説明

粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置

【課題】米飯等の食品の表面に粉粒食品をふりかける際に、好適な図柄を描くことができるようにした粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置を提供する。
【解決手段】第1部材(1)に形成した第1テンプレート(8)にベース図柄(B)の輪郭を表すベース窓孔(7)を開設し、第2部材(2)に形成した第2テンプレート(14)に詳細図柄(D)の輪郭を表す詳細窓孔(13)を開設する。米飯等の対象食品(F)の表面に、第1テンプレート(8)を載せた状態で粉粒食品(G1)をふりかけることによりベース図柄(B)を形成した後、第1テンプレート(8)の上に第2テンプレート(14)を重ね合わせる。この際、詳細窓孔(13)がベース窓孔(7)の所定位置に臨むように両テンプレート(8)(14)を固定保持する位置決め手段(15a)(15b)が設けられている。そこで、第2テンプレート(14)に粉粒食品(G2)をふりかけると、ベース図柄(B)の所定位置に詳細図柄(D)が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米飯等の食品の表面に粉粒食品をふりかける際に、好適な図柄を描くことができるようにした粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、児童等を喜ばせるために、米飯等の対象食品の表面に粉粒食品をふりかけることが行われており、その際、ふりかけられた粉粒食品により所望の図柄を描くようにしたテンプレートが提供されている。
【0003】
テンプレートは、所望の図柄の輪郭を表す窓孔を開設しているので、対象食品の表面にテンプレートを載せた状態で、該テンプレートの上から粉粒食品をふりかけると、窓孔を通過した粉粒食品が対象食品の表面に付着する。従って、テンプレートを取り除くと、対象食品の表面に付着した粉粒食品が所望の図柄を描くことになる。
【0004】
【特許文献1】特開平8−23903号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の場合、1枚のテンプレートにより所望の図柄を描くことができるが、その図柄の上に更に詳細な図柄を描くことができない。例えば、図柄を自動車とした場合、粉粒食品により自動車の輪郭を表すベタ塗り状のベース図柄を形成することができるが、その自動車のホイールやウインドウ等の詳細な図柄を表すことができない。
【0006】
そこで、更にホイールやウインドウ等の詳細図柄を表す窓孔を開設した別の追加テンプレートを準備し、最初にテンプレートを用いて粉粒食品をふりかけることにより形成した自動車等のベース図柄の上に追加テンプレートを重ね合わせ、再び色彩の異なる粉粒食品をふりかければ、ホイールやウインドウ等の詳細図柄を表すことが可能になる。しかしながら、先に形成したベース図柄の上に重ねて詳細図柄を形成する際、その正確な位置合わせが困難であり、失敗する確率が高い。
【0007】
また、単なる板状のテンプレートを使用するときは、ふりかけた粒状食品がテンプレートの周囲に飛散し、飛散した粒状食品が対象食品の表面に付着するという問題がある。
【0008】
そして、前述のような2枚のテンプレートを使用する場合、最初のテンプレートにより形成した粉粒食品のベース図柄の上に、追加のテンプレートにより形成される粉粒食品の詳細図柄が重ねられるため、例えば、粒子の粗い粉粒食品の場合、詳細図柄の輪郭が崩れ易いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決した粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置を提供するものであり、その手段として構成したところは、ベース図柄の輪郭を表すベース窓孔を開設した第1テンプレートを備える第1部材と、詳細図柄の輪郭を表す詳細窓孔を開設した第2テンプレートを備える第2部材とから成り、前記第1部材と第2部材は、第1テンプレートの上に第2テンプレートを着脱自在に重ね合わせ可能であると共に、重ね合わせた状態で詳細窓孔がベース窓孔の所定位置に臨むように両テンプレートを固定保持する位置決め手段を設けて成る点にある。
【0010】
