第１の目的は、ボディをキャップから確実かつ迅速に分離することであり、またこの発明の第２の目的は、ボディに傷を付けることなくボディを分離回収することができ、不良品の発生を大幅に低減することができる簡易型カプセル充填機を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
以上の目的を達成するため、この発明の簡易型カプセル充填機は、一体となって搬送されてきたボディとキャップからなるカプセルを収納する複数の貫通孔を備え、該貫通孔にキャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板と、該キャップ用基板の下部に配設され、ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板とを備え、
キャップ用基板に保持されたキャップとボディとの間に圧縮空気を送り込む送気手段により、キャップ用基板に保持されたキャップからボディを分離させるようにしたことを特徴とするものである。
【０００７】
この発明の簡易型カプセル充填機は、前記キャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板が、上面に装着した気密性のカバーを備えることにより、キャップとボディとの間に確実に圧縮空気を送り込めるようにしたことをも特徴とするものである。
【０００８】
この発明の簡易型カプセル充填機は、前記ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板が、ボディを収納する複数の貫通孔を備えた上部パーツと、ボディを収納する複数の貫通孔を備えた下部パーツとを組み合わせてなり、該下部パーツの前記複数の貫通孔の列の間に上部を開放した通気溝を形成し、前記上部パーツの下部には複数の貫通孔と前記通気溝とを連通させる連通溝を形成して、前記通気溝に接続した送気部から圧縮空気をキャップとボディとの間に送り込むようにしたことをも特徴とするものである。
【０００９】
この発明の簡易型カプセル充填機は、前記ボディを収納する複数の貫通孔を備えた下部パーツが、下向きのブラケットを備え、このブラケットに支持された結合部材を上昇させて、ボディをキャップに押し込むようにしたことをも特徴とするものである。
【００１０】
この発明の簡易型カプセル充填機は、前記ブラケットに支持された結合部材が、前記ブラケットに所定の位置まで下降可能に保持され、内容物の充填時に所定の容量を確実に充填できるようにしたことをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１１】
この発明によれば、センサや電子的な手段を用いることなく、カプセルのボディをキャップから確実かつ迅速に分離することができ、非常に安価でメンテナンスの容易な簡易型カプセル充填機を提供することができるようになった。
【００１２】
またこの発明によれば、ボディに傷を付けることなくボディを分離回収することができ、不良品の発生を大幅に低減することができる簡易型カプセル充填機を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】（ａ）はこの発明の簡易型カプセル充填機の一実施例における、キャップ用基板の上面に装着する気密性のカバーの平面図、（ｂ）はその側面図である。
【図２】（ａ）はキャップ用基板の平面図、（ｂ）はその側面図である。
【図３】（ａ）はボディ用基板の上部パーツの平面図、（ｂ）はその側面図である。
【図４】（ａ）はボディ用基板の下部パーツの平面図、（ｂ）はその側面図である。
【図５】キャップ用基板とボディ用基板とを組み付けた状態の平面図である。
【図６】（ａ）はキャップ用基板とボディ用基板との組付状態において、カプセルを分離した時の側面図、（ｂ）はその正面図、（ｃ）はカプセルを結合した時の側面図、（ｄ）はその正面図である。
【図７】カプセルをこの発明の簡易型カプセル充填機に整列させて充填する際に使用する整列手段の平面図である。
【図８】その側面図および整列手段を構成する一対の基板の平面図である。
【図９】（ａ）はブラケットの側面図、（ｂ）は高さ調節板（標準）の側面図、（ｃ）は高さ調節板（−３ｍｍ）の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下この発明の簡易型カプセル充填機の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図１ないし図６を用いてこの発明による簡易型カプセル充填機の１実施例について詳細に説明する。
