粉砕機
【課題】粗砕刃用のリターンケース及びこれに付随する多くの部品を不要にできる簡易な構造の粉砕機を提供する。
【解決手段】ハウジングH内に設けた粗砕刃10及び回転刃20と、該ハウジングの一内側面に設けた固定刃30との協働によって粉砕し、下方に形成した排出口40から排出する粉砕機Aにおいて、上記ハウジングは、所定間隔をあけて配置された前、後壁2と、上記前、後壁の間に下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左、右の開閉扉4,5と、回転軸50には、複数の上記回転刃と、この回転刃に挟まれて間隔を空けて設置された上記粗砕刃とが設けられており、上記粗砕刃に対峙される上記左、右の開閉扉の内面には、上記粗砕刃を外装するリターンケース部60がそれぞれ一体形成されており、上記粗砕刃によって粗砕された被粉砕物の一部を、開閉扉のリターンケース部の一方の上端部から、他方の上端部まで誘導規制する構造とされている。
【解決手段】ハウジングH内に設けた粗砕刃10及び回転刃20と、該ハウジングの一内側面に設けた固定刃30との協働によって粉砕し、下方に形成した排出口40から排出する粉砕機Aにおいて、上記ハウジングは、所定間隔をあけて配置された前、後壁2と、上記前、後壁の間に下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左、右の開閉扉4,5と、回転軸50には、複数の上記回転刃と、この回転刃に挟まれて間隔を空けて設置された上記粗砕刃とが設けられており、上記粗砕刃に対峙される上記左、右の開閉扉の内面には、上記粗砕刃を外装するリターンケース部60がそれぞれ一体形成されており、上記粗砕刃によって粗砕された被粉砕物の一部を、開閉扉のリターンケース部の一方の上端部から、他方の上端部まで誘導規制する構造とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、熱可塑性合成樹脂製品の成形に伴って発生する副産物(スプル・ランナ等)である被粉砕物を粉砕して再利用を可能にする粉砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被粉砕物を収容するホッパーの下部にハウジングを連設し、前記ホッパーから落下される上記被粉砕物を、ハウジング内の回転軸外周に設けた回転刃と、この回転刃の適所に設置された2つの大きな粗砕刃と、これら回転刃及び粗砕刃と、ハウジングの片側壁内面に設けられた固定刃との協働によって粉砕し、その粉砕物をハウジングの下方に形成した排出口から排出してなる粉砕機があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このハウジングは、所定間隔をあけて配置された前、後壁と、これら前、後壁の所定間隔を維持するために架け渡されたタイロッド軸と、前、後壁の間に略密接して配置されると共に、下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左、右の開閉扉とから成り、この開閉扉の下端は、上記タイロッド軸で軸支されている。
【0004】
また、両支点軸の間は、そのまま排出口に通じているが、上記粗砕刃は、主に、大きな被粉砕物を粗砕するために設けられており、この粗砕刃で砕かれた被粉砕物は、そのまま排出されるのではなく、隣接された回転刃によって細かく粉砕したうえで、細かく粉砕された被粉砕物だけを排出口から排出するようにしている。
【0005】
そのため、両支点軸間に粗砕刃が外被されてしまうと、粗砕刃で粗砕したままの被粉砕物が排出口から排出されてしまうので、従来、この支点軸間の空間部分には、粗砕刃を被覆するための粗砕刃用のリターンケースが設けられていた。
【0006】
具体的には、左、右の開閉扉の内面下端に、上記粗砕刃用のリターンケースを嵌挿するガイド部を形成しておき、このガイド部に分割された粗砕刃用のリターンケースを、左、右から各々嵌挿して連接させ、これを一体化することで、粗砕刃の上方以外を全て被覆する。そして、この粗砕刃によって粗砕された被粉砕物は、このリターンケース及びガイド部を通じて上方に戻されると共に、隣接された回転刃へ自然に移送され、この回転刃によって細かく粉砕したうえで、排出口から排出されるのである。
【特許文献1】特開2004−105863号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の粉砕機では、前、後壁の所定間隔を一定に維持しておくための締付け調整等が必要であるが、開閉扉の支点軸は、これら前、後壁の所定間隔を維持するためのタイロッド軸に軸支されているため、このタイロッド軸の調整にズレが生じると、開閉扉内面に設けた固定刃と、回転刃或いは粗砕刃とが上手く噛み合わずに接合するおそれがあり、タイロッド軸の調整が微妙且つ困難であるという問題があった。
【0008】
一方、両支点軸の間が広い空間を保有しているので、その排出口から多くの粉砕物を排出できる点では好ましい。
【0009】
しかしながら、この両支点軸間の広い空間に、粗砕刃用のリターンケースを設けるためには、分割された粗砕刃用のリターンケースの他、この粗砕刃用のリターンケースの落下防止棒、偏心カムなどの多くの部品が必要であるうえ、構造が複雑であるという問題もあった。
【0010】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするもので、粗砕刃用のリターンケース及びこれに付随する多くの部品を不要にできる簡易な構造の粉砕機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、
請求項1に係る粉砕機は、被粉砕物を収容するホッパーの下部に連設されるハウジングを有し、該ホッパーから落下される被粉砕物を、上記ハウジング内に設けた粗砕刃及び回転刃と、該ハウジングの一内側面に設けた固定刃との協働によって粉砕し、その粉砕物を該ハウジングの下方に形成した排出口から排出する粉砕機において、上記ハウジングは、所定間隔をあけて配置された前、後壁と、上記前、後壁の間に略密接して配置されると共に、下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左、右の開閉扉と、上記前、後壁を貫通して前後方向に設けられた回転軸とを備え、上記回転軸には、複数の上記回転刃と、この回転刃に挟まれて間隔を空けて設置された上記粗砕刃とが設けられており、上記粗砕刃に対峙される上記左、右の開閉扉の内面には、上記粗砕刃を外装するリターンケース部がそれぞれ一体形成されており、これらリターンケース部は、上記左、右の開閉扉が閉扉された状態では、これらリターンケース部の下端部同士が接合されて、上記粗砕刃によって粗砕された被粉砕物の一部を、一方の開閉扉のリターンケース部の上端部から、他方の開閉扉のリターンケース部の上端部まで誘導規制する構造とされている。
【0012】
請求項2に係る粉砕機は、請求項1において、上記リターンケース部の上記下端部の上端角部には、面取りが形成されている。
【0013】
請求項3に係る粉砕機は、請求項2において、上記面取りされた上端角部には、上記粗砕刃側に向けて下る傾斜面が形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、次のような効果がある。
