説明

米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法

【課題】米の持つ風味を生かしたままで麺類やパスタ類の油揚げ処理を行なう食品の製造方法を提供することで、米粉を主原料にした麺類やパスタ類の即席食品化を図り、食品の賞味期間の延長や食品のスナック化が可能になり、米粉を主原料にした食品の消費が増大し、我が国の農業が活性化することを目的とする。
【構成】主原料としての汎用米粉と添加物としての適量の小麦粉をミキサーに投入し混合し、これに約5〜20重量%の範囲でかんすい水溶液を加え第一混練処理し、次に約0.5〜約1.5重量%の範囲で食塩や適当な量の温水または熱水とを混合して第二混練処理し、この混練物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約60分間程度熟成させた後圧延し、切り歯を用いて切り出して麺状に形成し、この麺状形成物を熱湯で第一加熱処理をして十分にα化した後に130〜180℃のなたね油中に、0.5〜2.0分間で第二加熱処理をすることで、所望の揚げ麺または即席麺とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揚げ麺の製造方法において、米粉を主原料とし、米粉にかんすいを加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に食塩や水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、常法を用いて麺状やパスタ状に形成した物を第一加熱処理をした後に必要に応じて第二加熱処理をすることを特徴とする、米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、米の消費拡大という目標の下で、米粉を用いた食品の開発が進み、これら米粉食品の例としては、うどんやラーメンやパンの開発が成されるようになってきたが、まだまだ米粉の消費拡大に貢献していないのが現状であり、逆に米の消費は減少しているという報告がなされている。そこで、近年になって、米粉を用いた食品の開発例が見られるようになった。例えば、パン、麺等の加工食品用として加工適性のすぐれた米粉及びそれを原料とする品質のすぐれた加工食品の製造法の提供を目的にし、生米をアミラーゼを添加した水中に浸漬した後凍結し、乾燥して粉末化すうことによって得ることのできる加工適性のすぐれた米粉であり、この米粉の15〜25重量%のグルテンを加えて生地を作り、パン、麺等の加工食品を製造する方法である、米粉及びそれを用いた加工食品の製造法の開発案件(特開平11−32706号公報を参照)が知られている。
【0003】
また、近年、揚げ麺を使用する、例えば「ちゃんぽん麺」「硬やきそば」「炒麺」等の消費が伸びていて、代表的な即席タイプ麺の製法としては小麦粉に食塩水、必要に応じてかんすい、澱粉、卵、乳化剤等の添加物を適宜混合して混練し、短時間のうちに麺帯にして麺線を作成し、次いで蒸煮処理して後、更に油揚処理したものを乾燥処理する製造法が知られている。
【0004】
さらに、近年では、我が国において、人体の各部分のアレルギー性症状をうったえる人たちが年々増加してきており、この傾向は、米の消費量が減少し、パンやパスタや麺類などの小麦使用食品の消費が増加傾向にあることと関連があるという報告も成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、例えば、特開平11−32706号公報の米粉及びそれを用いた加工食品の製造法の開発案件では、米粉でんぷんの増粘剤としてグルテンを使用するために、人体の各部分のアレルギー性症状をうったえる人たちには提供できないという問題を抱えている。
【0006】
また、揚げ麺の製品や開発例の中では、米粉を主原料とした麺類やパスタ類の商品情報や技術的な開発例は、まだ見出せていないのが現状である。なぜなら、グルテンを使用しないで米粉を主原料とした油揚げ処理または熱油処理した麺類やパスタ類は食感的にも満足のいくものは得られなかったからだ。それに、このような米粉を主原料とした麺類やパスタ類の製造は、小麦粉を主原料とした麺類やパスタ類の製造とは異なり、既存の製造方法をそのまま使用すれば麺類やパスタ類としての形成が不十分であり、きれぎれになり、堅くなる現象が頻繁に発生して、製品にしにくいというのが現状であった。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、米の持つ風味を生かしたままで麺類やパスタ類の油揚げ処理を行なうことによって、米粉を主原料にした麺類やパスタ類の即席食品化を図り、そのことでこれらの食品の賞味期間の延長が可能になり、またこれらの食品のスナック化が可能になることで、米粉を主原料にした食品の消費が喚起され、結果的に米の消費が増大し我が国の農業が活性化することを目的とする。