図１（ａ）および（ｂ）はこの発明の簡易型カプセル充填機の一実施例における、キャップ用基板の上面に装着する気密性のカバー１１を示し、また図２（ａ）および（ｂ）はキャップ用基板２１を示すものである。
【００１５】
図２（ａ）および（ｂ）に示すキャップ用基板２１は、一体となって搬送されてきたボディ３２とキャップ３３からなるカプセル３１を収納する複数の貫通孔２２を備え、該貫通孔２２に前記キャップ３３を上にしてカプセル３１を収納保持するようになっている。
【００１６】
そして、前記キャップ用基板２１の貫通孔２２は、ボディ３２は通過するがキャップ３３は通さない径に形成され、また上部には上に拡がるテーパ２３を備えている。したがって、前記カプセル３１がボディ３２側から貫通孔２２に収納されると、キャップ３３がテーパ２３の下部に係合して吊下げるように保持される。
２４は貫通孔２２の列の両側に配置したセンターピン２５の取付孔、２６はその外側に設けた取っ手である。またキャップ用基板２１の下面側の貫通孔２２の列の周囲を取り巻くように、ゴム製パッキング２７が配置されている。
【００１７】
図１（ａ）および（ｂ）に示す気密性のカバー１１は、前記キャップ３３を上にしてカプセル３１を収納保持したキャップ用基板２１の上面に装着されており、前記キャップ３３とボディ３２との間に圧縮空気を送り込んだ際に、該圧縮空気が漏れないようになっている。
１２は、気密性のカバー１１のキャップ用基板２１に設けた貫通孔２２に対応する部分の両側に配置したセンターピン２５の取付孔であり、１３は前記貫通孔２２に対応する部分の周囲を取り巻くように配置したゴム製パッキングである。
【００１８】
図３および図４は前記キャップ用基板２１の下部に配設され、ボディ３２を収納する複数の貫通孔４２を備えたボディ用基板４１を示し、図３（ａ）および（ｂ）は、ボディ用基板の上部パーツを、また図４（ａ）および（ｂ）はボディ用基板の下部パーツを示すものである。
すなわち、この実施例における簡易型カプセル充填機は、前記ボディ３２を収納する複数の貫通孔４２を備えたボディ用基板４１が、ボディ３２を収納する複数の貫通孔４４を備えた上部パーツ４３と、ボディ３２を収納する複数の貫通孔４６を備えた下部パーツ４５とを組み合わせてなるものである。
【００１９】
そして、前記下部パーツ４５の前記複数の貫通孔４６の列の間には上部を開放した通気溝４７を形成し、また前記上部パーツ４３の下部には前記複数の貫通孔４４と前記通気溝４７とを連通させる連通溝４８を形成してある。
こうすることにより、前記通気溝４７に接続した送気部４９から圧縮空気を前記カプセル３１のキャップ３３とボディ３２との間に送り込み、キャップ用基板２１に保持されたキャップ３３からボディ３２を分離させることができるようにしたものである。このような圧縮空気を供給する送気手段としてはコンプレッサ等が好適に使用できる。
５０−１，５０−２は、前記上部パーツ４３および下部パーツ４５の両側に配置したセンターピン２５の取付孔である。
【００２０】
図５および図６は、それぞれキャップ用基板２１とボディ用基板４１とを組み付けた状態を示すものであり、センターピン２５によってキャップ用基板２１とボディ用基板４１とが確実にセットされる。
この実施例の簡易型カプセル充填機は、前記ボディ３２を収納する複数の貫通孔４６を備えた下部パーツ４５が下向きのブラケット５１を備えている。
図６（ａ）および（ｂ）は、前記カプセル３１のキャップ３３からボディ３２を圧縮空気で取り外す際の結合部材５２の位置を示し、前記ボディ３２はキャップ３３から所定の間隔をあけた位置で保持される。
図６（ｃ）および（ｄ）は、前記カプセル３１のキャップ３３へボディ３２を結合する際の結合部材５２の位置を示し、このブラケット５１に支持された結合部材５２を結合架台５３を用いて複数の貫通孔４６に向けて上昇させることにより、ボディ３２をキャップ３３に押し込むことができるようになっている。
【００２１】
またこの実施例の簡易型カプセル充填機は、前記ブラケット５１に支持された結合部材５２が、前記ブラケット５１に所定の位置まで下降可能に保持され、ボディ３２へ内容物を充填する時に適宜位置まで下降させることにより、ボディ３２へ所定の容量の内容物を確実に充填できるようにしてある。
【００２２】
図７および図８は、カプセル３１をこの実施例の簡易型カプセル充填機に整列させて充填する際に使用する整列手段を示すものである。
前記整列手段は図８に示すように、一対の基板６１，７１を上下に組み付けて構成されている。上部基板６１にはカプセル３１を横向きに収納する整列用の複数の長孔６２が形成され、下部基板７１にも対応する複数の長孔７２が形成されている。そしてこの長孔７２はカプセル３１のキャップ３３の径よりも幅が狭く、そしてその中間部分にカプセル３１のキャップ３３の径とほぼ同じとした挿通部７３が形成されている。
