説明

粒子混合物の製造方法

【課題】容器回転式混合機又は機械攪拌式混合機を用いて、より均一な複数種の粒子混合物の製造方法を提供する。
【解決手段】複数成分からなる粒子(A)および複数成分からなる粒子(B)を容器に入れる工程、該容器内を加湿する工程、および、該容器を回転させるか、該容器内に設けられた攪拌羽根を回転させる工程を有することを特徴とする粒子(A)および粒子(B)の混合物の製造方法により、均一性の高い2種以上の粒子混合物を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種以上の、複数成分からなる粒子混合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医農薬、染料、高分子添加物等の分野においては、異なる有効成分や異なる特性(例えば有効成分の放出特性等)を有す複数種の粒子を、混合前の粒子の形状を変化させることなく、均一に混合することが必要な場合がある。粒子を混合する装置として、一般に多く用いられているのは、円筒型混合機、V型混合機、二重円錐混合機、リボン型混合機等の動力混合機であり、複数種の粒子を密閉容器内に仕込み、容器自体を回転させるか、容器内の攪拌羽根を回転させることにより、粒子を混合するものである。
そのようなバッチタイプの混合方法においては、短時間の攪拌により複数種の粒子が均一に混合されることが求められる。特許文献1には混合機内の粒子の混合均質性を測定して、混合を行うことができる装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−522635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2種以上の粒子を効率よく、均一に混合することが可能な粒子の混合物の製造方法を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、複数成分からなる、2種以上の粒子を、加湿された容器内にて動力混合機を用いて混合することにより、短時間にて均一な混合が達成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明は、
[発明1]
複数成分からなる粒子(A)および複数成分からなる粒子(B)を容器に入れる工程、
該容器内を加湿する工程、および、
該容器を回転させるか、該容器内に設けられた攪拌羽根を回転させる工程
を有することを特徴とする粒子(A)および粒子(B)の混合物の製造方法;
[発明2]
複数成分からなる粒子(A)および複数成分からなる粒子(B)を容器に入れる工程、
該容器内を加湿する工程、および、
該容器を回転させる工程
を有することを特徴とする粒子(A)および粒子(B)の混合物の製造方法;
[発明3]
粒子(A)および粒子(B)が、界面活性剤を含有する粒子であることを特徴とする[発明1]または[発明2]に記載の製造方法;
[発明4]
粒子(A)および粒子(B)が、その粒子径が0.3〜10mmの範囲内であり、且つその体積抵抗率が1010Ω・m以上である粒子であることを特徴とする[発明1]〜[発明3]のいずれか1つに記載される製造方法;
[発明5]
粒子(A)が、医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する粒子を含む粒子であることを特徴とする[発明1]〜[発明4]のいずれか1つに記載される製造方法;
[発明6]
粒子(A)が、樹脂により被覆された粒子であることを特徴とする[発明1]〜[発明5]のいずれか1つに記載される製造方法
である。
【0007】
容器回転式混合機による粒子混合物の製造方法は、混合される粒子を容器に入れる工程及び該容器を回転させる工程を含む。また、機械攪拌式混合機による粒子混合物の製造方法は、混合される粒子を容器に入れる工程、該容器内に設けられた攪拌羽根を回転させる工程を含む。
【0008】
本発明の方法により得られる粒子(A)および粒子(B)の混合物とは、粒子(A)および粒子(B)の夫々が粒子の形態を留めた状態の混合物である。
【0009】
本発明の粒子の混合物の製造方法にて用いられる動力混合機は、粒子に運動量を付与する方法から、容器回転式混合機、及び機械攪拌式混合機が挙げられる。
【0010】
容器回転式混合機としては、例えば、水平円筒型混合機、傾斜円筒型混合機、V型混合機、及び二重円錐型混合機が挙げられる。容器回転型混合機は、混合する粒子間の物性差が小さく、流動性の良好な粒子の混合、及び摩擦により破壊されやすい粒子の混合の際の使用に適する。
【0011】
機械攪拌式混合機としては、例えば、リボン型混合機、円錐型スクリュー混合機、高速流動型混合機、回転円板型混合機、及び攪拌型混合機が挙げられる。機械攪拌式混合機は、物性差の大きい粒子の混合の際の使用に適する。
【0012】
本発明における複数成分からなる粒子とは、固形成分中に、該固形成分とは異なる1種以上の成分が含有される粒子を意味する。該粒子には、固形成分に異なる成分が均一に分散している粒子、及び、固形成分の周囲に異なる成分が偏在して存在している粒子が含まれる。
【0013】
本発明において、複数成分からなる粒子(A)と複数成分からなる粒子(B)とは互いに異なる粒子である。ここで、粒子が互いに異なるとは、(a)該粒子に含まれる成分の種類が異なる場合、または(b)該粒子に含まれる特定の成分の含有量が2倍以上異なる場合を意味する。なお、粒子の形状、または粒子径のみが異なる場合を含まない。
【0014】
なお、ここでいう粒子に含まれる“成分”とは、粒子中における含有量が0.1重量%以上の物質を意味する。粒子中に含まれる成分は、互いに化学的な結合を有さず、凝集力等の物理的な力で粒子中に保持されている。
【0015】
本発明の粒子混合物の製造方法は、(i)複数成分からなる粒子(A)および複数成分からなる異なる粒子(B)を容器に入れる工程、(ii)該容器内を加湿する工程、および、(iii)該容器を回転させるか、該容器内に設けられた攪拌羽根を回転させる工程を有することを特徴とする。(i)および(ii)の工程を同時並行で行ってもよく、また、(ii)および(iii)の工程を同時並行で行ってもよい。
【0016】
工程(i)において、粒子(A)および粒子(B)が容器に入れられるが、更に粒子(A)および粒子(B)とは異なる粒子を加えてもよい。
【0017】
粒子(A)および粒子(B)の混合割合は、通常、重量比で50:50〜5:95であり、好ましくは50:50〜75:25である。
【0018】
工程(ii)は、例えば、容器内に湿度の高い空気を送り込むか、細かな水滴(mist)を送り込むことにより行われる。湿度の高い空気または細かな水滴は、加湿器により生成させることができる。加湿器としては、水を加温して水蒸気を発生させる加温式(蒸気式)、超音波振動子により細かな水滴(mist)を発生させる超音波式、更にそれらの併用式等、複数の種類がある。
【0019】
