説明

粉末洗剤用包装容器

【課題】粉末洗剤用包装容器を提供すること。
【解決手段】本発明は粉末洗剤用包装容器に係り、さらに詳しくは、吸水性を有する粉末(粉体)類の洗剤が包装されている容器を保管するに際して、ハンドル部を容器の外袋の外側面に密着させた状態で保管可能な粉末洗剤用包装容器に関する。
本発明に係る粉末洗剤用包装容器は、粉末状態の洗剤が入れられる内袋110と、前記内袋110が内部に収納された状態で左右側壁に通過孔121が穿設される外袋120と、前記外袋120の通過孔121に係止フック部131が嵌まり込んで搬送を容易にするハンドル部130と、を有する粉末洗剤用包装容器において、前記ハンドル部130の係止フック部131は、両端部にくびれた腰部132を形成し、その外側に外袋120の通過孔121に嵌合された後に折畳溝131bを中心に拡開する矢先状の羽根部131aが配設されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末洗剤用包装容器に係り、さらに詳しくは、吸水性を有する粉末(粉体)類の洗剤を収容している容器を保管するに際して、ハンドル部を容器の外袋の外側面に密着させた状態で保管可能な粉末洗剤用包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、吸湿性があり、吸湿により品質が損なわれる粉末状態の製品、例えば、洗剤類などはプラスチック製の密閉容器や紙製のボックス状態の密閉容器内に入れて販売している。
【0003】
しかしながら、プラスチック製の容器は紙製の容器と比較して製造コストが高いため製品のコストアップを招き、しかも、廃棄時に環境汚染の問題を引き起こすなどの不都合があるため紙製の容器が多用されている。
【0004】
紙製の粉末洗剤用包装容器は略直方体の密封ボックス状のものであり、包装容器の運送し易さを図ることを目的として上部に合成樹脂製の握り紐を形成し、包装容器の湿気遮断及び紙の強度補強を図るために内袋と外袋とから構成された紙を用いて包装容器を製作している。
【0005】
図1及び図2は、上記の如き従来の粉末洗剤用包装容器を示すものであり、粉末状態の洗剤が入れられる内袋110’と、前記内袋110’が収納される外袋120’と、前記内袋110’が収納されている外袋120’を運送し易くするハンドル部130’と、を備えている。
【0006】
なお、前記ハンドル部130’は、内袋110’と外袋120’の左右側壁にそれぞれ中心と内径が一致するように穿設された通過孔121’、111’に嵌合されるリベット140’により左右の両端部が回転自在に容器100の左右側壁にそれぞれ組み付けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の構成を有する粉末洗剤用包装容器は、容器100’の外袋120’と内袋110’の側壁に穿設された通過孔121’、111’の中心と、ハンドル部130’に穿設された係合孔131’の中心とを一致させた状態でリベット140’打ちを行わなければ、容器100’にハンドル部130’を組み付けることができない。
【0008】
このため、前記容器100’にハンドル部130’を組み付けるときに長時間の作業時間がかかることはもとより、部品点数が増えて製作コストが嵩むといった不都合があった。
【0009】
また、前記ハンドル部130’が常に容器100’の外袋の外側に突き出ているため、前記容器100’を保管するに際して、前記容器100’に組み付けられているハンドル部130’に起因して他の物品を効率よく積み重ねて保管することができないといった不都合があった。
【0010】
本発明の目的は、容器の左右両側壁の上部にハンドル部の左右両端部をそれぞれ単に嵌め付けるだけでハンドル部が組み付けられた状態を維持する結果、前記容器を製作するに際して部品点数が低減され、作業性が向上して生産性が向上する粉末洗剤用包装容器を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、容器の側壁の内外部にハンドル部が出入することから、前記ハンドル部を使用しない場合にはハンドル部を容器の外袋に密着させた状態で保管可能な粉末洗剤用包装容器を提供することある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の目的を達成するために、本発明による粉末洗剤用包装容器は、粉末状態の洗剤が入れられる内袋110と、前記内袋110が内部に収納された状態で左右側壁に通過孔121が穿設される外袋120と、前記外袋120の通過孔121に係止フック部131が嵌まり込んで搬送を容易にするハンドル部130と、を有する粉末洗剤用包装容器において、前記ハンドル部130の係止フック部131は、両端部にくびれた腰部132を形成し、その外側に外袋120の通過孔121に嵌合された後に折畳溝131bを中心に拡開する矢先状の羽根部131aが配設されていることを特徴とする。
【0013】
なお、前記係止フック部131を外袋120の通過孔121に嵌合した後に載置する載置溝111は内袋110の左右側壁にそれぞれ凹設され、前記載置溝111の下部と一側部には羽根部131a付き係止フック部131が嵌まり込む嵌合溝112はそれぞれ連通するように凹設される。
