説明

粒子の製造装置および製造方法

【課題】粒径分布幅の狭い粒子を高密度にて製造できる粒子の製造装置を提供する。
【解決手段】蒸気ガスを含む原料ガスの流路となる導管11と、外管12、および外管12の内側に設けられた内管13により構成されている二重管構造部22と、を備えており、上記外管12は、導管11と連結された一方の開口部12aと、外管12と内管13との間に冷却ガスを導入するための他方の開口部12bとを有し、内管13は、導管11と外管12とが連結されている位置において導管11に対して開口する開口部13aを有し、原料ガスと冷却ガスとが対向して生じる混合ガスを外部に取り出す流路となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大気圧下において気相中にナノ粒子を供給する方法の1つとして、原料物質を加熱して気化させた後、冷却して凝縮させることによってナノ粒子を得る方法(蒸発凝縮法)が知られている(非特許文献1)。
【0003】
また、急速に冷却する方法として、冷却管の内径を小さくする方法(非特許文献2)、焼結(多孔質)金属管を用いて冷却ガスを混合する方法(非特許文献3および特許文献1)、および外周から冷却ガスを噴流して混合する方法(非特許文献4)が開示されている。
【0004】
また、気体から粒子への転換方法を利用したナノ粒子の製造方法において、前駆体を分解させた後に生成される前駆体の分解産物またはその分解産物の初期凝縮物に気体放電を加えて、前駆体の分解産物またはその分解産物の初期凝縮物に同種の電荷を有させることによって、低分散のナノ粒子に凝縮させるナノ粒子の製造方法が知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2008−505992号公報(2008年2月28日公表)
【特許文献2】特開2006−143577号公報(2006年6月8日公開)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】粉体工学便覧(第2版),289(1998)
【非特許文献2】H. G. Scheibel, J. Porstendorfer, "GENERATION OF MONODISPERSE Ag- AND NaCl- AEROSOLS WITH PARTICLE DIAMETERS BETWEEN 2 AND 300 nm", Journal of Aerosol Science, 14(2), 113-126(1983)
【非特許文献3】U. Backman et al., "The effect of boundary conditions on gas-phase synthesized silver nanoparticles", Journal of Nanoparticle Research, 4, 325-335(2002)
【非特許文献4】L. Zhang et al., "SYNTHESIS OF NANOPHASE SILVER PARTICLES", Journal of Aerosol Science, 32(Supplement 1), S241-242(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
物性測定のための標準粒子、原料などに用いるナノ粒子としては、高密度(高濃度)であること、および粒径分布幅が狭いことが求められる。しかしながら、上述した従来技術では、十分に高密度であり、かつ粒径分布幅が狭いナノ粒子を得ることができず、特に、粒径100nm以下のナノ粒子を高い個数密度にて得ることができないという問題がある。
【0008】
例えば、非特許文献1に記載された蒸発凝縮法では、粒径が小さいナノ粒子ほど個数密度が低くなる傾向があり、個数密度を高くするための方法については記載されていない。また、粒径が小さいナノ粒子を高い個数密度にて得るためには、原料物質から発生した蒸気を急速に冷却することが不可欠である。しかし、非特許文献2〜4および特許文献1に記載された方法を用いて冷却した場合には、粒径100nm以下のナノ粒子の個数密度を十分に高くすることができない。また、上述した従来技術には、粒径分布幅が十分に狭いナノ粒子を得る方法についても記載されていない。
【0009】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、粒径分布幅の狭い粒子を高密度にて製造できる粒子の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係る粒子の製造装置は、気体状の原料物質を含む原料ガスの流路となる導管と、第1の管、および当該第1の管の内側に設けられた第2の管により構成されている二重管構造部と、を備えており、上記第1の管は、上記導管と連結された一方の開口部と、上記第1の管と上記第2の管との間に冷却ガスを導入するための他方の開口部とを有し、上記第2の管は、上記導管と上記第1の管とが連結されている位置において当該導管に対して開口する開口部を有し、上記原料ガスと上記冷却ガスとが対向して生じる混合ガスを外部に取り出す流路となることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る製造装置では、上記第1の管が有する上記他方の開口部に取り付けられた冷却ガス供給手段をさらに備