説明

粉粒体充填装置及び粉粒体の充填方法

【課題】粉粒体充填容器に対して高い効率で充填することができる粉粒体充填装置及び粉粒体の充填方法の提供。
【解決手段】粉粒体充填装置1の粉粒体充填部10は、粉粒体制限筒30とエアリング20とで構成されている。粉粒体制限筒30は内部に粉粒体82が流動可能であり、両端に開口部を有する筒状である。粉粒体制限筒30の開口部の一方は粉粒体82の放出口である粉粒体放出開口部36であり、他方は粉粒体貯蔵部80に接続されている。また、エアリング20は気体供給管40を介して高圧気体発生源70に接続している。粉粒体制限筒30の中心部を通る中心軸から遠い側のエアリング20の表面には気体を放出する気体放出口50が複数設けられている。そしてエアリング20は、粉粒体放出開口部36に対向する位置であり、かつ粉粒体放出開口部36から粉粒体82を落下させ堆積する場合に生じる粉粒体82の斜面の内側に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体を充填可能な容器に高密度に充填するための充填装置に関するものであり、特に、シーバルクコンテナを含む各種コンテナ、サイロなどの粉粒体充填容器や、荷台などへの粉粒体の充填効率を向上させるための充填装置及び充填方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、産業資源や生活物資などのさまざまな分野において、粒状または粉状の粒子(粉粒体)が用いられている。粉粒体の具体例としては、例えば合成樹脂粉粒体、合成樹脂ペレット、無機材料粉粒体、及び穀物等の粒状又は粉状の食料品などがある。粉粒体の輸送は、袋などの輸送容器に粉粒体を入れることによって行われる。これまでは、例えば粉粒体を20〜30kgずつ詰め込むことのできる紙袋、又は200〜1,000kgずつ詰め込むことのできる合成樹脂製のシートなどが輸送容器として用いられていた。
【0003】
上記のように粉粒体を袋詰めする方法では、詰められた粉粒体の量に応じて袋の形状が変形するため、袋の内部の隅々にまで粉粒体が行き渡り、所望する分量の粉粒体を袋詰めすることができる。袋に詰められた粉粒体は、列車、トラック、船、飛行機などの荷台に乗せて輸送されていた。
【0004】
しかしながら、上記のような輸送容器は使い捨てされることが多く、環境や経済的に無駄を生じていた。そのため、近年ではコンテナなどの粉粒体充填容器に上記粉粒体を直接積載し、上記粉粒体充填容器を列車、トラック、船、飛行機などに搭載して輸送されるようになりつつある。また、粉粒体用のタンクを備えたローリ車なども開発されている。即ち、粉粒体の輸送は袋詰めせずに直接粉粒体充填容器などに積載する方法が広く用いられるようになっている。
【0005】
しかしながら、粉粒体をコンテナなどの形状の固定された粉粒体充填容器に積載する場合には、粉粒体が容器の中に効率的に充填することが難しい。
【0006】
粉粒体を上記従来のように袋に詰めて輸送する場合には、上記のように袋が比較的変形し易いため、袋の中の隅々まで粉粒体を行き渡らせることができる。そのため、所望とする粉粒体の量を袋に詰めることができた。また袋詰めされた粉粒体は、例えば袋を積み上げるといった方法で荷台に積載することができるため、荷台の容積一杯に上記粉粒体を積載し、輸送することができた。
【0007】
一方、粉粒体充填容器に上記粉粒体を直接積載する方法では、粉粒体は粉粒体充填容器毎に1個又は数個設けられている積載口から粉粒体充填容器内部に積載される。図23の(a)は、3個の積載口を有する粉粒体充填容器690の積載口691から粉粒体682を積載した様子を示す斜視図であり、図23の(b)は(a)のAA’断面図である。上記粉粒体充填容器690は、例えば2.5m×2.4m×5.9mの大きさのものなどが用いられている。
【0008】
粉粒体充填容器690の内部に積載された粉粒体682は、その自重によって粉粒体充填容器690の内部で広がるように崩れて、山のような形状に積載される。溶液とは異なり、粉粒体682は粒状の粒子の集まりであるため、それぞれの粒子の摩擦によって上記のような山型の形状を構成するのである。このときの山の傾斜面を斜面692とし、斜面692と粉粒体充填容器690の底面とのなす角を安息角θrとする。安息角θrは粉粒体682の材質や形状などによって決定される角度であり、安息角θrが大きいほど形成される山の形状が大きくなる。また山の頂上部の高さと、山と山の間に形成される谷の深さとの高さの差が大きくなる。そのため、粉粒体682が山型に積載され、安息角θrが大きい場合には、粉粒体充填容器690の内部の空間に粉粒体682を積載できない領域が多く存在するということである。即ち、粉粒体682の積載時の安息角θrが大きいと、粉粒体充填容器690の内部に設けられた容積と比較して、少ない量の粉粒体682しか積載することができない。
【0009】
そのため、生じる安息角θrを小さくして粉粒体充填容器690の内部一杯に均一に粉粒体682を積載し、粉粒体充填容器690の内部の容積を有効に用いて粉粒体682をコンテナ等に積載する方法がいくつか考えられている。
【0010】
例えば、特許文献1では、固体である粉粒体が気体と混合されてコンテナ内へ噴射され、コンテナ内に散布される方法について開示している。また、特許文献2では、圧縮空気によって空搬管内を空搬された粉粒体が、コンテナ内において上記空搬管の先に回動自在に設けられた屈曲した先端部を有する摺動管によって充填される方法について開示している。
【特許文献1】実開昭63−37630号公報(昭和63年(1988年)3月10日公開)
【特許文献2】特開2005−14948号公報(平成17年(2005年)1月20日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の構成では、粉粒体をコンテナなどの粉粒体充填容器の容量に対して高い効率で充填するためには粉粒体充填容器内への充填状況を常に確認する必要があり、簡便に粉粒体充填容器内のデッドボリュームを減らすことが難しいという問題点を有している。
【0012】
粉粒体充填容器内部に粉粒体を積載していく場合、粉粒体充填容器内部の空間は積載された粉粒体によって徐々に満たされて行く。図23の(b)に示したように、積載口691から粉粒体682を積載すると、粉粒体充填容器690の内部で粉粒体682は山型に積載される。この場合、積載口691から離れている場所(谷領域694)では粉粒体682が左右の山の表面を滑り落ちて積載されており、左右の山に対して谷のように積載されている。粉粒体充填容器690の内部に粉粒体682を高い効率で積載するためには、このような谷領域694を少なくすることが必要である。
【0013】
上記のような谷領域694を少なくするためには、谷領域694に粉粒体682を積載し、谷領域694を粉粒体682によって埋める工程が必要となる。つまり、粉粒体充填容器690の内部に形成された山と谷との形状に基づいて、谷領域694に粉粒体682を積載する必要がある。
【0014】
また、一般的に、粉粒体充填容器690は運搬時には積載された粉粒体682を密閉し、外部に漏れないようにして運搬を行うことが多い。そのため粉粒体充填容器690の上面には壁が設けられるとともに幾つかの積載口691が設けられることが多い。そのため、粉粒体充填容器690に対して粉粒体682を積載することのできる位置は積載口691が設けられた位置に限定されることが多い。
【0015】
上記のように粉粒体充填容器690内に形成された山と谷との形状を確認する手段を用いて粉粒体682を積載する場合には、粉粒体充填容器690内の任意の位置に粉粒体682を積載することのできる手段を粉粒体充填容器690の積載口691から粉粒体充填容器690の内部に導入するとともに、粉粒体充填容器690内の粉粒体682が形成する上記の山及び谷の形状を確認する手段が必要となる。そして粉粒体充填容器690へ粉粒体682を積載している間、常に粉粒体充填容器690の内部の充填状況を確認しなければならない。即ち粉粒体充填容器の容量に対して高い効率で充填するためには専用の設備が必要であり、また作業工程が煩雑となるために作業効率の向上が難しい。
【0016】
また、上記の特許文献1及び特許文献2の方法では、粉粒体が気体と混合されて粉粒体充填容器内へ導入され、粉粒体充填容器内に噴射される構成である。図24に特許文献1の粉粒体の充填装置の斜視図を示す。例えば特許文献1の方法では、粉粒体を固気混相流として輸送管741によって搬送し、箱状又は袋状のコンテナ790に粉粒体を充填するための吹き込みノズル795とコンテナ内の粉塵を吸引するための集塵フード796を取付板797に装着し、この取付板797をコンテナ790に固着したり脱着可能としたりする機構について開示している。また、上記特許文献2の方法では、コンテナ内で回動自在に設けられた屈曲した先端部を有する摺動管によって粉粒体が積載されるため、上記のようにコンテナ内に粉粒体を積載する位置をコンテナ内部の任意の位置に設定することができると考えられる。
【0017】
しかしながらこれらの特許文献1及び特許文献2の方法であっても、粉粒体はコンテナなどの粉粒体充填容器内に噴射された方向を中心に積載されるため、常に粉粒体充填容器内部でどのように粉粒体が積載されているかを確認する必要があると考えられる。
【0018】
また、特許文献1及び特許文献2の方法では、粉粒体をコンテナの外部で気体と混合し、それらの混合気体に圧力をかけてコンテナ内に噴射する構成であるので、密閉されたコンテナの内部に大量の空気とともに粉粒体が充填されることになる。そのため、粉粒体がコンテナ内部に高い効率で充填される前に、コンテナ内部に導入した空気の圧力を減少させるか、コンテナ内部に導入された空気を外部に放出する必要があり、粉粒体の充填作業を中断する必要があった。そのため、充填に時間がかかるという問題が生じていた。