容器内の相対湿度は、工程(ii)により、容器外部の相対湿度に対して、10%以上、好ましくは20%以上、上げられる。容器内の相対湿度は、通常50%以上であることが好ましい。
【0020】
尚、相対湿度とは、測定空気中における水蒸気分圧を測定温度における飽和水蒸気分圧で除した値×100であり、%で表される。
【0021】
工程(iii)は、粒子(A)および粒子(B)の入った容器自身を回転させるか、該容器内に設けられた攪拌羽根を回転させることにより、粒子(A)および粒子(B)を混合する工程である。
【0022】
工程(iii)は、通常、−10〜50℃の範囲で行われる。粒子(A)または粒子(B)に医薬成分、農薬成分または肥料成分が含有されている場合は、該成分の安定性の面から、−5〜40℃の範囲で行うことが好ましい。
【0023】
本発明において、粒子(A)および粒子(B)の1gあたりの粒子数はそれぞれ、通常、50〜5000粒、好ましくは200〜3000粒である。該粒子の見掛比重はそれぞれ、通常、0.3〜1.5g/cc、好ましくは0.7〜1.2g/ccである。粒子の見掛比重は全農法により測定することができる。粒子(A)および粒子(B)の見掛比重の差が0.3g/cc以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2g/cc以下である。該粒子の形状は通常、立方体状、直方体状、三角錐状、円錐状、円柱状、球状、ダンベル状、楕球状、卵状、凸レンズ状、凹レンズ状、板状等である。
【0024】
本発明で用いる粒子(A)および粒子(B)は通常、帯電性の粒子であり、即ち該粒子における電気抵抗を測定することによって求められる体積抵抗率(volume resistivity)が1010Ω・m以上である粒子である。粒子の体積抵抗率は、例えば150mmφ×10mmの大きさの容器に粒子を詰め、10mmを試料厚さ方向として、両端に80mmφの電極を設置して、超高抵抗/微小電流計(具体的にはアドバンテスト社製R8340A型)を用いて抵抗値を求め、算出できる。
【0025】
粒子(A)および粒子(B)は複数成分からなる粒子の構成成分としては、界面活性剤が含有されることが好ましい。さらに、該粒子の構成成分としては、界面活性剤の他に、例えば医薬成分、農薬成分、肥料成分、染料成分、及び高分子用添加剤成分挙げられる。
【0026】
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられる。該粒子中に含有される界面活性剤が含有される場合、その量は粒子の重量に対して0.1〜70重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。
【0027】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、糖エステル型ノニオン性界面活性剤、脂肪酸エステル型ノニオン性界面活性剤、植物油型ノニオン性界面活性剤、アルコール型ノニオン性界面活性剤、アルキルフェノール型ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー型ノニオン性界面活性剤、ビスフェノール型ノニオン性界面活性剤、多芳香環型ノニオン性界面活性剤、シリコン型ノニオン性界面活性剤およびフッ素型ノニオン性界面活性剤を挙げることができる。
糖エステル型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステルおよびショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。
脂肪酸エステル型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステルおよびポリオキシエチレン脂肪酸ジエステルが挙げられる。
植物油型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
アルコール型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。
アルキルフェノール型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル・ホルマリン縮合物が挙げられる。
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテルおよびアルキルフェニルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテルが挙げられる。
ビスフェノール型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシビスフェニルエーテルが挙げられる。多芳香環型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテルおよびポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテルが挙げられる。
シリコン型ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンエーテル型シリコン系界面活性剤およびポリオキシエチレンエステル型シリコン系界面活性剤が挙げられる。
【0028】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、サルフェート型アニオン性界面活性剤アニオン性界面活性剤、スルフォネート型アニオン性界面活性剤、フォスフェート型アニオン性界面活性剤およびカルボン酸型アニオン性界面活性剤を挙げることができる。
サルフェート型アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシスチリルフェニルエーテルサルフェートおよびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーサルフェートが挙げられる。
スルフォネート型アニオン性界面活性剤としては、例えば、パラフィンスルフォネート、ジアルキルスルフォサクシネート、アルキルベンゼンスルフォネート、モノアルキルナフタレンスルフォネート、ジアルキルナフタレンスルフォネート、ナフタレンスルフォネート・ホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルフォネートおよびポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルフォネートが挙げられる。
フォスフェート型アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルフォスフェート、ポリオキシエチレンモノアルキルフェニルエーテルフォスフェート、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルフォスフェート、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルフォスフェート、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーフォスフェートおよびアルキルフォスフェートが挙げられる。