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る製造装置では、上記導管における、上記第1の管との連結部分を含みかつ上記導管の管軸方向に連続した領域を、加熱するための加熱手段を備え、上記導管は、連続した上記領域に存在する気体状の上記原料物質を上記二重管構造部側へ送る導入ガスを導入するための導入ガス用開口部を、連続した上記領域外に有することが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る製造装置では、上記導入ガス用開口部に取り付けられた導入ガス供給手段をさらに備えることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る製造装置では、上記第1の管における他方の開口部は、その開口中心が上記第1の管の管軸に直交する直線上に存在することが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る製造装置では、上記第1の管は、上記第1の管における他方の開口部から一方の開口部の間に、内径が小さくなっている縮小部を備えていることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る製造装置では、上記縮小部は、他方の開口部から一方の開口部に向けて内径が小さくなるテーパー形状であるか、又は、上記縮小部は、上記第1の管の内壁に、当該第1の管の管軸に垂直な面に沿って輪状に設けられた突起部により構成されている、ことが好ましい。
【0017】
本発明に係る粒子の製造方法は、気体状の原料物質を含む原料ガスと、当該原料ガスを冷却する冷却ガスとが流路内で対向するように、当該原料ガスと当該冷却ガスとを流路内に流す工程と、上記原料ガスの流れを用いて、上記原料ガスと上記冷却ガスとの混合ガスを上記流路外に取り出し、気体状の上記原料物質が冷却されて生じた粒子を得る工程と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る製造方法では、気体状の上記原料物質は、上記流路内で原料物質が加熱されて生じたものであり、上記原料ガスは、気体状の上記原料物質を冷却ガス側へ流す導入ガスをさらに含んでいることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、粒径分布幅の狭い粒子を高密度にて製造できる粒子の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る製造装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明に係る製造装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明に係る製造装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明に係る製造装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例における製造装置の概略構成を示す図である。
【図6】実施例1および比較例における製造装置を用いて製造した銀ナノ粒子の粒径分布を示すグラフである。
【図7】銀ナノ粒子のモード径と幾何標準偏差との関係を示すグラフである。
【図8】銀ナノ粒子のモード径とモード径個数密度との関係を示すグラフである。
【図9】実施例1における製造装置を用いて製造したL−ロイシンナノ粒子の粒径分布を示すグラフである。
【図10】本発明の比較例における粒子発生装置の構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
本発明の一実施形態について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る製造装置の一実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【0022】
(粒子発生装置1)
本実施形態における粒子発生装置(製造装置)1は、粒子を製造する装置である。
【0023】
粒子とは、微細な粒であり、例えば固体の粒子であってもよく、またナノ粒子であってもよい。ナノ粒子とは、粒径が1nm〜100nmである粒子をさす。本発明は、例えば、金属、有機物、塩類等の粒子、特にナノ粒子の製造に好適に用いることができる。金属としては、例えば銀、亜鉛、マンガン等が挙げられる。また、有機物としては、例えばL−ロイシン、ステアリン酸、アセチルサリチル酸等が挙げられる。塩類としては、例えば塩化ナトリウム、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等が挙げられる。
【0024】
本発明によって製造された粒子は、例えば粒子の化学組成分析のための標準粒子、微細配線、触媒、抗菌材料等に用いる粒子などに利用できる。標準粒子としては、例えば、微分型電気移動度分析器(DMA:Differential Mobility Analyzer)用の標準粒子などが挙げられる。
【0025】
粒子発生装置1は、導管11と、二重管構造部22と、電気炉(加熱手段)14とを備えている。二重管構造部22は、導管11に連結されており、外管(第1の管)12および内管(第2の管)13により構成されている。導管11と外管12とは一体的に形成されており、導管11の管軸方向と外管12の管軸方向とは一致している。
