説明

粉末塗料におけるメタロセンワックスの用途

【解決手段】 本発明は、メタロセン触媒を使用して製造されるポリオレフィンワックスを粉末塗料において添加物として使用することにおよび顔料含有粉末塗料の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメタロセン触媒によって合成されたポリオレフィンワックスを粉末塗料において添加物として用いること並びに顔料化された粉末塗料を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
同方向回転二軸スクリュー式押出機または一軸スクリュー式ニーダーにおいて押出成形することにより粉末塗料を製造することは常識である。粉末塗料は、
- バインダー;例えばエポキシド、トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、β-ヒドロキシアルキルアミンまたはブロックドイソシアネート(ウレトジオン類)を用いて架橋されるポリエステル樹脂;
・ クリヤーラッカーでない限り、顔料および充填剤; 顔料は高い熱安定性を有していなければならない。それらの例にはフタロシアニン類、キナクリドン類、アゾ顔料、ペリレン−およびペリノン顔料、ベンズイミダゾーロン顔料、アントラキノン顔料、イソインドリノン−およびイソインドリン顔料、アントアントロン顔料、ジオキサジン顔料、キノフタロン顔料およびジケトピローロピロール顔料がある。
・ 添加物;例えば脱気剤、艶消し剤、酸化防止剤、潤滑用添加物、展延剤および耐引掻き性向上剤;
で組成されている。
【0003】
従来技術に従って粉末塗料を製造する場合には、ワックスが添加物として、以下の効果を達成するために使用される:
− 摩砕性の改善、
− 噴霧装置およびそれのホースラインでの付着の防止、
− 耐引掻き性の向上、
− 耐磨耗性の向上、
− 顔料成分の分散困難性の改善、
− エフェクト顔料の場合の顔料粒子の配向
− 色強度の向上
− 艶消し効果の取得、
− 感触の改善 (“柔らかな感触”)
− 潤滑性の向上、
− 金属マーキングの改善
− エフェクト顔料の混入性の改善
− 流動特性への影響
− 耐ブロッキング性の改善
− 押出成形過程での脱気(devolatilization)の向上
− 押出成形過程での生産性の向上。
【0004】
粉末塗料の製造の際に全ての成分を混合機中で最初に予め混合し、次いで押出機またはニーダー中で80〜130°C で均一化しそして最後に粉砕および分級によって究極の粒度とする。顔料を混入した系を製造する場合には、最適な色強度を得るために、顔料凝集物をできるだけ細かい粒子に崩壊させそして顔料凝集物を分散物中に出来るだけ均一に分散させることが特に重要である。今日、これは、分散助剤を使用することなく、使用される押出機またはニーダーのスクリュウー形状によって機械的エネルギーを導入することによって行われている。
【0005】
粉末塗料の重量を基準として0.01〜10重量%の濃度で使用されるワックス添加物は、一般にポリオレフィンワックス、 PTFE- ワックス、アミドワックス、 FT- パラフィン類、モンタンワックス、天然ワックス、マクロ結晶質-および微小結晶質パラフィン、ソルビタンエステルおよびメタロセンワックスである。
【0006】
適するポリオレフィンワックスは第一にポリエチレン-およびポリプロピレンワックスである。これらは高分子ポリオレフィン樹脂の熱分解によってまたは相応するモノマーの直接的重合によって製造できる。適する重合法には、例えばエチレンを高圧高温のもとでラジカル重合してワックスとする高圧法、およびオレフィンを有機金属触媒を比較的に低い圧力および温度のもとで重合する低圧法またはチグラー法がある。低圧法は均一な構造のホモポリマーワックスの製造だけでなく2種類以上のオレフィンを一緒に重合することによってコポリマーを合成することも可能とする。
【0007】
近年に種々の低圧法として、メタロセン化合物を有機金属触媒として使用する方法が公知になっている。これらのメタロセン化合物はチタン、ジルコニウムまたはハフニウムの原子を活性種として含有しそして一般に助触媒、例えば有機アルミニウム化合物または硼素化合物、特にアルミノキサン化合物と組合せて使用される。重合は必要な場合には分子量調整剤としての水素の存在下で行われる。メタロセン法の特徴は、旧来のチグラー法に比較してより狭い分子量分布、コモノマーのより均一な導入、より低い融点およびより高い触媒収率でワックスを得ることができることである。ポリオレフィンワックスを製造するためにメタロセン触媒を用いて行われるこの種の重合法は例えばヨーロッパ特許出願公開第0,571,882号明細書に記載されている。
【0008】
ヨーロッパ特許出願公開第0,890,619号明細書には印刷インクおよび塗料においてメタロセンポリオレフィンワックスを使用することを開示している。ワックスの添加に関して特別な要求のある粉末塗料については、そこでは言及されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、粉末塗料の用途特性を適当な分散剤を使用することによって改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、メタロセン触媒を使用して製造されるポリオレフィンワックスが粉末塗料において添加物として使用するのに特に有利に適することを見出した。特にメタロセンポリオレフィンワックスは押出成形性、艶消し効果、潤滑性、塗膜硬度、耐摩耗性および分散困難性(Dispergierhaerte)に関して改善された効果を発揮する。
