説明

粉末組成物

粉末状の、鉱油を含まない組成物であり、二成分系として存在し、主成分としてa)少なくとも1種の脂肪酸誘導体および/または脂肪アルコール誘導体 5〜40質量%、b)少なくとも1種のシリコーン油 0.5〜10質量%、およびc)少なくとも1種の担体材料 20〜85質量%を含み、その際、該成分a)およびb)は該担体材料c)に施与されたものである組成物を提案する。成分a)として、特にエチレンオキシドユニットおよびプロピレンオキシドユニットを有する脂肪アルコールアルコキシレートが好適である。ジメチルポリシロキサンは、前記シリコーン油b)の特に好適な代表物質である。前記担体材料c)は、白亜、ドロマイト貝殻石灰岩およびケイ酸の群から選択される。前記組成物は、二峰性粒度分布を有し、10〜120μmの範囲に存在する。この種の組成物は、特にドライモルタル用途用の消泡剤として用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、担体材料に施与された活性成分を有する、炭化水素を含まない粉末組成物、ならびにドライモルタル用途のための消泡剤としての該組成物の使用である。
【0002】
モルタルおよびコンクリート等のポリマー変性された建築化学の組成物が、変性されていない別形に比べて、明らかに改良された特性プロファイルを有することは、かなり以前から公知である。この変性は、この場合主にポリマーの分散剤を添加することによって行われ、例えば調合されたがまだ硬化していない建築化学材料の流動性を改善する。分散剤の添加は、この場合液状または粉末の形状でも行われる。
【0003】
しかし、前記相応のポリマー変性されたモルタルおよびコンクリートの場合に好ましくないのは、変性が、調合された材料への空気の導入の増加をもたらすという事実である。この場合、変性された別形中の空気含有量は20倍にまで高められ得る。建築化学材料中の空気の取り込みは、硬化した生成物への否定的な影響と結びついており、これは例えば曲げ引張強度[m1][m2]および圧縮強度、引張接着強度、吸水率およびまた耐凍結融解性に関して不十分な品質という形で現れる。曲げ引張強度、圧縮強度およびまた引張接着強度は、空気含有量の増加に伴う比較的高い多孔性のために著しく低下する。高められた毛管吸水性能によってさらに吸水率が高まり、それによって耐凍結融解性が低下する。
【0004】
したがって、空気含有量を低く保つために、特殊な消泡剤を建築化学の混合物に(例えば、ドライモルタルに)添加する。硬性系および特に水硬性の建築化学の系のために、特にシリコーンベース、オイルベースまたは炭化水素ベースの消泡剤、ならびに特にポリグリコール、脂肪酸誘導体およびリン酸トリアルキルが適していることが実証された。一般に、二成分系には液状の消泡剤が添加される。ドライモルタルとして存在する一成分系のためには粉末状の消泡剤があり、これは乾燥した建築化学の混合物に添加される。
【0005】
消泡剤は一般に、際立った界面活性を有する配合物であって、望ましくない泡形成の抑制、または既に形成された泡の破壊に特に好適である。消泡剤の特殊な作用様式における重要な役割をいわゆる「拡散」が果たし、これは油および類似の物質の平面に広がる能力の尺度を表す。したがって、消泡剤は際立った界面活性剤の作用も有する。
【0006】
先行技術から、セメント系用途における消泡剤として、シリコーン、鉱油、炭化水素、ポリグリコール、脂肪酸誘導体もしくはリン酸トリアルキルからなる一成分系として、またはポリグリコールと鉱油と脂肪誘導体との組み合わせ、ポリグリコールと鉱油との組み合わせ、ポリグリコールと鉱油とシリコーンとの組み合わせ、鉱油とシリコーンと脂肪誘導体との組み合わせとして公知である。したがって、これらの生成物は更なる不可欠な成分として、多成分の、化学的に不均質の消泡剤系の炭化水素を含んでいる。
【0007】
しかしまた、水溶性ペイントおよびワニス(非セメントベース)の分野の液状の消泡剤も公知であり、該消泡剤の場合、特別な変性アルコールがシリコーンと組み合わされる(例えば、Cognis社のDehydran 1620)。
【0008】
しかしまた、脂肪アルコール変性されたコポリマーも多方面に普及しており、ポリマー消泡剤として使用されている。この関連においては、EP1260536A1を参照されたい。しかしまた、US特許第7,566,750号およびUS出願第2009/0137446号に記載される通り、シリコーンベースの消泡剤もしくは配合物もまた好適である。
【0009】
要約すれば、ドライモルタルおよびコンクリートを製造する際のように建築化学の用途において使用される公知の消泡剤は、コンクリート添加剤として液体の形状で、ドライモルタル用の粉末状の消泡剤として不活性の無機の担体材料に吸着されて、一成分の活性物質(主にシリコーン、鉱油、炭化水素、ポリグリコール、脂肪酸誘導体もしくはリン酸トリアルキルの物質クラス)から構成されているか、前記の活性物質と鉱油の組み合わせから構成されていることが確認される。