【0026】
導管11ならびに二重管構造部22における外管12および内管13は、ガラスにより構成されている導管である。これらに用いるガラスとしては、例えば石英ガラス等を用いることができる。なお、本発明における導管および二重管構造部としては、ガラスに限らず、例えばセラミック、高融点金属等を用いることができる。セラミックとしては、例えばアルミナ、ムライト等が挙げられる。高融点金属としては、例えばモリブデン、タングステン等が挙げられる。
【0027】
導管11は、蒸気ガス(気体状の原料物質)を含む原料ガスの流路となる。導管11は、その内部に加熱領域21を有する。加熱領域21は、導管11における、外管12との連結部分23を含み、かつ導管11の管軸方向に連続した領域である。加熱領域21を有する導管11の周囲には電気炉14が設けられている。加熱領域21では、供給された原料物質31を加熱して気化させることによって蒸気ガスを発生させる。
【0028】
導管11の一方の開口部(導入ガス用開口部)11aは、導管11の加熱領域21外に形成されている。開口部11aは、その開口中心が、導管11の管軸上にある開口部であり、導管11内に導入ガスを導入するための導入口である。開口部11aは、例えば、導管11内に導入ガスを導入するための導入ガス供給手段が接続可能になっている。
【0029】
ここで、導入ガス供給手段とは、例えば導入ガスが貯められたタンクと、当該タンクおよび開口部11aとを接続する配管と、当該配管に設けられたバルブとにより構成されているものなどが挙げられる。
【0030】
導管11と外管12とが一体的に形成されることによって、導管11の他方の開口部11bは、外管12の一方の開口部12aに連結されている。開口部11aから導入ガスが導入されると、加熱領域21において発生した蒸気ガスは、導入ガスによって二重管構造部22側へ送られる。
【0031】
原料物質31としては、製造する粒子に応じて、例えば金属、有機物等を用いることができる。原料物質31を加熱領域21内に供給する方法としては、粒子の製造を行なう前に予め加熱領域21内に直接供給する方法、粒子の製造前または製造中に、エアロゾルとして導入ガスとともに加熱領域21内に供給する方法、棒状の原料物質31を開口部11aから挿し入れる方法などが挙げられる。「エアロゾル」とは、原料物質31を噴霧法等により粒子化してガス中に分散させた状態のものなどをさす。
【0032】
原料ガスとは、加熱領域21において発生した蒸気ガスを含むガスであり、本実施形態においては、導入ガスを含んでいる。導入ガスとは、加熱領域21において発生した蒸気ガスを二重管構造部22側へ送る(押し出す)ためのガスであり、例えば窒素等の不活性ガスを用いることができる。導入ガスは、加熱領域21に存在する蒸気ガスを同伴して原料ガスとなって連結部分23に達する。
【0033】
なお、本発明における導管は、その一方の開口部から、気体状の原料物質を含む原料ガスが導入されて、第1の管との連結部分まで流れる流路であってもよい。すなわち、導管の外部において原料物質が加熱されて生じた気体状の原料物質が、原料ガスとして、または原料ガスに含まれて、導管内に導入されてもよい。
【0034】
電気炉14は、加熱領域21を有する導管11の周囲に設けられており、加熱領域21内を加熱するための加熱手段である。なお、本発明における加熱手段としては、電気炉14に限らず、例えば高周波誘導加熱炉、レーザー加熱装置、赤外線加熱装置等を用いることができる。電気炉14と導管11との間には、温度差を測定するセンサである熱電対15が設けられている。
【0035】
外管12は、二重管構造部22における外側の管であり、直線状に伸びる管である。外管12の一端部には一方の開口部12aが形成されており、他端部は、端面12fが形成されて閉じている。外管12の一方の開口部12aは、上述したように導管11の開口部11bに連結されている。なお、外管12の開口部12aにおける内径は、小さいほど、後述する混合領域を狭くすることができ、原料ガスと冷却ガスとの混合および蒸気ガスの冷却が速やかに行なわれ、粒径分布幅の狭い粒子を生成させることができるので好ましい。
【0036】
また、外管12は、他方の開口部12bを有している。他方の開口部12bは、その開口中心が外管12の管軸に直交する直線上に存在している。開口部12bは、外管12と内管13との間に冷却ガスを導入するための導入口である。開口部12bは、例えば、外管12と内管13との間に冷却ガスを導入するための冷却ガス供給手段が接続可能になっている。
【0037】
ここで、冷却ガス供給手段とは、例えば冷却ガスが貯められたタンクと、当該タンクおよび開口部12bとを接続する配管と、当該配管に設けられたバルブとにより構成されているものなどが挙げられる。
【0038】
開口部12bから導入された冷却ガスは、二重管構造部22における外管12と内管13との間の領域を通って、導管11と二重管構造部22との連結部分23の方向に導かれる。外管12の開口部12bの開口中心が外管12の管軸に直交する直線上に存在していることによって、冷却ガスを連結部分23に均一に導入させることができる。
【0039】