【００２３】
前記一対の基板６１，７１上には、整列用の複数の長孔６２を取り囲むように側板６３が取り付けられており、この側板６３内に投入された多数のカプセル３１は前記長孔７２に落とし込まれ、この長孔７２にカプセル３１のキャップ３３部分が引っ掛かってボディ３２が下向きになるよう整列された上、挿通部７３から前記キャップ用基板２１の貫通孔２２に投入される。
６４、７４はそれぞれ一対の基板６１，７１の両端部分に形成したネジ孔で、このネジ孔６４、７４にネジ６５をねじ込むことにより、この一対の基板６１，７１は確実に固定される。
【００２４】
図９（ａ）はブラケット５１を示し、また（ｂ）は高さ調節板（標準）を、（ｃ）は高さ調節板（約−３ｍｍ）を示すものである。
前記ブラケット５１の下部には高さ調節板（標準）５４−１または高さ調節板（約−３ｍｍ）５４−２が取り付けられる。また前記ブラケット５１の長さ方向には所定の間隔でスリット５５が形成され、該スリット５５にはそれぞれ前記結合部材５２がはめ込まれている。
したがって、図６に示す結合架台５３をブラケット５１に沿う位置に立ち上げたり、あるいは倒した位置にすることにより、カプセル３１のボディ３２をキャップ３３から分離したり、ボディ３２をキャップ３３に結合することができるのである。その際、高さ調節板（標準）５４−１または高さ調節板（約−３ｍｍ）５４−２をブラケット５１に適宜交換して取り付ける。ちなみに、高さ調節板（約−３ｍｍ）５４−２を使用すれば、結合部材５２は前記ブラケット５１に所定の位置まで下降可能に保持され、ボディ３２へ内容物を充填する時に適宜位置まで下降させることができ、ボディ３２へ所定の容量の内容物を確実に充填することができる。
もちろん、高さ調節板（約−３ｍｍ）５４−２の寸法は、カプセル３１の種類に応じて適宜変更することができる。
【００２５】
以上のようにこの発明によれば、センサや電子的な手段を用いることなく、カプセル３１のボディ３２をキャップ３３から確実かつ迅速に分離することができ、非常に安価でメンテナンスの容易な簡易型カプセル充填機を提供することができるようになった。
またこの発明によれば、ボディ３２に傷を付けることなくボディ３２をキャップ３３から分離回収することができ、不良品の発生を大幅に低減することができる簡易型カプセル充填機を提供することが可能となった。
【産業上の利用可能性】
【００２６】
以上説明したように、この発明の簡易型カプセル充填機は、ボディとキャップからなるカプセルであれば、粉体や液状、あるいはシロップ状の内容物の充填に好適に使用することができる。
【００２７】
もちろん、この発明の趣旨を変えない限り、この発明を適宜の用途に応用することは自由である。
【符号の説明】
【００２８】
１１ 気密性のカバー
１２ 取付孔
１３ ゴム製パッキング
２１ キャップ用基板
２２ 貫通孔
２３ テーパ
２４ 取付孔
２５ センターピン
２６ 取っ手
２７ ゴム製パッキング
３１ カプセル
３２ ボディ
３３ キャップ
４１ ボディ用基板
４２ 貫通孔
４３ 上部パーツ
４４ 貫通孔
４５ 上部パーツ
４６ 貫通孔
４７ 通気溝
４８ 連通溝
４９ 送気部
５０−１，５０−２ 取付孔
５１ ブラケット
５２ 結合部材
５３ 結合架台
５４−１ 高さ調節板（標準）
５４−２ 高さ調節板（約−３ｍｍ）
５５ スリット
６１ 基板
６２ 長孔
６３ 側板
６４ ネジ孔
６５ ネジ
７１ 基板
７２ 長孔
７３ 挿通部
７４ ネジ孔
【技術分野】
【０００１】
この発明はボディとキャップからなる各種カプセルに粉体や液状、あるいはシロップ状の内容物を充填する際に、一体となって搬送されてきたボディとキャップとを分離するために使用する簡易型カプセル充填機に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、ボディとキャップからなる各種カプセルに粉体や液状、あるいはシロップ状の内容物を充填する際に、一体となって搬送されてきたボディとキャップとを分離するための機構は以下のようになっていた。すなわち、段差を設けた分離用の基板に一体となって搬送されてきたボディとキャップとを投入してキャップを段差部分で浮き支持し、基板の下から露出したボディをクリップ状の挟着手段で挟んで引き下ろすことにより、ボディをキャップから分離するものである。
【０００３】
