粒子分離器
流入域、遠心分離域、粒子回収手段、及び排気手段を含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離装置であって、流入域及び分離域は流体の流れにおいて渦流れを誘発する移行域を介して連通しており、移行域の直径は流入域の直径よりも大きく、かつ、移行域は分離域に出口ポートを画定する手段を含み、入口ポートは邪魔板手段の上流の移行域に形成され、入口及び出口ポートは使用時に流体の流れにおける流体の摂動を最小化するように互いに構成されている分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、いわゆる「バッグレス」タイプの家庭用掃除機において用いる粒子分離器に関する。
【0002】
バッグレス掃除機は、遠心分離又は渦巻き管タイプのいずれかの遠心分離機で空気流を渦巻き状にすることにより、かかる粒子を巻き込む空気流から粒状物質を分離し、空気流が速度を失う際に、粉塵及び他のほこりの粒子は回収及び処分用に重力により沈下し、比較的クリーンな状態で大気中に排気される。
【0003】
上述のようなタイプの公知の家庭用掃除機は、フィルタ及びバッグの問題(使用時に、粒状物質が充満して目詰まりするため、掃除機を通る流量が急速に損なわれる)を回避しているが、しかしながら、直径が5ミクロンよりも大きな粒子しか一般に捕捉することができず、排気流にある程度の微粒子を再び巻き込みやすい要素があるため、効率の低下にも寄与するという付随した欠点がある。公知の装置において、これらの問題は、巻き込み空気流中で誘発された乱流により悪化し、特に、粒子を含む空気流に回転運動をもたらすのに使用する羽根又は他の偏向板によって悪化する。かかる欠点を回避する試みとして、従来の装置は、流入する空気流の回転速度を増大させる目的で正接の流入管を使用することが多い。従って、流入口から遠心分離機への移行域を形成する、直径が小さくなる経路に空気流を巻き込む際に、巻き込まれた粒子に遠心力が作用する。しかしながら、公知の装置は、非巻き込み粒子と排気との間に完全な切り分けが達成されないことに関する欠点がいまだある。
【0004】
一態様において、本発明は、流入域、遠心分離域、粒子回収手段、及び排気手段を含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離装置であって、流入域及び分離域は流体の流れにおいて渦流れを誘発する移行域を介して連通しており、移行域の直径は流入域の直径よりも大きく、かつ、移行域は分離域に出口ポートを画定する手段を含み、入口ポートは邪魔板手段の上流の移行域に形成され、入口及び出口ポートは使用時に流体の流れにおける流体の摂動を最小化するように互いに構成されている分離装置を提供する。
【0005】
本明細書において、特定の機能を有する域(zone)は、境界壁により画定される装置の一部であり、かつ、その機能を実行するように構成、配置されていることを理解されたい。
【0006】
本発明による装置は、同軸の流入、移行域、及び遠心分離域を含んでよく、流入域の直径が移行域の直径よりも小さいことで、入口ポートから移行域に流入する粒子を含む流体は、分離域を通過する前に、流入域の直径よりもより大きいか又はより広範な直径を有する渦経路をたどるように誘導される。しかしながら、流入域(又は複数の流入域)は、移行域及び分離域と軸方向に平行であるが、移行域及び分離域からオフセットされていてよく、分離域の外壁から上流方向に延びることにより画定される領域に設けられるのが好ましい。別の構成において、流入域は分離域に正接し、粒子が分離域に入る前に粒子の速度の半径方向成分を増加させるために、移行域は半径が小さくなる湾曲経路を含む。
【0007】
使用時に流体の摂動を最小化するために、入口及び出口ポートは、略同一の断面積であるのが好ましい。「略同一の断面積」とは、分離域への出口ポートが、移行域への入口ポートと同一面積であるか、又は、異なっていても、入口ポートの面積よりも広く、好ましくは20%未満であり、好ましくは10%未満であることを意味する。
【0008】
流入域、移行域、及び遠心分離域が同軸であるか又は軸方向に平行である場合、移行域から分離域までの出口ポートを画定する手段は、流入域にわたって設けられ、かつ、移行域及び分離域を部分的に分離する邪魔板手段を含むのが好ましく、分離域に出口ポートをそれにより画定し、入口ポートは移行域に通じる流入域の壁の破断側部を含む。流入域が分離域に正接である場合、出口ポートを画定する手段は、移行域及び分離域を分離するために部分的に設けられた邪魔板手段を含んでよく、入口ポートは、湾曲経路が移行域になるように想定し、流入域の壁の管腔によって画定される。しかしながら、かかる構成において、邪魔板手段は渦流れを誘発する目的において必須ではなく、分離域への出口ポートは、移行域と分離域との間に概念的なポート領域を含んでもよく、かかる領域は開孔連通している。
【0009】
驚くべきことに、本発明によれば、流入する流体の流れが基本的に直線の流れから渦流れへの移行を受けるという事実にもかかわらず、流れの途絶、乱流、及び分離効率の減少が公知の装置で受けるよりも小さいことが分かった。実際、本発明による装置は、概して、広範囲の粒径及び粒子密度を有する微粒子に対して低圧降下で高い効率で作動する。
【0010】