【0019】
また、充填するための大量の空気をコンテナ外に排気する必要があるため、コンテナ内部に空気の排気用の空間を確保する必要があり、充填効率の向上には限界があった。
【0020】
さらに、特許文献1及び特許文献2の方法では、コンテナ内に必要な量の粉粒体を積載した時点で即座に混合気体に加圧している圧力を遮断し、コンテナ内へ粉粒体を積載する工程を停止する必要がある。特に粉粒体をコンテナの容量に対して高い効率で充填する場合には、充填された粉粒体によってコンテナ内に残っている空間が減少しているため、積載する粉粒体がコンテナから吹きこぼれたり、コンテナ内に過度の圧力がかかり、コンテナを破損する恐れがある。そのため、これらの方法では、コンテナへ粉粒体を積載している間、常にコンテナ内の充填状況を監視しなければならないと考えられる。即ちコンテナの容量に対して高い効率で充填するためには専用の設備が必要であり、また作業工程が煩雑となるために作業効率の向上が難しいと考えられる。
【0021】
また、このような問題点は、各種の粉粒体の容器や、サイロへの充填においても同様に生じることが容易に予想される。
【0022】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、コンテナなどの各種の粉粒体充填や、サイロへの充填状況を常に確認することなく、簡便にコンテナの容量に対して高い効率で充填し、コンテナ内のデッドボリュームを減らすことができる粉粒体充填装置及び粉粒体の充填方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の粉粒体充填装置は、上記課題を解決するために、上下の両端に開口部を有する筒状の粉粒体放出部と、上記粉粒体放出部の下方に設けられる粉粒体分散部とを備えており、上記粉粒体放出部の上方の上端開口部は、上記粉粒体放出部から放出する粉粒体の供給源に接続可能であり、上記粉粒体放出部の下方の下端開口部は、上記粉粒体を充填する粉粒体充填容器に接続可能であり、上記粉粒体分散部は、内部に気体を流動可能な管であり、圧縮気体供給源に接続されており、上記粉粒体分散部の表面には、上記粉粒体放出部の中心部を通る中心軸から離れる方向であって、水平な方向を含む平面に上記圧縮気体供給源から供給された圧縮気体を放出する複数の気体放出孔が形成されていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、粉粒体の供給源から供給される粉粒体は、上記粉粒体放出部を形成する筒の内部を通過した後、そのまま鉛直下方に落下し、上記粉粒体分散部の内側を通過するか、又は上記粉粒体放出部及び上記粉粒体分散部の間に形成された隙間を通過する。
【0025】
また、上記粉粒体分散部は、筒状に形成された上記粉粒体放出部の中心部を通る中心軸から遠い側の上記管の表面に複数の気体放出孔を備えており、圧縮気体供給源によって発生する圧縮気体を気体放出孔から放出することができる。
【0026】
そのため、本発明の粉粒体充填装置は、上記粉粒体放出部に設けられる上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との間に形成された隙間を通過した粉粒体をそれぞれの気体放出孔から放出される気体によって吹き飛ばし、本発明の粉粒体充填装置から離れた位置に充填することができる。
【0027】
また、上記粉粒体分散部が、環状に形成されていることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、粉粒体分散部が粉粒体放出開口部に対向して環状に形成されるので、粉粒体を周囲の方向に効率よく吹き飛ばすことができる。
【0029】
尚、また、上記粉粒体分散部が、複数の管によって構成されていてもよく、上記粉粒体分散部を構成する複数の管が集合して環状に形成されていてもよい。
【0030】
また、上記粉粒体分散部は、上記粉粒体放出部の下端開口部に対向し、かつ該下端開口部から上記粉粒体を落下して堆積する場合に生じる粉粒体堆積物に埋没する位置に設けられていることが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、上記粉粒体放出部の下端開口部から上記粉粒体を自然に落下させて堆積する場合に生じる粉粒体による堆積物が構成する斜面の中に埋没する位置に上記粉粒体分散部が設けられているので、本発明の粉粒体充填装置が上記粉粒体によって埋没した場合でも、上記粉粒体を吹き飛ばすことができる。
【0032】
また、上記粉粒体放出部と上記粉粒体分散部とは接続部によって接続されており、上記接続部は、上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との間隔を変えることができることが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、上記粉粒体放出部と上記粉粒体分散部との間隔を上記接続部での接続によって変更することができる。本発明の粉粒体充填装置では、上記粉粒体が上記粉粒体分散部の外側にこぼれ出る粉粒体の量は、(1)上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との間隔、(2)環状に形成された上記粉粒体分散部の中心部を通る中心軸の方向からみた上記粉粒体放出部に対する上記粉粒体分散部の環の断面の中心部の位置、(3)粉粒体の粒子の大きさ、及び(4)粉粒体の有する物性などによって決定される。そのため、上記粉粒体放出部と上記粉粒体分散部との間隔を変えることができるようにすると、上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との間を通って上記粉粒体分散部の外側にこぼれ出る粉粒体の量を調整することができる。
【0034】
また、上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との鉛直方向の間隔が、上記下端開口部を封止部材によって水平方向に封止して上記粉粒体放出部に上記粉粒体を充填した後、上記封止部材を鉛直下方向に外した場合に、該粉粒体が上記粉粒体放出部から連続的に排出されるときの間隔よりも大きい間隔であることが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、粉粒体が上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との間を通って上記粉粒体分散部の外側にこぼれ出るように設定することができる。
【0036】
また、それぞれの上記気体放出孔は、上記気体放出孔の形成される面の法線方向と、筒状に形成された上記粉粒体放出部の中心部を通る中心軸に対して垂直であると共に上記気体放出孔を通る平面と、のなす角度である開口部形成角が上記下端開口部側に45°以内であることが好ましい。
【0037】
上記の構成によれば、上記気体放出孔は、筒状に形成された上記粉粒体放出部の中心部を通る中心軸に対して垂直であると共に上記気体放出孔を通る平面に対して上記気体放出孔のなす面の法線方向が45°以内であり、かつ該平面よりも上記下端開口部側に形成されている。特に上記の角度を45°とした場合、上記気体放出孔から噴出する気体によって粉粒体が放物線運動によって飛ばされ、最も遠い位置まで運ばれるので、遠くまで粉粒体を充填することができる。
【0038】
また、コンテナなど粉粒体を充填する容器の天井の高さが低く、吹き飛ばした粉粒体が天井などの壁面等に衝突する場合には、粉粒体を理想的な放物線運動で飛ばすことができない。この場合は、気体放出開口部を45°よりも上記平面に近くなるように形成する。上記の平面と法線とのなす角度(開口部形成角)の大きさが小さくなるにつれて、上記気体放出開口部から噴出する気体の速度成分のうち、環状に形成された上記粉粒体分散部の中心部を通る中心軸から離れる方向の速度成分が大きくなる。そのため、上記粉粒体放出部と上記粉粒体分散部との間を通って上記粉粒体分散部の外側にこぼれ出る粉粒体を上記の気体放出開口部から噴出する気体によって遠くに吹き飛ばすことができる。
【0039】
また、上記粉粒体放出部が円筒で形成されており、上記粉粒体分散部が円環で形成されていることが好ましい。
【0040】
上記の構成によれば、上記粉粒体放出部及び上記粉粒体分散部がその周方向において円形に形成されており、本発明の粉粒体充填装置の周囲に等方的に粉粒体を充填することができる。
【0041】
本発明の粉粒体の充填方法は、上記課題を解決するために、粉粒体充填容器内に粉粒体を充填する粉粒体の充填方法であって、粉粒体を放出する開口部である粉粒体放出部の下端開口部と、気体を放出する気体放出孔が設けられている粉粒体分散部とが間隔を隔てた位置に設けられる構造を有し、該下端開口部と上記気体放出孔とが上記粉粒体充填容器の内部に備えられており、該下端開口部から上記粉粒体充填容器の内部に上記粉粒体をその自重によって落下させる工程と、上記粉粒体が落下する方向に交差し、かつ上記気体放出孔が上記粉粒体充填容器の内壁の方向に気体の流れを形成する工程とを有することを特徴としている。
【0042】
上記の構成によれば、上記粉粒体はその自重によって粉粒体放出部の下端開口部から上記容器内に導入され、充填される。そのため、上記粉粒体は、上記容器内で山型の形状となって充填される。
【0043】
そして、ついには上記山型に充填された粉粒体の頂上が粉粒体放出部の下端開口部と粉粒体分散部とが隔てられて設けられている部位にまで達し、さらに該下端開口部と上記粉粒体分散部との間から上記粉粒体分散部の外部にこぼれ出る粉粒体によって上記粉粒体分散部の周囲が粉粒体に覆われる。
【0044】