請求項1に係る粉砕機によれば、粗砕刃に対峙される左、右の開閉扉の内面には、粗砕刃を外装するリターンケース部を一体形成している為、従来のような粗砕用のリターンケース及びこれに付随する多くの部品を不要にして、その部品点数を減少できる。
【0015】
請求項2に係る粉砕機によれば、リターンケース部の上記下端部の上端の角部を面取りしているので、上記下端の支点を中心に開閉扉を開閉操作したとき、リターンケース部の上端角部が、回転刃に当接されることを確実に避け、開閉扉をより確実に開閉することができる。
【0016】
請求項3に係る粉砕機によれば、上記面取りされた上端角部に、上記粗砕刃側に向けて下る傾斜面を形成することによって、被粉砕物が溝部を通じてリターンケース部の外に飛び出すことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明に係る粉砕機Aの一実施例を示した概略全体斜視図、図2は、図1のホッパーPを開放し、ハウジングHを上方から見た閉扉状態の概略平面図、図3は、図2をX−X部分で切断した閉扉状態を示す概略断面図、図4は、支点軸と軸受部との連結部分を示す概略断面図、図5は、図1のホッパーPを開放し、ハウジングHを上方から見た開扉状態の概略平面図、図6は、図5をX−X部分で切断した開扉状態を示す概略断面図である。
【0019】
本発明の粉砕機Aは、被粉砕物(不図示、以下同様。)を収容するホッパーPの下部にハウジングHを連設し、ホッパーPから落下される被粉砕物を、ハウジングH内に設けた粗砕刃10及び回転刃20と、ハウジングHの片側壁内面に設けた固定刃30との協働によって粉砕し、その粉砕物(不図示、以下同様。)をハウジングHの下方に設けた排出口40から排出するものであり、ハウジングHの前壁1及び後壁2の両下端に架け渡されたタイロッド軸3とは異なる支点軸6によって、左、右の開閉扉4、5の軸受部7が軸支されていると共に、支点軸6は、タイロッド軸3よりも内側に設けられている。
【0020】
以下、各部材について、図1〜図6に基づき詳説する。
【0021】
ホッパーPは、上下に貫通された筺体であって、上方には被粉砕物を投入する投入口P1を形成している。もっとも、ホッパーPの形状は、図例のものに限定されることはなく、また投入口P1には、蓋(不図示)を設けても良い。
【0022】
ホッパーPの前方下端には、ハウジングHの前壁1の上端とを連結するようにして蝶番P2が備えられており、図中想像線で示すように、この蝶番P2を回転中心にして、ホッパーP全体を前方に倒すことにより、ハウジングHの上方を開放可能にしている。なお、ホッパーP下端には、ハウジングHとの連結をロック或いはアンロックするロック装置(図示略)を設け、ハウジングHの不用意な開放を防止している。
【0023】
ホッパーPの側壁には、透明な窓部P3を設けており、収容されている被粉砕物の状態を外部から容易に目視できるようにしている。
【0024】
このホッパーPの下部には、ハウジングHが連設されてなる。
【0025】
ハウジングHは、水平な枠板基台H1の前、後に、所定間隔をあけて前壁1及び後壁2を立設すると共に、これら前壁1及び後壁2の両下端には、これを貫通するタイロッド軸3を架け渡して連結している。
【0026】
このタイロッド軸3は、両端にネジ山が形成されており、前壁1及び後壁2の両下端を各々貫通したうえで、先端からナット31を締め付けて、前壁1及び後壁2との所定間隔を調整可能にしており、ナット31の外側から更にナット31’を螺合させた、所謂、二重ナット構造にして、調整後のナット31の緩みを防止している。
【0027】
このようにしてタイロッド軸3をナット31で締付け、前壁1及び後壁2の所定間隔を調整した後、これら前壁1及び後壁2と、枠板基台H1とを結合するボルト、ナットH2を締付けて、枠板基台H1上に所定間隔をあけた前壁1及び後壁2が固定されている。
もっとも、これら2本のタイロッド軸3だけでは、前壁1及び後壁2の上端側が撓み易いため、前壁1及び後壁2の少なくとも上端一側には、これら前壁1及び後壁2に架け渡された従来同様の補助アーム9をボルト(不図示)等で固着している。
【0028】
なお、補助アーム9は、前壁1及び後壁2の上端両側に設けても良く、前壁1及び後壁2の上端側の撓みを防止できるものであれば良い。
【0029】
前壁1及び後壁2の略中央には、前、後方向に水平に取り付けられた回転軸50が連通されており、この回転軸50に嵌挿させて複数の回転刃20が連設されると共に、これらの回転刃20に挟まれて2枚の粗砕刃10が間隔をあけて設置されている。
【0030】
すなわち、回転軸50の基端は、後壁2の略中央を貫通して、後壁2の後方に設置されたモーター部41に連結されており、当該モーター部41の回転駆動に伴って回転軸50が回転される。一方、回転軸50の先端は、前壁1の略中央を貫通して、前壁1の前方に設置された軸受体42に連結されている。この軸受体42は、ベアリング鋼球などを用いた周知の軸受構造を備えており、回転軸50の回転をスムーズに行うことができる。
【0031】
また、回転軸50の先端面中心には、例えば、角形の小さな凹部(不図示)を形成しても良く、このような凹部(不図示)を形成しておけば、これに六角レンチ等の工具一端を差し込んだうえで回転軸50の周方向に回転させれば、回転軸50を手動で回転させることができる。そのため、回転軸50先端に設置された軸受体42は、ネジ43等を用いて前壁1に対して着脱可能に取り付けておくことが望ましい。
【0032】
このような手動による回転軸4の回転操作は、特に粗砕刃10或いは回転刃20の交換作業の際に有効であり、例えば、粗砕刃10を新たなものと交換するには、古い粗砕刃10を回転軸50先端から引き抜く作業が必要となるが、このとき、粗砕刃10の停止位置によっては、左、右の開閉扉4、5内面に引っ掛かってしまい、これを引き抜けない場合もあるので、このようなときに、回転軸50を手動で回転させれば、これに応じて粗砕刃10も回転され、そのため、粗砕刃10の方向を所望の位置まで手動で変更することができ、粗砕刃10或いは回転刃20の交換作業などの際に有効である。
【0033】
上記のように形成された前壁1及び後壁2の間には、これらに略密接して配置されると共に、その下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左側の開閉扉4と、右側の開閉扉5とを設けてなる。
【0034】
具体的には、これら開閉扉4、5の下端には、タイロッド軸3とは異なる支点軸6によって前壁1及び後壁2に軸支される軸受部7を形成すると共に、支点軸6は、タイロッド軸3よりも内側に設けてなる。
【0035】
支点軸6は、前壁1及び後壁2に架け渡すことも可能であるが、この支点軸6は、開閉扉4、5を起倒させて開閉させるための専用軸であり、従来のようなタイロッド軸3としての機能を兼用する必要がない。そのため、本実施例では、前壁1及び後壁2に円柱状の支点軸6を内側に向けて突設させ、その支点軸6に枢着される軸受部7を開閉扉4、5の下端に各々形成している。
【0036】
ここで、軸受部7は、図4で示すように、開閉扉4、5の前、後端から、各々内側に向けて延ばされた延設片72、72に形成している。
このような延設片72を形成し、この延設片72に軸受部7を設けることによって、支点軸6をタイロッド軸3の内側に設けると共に、左、右の開閉扉4、5によって形成される排出口40の大きさを、従来同様に広く保持することができる。