カルボン酸型アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸アンモニウム、N−メチル−サルコシネート、樹脂酸ナトリウムおよび樹脂酸カリウムが挙げられる。
【0029】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アンモニウム型カチオン性界面活性剤およびベンザルコニウム型カチオン性界面活性剤が挙げることができる。
アンモニウム型カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、メチルポリオキシエチレンアルキルアンモニウムクロライド、アルキルN−メチルピリジニウムブロマイド、モノまたはジアルキルメチル化アンモニウムクロライド、およびアルキルペンタメチルプロピレンジアミンクロライドが挙げられる。
ベンザルコニウム型カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライドおよびオクチルフェノキシエトキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライドが挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン型両性界面活性剤を挙げることができる。ベタイン型両性界面活性剤としては、例えばジアルキルジアミノエチルベタインおよびアルキルジメチルベンジルベタインが挙げられる。
【0031】
本発明において、粒子(A)が農薬成分を含有する粒子である場合、該粒子は通常、農薬成分、界面活性剤、更に固形成分としての担体を含有し、必要に応じて、粘結剤、溶剤、安定化剤、着色剤、被覆剤等が更に含有されている。通常、農薬成分、界面活性剤、固形成分としての担体、必要により、粘結剤、溶剤、安定化剤、着色剤、被覆剤等を混合し、造粒・成型化することにより、該粒子を製造することができる。
【0032】
農薬成分としては、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、昆虫成長制御剤、植物成長制御剤等を挙げることができ、例えば次に示す化合物を具体的に挙げることができる。
【0033】
O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート、O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエート、S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート、O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート、2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート、O−エチル−O−4−(メチルチオ)フェニルS−プロピルホスホロジチオエート、O−4−シアノフェニルO,O−ジメチルホスホロチオエート、2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2−スルフィド、O,O−ジメチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート、エチル2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテート、ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネート、ジメチル2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート、S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート、ジメチル−{(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニル}ホスフェート、O,O,O’,O’−テトラエチル−S,S’−メチレンビス(ホスホロジチオエート)等の有機リン系化合物、
【0034】
2−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート、エチル N−{2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ}−N−イソプロピル−β−アラニネート、2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ(b)フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート、1−ナフチル−N−メチルカーバメート、S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート、2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート、2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム、N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド、S−4−フェノキシブチル−N,N−ジメチルチオカーバメート等のカーバメート系化合物、
【0035】
2−(4−エトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)オキシプロパン、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート、α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネート、2−メチル−3−フェニルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)メチルプロパン、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(4−エトキシフェニル)−{3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル}ジメチルシラン、3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R,3Z)−シス−(2,2−ジメチル−3−{3−オキソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル(1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)イミダゾリジン−1−イルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−(2−プロピニル)フルフリル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド系化合物、