【0011】
それ故に本発明は、メタロセン触媒を使用して合成されたポリオレフィンワックスを粉末塗料において添加物として使用することに関する。
【0012】
ポリオレフィンワックスは3〜6個の炭素原子を有するオレフィン、またはスチレンから誘導するのが有利である。
【0013】
一般に適するポリオレフィンワックスにはエチレン、プロピレンのホモポリマー、エチレンとプロピレンとのコポリマー、またはエチレンまたはプロピレンと1種類以上の1−オレフィンとのコポリマーが含まれる。使用される1−オレフィンは炭素原子数3〜18、好ましくは3〜6の直鎖状のまたは分岐したオレフィンである。1−オレフィンは芳香族置換基を有していてもよい。
【0014】
エチレンおよびプロポレンの他の適する1−オレフィンの例には1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンまたは1−オクタデセン、更にスチレンがある。エチレンまたはプロピレンのホモポリマー、またはエチレンとプロピレンまたは1−ブテンとのコポリマーが特に有利である。コポリマーの場合にはそれのエチレン含有量が好ましくは70〜99.9重量%、特に好ましくは80〜99重量%である。
【0015】
本発明に従って使用されるポリオレフィンワックスは、メタロセン触媒を用いて直接的に重合することによるかまたはメタロセン触媒を用いて製造された上記の組成のポリオレフィン合成樹脂を熱分解することによっても製造することができる。
【0016】
70〜165℃、好ましくは100〜160℃の滴り点、140℃(ポリエチレンワックス)でまたは170℃(ポリプロピレンワックス)で10〜10,000mPas、好ましくは50〜5,000mPasの溶融粘度、および20℃で0.85〜0.98g/cmの密度を有するポリオレフィンワックスを用いるのが特に有利である。有利なポリオレフィンワックスは Mw/Mn < 5の分子量分布を有している。
【0017】
ポリオレフィンワックスを製造するためのまたは熱分解のために使用されるポリオレフィンポリマーを製造するためのメタロセン触媒は式 M1Lxで表されるキラルなまたは非キラルな遷移金属化合物である。遷移金属化合物 M1Lxは少なくとも1つのπ−リガンド、例えばシクロペンタジエニル−リガンドが結合している少なくとも1つの金属原子 M1 を有している。更に、中心金属原子 M1には置換基、例えばハロゲン原子、アルキル、アルコキシまたはアリール基が結合していてもよい。M1 は元素周期律表の第 III、 IV、 V または VI 主属の元素、例えば Ti, Zr またはHfであるのが好ましい。シクロペンタジエニル−リガンドとは非置換のシクロペンタジエニル基および置換されたシクロペンタジエニル基、例えばメチルシクロペンタジエニル、インデニル、2−メチルインデニル、2−メチル−4−フェニルインデニル、テトラヒドロインデニルまたはオクタヒドロフルオレニル基を意味する。p−リガンドは橋架けされていてもまたは橋架けされていなくてもよく、その際に単一および多重ブリッジ(環系によるブリッジも含む)の両方が可能である。“メタロセン” とは、1つより多いメタロセン−フラグメントを含む化合物、いわゆる多核メタロセンも含む。これらは任意の置換パターンおよびブリッジ変種を有していてもよい。かゝる多核メタロセンの個々のメタロセン−フラグメントは互いに同一でも異なっていてもよい (ヨーロッパ特許出願公開第0,632,063号明細書(A))。
【0018】
メタロセンの一般的構造式およびポリオレフィンワックスの製造でのそれの使用は、例えばヨーロッパ特許出願公開第0,571,882号明細書(A)に記載されている。
【0019】
本発明で使用されるポリオレフィンワックスは、そのままでもまたは極性変性された状態でも使用できる。極性変性は、例えば空気または酸素含有ガスで酸化することによって、または例えば不飽和カルボン酸、例えばマレイン酸をグラフト結合させることによって達成することができる。酸化変性の例はヨーロッパ特許出願公開第0,890,583号(A)明細書に開示されており、不飽和カルボン酸での変性例はヨーロッパ特許出願公開第0,941,257号(A)明細書に記載されている。
【0020】
本発明のポリオレフィンワックスは純粋な状態でも、またはメタロセン触媒を用いて製造されていない1〜50重量%の割合の他のワックス成分とのブレンド状態でも使用することができる。このブレンドは溶融状態で行うかまたは固体状態で各成分を混合することで行うことができる。以下のブレンド成分が適する:
a) ポリエチレングリコール、
b) PE− ワックス、
c) PTFE− ワックス、
d) PP −ワックス、
e) アミドワックス、
f) FT −パラフィン、
g) モンタンワックス、
h) 天然ワックス、
i) マクロ結晶質-および微小結晶質パラフィン、
j) 極性ポリオレフィンワックス、または
k) ソルビタンエステル、
l) ポリアミド、
m) ポリオレフィン、
n) PTFE、