【0037】
また、支点軸6は、前壁1及び後壁2に一体形成しても構わないが、本実施例では、支点軸6を別体形成し、これを前壁1及び後壁2の各々に設けた軸孔(不図示)に貫通させたうえで、その支点軸6を固着する構造にしている。
【0038】
より詳しく説明すれば、図2で示すように、支点軸6の外側端よりも略内側に、溝61を形成しておき、この溝61に板材62の一部を嵌合したうえで、そのはみ出した板材62部分に、ボルト、ビス等の止具63を貫通することで、板材62と前壁1或いは後壁2を固定して、別体形成された支点軸6を前壁1及び後壁2に各々固定する構造にしている。
【0039】
そのため、工具等で止具63を外して、板材62を抜けば、支点軸6を外側からでも抜き取ることが可能となり、前、後の支点軸6を抜き取れば、左、右の開閉扉4、5の一方又は両方をハウジングHから完全に取り外すことができる。
【0040】
このように左、右の開放扉4、5を完全に取り外すことにより、開放扉4、5の清掃は勿論、ハウジングHの側方が完全に開放されるため、ハウジングH内の清掃、メンテナンス作業も容易にできる。
【0041】
また、支点軸6は、タイロッド軸3とは縁切りされているため、タイロッド軸3の調整に影響されることがない。従って、開閉扉4内面に設けた固定刃30と、回転刃20或いは粗砕刃10との噛み合わせを気にすることなく、タイロッド軸3の調整が簡単に実行できる。
【0042】
更に、図3で示すように、支点軸6は、タイロッド軸3よりも内側に設置している。
ここで、内側に設置するとは、換言すれば、回転軸50に近づけるように設置することを意味するが、このように、支点軸6をタイロッド軸3の内側に各々設けることによって、例えば、左、右の開閉扉4、5の内面に粗砕刃10を被覆するようなリターンケース部60を一体形成して延設しても、このリターンケース部60の内縁60’と、支点軸6との回転半径を、タイロッド軸3に比べて、短くすることができ、そのため、左、右の開閉扉4、5を開放しても、リターンケース部60の内縁60’が、粗砕刃10に隣設された回転刃20に当接することがなく、開閉扉4、5の開閉操作を可能にしている。
【0043】
このリターンケース部60の機能は、従来同様であり、粗砕刃10で分断された被粉砕物の一部が、この粗砕刃10に押されながら一方のリターンケース部60上端から、他方のリターンケース部60上端までを半周回し、このリターンケース部60の誘導規制が無くなったところで、上記被粉砕物の一部は飛出し、粗砕刃10に隣設された複数の回転刃20に移動して、これら回転刃20によって細かく粉砕されたうえで排出するのである。
【0044】
そのため、左、右の開閉扉4、5に各々設けられたリターンケース部60、60は、図3に示すように、左、右の開閉扉4、5を閉扉したときには、2つのリターンケース部60、60が、ハウジングHの左右方向の中心位置で接合されて一体化する構造にしている。
【0045】
また、本実施例では、2つのリターンケース部60、60の接合面上端は、その角部を面取りしており、リターンケース部60、60同士が接合されたときに切込み溝8を形成するようにしている。
【0046】
このように、リターンケース部60の接合面上端の角部を面取りすることで、支点軸6を中心に開閉扉4、5を開閉操作する際、リターンケース部60の上端角部が、回転刃20に当接されることを確実に避けながら確実に開閉操作することができる。
【0047】
もっとも、この角部の面取りをしておけば、上記効果を得ることができる反面、その切込み溝8からリターンケース部60内を周回中の被粉砕物が漏出する恐れもある。そのため、本実施例の切込み溝8は、図3の破線で囲まれた拡大概略図に示すように、リターンケース部60の接合面に向けて狭められ、且つ、粗砕刃10側に向けて下る傾斜面81(斜線にて表示)を形成している。この傾斜面81は、上記拡大図の上図に示すように、左、右のリターンケース部60の各々に対称な傾斜面81を形成するか、又は、上記拡大図の下図に示すように、一方のリターンケース部60だけに形成しても良い。この一方のリターンケース部60だけに形成する場合には、図中矢印で示す粗砕刃10の進行方向に向けて傾斜面81の傾斜面積が次第に小さくなる側のリターンケース部60だけに形成することができる。
【0048】
このような傾斜面81を形成すれば、リターンケース部60の回転に伴って押し出されてきた周回中の被粉砕物が、この傾斜面81によって内側へと誘導されるので、その被粉砕物が切込み溝8からリターンケース部60の外に飛び出ることを防止できる。
【0049】
上記のように構成した本発明の粉砕機Aは、以下の要領で使用する。
【0050】
先ず、ハウジングHの開閉扉4、5を閉扉状態にすると共に、このハウジングH上にホッパーPを連設した状態にして、ホッパーPの投入口P1から粉砕される被粉砕物を投入する。なお、開閉扉4、5の閉扉状態を保持するため、ロック装置(図示略)でロックしておくことは従来同様である。
【0051】
そして、所望量の被粉砕物がホッパーP内に貯留した後、モーター部41を駆動すれば、ハウジングH内の回転軸50が回転され、これに連動して、粗砕刃10及び回転刃20も回転する。
【0052】
この回転に伴い、回転刃20上に充満されている被粉砕物は、回転刃20と固定刃30によって一定の大きさに粉砕され、その粉砕された粉砕物は、回転刃20下方の排出口40から落下される。また、被粉砕物は、粗砕刃10によっても分断され、回転刃20を補助し、その分断された被粉砕物も、回転刃20と固定刃30によって一定の大きさに粉砕されたうえで、排出口40から落下される。
【0053】
そして、粉砕された粉砕物は、排出口40に連通された排出ノズル40’を通じて、粉砕機A外に排出されるのである。
【0054】
このようにして粉砕作業を行い、その作業終了後等には、ハウジングH内の粗砕刃10、回転刃20或いは固定刃30などに粉砕物が残存しているため、その清掃作業或いはメンテナンス作業を行う。
【0055】
この清掃作業等では、上記ロック装置(図示略)をアンロックにして、ホッパーPを倒すだけでハウジングHの上方が開放され、ホッパーP或いはハウジングH上面を簡単に清掃等を行うことができる(図1〜図3、参照。)。
【0056】
また、ハウジングH内の清掃作業等を行う場合であれば、左、右の開閉扉4、5の上方に設けた球形ハンドルを把持して、これを外方向に引っ張るだけで、左、右の開閉扉4、5が支点軸6を回転中心にして外側に倒れて、ハウジングHの側方が開放され、粗砕刃10、回転刃20、固定刃30或いはケーシング部60等に残留している細かな粉砕物を簡単に清掃等を行うことができる(図5、図6、参照。)。
【0057】
更に、固定刃30の交換する場合などには、上記の通り、工具等で止具63を外して前、後の支点軸6を抜き取れば、左、右の開閉扉4、5の一方又は両方をハウジングHから完全に取り外すことができるため、固定刃30或いは開閉扉4、5のメンテナンス作業等を容易に行うこともできるのである。
【実施例2】
【0058】
図7は、本発明に係る粉砕機Aの他の実施例を示した閉扉状態の概略断面図、図8は、図7の開扉状態を示す概略断面図、図9は、図8から開閉扉を取り外した状態を示す概略断面図である。
【0059】