しかしながら、前記ボディをクリップ状の挟着手段で挟んで引き下ろす従来の機構においては、ボディをクリップ状の挟着手段で挟むものであるために、ボディをキャップから確実に分離することが難しく、またボディに傷を付けて不良品を出しやすいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特にありません
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
したがって、この発明の第１の目的は、ボディをキャップから確実かつ迅速に分離することであり、またこの発明の第２の目的は、ボディに傷を付けることなくボディを分離回収することができ、不良品の発生を大幅に低減することができる簡易型カプセル充填機を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
以上の目的を達成するため、この発明の簡易型カプセル充填機は、一体となって搬送されてきたボディとキャップからなるカプセルを収納する複数の貫通孔を備え、該貫通孔にキャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板と、該キャップ用基板の下部に配設され、ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板とを備え、
キャップ用基板に保持されたキャップとボディとの間に圧縮空気を送り込む送気手段により、キャップ用基板に保持されたキャップからボディを分離させるようにしたことを特徴とするものである。
【０００７】
この発明の簡易型カプセル充填機は、前記キャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板が、上面に装着した気密性のカバーを備えることにより、キャップとボディとの間に確実に圧縮空気を送り込めるようにしたことをも特徴とするものである。
【０００８】
この発明の簡易型カプセル充填機は、前記ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板が、ボディを収納する複数の貫通孔を備えた上部パーツと、ボディを収納する複数の貫通孔を備えた下部パーツとを組み合わせてなり、該下部パーツの前記複数の貫通孔の列の間に上部を開放した通気溝を形成し、前記上部パーツの下部には複数の貫通孔と前記通気溝とを連通させる連通溝を形成して、前記通気溝に接続した送気部から圧縮空気をキャップとボディとの間に送り込むようにしたことをも特徴とするものである。
【０００９】
この発明の簡易型カプセル充填機は、前記ボディを収納する複数の貫通孔を備えた下部パーツが、下向きのブラケットを備え、このブラケットに支持された結合部材を上昇させて、ボディをキャップに押し込むようにしたことをも特徴とするものである。
【００１０】
この発明の簡易型カプセル充填機は、前記ブラケットに支持された結合部材が、前記ブラケットに所定の位置まで下降可能に保持され、内容物の充填時に所定の容量を確実に充填できるようにしたことをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１１】
この発明によれば、センサや電子的な手段を用いることなく、カプセルのボディをキャップから確実かつ迅速に分離することができ、非常に安価でメンテナンスの容易な簡易型カプセル充填機を提供することができるようになった。
【００１２】
またこの発明によれば、ボディに傷を付けることなくボディを分離回収することができ、不良品の発生を大幅に低減することができる簡易型カプセル充填機を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】（ａ）はこの発明の簡易型カプセル充填機の一実施例における、キャップ用基板の上面に装着する気密性のカバーの平面図、（ｂ）はその側面図である。
【図２】（ａ）はキャップ用基板の平面図、（ｂ）はその側面図である。
【図３】（ａ）はボディ用基板の上部パーツの平面図、（ｂ）はその側面図である。
【図４】（ａ）はボディ用基板の下部パーツの平面図、（ｂ）はその側面図である。
【図５】キャップ用基板とボディ用基板とを組み付けた状態の平面図である。
【図６】（ａ）はキャップ用基板とボディ用基板との組付状態において、カプセルを分離した時の側面図、（ｂ）はその正面図、（ｃ）はカプセルを結合した時の側面図、（ｄ）はその正面図である。
【図７】カプセルをこの発明の簡易型カプセル充填機に整列させて充填する際に使用する整列手段の平面図である。
【図８】その側面図および整列手段を構成する一対の基板の平面図である。