上記粉粒体分散部には、上記のように気体放出孔が設けられており、上記粉粒体が落下する方向に交差し、かつ上記気体放出孔上記容器の内壁の方向に気体の流れを形成している。そのため、上記のように粉粒体分散部が粉粒体によって周囲を覆われると、上記のような気体の流れによって上記粉粒体を上記粉粒体分散部の外側、即ち上記容器の内壁の方向に吹き飛ばす。吹き飛ばされた粉粒体は、上記容器の中で自重によって積載された山型の粉粒体の上部に積載される。また、上記のように粉粒体分散部の周囲に積載された粉粒体が吹き飛ばされると、上記粉粒体分散部の周囲の領域に該下端開口部と上記粉粒体分散部との間隔から新たな粉粒体が上記粉粒体分散部の外側にこぼれ落ちることができるようになる。こぼれ落ちた粉粒体は、上記気体放出孔から噴出する気体によって吹き飛ばされ、上記容器に山型に積載された粉粒体のさらに上部に積載される。
【0045】
上記のように積載された粉粒体は、次第に上記粉粒体分散部の周囲の領域に積載されて上記粉粒体分散部の周囲を埋めて行き、ついには上記粉粒体分散部を埋没させる。上記粉粒体分散部が粉粒体に埋没し、該下端開口部と上記粉粒体分散部との隙間から粉粒体が新たにこぼれ落ちることができなくなると、粉粒体はそれ以上容器の中に入ることができなくなり、自動的に粉粒体の充填が終了する。このため、容器内部への充填状況を常に確認する必要がなく、また、粉粒体を容器のもつ容量に対して高い効率で充填することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明の粉粒体充填装置は、以上のように、上下の両端に開口部を有する筒状の粉粒体放出部と、上記粉粒体放出部の下方に設けられる粉粒体分散部とを備えており、上記粉粒体放出部の上方の上端開口部は、上記粉粒体放出部から放出する粉粒体の供給源に接続可能であり、上記粉粒体放出部の下方の下端開口部は、上記粉粒体を充填する粉粒体充填容器に接続可能であり、上記粉粒体分散部は、内部に気体を流動可能な管であり、圧縮気体供給源に接続されており、上記粉粒体分散部の表面には、上記粉粒体放出部の中心部を通る中心軸から離れる方向であって、水平な方向を含む平面に上記圧縮気体供給源から供給された圧縮気体を放出する複数の気体放出孔が形成されている構成である。
【0047】
また、本発明の粉粒体の充填方法は、以上のように、粉粒体を放出する開口部である粉粒体放出部の下端開口部と、気体を放出する気体放出孔が設けられている粉粒体分散部とが間隔を隔てた位置に設けられる構造を有し、該下端開口部と上記気体放出孔とが上記粉粒体充填容器の内部に備えられており、該下端開口部から上記粉粒体充填容器の内部に上記粉粒体をその自重によって落下させる工程と、上記粉粒体が落下する方向に交差し、かつ上記気体放出孔が上記粉粒体充填容器の内壁の方向に気体の流れを形成する工程とを有する。
【0048】
つまり、本発明の粉粒体充填装置では、粉粒体の供給源から供給される粉粒体は、上記粉粒体放出部を形成する筒の内部を通過した後、そのまま鉛直下方に落下し、上記粉粒体分散部の内側を通過するか、又は上記粉粒体放出部及び上記粉粒体分散部の間に形成された隙間を通過する。
【0049】
また、上記粉粒体分散部は、筒状に形成された上記粉粒体放出部の中心部を通る中心軸から遠い側の上記管の表面に複数の気体放出孔を備えており、圧縮気体供給源によって発生する圧縮気体を気体放出孔から放出することができる。
【0050】
そのため、本発明の粉粒体充填装置は、上記粉粒体放出部に設けられる上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との間に形成された隙間を通過した粉粒体をそれぞれの気体放出孔から放出される気体によって吹き飛ばし、本発明の粉粒体充填装置から離れた位置に充填することができる。
【0051】
また、本発明の粉粒体の充填方法では、上記粉粒体はその自重によって粉粒体放出部の下端開口部から上記容器内に導入され、充填される。そのため、上記粉粒体は、上記容器内で山型の形状となって充填される。
【0052】
そして、ついには上記山型に充填された粉粒体の頂上が粉粒体放出部の下端開口部と粉粒体分散部とが隔てられて設けられている部位にまで達し、さらに該下端開口部と上記粉粒体分散部との間から上記粉粒体分散部の外部にこぼれ出る粉粒体によって上記粉粒体分散部の周囲が粉粒体に覆われる。
【0053】
上記粉粒体分散部には、上記のように気体放出孔が設けられており、上記粉粒体が落下する方向に交差し、かつ上記気体放出孔が上記容器の内壁の方向に気体の流れを形成している。そのため、上記のように粉粒体分散部が粉粒体によって周囲を覆われると、上記のような気体の流れによって上記粉粒体を上記粉粒体分散部の外側、即ち上記容器の内壁の方向に吹き飛ばす。吹き飛ばされた粉粒体は、上記容器の中で自重によって積載された山型の粉粒体の上部に積載される。また、上記のように粉粒体分散部の周囲に積載された粉粒体が吹き飛ばされると、上記粉粒体分散部の周囲の領域に該下端開口部と上記粉粒体分散部との間隔から新たな粉粒体が上記粉粒体分散部の外側にこぼれ落ちることができるようになる。こぼれ落ちた粉粒体は、上記気体放出孔から噴出する気体によって吹き飛ばされ、上記容器に山型に積載された粉粒体のさらに上部に積載される。
【0054】
上記のように積載された粉粒体は、次第に上記粉粒体分散部の周囲の領域に積載されて上記粉粒体分散部の周囲を埋めて行き、ついには上記粉粒体分散部を埋没させる。上記粉粒体分散部が粉粒体に埋没し、該下端開口部と上記粉粒体分散部との隙間から粉粒体が新たにこぼれ落ちることができなくなると、粉粒体はそれ以上容器の中に入ることができなくなり、自動的に粉粒体の充填が終了する。このため、容器内部への充填状況を常に確認する必要がなく、また、粉粒体を容器のもつ容量に対して高い効率で充填することができる。
【0055】
それゆえ、粉粒体をコンテナなどの各種の粉粒体充填や、サイロなどの容量に対して高い効率で充填することができ、かつ、粉粒体充填容器内の充填状況を常に確認する必要のない粉粒体充填装置を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本発明の一実施形態について図1〜図22に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0057】
図1は、本実施の形態の粉粒体充填装置1を示す断面図である。
【0058】
本実施の形態の粉粒体充填装置1は、粉粒体充填部10、高圧気体発生源(圧縮気体供給源)70、粉粒体貯蔵部(粉粒体の供給源)80を含んでおり、粉粒体充填部10と高圧気体発生源70とは気体供給管40によって接続されている。また粉粒体充填部10と粉粒体貯蔵部80とは、粉粒体輸送管60によって接続されている。
【0059】
本実施の形態の粉粒体充填部10は、粉粒体貯蔵部80に貯蔵された粉粒体82をコンテナなどの粉粒体充填容器に積載するために用いられる粉粒体充填装置1の開口部であり、粉粒体貯蔵部80に貯蔵された粉粒体82が粉粒体輸送管60を経由して粉粒体充填部10に送られ、当該粉粒体充填部10の開口部から粉粒体82がコンテナなどの粉粒体充填容器に積載される。粉粒体充填部10の構造については後述する。
【0060】
高圧気体発生源70は、本実施の形態の粉粒体充填部10を動作させるための高圧気体を発生する装置であり、例えば圧縮気体ボンベ又はコンプレッサなどで構成してもよい。高圧気体発生源70は気圧レギュレタ71及び気圧バルブ72を備えており、発生する高圧気体の圧力を一定の圧力に設定し、送り出すことができる。
【0061】
粉粒体貯蔵部80は粉粒体82を貯蔵する場所であり、例えばサイロなどである。また、粉粒体82の送り出し量を制限することのできる粉粒体バルブ81を備えていても良い。
【0062】
また、本実施の形態の粉粒体充填部10は、粉粒体制限筒30(粉粒体放出部)が粉粒体輸送管60に接続している。上記粉粒体輸送管60は、粉粒体充填容器に積載する粉粒体82を粉粒体貯蔵部80から粉粒体82の積載場所まで輸送する管であり、粉粒体制限筒30の近くでは鉛直方向に形成されて輸送管鉛直部61を形成していてもよい。このように輸送管鉛直部61が形成されていると、粉粒体輸送管60を輸送されてきた粉粒体82が粉粒体充填部10に対して鉛直方向に落下して粉粒体充填容器に充填されるため、充填の工程をスムーズに行うことができる。
【0063】
また粉粒体輸送管60は、上記粉粒体バルブ81を介して粉粒体貯蔵部80に接続している。上記粉粒体輸送管60は、周知の粉粒体82を輸送する部材で構成することができる。例えば金属製の配管で構成してもよいし、合成樹脂の配管としてもよいし、布を用いた配管としてもよい。
【0064】
次に、図2(a)を用いて粉粒体充填部10の構成について説明する。
【0065】
図2(a)は本実施の形態の粉粒体充填部10を示す斜視図である。
【0066】
粉粒体充填部10は、環状の粉粒体分散部であるエアリング20、筒状の粉粒体放出部である粉粒体制限筒30、及び気体供給管40を備えている。粉粒体制限筒30の上部は上記粉粒体輸送管60及び粉粒体バルブ81を経由して粉粒体82の粉粒体貯蔵部80に接続しており、気体供給管40のエアリング20に接続していない側の端部は上記のように気圧レギュレタ71及び気圧バルブ72を経由して高圧気体発生源70に接続している。またエアリング20及び粉粒体制限筒30は環状に形成されている。
【0067】
本実施の形態では、エアリング20は断面が円筒形の管であり、断面の形状が円周を形成している構成について記載しているが、環状の管であれば任意の形状であってもよい。また、エアリング20を構成する材質についても任意の材質を用いることが可能であるが、例えば鋼などの金属で形成してもよい。エアリング20の変形例については後述する。
【0068】