また、本発明のテンプレート装置が好ましい手段として構成したところは、大きめに形成された底壁と周壁を備える椀状の第1部材と、該第1部材に嵌脱自在に嵌入されるように小さめに形成された底壁と周壁を備える椀状の第2部材とから成り、前記第1部材は、底壁にベース図柄の輪郭を表すベース窓孔を開設することにより第1テンプレートを構成し、前記第2部材は、底壁に詳細図柄の輪郭を表す詳細窓孔を開設することにより第2テンプレートを構成し、第1部材の周壁に第2部材の周壁を嵌入したとき、第1テンプレートの上に第2テンプレートが重ね合わせられ、重ね合わせた状態で詳細窓孔がベース窓孔の所定位置に臨むように構成されて成る点にある。
【0011】
本発明の好ましい実施形態において、第1テンプレートの底面には多数の凹凸が形成されている。また、第1部材の周壁の外側にはヘラ部材が着脱自在に取付けられている。
【0012】
第1部材及び第2部材は、好ましくは、それぞれの周壁の上縁に外向きフランジを設け、第1部材に第2部材を内嵌した状態で、第1部材のフランジの上に第2部材のフランジが重なるように構成されており、第1部材のフランジを部分的に切欠することにより、第2部材のフランジの下側に指掛け空間を形成している。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明によれば、ベース図柄Bの輪郭を表すベース窓孔7を開設した第1テンプレート8を備える第1部材1と、詳細図柄Dの輪郭を表す詳細窓孔13を開設した第2テンプレート14を備える第2部材2とから成り、前記第1部材1と第2部材2は、第1テンプレート8の上に第2テンプレート14を着脱自在に重ね合わせ可能であると共に、重ね合わせた状態で詳細窓孔13がベース窓孔7の所定位置に臨むように両テンプレート8、14を固定保持する位置決め手段15a、15bを設けた構成であるから、対象食品Fの表面に載置した第1テンプレート8に粉粒食品G1をふりかけることによりベース図柄Bを形成した後、第1テンプレート8に重ね合わせた第2テンプレート14に粉粒食品G2をふりかけることによりベース図柄Bの上に重ねて詳細図柄Dを形成することができ、しかも、ベース図柄Bと詳細図柄Dが相互に正確に位置合わせされた状態で形成されるという効果がある。
【0014】
請求項2に記載の本発明によれば、それぞれ椀状に形成した第1部材1に第2部材2を嵌入する構成とされており、周壁4、10により、位置決め手段15a、15bのみならず、粉粒食品G1、G2の飛散防止手段を構成することができるので、ふりかけの際に周囲に飛散した粉粒食品G1、G2が対象食品Fに付着するようなことがなく、形成後の図柄の美観を損なわないという効果がある。
【0015】
請求項3に記載の本発明によれば、第1テンプレート8の底面に多数の凹凸16を形成しているので、図柄B、Dを形成した後、テンプレート装置を対象食品Fから持ち上げ離隔させる際に、対象食品Fが米飯の場合でも、米粒が付着し難く、第1テンプレート8を容易に持ち上げることができる。
【0016】
請求項4に記載の本発明によれば、ヘラ部材17を使用することにより、第1部材1及び第2部材2の底壁3、9に残存した粉粒食品G1、G2を窓孔7、13に集めて通過させることができ、しかも、図柄B、Dを押さえつけることにより分厚い図柄を形成することが可能になる。
【0017】
請求項5に記載の本発明によれば、第1部材1に第2部材2を嵌入した状態で、堅く勘合され分離し難い場合でも、フランジ6、12を指先で離反させることにより、第1部材1と第2部材2を容易に分離することができる。この際、第1部材1のフランジ6に形成した切欠19により第2部材2のフランジ12の下側に指掛け空間20が形成されているので、両フランジ6、12が近接して重なる場合でも、指掛け空間20に指先を挿入することにより第2部材2のフランジ12を押し上げることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。以下の説明において、「粉粒食品」とは、粉状又は粒状の食品の何れか一方又は両者を混合した食品を意味する。また、「椀状」とは、図示のような比較的深底とした形態の他、浅底とした皿状の形態を含む意味である。
【0019】
図1及び図2に示すように、テンプレート装置は、それぞれ合成樹脂により成形された第1部材1と第2部材2とから構成されている。
【0020】
第1部材1は、大きめに形成された底壁3と周壁4を備え、上部全体に開口5を有する椀状形態に形成され、周壁4の上縁に外向きフランジ6を形成しており、底壁3にベース図柄Bの輪郭を表すベース窓孔7を開設することにより第1テンプレート8を構成する。
【0021】