【図９】（ａ）はブラケットの側面図、（ｂ）は高さ調節板（標準）の側面図、（ｃ）は高さ調節板（−３ｍｍ）の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下この発明の簡易型カプセル充填機の実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図１ないし図６を用いてこの発明による簡易型カプセル充填機の１実施例について詳細に説明する。
図１（ａ）および（ｂ）はこの発明の簡易型カプセル充填機の一実施例における、キャップ用基板の上面に装着する気密性のカバー１１を示し、また図２（ａ）および（ｂ）はキャップ用基板２１を示すものである。
【００１５】
図２（ａ）および（ｂ）に示すキャップ用基板２１は、一体となって搬送されてきたボディ３２とキャップ３３からなるカプセル３１を収納する複数の貫通孔２２を備え、該貫通孔２２に前記キャップ３３を上にしてカプセル３１を収納保持するようになっている。
【００１６】
そして、前記キャップ用基板２１の貫通孔２２は、ボディ３２は通過するがキャップ３３は通さない径に形成され、また上部には上に拡がるテーパ２３を備えている。したがって、前記カプセル３１がボディ３２側から貫通孔２２に収納されると、キャップ３３がテーパ２３の下部に係合して吊下げるように保持される。
２４は貫通孔２２の列の両側に配置したセンターピン２５の取付孔、２６はその外側に設けた取っ手である。またキャップ用基板２１の下面側の貫通孔２２の列の周囲を取り巻くように、ゴム製パッキング２７が配置されている。
【００１７】
図１（ａ）および（ｂ）に示す気密性のカバー１１は、前記キャップ３３を上にしてカプセル３１を収納保持したキャップ用基板２１の上面に装着されており、前記キャップ３３とボディ３２との間に圧縮空気を送り込んだ際に、該圧縮空気が漏れないようになっている。
１２は、気密性のカバー１１のキャップ用基板２１に設けた貫通孔２２に対応する部分の両側に配置したセンターピン２５の取付孔であり、１３は前記貫通孔２２に対応する部分の周囲を取り巻くように配置したゴム製パッキングである。
【００１８】
図３および図４は前記キャップ用基板２１の下部に配設され、ボディ３２を収納する複数の貫通孔４２を備えたボディ用基板４１を示し、図３（ａ）および（ｂ）は、ボディ用基板の上部パーツを、また図４（ａ）および（ｂ）はボディ用基板の下部パーツを示すものである。
すなわち、この実施例における簡易型カプセル充填機は、前記ボディ３２を収納する複数の貫通孔４２を備えたボディ用基板４１が、ボディ３２を収納する複数の貫通孔４４を備えた上部パーツ４３と、ボディ３２を収納する複数の貫通孔４６を備えた下部パーツ４５とを組み合わせてなるものである。
【００１９】
そして、前記下部パーツ４５の前記複数の貫通孔４６の列の間には上部を開放した通気溝４７を形成し、また前記上部パーツ４３の下部には前記複数の貫通孔４４と前記通気溝４７とを連通させる連通溝４８を形成してある。
こうすることにより、前記通気溝４７に接続した送気部４９から圧縮空気を前記カプセル３１のキャップ３３とボディ３２との間に送り込み、キャップ用基板２１に保持されたキャップ３３からボディ３２を分離させることができるようにしたものである。このような圧縮空気を供給する送気手段としてはコンプレッサ等が好適に使用できる。
５０−１，５０−２は、前記上部パーツ４３および下部パーツ４５の両側に配置したセンターピン２５の取付孔である。
【００２０】
図５および図６は、それぞれキャップ用基板２１とボディ用基板４１とを組み付けた状態を示すものであり、センターピン２５によってキャップ用基板２１とボディ用基板４１とが確実にセットされる。
この実施例の簡易型カプセル充填機は、前記ボディ３２を収納する複数の貫通孔４６を備えた下部パーツ４５が下向きのブラケット５１を備えている。
図６（ａ）および（ｂ）は、前記カプセル３１のキャップ３３からボディ３２を圧縮空気で取り外す際の結合部材５２の位置を示し、前記ボディ３２はキャップ３３から所定の間隔をあけた位置で保持される。
図６（ｃ）および（ｄ）は、前記カプセル３１のキャップ３３へボディ３２を結合する際の結合部材５２の位置を示し、このブラケット５１に支持された結合部材５２を結合架台５３を用いて複数の貫通孔４６に向けて上昇させることにより、ボディ３２をキャップ３３に押し込むことができるようになっている。
【００２１】
またこの実施例の簡易型カプセル充填機は、前記ブラケット５１に支持された結合部材５２が、前記ブラケット５１に所定の位置まで下降可能に保持され、ボディ３２へ内容物を充填する時に適宜位置まで下降させることにより、ボディ３２へ所定の容量の内容物を確実に充填できるようにしてある。