なお、本実施形態における外管12は、一方の開口部12aから他方の開口部12bまでの内径が一定であるが、本発明においては、第1の管における一方の開口部から他方の開口部までの間の内径が一定でなくてもよい。例えば、第1の管は、他方の開口部から一方の開口部の間に、内径が小さくなっている縮小部を備えていてもよい。これによって、冷却ガスを連結部分23に均一に導入させることができる。縮小部の例としては、第2実施形態〜第4実施形態にて説明する。
【0040】
ここで、冷却ガスとは、加熱領域21において発生した蒸気ガスを含む原料ガスを冷却するためのガスであり、例えば窒素等の不活性ガスを用いることができる。冷却ガスは、連結部分23に達する原料ガスよりも低い温度であればよく、室温であってもよいし、室温よりも低い温度に冷却されたものであってもよい。冷却ガスは、原料ガスと混合されることによって、原料ガスに含まれる蒸気ガスを冷却するとともに、この蒸気ガスを希釈するものである。
【0041】
なお、本発明において、導入ガスと冷却ガスとは、原料物質31に対する反応性のないものであればよく、両者が温度のみ異なる同種のガスであることが好ましい。
【0042】
開口部11aから導入された導入ガスが蒸気ガスを同伴して生じた原料ガスと、開口部12bから導入された冷却ガスとは、導管11および外管12の内部で対向し、互いに混合されて混合ガスとなる。ここで、原料ガスと冷却ガスとが混合されている領域を混合領域ということとする。
【0043】
混合領域とは、原料ガスと冷却ガスとが混合されて生じた混合ガスを含む領域であり、原料ガスと冷却ガスとが対向する界面を含んだ狭い領域である。本実施形態においては、原料ガスと冷却ガスとが対向する界面とは、導管11および外管12の管軸方向に垂直な面である。また、混合領域に達した原料ガスは、加熱領域21において発生した蒸気ガスを含んでいるため、混合領域では、この蒸気ガスが冷却ガスによって冷却されることによって、粒子が生成される。
【0044】
ここで、混合領域は、連結部分23を含む領域であることが好ましい。混合領域の位置は、導入ガスの流量と冷却ガスの流量とのバランスによって変動し得る。したがって、導入ガスの流量および冷却ガスの流量は、混合領域が連結部分23を含む領域となるように設定されたものであることが好ましい。例えば、導入ガスの流量と冷却ガスの流量とは、原料ガスと冷却ガスとが対向する界面が、連結部分23における導管11および外管12の管軸方向に垂直な面と略等しくなるように設定されたものであることが好ましい。また、例えば、冷却ガスの流量が、導入ガスの流量よりも多いことが好ましい。これにより、混合領域内において生成された粒子を、内管13を介して外部に効率よく排出させることができる。また、本実施形態であれば、冷却ガスの流量を多くした場合でも、混合領域内のガスが速やかに内管13に入るため、冷却ガスが加熱領域21内に入り込むことがなく、粒子を効率よく生成させることができる。
【0045】
また、冷却ガスの流量は、混合領域において蒸気ガスが急速に冷却されるように設定されたものであることが好ましい。例えば、外管12の開口部12aにおける内径が10mmである場合には、冷却ガスの流量は、1L/minよりも多いことが好ましい。この構成であれば、冷却ガスの流量が充分多いため、混合領域における原料ガスと冷却ガスとの混合、および蒸気ガスの冷却が速やかに行なわれ、その結果、粒径分布幅の狭い粒子を生成させることができる。
【0046】
なお、連結部分23と外管12の開口部12bとの間の距離(図1中、Aとして示す)は、開口部12bから導入された冷却ガスが均一になった後に連結部分23に達するような距離であることが好ましい。例えば当該距離は、外管12の内径が10mmである場合には、30mmより長いことが好ましい。連結部分23に達する冷却ガスが均一であることによって、混合領域の位置が安定し、混合領域をより狭い領域とすることができる。これによって、原料ガスに含まれる蒸気ガスを急速に冷却することができるため、均一な粒子を生成させることができる。
【0047】
内管13は、外管12の内側に設けられた、直線状に伸びる管であり、外管12と共通の管軸を有する。内管13は、混合ガスを外部に取り出す(引き抜く)流路となる。内管13の一方の開口部13aは、連結部分23において、加熱領域21に対して開口している。また、内管13は、外管12において、導管11に連結している側とは反対側の端面12fを貫通して形成されている。すなわち、内管13は、外管12の端面12fにおいて固定支持されている。内管13の他方の開口部13bは、粒子発生装置1の外部に通じている。開口部13bは、例えば粒子発生装置1の外部にある、粒子を回収するための容器、粒子を荷電させるための荷電装置などに接続されていてもよい。
【0048】
内管13の内径は、外管12の内径よりも小さければよく、例えば外管12の開口部12aにおける内径に対して0.7倍より小さいことが好ましい。
【0049】
内管13の一方の開口部13aが連結部分23において開口していることにより、混合領域内が連結部分23を含んでいる場合には、混合領域において生成された粒子を含む混合ガスを、内管13を介して外部に取り出すことができる。なお、混合ガスは、混合領域内の気圧と、内管13の他方の開口部13b側の気圧との差によって外部に排出されてもよい。また、内管13の他方の開口部13b側の気圧は、混合領域内の気圧よりも低ければよく、例えば大気圧であってもよいし、減圧されていてもよい。
【0050】