【0010】
したがって、本発明の課題は、ドライモルタル用途のための消泡剤としても好適な粉末組成物であって、経済的な観点から容易に入手可能で、かつ具体的な応用事例において最終生成物の加工性および品質に悪影響を与えない化合物に由来する粉末組成物を提供することである。
【0011】
前記課題は、炭化水素Xを含まず、主成分として以下のものを含む粉末組成物によって解決された。
a)炭化水素Xとは異なる、少なくとも1種の脂肪酸誘導体および/または脂肪アルコール誘導体 5〜40質量%
b)少なくとも1種のシリコーン油 0.5〜10質量%、および
c)少なくとも1種の担体材料 20〜85質量%、その際、該成分a)およびb)は該担体材料c)に施与されたものである。
【0012】
驚くべきことに、本発明による組成物を用いて、前記課題が完全に実現され得たのみではなく、前記粉末消泡剤が幅広い温度範囲にわたっても、および10℃を下回る低い温度、特に3〜6℃でさえも非常に優れた作用を示し、さらに非常に即効性がある、つまり機械施工系にも好適であることが判明した。前記粉末は、付随効果として際立った凝集傾向をほとんど示さないため、その製造は費用のかかる後処理なしで済ますことができる。さらに、特許請求範囲に記載された組成物を用いて、ほんのわずかな供給量で優れた消泡作用が得られる。
【0013】
「炭化水素Xを含まない」とは、本願の文脈では特に、本発明による組成物が(成分a)と呼ばれる脂肪酸誘導体および脂肪アルコール誘導体を除いて)界面活性作用および消泡作用を有する鉱油または別の炭化水素を含まないことであると理解する。したがって、成分a)として本発明によって考慮される脂肪酸誘導体および脂肪アルコール誘導体は、本発明に従えば「炭化水素X」の定義に含まれない。
【0014】
本発明による組成物が前記成分a)を20〜35質量%の割合で、および好ましくは25〜30質量%の割合で含む場合に有利であることが判明した。前記成分b)は、特に1〜5質量%の割合で、および好ましくは2〜4質量%の割合で含まれているべきである。最後に前記成分c)の割合は、40〜75質量%の範囲内で、および好ましくは50〜70質量%の範囲内で変動すべきである。
【0015】
本発明によって、該組成物が前記成分a)およびb)を質量比a):b)において80〜90:20〜10、好ましくは85:15および特に好ましくは90:10で含むことも見込まれる。
【0016】
前記成分a)、つまり脂肪酸誘導体または脂肪アルコール誘導体は、好ましくは脂肪アルコールアルコキシレートおよびエステル化された脂肪アルコールの群から選択された、少なくとも1種の代表物質である。好ましくは、該成分a)は少なくとも1種のC16〜C18−脂肪アルコールおよび好ましくはエチレンオキシド(EO)ユニットおよびプロピレンオキシド(PO)ユニットを有する別形である。該成分a)は、特に非イオン性界面活性剤の特性を有し、これはR末端を有するいわゆる末端基封鎖された脂肪アルコールアルコキシレートおよびH末端を有する封鎖されていない脂肪アルコールアルコキシレートに該当し、その際、H末端が好ましい。本発明によれば、第一級もしくは第二級アルコールにアルキレンオキシドを付加することが基礎と見なされる。
【0017】
本発明の粉末組成物が成分a)として脂肪アルコール誘導体を含む場合、該誘導体は1モルあたり2〜6EOユニットおよび10〜15POユニット、および好ましくは4EOユニットおよび13POユニットを有しているのが望ましい。この場合、脂肪アルコール誘導体はEOユニットおよびPOユニットをランダム化、またはしかしブロックとしても有することができ、その際、ブロック配列は特に好ましく見なすことができる。したがって、前記成分a)は、典型的なPO/EOブロック重合体またはしかしEO/POブロック重合体も表す。好ましくは、アルコール−EO−POの順序である。
【0018】
末端基封鎖された脂肪アルコールアルコキシレートは、極度のアルカリ性条件下でも、特に強力に促進されたセメントベースの系、例えば吹き付けコンクリート用途の場合などに存在するように安定した状態を保ち、その消泡性が引き続き保たれている。「末端基封鎖された」とは、本発明の範囲においてアルコキシレートの自由なOH基が化学的に例えばアルキル基および特にC1〜C6−アルキル基で封鎖されているアルコキシレートであると理解される。これにより良好なアルカリ安定性以外に粘度が低下し、このことにより計量供給に良い影響が与えられる。本発明によって、成分a)として特に4EOユニットおよび13POユニットを有するC16〜C18−アルコールである代表物質が好ましい。これらは例えば以下の式を用いて表すことができる:
3C−(CH215〜17−O−(CH2−CH2O)4−(CH(CH3)−CH2−O)13−H
典型的な例は、CAS−No.68002−96−0によって表される。
【0019】
前記成分b)に関して、本発明は、該成分がシリコーン油の群および好ましくはジアルキルポリシロキサンの群から選択されることを意図しており、その際、たいていの場合沈降ケイ酸を不純物として含んでいるジメチルポリシロキサンが特に好ましい。
【0020】
当然、前記成分a)およびb)に関するすべての代表物質は、互いに任意の組合せで、特許請求の範囲に記載された粉末組成物において担持された形状で存在してよい。
【0021】
好適なシリコーン油の例は、Obermeier GmbH & Co.KG社(Bad Berleburg)のKorasilonの代表物質である。
【0022】
基本的に、特に前記成分a)およびb)のために選択される代表物質は、生理学上懸念のないものであるべきである。
【0023】
前記成分b)の代表物質、例えばポリジメチルシロキサン(PDMS;CAS−No.:63148−62−9)は一般に、基礎的なジアルキルクロロシランおよび水から製造される。この種の代表物質の式として以下のように表せる:
(R)3SiO[Si(R)2O]nSi(R)3[式中、R=CH3]、その際、nの選択によって粘度を調整でき、ここでは好ましくは1000〜10000mPas[m3]、特に好ましくは2000〜5000mPas[m4]である。
【0024】
前記成分c)は、本発明の範囲においては典型的な無機質の担体材料であって、好ましくは白亜、ドロマイト、貝殻石灰岩、ケイ酸ならびに特に石灰粉および焼成ケイ酸の群から選択される担体材料である。前記成分a)およびb)のそれぞれの代表物質を選ぶにあたっては、前記材料からなるあらゆる任意の混合物を当然使用することができる。担体材料c)は、2〜300μmの平均粒径を、好ましくは2〜120μm、および殊に好ましくは20〜50μmの平均粒径を有する場合に有利であると見なされる。特に好ましいのは、二峰性の粒度分布である。これは、特に本発明の別形において現れ、本発明では、前記粉末組成物は5〜300μmの平均粒径および好ましくは二峰性の粒度分布を有し、該分布では粒子の60〜80%は10〜20μmの平均粒径を、および粒子の20〜40%は100〜120μmの平均粒径を有する。特に好ましくは、D50値は50μmである。
【0025】
概して、本願組成物は二成分系を表し、該系ではそれぞれ消泡作用を有する二つの異なる化合物クラスが無機質の担体材料に施与されている。本発明に必須のこれらの主要成分以外に、本願組成物は更なる成分としてさらにセルロース繊維、崩壊剤または湿潤剤をこれらの任意の混合物として含有してよい。該セルロース繊維は微細に分散した形状で、および該崩壊剤は微細に粉砕された形状で存在するのが望ましい。更なる成分のすべての代表物質は、前記成分c)に担持されていない。
【0026】
前記組成物自体以外にも、本発明によれば該組成物の製造方法も含まれる。この場合、最初の方法工程a)において、それぞれ液状の前記成分a)およびb)を一つにまとめ、撹拌してプレミックスを製造する。それに並行して、または後に続いて、方法工程b)において前記担体材料c)の乾燥成分を均質化する。最後に方法工程c)において該方法工程a)から得られた液状のプリミックスを該担体材料c)に吹き付け、それによって本発明による組成物が粉末として生じる。好ましくは、該粉末は最大1質量%の湿分を有するのが望ましい。
【0027】
すでに冒頭で述べた通り、まさしく記載通りに製造することができる特許請求の範囲に記載された組成物は、好ましくはドライモルタル用途のための消泡剤として使用される。
【0028】
前述の目的のために、ドライモルタル混合物の総組成物に対してそれぞれ、前記粉末組成物を0.01〜1.0質量%、好ましくは0.03〜0.8質量%、および特に好ましくは0.05〜0.1質量%の供給量でドライモルタル混合物に添加するのが望ましい。
【0029】
その優れた特性のため、本発明による組成物は特にセルフレベリング材、注入モルタル、硬セッコウフロースクリード、セメントスクリード、タイルセメント、目地グラウト材、しっくい、複合断熱系、外壁モルタルおよび微細コンクリートの応用分野において、ならびにいわゆる「油田分野」、つまり地下石油および天然ガス鉱床の探査、採掘および/または仕上げの広範囲な応用分野において、ならびにここでは特にセメント結合の応用分野において適している[m5]
【0030】