【００２２】
図７および図８は、カプセル３１をこの実施例の簡易型カプセル充填機に整列させて充填する際に使用する整列手段を示すものである。
前記整列手段は図８に示すように、一対の基板６１，７１を上下に組み付けて構成されている。上部基板６１にはカプセル３１を横向きに収納する整列用の複数の長孔６２が形成され、下部基板７１にも対応する複数の長孔７２が形成されている。そしてこの長孔７２はカプセル３１のキャップ３３の径よりも幅が狭く、そしてその中間部分にカプセル３１のキャップ３３の径とほぼ同じとした挿通部７３が形成されている。
【００２３】
前記一対の基板６１，７１上には、整列用の複数の長孔６２を取り囲むように側板６３が取り付けられており、この側板６３内に投入された多数のカプセル３１は前記長孔７２に落とし込まれ、この長孔７２にカプセル３１のキャップ３３部分が引っ掛かってボディ３２が下向きになるよう整列された上、挿通部７３から前記キャップ用基板２１の貫通孔２２に投入される。
６４、７４はそれぞれ一対の基板６１，７１の両端部分に形成したネジ孔で、このネジ孔６４、７４にネジ６５をねじ込むことにより、この一対の基板６１，７１は確実に固定される。
【００２４】
図９（ａ）はブラケット５１を示し、また（ｂ）は高さ調節板（標準）を、（ｃ）は高さ調節板（約−３ｍｍ）を示すものである。
前記ブラケット５１の下部には高さ調節板（標準）５４−１または高さ調節板（約−３ｍｍ）５４−２が取り付けられる。また前記ブラケット５１の長さ方向には所定の間隔でスリット５５が形成され、該スリット５５にはそれぞれ前記結合部材５２がはめ込まれている。
したがって、図６に示す結合架台５３をブラケット５１に沿う位置に立ち上げたり、あるいは倒した位置にすることにより、カプセル３１のボディ３２をキャップ３３から分離したり、ボディ３２をキャップ３３に結合することができるのである。その際、高さ調節板（標準）５４−１または高さ調節板（約−３ｍｍ）５４−２をブラケット５１に適宜交換して取り付ける。ちなみに、高さ調節板（約−３ｍｍ）５４−２を使用すれば、結合部材５２は前記ブラケット５１に所定の位置まで下降可能に保持され、ボディ３２へ内容物を充填する時に適宜位置まで下降させることができ、ボディ３２へ所定の容量の内容物を確実に充填することができる。
もちろん、高さ調節板（約−３ｍｍ）５４−２の寸法は、カプセル３１の種類に応じて適宜変更することができる。
【００２５】
以上のようにこの発明によれば、センサや電子的な手段を用いることなく、カプセル３１のボディ３２をキャップ３３から確実かつ迅速に分離することができ、非常に安価でメンテナンスの容易な簡易型カプセル充填機を提供することができるようになった。
またこの発明によれば、ボディ３２に傷を付けることなくボディ３２をキャップ３３から分離回収することができ、不良品の発生を大幅に低減することができる簡易型カプセル充填機を提供することが可能となった。
【産業上の利用可能性】
【００２６】
以上説明したように、この発明の簡易型カプセル充填機は、ボディとキャップからなるカプセルであれば、粉体や液状、あるいはシロップ状の内容物の充填に好適に使用することができる。
【００２７】
もちろん、この発明の趣旨を変えない限り、この発明を適宜の用途に応用することは自由である。
【符号の説明】
【００２８】
１１ 気密性のカバー
１２ 取付孔
１３ ゴム製パッキング
２１ キャップ用基板
２２ 貫通孔
２３ テーパ
２４ 取付孔
２５ センターピン
２６ 取っ手
２７ ゴム製パッキング
３１ カプセル
３２ ボディ
３３ キャップ
４１ ボディ用基板
４２ 貫通孔
４３ 上部パーツ
４４ 貫通孔
４５ 上部パーツ
４６ 貫通孔
４７ 通気溝
４８ 連通溝
４９ 送気部
５０−１，５０−２ 取付孔
５１ ブラケット
５２ 結合部材
５３ 結合架台
５４−１ 高さ調節板（標準）
５４−２ 高さ調節板（約−３ｍｍ）
５５ スリット
６１ 基板
６２ 長孔
６３ 側板
６４ ネジ孔
６５ ネジ
７１ 基板
７２ 長孔
７３ 挿通部
７４ ネジ孔
【特許請求の範囲】
【請求項１】
一体となって搬送されてきたボディとキャップからなるカプセルを収納する複数の貫通孔を備え、該貫通孔にキャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板と、該キャップ用基板の下部に配設され、ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板とを備え、