渦運動を誘発する移行域は、流入域と遠心分離域との間で、公知の構成のスクロール型入口ポートを含んでよいが、実質的には、従来の装置とは逆関係で適用される。従来のスクロール型構成は、遠心分離装置に正接の流出口に適用され、90%、180%、270%、及び360%のスクロール、及び、対数螺旋スクロールが挙げられる。本発明による装置において、特に、流入域及び分離域が同軸であるか又は軸方向に平行である場合、回転運動は、スクロール型入口ポートにより、かつ、移行域で誘発されるが、流入域の下流端領域における、移行域の上流で開始することにより、スクロール型入口ポートを通して移行域に流入する前の前分離工程として、流体の流れによって巻き込まれた粒状物質を流入域の境界壁側に移動させることができる。
【0011】
遠心分離手段は、排気手段と少なくとも同軸であることも好ましく、回収手段と同軸であることも好ましい。粒子を含む流体の流れは、いったん遠心分離手段に入ると、遠い端又は遠端に向かって螺旋状経路を描く。ここで、粒子は、遠心力の下で、分離手段の周辺領域に向かって移動し、分離手段と回収手段との間を連通するポート手段を通して、分離手段から回収手段へと通過する。遠心分離手段は、円錐形チャンバを設け、かつ、空気流の加速を誘発し、微粒子をより効率的に分離するために先端に向かって先細になっていてもよい。流体は、次に、螺旋状経路における分離手段の中心部に下降して戻り、排気手段のファインダに流入する。本発明による装置では、従って、排気手段に向かう流体の流れから離れている領域で粒子を流体から分離することにより、粒子の再巻き込みを著しく減少させる。
【0012】
排気手段は分離手段の基端に延びていてもよく、排気手段の壁に形成されたスロット又は他の開口部の配列を通して分離手段の基端と連通していてもよい。スロット又は他の開口部は、排気手段の壁を通して半径方向に形成されていてもよいが、効率を改善し、かつ、背圧を減少させるために、流体の流れの方向で角度をなして形成されるのが好ましい。スロット又は他の開口部は、分離手段の上流又は基端から分離手段の下流又は先端までの距離のおよそ90%まで、排気手段に沿って延びることができる。他の実施形態において、排気手段は、分離手段の基端から間隔をあけて配置される底の抜けた管を含む。排気手段は、装置の遠端(流入手段に対して)から延びていてもよく、あるいは、特に、流入手段が分離手段から軸方向にオフセットされている場合、流入手段と同じ端部から延びていてもよい。
【0013】
粒子回収手段は、少なくとも遠心分離手段を囲むのが好ましく、回収された微粒子を処分する目的で着脱可能な基部で形成されていてもよく、あるいは、適切なシール材を備えるアクセス用の扉で形成されていてもよい。また、回収手段は、流入手段及び分離手段とともに着脱可能であってもよく、回収された粒子はその後、回収手段から除去可能である。粒子回収手段は分離域からの分離チャンバによって構成され、それにより、分離された物質の再巻き込みが起こりにくいことに対応して回収チャンバでの空気の動きが著しく少なくなるので、回収された粒子の量は分離効率にほとんど又は全く影響を及ぼさない。
【0014】
好適な構成では、流入域と遠心分離域との間の領域において微粒子の捕捉を防ぐために、移行域の基部は、全ての粒子を捕捉することなく、流体の流れに巻き込まれたままにすることを確実にするために、螺旋状に形成されていてもよい。
【0015】
本発明による装置において、構成部品は、流入域、分離域、及び排気手段における流体の流れ方向が回収手段における粒子の沈下(分離域において運動エネルギーが失われる際に重力の影響下で起こる)方向に逆の流れであるように配置されていてもよく、あるいは、流体の流れ及び粒子の沈下が同一の方向であるように配置されていてもよい。
【0016】
別の態様において、本発明は、流入域及び遠心分離域を含む装置に、基本的に直線の流れである流れを通過させることを含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離方法であって、流れは流入域と分離域との間の移行域を通過し、移行域の通過時に流体の摂動を最小にする状態で分離域において渦流れ経路を誘発する分離方法を提供する。
【0017】
添付図面を参照しながら一例として本発明の実施形態を説明する。
【0018】
図1及び図2をまず参照すると、装置は流入管11、円錐状の分離チャンバ12、回収チャンバ13、及び排気ダクト14から基本的に成る。部品11、12、13、及び14は同心円状に配置されている。流入管11の上端部は分離チャンバの効率的な下端部又は基部を構成する遮蔽又は邪魔板15で形成されるが、分離チャンバを形成するシリンダの下端部は板15の下方から下壁16まで垂下している。板15は管11の上端部を閉鎖し、図2に示すように、管11とチャンバ12との間に画定される環状空間へ部分的に延びており、流入管と分離チャンバとの間で流体用の経路を提供するアクセス又は流入ポートを画定する。板15と下壁16との間の移行域において、管11は出口又は流出孔11Aを有し、これは、板15と組み合わせて、管11からチャンバ12に流れる流体に渦運動を誘発し、流体の流れは太い実線Xで示す。出口又は流出孔の断面積はアクセスポートの断面積と同じである。
【0019】
使用時に、流体の流れに巻き込まれた粒状物質はチャンバ12の外周に向かって付勢され、チャンバ12の上端部で、粒状物質は、Yで示すように、チャンバ12と回収チャンバ13との間で画定される環状空間に遠心力により付勢される。粒状物質を比較的含んでおらず、かつ、運動エネルギー成分を失った流体は、流出管14の壁に隣接したチャンバ12に降りて戻り、薄い実線Zで示すように、流出管14に流入して大気中に出ていく。微粒子は重力によりチャンバ13の底部に落下し、その後に除去する。