第2部材2は、小さめに形成された底壁9と周壁10を備え、上部全体に開口11を有する椀状形態に形成され、周壁10の上縁に外向きフランジ12を形成しており、底壁9に詳細図柄Dの輪郭を表す詳細窓孔13を開設することにより第2テンプレート14を構成する。
【0022】
図例の場合、第1テンプレート8のベース窓孔7により形成されるベース図柄Bが自動車を表す全体図柄とされ、第2テンプレート14の詳細窓孔13により形成される詳細図柄Dが自動車のホイールやウインドウその他を表す図柄とされているが、これに限定されるものではなく、アニメのキャラクター、その他、種々の図柄を構成することが可能である。また、詳細窓孔13は、複数の図柄を表すように複数設けるのが好ましいが、少なくとも1個以上であれば良い。
【0023】
第2部材2は第1部材1に嵌脱自在に嵌入されるように構成されており、嵌入状態において、第1部材1の底壁3(第1テンプレート8)の上に第2部材2の底壁9(第2テンプレート14が重ね合わせられる。この重ね合わせ状態において、詳細窓孔13がベース窓孔7の所定位置に臨むように構成され、詳細窓孔13とベース窓孔7が位置ずれしないように、嵌合された周壁4、10が底壁3、9(第1テンプレート8及び第2テンプレート14)を固定保持する位置決め手段15a、15bを構成する。
【0024】
図1(B)に示すように、第1部材1の底壁3の底面には、多数の凹凸16が形成されており、図例の場合、平行に配置された多数のリブ16aにより凹凸16を形成しているが、多数の突起群により凹凸16を形成しても良い。
【0025】
第1部材1の周壁4の外側には板状のヘラ部材17が着脱自在に取付けられている。ヘラ部材17は、柄17aの先端に肉薄状のヘラ部17bを設けたものとして合成樹脂により成形され、取付手段18により周壁4に着脱自在に固着される。図3(A)に示す図例の場合、取付手段18は、周壁4の外側に突設した嵌着突起18aと、ヘラ部材17の柄17aに形成した嵌着孔18bとから構成され、相互に着脱自在に嵌着する構成としているが、これに限定されるものではない。
【0026】
図1(A)に示すように、第1部材1に第2部材2を嵌入すると、第1部材1のフランジ6の上に第2部材2のフランジ12が近接して重なることになる。そこで、第1部材1のフランジ6は、部分的に切欠19を形成しており、これにより第2部材2のフランジ12の下側に指掛け空間20を形成する。従って、相互に嵌合された第1部材1と第2部材2を分離する際には、指掛け空間20に指先を挿入することにより第2部材2のフランジ12を押し上げることが可能となる。
【0027】
上記構成に基づくテンプレート装置を使用することにより、米飯等の対象食品Fの表面に粉粒食品Gによるふりかけ模様を形成するには、図5に示すように、第1部材1と第2部材2を分離した状態で、第1部材1の底壁3(第1テンプレート8)を対象食品Fの表面に載せ、該底壁3に所定の色彩の粉粒食品G1をふりかけると、ベース窓孔7を通過する粉粒食品G1により、対象食品Fの表面にベース図柄Bが形成される。この際、底壁3の上に残存した粉粒食品G1は、ヘラ部材17を使用することにより、ベース窓孔7に移動させると共に、ベース図柄Bを対象食品Fの表面に陥没するように押さえつけることにより、分厚いベース図柄Bを形成することができる。尚、図5は、説明の便宜上、第1部材1を対象食品Fから離隔させた状態を示しているが、使用中、底壁3を対象食品Fの表面に載置し続けていると理解されたい。
【0028】
ベース図柄Bを形成した後、次いで、図6に示すように、第1部材1に第2部材2を嵌入し、第2部材2の底壁9(第2テンプレート14)に異なる色彩の粉粒食品G2をふりかけると、詳細窓孔13を通過する粉粒食品G2により、ベース図柄Bの上に詳細図柄Dが形成される。この場合も、底壁9の上に残存した粉粒食品G2は、ヘラ部材17を使用することにより、詳細窓孔13に移動させると共に、詳細図柄Dをベース図柄Bの表面に陥没するように押さえつけることにより、分厚い詳細図柄Dを形成することができる。尚、図6は、説明の便宜上、テンプレート装置を対象食品Fから離隔させた状態を示しているが、ベース図柄Bを形成する際に第1部材1を対象食品Fの表面に載置した状態から、第1部材1を動かさないで第2部材2を嵌入し、そのままの状態で粉粒食品G2を振りかけることを理解されたい。
【0029】
詳細図柄Dを形成した後は、テンプレート装置(相互に嵌合した第1部材1と第2部材2の全体)を対象食品Fから持ち上げ離隔させれば良い。この際、対象食品Fに接していた第1部材1の底壁3の底面には凹凸16が設けられているので、対象食品Fが米飯の場合でも、米粒が付着し難く、底壁3を容易に持ち上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の1実施形態に関して第1部材に第2部材を嵌入した状態を示し、(A)は通常の状態を示す斜視図、(B)は反転した状態を示す斜視図である。