キャップ用基板に保持されたキャップとボディとの間に圧縮空気を送り込む送気手段により、キャップ用基板に保持されたキャップからボディを分離させるようにしたことを特徴とする簡易型カプセル充填機。
【請求項２】
前記キャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板が、上面に装着した気密性のカバーを備えることにより、キャップとボディとの間に確実に圧縮空気を送り込めるようにしたことを特徴とする請求項１に記載の簡易型カプセル充填機。
【請求項３】
前記ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板が、ボディを収納する複数の貫通孔を備えた上部パーツと、ボディを収納する複数の貫通孔を備えた下部パーツとを組み合わせてなり、該下部パーツの前記複数の貫通孔の列の間に上部を開放した通気溝を形成し、前記上部パーツの下部には複数の貫通孔と前記通気溝とを連通させる連通溝を形成して、前記通気溝に接続した送気部から圧縮空気をキャップとボディとの間に送り込むようにしたことを特徴とする請求項１に記載の簡易型カプセル充填機。
【請求項４】
前記ボディを収納する複数の貫通孔を備えた下部パーツが、下向きのブラケットを備え、このブラケットに支持された結合部材を上昇させて、ボディをキャップに押し込むようにしたことを特徴とする請求項３に記載の簡易型カプセル充填機。
【請求項５】
前記ブラケットに支持された結合部材が、前記ブラケットに所定の位置まで下降可能に保持され、内容物の充填時に所定の容量を確実に充填できるようにしたことを特徴とする請求項４に記載の簡易型カプセル充填機。
【請求項１】
一体となって搬送されてきたボディとキャップからなるカプセルを収納する複数の貫通孔を備え、該貫通孔にキャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板と、該キャップ用基板の下部に配設され、ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板とを備え、
キャップ用基板に保持されたキャップとボディとの間に圧縮空気を送り込む送気手段により、キャップ用基板に保持されたキャップからボディを分離させるようにしたことを特徴とする簡易型カプセル充填機。
【請求項２】
前記キャップを上にしてカプセルを収納保持するようにしたキャップ用基板が、上面に装着した気密性のカバーを備えることにより、キャップとボディとの間に確実に圧縮空気を送り込めるようにしたことを特徴とする請求項１に記載の簡易型カプセル充填機。
【請求項３】
前記ボディを収納する複数の貫通孔を備えたボディ用基板が、ボディを収納する複数の貫通孔を備えた上部パーツと、ボディを収納する複数の貫通孔を備えた下部パーツとを組み合わせてなり、該下部パーツの前記複数の貫通孔の列の間に上部を開放した通気溝を形成し、前記上部パーツの下部には複数の貫通孔と前記通気溝とを連通させる連通溝を形成して、前記通気溝に接続した送気部から圧縮空気をキャップとボディとの間に送り込むようにしたことを特徴とする請求項１に記載の簡易型カプセル充填機。
【請求項４】
前記ボディを収納する複数の貫通孔を備えた下部パーツが、下向きのブラケットを備え、このブラケットに支持された結合部材を上昇させて、ボディをキャップに押し込むようにしたことを特徴とする請求項３に記載の簡易型カプセル充填機。
【請求項５】
前記ブラケットに支持された結合部材が、前記ブラケットに所定の位置まで下降可能に保持され、内容物の充填時に所定の容量を確実に充填できるようにしたことを特徴とする請求項４に記載の簡易型カプセル充填機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１１−８３３４０（Ｐ２０１１−８３３４０Ａ）
【公開日】平成２３年４月２８日（２０１１．４．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２３６７３２（Ｐ２００９−２３６７３２）
【出願日】平成２１年１０月１３日（２００９．１０．１３）
【出願人】（５０３４１３５０３）
【出願人】（５０３４１３５１４）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年４月２８日（２０１１．４．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１０月１３日（２００９．１０．１３）
【出願人】（５０３４１３５０３）
【出願人】（５０３４１３５１４）
【Ｆターム（参考）】
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