【0020】
図3を参照すると、図1に示すような装置と同様の原理で作動する別の実施形態を示すが、微粒子を含む流入流体の流れは、管21を通して上方から流入し、この実施形態では円筒状である分離チャンバ22で渦運動をするように誘発される。分離された微粒子は回収チャンバ23で回収される。回収チャンバ23は閉じた系を表わすので、流体の流れは、いずれの場合においても、回収を抑制することを考えると、微粒子を比較的含んでいない流体の流れが上方に戻り、排気管の上端部に流入するように排気チャンバ25のまわりに環状フランジ24を設けるのが好ましい。そうでなければ再び巻き込まれ、排気とともに大気中に排出される、一般に繊維状のより軽い物質の分離及び回収を容易化するために、下方に付随する(downwardly−depending)態様でフランジ24にカラー26を取り付けてもよい。回収された物質はカラー及びフランジにより形成された倒立カップ状の空間に保持されるので、かかるカラーは、回収チャンバにより設けられた保持容量に物質的に影響することなく特により軽い微粒子の保持を著しく改善することが判明した。さらに、この領域に静止物質が存在することにより、安定性を高め、かつ、流入する粒子物質の動きを減少させることが判明し、保持効率の改善にも貢献することが判明した。
【0021】
図3に示す実施形態において、微粒子を実質的に含まない排気は、排気管25を通して下方に通過する。
【0022】
ここで図4を参照すると、図1及び2を参照しながら説明したものと同様の実施形態を示し、同一機能の構成部品には同一の参照符号を付してある。しかしながら、図4の実施形態において、分離チャンバ12の基部16は、図2の18によって表される盲端部に微粒子が閉じ込められないように、環状の螺旋状トラック17に置き換えられており、図1の排気管14は、図4では、板15と接触して下方に延びており、垂直に設けられた羽根又はルーバー19の配列は、排気侵入用の空隙20の間を画定する。図5に示すように、羽根は角度をなした縁部を備えているのが好ましく、得られるスロット20は、不要な背圧を実質的に生成することなく排気にアクセスすることができる。
【0023】
図6は、特に、自蔵式掃除機ユニットに使用するようになされたものであり、図3を参照しながら説明したものと同様の実施形態を示す。対応する部品には、図3で使用したものと同一の参照符号を図6で使用している。図3のように、微粒子を含む流体Xは装置の上端部から管21を通して流入し、分離チャンバ22で渦経路を進むように誘発される。回収された微粒子27は回収チャンバ23に蓄積される。次に、排気はフィルタ28を通過し、残存の粒状物質を除去する。フィルタ28は、必要な濾過効率のレベルに応じて、比較的低効率のフィルタか又は高効率のHEPAフィルタとしてもよい。モータユニット及びファン29はフィルタユニット28の下方に配設されることにより、装置全体を通して空気を吸引し、排気は適切に構成されたオリフィス30を通して排出される。適切な充電用電子機器及び接続部を備える充電式バッテリユニット31は、オリフィス30の下方に配設してもよく、あるいは、主電源付装置においては、主動モータ及びファンを利用してもよい。装置は、例えば、肩ひもに取り付けられた持ち運び用ハンドルから吊下げてもよく、それにより安定かつ携帯可能なユニットとなるか、或いは床上を移動するようになっている。
【0024】
図7及び図8を参照すると、装置は、互いに直径方向に対向し、かつ、排気ダクト33の両側に配設された2つの流入管32を含む。分離チャンバ34は円錐状であり、微粒子はその下方開口端部を通過して、回収される。図1のように、移行域を通る微粒子を含む流入空気の方向はXによって示し、微粒子の分離はYによって示し、排気はZによって示す。
【0025】
図9及び図10を参照すると、装置は半径が小さくなる円形経路42を画定する移行域に入る正接の流入パイプ41を有しており、それにより、前述の実施形態と比べて、流入空気は経路に沿って動きが拘束され、増大した経路長さにわたって半径方向の加速度が連続的に増加する。空気流は、次に、邪魔板43に形成された開口部を通過して、分離チャンバ44に流入する。粒子45は環状の回収チャンバで回収され、排気は排気ダクト46を通して装置から出ていく。別の構成において、装置は、図9に「A」で示す邪魔板43の中心部を除き、かつ、排気ダクト46を遮断又は除いた状態で、排気ダクト47を含むことにより逆流作動するようになっていてもよく、それにより、排気はダクト47を通過する。この構成において、流入する空気流は経路42で渦流れに沿うように誘発されるため、装置がダクト47を含むかどうかに基づいて、邪魔板43を除いてもよく、空気は開口の円形又は環状領域を通して分離チャンバ44に自由に通過する。
【0026】
図11及び図12を参照すると、流入管50が流出管51を囲んでいる、流入及び流出ダクトの逆流同軸構成を示す。全体の構成は図1及び2を参照しながら説明したものと同様であるが、反対の流れの構成を示す。しかしながら、図1及び図2と比べ、邪魔板15の中心部は図11及び12に示すように装置に無く、標準型の逆サイクロン構成の使用は、流入口及び流出口両方が隣り合い、下端部で丁度よく配設された状態で可能である。回収チャンバ52の寸法が適宜選択されることを前提として、示した円錐部分の代わりに円筒状の分離部分を用いることも可能である。
【0027】