【0036】
2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン等のチアジアジン誘導体、ニトロイミダゾリジン誘導体、S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)、N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン、S,S’−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルフォネート)等のネライストキシン誘導体、N−シアノ−N’−メチル−N’−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピンオキサイド、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノール)等の塩素化炭化水素化合物、
【0037】
1−{3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、
【0038】
N,N’−{(メチルイミノ)ジメチリジン}−ジ−2,4−キシリジン、N’−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルメチニミダミド等のホルムアミジン誘導体、N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノキシフェニル)−N’−t−ブチルカルボジイミド等のチオ尿素誘導体、N−フェニルピラゾール系化合物、5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−(3H)−オン、イソプロピル4,4’−ジブロモベンジレート、4−クロロフェニル2,4,5−トリクロロフェニルスルホン、S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカルボネート、2−(4−tert−ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロピ−2−イルスルファイト、ビス{トリス(2−メチル−2−フェニルプロピル)ティン}オキシド、(4RS,5RS)−5−(4−クロロフェニル)−N−クロロヘキシル−4−メチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキサミド、3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン、tert−ブチル (E)−4−[(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル)メチレンアミノオキシメチル]ベンゾエート、N−(4−tert−ブチルベンジル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−ピラゾールカルボキサミド、5−クロロ−N−[2−{4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチル]−6−エチルピリミジン−4−アミン、5−メチル(1,2,4)トリアゾロ(3,4−b)ベンゾチアゾール、メチル 1−(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−カーバメート、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタノン、(E)−4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−N−[1−(イミダゾール−1−イル)−2−プロポキシエチリデン]アニリン、1−[N−プロピル−N−[2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル]カルバモイル]イミダゾール、(E)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、4−[3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル]−2,6−ジメチルモルホリン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール、O,O−ジエチル O−2−キノキサリニル ホスホロチオエート、O−(6−エトキシ−2−エチル−4−ピリミジニル) O,O−ジメチル ホスホロチオエート、2−ジエチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル ジメチルカーバメート、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル p−トルエンスルホナート、4−アミノ−6−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチルチオ−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン、2−クロロ−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミド、2−エトキシカルボニル−N−[(4−クロロ−6−メトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミド、2−(2−クロロエトキシ)−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]フェニルメタンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−[(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル]チオフェン−3−スルホンアミド、4−エトキシカルボニル−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−1−メチルピラゾール−5−スルホンアミド、2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−3−キノリンカルボン酸、2−[4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル]−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸、メチル 6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−m−トルエート、メチル 