ここでは、本実施例の特徴についてのみ説明し、図1〜図6と共通する部位には、共通の番号を付し、その説明は省略する。
【0060】
図7〜図9に示す粉砕機Aでは、左、右の開閉扉4、5の下端に形成された軸受部7は、支点軸6に抜き差し可能な切欠部71を形成したことに特徴がある。
【0061】
この支点軸6に抜き差し可能とは、軸受部7を支点軸6の軸方向に抜き差しするのではなく、図例のように、支点軸6の直径方向に向けて抜き差し可能であることを意味する。
【0062】
すなわち、上記の通り、例えば、固定刃30の交換する場合などには、左、右の開閉扉4、5の一方又は両方をハウジングHから完全に取り外すことを望まれるが、本実施例では、軸受部7に切欠部71を形成しているので、支点軸6が固定されたままであっても、簡単に左、右の開閉扉4、5をハウジングHから取り外すことができる。
【0063】
また、左、右の開閉扉4、5は、図7、図8に示すように、実施例1と同様に開閉動作を行うことができるうえ、その開閉扉4、5の取り外し作業については、図9に示すように、開閉扉4、5を持って、これを図中矢印で示す方向に引き抜くだけで、より簡単に開閉扉4、5をハウジングHから完全に取り外すことができるのである。
【0064】
なお、この軸受部7に切欠部71を形成した発明は、実施例1のもの以外にも利用することが可能であって、例えば、従来の粉砕機における開閉扉に用いることも可能である。
【実施例3】
【0065】
図10は、本発明に係る粉砕機Aの更に他の実施例を示した閉扉状態の概略断面図であり、図10(a)は、図6と同じ開扉状態を示す概略断面図であり、図10(b)は、図10(a)の粗砕刃を回転させた後の状態を示す概略断面図である。
【0066】
ここでは、本実施例の特徴についてのみ説明し、図1〜図6と共通する部位には、共通の番号を付し、その説明は省略する。
【0067】
この粉砕機Aでは、粗砕刃10は、2枚の刃部10a、10bを備えて成り、この2枚の刃部10a、10bは、回転軸50を中心にして非点対称な位置であって、且つ、2枚の刃部10a、10bの何れもが回転軸50の直径方向の中心軸よりも片側に配置されていることを特徴にしている。
【0068】
すなわち、本実施例の粗砕刃10は、2枚の刃部10a、10bを備え、これらの刃部10a、10bが、図例のように回転軸50を中心にして略逆L状に配置された状態に形成されており、換言すれば、左、右の開閉扉4、5を開放した状態のときに、図10(b)で示すように、粗砕刃10と開閉扉4、5とが、軸方向から見て重合しないように粗砕刃10を形成している。
【0069】
そのため、例えば、粗砕刃10或いは回転刃20の交換作業等の際において、粗砕刃10を掴むか又は上記の通り、回転軸50に工具などを用いて、この回転軸50自体を手動で回転操作して、例えば、図10(a)の位置にある粗砕刃10を、図中矢印の方向に移動させて図10(b)の位置になるように設定操作する。
【0070】
このような粗砕刃10を形成すれば、粗砕刃10を特定の位置に動かすだけで、粗砕刃10がリターンケース部60に当接することなく、そのまま引き抜くことができる。
【0071】
そのため、左、右の開閉扉4、5を一々取り外さなくても、粗砕刃10を回転軸50の軸方向先端に向けて引き抜くことができ、粗砕刃10或いは回転刃20の交換作業等を容易に行うことができる。
【0072】
なお、この粗砕刃10の形状を特定形状にした発明は、実施例1、2のもの以外にも利用することが可能であって、例えば、従来の粉砕機における粗砕刃として用いることも可能である。
【実施例4】
【0073】
図11は、図1〜図10で示した軸受部の他の実施例を示す閉扉状態の概略断面図である。
【0074】
ここでは、本実施例の特徴についてのみ説明し、図1〜図10と共通する部位には、共通の番号を付し、その説明は省略する。
【0075】
この実施例では、支点軸6を更にタイロッド軸3の内側に形成するために、延設片72を、開閉扉4、5の下端の内側に向けて形成し、その延設片72に軸受部7を形成したものを示している。
【0076】
このような軸受部7によれば、延設片72を左、右の開閉扉4、5の下端内側に形成するだけで、左、右の開閉扉4、5の位置を維持しながら支点軸6を更にタイロッド軸3の内側に設けることが容易にできる。
【0077】
なお、図4同様、この実施例でも排出口40の大きさを広く維持できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、スプル・ランナ等の被粉砕物を粉砕して再利用を可能にする粉砕機として有効に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る粉砕機Aの一実施例を示した概略全体斜視図である。
【図2】図1のホッパーPを開放し、ハウジングHを上方から見た閉扉状態の概略平面図である。
【図3】図2をX−X部分で切断した閉扉状態を示す概略断面図である。
【図4】支点軸と軸受部との連結部分を示す概略断面図である。
【図5】図1のホッパーPを開放し、ハウジングHを上方から見た開扉状態の概略平面図である。
【図6】図5をX−X部分で切断した開扉状態を示す概略断面図である。
【図7】本発明に係る粉砕機Aの他の実施例を示した閉扉状態の概略断面図である。
【図8】図7の開扉状態を示す概略断面図である。
【図9】図8から開閉扉を取り外した状態を示す概略断面図である。
【図10】本発明に係る粉砕機Aの更に他の実施例を示した閉扉状態の概略断面図であり、図10(a)は、図6と同じ開扉状態を示す概略断面図であり、図10(b)は、図10(a)の粗砕刃を回転させた後の状態を示す概略断面図である。
【図11】軸受部の他の実施例を示す閉扉状態の概略断面図である。
【符号の説明】
【0080】
A 粉砕機
P ホッパー
H ハウジング
1 前壁
2 後壁
3 タイロッド軸
4 (左側)開閉扉
5 (右側)開閉扉
6 支点軸
7 軸受部
71 切欠部
8 切込み溝
81 傾斜面
10 回転刃
10a、10b 刃部
20 粗砕刃
30 固定刃
40 排出口
50 回転軸
60 リターンケース部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、熱可塑性合成樹脂製品の成形に伴って発生する副産物(スプル・ランナ等)である被粉砕物を粉砕して再利用を可能にする粉砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被粉砕物を収容するホッパーの下部にハウジングを連設し、前記ホッパーから落下される上記被粉砕物を、ハウジング内の回転軸外周に設けた回転刃と、この回転刃の適所に設置された2つの大きな粗砕刃と、これら回転刃及び粗砕刃と、ハウジングの片側壁内面に設けられた固定刃との協働によって粉砕し、その粉砕物をハウジングの下方に形成した排出口から排出してなる粉砕機があった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このハウジングは、所定間隔をあけて配置された前、後壁と、これら前、後壁の所定間隔を維持するために架け渡されたタイロッド軸と、前、後壁の間に略密接して配置されると共に、下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左、右の開閉扉とから成り、この開閉扉の下端は、上記タイロッド軸で軸支されている。