主として炭化水素を含有する混合物であって、他の消泡作用を有する物質と組み合わされたものである、種々の化学物質クラスからなる活性物質を含有するドライモルタル産業用の公知の粉末状多成分消泡剤に対して、本発明の特に鉱油を含まない組成物は、担持された形状にある特別の脂肪アルコール誘導体/脂肪酸誘導体とシリコーン油との二つの活性物質の組み合わせによって特に特徴付けられる。特にまだ硬化していないフレッシュな建築化学の材料に分散剤を加える際に生じるような泡の形成は、特許請求の範囲に記載された組成物によってかさ密度の高い混合物中でもほぼ完全に抑えられ、その際、特に盛り上がった泡(Schaumkronen)およびはじけた気泡によって引き起こされる、硬化した表面上に現れるクレーター形成/穴は発生しない。それでもなお気泡が発生する場合、気泡は即座に換気および消泡することですばやく除去されるため、硬化した表面は均一的な外観になり、したがって外観上の生成物の品質が付随して改善される。
【0031】
さらに前記組成物は高い貯蔵安定性によって際立っている。厳しい条件(60℃、10週間)[m6]の下での比較的長い貯蔵の場合でさえも、前記生成物は消泡作用を失わない[m7]
【0032】
以下の実施例によって本発明の利点を明確にする。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】消泡剤計量供給量0.05質量%での老化試験
【0034】
実施例
1.本発明による消泡剤を、ドライモルタル混合物の総質量に対してそれぞれ0質量%、0.05質量%、0.10質量%で計量供給する際に以下の方法にしたがって試験した。
【0035】
ドライモルタル混合物の組成
【表1】

混合終了直後(EN1937による)および混合終了10分後に、それぞれ1つの試料領域(層厚み0.5〜1.0cmを有する25cm2)を注ぎ出した。該試料領域が硬化した後、1cm2の面積に対する、クレーターおよびはじけてない気泡に起因すべきへこみを精確に数え、フレッシュモルタルのかさ密度およびフレッシュモルタルの空気含有量を測定した。
【0036】
2.本発明による消泡剤を、セッコウベースのドライモルタル混合物の総質量に対して、0.05質量%で計量供給する際に以下の方法にしたがって試験した。
【0037】
流動性の高い、セッコウベースのドライモルタル混合物の組成(「Self Leveling Underlayment」;SLU)
【表2】

【0038】
結果:
消泡剤を含まない、硬化した材料の表面が多数のクレーターを有する一方、本発明による消泡剤を含む材料の表面は、エントラップドエアによるクレーター形成がなく、外観上一貫して滑らかだった。
【0039】
適用実施例
【表3】

【0040】
【表4】

【0041】
3.貯蔵試験
異なる貯蔵期間(14日間隔)の後、本発明による混合組成物の消泡作用を上述の試験方式においてドライモルタルに対して0.05質量%の計量供給量にて試験した。混合終了直後(EN1937による)および混合終了10分後にそれぞれ1つの試料領域(層厚み0.5〜1.0cmを有する25cm2)を注ぎ出した。試料領域が硬化した後、1cm2の面積に対する、はじけていない気泡に起因すべきクレーターを精確に数え、フレッシュモルタルかさ密度およびフレッシュモルタルの空気含有量を測定した(図1)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素Xを含まない粉末組成物であって、主成分として
a)炭化水素Xとは異なる、少なくとも1種の脂肪酸誘導体および/または脂肪アルコール誘導体 5〜40質量%、
b)少なくとも1種のシリコーン油 0.5〜10質量%、および
c)少なくとも1種の担体材料 20〜85質量%、その際、該成分a)およびb)は該担体材料c)に施与されたものである、
を含む粉末組成物。
【請求項2】
前記成分a)を20〜35質量%、好ましくは25〜30質量%の割合で、前記成分b)を1〜5質量%、好ましくは2〜4質量%の割合で、および/または前記成分c)を40〜75質量%、好ましくは50〜70質量%の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記成分a)およびb)が、a):b)の質量比80〜90:20〜10、好ましくは85:15、および特に好ましくは90:10で存在することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項4】