2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−p−トルエート、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)ニコチン酸、N−(4−クロロフェニル)メチル−N−シクロペンチル−N’−フェニルウレア、(RS)−2−シアノ−N−[(R)−1(2,4−ジクロロフェニル)エチル]−3,3−ジメチルブチルアミド、N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシアミド、N−[2,6−ジブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキシアミド、2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−3−メチルシクロプロパンカルボキシアミド、メチル(E)−2−2−6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ−フェニル−3−メトキシアクリレイト、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ(3,4−b)ベンゾチアゾール、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド、ジイソプロピル=1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネート、O,O−ジプロピル−O−4−メチルチオプェニルホスフェートなどが挙げられる。
【0039】
固形成分としての担体としては、例えば、鉱物質担体(mineral carrier)、植物質担体(vegetable carrier)、動物質担体、及び合成担体(synthetic carrier)等が挙げられる。
鉱物質担体としては、例えば、カオリナイト(kaolinite)、ディッカナイト(dickite)、ナクライト(nacrite )、ハロイサイト(halloysite)等のカオリン鉱物(kaolin minerals)、クリソタイル(chrysotile)、リザーダイト(lizardite)、アンチゴライト(antigorite)、アメサイト(amesite)等の蛇紋石(serpentinite)、ナトリウムモンモリロナイト(sodium montmorillonite)、カルシウムモンモリロナイト(calcium montmorillonite)、マグネシウムモンモリロナイト(magnesium montmorillonite)等のモンモリロナイト鉱物、サポナイト(saponite)、ヘクトライト(hectorite)、ソーコナイト(sauconite)、バイデライト(beidellite)等のスメクタイト(smectite)、パイロフィライト(pyrophyllite)、タルク(talc)、蝋石(agalmatolite)、白雲母(muscovite)、フェンジャイト(phengite)、セリサイト(sericite)、イライト(illite)等の雲母(mica)、クリストバライト(cristobalite)、クォーツ(quartz)等のシリカ(silica)、アタパルジャイト(atapalgite)、セピオライト(sepiolite)等の含水珪酸マグネシウム(hydrated magnesium silicate)、ドロマイト(dolomite)、炭酸カルシウム(calcium carbonate)微粉末等の炭酸カルシウム、ギプサム(gypsum )、石膏(plaster)等の硫酸塩鉱物(sulfate minerals)、ゼオライト(zeolite)、沸石(boiling stone)、凝灰石(tuff)、バーミキュライト(vermiculite)、ラポナイト(laponite)、軽石(pumice)、珪藻土(diatomite)、酸性白土(acidic clay)、活性白土(activated clay)などが挙げられる。植物質担体としては、例えば、セルロース(cellulose)、籾殻(hull)、小麦粉(wheat flour)、木粉(wood flour)、澱粉(starch)、糠(bran)、ふすま(wheat bran)、大豆粉(soy bean flour)等が挙げられる。
合成担体としては、例えば、湿式法シリカ(wet silica)、乾式法シリカ(dry silica)、湿式法シリカの焼成品(calcinated product of wet silica)、表面改質シリカ(surface modified silica)、加工澱粉(松谷化学製パインフロー等)[processed starch (ex. Pineflow manufactured by Matsutani Kagaku K.K.(日本)) ]などが挙げられる。
これらの担体は粒状物中に、通常0.5〜99.9重量%、好ましくは25〜99.5重量%含有される。
【0040】
本発明において、粒子(A)及び/又は粒子(B)が肥料成分を含有する粒子である場合、該粒子は通常、肥料成分、界面活性剤を含有し、必要に応じて、着色剤(coloring agent)、被覆剤(coating material)等が更に含有されている。
【0041】
肥料成分としては、尿素(urea)、硫安(ammonium sulfate)、塩安(ammonium chloride)、燐安(ammonium phosphate)、硝安(ammonium nitrate)、石灰窒素(lime nitrogen)、硝酸ソ−ダ(sodium nitrate)、アセトアルデヒド縮合尿素(aldehyde condensed urea)、焼成りん肥(calcined phosphate)、加工燐酸肥料(processed phosphate fertiliaer)、重加燐酸石灰(conc. superphosphate)、混合燐酸肥料(phosphate fertilizer mixture)、塩化加里(potassium chloride)、硫酸加里苦土(potassium sulfate magnesia)、重炭酸加里(potassium bicarbonate)、けい酸加里肥料(potassium silicate)、燐酸加里肥料(potassium phosphate)、硝酸加里肥料(potassium nitrite)などがあげられる。
【0042】
本発明において、粒子(A)及び/又は粒子(B)は樹脂等で被覆されていてもよい。この場合の樹脂等としては、例えば、水溶性高分子、ワックス、熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0043】
水溶性高分子としては、例えば糖、及びアルギン酸塩(alginate)が挙げられる。
【0044】