【0004】
また、両支点軸の間は、そのまま排出口に通じているが、上記粗砕刃は、主に、大きな被粉砕物を粗砕するために設けられており、この粗砕刃で砕かれた被粉砕物は、そのまま排出されるのではなく、隣接された回転刃によって細かく粉砕したうえで、細かく粉砕された被粉砕物だけを排出口から排出するようにしている。
【0005】
そのため、両支点軸間に粗砕刃が外被されてしまうと、粗砕刃で粗砕したままの被粉砕物が排出口から排出されてしまうので、従来、この支点軸間の空間部分には、粗砕刃を被覆するための粗砕刃用のリターンケースが設けられていた。
【0006】
具体的には、左、右の開閉扉の内面下端に、上記粗砕刃用のリターンケースを嵌挿するガイド部を形成しておき、このガイド部に分割された粗砕刃用のリターンケースを、左、右から各々嵌挿して連接させ、これを一体化することで、粗砕刃の上方以外を全て被覆する。そして、この粗砕刃によって粗砕された被粉砕物は、このリターンケース及びガイド部を通じて上方に戻されると共に、隣接された回転刃へ自然に移送され、この回転刃によって細かく粉砕したうえで、排出口から排出されるのである。
【特許文献1】特開2004−105863号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の粉砕機では、前、後壁の所定間隔を一定に維持しておくための締付け調整等が必要であるが、開閉扉の支点軸は、これら前、後壁の所定間隔を維持するためのタイロッド軸に軸支されているため、このタイロッド軸の調整にズレが生じると、開閉扉内面に設けた固定刃と、回転刃或いは粗砕刃とが上手く噛み合わずに接合するおそれがあり、タイロッド軸の調整が微妙且つ困難であるという問題があった。
【0008】
一方、両支点軸の間が広い空間を保有しているので、その排出口から多くの粉砕物を排出できる点では好ましい。
【0009】
しかしながら、この両支点軸間の広い空間に、粗砕刃用のリターンケースを設けるためには、分割された粗砕刃用のリターンケースの他、この粗砕刃用のリターンケースの落下防止棒、偏心カムなどの多くの部品が必要であるうえ、構造が複雑であるという問題もあった。
【0010】
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするもので、粗砕刃用のリターンケース及びこれに付随する多くの部品を不要にできる簡易な構造の粉砕機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、
請求項1に係る粉砕機は、被粉砕物を収容するホッパーの下部に連設されるハウジングを有し、該ホッパーから落下される被粉砕物を、上記ハウジング内に設けた粗砕刃及び回転刃と、該ハウジングの一内側面に設けた固定刃との協働によって粉砕し、その粉砕物を該ハウジングの下方に形成した排出口から排出する粉砕機において、上記ハウジングは、所定間隔をあけて配置された前、後壁と、上記前、後壁の間に略密接して配置されると共に、下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左、右の開閉扉と、上記前、後壁を貫通して前後方向に設けられた回転軸とを備え、上記回転軸には、複数の上記回転刃と、この回転刃に挟まれて間隔を空けて設置された上記粗砕刃とが設けられており、上記粗砕刃に対峙される上記左、右の開閉扉の内面には、上記粗砕刃を外装するリターンケース部がそれぞれ一体形成されており、これらリターンケース部は、上記左、右の開閉扉が閉扉された状態では、これらリターンケース部の下端部同士が接合されて、上記粗砕刃によって粗砕された被粉砕物の一部を、一方の開閉扉のリターンケース部の上端部から、他方の開閉扉のリターンケース部の上端部まで誘導規制する構造とされている。
【0012】
請求項2に係る粉砕機は、請求項1において、上記リターンケース部の上記下端部の上端角部には、面取りが形成されている。
【0013】
請求項3に係る粉砕機は、請求項2において、上記面取りされた上端角部には、上記粗砕刃側に向けて下る傾斜面が形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、次のような効果がある。
請求項1に係る粉砕機によれば、粗砕刃に対峙される左、右の開閉扉の内面には、粗砕刃を外装するリターンケース部を一体形成している為、従来のような粗砕用のリターンケース及びこれに付随する多くの部品を不要にして、その部品点数を減少できる。
【0015】
請求項2に係る粉砕機によれば、リターンケース部の上記下端部の上端の角部を面取りしているので、上記下端の支点を中心に開閉扉を開閉操作したとき、リターンケース部の上端角部が、回転刃に当接されることを確実に避け、開閉扉をより確実に開閉することができる。
【0016】
請求項3に係る粉砕機によれば、上記面取りされた上端角部に、上記粗砕刃側に向けて下る傾斜面を形成することによって、被粉砕物が溝部を通じてリターンケース部の外に飛び出すことを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明に係る粉砕機Aの一実施例を示した概略全体斜視図、図2は、図1のホッパーPを開放し、ハウジングHを上方から見た閉扉状態の概略平面図、図3は、図2をX−X部分で切断した閉扉状態を示す概略断面図、図4は、支点軸と軸受部との連結部分を示す概略断面図、図5は、図1のホッパーPを開放し、ハウジングHを上方から見た開扉状態の概略平面図、図6は、図5をX−X部分で切断した開扉状態を示す概略断面図である。
【0019】
本発明の粉砕機Aは、被粉砕物(不図示、以下同様。)を収容するホッパーPの下部にハウジングHを連設し、ホッパーPから落下される被粉砕物を、ハウジングH内に設けた粗砕刃10及び回転刃20と、ハウジングHの片側壁内面に設けた固定刃30との協働によって粉砕し、その粉砕物(不図示、以下同様。)をハウジングHの下方に設けた排出口40から排出するものであり、ハウジングHの前壁1及び後壁2の両下端に架け渡されたタイロッド軸3とは異なる支点軸6によって、左、右の開閉扉4、5の軸受部7が軸支されていると共に、支点軸6は、タイロッド軸3よりも内側に設けられている。
【0020】
以下、各部材について、図1〜図6に基づき詳説する。
【0021】
ホッパーPは、上下に貫通された筺体であって、上方には被粉砕物を投入する投入口P1を形成している。もっとも、ホッパーPの形状は、図例のものに限定されることはなく、また投入口P1には、蓋(不図示)を設けても良い。
【0022】
ホッパーPの前方下端には、ハウジングHの前壁1の上端とを連結するようにして蝶番P2が備えられており、図中想像線で示すように、この蝶番P2を回転中心にして、ホッパーP全体を前方に倒すことにより、ハウジングHの上方を開放可能にしている。なお、ホッパーP下端には、ハウジングHとの連結をロック或いはアンロックするロック装置(図示略)を設け、ハウジングHの不用意な開放を防止している。
【0023】
ホッパーPの側壁には、透明な窓部P3を設けており、収容されている被粉砕物の状態を外部から容易に目視できるようにしている。
【0024】
このホッパーPの下部には、ハウジングHが連設されてなる。
【0025】
ハウジングHは、水平な枠板基台H1の前、後に、所定間隔をあけて前壁1及び後壁2を立設すると共に、これら前壁1及び後壁2の両下端には、これを貫通するタイロッド軸3を架け渡して連結している。