また、蛋白質であるグルテンを使用しないでも、好食感を与える揚げ麺製品や揚げパスタ製品を提供できることで、アトピー性の人でもそうでない人でも安心して美味しく食することのできる米粉主原料にした食品の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するための第一の手段として、熱油処理麺または揚げ麺の製造方法において、米粉を主原料としたことを特徴とし、前記米粉に所定量のかんすいを加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に適量の食塩や適当な量の水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、切り歯を用いて切り出して麺状に形成し、前記麺状形成物を第一加熱処理をした後に必要に応じて第二加熱処理をすることを特徴とする、米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法の提供を目的とする。
【0009】
本発明でいう熱油処理麺または揚げ麺の対象となる麺類に関しては、即席タイプのラーメン、うどん、そばなどや、スナックタイプのラーメン、うどん、そばなどや、餡かけタイプの焼きそば、焼きうどん、揚げソバ、固焼きソバ、皿うどん、などへの利用が可能である。
前記熱油処理麺または揚げ麺で使用する油の温度に関しては、130〜180℃の範囲で使用可能であるが、麺類やパスタ類の形成条件によっては140〜170℃の範囲が好ましい場合もあり、さらには麺類やパスタ類の形成条件によっては150〜160℃の範囲が好ましい場合もある。なお、本発明で使用する油に関しては、植物性食用油の使用が好ましい。
本発明で使用する水または温水または熱水に関しては、例えば水に関しては約20〜30℃の範囲が好ましく、例えば温水に関しては約30〜50℃の範囲が好ましく、例えば熱水に関しては約50〜100℃の範囲が好ましい。
また、例えば、約80〜100℃の熱水を使用することで、前記第一加熱処理または前記第二加熱処理を省略できる場合があり、それは、前記熱水を使用することで前記混練処理物のα化が充分に進み、喫食時の本発明製品は十分な食感が得られるからである。
【0010】
本発明で使用する米粉に関しては、米粉であれば基本的には何でも良い(例えば、玄米でもよい)が、うるち米を粉体化したタイプが好ましく、一般的に知られた銘柄であればどんな銘柄でも使用することができる。ただ米粉に特定な銘柄米を使用しその銘柄米の特徴を前面に出して使用することも本発明を普及させるために好ましい場合も考えられ、例えば、著明な銘柄米である「こしひかり」を使用する場合、消費者に対して一定の販売促進効果が計算できる。
本発明で使用するかんすいに関しては、基本的にはどんなタイプのかんすいでも使用できるが、本発明では炭酸ナトリウム10重量%とリン酸第二ナトリウム90重量%で構成されるタイプのものが好ましい。このタイプは本発明による製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。また、本発明に使用するかんすいに関して、ボーメ度数(比重)2度のものを使用するのが好ましい。また、一般的なかんすいに関しては、気温が低いと結晶化するため、この場合はややボーメ度数を低くする。さらに、かんすいの作り方は、前日に熱湯で溶かし水でうすめボーメ度数を調整しておくのが好ましい。
また、本発明でのかんすいの使用量に関しては、約5重量%〜約20重量%の範囲での使用が好ましく、さらに、約7重量%〜約10重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
【0011】
本発明で使用する食塩に関しては、0.5重量%〜約1.5重量%の範囲での使用が好ましく、さらに、約1重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
【0012】
課題を解決するための第二の手段として、前記米粉に所定量のカルシウム組成物や卵白粉末を加配し数分間混合した後に、所定量のかんすいに適量の全卵粉末や糖類を加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に適量の食塩や適当な量の水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、前記形成手段により麺状に形成し、前記麺状形成物を第一加熱処理をした後に第二加熱処理をすることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段に記載の米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法の提供を目的とする。
【0013】
本発明で使用する水または温水または熱水に関しては、例えば水に関しては約20〜30℃の範囲が好ましく、例えば温水に関しては約30〜50℃の範囲が好ましく、例えば熱水に関しては約50〜100℃の範囲が好ましい。
また、例えば、約80〜100℃の熱水を使用することで、前記第一加熱処理または前記第二加熱処理を省略できる場合があり、それは、前記熱水を使用することで前記混練処理物のα化が充分に進み、喫食時の本発明製品は十分な食感が得られるからである。
また、本発明でのかんすいの使用量に関しては、約3重量%〜約15重量%の範囲での使用が好ましく、さらに、約5重量%〜約10重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
【0014】
