説明

粒状体選別装置

【課題】エアー噴出手段に供給されるエアーの圧力が低下しても、分離すべき粒状体を適切に他の粒状体群から分離させることが可能となる粒状体選別装置を提供する。
【解決手段】粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がる横広がり状態で計測対象箇所Jを通過させる移送手段3と、計測対象箇所からの光を受光する受光手段5と、計測対象箇所Jを照明する照明手段4と、受光する光量値が適正光量範囲を外れているか否かにより分離対象となる粒状体であるか否かを判別する評価処理手段と、分離対象となる粒状体であると判別された粒状体を分離させるエアー噴出手段6とが設けられ、移送手段3が粒状体群の移送流量を変更調節自在に構成され、エアー供給源よりエアー噴出手段6に供給されるエアーの圧力を検出する圧力検出手段にて検出される検出圧力が低いときは検出圧力が高いときよりも移送流量を少なくするように移送手段3の作動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がる横広がり状態で計測対象箇所を通過させるように移送する移送手段と、前記計測対象箇所からの光を受光する複数の単位受光部を前記計測対象箇所の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えた受光手段と、前記計測対象箇所の横幅方向の全幅又は略全幅を照明する照明手段と、前記単位受光部が受光する光量値が適正光量範囲を外れているか否かにより分離対象となる粒状体であるか否かを判別する粒状体判別処理を前記複数の単位受光部毎に実行する評価処理手段と、前記計測対象箇所よりも粒状体移送方向下手側の分離箇所において、前記評価処理手段にて分離対象となる粒状体であると判別された粒状体を他の粒状体群と異なる経路に分離させるためにエアーを噴出する複数のエアー噴出部を前記計測対象箇所の横幅方向に沿って並べて備えるエアー噴出手段とが設けられた粒状体選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記粒状体選別装置の従来例として、移送手段による粒状体群の移送流量が、粒状体判別処理を良好に行うことができる値に予め調整されて、その状態が維持されるものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ちなみに、特許文献1では、清掃時など、粒状体の移送を一時停止させている運転停止時に、エアー供給源よりエアー噴出手段にエアーを供給する圧力供給路の圧力を圧力検出手段にて検出して、空気漏れ等が発生している否かを検出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−150178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来構成では、粒状体群を移送手段にて移送させながら選別処理を行う運転時において、エアー供給源よりエアー噴出手段に供給するエアーの圧力不足が生じていても、運転が単に継続されるものとなり、その結果、分離処理を良好に行えなくなるトラブルを起すおそれがあった。
【0006】
エアー噴出手段に供給するエアー圧力不足が生じる原因としては、エアー供給源からエアー噴出手段にエアーを供給する圧力供給路に空気漏れが発生することや、エアー供給源が作動不良を起こすこと等が考えられる。
【0007】
ちなみに、粒状体群に含まれる分離対象となる粒状体の割合が多いほど、エアー噴出部からエアーを噴出させる頻度が多くなるため、エアー噴出部からエアーを噴出させる頻度が過剰の場合には、適正通り、エアー供給源からエアー噴出手段にエアーが供給されていても、エアー噴出部からエアーを適正通り噴出させることできないことになる。
このため、粒状体群に含まれる分離対象となる粒状体の割合が多いほど、移送手段による粒状体群の移送量が少なくなるように調整して、エアー噴出部からエアーを噴出させる頻度が適正な頻度となるようにすることになる。
【0008】
つまり、一般には、運転を開始する際に、試験的に粒状体群を移送しながら運転して、分離対象となる粒状体が適正通り分離できるように、移送手段による粒状体群の移送量を調整することになる。
そして、試験的な運転を終了して、本来の運転を開始したのちにおいて、例えば、エアー供給源の作動不良等により、エアー供給源からエアー噴出手段に供給されるエアーのエアー圧力不足が生じると、エアー噴出手段から噴出されるエアーの噴出速度や噴出量が不足して、分離処理を良好に行えなくなるが、従来では、エアー噴出手段に供給されるエアーのエアー圧力不足が生じても、運転が単に継続されるものであるため、分離処理を良好に行えなくなるトラブルを起こすおそれがあった。
【0009】