【0026】
このタイロッド軸3は、両端にネジ山が形成されており、前壁1及び後壁2の両下端を各々貫通したうえで、先端からナット31を締め付けて、前壁1及び後壁2との所定間隔を調整可能にしており、ナット31の外側から更にナット31’を螺合させた、所謂、二重ナット構造にして、調整後のナット31の緩みを防止している。
【0027】
このようにしてタイロッド軸3をナット31で締付け、前壁1及び後壁2の所定間隔を調整した後、これら前壁1及び後壁2と、枠板基台H1とを結合するボルト、ナットH2を締付けて、枠板基台H1上に所定間隔をあけた前壁1及び後壁2が固定されている。
もっとも、これら2本のタイロッド軸3だけでは、前壁1及び後壁2の上端側が撓み易いため、前壁1及び後壁2の少なくとも上端一側には、これら前壁1及び後壁2に架け渡された従来同様の補助アーム9をボルト(不図示)等で固着している。
【0028】
なお、補助アーム9は、前壁1及び後壁2の上端両側に設けても良く、前壁1及び後壁2の上端側の撓みを防止できるものであれば良い。
【0029】
前壁1及び後壁2の略中央には、前、後方向に水平に取り付けられた回転軸50が連通されており、この回転軸50に嵌挿させて複数の回転刃20が連設されると共に、これらの回転刃20に挟まれて2枚の粗砕刃10が間隔をあけて設置されている。
【0030】
すなわち、回転軸50の基端は、後壁2の略中央を貫通して、後壁2の後方に設置されたモーター部41に連結されており、当該モーター部41の回転駆動に伴って回転軸50が回転される。一方、回転軸50の先端は、前壁1の略中央を貫通して、前壁1の前方に設置された軸受体42に連結されている。この軸受体42は、ベアリング鋼球などを用いた周知の軸受構造を備えており、回転軸50の回転をスムーズに行うことができる。
【0031】
また、回転軸50の先端面中心には、例えば、角形の小さな凹部(不図示)を形成しても良く、このような凹部(不図示)を形成しておけば、これに六角レンチ等の工具一端を差し込んだうえで回転軸50の周方向に回転させれば、回転軸50を手動で回転させることができる。そのため、回転軸50先端に設置された軸受体42は、ネジ43等を用いて前壁1に対して着脱可能に取り付けておくことが望ましい。
【0032】
このような手動による回転軸4の回転操作は、特に粗砕刃10或いは回転刃20の交換作業の際に有効であり、例えば、粗砕刃10を新たなものと交換するには、古い粗砕刃10を回転軸50先端から引き抜く作業が必要となるが、このとき、粗砕刃10の停止位置によっては、左、右の開閉扉4、5内面に引っ掛かってしまい、これを引き抜けない場合もあるので、このようなときに、回転軸50を手動で回転させれば、これに応じて粗砕刃10も回転され、そのため、粗砕刃10の方向を所望の位置まで手動で変更することができ、粗砕刃10或いは回転刃20の交換作業などの際に有効である。
【0033】
上記のように形成された前壁1及び後壁2の間には、これらに略密接して配置されると共に、その下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左側の開閉扉4と、右側の開閉扉5とを設けてなる。
【0034】
具体的には、これら開閉扉4、5の下端には、タイロッド軸3とは異なる支点軸6によって前壁1及び後壁2に軸支される軸受部7を形成すると共に、支点軸6は、タイロッド軸3よりも内側に設けてなる。
【0035】
支点軸6は、前壁1及び後壁2に架け渡すことも可能であるが、この支点軸6は、開閉扉4、5を起倒させて開閉させるための専用軸であり、従来のようなタイロッド軸3としての機能を兼用する必要がない。そのため、本実施例では、前壁1及び後壁2に円柱状の支点軸6を内側に向けて突設させ、その支点軸6に枢着される軸受部7を開閉扉4、5の下端に各々形成している。
【0036】
ここで、軸受部7は、図4で示すように、開閉扉4、5の前、後端から、各々内側に向けて延ばされた延設片72、72に形成している。
このような延設片72を形成し、この延設片72に軸受部7を設けることによって、支点軸6をタイロッド軸3の内側に設けると共に、左、右の開閉扉4、5によって形成される排出口40の大きさを、従来同様に広く保持することができる。
【0037】
また、支点軸6は、前壁1及び後壁2に一体形成しても構わないが、本実施例では、支点軸6を別体形成し、これを前壁1及び後壁2の各々に設けた軸孔(不図示)に貫通させたうえで、その支点軸6を固着する構造にしている。
【0038】
より詳しく説明すれば、図2で示すように、支点軸6の外側端よりも略内側に、溝61を形成しておき、この溝61に板材62の一部を嵌合したうえで、そのはみ出した板材62部分に、ボルト、ビス等の止具63を貫通することで、板材62と前壁1或いは後壁2を固定して、別体形成された支点軸6を前壁1及び後壁2に各々固定する構造にしている。
【0039】
そのため、工具等で止具63を外して、板材62を抜けば、支点軸6を外側からでも抜き取ることが可能となり、前、後の支点軸6を抜き取れば、左、右の開閉扉4、5の一方又は両方をハウジングHから完全に取り外すことができる。
【0040】
このように左、右の開放扉4、5を完全に取り外すことにより、開放扉4、5の清掃は勿論、ハウジングHの側方が完全に開放されるため、ハウジングH内の清掃、メンテナンス作業も容易にできる。
【0041】
また、支点軸6は、タイロッド軸3とは縁切りされているため、タイロッド軸3の調整に影響されることがない。従って、開閉扉4内面に設けた固定刃30と、回転刃20或いは粗砕刃10との噛み合わせを気にすることなく、タイロッド軸3の調整が簡単に実行できる。
【0042】
更に、図3で示すように、支点軸6は、タイロッド軸3よりも内側に設置している。
ここで、内側に設置するとは、換言すれば、回転軸50に近づけるように設置することを意味するが、このように、支点軸6をタイロッド軸3の内側に各々設けることによって、例えば、左、右の開閉扉4、5の内面に粗砕刃10を被覆するようなリターンケース部60を一体形成して延設しても、このリターンケース部60の内縁60’と、支点軸6との回転半径を、タイロッド軸3に比べて、短くすることができ、そのため、左、右の開閉扉4、5を開放しても、リターンケース部60の内縁60’が、粗砕刃10に隣設された回転刃20に当接することがなく、開閉扉4、5の開閉操作を可能にしている。
【0043】
このリターンケース部60の機能は、従来同様であり、粗砕刃10で分断された被粉砕物の一部が、この粗砕刃10に押されながら一方のリターンケース部60上端から、他方のリターンケース部60上端までを半周回し、このリターンケース部60の誘導規制が無くなったところで、上記被粉砕物の一部は飛出し、粗砕刃10に隣設された複数の回転刃20に移動して、これら回転刃20によって細かく粉砕されたうえで排出するのである。
【0044】
そのため、左、右の開閉扉4、5に各々設けられたリターンケース部60、60は、図3に示すように、左、右の開閉扉4、5を閉扉したときには、2つのリターンケース部60、60が、ハウジングHの左右方向の中心位置で接合されて一体化する構造にしている。
【0045】
また、本実施例では、2つのリターンケース部60、60の接合面上端は、その角部を面取りしており、リターンケース部60、60同士が接合されたときに切込み溝8を形成するようにしている。