ワックスとしては、例えば、カーボワックス(carbowax)、ヘキストロウ(Hoechst wax)、蔗糖エステル(sucrose ester)、脂肪酸エステル(fatty acid ester)などの合成ワックス、カルナウバワックス(carnauba wax)、ミツロウ(beeswax)、木ロウなどの天然ワックス、パラフィンワックス(paraffin wax)、ペトロラクタム(petro lactam)などの石油ワックス(petroleum waxe)等が挙げられる。
【0045】
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのビニル重合物、ブタジエン重合物、イソプレン重合物、クロロプレン重合物、ブタジエン−スチレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物、スチレン−イソプレン共重合物などのジエン系重合物、エチレン−プロピレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−プロピレン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合物、エチレン−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合物などのポリオレフィン共重合物、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物などの塩化ビニル共重合物等が挙げられる。
【0046】
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂(urethane resin)、エポキシ樹脂(epoxy resin)、アルキド樹脂(alkyd resin)、不飽和ポリエステル樹脂(unsaturated polyester resin)、フェノール樹脂(phenol resin)、尿素樹脂(urea resin)、メラミン樹脂(melamine resin)、シリコン樹脂(silicone resin)等が挙げられる。
【0047】
ウレタン樹脂は、通常、ポリイソシアナート(polyisocyanate)とポリオール(polyol)とが、有機金属やアミン等の硬化剤の存在下に反応することによって生成する。ウレタン樹脂のモノマーであるポリイソシアネートとポリオールは、通常、モノマー単独、溶液、水系エマルジョン、または、有機溶剤系エマルジョン等の形態で使用される。該ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(oluene diisocyanate)(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(diphenylmethane diisocyanate)(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(naphthalene diisocyanate)、トリレンジイソシアネート(tolidine diisocyanate)、ヘキサメチレンジイソシアネート(hexamethylene diisocyanate)、イソホロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate)、キシリレンジイソシアネート(xylylene diisocyanate)、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(4,4-methylenebis(cyclohexylisocyanate))、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(trimethylhexamethylenediisocyanate)、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(1,3-(isocyanatemethyl)cyclohexane)、トリフェニルメタントリイソシアネート(triphenylmethanetriisocyanate)、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェイト(tris(isocyanataphenyl)thiophosphate)、及び、これらの混合物等が挙げられる。
【0048】
なお、上記のポリイソシアネートモノマーに代えて、これらの変性体やオリゴマーを用いることもできる。変性体としては、アダクト(adduct)変性体、ビウレット(buret)変性体、イソシアヌレート(isocyanurate)変性体、ブロック変性体、プレポリマー(prepolymer)変性体、2量化変性体等が挙げられる。該ポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール(polyester polyol)、ポリエーテルポリオール(polyether polyol)、ポリ(メタ)アクリル酸ポリオール(poly(meta)acrylic acid polyol)、ラクトン系ポリエステルポリオール(lactone type polyether polyol)、ポリカーボネートポリオール(polycarbonate polyol)、天然ポリオール(natural polyol)やその変性物(modified)、等が挙げられる。縮合系ポリエステルポリオールは、通常、ポリオールと二塩基酸との縮合反応によって、ポリエーテルポリオールは、通常、環状オキシド(cyclic oxide)の重合反応によって得られる。ポリ(メタ)アクリル酸ポリオールは、通常、ポリ(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、または、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合反応によって得られる。ラクトン系ポリエステルポリオールは多価アルコールを開始剤とするε−カプロラクタム(caprolactam)の開環重合によって得られる。ポリカーボネートポリオールは、通常、グリコールとカーボネートとの反応によって得られ、ポリオールとしては、メチレングリコール(methylene glycol)、エチレングリコール(etylene glycol)、プロピレングリコール(propylene glycol)、テトラメチレングリコール(tetramethylene glycol)、ヘキサメチレンジオール(hexamethylene diol)、トリメチロールプロパン(trimethylol propane)、ポリテトラメチレングリコール(poly(tetramethylene glycol))、グリセリン(glycerin)、ペンタエリスリトール(pentaerythritol)、ソルビトール(sorbitol)、ショ糖(sucrose)、および、これらのオリゴマー等が挙げられる。二塩基酸としては、アジピン酸(adipic acid)、フタル酸(phthalic acid)等が挙げられる。(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などがー般に用いられる。