o) 湿潤剤、
p) 珪酸塩。
【0021】
添加物a)は、好ましくは10〜50,000ダルトン、特に20〜35,000ダルトンの分子量範囲のポリエチレングリコールが適する。ポリエチレングリコールはメタロセンワックス含有組成物の好ましくは2重量%までの量で添加することができる。
【0022】
添加物b)は、有利な実施態様においては、メタロセン触媒によって製造されておらずかつ700〜10,000g/モルの数平均分子量および80〜140℃の滴り点を有するポリエチレンホモポリマーおよび−コポリマーワックスである。
【0023】
添加物c)は、有利な実施態様においては、30,000〜2,000,000g/モル、特に100,000〜1,000,000g/モルの分子量を有するポリテトラフルオロエチレンである。
【0024】
添加物d)は、有利な実施態様においては、メタロセン触媒によって製造されておらずかつ700〜10,000g/モルの数平均分子量および80〜140℃の滴り点を有するポリプロピレンホモポリマーおよびコポリマーワックスである。
【0025】
添加物e)は、有利な実施態様においては、アンモニアまたはエチレンジアミンと飽和および/または不飽和脂肪酸との反応によって製造できるアミドワックスである。この脂肪酸は例えばステアリン酸、獣脂酸、パルミチン酸またはエルカ酸が適する。
【0026】
添加物f)は、有利な実施態様においては、400〜800g/モルの数平均分子量および80〜125℃の滴り点を有するFT−パラフィンである。
【0027】
添加物g)は好ましくは酸ワックスおよびエステルワックスを含めたC22〜C36カルボン酸炭素鎖を有するモンタンワックスである。
【0028】
エステルワックスは好ましくはモンタン酸と炭素原子数2〜6の一価または多価アルコール、例えばエタンジオール、ブタン−1,3−ジオールまたはプロパン−1,2,3−トリオールとの反応生成物である。
【0029】
添加物h)は、有利な一つの実施態様においては、カルナバワックスまたはカンデリラろうである。
【0030】
添加物i)は、石油精製工程で得られるパラフィンおよび微小結晶ワックスである。かゝるパラフィンの滴り点は好ましくは45〜65℃であり、かゝる微小結晶質ワックスのそれは好ましくは73〜100℃である。
【0031】
添加物j)は、有利な実施態様においては、エチレン−またはプロピレンホモポリマーおよびコポリマーワックスまたはそれに無水マレイン酸がグラフトしたポリマーを酸化することによって製造できる極性ポリオレフィンワックスである。この目的のためには90〜165℃、特に100〜160℃の滴り点、140℃(ポリエチレンワックス)でまたは170℃(ポリプロピレンワックス)で10〜10,000mPas、好ましくは50〜5000mPasの溶融粘度、および20℃で0.85〜0.98g/cmの密度を有するポリオレフィンワックスが特に有利である。
【0032】
添加物k)は、有利な実施態様においては、ソルビトールと飽和および/または不飽和脂肪酸および/またはモンタン酸との反応生成物である。この脂肪酸は例えばステアリン酸、獣脂酸、パルミチン酸またはエルカ酸が適する。
【0033】
添加物l)は好ましくは、粉砕されたポリアミド類であり、例えばナイロン−6、ナイロン−6,6またはナイロン−12である。ポリアミドの粒度は好ましくは5〜200μm、特に10〜100μmの範囲内にある。
【0034】
添加物m)はポリオレフィン、例えば数平均分子量として好ましくは10,000〜1,000,000ダルトン、特に15,000〜500,000ダルトンの分子量を有しそして粒度が粉砕の結果として好ましくは5〜200μm、特に好ましくは10〜100μmの範囲内にある高密度または中密度のポリプロピレン、ポリエチレンまたはプロピレンとエチレンとのコポリマーである。
【0035】
添加物n)は、好ましくは500,000〜10,000,000ダルトン、特に500,000〜2,000,000ダルトンの数平均分子量を有しそして粒度が粉砕の結果として好ましくは5〜200μm、特に好ましくは10〜100μmの範囲内にある熱可塑性PTFEである。
【0036】
添加物o)は一般に液体の表面張力を下げる両親媒性化合物が適する。湿潤剤は例えばアルキルエトキシレート類、脂肪アルコールエトキシレート、アルキルベンゼンスルホナートまたはベタイン類がある。
【0037】
添加物p)は処方において充填剤または顔料として使用されない珪酸塩が適する。シリカ類またはタルクを用いるのが有利である。
【0038】
成分a)と成分b)〜p)との混合比は1〜50重量%のa)と1〜50重量%のb)〜p)との範囲内で変更し得る。2種類以上の成分b)〜p)の混合物を使用する場合には、これらの成分の量の合計について量表示をする。
【0039】
一つの有利な実施態様において、ワックスは本発明の目的のために微小化した状態で使用する。ポリオレフィンワックスおよび場合によっては混入される助剤および添加物はd90 < 40 μmの粒度分布を有する超微細粉末の状態で使用するのが有利である。
【0040】
本発明は更に、バインダー、顔料および充填物並びに慣用される助剤よりなる粉末塗料を製造する方法において、本発明の添加物を添加することを特徴とする、上記方法にも関する。
【実施例】
【0041】
(表1)原料物質