またエアリング20の外周部であり、かつエアリング20を形成する環の第1中心軸21(粉粒体分散中心軸)からみて外側の位置には、気体放出開口部である気体放出口50が形成されている。気体放出口50は、エアリング20に開口して設けられた開口部である。気体放出口50はエアリング20の全周にわたって形成されていることが好ましいが、エアリング20の特定の領域にのみ形成されていてもよい。また気体放出口50はエアリング20の全周にわたって均一に分布するように形成されていてもよいが、用いる粉粒体充填容器の形状などによって気体放出口50がエアリング20の外周部に形成される分布に偏りがあっても構わない。気体放出口50の開口する向きについては後述する。
【0069】
上記のエアリング20の管は、気体供給管40に接続しており、気体供給管40及びエアリング20を経由して送られてきた気体を上記気体放出口50を通して外部に排気噴出することができる。本実施の形態の粉粒体充填部10では、気体供給管40は粉粒体制限筒30の内側を通り、粉粒体制限筒30の上部で粉粒体制限筒30の外側に貫通するように形成されている。しかし気体供給管40の配管の方法は上記の方法に限定する必要はなく、例えば粉粒体制限筒30の内側をそのまま伝わって形成されていてもよいし、粉粒体制限筒30の外側を通るように形成されていてもよい。
【0070】
尚、本実施の形態の粉粒体充填部10は、後述するように粉粒体充填容器の積載口に挿入して使用する。そのため、エアリング20及び粉粒体制限筒30の外形は上記粉粒体充填容器の積載口に挿入できる大きさに形成される。詳しくは後ほど記載する。
【0071】
粉粒体制限筒30はエアリング20から隙間32を隔てた位置に筒状に形成されている。本実施の形態の上記粉粒体制限筒30とエアリング20とは、上記第1中心軸21を中心とした筒状に形成されている。また上記エアリング20は、粉粒体制限筒30から伸びる支柱33(接続部)が接続されており、粉粒体制限筒30の筒の表面に設けられた軸受け34と支柱33とが接触して固定されている。また、図2(b)に記載するように、軸受け34と支柱33とが接触して固定されている部位をネジ35で固定するように構成して粉粒体充填部10bとしても良い。これによって、隙間32の大きさを可変とすることができる。尚、上記支柱33を軸受け34に固定する方法は上記方法に限定されるものではなく、例えば上記支柱33にラックを設け、上記軸受け34にピニオンを設けて歯車が歯合して摺動することにより固定するようにしてもよい。その他、周知の方法で固定することができる。
【0072】
さらに図2(c)に記載するように、筒状に形成されている粉粒体制限筒30の筒の中心軸(第2中心軸31、図1のz軸方向)が上記第1中心軸21に対して平行にずれるように構成して粉粒体充填部10cとしても良いし、図2(d)のように第1中心軸21dと第2中心軸31とが傾むくように構成して粉粒体充填部10dとしても良い。即ち、粉粒体制限筒30のエアリング20に近い側の端部(粉粒体放出開口部36)とエアリング20との隙間32が一定の間隔を保つ構造であることが好ましい。本実施の形態では、粉粒体制限筒30は上記の第2中心軸31の周りに円周を形成している構成について記載しているが、筒状の壁面を有する構造であれば任意の形状であってもよい。また、粉粒体制限筒30を構成する材質についても任意の材質を用いることが可能であるが、例えば鋼などの金属で形成してもよい。
【0073】
また、本実施の形態の粉粒体充填部10では、エアリング20及び粉粒体制限筒30の中心軸である第1中心軸21の軸の方向からみたエアリング20の形状と粉粒体制限筒30の形状とは同じ形状であってもよいし、それぞれ異なる形状であってもよい。例えば粉粒体制限筒30が円筒形であり、エアリング20が八角形を形成していてもよい。
【0074】
また、本実施の形態の粉粒体充填部10では、上記のように粉粒体制限筒30とエアリング20との隙間32によって粉粒体82の積載の状態を調整しているのであるが、図2(e)のように粉粒体制限筒30と粉粒体輸送管60とを一体に形成し、粉粒体制限筒30aとしてもよい。このように本実施の形態の粉粒体充填部10を粉粒体輸送管60と一体に形成し、粉粒体充填部10eとすることもできる。
【0075】
図3は、本実施の形態の粉粒体充填部10の第1中心軸21の方向に沿った断面図であり、粉粒体制限筒30の内面に対するエアリング20の大きさを示す断面図である。
本実施の形態の粉粒体充填部10では、図3の(a)のように、エアリング20が粉粒体制限筒30の開口部から粉粒体82を積載するときに生じる粉粒体82の堆積物が構成する山の斜面に埋没し、上記斜面の内側にあることが好ましい。図3の(a)では、粉粒体を積載するときに生じる安息角がθrである場合について記載しており、エアリング20は粉粒体制限筒30の開口部から安息角θrで斜め下方(下方は図3(a)のz方向下向き)に引いた補助線の内側に位置している。
【0076】
このように構成することにより、粉粒体制限筒30から粉粒体82を自然に落下させて生じた粉粒体による堆積物にエアリング20が埋没した場合でも、粉粒体82をエアリング20によって吹き飛ばすことができる。
【0077】
尚、エアリング20は図3の(b)のように粉粒体制限筒30の内側に形成されていてもよいし、図3の(c)のようにエアリング20の環を形成する外径と粉粒体制限筒30の筒のなす内面とが略同一の面内に形成されていてもよいし、図3(d)のように、粉粒体制限筒30の筒のなす内面とエアリング20の環の断面の中心とが略同一の面内に形成されていてもよいし、図3の(e)のように、粉粒体制限筒30の筒のなす内面とエアリング20の環を形成する内径とが略同一の面内に形成されていてもよい。これによって、粉粒体82が粉粒体制限筒30とエアリング20との間に形成された隙間を通過しやすくなる。後述するように、本実施の形態の粉粒体充填部10では、気体放出口50から放出される気体によって粉粒体82を吹き飛ばし、粉粒体充填部10から離れた位置に粉粒体82を充填するので、粉粒体制限筒30とエアリング20との間を通る粉粒体82の量を調整することは重要である。
【0078】
また、図4は、本実施の形態の粉粒体充填部10の第1中心軸21の方向に沿った断面図であり、粉粒体制限筒30とエアリング20との空間的な配置を示している。
【0079】
本実施の形態の粉粒体充填部10では、粉粒体82は粉粒体制限筒30の開口部の一方であり、かつエアリング20と対向していない開口部に粉粒体輸送管60が接続されており、粉粒体貯蔵部80から送られてきた粉粒体82は粉粒体制限筒30の開口部のうち、粉粒体輸送管60が接続される開口部から供給され、粉粒体制限筒30のエアリング20を設けている側の開口部から粉粒体82をコンテナなどの粉粒体充填容器に積載する。
【0080】
図4に示すように、本実施の形態の粉粒体充填部10では、粉粒体制限筒30とエアリング20とが対向するように配置されており、粉粒体制限筒30とエアリング20との間には、隙間32が形成されている。そのため、粉粒体制限筒30から外部に放出される粉粒体82は、上記エアリング20の環の内側と外側とを通って放出され、本実施の形態の粉粒体充填部10の下方に積載される。
【0081】
本実施の形態の粉粒体充填部10では、上記隙間32は、粉粒体充填容器に積載する粉粒体によって設定することのできる間隔である。後述するように、上記の隙間32によってエアリング20の外側にこぼれ出る粉粒体の量を調整することができるため、上記の隙間32は、エアリング20が粉粒体に埋没する深さを設定する。エアリング20を粉粒体に埋没させる好ましい量についても後述する。隙間32の大きさは、諸条件に応じて適宜設定される。隙間32の好ましい大きさとしては、粉粒体の粒子の大きさよりも大きいことが好ましい。この隙間32の大きさは、粉粒体82の粒子の形状、重さ、粒の大きさなどの物性値によって変化するため、後述するように用いる粉粒体82毎にあらかじめ行う実験によって求めることが好ましい。
【0082】
尚、上記エアリング20の環の外側を通って放出される粉粒体82は、後述するようにエアリング20の外周部に形成された気体放出口50から噴出する気体によって吹き飛ばされ、本実施の形態の粉粒体充填部10から離れた位置に積載される。
【0083】
ここで図4に基づいて、上記気体放出口50の開口部向きについて説明する。
【0084】
上記気体放出口50はエアリング20の外周部に形成されていればその開口部の法線方向の向きは特に限定されるものではないが、好ましい範囲としては例えば以下のように表現することができる。即ち、環状に形成されたエアリング20がなす面、即ち第1中心軸21に対して垂直である平面(図2のx−y方向に広がる平面)と気体放出口50の開口部の法線方向の向きとがなす角度(開口部形成角)をθairとすると、θairが上記の平面に対して上方(この場合の上方とは、図4のz軸方向であり、粉粒体制限筒30に近づく向き)に0〜45°傾いた範囲にあることが好ましい。特にθairを45°とした場合、気体放出口50から噴出する気体によって粉粒体82が放物線運動によって飛ばされるときに最も遠い位置まで運ばれるので、遠くまで粉粒体82を充填することができる。
【0085】
尚、コンテナの天井が粉粒体充填部10から近い場合などでは、粉粒体82を理想的な放物線運動で飛ばすことができない。この場合は、θairは上記平面から上下に30°傾いた範囲にあることが好ましく、上記平面に対して上下に15°傾いた範囲に開口していることがさらに好ましく、上記平面に対して平行になるように開口していることがさらに好ましい。上記気体放出口50の開口部の法線方向の向きは、それぞれの気体放出口50で任意に選ぶことができるが、その方向は上記平面に対して角度θairの範囲に形成されていることが好ましい。
【0086】