本発明では流体が空気である掃除機を特に参照しながら説明したが、本発明は、自動車排ガスにおけるスパークアレスタなど他の用途にも適用でき、流体がガス状であるか又は流体が水又は他の液体である場合にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】流体の流れが概して上方向である実施形態の概略的な側面図を示す。
【図2】図1のA−A平面図である。
【図3】流体の流れが概して下方向である実施形態を概略的に示す。
【図4】図1に示す装置の変更例の概略的な側面図を示す。
【図5】図4の装置の平面図を示す。
【図6】掃除機になっている図3の実施形態の変更例を示す。
【図7】排気流が流入流と同一の装置の端部からである実施形態の側面図を示す。
【図8】図7のB−B平面図である。
【図9】正接の流入域を有する装置の概略的な側面図を示す。
【図10】図9の装置の平面図である。
【図11】流入域及び流出域の逆流同軸構成を有する装置の概略的な側面図を示す。
【図12】図11の装置の平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、いわゆる「バッグレス」タイプの家庭用掃除機において用いる粒子分離器に関する。
【0002】
バッグレス掃除機は、遠心分離又は渦巻き管タイプのいずれかの遠心分離機で空気流を渦巻き状にすることにより、かかる粒子を巻き込む空気流から粒状物質を分離し、空気流が速度を失う際に、粉塵及び他のほこりの粒子は回収及び処分用に重力により沈下し、比較的クリーンな状態で大気中に排気される。
【0003】
上述のようなタイプの公知の家庭用掃除機は、フィルタ及びバッグの問題(使用時に、粒状物質が充満して目詰まりするため、掃除機を通る流量が急速に損なわれる)を回避しているが、しかしながら、直径が5ミクロンよりも大きな粒子しか一般に捕捉することができず、排気流にある程度の微粒子を再び巻き込みやすい要素があるため、効率の低下にも寄与するという付随した欠点がある。公知の装置において、これらの問題は、巻き込み空気流中で誘発された乱流により悪化し、特に、粒子を含む空気流に回転運動をもたらすのに使用する羽根又は他の偏向板によって悪化する。かかる欠点を回避する試みとして、従来の装置は、流入する空気流の回転速度を増大させる目的で正接の流入管を使用することが多い。従って、流入口から遠心分離機への移行域を形成する、直径が小さくなる経路に空気流を巻き込む際に、巻き込まれた粒子に遠心力が作用する。しかしながら、公知の装置は、非巻き込み粒子と排気との間に完全な切り分けが達成されないことに関する欠点がいまだある。
【0004】
一態様において、本発明は、流入域、遠心分離域、粒子回収手段、及び排気手段を含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離装置であって、流入域及び分離域は流体の流れにおいて渦流れを誘発する移行域を介して連通しており、移行域の直径は流入域の直径よりも大きく、かつ、移行域は分離域に出口ポートを画定する手段を含み、入口ポートは邪魔板手段の上流の移行域に形成され、入口及び出口ポートは使用時に流体の流れにおける流体の摂動を最小化するように互いに構成されている分離装置を提供する。
【0005】
本明細書において、特定の機能を有する域(zone)は、境界壁により画定される装置の一部であり、かつ、その機能を実行するように構成、配置されていることを理解されたい。
【0006】
本発明による装置は、同軸の流入、移行域、及び遠心分離域を含んでよく、流入域の直径が移行域の直径よりも小さいことで、入口ポートから移行域に流入する粒子を含む流体は、分離域を通過する前に、流入域の直径よりもより大きいか又はより広範な直径を有する渦経路をたどるように誘導される。しかしながら、流入域(又は複数の流入域)は、移行域及び分離域と軸方向に平行であるが、移行域及び分離域からオフセットされていてよく、分離域の外壁から上流方向に延びることにより画定される領域に設けられるのが好ましい。別の構成において、流入域は分離域に正接し、粒子が分離域に入る前に粒子の速度の半径方向成分を増加させるために、移行域は半径が小さくなる湾曲経路を含む。
【0007】
使用時に流体の摂動を最小化するために、入口及び出口ポートは、略同一の断面積であるのが好ましい。「略同一の断面積」とは、分離域への出口ポートが、移行域への入口ポートと同一面積であるか、又は、異なっていても、入口ポートの面積よりも広く、好ましくは20%未満であり、好ましくは10%未満であることを意味する。
【0008】
流入域、移行域、及び遠心分離域が同軸であるか又は軸方向に平行である場合、移行域から分離域までの出口ポートを画定する手段は、流入域にわたって設けられ、かつ、移行域及び分離域を部分的に分離する邪魔板手段を含むのが好ましく、分離域に出口ポートをそれにより画定し、入口ポートは移行域に通じる流入域の壁の破断側部を含む。流入域が分離域に正接である場合、出口ポートを画定する手段は、移行域及び分離域を分離するために部分的に設けられた邪魔板手段を含んでよく、入口ポートは、湾曲経路が移行域になるように想定し、流入域の壁の管腔によって画定される。しかしながら、かかる構成において、邪魔板手段は渦流れを誘発する目的において必須ではなく、分離域への出口ポートは、移行域と分離域との間に概念的なポート領域を含んでもよく、かかる領域は開孔連通している。
【0009】