【図2】第1部材と第2部材を分解した状態を示す斜視図である。
【図3】第1部材を示し、(A)は第1部材とヘラ部材を分解した状態を示す斜視図、(B)は第1部材を示す横断面図である。
【図4】第2部材を示し、(A)は斜視図、(B)は横断面図である。
【図5】第1部材を使用することによりベース図柄を形成する方法を説明する斜視図である。
【図6】第1部材に重ねた第2部材を使用することにより詳細図柄を形成する方法を説明する斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 第1部材
2 第2部材
3、9 底壁
4、10 周壁
5、11 開口
6、12 フランジ
7 ベース窓孔
8 第1テンプレート
13 詳細窓孔
14 第2テンプレート
15a、15b 位置決め手段
16 凹凸
17 ヘラ部材
19 切欠
20 指掛け空間
F 対象食品
G1、G2 粉粒食品
B ベース図柄
D 詳細図柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース図柄(B)の輪郭を表すベース窓孔(7)を開設した第1テンプレート(8)を備える第1部材(1)と、詳細図柄(D)の輪郭を表す詳細窓孔(13)を開設した第2テンプレート(14)を備える第2部材(2)とから成り、
前記第1部材(1)と第2部材(2)は、第1テンプレート(8)の上に第2テンプレート(14)を着脱自在に重ね合わせ可能であると共に、重ね合わせた状態で詳細窓孔(13)がベース窓孔(7)の所定位置に臨むように両テンプレート(8)(14)を固定保持する位置決め手段(15a)(15b)を設けて成ることを特徴とする粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置。
【請求項2】
大きめに形成された底壁(3)と周壁(4)を備える椀状の第1部材(1)と、該第1部材に嵌脱自在に嵌入されるように小さめに形成された底壁(9)と周壁(10)を備える椀状の第2部材(2)とから成り、
前記第1部材(1)は、底壁(3)にベース図柄(B)の輪郭を表すベース窓孔(7)を開設することにより第1テンプレート(8)を構成し、
前記第2部材(2)は、底壁(9)に詳細図柄(D)の輪郭を表す詳細窓孔(13)を開設することにより第2テンプレート(14)を構成し、
第1部材(1)の周壁(4)に第2部材(2)の周壁(10)を嵌入したとき、第1テンプレート(8)の上に第2テンプレート(14)が重ね合わせられ、重ね合わせた状態で詳細窓孔(13)がベース窓孔(7)の所定位置に臨むように構成されて成ることを特徴とする粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置。
【請求項3】
第1テンプレート(8)の底面に多数の凹凸(16)を形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置。
【請求項4】
第1部材(1)の周壁(4)の外側にヘラ部材(17)を着脱自在に取付けて成ることを特徴とする請求項2に記載の粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置。
【請求項5】
第1部材(1)及び第2部材(2)のそれぞれの周壁(4)(10)の上縁に外向きフランジ(6)(12)を設け、第1部材(1)に第2部材(2)を内嵌した状態で、第1部材(1)のフランジ(6)の上に第2部材(2)のフランジ(12)が重なるように構成されており、
第1部材(1)のフランジ(6)を部分的に切欠することにより、第2部材(2)のフランジ(12)の下側に指掛け空間(20)を形成して成ることを特徴とする請求項2、3又は4に記載の粉粒食品ふりかけ用テンプレート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−291412(P2009−291412A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147975(P2008−147975)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(390035091)スケーター株式会社 (23)
【Fターム(参考)】