【0014】
これにより、前記係止フック部131が矢先状に形成され、前後部はそれぞれ折畳溝131bにより拡開自在に羽根部131aが形成されているため、前記係止フック部131を容器100の外袋120の側壁に穿設された通過孔121に嵌め込んだ後に容器100の外部に引っ張ると、羽根部131aが上部に移動しながら折畳溝131bが外袋120の側壁に嵌まり込んで容器100の外部に係止フック部131が引き出されることなく円滑に回転がなされるのである。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る粉末洗剤用包装容器は、前記容器の外袋の左右両側壁に穿設された通過孔にハンドル部の左右両端部に形成された係止フック部を嵌め込んだ後に容器の外部にハンドル部を引っ張ると、前記係止フック部の前後部に形成された羽根部が上部に移動しながら側壁に密着されて容器の外部に係止フック部が引き出されないようにハンドル部の組み付けが完了する。
【0016】
これにより、容器にハンドル部を組み付けるときの作業が簡単になるという効果がある。
【0017】
また、本発明によれば、容器の側壁の内外部にハンドル部が出入することから、前記ハンドル部を使用しない場合にはハンドル部を容器の外袋に密着させた状態で保管することが可能になるといった効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来の粉末洗剤用包装容器の斜視図。
【図2】図1のA−A’線に沿った部分断面図。
【図3】本発明に係る粉末洗剤用包装容器の分解斜視図。
【図4】本発明に係る粉末洗剤用包装容器にハンドル部が組み付けられた状態を示す正面図。
【図5】本発明に係る粉末洗剤用包装容器のハンドル部を内袋の載置溝の下部に凹設された嵌合溝に嵌め込んだ状態の正面図。
【図6】本発明に係る粉末洗剤用包装容器のハンドル部を内袋の載置溝の一側部に凹設された嵌合溝に嵌め込んだ状態の正面図。
【図7】ハンドル部を内袋の載置溝を介して嵌合溝に進入させる状態を示す要部断面図。
【図8】図3のB−B’線に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づき、本発明の構成を詳述する。
【0020】
図3は、本発明に係る粉末洗剤用包装容器の分解斜視図であり、図4は、本発明に係る粉末洗剤用包装容器にハンドル部が組み付けられた状態を示す正面図であり、図5は、本発明に係る粉末洗剤用包装容器のハンドル部を内袋の載置溝の下部に凹設された嵌合溝に嵌め込んだ状態の正面図であり、図6は、本発明に係る粉末洗剤用包装容器のハンドル部を内袋の載置溝の一側部に凹設された嵌合溝に嵌め込んだ状態の正面図である。
【0021】
そして、図7は、ハンドル部を内袋の載置溝を介して嵌合溝に進入する状態を示す要部断面図であり、図8は、図3のB−B’線に沿った断面図である。
【0022】
本発明に係る粉末洗剤用包装容器は、図3から図8に示すように、粉末状態の洗剤が入れられる内袋110と、前記内袋110が収納される外袋120と、前記内袋110が収納されている外袋120を搬送し易くするハンドル部130と、を備えている。
【0023】
内袋110は紙製のものであり、外袋120としては紙材の表面への印刷後に湿気から保護するために表面コーティングが施されたものが選ばれ、ハンドル部130は靭性に優れた合成樹脂材から成形される。
【0024】
内袋110は、通常、外袋120よりも厚い紙製のものであり、上部から外側に向かって所定の長さだけ積み重ねられるように折り畳められて強度を十分に維持し、接着剤又は両面テープを用いて外袋120の遊動を防止した状態でボックス状の粉末洗剤用包装容器の耐久性と剛性を維持するように構成されている。
【0025】
なお、前記ハンドル部130の左右両端部には係止フック部131がそれぞれ形成されており、係止フック部131は、前記ハンドル部130の左右両端部を容器100の外袋120の左右側壁に穿設された通過孔121に嵌合した後に折畳溝131bを中心に拡開する羽根部131aを対称状に有している。
【0026】
前記係止フック部131は、外袋120の通過孔121に嵌合された後に羽根部131aが引っ掛かって離脱を防止することにより、ハンドル部130の組み付けが完了する。
【0027】
一方、内袋110の左右側壁には、係止フック部130の羽根部131aが通過孔121に嵌まり込んだ後に載置される載置溝111がそれぞれ凹設される。
【0028】
そして、前記載置溝111の下部と一側部には、羽根部131a付き係止フック部131が嵌まり込む嵌合溝112がそれぞれ連通するように略直角方向に凹設される
【0029】
前記係止フック部131は矢先状に形成され、前後部はそれぞれ折畳溝131bにより拡開自在に羽根部131aが形成されている。
【0030】
これにより、前記係止フック部131の羽根部131aを折畳溝131bの個所において約1/2の幅に折り畳んで外袋120に穿孔された通過孔121に嵌め込むと、合成樹脂材の特性により羽根部131aが拡開することになる。
【0031】