驚くべきことに、本発明によれば、流入する流体の流れが基本的に直線の流れから渦流れへの移行を受けるという事実にもかかわらず、流れの途絶、乱流、及び分離効率の減少が公知の装置で受けるよりも小さいことが分かった。実際、本発明による装置は、概して、広範囲の粒径及び粒子密度を有する微粒子に対して低圧降下で高い効率で作動する。
【0010】
渦運動を誘発する移行域は、流入域と遠心分離域との間で、公知の構成のスクロール型入口ポートを含んでよいが、実質的には、従来の装置とは逆関係で適用される。従来のスクロール型構成は、遠心分離装置に正接の流出口に適用され、90%、180%、270%、及び360%のスクロール、及び、対数螺旋スクロールが挙げられる。本発明による装置において、特に、流入域及び分離域が同軸であるか又は軸方向に平行である場合、回転運動は、スクロール型入口ポートにより、かつ、移行域で誘発されるが、流入域の下流端領域における、移行域の上流で開始することにより、スクロール型入口ポートを通して移行域に流入する前の前分離工程として、流体の流れによって巻き込まれた粒状物質を流入域の境界壁側に移動させることができる。
【0011】
遠心分離手段は、排気手段と少なくとも同軸であることも好ましく、回収手段と同軸であることも好ましい。粒子を含む流体の流れは、いったん遠心分離手段に入ると、遠い端又は遠端に向かって螺旋状経路を描く。ここで、粒子は、遠心力の下で、分離手段の周辺領域に向かって移動し、分離手段と回収手段との間を連通するポート手段を通して、分離手段から回収手段へと通過する。遠心分離手段は、円錐形チャンバを設け、かつ、空気流の加速を誘発し、微粒子をより効率的に分離するために先端に向かって先細になっていてもよい。流体は、次に、螺旋状経路における分離手段の中心部に下降して戻り、排気手段のファインダに流入する。本発明による装置では、従って、排気手段に向かう流体の流れから離れている領域で粒子を流体から分離することにより、粒子の再巻き込みを著しく減少させる。
【0012】
排気手段は分離手段の基端に延びていてもよく、排気手段の壁に形成されたスロット又は他の開口部の配列を通して分離手段の基端と連通していてもよい。スロット又は他の開口部は、排気手段の壁を通して半径方向に形成されていてもよいが、効率を改善し、かつ、背圧を減少させるために、流体の流れの方向で角度をなして形成されるのが好ましい。スロット又は他の開口部は、分離手段の上流又は基端から分離手段の下流又は先端までの距離のおよそ90%まで、排気手段に沿って延びることができる。他の実施形態において、排気手段は、分離手段の基端から間隔をあけて配置される底の抜けた管を含む。排気手段は、装置の遠端(流入手段に対して)から延びていてもよく、あるいは、特に、流入手段が分離手段から軸方向にオフセットされている場合、流入手段と同じ端部から延びていてもよい。
【0013】
粒子回収手段は、少なくとも遠心分離手段を囲むのが好ましく、回収された微粒子を処分する目的で着脱可能な基部で形成されていてもよく、あるいは、適切なシール材を備えるアクセス用の扉で形成されていてもよい。また、回収手段は、流入手段及び分離手段とともに着脱可能であってもよく、回収された粒子はその後、回収手段から除去可能である。粒子回収手段は分離域からの分離チャンバによって構成され、それにより、分離された物質の再巻き込みが起こりにくいことに対応して回収チャンバでの空気の動きが著しく少なくなるので、回収された粒子の量は分離効率にほとんど又は全く影響を及ぼさない。
【0014】
好適な構成では、流入域と遠心分離域との間の領域において微粒子の捕捉を防ぐために、移行域の基部は、全ての粒子を捕捉することなく、流体の流れに巻き込まれたままにすることを確実にするために、螺旋状に形成されていてもよい。
【0015】
本発明による装置において、構成部品は、流入域、分離域、及び排気手段における流体の流れ方向が回収手段における粒子の沈下(分離域において運動エネルギーが失われる際に重力の影響下で起こる)方向に逆の流れであるように配置されていてもよく、あるいは、流体の流れ及び粒子の沈下が同一の方向であるように配置されていてもよい。
【0016】
別の態様において、本発明は、流入域及び遠心分離域を含む装置に、基本的に直線の流れである流れを通過させることを含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離方法であって、流れは流入域と分離域との間の移行域を通過し、移行域の通過時に流体の摂動を最小にする状態で分離域において渦流れ経路を誘発する分離方法を提供する。
【0017】
添付図面を参照しながら一例として本発明の実施形態を説明する。
【0018】
図1及び図2をまず参照すると、装置は流入管11、円錐状の分離チャンバ12、回収チャンバ13、及び排気ダクト14から基本的に成る。部品11、12、13、及び14は同心円状に配置されている。流入管11の上端部は分離チャンバの効率的な下端部又は基部を構成する遮蔽又は邪魔板15で形成されるが、分離チャンバを形成するシリンダの下端部は板15の下方から下壁16まで垂下している。板15は管11の上端部を閉鎖し、図2に示すように、管11とチャンバ12との間に画定される環状空間へ部分的に延びており、流入管と分離チャンバとの間で流体用の経路を提供するアクセス又は流入ポートを画定する。板15と下壁16との間の移行域において、管11は出口又は流出孔11Aを有し、これは、板15と組み合わせて、管11からチャンバ12に流れる流体に渦運動を誘発し、流体の流れは太い実線Xで示す。出口又は流出孔の断面積はアクセスポートの断面積と同じである。