以上の構成により、粒子発生装置1は、加熱領域21において原料物質を加熱して発生させた蒸気ガスを、混合領域において急速に冷却させて粒子を発生させた後、この粒子を含む混合ガスを内管13によって外部に取り出すことによって、粒子を得るものである。上述した構成であれば、混合領域が非常に狭い領域であるため、この非常に狭い領域において原料ガスと冷却ガスとを混合させることができるので、導入ガスに同伴して混合領域に導かれた蒸気ガスを、従来よりも急速に、短時間において冷却することができる。したがって、蒸気ガスから生成される粒子の成長を抑制することができるため、粒径の小さい粒子、例えばナノ粒子を高密度にて生成させることができる。
【0051】
また、本実施形態では、混合領域から粒子を含む混合ガスを内管13にて外部に取り出すことによって、生成した粒子をすぐに混合領域から遠ざけることができるため、粒子のさらなる成長および粒子同士の凝集を抑制することができる。したがって、粒径分布幅の狭い、高密度の粒子を生成させることができる。
【0052】
また、本実施形態における粒子発生装置1は、焼結金属管の加工、特別な装置などを必要としないため、市販の製品の組み合わせによって容易に製造することが可能である。
【0053】
なお、本発明に係る製造装置は、上述した粒子発生装置1と、他の装置とを備えたものであってもよい。他の装置とは、例えば、粒子発生装置1に導入される導入ガスおよび冷却ガスを発生する装置、粒子発生装置1の電気炉14の温度を制御する制御装置、粒子発生装置1において発生した粒子を荷電させる荷電装置、粒子を分級する分級器などであってもよい。
【0054】
(粒子の製造方法)
上述した粒子発生装置1を用いた粒子の製造方法について説明するとともに、本発明に係る粒子の製造方法について説明する。
【0055】
本実施形態における粒子の製造方法は、第1工程と第2工程とを備える。
【0056】
第1工程とは、蒸気ガスを含む原料ガスと、当該原料ガスを冷却する冷却ガスとが流路内で対向するように、原料ガスと冷却ガスとを流路内に流す工程である。本実施形態においては、蒸気ガスは、流路内で原料物質31が加熱されて生じたものであり、原料ガスは、蒸気ガスを冷却ガス側へ流す導入ガスをも含んでいる。
【0057】
すなわち、第1工程では、上述した粒子発生装置1を用いて、電気炉14によって加熱領域21を加熱し、加熱領域21に供給された原料物質31を気化させて、蒸気ガスを発生させる。そして、導管11の開口部11aから導入ガスを導入することによって、加熱工程において生じた蒸気ガスを同伴した導入ガスを含む原料ガスを、導管11の開口部11bまで導く(押出す)。また、外管12の開口部12bから、外管12と内管13との間に冷却ガスを導入することによって、連結部分23において原料ガスと冷却ガスとを対向させる。これによって、連結部分23において原料ガスと冷却ガスとの混合ガスが生じる。このとき、原料ガスに含まれる蒸気ガスは、冷却ガスによって冷却され、粒子が生成される。
【0058】
第2工程とは、原料ガスの流れを用いて、原料ガスと冷却ガスとの混合ガスを流路外に取り出し、蒸気ガスが冷却されて生じた粒子を得る工程である。
【0059】
すなわち、第2工程では、内管13を介して、混合ガスを外部に取り出す。ここで、第2工程は、原料ガスと冷却ガスとが対向することによって高圧になっている混合ガスと、内管13の他方の開口部13b側の外部との圧力差によって、混合ガスが自然に外部に排出されることにより行なわれてもよい。また、第2工程は、内管13の開口部13b側から混合ガスを吸引することにより行なってもよい。
【0060】
以上の方法によって、粒子を生成させ、内管13を介して外部に粒子を取り出すことができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る製造装置の他の実施形態について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、本発明に係る製造装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【0061】
なお、説明の便宜上、第1実施形態にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、第1実施形態との相違点について説明するものとする。
【0062】
本実施形態における粒子の製造装置としての粒子発生装置(製造装置)1aでは、二重管構造部22における外管(第1の管)32の一方の開口部32aと他方の開口部32bとの間の内壁に、突起部32cが設けられている点のみが、第1実施形態と異なっている。すなわち、外管32において、一方の開口部32a、他方の開口部32b、および端面32fは、第1実施形態における外管12の一方の開口部12a、他方の開口部12b、および端面12fと同様に構成されている。
【0063】
突起部32cは、外管32の管軸に垂直な面に沿って輪状に設けられている。すなわち、外管32における突起部32cが設けられている部分は、他方の開口部32bから一方の開口部32aの間に備えられた、内径が小さくなっている縮小部を構成する。
【0064】
本実施形態では、上述した構成により、他方の開口部32bから外管32内に導入された冷却ガスは、突起部32cが設けられた部分を通ることによって均一化される。したがって、混合領域が連結位置を含む領域である場合には、混合領域に達する冷却ガスを均一にすることができる。
【0065】