また、前記カルシウム組成物に関しては、乳酸カルシウム、燐酸カルシウム、などの人体消化器官に吸収しやすい組成物であれば全て使用可能であり、また、水溶液または粉末としての使用が好ましく、0.1重量%〜0.9重量%の範囲での使用量が好ましく、さらに好ましくは0.5重量%であり、またメンラクト707を使用することが好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
また、前記卵白粉末に関しての好ましい使用範囲は、0.1重量%〜0.9重量%の範囲であり、さらに0.5重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
また、前記全卵粉末に関しての好ましい使用範囲は、0.1重量%〜0.9重量%の範囲であり、さらに0.5重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
また、本発明で使用する糖類の好ましい使用範囲は、0.1重量%〜0.9重量%の範囲であり、さらに0.5重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
【0015】
課題を解決するための第三の手段として、熱油処理麺または揚げ麺の製造方法において、米粉を主原料としたことを特徴とし、前記米粉に所定量のかんすいを加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に適量の食塩や適当な量の水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、パスタ状に形成させる型を用いてパスタ状に形成し、前記パスタ状形成物を第一加熱処理をした後に必要に応じて第二加熱処理をすることを特徴とする、米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法の提供を目的とする。
【0016】
前記熱油処理麺または揚げ麺で使用する油の温度に関しては、130〜180℃の範囲で使用可能であるが、麺類やパスタ類の形成条件によっては140〜170℃の範囲が好ましい場合もあり、さらには麺類やパスタ類の形成条件によっては150〜160℃の範囲が好ましい場合もある。なお、本発明で使用する油に関しては、植物性食用油の使用が好ましい。
本発明で使用する水または温水または熱水に関しては、例えば水に関しては約20〜30℃の範囲が好ましく、例えば温水に関しては約30〜50℃の範囲が好ましく、例えば熱水に関しては約50〜100℃の範囲が好ましい。
また、例えば、約80〜100℃の熱水を使用することで、前記第一加熱処理または前記第二加熱処理を省略できる場合があり、それは、前記熱水を使用することで前記混練処理物のα化が充分に進み、喫食時の本発明製品は十分な食感が得られるからである。
【0017】
本発明で使用する米粉に関しては、米粉であれば基本的には何でも良い(例えば、玄米でもよい)が、うるち米を粉体化したタイプが好ましく、一般的に知られた銘柄であればどんな銘柄でも使用することができる。ただ米粉に特定な銘柄米を使用しその銘柄米の特徴を前面に出して使用することも本発明を普及させるために好ましい場合も考えられ、例えば、著明な銘柄米である「こしひかり」を使用する場合、消費者に対して一定の販売促進効果が計算できる。
本発明で使用するかんすいに関しては、基本的にはどんなタイプのかんすいでも使用できるが、本発明では炭酸ナトリウム10重量%とリン酸第二ナトリウム90重量%で構成されるタイプのものが好ましい。このタイプは本発明による製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。また、本発明に使用するかんすいに関して、ボーメ度数(比重)2度のものを使用するのが好ましい。また、一般的なかんすいに関しては、気温が低いと結晶化するため、この場合はややボーメ度数を低くする。さらに、かんすいの作り方は、前日に熱湯で溶かし水でうすめボーメ度数を調整しておくのが好ましい。
また、本発明でのかんすいの使用量に関しては、約5重量%〜約20重量%の範囲での使用が好ましく、さらに、約7重量%〜約10重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
【0018】
本発明で使用する食塩に関しては、0.5重量%〜約1.5重量%の範囲での使用が好ましく、さらに、約1重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
前記パスタ状に関しては、一般的にパスタ(pasta)というと、小麦粉をこねて作るイタリアの麺類の総称であり、例えば、スパゲッティー、マカロニ、ラビオリ、カネロニ、フェットチーネ、ペンネ、などの棒状や管状や長板状や型を用いての形成体などが知られていて、本発明では一般的に知られているパスタ状の概略全てを対象にしている。
【0019】
課題を解決するための第四の手段として、前記粉に所定量のカルシウム組成物や卵白粉末を加配し数分間混合した後に、所定量のかんすいに適量の全卵粉末や食塩や糖類を加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に適量の食塩や適当な量の水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、前記形成手段によりパスタ状に形成し、前記パスタ状形成物を第一加熱処理をした後に必要に応じて第二加熱処理をすることを特徴とする、課題を解決するための第三の手段に記載の米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法の提供を目的とする。