羽根部131aが外袋120と内袋110との間において拡開することにより、ユーザーが容器100の外部にハンドル部130を引っ張ると、羽根部131aが外袋120の通過孔121の周辺内壁に引っ掛かって容器100の外部に係止フック部131が引き出されなくなる。
【0032】
また、通過孔121を軸に回転も可能になる。
【0033】
もちろん、前記容器100の外袋120の上部には帯状の切取線150を形成して、容器100内に中身を入れた後に密封し、その後、ユーザーが中身を取り出そうとする場合に前記切取線150の先端部を引っ張ることにより中身を取り出し易くしている。
【0034】
このような構成を有する本発明は、ハンドル部130の左右両端部に形成された係止フック部131を手で掴んで折畳溝131bを中心に1/2の幅に畳み込んで容器100の外袋120の側壁に穿設された通過孔121を貫通するように容器100の内部に引っ込ませる。
【0035】
このため、前記係止フック部131は、外袋120を通過した後に内袋110の側壁に凹設された載置溝111に載置された状態を維持することになる。
【0036】
このように係止フック部131が載置溝111に載置されるようにハンドル部を容器100に組み付けた状態で前記容器100を搬送しようとする場合には、ハンドル部130を上部に持ち上げることになる。
【0037】
このとき、前記係止フック部131は、図4に示すように、容器100の上部に移動されることにより、羽根部131aが上部に移動されながら通過孔121に位置する腰部132を中心に回転は可能であり、且つ、羽根部131aが外袋120の内側壁に引っ掛かる。
【0038】
一方、上述したように、ハンドル部130を容器100に組み付けて搬送などのために使用した後、前記容器100の外部にハンドル部130が突き出ないように保管しようとする場合、図5及び図6に示すように、ハンドル部130を容器100が立てられた状態で上部面に接触されるように手で押すと、通過孔121に嵌まり込んだ腰部132に沿って係止フック部131がハンドル部130に連れ移動される
【0039】
このとき、ハンドル部130の係止フック部131が載置溝111と連通するように凹設された2本の嵌合溝112のうち垂直方向に凹設された嵌合溝112の位置に引っ込みながらハンドル部130の底面が外袋120の外側面に密着された状態を維持することになる(図5)。
【0040】
これにより、前記ハンドル部130が容器100の外部に突き出なくなる。
【0041】
又はンドル部130を容器100が立てられた状態で前面又は背面に接触されるように手で掴んで回転させると、通過孔121に嵌まり込んだ腰部132を中心に係止フック部131がハンドル部130に連れ移動される。
【0042】
そして、係止フック部131が載置溝111と連通するように凹設された2本の嵌合溝112のうち水平方向に凹設された嵌合溝112の位置に移動した後に進入するように力を僅かに加えると、ハンドル部130の底面が外袋120の外側面に密着された状態を維持することになる(図6)。
【0043】
これにより、前記ハンドル部130が容器100の前面又は背面から外部に突き出なくなる。
【0044】
さらに、係止フック部131が載置溝111と連通するように凹設された嵌合溝112に載置されるため、遊動することなく安定した状態を維持することが可能になる。
【符号の説明】
【0045】
100:容器
110:内袋
111:載置溝
112:嵌合溝
120:外袋
121:通過孔
130:ハンドル部
131:係止フック部
131a:羽根部
131b:折畳溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状態の洗剤が入れられる内袋(110)と、前記内袋(110)が内部に収納された状態で左右側壁に通過孔(121)が穿設される外袋(120)と、前記外袋(120)の通過孔(121)に係止フック部(131)が嵌まり込んで搬送を容易にするハンドル部(130)と、を有する粉末洗剤用包装容器において、
前記ハンドル部(130)の係止フック部(131)は、両端部にくびれた腰部(132)を形成し、その外側に外袋(120)の通過孔(121)に嵌合された後に折畳溝(131b)を中心に拡開する矢先状の羽根部(131a)が配設されたことを特徴とする粉末洗剤用包装容器。
【請求項2】
前記係止フック部(131)が外袋(120)の通過孔(121)に嵌合された後に載置される載置溝(111)が内袋(110)の左右側壁にそれぞれ凹設され、前記載置溝(111)の下部と一側部には羽根部(131a)付き係止フック部(131)が嵌まり込む嵌合溝(112)がそれぞれ連通するように凹設されることを特徴とする請求項1に記載の粉末洗剤用包装容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−73792(P2011−73792A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218621(P2010−218621)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(510259792)
【Fターム(参考)】