本発明の目的は、エアー噴出手段に供給されるエアーの圧力が低下しても、粒状体の分離処理を良好に行うことが可能となる粒状体選別装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る粒状体選別装置は、粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がる横広がり状態で計測対象箇所を通過させるように移送する移送手段と、
前記計測対象箇所からの光を受光する複数の単位受光部を前記計測対象箇所の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えた受光手段と、
前記計測対象箇所の横幅方向の全幅又は略全幅を照明する照明手段と、
前記単位受光部が受光する光量値が適正光量範囲を外れているか否かにより分離対象となる粒状体であるか否かを判別する粒状体判別処理を前記複数の単位受光部毎に実行する評価処理手段と、
前記計測対象箇所よりも粒状体移送方向下手側の分離箇所において、前記評価処理手段にて分離対象となる粒状体であると判別された粒状体を他の粒状体群と異なる経路に分離させるためにエアーを噴出する複数のエアー噴出部を前記計測対象箇所の横幅方向に沿って並べて備えるエアー噴出手段とが設けられたものであって、その第1特徴構成は、
前記移送手段が粒状体群の移送流量を変更調節自在に構成され、
エアー供給源より前記エアー噴出手段に供給されるエアーの圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段にて検出される検出圧力が低いときは検出圧力が高いときよりも前記移送流量を少なくするように、前記検出圧力に基づいて前記移送流量を変更すべく前記移送手段の作動を制御する供給量制御手段とが備えられている点にある。
【0011】
すなわち、圧力検出手段によりエアー供給源よりエアー噴出手段に供給されるエアーの圧力が検出され、供給量制御手段が、圧力検出手段にて検出される検出圧力が低いときは検出圧力が高いときよりも移送流量を少なくするように移送手段の作動を制御するのである。
【0012】
つまり、圧力検出手段にて検出される検出圧力が高い場合は、粒状体群の移送流量が多めの値に調整される。
粒状体群の移送流量として多めの値が設定されると、計測対象箇所を通過する粒状体の単位時間あたりの個数が多くなり、単位時間当たりにエアー噴出部からエアーを噴出させる頻度が多めになるが、このとき、エアー供給源よりエアー噴出手段に供給されるエアーの圧力が高いので、エアー噴出部から分離すべき粒状体を分離させるのに必要な圧力のエアーを噴出させて適切に他の粒状体群から分離させることができる。
【0013】
そして、圧力検出手段にて検出される検出圧力が低下すれば、移送手段による粒状体群の移送流量が少なめの値に調整される。
粒状体群の移送流量として少なめの値が設定されると、計測対象箇所を通過する粒状体の単位時間あたりの個数が少なくなり、単位時間当たりにエアー噴出部からエアーを噴出させる頻度も小になるので、エアー噴出手段に供給されるエアーの圧力が低い場合であっても、エアー噴出部からエアーを噴出させる頻度が適正な頻度となってエアー噴出手段に供給されるエアー圧力の不足が回避され、分離すべき粒状体を適切に他の粒状体群から分離させることができる。
【0014】
つまり、粒状体群を移送手段にて移送させながら選別処理を行う運転時において、エアー圧力不足が生じることがあっても、分離すべき粒状体を適切に他の粒状体群から分離させることが可能となるのである。
【0015】
従って、第1特徴構成によれば、エアー噴出手段に供給されるエアーの圧力が低下しても、粒状体の分離処理を良好に行うことが可能となる粒状体選別装置を提供できるに至った。
【0016】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記供給量制御手段は、前記検出圧力が予め設定された切換用判定値よりも高ければ、粒状体群の移送流量を第1設定値に調整し、且つ、前記検出圧力が前記切換用判定値以下であれば粒状体群の移送流量を前記第1設定値よりも設定量だけ少ない第2設定値に調整する形態で、前記検出圧力に基づいて前記移送流量を変更すべく前記移送手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0017】
すなわち、粒状体群を移送手段にて移送させながら選別処理を行う運転の開始時等において、圧力検出手段にて検出される検出圧力が切換用判定値よりも高いときは、粒状体群の移送流量が第1設定値に設定され、前記検出圧力が切換用判定値以下に低下すると、粒状体群の移送流量が第1設定値よりも設定量だけ少ない第2設定値に調整されることになる。
【0018】
ちなみに、選別対象となる粒状体群を対象として、実際に移送手段にて移送しながら、評価処理手段にて粒状体判別処理を実行して、評価処理手段にて分離対象となる粒状体であると判別された粒状体をエアー噴出手段にて分離させる処理を、試験的に行って、その分離処理を適正な状態で行うことが可能な移送流量値を求め、その移送流量値を第1設定値として設定することになる。