【0020】
本発明で使用する水または温水または熱水に関しては、例えば水に関しては約20〜30℃の範囲が好ましく、例えば温水に関しては約30〜50℃の範囲が好ましく、例えば熱水に関しては約50〜100℃の範囲が好ましい。
また、例えば、約80〜100℃の熱水を使用することで、前記第一加熱処理または前記第二加熱処理を省略できる場合があり、それは、前記熱水を使用することで前記混練処理物のα化が充分に進み、喫食時の本発明製品は十分な食感が得られるからである。
また、本発明でのかんすいの使用量に関しては、約3重量%〜約15重量%の範囲での使用が好ましく、さらに、約5重量%〜約10重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
【0021】
また、前記カルシウム組成物に関しては、乳酸カルシウム、燐酸カルシウム、などの人体消化器官に吸収しやすい組成物であれば全て使用可能であり、また、水溶液または粉末としての使用が好ましく、0.1重量%〜0.9重量%の範囲での使用量が好ましく、さらに好ましくは0.5重量%であり、またメンラクト707を使用することが好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
また、前記卵白粉末に関しての好ましい使用範囲は、0.1重量%〜0.9重量%の範囲であり、さらに0.5重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
また、前記全卵粉末に関しての好ましい使用範囲は、0.1重量%〜0.9重量%の範囲であり、さらに0.5重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
また、本発明で使用する糖類の好ましい使用範囲は、0.1重量%〜0.9重量%の範囲であり、さらに0.5重量%での使用が好ましく、このことで、本発明の製品に効果的な食味と食感を与える効果があることを見出した。
【0022】
課題を解決するための第五の手段として、前記第一加熱処理または前記第二加熱処理が熱油処理または油揚げ処理であることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載する米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法の提供を目的とする。
【0023】
前記熱油処理に関しては、前記麺状形成物または前記パスタ状形成物に前記植物性食用油を付着させ、約130〜180℃の範囲で加熱処理をする手段の利用も可能であり、この場合の加熱処理に利用する加熱手段には、遠赤外線加熱手段や赤外線加熱手段や熱風加熱手段や高周波加熱手段や電磁加熱手段やこれらの加熱手段の組み合わせなどが利用可能である。
前記油揚げ処理に関しては、前記麺状形成物または前記パスタ状形成物を約130〜180℃の範囲で加熱処理した前記植物性食用油の中を所定時間通過させる手段を備えた装置であればどんなタイプでも利用可能である。
【0024】
課題を解決するための第六の手段として、前記揚げ麺の製造方法において、前記米粉の使用量が重量比で50%以上であることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載する米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法の提供を目的とする。
【0025】
前記揚げ麺に関しては、即席タイプのラーメン、うどん、そばなどや、スナックタイプのラーメン、うどん、そばなどや、餡かけタイプの焼きそば、焼きうどん、揚げソバ、固焼きソバ、皿うどん、などへの利用が可能である。
本発明では、前記米粉の使用量を重量比で80%以上であることを目標にしているが、コスト的な問題や食感の問題で前記米粉の使用量を重量比で80%以下である場合に、小麦粉、でんぷん、多糖類、増粘剤、穀類粉末、増粘性植物(山芋、大和芋、里芋、海藻類)の使用量を単品または組合わせてまたは総量で重量比で20%以下という条件で認めている。
【0026】
課題を解決するための第七の手段として、前記混練手段に90〜120℃のスチームによって蒸煮させる手段を用いることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載する米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法の提供を目的とする。
【0027】
前記混練手段に90〜120℃のスチームによって蒸煮させるという手段に関しては、例えば、第一混練処理または(及び)第二混練処理を同じ混練手段で実施しても異なる混練手段で実施してもよい。また、例えば、第一混練処理または(及び)第二混練処理を同じ混練手段で実施する場合において、スチーム温度を混練処理中の所望する段階で90〜120℃の範囲で変化させてもよい。また、例えば、第一混練処理または(及び)第二混練処理を異なる混練手段で実施する場合において、第一混練手段はスチーム温度を90〜120℃の範囲で変化させてもよいし、第二混練手段はスチーム温度を90〜120℃の範囲で変化させてもよい。