なお、突起部32cは、外管32の一部を変形させることによって設けられてもよいし、外管32とは別に用意した部材を外管32の内壁に接着させることによって設けられてもよい。別の部材を接着させる場合には、その別の部材の材料としては、外管32に用いることができる材料と同じものを用いることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る製造装置の他の実施形態について、図3を参照して詳細に説明する。図3は、本発明に係る製造装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【0066】
なお、説明の便宜上、第1実施形態にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、第1実施形態との相違点について説明するものとする。
【0067】
本実施形態における粒子の製造装置としての粒子発生装置(製造装置)1bでは、二重管構造部22における外管(第1の管)42の内壁の形状が、他方の開口部42bから一方の開口部42aに向けて内径が小さくなるテーパー形状である点のみにおいて、第1実施形態と異なっている。すなわち、外管42における一方の開口部42a、他方の開口部42b、および端面42fは、第1実施形態における外管12の一方の開口部12a、他方の開口部12b、および端面12fと同様に構成されている。
【0068】
外管42における開口部42bから開口部42aの間は、内径が小さくなっている縮小部として機能している。
【0069】
本実施形態では、上述した構成により、他方の開口部42bから外管42内に導入されて一方の開口部42aに向かう冷却ガスが均一化される。したがって、混合領域が連結位置を含む領域である場合には、混合領域に達する冷却ガスを均一にすることができる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明に係る製造装置の他の実施形態について、図4を参照して詳細に説明する。図4は、本発明に係る製造装置の他の実施形態の構成を模式的に示す断面図である。
【0070】
なお、説明の便宜上、第1実施形態にかかる構成要素と同様の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。本実施形態では、主に、第1実施形態との相違点について説明するものとする。
【0071】
本実施形態における粒子の製造装置としての粒子発生装置(製造装置)1cでは、二重管構造部22における外管(第1の管)52が、他方の開口部52bから一方の開口部52aの方向に内径が小さくなるテーパー形状であるテーパー部(縮小部)52dと、太さが一定である管部52eとにより構成されている点のみにおいて、第1実施形態と異なっている。すなわち、外管52における一方の開口部52a、他方の開口部52b、および端面52fは、第1実施形態における外管12の一方の開口部12a、他方の開口部12b、および端面12fと同様に構成されている。
【0072】
本実施形態では、上述した構成により、他方の開口部52bから外管52内に導入されて一方の開口部52aに向かう冷却ガスが、テーパー部52dにおいて均一化される。したがって、混合領域が連結位置を含む領域である場合には、混合領域に達する冷却ガスを均一にすることができる。
【0073】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0074】
〔実施例1〕
実施例1では、上述した粒子発生装置1と同じ構成の粒子発生装置1を備えた製造装置10を作製した。なお、ここでは、原料物質31として銀を用いた場合を例にして説明する。
【0075】
図5は、本発明の一実施例における製造装置の概略構成を示す図である。製造装置10は、粒子発生装置1と、温度制御装置2と、中和器3と、微分型電気移動度分級器4と、ファラデーカップ5と、流量計6および7と、バルブ8および9とにより構成されている。
【0076】
粒子発生装置1の導管11および二重管構造部22の外管12には、内径が10mmの石英ガラス管を用いた。また、内管13には、外径が6mm、内径が4mmの石英ガラス管を用いた。
【0077】
温度制御装置2は、粒子発生装置1の電気炉14の温度を制御する装置であり、粒子発生装置1の電気炉14と電気的に接続されている。中和器3は、粒子(ここでは銀ナノ粒子)を荷電させるための荷電装置であり、粒子発生装置1において発生した粒子を含む混合ガス(ここでは銀エアロゾル)が導入される。中和器3において荷電された(イオン化された)粒子を含む銀エアロゾルは、余剰ガスを排気した後、微分型電気移動度分級器4に導入される。微分型電気移動度分級器4は、粒子を分級するための装置であり、ファラデーカップ5は、微分型電気移動度分級器4において分級された粒子を検出する装置である。微分型電気移動度分級器4およびファラデーカップ5によって、粒子の粒径分布を測定することができる。
【0078】
バルブ8は、粒子発生装置1の開口部11aに接続された導入ガス供給手段(図示せず)の一部を構成しており、導管11内に導入される導入ガス(押出しガス)の導入の開始および停止、ならびに導入ガスの流量を制御する弁である。流量計6は、バルブ8の制御によって粒子発生装置1に導入される導入ガスの流量を測定する計器である。
【0079】