前記成分a)が脂肪アルコールアルコキシレートおよびエステル化された脂肪アルコールの群から選択される少なくとも1種の代表物質であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記成分a)が少なくとも1種のC16〜C18−脂肪アルコールであり、好ましくはエチレンオキシド(EO)ユニットおよびプロピレンオキシド(PO)ユニットを有する別形であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記脂肪アルコール誘導体が、1モルあたり2〜6EOユニットおよび10〜15POユニット、好ましくは4EOユニットおよび13POユニットを有することを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記脂肪アルコール誘導体が、EOユニットおよびPOユニットをランダム化する、またはブロックとしておよび好ましくはブロック配列に含み、特にアルコール−EO−POの順序であることを特徴とする請求項5または6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記脂肪アルコールアルコキシレートがR末端化されていてよく、好ましくはRはC1〜C6−アルキルであり、および/またはH末端化されて、封鎖されていなくてよく、および特にH末端化されて存在することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記成分b)がシリコーン油、好ましくはジアルキルポリシロキサンおよび特にジメチルポリシロキサンの群から選択される、少なくとも1種の代表物質であることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記成分c)が無機質の担体材料であり、好ましくは白亜、ドロマイト、貝殻石灰岩、ケイ酸および特に石灰粉および焼成ケイ酸の群ならびに任意のそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記担体材料c)が2〜300μmの平均粒径を、好ましくは2〜120μmおよび殊に好ましくは20〜50μmの平均粒径を有し、好ましくは二峰性の粒度分布にあることを特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
5〜300μmの平均粒径を有し、好ましくは10〜20μmの範囲に60〜80%の、および100〜120μmの範囲に20〜40%の二峰性粒度分布を有し、D50は50μmであることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
更なる成分として、セルロース繊維、崩壊剤または湿潤剤から選択される少なくとも1種の代表物質を含むことを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項に記載の組成物の製造方法において、a)それぞれ液体の前記成分a)およびb)を一つにまとめ、撹拌することでプリミックスを製造し、b)前記担体材料c)の乾燥成分を均質化し、最後に該液状のプリミックスを該担体材料c)(乾燥成分)に吹き付けることによって生成物が粉末として生じ、好ましくは最大1質量%の湿分を有する、前記製造方法。
【請求項15】
請求項1から13または14までのいずれか1項に記載の組成物を、ドライモルタル用途のための消泡剤として用いる使用。
【請求項16】
前記組成物を、ドライモルタル混合物の総組成物に対してそれぞれ、0.01〜1.0質量%、好ましくは0.03〜0.8質量%、および特に好ましくは0.05〜0.15[m1]質量%の計量供給量でドライモルタル混合物に添加することを特徴とする請求項15に記載の使用。
【請求項17】
セルフレベリング材、注入モルタル、硬セッコウフロースクリード、セメントスクリード、タイルセメント、目地グラウト材、しっくい、複合断熱系、外壁モルタルおよび微細コンクリート、ならびに地下石油および天然ガス鉱床の探査、採掘および仕上げ、特にセメント結合の応用分野における、請求項15または16のいずれか1項に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2013−510916(P2013−510916A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538293(P2012−538293)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066994
【国際公開番号】WO2011/057979
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(500487262)ビーエーエスエフ コンストラクション ポリマース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (6)
【氏名又は名称原語表記】BASF Construction Polymers GmbH
【Fターム(参考)】