【0049】
エポキシ樹脂は、通常、硬化剤の存在下におけるフェノール(phenol)又はアルコール(alcohol)とエピクロルヒドリン(epichlorhydrin)との反応、硬化剤(curing agent)の存在下におけるカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応、硬化剤の存在下におけるアミン(amine)、シアヌル酸(cyanuric acid)又はヒダントイン(hydantoin)とエピクロルヒドリンとの反応、過酢酸(peracetic acid)等の硬化剤の存在下における脂肪族環状エポキシ化合物(aliphatic cyclic epoxy compound)の反応等によって生成する。エポキシ樹脂としては、ビスフェノール(bisphenol)A型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル(biphenyl)型、ナフタレン(naphthalene)型、フルオレイン(fluorene)型、フェノールノボラック(phenol novolac)型、オルソクレゾールノボラック(orthocresol novolac)型、DPPノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン(trishydroxyphenylmethane)型、テトラフェニロールエタン(tetraphenylolethane)型などのグリシジル(glycidyl amine)エーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(tetraglycidyldiaminodiphenylmethane)型、トリグリシジルイソシアヌレート(triglycidylisocyanurate)型、ヒダントイン(hydantoin)型、アミノフェノール(aminophenol)型、アニリン(aniline)型、トルイジン(toluidine)型などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂(alicyclic type epoxy resins)等が挙げられる。
【0050】
アルキド樹脂は、例えば、多塩基酸と多価アルコールとの反応を必要に応じて天然植物油(vegetable oil)または動物脂(animal fat)等の変成剤(modifying agent)、金属石鹸(metallic soap)、皮張防止剤(antiskinning agent)の存在下に行うことによって生成する。
該多塩基酸としては、無水フタル酸、無水マレイン酸等が挙げられ、該多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
該変成剤としては、例えば、大豆油(soybean oil)、アマニ油(linseed oil)、桐油(tung oil)、サフラワー油(safflower oil)、ヤシ油(coconut oil)、パーム油(palm oil)、脱水ヒマシ油(dehydrated castor oil)等が挙げられ、
該金属石鹸としては、通常、マンガン(manganese)、コバルト(cobalt)、ジルコニウム(zirconium)、ニッケル(nickel)、鉄(iron)、鉛(lead)等のナフテン酸またはオクチル酸の金属塩類、例えば、オクチル酸ジルコニウム(zirconium octylate)、ナフテン酸マンガン(manganese naphthenate)、オクチル酸コバルト(cobalt octylate)、およびそれらの混合物等が挙げられる。該皮張防止剤としては、ジペンテン、メトキシフェノール、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、およびそれらの混合物等が挙げられる。
【0051】
不飽和ポリエステル樹脂は、通常、不飽和二塩基酸(unsaturated dibasic acid)と二価アルコール(divalent alcohol)とをビニルモノマー(vinyl monomer)の存在下に反応させることによって得られる。
該不飽和二塩基酸としては、無水フタル酸(phthalic anhydride)、イソフタル酸(isophthalic acid)、テレフタル酸(terephthalic acid)、コハク酸(succinic acid)、アジピン酸(adipic acid)、アゼライン酸(azelaic acid)、セバシン酸(sebacic acid)、テトラヒドロ無水フタル酸(tetrahydrophthalic anhydride)、ヘキサヒドロ無水フタル酸(hexahydrophthalic anhydride)、テトラブロム無水フタル酸(tetrabromophthalic anhydride)、テトラクロロ無水フタル酸(tetrachlorophthalic anhydride)、無水ヘット酸(HET acid anhydride)(すなわち、無水クロレンド酸)、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸(endomethylenetetrahydrophthalic anhydride)等が挙げられ、
該二価アルコールとしては、エチレングリコール(ethylene glycol)、プロピレングリコール(propylene glycol)、1,3−ブチレングリコール(1,3-butylene glycol)、1,6−ヘキサンジオール(1,6-hexanediol)、ジエチレングリコール(diethylene glycol)、ジプロピレングリコール(dipropylene glycol)、ネオペンチルグリコール(neopentyl glycol)、トリエチレングリコール(triethylene glycol)、水素化ビスフェノールA(hydrogenated bisphenol A)、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル(bisphenol dihydroxypropyl ether)等が挙げられる。
該ビニルモノマーとしては、スチレン(styrene)、ビニルトルエン(vinyltoluene)、クロロスチレン(chlorostyrene)、フタル酸ジアリル(dially phthalate)、シアヌル酸トリアリル(trially cyanurate)、メタクリル酸メチル(methyl metacrylate)等が挙げられる。
【0052】