【0019】
使用時に、流体の流れに巻き込まれた粒状物質はチャンバ12の外周に向かって付勢され、チャンバ12の上端部で、粒状物質は、Yで示すように、チャンバ12と回収チャンバ13との間で画定される環状空間に遠心力により付勢される。粒状物質を比較的含んでおらず、かつ、運動エネルギー成分を失った流体は、流出管14の壁に隣接したチャンバ12に降りて戻り、薄い実線Zで示すように、流出管14に流入して大気中に出ていく。微粒子は重力によりチャンバ13の底部に落下し、その後に除去する。
【0020】
図3を参照すると、図1に示すような装置と同様の原理で作動する別の実施形態を示すが、微粒子を含む流入流体の流れは、管21を通して上方から流入し、この実施形態では円筒状である分離チャンバ22で渦運動をするように誘発される。分離された微粒子は回収チャンバ23で回収される。回収チャンバ23は閉じた系を表わすので、流体の流れは、いずれの場合においても、回収を抑制することを考えると、微粒子を比較的含んでいない流体の流れが上方に戻り、排気管の上端部に流入するように排気チャンバ25のまわりに環状フランジ24を設けるのが好ましい。そうでなければ再び巻き込まれ、排気とともに大気中に排出される、一般に繊維状のより軽い物質の分離及び回収を容易化するために、下方に付随する(downwardly−depending)態様でフランジ24にカラー26を取り付けてもよい。回収された物質はカラー及びフランジにより形成された倒立カップ状の空間に保持されるので、かかるカラーは、回収チャンバにより設けられた保持容量に物質的に影響することなく特により軽い微粒子の保持を著しく改善することが判明した。さらに、この領域に静止物質が存在することにより、安定性を高め、かつ、流入する粒子物質の動きを減少させることが判明し、保持効率の改善にも貢献することが判明した。
【0021】
図3に示す実施形態において、微粒子を実質的に含まない排気は、排気管25を通して下方に通過する。
【0022】
ここで図4を参照すると、図1及び2を参照しながら説明したものと同様の実施形態を示し、同一機能の構成部品には同一の参照符号を付してある。しかしながら、図4の実施形態において、分離チャンバ12の基部16は、図2の18によって表される盲端部に微粒子が閉じ込められないように、環状の螺旋状トラック17に置き換えられており、図1の排気管14は、図4では、板15と接触して下方に延びており、垂直に設けられた羽根又はルーバー19の配列は、排気侵入用の空隙20の間を画定する。図5に示すように、羽根は角度をなした縁部を備えているのが好ましく、得られるスロット20は、不要な背圧を実質的に生成することなく排気にアクセスすることができる。
【0023】
図6は、特に、自蔵式掃除機ユニットに使用するようになされたものであり、図3を参照しながら説明したものと同様の実施形態を示す。対応する部品には、図3で使用したものと同一の参照符号を図6で使用している。図3のように、微粒子を含む流体Xは装置の上端部から管21を通して流入し、分離チャンバ22で渦経路を進むように誘発される。回収された微粒子27は回収チャンバ23に蓄積される。次に、排気はフィルタ28を通過し、残存の粒状物質を除去する。フィルタ28は、必要な濾過効率のレベルに応じて、比較的低効率のフィルタか又は高効率のHEPAフィルタとしてもよい。モータユニット及びファン29はフィルタユニット28の下方に配設されることにより、装置全体を通して空気を吸引し、排気は適切に構成されたオリフィス30を通して排出される。適切な充電用電子機器及び接続部を備える充電式バッテリユニット31は、オリフィス30の下方に配設してもよく、あるいは、主電源付装置においては、主動モータ及びファンを利用してもよい。装置は、例えば、肩ひもに取り付けられた持ち運び用ハンドルから吊下げてもよく、それにより安定かつ携帯可能なユニットとなるか、或いは床上を移動するようになっている。
【0024】
図7及び図8を参照すると、装置は、互いに直径方向に対向し、かつ、排気ダクト33の両側に配設された2つの流入管32を含む。分離チャンバ34は円錐状であり、微粒子はその下方開口端部を通過して、回収される。図1のように、移行域を通る微粒子を含む流入空気の方向はXによって示し、微粒子の分離はYによって示し、排気はZによって示す。
【0025】
図9及び図10を参照すると、装置は半径が小さくなる円形経路42を画定する移行域に入る正接の流入パイプ41を有しており、それにより、前述の実施形態と比べて、流入空気は経路に沿って動きが拘束され、増大した経路長さにわたって半径方向の加速度が連続的に増加する。空気流は、次に、邪魔板43に形成された開口部を通過して、分離チャンバ44に流入する。粒子45は環状の回収チャンバで回収され、排気は排気ダクト46を通して装置から出ていく。別の構成において、装置は、図9に「A」で示す邪魔板43の中心部を除き、かつ、排気ダクト46を遮断又は除いた状態で、排気ダクト47を含むことにより逆流作動するようになっていてもよく、それにより、排気はダクト47を通過する。この構成において、流入する空気流は経路42で渦流れに沿うように誘発されるため、装置がダクト47を含むかどうかに基づいて、邪魔板43を除いてもよく、空気は開口の円形又は環状領域を通して分離チャンバ44に自由に通過する。
【0026】