また、バルブ9は、粒子発生装置1の開口部12bに接続された冷却ガス供給手段(図示せず)の一部を構成しており、外管12内に導入される冷却ガス(冷却・希釈ガス)の導入の開始および停止、ならびに冷却ガスの流量を制御する弁である。流量計7は、バルブ9の制御によって粒子発生装置1に導入される冷却ガスの流量を測定する計器である。
【0080】
実施例1においては、上述した製造装置10を用いて銀ナノ粒子を製造した。なお、原料物質31として銀を用い、電気炉14の温度を1200℃、冷却ガスの流量を2.0L/minとし、導入ガス(押出しガス)の流量を0.6L/min、0.8L/min、または1.0L/minとした。また、導入ガスおよび冷却ガスとして窒素ガスを用いた。冷却ガスの温度は室温とした。
【0081】
〔比較例〕
本発明の比較例として、以下の構成の粒子発生装置300を備えた製造装置を作製した。なお、本比較例の製造装置は、図示しないが、粒子発生装置300以外に、図5に示す製造装置10における温度制御装置2、中和器3、微分型電気移動度分級器4、ファラデーカップ5、流量計6、およびバルブ8と同じものを備えている。ここでは、粒子発生装置300の構成についてのみ説明し、それ以外の構成については説明を省略する。
【0082】
図10は、本発明の比較例における粒子発生装置の構成を模式的に示す断面図である。粒子発生装置300は、導管311と、電気炉314と、熱電対315とにより構成されている。電気炉314は、導管311の加熱領域321の周囲に設けられており、熱電対315は、電気炉314と導管311との間に設けられている。加熱領域321には、原料物質331が供給される。また、導管311の一方の開口部311aから導入ガスが導入される。
【0083】
加熱領域321内に供給された原料物質331は、電気炉314によって加熱され、気化して蒸気ガスとなる。発生した蒸気ガスは、開口部311aから導管311内に導入された導入ガスによって他方の開口部311b側に導かれ、加熱領域321から出ると室温まで冷却される。これにより、蒸気ガスから粒子が生成される。
【0084】
本比較例では、上述した製造装置を用いて銀ナノ粒子を製造した。なお、原料物質331として銀を用い、電気炉314の温度を1130℃、導入ガス(押出しガス)の流量を2.0L/minとした。また、導入ガスとして窒素ガスを用いた。
【0085】
〔実施例1および比較例の結果〕
実施例1および比較例において製造した銀ナノ粒子の粒径分布を図6に示す。図6は、実施例1および比較例における製造装置を用いて製造した銀ナノ粒子の粒径分布を示すグラフである。また、図6に示した粒径分布からカーブフィッティング法によって求めたモード径、幾何標準偏差、およびモード径における個数密度(モード径個数密度)を表1に示す。なお、モード径とは、粒径分布の極大値をさす。また、図7は、銀ナノ粒子のモード径と幾何標準偏差との関係を示すグラフであり、図8は、銀ナノ粒子のモード径とモード径個数密度との関係を示すグラフである。
【0086】
【表1】

【0087】
表1および図7に示すように、比較例における製造装置にて製造された銀ナノ粒子の幾何標準偏差は約1.5であった。一方、実施例1における製造装置10にて製造された銀ナノ粒子の幾何標準偏差は、いずれのモード径においても約1.4であり、比較例よりも小さいことがわかった。このことから、実施例1における銀ナノ粒子の粒径分布は、比較例よりも狭いことがわかった。
【0088】
また、表1および図8に示すように、モード径における個数密度は、比較例ではモード径約23nmにおいて2.4×10/cmであるのに対して、実施例1ではモード径約24nmにおいて5.7×10/cmであり、モード径約20nmにおいて4.1×10/cmであった。すなわち、モード径における個数密度は、実施例1が比較例を大きく上回っており、同じ粒径の粒子を発生させる場合に、実施例1は比較例より多くの粒子を発生させることが可能であることが示された。
【0089】
実施例1における粒子発生装置1では、電気炉14の温度が1200℃、冷却ガスの流量が2.0L/min、導入ガスの流量が1.0L/minの条件の場合、粒子発生装置1内における冷却ガスの流速は約0.7m/s、導入ガスの流速は約1.1m/sであると推定される。導管11の管軸方向における混合領域の長さが約0.02mであるとすると、銀から発生した蒸気ガスの冷却および希釈は、約10msの間に完了したと考えられる。また、銀の蒸気ガスと冷却ガスとを対向させているため、非常に狭い領域において混ざり合い、急速に冷却されたと考えられる。これらの理由によって、実施例1においては、比較例よりも、粒子の成長が抑制され、粒径の小さい粒子が高密度で取得できたと考えられる。
【0090】
また、実施例1では、混合領域の中央から内管13によって粒子を含む混合ガスを引き抜くことによって、粒子を混合領域から遠ざけ、さらなる粒子の成長および粒子同士の凝集を防ぐことができる。これによって、比較例よりも狭い粒径分布を有する粒子が取得できたと考えられる。
【0091】
以上の結果によって示されたように、本発明は、原料物質の蒸気ガスと冷却ガスとを対向させて混合し、混合された混合ガスを二重管構造部の細い内管によって抜き出すことによって、蒸気ガスを非常に狭い領域において混合させ、急速に冷却させることができるものである。したがって、本発明によれば、蒸気ガスを従来よりも短時間で冷却することができる。これにより、粒子の成長が抑制され、粒径の小さい粒子、例えばナノ粒子を高密度にて取得することができる。また、蒸気ガスと冷却ガスとを混合させる混合領域の中央から、粒子を含む混合ガスを引き抜くことによって粒子を混合領域から遠ざけることができ、さらなる粒子の成長および粒子同士の凝集を抑制することができる。そのため、従来より狭い粒径分布を有する粒子を取得することができる。