気体放出口50の開口部の形状は特に限定されないが、例えば本実施の形態のように円形に形成されていてもよい。また開口部の形状は三角形や五角形などの多角形で形成してもよいし、楕円の形状で形成してもよいし、その他任意の形状で形成してもよい。開口部の大きさについても特に限定されないが、例えばコンテナに積載する粉粒体の粒子よりも小さいように形成してもよい。
【0087】
ここで、エアリング20の形状についてさらに詳しく説明する。
【0088】
エアリング20は、気体供給管40に接続しており、気体供給管40から送られてきた気体をエアリング20の外周部に形成された気体放出口50まで導く管である。エアリング20には上記のように気体のみが供給されるため、気体放出口50から噴出するのは気体のみである。
【0089】
上記のように、エアリング20は環状の管であれば任意の形状とすることができる。図5(a)〜(d)は、エアリング20の変形例を示す平面図であり、第1中心軸21の軸の方向から見た平面図である。例えば図5(a)のように環状の管を四角形(エアリング20a)としてもよいし、図5(b)のように五角形(エアリング20b)としてもよいし、その他の多角形としてもよい。また図5(c)のように楕円形(エアリング20c)としてもよいし、その他の形状としてもよい。さらに、図5(d)のエアリング20dのように環状の管の一部が切断された形状であってもよい。また、エアリング20は複数の管によって構成されていても良い。例えば図5の(e)のように、エアリング20d’が複数の管(図5(e)では3本の管)で形成されており、それぞれのエアリング20d’が気体放出口50を備えており、気体供給管40に接続している構成であっても良い。また複数の管で構成されるエアリング20d’が環状になるように集合していてもよい。
【0090】
また、エアリング20の管の断面の形状についても任意の形状とすることができる。図6(a)〜(e)はエアリング20の管の断面の形状についての変形例を示す断面図である。エアリング20の管の断面の形状は上記のように円形(図6(a)、エアリング20)としてもよく、図6(b)のように三角形(エアリング20e)としてもよく、図6(c)のように五角形(エアリング20f)としてもよく、その他の多角形としてもよい。また図6(d)のように楕円形(エアリング20g)としてもよいし、その他の形状としてもよい。さらに、図6(e)のエアリング29のように、粉粒体制限筒30の側のエアリング20hの環の直径と、粉粒体制限筒30からは遠い位置に形成されるエアリング20hの環の直径とが異なっていてもよい。
【0091】
本実施の形態の粉粒体充填部10は、以上のようにエアリング20、粉粒体制限筒30、及び気体供給管40で構成されている。また本実施の形態の粉粒体充填部10は、上記のように鋼などの金属又は任意の材質を用いて形成することができる。形成方法は周知の方法、例えば板金や鋳造などの方法を用いて形成することができる。
【0092】
以上のように、本発明の粉粒体充填装置は、両端に開口部を有する筒状であり、かつ内部に粉粒体を流動可能とし、該開口部の一方を上記粉粒体の放出口とする粉粒体放出部と、環状でその環状を構成する管の内部に気体を流動可能とし、かつ上記環状の中心部から外部に向かう方向であり、上記環状の中心部から遠い側の上記管の表面に上記気体を放出する気体放出開口部が複数設けられている粉粒体分散部とを備えており、上記粉粒体分散部は、上記粉粒体放出部の上記粉粒体の放出口に対向する位置に設けられている構成である。
【0093】
これらの構成は、筒状の粉粒体放出部と、環状の粉粒体分散部とを備えており、上記粉粒体分散部は、上記粉粒体分散部を形成する環の中心軸である粉粒体分散中心軸から遠方であり、かつ上記粉粒体分散部の表面である位置に複数の粉粒体分散開口部を備えており、上記粉粒体放出部の筒が開口する一方の端部と上記粉粒体分散部の環とが対向するように配置されている構成であると記載することもできる。
【0094】
次に、図7を用いて本実施の形態の粉粒体充填装置1の動作について説明する。
【0095】
図7は、本実施の形態の粉粒体充填装置1が粉粒体を充填する容器である粉粒体充填容器90に設置されている様子を示す断面図である。説明の便宜のため、図7では粉粒体充填容器90に対して本実施の形態の粉粒体充填装置1を1台のみ記載している。
【0096】
本実施の形態では、粉粒体82が積載される容器はシーバルクコンテナを含む各種コンテナなどの粉粒体充填容器である場合について記載するが、粉粒体82が積載される容器はこれに限らず、一般的な輸送手段の粉粒体充填容器、荷台、またはサイロなどの構造物などであってもよい。
【0097】
本実施の形態の粉粒体充填部10は、上記のように高圧気体発生源70及び粉粒体貯蔵部80と接続され、上記粉粒体充填部10が粉粒体充填容器90の積載口91に挿入された状態で使用される。
【0098】
まず、上記粉粒体充填部10を積載口91に挿入する。粉粒体充填部10を形成する粉粒体制限筒30とエアリング20との隙間32が粉粒体充填容器90の中に入っていればよく、上記隙間32が粉粒体充填容器90の中であり、かつ積載口91に最も近い位置になるように上記粉粒体充填部10が挿入されることが好ましい。
【0099】
上記粉粒体充填部10は積載口91に挿入した状態で使用するため、上記エアリング20及び上記粉粒体制限筒30の大きさは積載口91に入る大きさとして形成されている。後述するように本実施の形態の粉粒体充填部10では、高圧気体発生源70で発生させた気体の圧力を気体放出口50から粉粒体充填容器90内に排気噴出させて粉粒体82を粉粒体充填容器90に積載する。そのため、粉粒体充填部10と積載口91とは上記の噴出した気体を排出するための隙間が開いていることが望ましい。上記のように粉粒体充填部10と積載口91との間に隙間を形成しない場合には、粉粒体充填部10を構成する粉粒体制限筒30の下部であり、かつ粉粒体充填容器内に挿入される部位に粉粒体充填容器90の内部の圧力を逃がすための配管(図示せず)を設けてもよい。
【0100】
次に、粉粒体充填容器90の中に粉粒体82を積載する。本実施の形態の粉粒体充填部10は粉粒体充填容器90の中に挿入されている。粉粒体充填部10を形成する粉粒体制限筒30は、粉粒体輸送管60に接続されており、粉粒体輸送管60の他方は粉粒体82を貯蔵する粉粒体貯蔵部80に接続している。粉粒体82は、粉粒体貯蔵部80の粉粒体バルブ81が開かれると、粉粒体82の自重によって粉粒体輸送管60を経由して粉粒体充填部10まで送られる。そして粉粒体充填部10を形成する粉粒体制限筒30のエアリング20を設けている側の開口部から粉粒体充填容器90の中に積載される。粉粒体貯蔵部80が粉粒体充填部10から遠いところに設置されていたり、粉粒体82が粉粒体輸送管60の内部をスムーズに送ることが困難である場合には、粉粒体輸送管60は粉粒体82を本実施の形態の粉粒体充填部10の近くまで送り出すスクリューコンベアなどの周知の機構(図示せず)を備えていてもよい。この場合には、粉粒体82は粉粒体充填部10の近くまで周知の方法によって送り出された後、粉粒体82の自重によって粉粒体充填部10を経由して粉粒体充填容器90の中に積載される。
【0101】
上記のように粉粒体82を粉粒体充填容器90に積載すると、粉粒体82は粉粒体充填容器90の内部で斜面92を有する山型の形状となって充填される。粉粒体82をコンテナに積載するにつれて上記の山型は大きく形成され、ついには上記山型の頂上が本実施の形態の粉粒体充填部10のエアリング20の位置にまで達し、さらに隙間32からこぼれ出る粉粒体82によってエアリング20が粉粒体82の中に埋没する。エアリング20が粉粒体82の中に埋没する深さは、隙間32の大きさによって設定される。隙間32の大きさの設定方法については後述する。そして、粉粒体82は隙間32からこぼれ落ち、斜面92を滑り落ちて積載されるが、まもなく隙間32は粉粒体充填部10の周囲に積載された粉粒体82によって塞がれて埋没する。この状態になると、粉粒体82が粉粒体充填容器90へ積載されるための開口部が全て塞がれる為、粉粒体82を粉粒体充填容器90へ粉粒体82の自重によって充填する工程は終了する。
【0102】
次に、本実施の形態の充填方法では、エアリング20の気体放出口50(気体放出孔)から気体を噴出させる。図8(a)〜(d)は、本実施の形態の充填方法の各段階を示す粉粒体充填容器90の断面図である。説明の便宜のため、図8では粉粒体充填部10に接続される気体供給管40、高圧気体発生源70、気圧レギュレタ71、気圧バルブ72、粉粒体輸送管60、粉粒体貯蔵部80、及び粉粒体バルブ81などは記載を省略しているが、図7に基づいてそれぞれ接続されている。
【0103】
上記のように自重によって充填する工程の直後では、図8(a)のように粉粒体82は山型に積載される。このとき、斜面92と粉粒体充填容器90の底面とのなす角を安息角θrとする。また、粉粒体82によって形成される山型部分の頂上部がなす直径を山頂部直径Dsとする。
【0104】
高圧気体発生源70によって発生させられた高圧気体は、気圧レギュレタ71及び気圧バルブ72によって一定の圧力の気体となり、気体供給管40に送り出される。気体供給管40はエアリング20に接続されているので、上記の高圧気体はエアリング20に設けられた気体放出口50から放出される。
【0105】
気体放出口50から気体が放出されると、図8(b)のように、粉粒体82に埋没しているエアリング20は周囲の粉粒体82を外側に吹き飛ばし、粉粒体82によって形成されていた斜面92のさらに上部に粉粒体82を積載し、斜面92bを形成する。そして、上記のように吹き飛ばされた粉粒体82の上部に積載されていた粉粒体82がエアリング20の周りに自重で落下し、さらに上記粉粒体82がエアリング20の気体放出口50から噴出する気体によって吹き飛ばされて粉粒体82を斜面92bのさらに上部に積載する気体による充填工程が行なわれる。