【0042】
1) ヨーロッパ特許出願公開第0 571 882号明細書(A)に従って製造
2) ヨーロッパ特許出願公開第0 890 584号明細書(A)に従って製造
3) ヨーロッパ特許出願公開第0 890 583号明細書(A)に従って製造
*) 環球法による軟化点
【0043】
(表2)試験した試験体

【0044】
M = 本発明の例
V = 比較例
全ての試験体がDV50約8μm に微細化されている。
【0045】
(表3)艶消しの目的で青色ハイブリッド粉末塗料中に微小化ワックスを混入

【0046】
ワックスを高速ミキサー中で個々の原料と互いに混合し、次いで乾燥混合物を実験室用二軸スクリュー式押出機(APV社のPC19-25) で 110°Cおよび 250 回転/分で押出成形し、< 125 μm に粉砕しそしてアルミニウムまたはスチール板にコロナ放電手段でスプレーガンによって適用する。焼付けた後(180°Cで15分)、被覆された薄板を24時間の間、制御された空気調和室に保存し、その後に光沢 (60°) を測定した。
【0047】
実施例2〜 37 の全てにおいて、本発明の試験体 (M1-M12)は比較例 (V1-V12)よりもいずれの場合にも優れた結果を発揮した。
【0048】
(表4)摩擦滑性化のために青色ハイブリッド粉末塗料中に微小化ワックを混入