【0092】
〔実施例2:L−ロイシンナノ粒子の製造〕
実施例2では、原料物質31としてL−ロイシンを用い、実施例1における製造装置10を用いてL−ロイシンナノ粒子を製造した。電気炉14の温度を135℃、導入ガスの流量を0.1L/minとした。また、冷却ガスは、室温での流量を2.5L/minとし、液体窒素の温度近くまで冷却した後に粒子発生装置内に導入した。したがって、粒子発生装置1内に導入されたときの冷却ガスの流量は、約0.7L/minであった。
【0093】
上述した条件において製造したL−ロイシンナノ粒子の粒径分布を図9に示す。図9は、実施例1における製造装置を用いて製造したL−ロイシンナノ粒子の粒径分布を示すグラフである。図9に示すように、製造したL−ロイシンナノ粒子のモード径は、20nmであった。したがって、本発明は、粒径20nmのL−ロイシンナノ粒子を取得することが可能であることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、粒径分布幅の狭い粒子を高密度にて製造できるので、粒子の化学組成分析のための標準粒子として、また微細配線、触媒、抗菌材料などに用いる粒子として、幅広い産業分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 粒子発生装置(製造装置)
1a 粒子発生装置(製造装置)
1b 粒子発生装置(製造装置)
1c 粒子発生装置(製造装置)
11 導管
11a 開口部(導入ガス用開口部)
12、32、42、52 外管(第1の管)
13 内管(第2の管)
14 電気炉(加熱手段)
21 加熱領域
22 二重管構造部
23 連結部分
32c 突起部
52d テーパー部(縮小部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体状の原料物質を含む原料ガスの流路となる導管と、
第1の管、および当該第1の管の内側に設けられた第2の管により構成されている二重管構造部と、を備えており、
上記第1の管は、
上記導管と連結された一方の開口部と、上記第1の管と上記第2の管との間に冷却ガスを導入するための他方の開口部とを有し、
上記第2の管は、
上記導管と上記第1の管とが連結されている位置において当該導管に対して開口する開口部を有し、上記原料ガスと上記冷却ガスとが対向して生じる混合ガスを外部に取り出す流路となることを特徴とする粒子の製造装置。
【請求項2】
上記第1の管が有する上記他方の開口部に取り付けられた冷却ガス供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
上記導管における、上記第1の管との連結部分を含みかつ上記導管の管軸方向に連続した領域を、加熱するための加熱手段を備え、
上記導管は、連続した上記領域に存在する気体状の上記原料物質を上記二重管構造部側へ送る導入ガスを導入するための導入ガス用開口部を、連続した上記領域外に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の製造装置。
【請求項4】
上記導入ガス用開口部に取り付けられた導入ガス供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の製造装置。
【請求項5】
上記第1の管における他方の開口部は、その開口中心が上記第1の管の管軸に直交する直線上に存在することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の製造装置。
【請求項6】
上記第1の管は、上記第1の管における他方の開口部から一方の開口部の間に、内径が小さくなっている縮小部を備えていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の製造装置。
【請求項7】
上記縮小部は、他方の開口部から一方の開口部に向けて内径が小さくなるテーパー形状であるか、又は、上記縮小部は、上記第1の管の内壁に、当該第1の管の管軸に垂直な面に沿って輪状に設けられた突起部により構成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の製造装置。
【請求項8】
気体状の原料物質を含む原料ガスと、当該原料ガスを冷却する冷却ガスとが流路内で対向するように、当該原料ガスと当該冷却ガスとを流路内に流す工程と、
上記原料ガスの流れを用いて、上記原料ガスと上記冷却ガスとの混合ガスを上記流路外に取り出し、気体状の上記原料物質が冷却されて生じた粒子を得る工程と、を備えることを特徴とする粒子の製造方法。
【請求項9】
気体状の上記原料物質は、上記流路内で原料物質が加熱されて生じたものであり、
上記原料ガスは、気体状の上記原料物質を冷却ガス側へ流す導入ガスをさらに含んでいることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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