【0106】
上記気体による充填工程は、上記のように粉粒体制限筒30とエアリング20との間に形成された隙間32から粉粒体充填部10の外にこぼれ出た粉粒体82をエアリング20の外周部に形成された気体放出口50から排気噴出する気体の圧力によって吹き飛ばし、粉粒体充填容器90に山型に形成された粉粒体82のなす斜面92のさらに上部に粉粒体82を積載する工程である。そのため、排気噴出する気体の圧力及び隙間32の大きさによって粉粒体82を粉粒体充填容器90に充填することのできる効率が決定される。気体の圧力及び隙間32の大きさの詳しい設定方法については後述する。
【0107】
本実施の形態の充填方法では、粉粒体82は粉粒体制限筒30を通って自重によって粉粒体充填容器90の中に送られる。そして、粉粒体充填容器90の中で隙間32からこぼれ出た粉粒体82を気体によって吹き飛ばす構成である。そのため、図8(b)に示すように吹き飛ばされた粉粒体82は既に積載された粉粒体82のなす斜面92のさらに上部に積載され、斜面92bを形成する。吹き飛ばされた粉粒体82は斜面92のなす谷を埋めるように積載されるため、斜面92bは斜面92よりもなだらかに形成される。そして安息角θrは徐々に小さくなる。また同時に、本実施の形態の充填方法では、粉粒体82を気体放出口50によって吹き飛ばすため、本実施の形態の粉粒体充填部10の周囲には、粉粒体充填容器90の底面からみてエアリング20と該等しい高さの頂上部が粉粒体82によって形成される。この頂上部の直径の大きさ(山頂部直径Ds)は、粉粒体82によって斜面92が埋められて斜面92bが形成されるにつれて、だんだん大きく形成される。
【0108】
さらに上記気体による充填工程をおこなうと、図8(c)に示すように山頂部直径Dsはさらに大きくなり、安息角θrはさらに小さくなる。ついには図8(d)のようにエアリング20の気体放出口50から噴出する気体によって飛ばされた粉粒体82が、本実施の形態の粉粒体充填部10の周囲に積載されるようになり、エアリング20の周囲が徐々に粉粒体82によって埋められる。そのため、山頂部直径Dsが徐々に小さくなる。そして、上記山頂部直径Dsがエアリング20とほぼ同じ大きさになると、エアリング20はエアリング20の上に設けられている隙間32から漏れ出す粉粒体82に埋没する。
【0109】
エアリング20が粉粒体82に埋没し、隙間32の周囲が粉粒体82によって埋没されると、自重によって隙間32から粉粒体充填部10の外に漏れ出していた粉粒体82はそれ以上粉粒体充填容器90の内部に落下することができず、上記気体による充填工程が自動的に終了する。
【0110】
上記気体による充填工程が終了した後、粉粒体充填部10からの粉粒体82の粉粒体充填容器90内への落下を防ぐために、粉粒体制限筒30に周知の方法で設けられた蓋(図示せず)で粉粒体制限筒30の内部を塞いだ後、粉粒体充填部10を粉粒体充填容器90から取り外すようにしてもよい。
【0111】
上記のように、本実施の形態の充填方法では、粉粒体82は粉粒体充填容器90の内部にその自重によって積載されており、粉粒体充填容器90の中での積載の状態がエアリング20に設けられた気体放出口50から噴出する気体によって変更される構成である。即ち、粉粒体82は自重によって粉粒体充填容器90の中に積載されるため、粉粒体充填部10が粉粒体82に埋没し、自重によって粉粒体充填容器90内に積載することのできる空間が塞がれると粉粒体82の粉粒体充填容器内への積載が自動的に終了する。このため、粉粒体充填容器内の充填状況を常に確認することなく、簡便にコンテナなどの粉粒体充填容器の容量に対して高い効率で充填し、粉粒体充填容器内のデッドボリュームを減らすことができる。
【0112】
また、上記の実施の形態では、粉粒体82の充填方法として自重によって充填する工程の後に気体による充填工程を行ったが、充填の初めから、または途中の任意の時刻から気体供給管40に高圧気体を送り出し、気体による充填工程を開始しても良い。この場合でも、粉粒体充填部10が周囲の粉粒体82に埋没し、隙間32から粉粒体充填部10の外に粉粒体82が漏れ出すことができなくなった場合に上記気体による充填工程が自動的に終了する。
【0113】
以下に、実施例として本実施の形態の粉粒体充填装置を用いた例を示す。また、以下の実施例を行うにあたり、図9の斜視図に示すような実物のコンテナの約1/30の大きさのコンテナ190を作成し、粉粒体の自重によってコンテナ190の内部に積載する場合の安息角の測定を行なった。
【0114】
表1は、本実施例で用いた粉粒体の物性をまとめたものである。
【0115】
【表1】

【0116】
なお、以下の例は本願の発明の実施例の一つであり、本願の発明を限定するものではない。
【実施例】
【0117】
〔実施例1〕
本実施例では、粉粒体制限筒30とエアリング20との隙間32を設定する一実施例を示す。
【0118】
隙間32の大きさは、諸条件に応じて適宜設定される間隔であるが、例えば本実施例のように設定しても良い。
【0119】
図10の(a)に示すように、用いようとする粉粒体制限筒30の円筒に内径が等しい円筒130と、上記円筒130の内径に等しい外形を持つ円柱131とを用いる。図10(a)のように、円筒130の筒の中に円柱131を挿入し、円筒130が円柱131の上部(図10のz軸の向き)となるように構成する。円筒130及び円柱131は鉛直になるように設置する。そして円筒130と円柱131とで形成された窪みに、粉粒体182を充填する。
【0120】
次に図10(b)のように、円筒130を徐々に上方(図10のz軸の向き)に引っ張りあげる。すると、徐々に円筒130と円柱131との挿入状態が外れる。この挿入状態が外れた後、さらに円筒130を上方に引っ張り続けると、粉粒体182が円筒130及び円柱131の間に露出し、ついにはこれらの間からこぼれ落ちる。
【0121】
本実施例では、上記操作によって粉粒体182が円筒130と円柱131との間からこぼれ落ちたときの円筒130と、円柱131との間隔を隙間32の最小値とする。
【0122】
具体的には、円筒130として内径46mmアクリルパイプを用い、円柱131として外形46mmアクリルパイプの上側内部に蓋をしたものを用いた。粉粒体182としてポリエチレン粉粒体であるSUMIKATHENE(登録商標。F200、住友化学製)を用いた。粉粒体182の粒子の直径の大きさはおよそ3mmである。この場合、上記2本のアクリルパイプの間隔が4mmになったときに粉粒体がこぼれ落ち始めた。そのため、SUMIKATHENEを用いた場合の隙間32の最小値は4mmであると決定した。
【0123】
〔実施例2〕
本実施例では、図11に示すような実物大のコンテナのカットモデル(コンテナ290)を用いて粉粒体制限筒230とエアリング220との間隔232を(1)6cm及び(2)1cmに変化させて粉粒体充填部210による充填量の検証をおこなった。
【0124】
実施例1の方法では、粉粒体が粉粒体制限筒とエアリングとの隙間からこぼれ出すために必要な最小の隙間を求めた。隙間の大きさは、諸条件に応じて適宜設定される間隔であるので、例えば本実施例のように粉粒体を効率よく吹き飛ばすことのできる間隔232を設定しても良い。
【0125】
間隔232は、実施例1で求めた間隔よりも大きく設定することが必要であるが、この隙間を広くすると、粉粒体がこぼれだす量が多くなる。こぼれ出す粉粒体の量が多くなると、速やかにコンテナ内に粉粒体を充填することができるようになるが、一方で単位時間当たりにエアリングの外側を通過する粉粒体の量が多くなり、単位粒子に与えるエネルギーが少なくなり、粉粒体を遠方まで飛ばすことができなくなる。つまり、粉粒体制限筒とエアリングとの隙間には粉粒体毎に最適な間隔が存在する。
【0126】
本実施例では、上記コンテナ290は底辺の三角形を構成する辺がそれぞれ1.5m、1.5m、0.39mであり、2個の等しい長さの辺を挟む角度が15°であり、高さが1.5mの三角柱の形状をしている。
【0127】
また本実施例では、粉粒体282として実施例1と同じく、SUMIKATHENE(登録商標。F200、住友化学製)を用いた。
【0128】
本実施例の粉粒体充填部210では、エアリング220の直径は45cmであり、エアリング220の断面は直径8mmの円形である。また粉粒体制限筒230は内径が直径45cmの円筒形である。粉粒体制限筒230の第2中心軸は、エアリング220の第1中心軸221と同じく、上記底面の二等辺三角形の頂角が15°である位置に設定されている。本実施例では、気体放出口250はエアリング220が上記コンテナ290の内部に露出している箇所では均一に分布しており、エアリング220の環がなす第1中心軸221に対して垂直、即ちコンテナ290の底面に対して水平に形成されている。また、気体放出口250は直径3mmの円形であり、10mm間隔で形成されている。また、粉粒体制限筒230の筒の中心軸の方向からみて、粉粒体制限筒230の筒の内面とエアリング220を形成する管の中心が、同一の面内になるように形成されている。
【0129】
また充填の方法は、粉粒体282の自重による充填の後に、本実施の形態に記載した気体による充填工程を行った。
【0130】
粉粒体制限筒230とエアリング220との間隔232を6cmとした場合、粉粒体充填部210の中心部の粉粒体282の高さを基準として充填後の粉粒体282の高さを測定すると、図12に示すグラフが得られた。
【0131】
図12に示すように、自重による充填後の形状(A)に対して、エアリング220に100kPaの圧力の気体を上記エアリング220に送った場合には(B)に示す形状に充填することができた。またエアリング220に200kPaの圧力の気体を上記エアリング220に送った場合には(C)に示す形状に充填することができた。