【0046】
このように、リターンケース部60の接合面上端の角部を面取りすることで、支点軸6を中心に開閉扉4、5を開閉操作する際、リターンケース部60の上端角部が、回転刃20に当接されることを確実に避けながら確実に開閉操作することができる。
【0047】
もっとも、この角部の面取りをしておけば、上記効果を得ることができる反面、その切込み溝8からリターンケース部60内を周回中の被粉砕物が漏出する恐れもある。そのため、本実施例の切込み溝8は、図3の破線で囲まれた拡大概略図に示すように、リターンケース部60の接合面に向けて狭められ、且つ、粗砕刃10側に向けて下る傾斜面81(斜線にて表示)を形成している。この傾斜面81は、上記拡大図の上図に示すように、左、右のリターンケース部60の各々に対称な傾斜面81を形成するか、又は、上記拡大図の下図に示すように、一方のリターンケース部60だけに形成しても良い。この一方のリターンケース部60だけに形成する場合には、図中矢印で示す粗砕刃10の進行方向に向けて傾斜面81の傾斜面積が次第に小さくなる側のリターンケース部60だけに形成することができる。
【0048】
このような傾斜面81を形成すれば、リターンケース部60の回転に伴って押し出されてきた周回中の被粉砕物が、この傾斜面81によって内側へと誘導されるので、その被粉砕物が切込み溝8からリターンケース部60の外に飛び出ることを防止できる。
【0049】
上記のように構成した本発明の粉砕機Aは、以下の要領で使用する。
【0050】
先ず、ハウジングHの開閉扉4、5を閉扉状態にすると共に、このハウジングH上にホッパーPを連設した状態にして、ホッパーPの投入口P1から粉砕される被粉砕物を投入する。なお、開閉扉4、5の閉扉状態を保持するため、ロック装置(図示略)でロックしておくことは従来同様である。
【0051】
そして、所望量の被粉砕物がホッパーP内に貯留した後、モーター部41を駆動すれば、ハウジングH内の回転軸50が回転され、これに連動して、粗砕刃10及び回転刃20も回転する。
【0052】
この回転に伴い、回転刃20上に充満されている被粉砕物は、回転刃20と固定刃30によって一定の大きさに粉砕され、その粉砕された粉砕物は、回転刃20下方の排出口40から落下される。また、被粉砕物は、粗砕刃10によっても分断され、回転刃20を補助し、その分断された被粉砕物も、回転刃20と固定刃30によって一定の大きさに粉砕されたうえで、排出口40から落下される。
【0053】
そして、粉砕された粉砕物は、排出口40に連通された排出ノズル40’を通じて、粉砕機A外に排出されるのである。
【0054】
このようにして粉砕作業を行い、その作業終了後等には、ハウジングH内の粗砕刃10、回転刃20或いは固定刃30などに粉砕物が残存しているため、その清掃作業或いはメンテナンス作業を行う。
【0055】
この清掃作業等では、上記ロック装置(図示略)をアンロックにして、ホッパーPを倒すだけでハウジングHの上方が開放され、ホッパーP或いはハウジングH上面を簡単に清掃等を行うことができる(図1〜図3、参照。)。
【0056】
また、ハウジングH内の清掃作業等を行う場合であれば、左、右の開閉扉4、5の上方に設けた球形ハンドルを把持して、これを外方向に引っ張るだけで、左、右の開閉扉4、5が支点軸6を回転中心にして外側に倒れて、ハウジングHの側方が開放され、粗砕刃10、回転刃20、固定刃30或いはケーシング部60等に残留している細かな粉砕物を簡単に清掃等を行うことができる(図5、図6、参照。)。
【0057】
更に、固定刃30の交換する場合などには、上記の通り、工具等で止具63を外して前、後の支点軸6を抜き取れば、左、右の開閉扉4、5の一方又は両方をハウジングHから完全に取り外すことができるため、固定刃30或いは開閉扉4、5のメンテナンス作業等を容易に行うこともできるのである。
【実施例2】
【0058】
図7は、本発明に係る粉砕機Aの他の実施例を示した閉扉状態の概略断面図、図8は、図7の開扉状態を示す概略断面図、図9は、図8から開閉扉を取り外した状態を示す概略断面図である。
【0059】
ここでは、本実施例の特徴についてのみ説明し、図1〜図6と共通する部位には、共通の番号を付し、その説明は省略する。
【0060】
図7〜図9に示す粉砕機Aでは、左、右の開閉扉4、5の下端に形成された軸受部7は、支点軸6に抜き差し可能な切欠部71を形成したことに特徴がある。
【0061】
この支点軸6に抜き差し可能とは、軸受部7を支点軸6の軸方向に抜き差しするのではなく、図例のように、支点軸6の直径方向に向けて抜き差し可能であることを意味する。
【0062】
すなわち、上記の通り、例えば、固定刃30の交換する場合などには、左、右の開閉扉4、5の一方又は両方をハウジングHから完全に取り外すことを望まれるが、本実施例では、軸受部7に切欠部71を形成しているので、支点軸6が固定されたままであっても、簡単に左、右の開閉扉4、5をハウジングHから取り外すことができる。
【0063】
また、左、右の開閉扉4、5は、図7、図8に示すように、実施例1と同様に開閉動作を行うことができるうえ、その開閉扉4、5の取り外し作業については、図9に示すように、開閉扉4、5を持って、これを図中矢印で示す方向に引き抜くだけで、より簡単に開閉扉4、5をハウジングHから完全に取り外すことができるのである。
【0064】
なお、この軸受部7に切欠部71を形成した発明は、実施例1のもの以外にも利用することが可能であって、例えば、従来の粉砕機における開閉扉に用いることも可能である。
【実施例3】
【0065】
図10は、本発明に係る粉砕機Aの更に他の実施例を示した閉扉状態の概略断面図であり、図10(a)は、図6と同じ開扉状態を示す概略断面図であり、図10(b)は、図10(a)の粗砕刃を回転させた後の状態を示す概略断面図である。
【0066】
ここでは、本実施例の特徴についてのみ説明し、図1〜図6と共通する部位には、共通の番号を付し、その説明は省略する。
【0067】
この粉砕機Aでは、粗砕刃10は、2枚の刃部10a、10bを備えて成り、この2枚の刃部10a、10bは、回転軸50を中心にして非点対称な位置であって、且つ、2枚の刃部10a、10bの何れもが回転軸50の直径方向の中心軸よりも片側に配置されていることを特徴にしている。
【0068】
すなわち、本実施例の粗砕刃10は、2枚の刃部10a、10bを備え、これらの刃部10a、10bが、図例のように回転軸50を中心にして略逆L状に配置された状態に形成されており、換言すれば、左、右の開閉扉4、5を開放した状態のときに、図10(b)で示すように、粗砕刃10と開閉扉4、5とが、軸方向から見て重合しないように粗砕刃10を形成している。
【0069】
そのため、例えば、粗砕刃10或いは回転刃20の交換作業等の際において、粗砕刃10を掴むか又は上記の通り、回転軸50に工具などを用いて、この回転軸50自体を手動で回転操作して、例えば、図10(a)の位置にある粗砕刃10を、図中矢印の方向に移動させて図10(b)の位置になるように設定操作する。
【0070】
このような粗砕刃10を形成すれば、粗砕刃10を特定の位置に動かすだけで、粗砕刃10がリターンケース部60に当接することなく、そのまま引き抜くことができる。
【0071】