【0019】
つまり、検出圧力に基づいて移送流量を変更するにあたり、前記検出圧力が切換用判定値以下に低下すると、第1設定値に設定されている移送流量をその第1設定値よりも設定量だけ少ない第2設定値に調整する形態で移送手段の作動を制御するようにしたから、移送流量が迅速に設定量だけ少ない第2設定値に即座に変化することになり、圧力不足が生じている状態から、圧力不足を解消して分離処理を適正に行える状態に迅速に復帰させることができる。
【0020】
従って、第2特徴構成によれば、圧力不足が生じている状態から、圧力不足を解消して分離処理を適正に行える状態に迅速に復帰させることが可能となった。
【0021】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記供給量制御手段は、前記検出圧力が予め設定されている下限値よりも高いときに、前記検出圧力に基づいて前記移送流量を変更すべく前記移送手段の作動を制御し、且つ、前記検出圧力が前記下限値よりも低いときには、前記移送手段による粒状体群の移送を停止させるべく、前記移送手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0022】
第3特徴構成によれば、圧力検出手段にて検出される検出圧力が下限値よりも高いときには、検出圧力に基づいて移送流量を変更すべく移送手段の作動を制御するが、検出圧力が下限値よりも低いときには、エアー噴出手段に供給されるエアーの圧力が低くなり過ぎて、エアー噴出手段におけるエアー噴出部からエアーを噴出させても分離すべき粒状体を吹き飛ばすことができないので、移送手段による粒状体群の移送を停止させるのである。
【0023】
従って、第3特徴構成によれば、エアーを噴出させても分離すべき粒状体を吹き飛ばすことができないほど、エアー噴出手段に供給されるエアーの圧力が低下したときは、移送手段による粒状体群の移送を停止させるので、選別が不可能な状態で無駄に粉粒体群を移送させることを回避できる。
【0024】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記移送手段は、粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がる横広がり状態にて排出させる振動フィーダと、前記振動フィーダにより排出された粒状体群を横広がり状態を維持しながら下方に流下案内する流下案内板とを備えて構成され、且つ、前記振動フィーダの振動による粒状体群の搬送速度を変更することにより、粒状体群の移送流量を変更調節するように構成されている点にある。
【0025】
第4特徴構成によれば、振動フィーダにより粒状体群を横広がり状態にて流下案内板に排出して、流下案内板により粒状体群を流下案内することにより計測対象箇所を通過させるように移送することになるが、振動フィーダから流下案内板に排出される粒状体群の排出量を変更することにより、粒状体群の移送流量を変更調節するのである。そして、振動フィーダは、振動による粒状体群の搬送速度を変更することにより流下案内板への排出量の変更を容易に行うことができる。
【0026】
従って、第4特徴構成によれば、移送流量の変更を容易に行うことができる振動フィーダを用いることで、粒状体群の移送流量の変更を簡易な制御構成にて対応できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】粒状体選別装置の側面図である。
【図2】粒状体選別装置の正面図である。
【図3】粒状体選別装置の縦断側面図である。
【図4】主枠部の構成を示す斜視図である。
【図5】要部の配置状態を示す平面図である。
【図6】要部の側面図である。
【図7】収納体配設部の構成を示す斜視図である。
【図8】収納体配設部の構成を示す斜視図である。
【図9】遮光部材配設部の斜視図である。
【図10】(a)は遮光部材配設部の斜視図、(b)は遮光部材配設部の分解斜視図である。
【図11】収納体内部の各部の構成を示す分解斜視図である。
【図12】計測対象箇所の照明状態を示す図である。
【図13】エアー噴出装置へのエアー供給状態を示す図である。
【図14】制御ブロック図である。
【図15】受光手段の受光状態を示す図である。
【図16】透過光についての適正光量範囲を示す図である。
【図17】反射光についての適正光量範囲を示す図である。
【図18】光量の度数分布を示す図である。
【図19】制御動作のフローチャートを示す図である。
【図20】制御動作のフローチャートを示す図である。
【図21】計測対象箇所からの光の受光状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る粒状体選別装置の実施形態を、粒状体群の一例として玄米や精米等の米粒群を流下案内させながら選別を行う粒状体群選別装置に適用する場合について図面に基づいて説明する。