【0132】
これらの圧力での充填では、エアリング220から離れた位置にうまく粉粒体282が充填されていないため、エアリング220に送る空気の圧力を300kPaにしたところ、(D)に示す形状に充填することができた。このことから、間隔232が6cmである場合では、300kPa程度の圧力の気体をエアリング220に送る必要があることがわかった。しかしながらある程度粉粒体282が充填されると、エアリング220に設けられた気体放出口250の開口部の近くに粉粒体282が堆積する現象が見られた。また粉粒体282が堆積している場所よりも遠くの位置では、粉粒体282がうまく充填されていない部分が生じており、コンテナ290の奥の方では若干の粉粒体282の充填されていない空間が確認できた。
【0133】
次に、粉粒体制限筒230とエアリング220との間隔232を1cmとし、50kPaの圧力の気体を上記エアリング220に送った場合には、図13に示すグラフが得られた。即ち、図13に示すように、自重による充填後の形状(E)に対して、50kPaの圧力の気体を上記エアリング220に送った場合には、(F)のような形状となり、気体放出口250からコンテナ290の奥の方までなだらかな勾配形状を描き、かつ気体放出口250が周囲の粉粒体282よりも低い位置となるように粉粒体282の層ができる。
【0134】
即ち、コンテナ290の奥の方まで十分に粉粒体282を充填することが確認できた。
【0135】
このことから、間隔232が1cmである場合に本実施の形態に記載した気体による充填工程によって粉粒体282をコンテナ290の容量に対して高い効率で充填するためには、50kPa程度の圧力の気体をエアリング220に送ると良いということがわかった。
【0136】
即ち、本実施例の構成の場合には、粉粒体制限筒とエアリングとの隙間は1cmとすることが好ましいということがわかった。
【0137】
〔実施例3〕
本実施例では、図11及び実施例2に記載する装置を用いている。但し、本実施例では、粉粒体制限筒230の内径は直径40cmの円筒形であり、エアリング220の直径は40cm及び30cmのものを用いて実施した。
【0138】
本実施例では、図14のようにエアリング220を形成する位置を粉粒体制限筒230の筒の第2中心軸231の軸の方向からみて、(3)粉粒体制限筒230の筒の内面とエアリング220を形成する管の中心とが同一の面内になるように形成されている場合、及び(4)粉粒体制限筒230の筒の内面に対してエアリング220を形成する管の中心が5cm内側に入っている場合について、それぞれエアリング220に送る気体の圧力を100kPa及び200kPaに変化させて検証した。粉粒体制限筒230とエアリング220との間隔232は1cmとし、その他の条件は実施例2と同じとした。また、本実施例では、粉粒体282としてSUMIKATHENE(登録商標。F200、住友化学製)を用いた。粉粒体282の粒子の直径の大きさはおよそ3mmである。
【0139】
その結果、表2、図15、図16及び図17に示すような結果を得た。
【0140】
【表2】

【0141】
即ち、エアリング220を(3)の位置に設定すると、エアリング220に送る気体の圧力が100kPaの場合(図15)及び200kPaの場合(図16)では、本実施の形態に記載した気体による充填工程の方法で追加充填できる粉粒体282の量自体には有意な差が見られなかったが、200kPaのほうが充填速度は速く、またエアリング220の近くまで粉粒体282が充填されることがわかった。
【0142】
またエアリング220を(4)の位置に設定すると、100kPaの場合に追加充填できる粉粒体282の量が減少することが観察された(図17)。恐らくエアリング220が粉粒体282の中に深く埋もれてしまい、エアリング220に高い圧力の気体を送り出さないと粉粒体282を吹き飛ばすことができなかったためと考えられる。
【0143】
〔実施例4〕
本実施例では、図9記載する実物のコンテナの約1/30の大きさのコンテナ190を用いて、実施の形態に記載した山頂部直径Dsと粉粒体の充填量との関係及び山頂部直径Dsと山頂部に作用させた空気の流量との関係を検証した。山頂部には鉛直下向きに空気を作用させた。尚、本実施例では、粉粒体としてSUMIKATHENE(登録商標。F200、住友化学製)を用いた。粉粒体の粒子の直径の大きさはおよそ3mmである。
【0144】
その結果、図18に示すグラフが得られた。即ち、形成する山頂部直径Dsが大きくなるにつれてコンテナ190の内部に充填される粉粒体の量が多くなることが検証されるとともに、山頂部直径Dsを大きくするためには多くの空気を流す必要があることが検証された。
【0145】
〔比較例1〕
粉粒体を自重によって積載し、山型の形状に形成された粉粒体の上部から鉛直下向きに気体の圧力を加えることにより、粉粒体によって形成される安息角を減少させる比較例を検討した。
【0146】
図19は、本比較例の構成を示す断面図であり、粉粒体382によって形成された山型の形状の頂上部に、高圧気体発生源370に接続された気体輸送管340が埋没している。本比較例の高圧気体発生源370は、気体の圧力を低周波のパルス形状の振幅として与えることができる。そのため、粉粒体382の頂上部から鉛直下向きに気体による圧力をかけることができる。本比較例では、粉粒体382としてSUMIKATHENE(登録商標。F200、住友化学製)を用いた。また、高圧気体発生源370はパルセーターランス(西村機械)を用い、圧力600kPa、パルス間隔10Hzで検討を行った。尚、粉粒体382は底面の直径が90cmになるように積載して検討を行った。
【0147】
上記の検討を行ったところ、鉛直下向きに気体の圧力を与えても上記粉粒体382が形成する山の形状にはあまり変化が見られず、安息角の変化も少なかった。
【0148】
〔比較例2〕
図20に示すように、図11と同様の構成の実物大のコンテナのカットモデルを用いて、粉粒体482をガイド493によって粉粒体充填部410から鉛直下向きに対して斜め45°に投下する場合の粉粒体482の追加充填量について検討した。粉粒体充填部410の中心軸は上記底面の二等辺三角形の頂角が15°である位置に設定されている。また、天板の位置から15cm下の位置に粉粒体充填部410の粉粒体482の投下位置が設定されている。また図20のように、粉粒体482は、底辺の三角形の頂角が15°である位置の鉛直上方であり、コンテナ490の天板の位置から30cm下の位置まで粉粒体充填部410によって積載されており、粉粒体482の自重によって山型を形成している。
【0149】
本比較例では、上記粉粒体482の投下位置から底面の頂角15°に対向する辺に向かって鉛直の方向から45°の傾きに設置されるガイド493が設けられている。ガイド493の長さは約31cmである。また、本比較例では、粉粒体482としてSUMIKATHENE(登録商標。F200、住友化学製)を用いた。
【0150】
上記の構成で、粉粒体482をガイド493の傾斜した下端の鉛直下向きの場所において、コンテナ490の天板の位置から30cmの高さまで積載したところ、図21に示すグラフのような形状に粉粒体482を積載することができた。
【0151】
本比較例では、ガイド493の近くでは追加投入することのできた粉粒体482が認められるが、上記ガイド493から離れるに従って追加投入された粉粒体482の量が減少していることがわかった。即ち本比較例の方法でも、粉粒体をコンテナの容量に対して高い効率で充填することは難しいことが判った。
【0152】
〔比較例3〕
本比較例では、コンテナの中に入れられた粉粒体が流動層となるように空気を送り込み、粉粒体をコンテナの容量に対して高い効率で充填する方法について検討した。
【0153】
図22(a)に示すように、粉粒体582をコンテナに見立てた容器590に満たし、容器590の下部に設けられた空間591に気体輸送管540によって空気を送り込んだ。本比較例では、容器590として250mlのメスシリンダを用い、粉粒体582としてSUMIKATHENE(登録商標。F200、住友化学製)を170ml使用した。
【0154】
気体輸送管540から容器590の下部に設けられた空間591に気体を送ると、送る気体の流量が増すにつれて容器590内の粉粒体582は図22(a)から図22(d)のように変化し、粉粒体582が流動的に移動する流動層を形成する。粉粒体582が流動層を形成した後、気体輸送管540から供給する気体を止めると粉粒体582は自重によって容器590に積載され、図22(a)の状態に戻る。
【0155】
本比較例で流動層を形成するために必要な気体の流量は0.001m/sであったため、底面積の比から実際のコンテナで必要となる気体の流量が14m/sであることが求められた。この結果から、上記の気体の流量を用いてコンテナ内の粉粒体の積載状態を変更することは現実的ではないと考えられる。また、図22(a)〜(d)にも示すとおり、気体輸送管540から気体を供給して流動層を形成する過程では、粉粒体582は容器590の中で気体によって撹拌され、多くの体積を占めるように広がる。そのため、コンテナのような密閉した領域に容量一杯に粉粒体を充填する事例には適用することが難しいと考えられる。
【0156】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0157】