図11及び図12を参照すると、流入管50が流出管51を囲んでいる、流入及び流出ダクトの逆流同軸構成を示す。全体の構成は図1及び2を参照しながら説明したものと同様であるが、反対の流れの構成を示す。しかしながら、図1及び図2と比べ、邪魔板15の中心部は図11及び12に示すように装置に無く、標準型の逆サイクロン構成の使用は、流入口及び流出口両方が隣り合い、下端部で丁度よく配設された状態で可能である。回収チャンバ52の寸法が適宜選択されることを前提として、示した円錐部分の代わりに円筒状の分離部分を用いることも可能である。
【0027】
本発明では流体が空気である掃除機を特に参照しながら説明したが、本発明は、自動車排ガスにおけるスパークアレスタなど他の用途にも適用でき、流体がガス状であるか又は流体が水又は他の液体である場合にも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】流体の流れが概して上方向である実施形態の概略的な側面図を示す。
【図2】図1のA−A平面図である。
【図3】流体の流れが概して下方向である実施形態を概略的に示す。
【図4】図1に示す装置の変更例の概略的な側面図を示す。
【図5】図4の装置の平面図を示す。
【図6】掃除機になっている図3の実施形態の変更例を示す。
【図7】排気流が流入流と同一の装置の端部からである実施形態の側面図を示す。
【図8】図7のB−B平面図である。
【図9】正接の流入域を有する装置の概略的な側面図を示す。
【図10】図9の装置の平面図である。
【図11】流入域及び流出域の逆流同軸構成を有する装置の概略的な側面図を示す。
【図12】図11の装置の平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入域、遠心分離域、粒子回収手段、及び排気手段を含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離装置であって、前記流入域及び分離域は流体の流れにおいて渦流れを誘発する移行域を介して連通しており、前記移行域の直径は前記流入域の直径よりも大きく、かつ、前記移行域は前記分離域に出口ポートを画定する手段を含み、入口ポートは邪魔板手段の上流の移行域に形成され、前記入口及び出口ポートは使用時に流体の流れにおける流体の摂動を最小化するように互いに構成されている分離装置。
【請求項2】
前記流入域の直径が前記移行域の直径よりも小さな直径である、同軸の流入域、移行域、及び遠心分離域を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流入域若しくは各流入域が移行域及び分離域と軸方向に平行であるが、移行域及び分離域からオフセットされており、前記分離域の外壁から上流方向に延びることにより画定される領域に設けられるのが好ましい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記流入域が前記分離域に正接し、前記粒子が前記分離域に入る前に、前記粒子の速度の半径方向成分を増加させるために、前記移行域が半径が小さくなる湾曲経路を含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
使用時に流体の摂動を最小化するために、前記入口及び出口ポートが略同一の断面積である先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記移行域から前記分離域までの前記出口ポートを画定する手段が、前記流入域にわたって設けられ、かつ、前記移行域及び分離域を部分的に分離する邪魔板手段を含むのが好ましく、前記分離域に前記出口ポートをそれにより画定し、前記入口ポートが前記移行域に通じる前記流入域の壁の破断側部を含む請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記出口ポートを画定する手段が前記移行域及び分離域を分離するために部分的に設けられた邪魔板手段を含み、前記入口ポートが、湾曲経路と見なすように、前記流入域の壁の管腔によって画定される請求項4に記載の装置。
【請求項8】
渦運動を誘発する前記移行域が、前記流入域と遠心分離域との間に、逆渦巻の入口ポートを含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記遠心分離手段が、円錐形チャンバを設け、かつ、先端に向かって空気流の加速を誘発するために先細になっている先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記排気手段が前記分離手段の基端に延びており、かつ、前記排気手段の壁に形成されたスロット又は他の開口部の配列を通して前記分離手段の基端と連通している先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記排気手段が前記分離手段の基端から間隔をあけて配置される底の抜けた管を含む請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記移行域の基部が螺旋のように形成される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
流入域及び遠心分離域を含む装置に、基本的に直線流である前記流れを通過させることを含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離方法であって、前記流れは前記流入域と分離域との間の移行域を通過し、前記移行域の通過時に流体の摂動を最小にした状態で前記分離域において渦流れ経路を誘発する分離方法。