また、前記スチーム手段に関しては、例えば高温蒸気発生手段は一般的に知られた手段を用いることができるし、例えば混練装置の内部への高温蒸気投入手段は一般的に知られた手段を用いることができる。
【0028】
【発明の効果】
【0030】
本発明によって得られる米粉を主原料にした揚げ麺(または揚げパスタ)は、細麺タイプまたは太麺タイプでも喫食したときには弾力のある食感であり、さらに風味にも優れたものとなる。即席麺タイプに関しても、調理の際湯戻りが早く喫食したときには弾力のある食感であり、さらに風味にも優れたものとなる。また本発明の製造法によれば、太い麺の即席麺も製造できるようになる。さらに上述した特徴を備えた揚げパスタも製造できるようになる。
【0031】
また、本発明によって、米粉を主原料にした揚げ麺製品のため、グルテンのない揚げ麺製品(または揚げパスタ製品)であり、アトピー性の人でも安心して美味しく食することのできる食品として、それが適切な価格帯で供給できることで、その結果本発明が普及し米の消費が拡大する、米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法を提供できる。
【0032】
本発明によって、上述した特性を持ち、さらに米の持つ風味を生かし、かつ食味や食感を向上させた米の新しい食べ方を提供でき、その一例として、揚げ麺スナック菓子(または揚げパスタスナック菓子)を提供できる。
【0033】
本発明によって、米粉を主原料にした麺製品やパスタ製品の米の持つ風味を生かしたままで、賞味期間の延長が可能になり、またこれらの食品のスナック化が可能になることで、米粉を主原料にした食品の消費が喚起され、結果的に米の消費が増大し我が国の農業が活性化することが可能になる。
【0034】
本発明によって、例えば、米粉の原料の一部または全量に玄米(何分づきでも構わない)を用いることで、既存の高カロリーで低栄養素を含有する小麦粉を主成分とする麺類やパスタ類の代わりに、低カロリーで多くの栄養素を豊富に含有する麺類やパスタ類の製造が可能になる。
【0035】
本発明によって、従来なら米粉を主原料にした麺類やパスタ類は脆くて麺線形成が難しいが、グルテンを使用せずとも麺帯形成やパスタ状形成を円滑にし、食感を改善する効果がある。
【0036】
【0037】
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について、説明する。
【実施例1】
【0041】
本実施の形態例では、例えば、主原料としての汎用米粉と必要に応じて添加する小麦粉をミキサーに投入し混合し、これに約5〜20重量%の範囲でかんすい水溶液を加え第一混練処理し、次に約0.5〜約1.5重量%の範囲で食塩や適当な量の温水または熱水とを混合して第二混練処理し、この混練物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約60分間程度熟成させた後圧延し、切り歯を用いて切り出して麺状に形成し、この麺状形成物を熱湯で第一加熱処理をして十分にα化した後に130〜180℃のなたね油中に、0.5〜2.0分間で第二加熱処理をすることで、米粉を主原料にした揚げ麺を得る。本発明の揚げ麺は、所望の即席麺とすることができ、例えば、即席タイプのラーメン、うどん、そばなどや、スナックタイプのラーメン、うどん、そばなどや、餡かけタイプの焼きそば、焼きうどん、揚げソバ、固焼きソバ、皿うどん、などへの利用ができる。また、熟成時間やスチーム処理時間を長くとる麺においては小麦粉やかんすいの添加量は少なくし、熟成時間やスチーム処理時間の短い麺では比較的多く添加するが、いずれにしても前述の添加量範囲で充分である。
【0042】
以下、混合材料の成分比に対して詳細に説明する。
次の表1は米粉を主原料にした揚げ麺の混合比であり、実施例1を示すものである。
【0043】
【表1】

【0044】
前記表1で材料は重量%で、温度は℃で示す。添加物としての小麦粉は全く使用しないで本発明の実施が可能であり、小麦粉は重量比30%を超過しないようにする。望ましくは0〜20%の重量比を持つ。
例えば、実施例Dのように、小麦粉が全く使用されない場合は、普通であれば圧延過程で練りが堅くて圧延されずらく麺状形成が難しいが、高温蒸気による混練処理とα化処理によって麺状形成が可能になることを見出した。
【実施例2】
【0050】
本実施の形態例では、例えば、主原料としての汎用米粉と、約0.1〜0.9重量%の範囲で乳酸カルシウム、約0.1〜0.9重量%の範囲で卵白粉末を加配し数分間混合した後に、これに約3〜15重量%の範囲でかんすい水溶液、約0.1〜0.9重量%の範囲で全卵粉末、約0.1〜0.9重量%の範囲で糖類、などをミキサーに投入し数分間第一混練処理し、次に約0.5〜約1.5重量%の範囲で食塩や適当な量の温水または熱水とを混合して数分間第二混練処理し、この混練物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約60分間程度熟成させた後圧延し、切り歯を用いて切り出して麺状に形成し、この麺状形成物を熱湯で第一加熱処理をして十分にα化した後に130〜180℃のなたね油中に、0.5〜2.0分間で第二加熱処理をすることで、米粉を主原料にした揚げ麺を得る。本発明の揚げ麺は、所望の即席麺とすることができ、例えば、即席タイプのラーメン、うどん、そばなどや、スナックタイプのラーメン、うどん、そばなどや、餡かけタイプの焼きそば、焼きうどん、揚げソバ、固焼きソバ、皿うどん、などへの利用ができる。また、熟成時間やスチーム処理時間を長くとる麺においては小麦粉やかんすいの添加量は少なくし、熟成時間やスチーム処理時間の短い麺では比較的多く添加するが、いずれにしても前述の添加量範囲で充分である。