【0049】
ワックスを高速ミキサー中で個々の原料と互いに混合し、次いでその乾燥混合物を実験室用二軸スクリュー式押出機(APV社のPC19-25) で 110°C、250 回転/分で押出成形し、< 125 μm に粉砕しそしてアルミニウムまたはスチール板にコロナ放電でスプレーガンによって適用する。焼付けた後(180°Cで15分)、被覆された板を24時間の間、制御された空気調和室に保存し、その後に( Altekに従って)摩擦滑性を測定した。
【0050】
実施例 38〜56の全てにおいて、本発明の試験体 (M3、M4、M11) は比較例 (V3、V4、V11)よりもいずれの場合にも良好な結果(低い滑り摩擦) を示した。
【0051】
(表5)鉛筆硬度を改善する目的で白色のハイブリッド粉末塗料中に混入

【0052】
ワックスを高速ミキサー中で個々の原料と互いに混合し、次いでその乾燥混合物を実験室用二軸スクリュー式押出機(APV社のPC19-25) で 110°C、250 回転/分で押出成形し、< 125 μm に粉砕しそしてアルミニウムまたはスチール板にコロナ放電でスプレーガンによって適用する。焼付けた後(180°Cで15分)、被覆された薄板を24時間の間、制御された空気調和室に保存し、その後に(Wolff-Wilbornに従って)鉛筆硬度を測定した。
【0053】
実施例 57〜69の全てにおいて本発明の試験体は比較例での場合よりもいずれも高い鉛筆硬度を達成できた。
【0054】
(表6)耐摩擦性を向上させるために白色のハイブリッド粉末塗料中に混入




【0055】
ワックスを高速ミキサー中で個々の原料と互いに混合し、次いでその乾燥混合物を実験室用二軸スクリュー式押出機(APV社のPC19-25) で 110°C、250 回転/分で押出成形し、< 125 μm に粉砕しそしてアルミニウムまたはスチール板にコロナ放電でスプレーガンによって適用する。焼付けた後(180°Cで15分)、被覆された板を24時間の間、制御された空気調和室に保存し、その後に摩擦試験をTaber Abraserでの摩擦試験を行った。
【0056】
実施例70〜82の全てにおいて本発明の試験体は比較例での場合よりもいずれも良好な結果(より低い摩擦)を示した。
【0057】
(表7)顔料の分散困難性を改善する目的で青色ハイブリッド粉末塗料中に混入

【0058】
ワックスを高速ミキサー中で個々の原料と互いに混合し、次いでその乾燥混合物を実験室用二軸スクリュー式押出機(APV社のPC19-25) で 110°C、250 回転/分で押出成形し、その過程で押出機への供給量を70%の消費電力とするように計量供給するように調整する必要がある。その後にこの場合には生産量を確かめ、< 125 μm に粉砕しそしてアルミニウムまたはスチール板にコロナ放電でスプレーガンによって適用する。焼付けた後(180°Cで15分)、被覆された板を24時間の間、制御された空気調和 室に保存し、その後に分散困難性を色の濃さによって測定した。
【0059】
実施例 83〜95の全ての場合に本発明の試験体は比較例よりもいずれも良好な結果(より良好な分散困難性)を示した。
【0060】
(表8)生産性を改善する目的で青色ハイブリッド粉末塗料中に混入

【0061】
ワックスを高速ミキサー中で個々の原料と互いに混合し、次いでその混合物を実験室用二軸スクリュー式押出機(APV社のPC19-25) で110°Cで押出成形し、その過程で押出機への計量供給量を250回転/分で、60%の消費電力量に調整する必要があった。その後でこの場合には生産量を確かめた。
実施例96 〜120のいずれの場合にも、本発明の試験体は比較例よりも良好な結果 (高い生産量) を示した。
【0062】
(表9)消費電力を向上させるために青色ハイブリッド粉末塗料中に混入