そのため、左、右の開閉扉4、5を一々取り外さなくても、粗砕刃10を回転軸50の軸方向先端に向けて引き抜くことができ、粗砕刃10或いは回転刃20の交換作業等を容易に行うことができる。
【0072】
なお、この粗砕刃10の形状を特定形状にした発明は、実施例1、2のもの以外にも利用することが可能であって、例えば、従来の粉砕機における粗砕刃として用いることも可能である。
【実施例4】
【0073】
図11は、図1〜図10で示した軸受部の他の実施例を示す閉扉状態の概略断面図である。
【0074】
ここでは、本実施例の特徴についてのみ説明し、図1〜図10と共通する部位には、共通の番号を付し、その説明は省略する。
【0075】
この実施例では、支点軸6を更にタイロッド軸3の内側に形成するために、延設片72を、開閉扉4、5の下端の内側に向けて形成し、その延設片72に軸受部7を形成したものを示している。
【0076】
このような軸受部7によれば、延設片72を左、右の開閉扉4、5の下端内側に形成するだけで、左、右の開閉扉4、5の位置を維持しながら支点軸6を更にタイロッド軸3の内側に設けることが容易にできる。
【0077】
なお、図4同様、この実施例でも排出口40の大きさを広く維持できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、スプル・ランナ等の被粉砕物を粉砕して再利用を可能にする粉砕機として有効に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る粉砕機Aの一実施例を示した概略全体斜視図である。
【図2】図1のホッパーPを開放し、ハウジングHを上方から見た閉扉状態の概略平面図である。
【図3】図2をX−X部分で切断した閉扉状態を示す概略断面図である。
【図4】支点軸と軸受部との連結部分を示す概略断面図である。
【図5】図1のホッパーPを開放し、ハウジングHを上方から見た開扉状態の概略平面図である。
【図6】図5をX−X部分で切断した開扉状態を示す概略断面図である。
【図7】本発明に係る粉砕機Aの他の実施例を示した閉扉状態の概略断面図である。
【図8】図7の開扉状態を示す概略断面図である。
【図9】図8から開閉扉を取り外した状態を示す概略断面図である。
【図10】本発明に係る粉砕機Aの更に他の実施例を示した閉扉状態の概略断面図であり、図10(a)は、図6と同じ開扉状態を示す概略断面図であり、図10(b)は、図10(a)の粗砕刃を回転させた後の状態を示す概略断面図である。
【図11】軸受部の他の実施例を示す閉扉状態の概略断面図である。
【符号の説明】
【0080】
A 粉砕機
P ホッパー
H ハウジング
1 前壁
2 後壁
3 タイロッド軸
4 (左側)開閉扉
5 (右側)開閉扉
6 支点軸
7 軸受部
71 切欠部
8 切込み溝
81 傾斜面
10 回転刃
10a、10b 刃部
20 粗砕刃
30 固定刃
40 排出口
50 回転軸
60 リターンケース部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被粉砕物を収容するホッパーの下部に連設されるハウジングを有し、該ホッパーから落下される被粉砕物を、上記ハウジング内に設けた粗砕刃及び回転刃と、該ハウジングの一内側面に設けた固定刃との協働によって粉砕し、その粉砕物を該ハウジングの下方に形成した排出口から排出する粉砕機において、
上記ハウジングは、所定間隔をあけて配置された前、後壁と、上記前、後壁の間に略密接して配置されると共に、下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左、右の開閉扉と、上記前、後壁を貫通して前後方向に設けられた回転軸とを備え、
上記回転軸には、複数の上記回転刃と、この回転刃に挟まれて間隔を空けて設置された上記粗砕刃とが設けられており、
上記粗砕刃に対峙される上記左、右の開閉扉の内面には、上記粗砕刃を外装するリターンケース部がそれぞれ一体形成されており、これらリターンケース部は、上記左、右の開閉扉が閉扉された状態では、これらリターンケース部の下端部同士が接合されて、上記粗砕刃によって粗砕された被粉砕物の一部を、一方の開閉扉のリターンケース部の上端部から、他方の開閉扉のリターンケース部の上端部まで誘導規制する構造とされていることを特徴とする粉砕機。
【請求項2】
請求項1において、
上記リターンケース部の上記下端部の上端角部には、面取りが形成されていることを特徴とする粉砕機。
【請求項3】
請求項2において、
上記面取りされた上端角部には、上記粗砕刃側に向けて下る傾斜面が形成されていることを特徴とする粉砕機。
【請求項1】
被粉砕物を収容するホッパーの下部に連設されるハウジングを有し、該ホッパーから落下される被粉砕物を、上記ハウジング内に設けた粗砕刃及び回転刃と、該ハウジングの一内側面に設けた固定刃との協働によって粉砕し、その粉砕物を該ハウジングの下方に形成した排出口から排出する粉砕機において、
上記ハウジングは、所定間隔をあけて配置された前、後壁と、上記前、後壁の間に略密接して配置されると共に、下端を支点にして各々が外側に向けて起倒可能な左、右の開閉扉と、上記前、後壁を貫通して前後方向に設けられた回転軸とを備え、
上記回転軸には、複数の上記回転刃と、この回転刃に挟まれて間隔を空けて設置された上記粗砕刃とが設けられており、
上記粗砕刃に対峙される上記左、右の開閉扉の内面には、上記粗砕刃を外装するリターンケース部がそれぞれ一体形成されており、これらリターンケース部は、上記左、右の開閉扉が閉扉された状態では、これらリターンケース部の下端部同士が接合されて、上記粗砕刃によって粗砕された被粉砕物の一部を、一方の開閉扉のリターンケース部の上端部から、他方の開閉扉のリターンケース部の上端部まで誘導規制する構造とされていることを特徴とする粉砕機。
【請求項2】
請求項1において、
上記リターンケース部の上記下端部の上端角部には、面取りが形成されていることを特徴とする粉砕機。
【請求項3】
請求項2において、
上記面取りされた上端角部には、上記粗砕刃側に向けて下る傾斜面が形成されていることを特徴とする粉砕機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−72783(P2009−72783A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298522(P2008−298522)
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【分割の表示】特願2004−242311(P2004−242311)の分割
【原出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000146054)株式会社松井製作所 (70)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月21日(2008.11.21)
【分割の表示】特願2004−242311(P2004−242311)の分割
【原出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000146054)株式会社松井製作所 (70)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]