フェノール樹脂は、塩酸(hydrochloric acid)、しゅう酸(oxalic acid)、ヘキサメチレンテトラミン(hexamethylenetetramine)等の触媒の存在下、フェノール系化合物(phenolic compound)とアルデヒド(aldehyde)とを反応させることによって生成する。該フェノール系化合物としては、フェノール(phenol)、o−クレゾール(o-cresol)、m−クレゾール(m-cresol)、p−クレゾール(p-cresol)、キシレノール(xylenol)、p−t−ブチルフェノール(p-tert-butylphenol)、レゾルシノール(resorcinol)等が挙げられる。
この反応において、酸性触媒条件下ではノボラック型フェノール樹脂(Novolac type phenol resins)が、塩基性触媒条件下ではレゾール型フェノール樹脂(resol type phenol resins)が得られる。
尿素樹脂またはメラミン樹脂は、通常、塩基性触媒の存在下におけるウレアまたはメラミンとホルマリンなどのホルムアルデヒドとの反応により生成する。
【0053】
ウレア・メラミン樹脂は、通常、塩基性触媒の存在下におけるウレア又はメラミンとホルマリンとの反応により生成する。
【0054】
次に、本発明の製造方法を用いた、2種の粒子の混合試験例を挙げて、本発明の製造方法を説明する。
【0055】
〔試験例に用いた粒子〕
・粒子a
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル2重量部、粘結剤3重量部、水溶性担体13.5部および鉱物質担体73.5部を混合し、加水混練した。該混練物を押出し造粒機で造粒、乾燥して、得られた粒子を、更に芳香族系ポリイソシアナートとポリエーテルポリオールより得られるウレタン樹脂にて被覆し、粒径500〜1190μmの円柱状の粒子aを得た。
・粒子b
農薬活性成分6重量部、並びにポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル2重量部、粘結剤5重量部、安定化剤1重量部、および鉱物質担体86重量部を混合し、加水混練した。該混練物を押出し造粒機で造粒、乾燥して、粒径500〜1190μmの円柱状の粒子bを得た。
【0056】
〔試験例に用いた混合装置〕
粒子を入れる容器として、450ml容(直径約7cm、高さ約10cm)のSUS304製の円筒形状の容器を用いた。円筒容器には、円筒上部に取り外し可能な蓋を有する。用いた動力混合機は、異なる2軸に回動自在に取り付けられた容器保持部を有するターブラー・シェーカー・ミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製、TURBULA Type T2C)を用い、回転速度は42rpmで動作させた。
【0057】
〔比較例1〕
上部に取り外し可能な蓋を有する450ml容(直径約7cm、高さ約10cm)のSUS304製の円筒形状の容器に、気温20℃、相対湿度30%の雰囲気で粒子a150gを入れ、さらに粒子b150gを入れた。次いで、該容器の蓋を閉めた。
20℃で、粒子を仕込んだ該容器を上記のターブラー・シェーカー・ミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製、TURBULA Type T2C)に取り付けた。次いで、該円筒容器を回転速度42rpmで5分間回転させた。
その後、ターブラー・シェーカー・ミキサーから円筒容器を取り外し、該容器の蓋を上になるように静置した。該容器内の粒子を上部より30gずつ10個の部分(層)に分けて取り出し、各部分中の農薬成分含量を分析した。その含量分析値から、標準偏差ならびに平均値を算出した。さらに、混合度(CV%=標準偏差÷平均値×100)を求めた。その結果を表1に示す。
【0058】
〔実施例1〜3〕
上部に取り外し可能な蓋を有する450ml容(直径約7cm、高さ約10cm)のSUS304製の円筒形状の容器に、気温20℃、相対湿度30%の雰囲気で粒子a150gを入れ、さらに粒子b150gを入れた。次いで、該容器を所定の湿度まで加湿されたガラス製容器内に移し、該容器内が加湿された空気で置換される程度に十分な時間放置した。その後、該容器の蓋を閉めた。
20℃で、粒子を仕込んだ該円筒容器を上記のターブラー・シェーカー・ミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製、TURBULA Type T2C)に取り付けた。次いで、該円筒容器を回転速度42rpmで5分間回転させた。
その後、ターブラー・シェーカー・ミキサーから円筒容器を取り外し、該容器の蓋を上になるように静置した。該容器内の粒子を上部より30gずつ10個の部分(層)に分けて取り出し、各部分中の農薬成分含量を分析した。その含量分析値から、標準偏差ならびに平均値を算出した。さらに、混合度(CV%=標準偏差÷平均値×100)を求めた。その結果を表1に示す。
【0059】
尚、比較例1および実施例1〜3のいずれにおいても、粒子の破壊による微粉の増加は無く、即ち粒子aおよび粒子bの形状の変化は認められなかった。
【0060】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の粒子混合物の製造方法により、均一性の高い2種以上の粒子混合物を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数成分からなる粒子(A)および複数成分からなる粒子(B)を容器に入れる工程、
該容器内を加湿する工程、および、
該容器を回転させるか、該容器内に設けられた攪拌羽根を回転させる工程
を有することを特徴とする粒子(A)および粒子(B)の混合物の製造方法。
【請求項2】
複数成分からなる粒子(A)および複数成分からなる粒子(B)を容器に入れる工程、
該容器内を加湿する工程、および、
該容器を回転させる工程
を有することを特徴とする粒子(A)および粒子(B)の混合物の製造方法。
【請求項3】
粒子(A)および粒子(B)が、界面活性剤を含有する粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載される製造方法。
【請求項4】
粒子(A)および粒子(B)が、その粒子径が0.3〜10mmの範囲内であり、且つその体積抵抗率が1010Ω・m以上である粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載される製造方法。
【請求項5】
粒子(A)が、医薬成分、農薬成分または肥料成分を含有する粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載される製造方法。
【請求項6】
粒子(A)が、樹脂により被覆された粒子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載される製造方法。

【公開番号】特開2006−281199(P2006−281199A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60728(P2006−60728)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】