【0051】
【表2】

【0052】
前記表2で材料は重量%で、温度は℃で示す。添加物としての小麦粉は全く使用しないで本発明の実施が可能であり、小麦粉は重量比30%を超過しないようにする。望ましくは0〜20%の重量比を持つ。
例えば、実施例Dのように、小麦粉が全く使用されない場合は、普通であれば圧延過程で練りが堅くて圧延されずらく麺状形成が難しいが、高温蒸気による混練処理とα化処理によって麺状形成が可能になることを見出した。
【0053】
また、表2における添加物としては、約0.1〜0.9重量%の範囲での乳酸カルシウム、約0.1〜0.9重量%の範囲での卵白粉末、約0.1〜0.9重量%の範囲での全卵粉末、約0.1〜0.9重量%の範囲での糖類、約0.5〜約1.5重量%の範囲での食塩、などであり、所定量の範囲内でビタミン等の栄養成分を選択的に含むことができる。
【0060】
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法は、米粉を主原料にしたスナック菓子の製造方法にも応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱油処理麺または揚げ麺の製造方法において、米粉を主原料としたことを特徴とし、前記米粉に所定量のかんすいを加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に適量の食塩や適当な量の水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、切り歯を用いて切り出して麺状に形成し、前記麺状形成物を第一加熱処理をした後に必要に応じて第二加熱処理をすることを特徴とする、米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法。
【請求項2】
前記米粉に所定量のカルシウム組成物や卵白粉末を加配し数分間混合した後に、所定量のかんすいに適量の全卵粉末や糖類を加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に適量の食塩や適当な量の水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、前記形成手段により麺状に形成し、前記麺状形成物を第一加熱処理をした後に第二加熱処理をすることを特徴とする、請求項1に記載の米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法。
【請求項3】
熱油処理麺または揚げ麺の製造方法において、米粉を主原料としたことを特徴とし、前記米粉に所定量のかんすいを加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に適量の食塩や適当な量の水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、パスタ状に形成させる型を用いてパスタ状に形成し、前記パスタ状形成物を第一加熱処理をした後に必要に応じて第二加熱処理をすることを特徴とする、米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法。
【請求項4】
前記粉に所定量のカルシウム組成物や卵白粉末を加配し数分間混合した後に、所定量のかんすいに適量の全卵粉末や食塩や糖類を加配し混練手段を用いて第一混練処理した後に適量の食塩や適当な量の水または温水または熱水とを混合して第二混練処理し、前記混練処理物を複合ロールで板状にしたあと、常温で約30〜90分間程度熟成させた後圧延し、前記形成手段によりパスタ状に形成し、前記パスタ状形成物を第一加熱処理をした後に必要に応じて第二加熱処理をすることを特徴とする、請求項3に記載の米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法。
【請求項5】
前記第一加熱処理または前記第二加熱処理が熱油処理または油揚げ処理であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載する米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法。
【請求項6】
前記揚げ麺の製造方法において、前記米粉の使用量が重量比で50%以上であることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載する米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法。
【請求項7】
前記混練手段に90〜120℃のスチームによって蒸煮させる手段を用いることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載する米粉を主原料にした揚げ麺の製造方法。