【0063】
ワックスを高速ミキサー中で個々の原料と互いに混合し、次いでその混合物を実験室用二軸スクリュー式押出機(APV社のPC19-25) で 110°Cで押出成形し、その際に計量供給量を3.0に調整し、次いで消費電力を測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末塗料においての添加物としての、メタロセン触媒によって合成されたポリオレフィンワックスの用途。
【請求項2】
ポリオレフィンワックスが炭素原子数3〜6のオレフィンまたはスチレンから誘導されている、請求項1に記載の用途。
【請求項3】
ポリオレフィンワックスが70〜165°Cの滴り点、140°Cで10〜 10, 000 mPa・s の溶融粘度および 0.85〜 0.98 g/cm3の密度を有する、請求項1または2に記載の用途。
【請求項4】
ポリオレフィンワックスが極性変性されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の用途。
【請求項5】
ポリオレフィンワックスが以下の
a) ポリエチレングリコール、
b) PE- ワックス、
c) PTFE -ワックス、
d) PP- ワックス、
e) アミドワックス、
f) FT -パラフィン、
g) モンタンワックス、
h) 天然ワックス、
i) マクロ結晶質-および微小結晶質パラフィン、
j) 極性ポリオレフィンワックス、または
k) ソルビタンエステル、
l) ポリアミド、
m) ポリオレフィン、
n) PTFE、
o) 湿潤剤、
p) 珪酸塩
からなる群から選択される1種類以上の助剤および添加物と、ポリオレフィンワックス:助剤および添加物の重量比 1:50〜50:1 (重量%)でブレンドした状態で存在する請求項1〜4のいずれか一つに記載の用途:
【請求項6】
ポリオレフィンワックスおよび場合によっては混入された助剤および添加物がd90 < 40 mmの粒度分布を有する超微細粉末として存在する、請求項1〜5のいずれか一つに記載の用途。
【請求項7】
バインダー、顔料および充填剤並びに通例の助剤よりなる粉末塗料を製造する方法において、添加物を請求項1〜6のいずれか一つに記載に従って添加することを特徴とする、上記方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末塗料においての添加物としての、メタロセン触媒によって合成されたポリオレフィンワックスの用途において、ポリオレフィンワックスが70〜 165°Cの滴り点、140°Cで10〜10, 000 mPa・s の溶融粘度および 0.85〜 0.98 g/cm3の密度およびM/Mとして表される5より小さい分子量分布を有しそしてポリオレフィンワックスが以下の
a) ポリエチレングリコール、
b) PE- ワックス、
c) PTFE- ワックス、
d) PP- ワックス、
e) アミドワックス、
f) FT- パラフィン、
g) モンタンワックス、
h) 天然ワックス、
i) マクロ結晶質および微小結晶質パラフィン、
j) 極性ポリオレフィンワックス、
k) ソルビタンエステル、
l) ポリアミド、
m) ポリオレフィン、
n) PTFE、
o) 湿潤剤、または
p) 珪酸塩、
からなる群から選択される1種類以上の助剤および添加物と、ポリオレフィンワックス:助剤および添加物の重量比 1:50〜50:1 (重量%)でブレンドした状態で存在する、上記用途。
【請求項2】
ポリオレフィンワックスが炭素原子数3〜6のオレフィンまたはスチレンから誘導されている、請求項1に記載の用途。
【請求項3】
ポリオレフィンワックスが極性変性されている請求項1または2のいずれか一つに記載の用途。
【請求項4】
ポリオレフィンワックスおよび場合によっては添加された助剤および添加物がd90 < 40 mmの粒度分布を有する超微細粉末として存在する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の用途。
【請求項5】
バインダー、顔料および充填剤並びに通例の助剤よりなる粉末塗料を製造する方法において、請求項1〜4のいずれか一つに記載に従う添加物を添加することを特徴とする、上記方法。

【公表番号】特表2006−511626(P2006−511626A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−584189(P2003−584189)
【出願日】平成15年4月4日(2003.4.4)
【国際出願番号】PCT/EP2003/003518
【国際公開番号】WO2003/087242
【国際公開日】平成15年10月23日(2003.10.23)
【出願人】(597109656)クラリアント・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】