【請求項14】
添付図面のいずれかを参照しながら本明細書に実質的に記載され、かつ、添付図面に実質的に示される、流体の流れからの粒子の分離装置。
【請求項1】
流入域、遠心分離域、粒子回収手段、及び排気手段を含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離装置であって、前記流入域及び分離域は流体の流れにおいて渦流れを誘発する移行域を介して連通しており、前記移行域の直径は前記流入域の直径よりも大きく、かつ、前記移行域は前記分離域に出口ポートを画定する手段を含み、入口ポートは邪魔板手段の上流の移行域に形成され、前記入口及び出口ポートは使用時に流体の流れにおける流体の摂動を最小化するように互いに構成されている分離装置。
【請求項2】
前記流入域の直径が前記移行域の直径よりも小さな直径である、同軸の流入域、移行域、及び遠心分離域を含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流入域若しくは各流入域が移行域及び分離域と軸方向に平行であるが、移行域及び分離域からオフセットされており、前記分離域の外壁から上流方向に延びることにより画定される領域に設けられるのが好ましい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記流入域が前記分離域に正接し、前記粒子が前記分離域に入る前に、前記粒子の速度の半径方向成分を増加させるために、前記移行域が半径が小さくなる湾曲経路を含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
使用時に流体の摂動を最小化するために、前記入口及び出口ポートが略同一の断面積である先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記移行域から前記分離域までの前記出口ポートを画定する手段が、前記流入域にわたって設けられ、かつ、前記移行域及び分離域を部分的に分離する邪魔板手段を含むのが好ましく、前記分離域に前記出口ポートをそれにより画定し、前記入口ポートが前記移行域に通じる前記流入域の壁の破断側部を含む請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記出口ポートを画定する手段が前記移行域及び分離域を分離するために部分的に設けられた邪魔板手段を含み、前記入口ポートが、湾曲経路と見なすように、前記流入域の壁の管腔によって画定される請求項4に記載の装置。
【請求項8】
渦運動を誘発する前記移行域が、前記流入域と遠心分離域との間に、逆渦巻の入口ポートを含む先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記遠心分離手段が、円錐形チャンバを設け、かつ、先端に向かって空気流の加速を誘発するために先細になっている先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記排気手段が前記分離手段の基端に延びており、かつ、前記排気手段の壁に形成されたスロット又は他の開口部の配列を通して前記分離手段の基端と連通している先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記排気手段が前記分離手段の基端から間隔をあけて配置される底の抜けた管を含む請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記移行域の基部が螺旋のように形成される先行する請求項のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
流入域及び遠心分離域を含む装置に、基本的に直線流である前記流れを通過させることを含む、粒子を巻き込む流体の流れからの前記粒子の分離方法であって、前記流れは前記流入域と分離域との間の移行域を通過し、前記移行域の通過時に流体の摂動を最小にした状態で前記分離域において渦流れ経路を誘発する分離方法。
【請求項14】
添付図面のいずれかを参照しながら本明細書に実質的に記載され、かつ、添付図面に実質的に示される、流体の流れからの粒子の分離装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−530096(P2009−530096A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500915(P2009−500915)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000980
【国際公開番号】WO2007/107740
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(508284953)アーキス アール アンド ディー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000980
【国際公開番号】WO2007/107740
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(508284953)アーキス アール アンド ディー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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