以上のように、本発明では、粉粒体をシーバルクコンテナを含むコンテナなどの粉粒体充填容器に積載する場合において、粉粒体はその自重によって積載される構成であり、粉粒体が容器に積載されるにつれて上記粉粒体の自重によるだけでは上記容器に積載されなくなる場合に、本発明の粉粒体充填装置の隙間からこぼれ出た粉粒体を気体によって吹き飛ばし、容器の中に積載する構成である。そのため、積載する容器に高密度に上記粉粒体を積載することができると共に、容器内に粉粒体が充分充填され、粉粒体充填装置の隙間から粉粒体が自重によってこぼれなくなると、それ以上粉粒体は容器内に充填されず、充填工程が自動的に終了する。それ故、本発明は、シーバルクコンテナを含むコンテナなどの粉粒体充填容器への粉粒体充填装置に代表される各種粉粒体の充填装置に用いることができるだけでなく、一般の形状の荷台や、貯蔵槽、貯蔵庫、その他特に形状の固定された収容体などに各種粉粒体を充填する充填装置に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【図1】本発明における粉粒体充填装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】(a)は、図1に記載する粉粒体充填装置の粉粒体充填部を示す斜視図であり、(b)〜(e)はその変形例を示す斜視図である。
【図3】(a)〜(e)は、図2(a)に記載する粉粒体制限筒の内面に対するエアリングの大きさを示す断面図である。
【図4】図2(a)に記載する粉粒体制限筒とエアリングとの空間的な配置を示すと共にエアリングに形成される気体放出口の開口部の法線方向と環状に形成されたエアリングとがなす面の関係について示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、図2(a)に記載する粉粒体充填部におけるエアリングの変形例を示す平面図である。
【図6】(a)〜(e)は、図2(a)に記載する粉粒体充填部におけるエアリングの管の断面の形状の変形例を示す断面図である。
【図7】図1の粉粒体充填装置が使用される場合の周辺装置との接続を示す断面図である。
【図8】(a)〜(d)は本実施の形態の充填方法の各段階を示すコンテナの断面図である。
【図9】本発明における粉粒体充填装置の実施例で用いられたコンテナの一形態を示す斜視図であり、実物のコンテナの約1/30の大きさであることを示す斜視図である。
【図10】(a)及び(b)は、本発明における粉粒体充填装置の実施例で用いられた粉粒体制限筒とエアリングとの隙間を設定するための一形態を示す斜視図であり、(a)のように構成した2本の筒を(b)のように引き抜くときに筒の中に設けた粉粒体がこぼれる様子を示す斜視図である。
【図11】本発明における粉粒体充填装置の実施例で用いられたコンテナの別の一形態を示す斜視図であり、積載口を中心とする15°のカットモデルであることを示す斜視図である。
【図12】本発明における粉粒体充填装置の実施例を示すグラフであり、図11のコンテナへの粉粒体の充填状況を示すグラフである。
【図13】本発明における粉粒体充填装置の実施例を示す別のグラフであり、図11のコンテナへの粉粒体の充填状況を示す別のグラフである。
【図14】本発明における粉粒体充填装置の実施例で用いられたコンテナの別の一形態を示す断面図であり、図11の粉粒体充填装置のエアリングの取付位置を変更することを示す断面図である。
【図15】本発明における粉粒体充填装置の実施例を示す別のグラフであり、図14のコンテナへの粉粒体の充填状況を示すグラフである。
【図16】本発明における粉粒体充填装置の実施例を示す別のグラフであり、図14のコンテナへの粉粒体の充填状況を示すグラフである。
【図17】本発明における粉粒体充填装置の実施例を示す別のグラフであり、図14のコンテナへの粉粒体の充填状況を示すグラフである。
【図18】本発明における粉粒体充填装置の実施例を示す別のグラフであり、粉粒体によって形成される山頂部直径とコンテナへの粉粒体の充填量との関係及び粉粒体によって形成される山頂部直径と山頂部に作用させた空気の流量との関係を示すグラフである。
【図19】本発明における粉粒体充填装置の比較例を示す断面図である。
【図20】本発明における粉粒体充填装置の別の比較例を示す斜視図である。
【図21】本発明における粉粒体充填装置の別の比較例を示すグラフであり、図17の粉粒体充填装置を用いた場合のコンテナへの粉粒体の充填状況を示すグラフである。
【図22】(a)〜(d)は本発明における粉粒体充填装置の別の比較例を示す断面図であり、気体を容器の底面から送り込んだときに生じる流動層を段階毎にそれぞれ示した断面図である。
【図23】(a)は従来の粉粒体充填装置によって充填される粉粒体の様子を示した斜視図であり、(b)は(a)のAA’断面図である。
【図24】従来の粉粒体充填装置によって粉粒体を充填する様子を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0159】
1 粉粒体充填装置
10,210 粉粒体充填部
20,220 エアリング(粉粒体分散部)
21,221 第1中心軸
30,230 粉粒体制限筒(粉粒体放出部)
31,231 第2中心軸(粉粒体放出部の中心部を通る中心軸)
32,232 隙間(下端開口部と上記粉粒体分散部との鉛直方向の間隔)
33 支柱(接続部)
34 軸受け(接続部)
35 ネジ(接続部)
36 粉粒体放出開口部(下端開口部)
40 気体供給管
50,250 気体放出口(気体放出孔)
60 粉粒体輸送管
70 高圧気体発生源(圧縮気体供給源)
80 粉粒体貯蔵部(粉粒体の供給源)
82,182,282 粉粒体
90 粉粒体充填容器
190,290 コンテナ(粉粒体充填容器)
θair 開口部形成角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下の両端に開口部を有する筒状の粉粒体放出部と、上記粉粒体放出部の下方に設けられる粉粒体分散部とを備えており、
上記粉粒体放出部の上方の上端開口部は、上記粉粒体放出部から放出する粉粒体の供給源に接続可能であり、
上記粉粒体放出部の下方の下端開口部は、上記粉粒体を充填する粉粒体充填容器に接続可能であり、
上記粉粒体分散部は、
内部に気体を流動可能な管であり、
圧縮気体供給源に接続されており、
上記粉粒体分散部の表面には、上記粉粒体放出部の中心部を通る中心軸から離れる方向であって、水平な方向を含む平面に上記圧縮気体供給源から供給された圧縮気体を放出する複数の気体放出孔が形成されていることを特徴とする粉粒体充填装置。
【請求項2】
上記粉粒体分散部が、環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体充填装置。
【請求項3】
上記粉粒体分散部が、複数の管によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体充填装置。
【請求項4】
上記粉粒体分散部を構成する複数の管が集合して環状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の粉粒体充填装置。
【請求項5】
上記粉粒体分散部は、上記粉粒体放出部の下端開口部に対向し、かつ該下端開口部から上記粉粒体を落下して堆積する場合に生じる粉粒体堆積物に埋没する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載する粉粒体充填装置。
【請求項6】
上記粉粒体放出部と上記粉粒体分散部とは接続部によって接続されており、
上記接続部は、上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との間隔を変えることができることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体充填装置。
【請求項7】
上記粉粒体放出部の下端開口部と上記粉粒体分散部との鉛直方向の間隔が、上記下端開口部を封止部材によって水平方向に封止して上記粉粒体放出部に上記粉粒体を充填した後、上記封止部材を鉛直下方向に外した場合に、該粉粒体が上記粉粒体放出部から連続的に排出されるときの間隔よりも大きい間隔であることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体充填装置。
【請求項8】
それぞれの上記気体放出孔は、
上記気体放出孔の形成される面の法線方向と、筒状に形成された上記粉粒体放出部の中心部を通る中心軸に対して垂直であると共に上記気体放出孔を通る平面と、のなす角度である開口部形成角が上記下端開口部側に45°以内であることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体充填装置。
【請求項9】
上記粉粒体放出部が円筒で形成されており、上記粉粒体分散部が円環で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体充填装置。
【請求項10】
粉粒体充填容器内に粉粒体を充填する粉粒体の充填方法であって、
粉粒体を放出する開口部である粉粒体放出部の下端開口部と、気体を放出する気体放出孔が設けられている粉粒体分散部とが間隔を隔てた位置に設けられる構造を有し、該下端開口部と上記気体放出孔とが上記粉粒体充填容器の内部に備えられており、
該下端開口部から上記粉粒体充填容器の内部に上記粉粒体をその自重によって落下させる工程と、上記粉粒体が落下する方向に交差し、かつ上記気体放出孔が上記粉粒体充填容器の内壁の方向に気体の流れを形成する工程とを有することを特徴とする粉粒体の充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−222254(P2008−222254A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61027(P2007−61027)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】