【0029】
図1及び図2に示すように、計測対象箇所Jを通過させるように米粒群kを一層で且つ幅広状態で流下する流動状態に載置して計測対象箇所Jに向けて案内する傾斜姿勢のシュータ3C(流下案内板の一例)が備えられ、このシュータ3Cの上部側に設けた貯留ホッパー3Aから振動フィーダ3Bによって搬送されて供給された米粒群kをシュータ3Cの上面を流下させながら、光反射率が適正範囲を外れているものや光透過率が適正範囲を外れているような不良粒と良品の米粒群とを選別して不良粒を分離することができるように構成されている。
【0030】
以下、各部の構成について説明する。
図3に示すように、振動フィーダ3Bは、貯留ホッパー3Aの下部から排出される米粒群を受止める受止め載置部25と、受止め載置部25に振動を与える振動発生器26とを備えて、振動発生器26にて受止め載置部25に振動を与えてその一端部から米粒群kをシュータ3Cに繰出すように構成されている。そして、シュータ3Cは、図7に示すように、直線状の溝mを横幅方向に沿って複数列に並べる状態で形成した溝付き板にて構成され、振動フィーダ3Bによってシュータ3Cの横幅方向に沿って幅広状態に広がる状態で供給された米粒群kが複数列の溝m内を一列で流下案内されるように構成されている。
【0031】
従って、貯留ホッパー3A、振動フィーダ3B、及び、シュータ3C等により、米粒体群kを一層状態で且つ横幅方向に広がる状態で計測対象箇所Jを通過させるように移送する移送手段3が構成されている。
【0032】
又、振動フィーダ3Bは、振動発生器26の振動による米粒群kの搬送速度を変化させることにより、シュータ3Cに繰出される米粒群kの供給量、つまり、シュータ3Cによる米粒群kの移送流量を変更調節することが可能に構成されている。
【0033】
図3及び図6に示すように、米粒群kがシュータ3Cの下端部から移動落下する経路中に米粒群kに対する計測対象箇所Jが設定されており、しかも、計測対象箇所Jとして、米粒の表面で反射した反射光を計測するための反射光計測箇所J1と、米粒を透過した透過光を受光するための透過光計測箇所J2とが、米粒群の移送方向に位置を異ならせる状態で設定されている。具体的には、透過光計測箇所J2が反射光計測箇所J1よりも米粒群の移送方向の下手側に位置する状態で設定されている。
【0034】
そして、図6に示すように、計測対象箇所Jを照明する照明手段4と、計測対象箇所Jにおける米粒群kからの光を受光する受光手段5と、計測対象箇所Jよりも米粒の移送方向下手側の分離箇所において分離対象粒と他の米粒群とを分離させる分離手段としてのエアー吹き付け装置6とが備えられている。
【0035】
前記照明手段4は、図6に示すように、米粒群の移送方向視において計測対象箇所に対して一方側(具体的には装置前部側)に位置して反射光計測箇所J1を照明する一方側照明手段としての前部側照明手段4Aと、米粒群kの移送方向視において計測対象箇所Jに対して前記一方側の箇所とは180度異なる他方側(具体的には装置後部側)に位置して反射光計測箇所J1を照明する他方側照明手段としての後部側照明手段4Bとを備えて構成されている。
【0036】
又、計測対象箇所Jの装置前部側に位置する状態で透過光用の背景光量調整器4Cが備えられ、計測対象箇所Jよりも装置前部側に位置する状態で背景光形成用の前部側反射板4Dが設けられ、計測対象箇所Jよりも装置後部側に位置する状態で背景光形成用の後部側反射板4Eが設けられている。
【0037】
図6に示すように、後部側照明手段4Bは、計測対象箇所Jよりも装置後部側において、反射光計測箇所J1を装置横幅方向の全幅にわたって直接照明する2本の円柱状の蛍光灯を並べて構成される光投射体としてのライン状光源30Bと、そのライン状光源30Bが発した光を反射してその反射した光によりライン状光源30Bによる照明方向とは異なる照明方向から反射光計測箇所J1を装置横幅方向の全幅にわたって照明する光投射体としての光反射部材31Bとを備えて、反射光計測箇所J1の米粒に対して移送方向上手側及び移送方向下手側の互いに異なる照明方向から夫々反射光計測箇所J1を照明するように構成されている。
【0038】
又、ライン状光源30Bの背部には、内面につや消しの白色塗装を施した略コ字状に屈曲した拡散反射板32が配置され、又、図示はしていないが、ライン状光源30Bの近傍には、光反射部材31Bに光を導き、且つ、反射光計測箇所J2に向かう光束を米粒の移送方向に沿う幅を狭くする状態で導く投射光調整機構が備えられている(図12参照)。
【0039】
そして、光反射部材31Bは、米粒群の移送方向に対して幅狭でありライン状光源30Bの長手方向に沿って長尺の矩形状に構成され、反射面が鏡面にて構成されている。尚、ライン状光源30Bにより照明される光量と光反射部材31Bにて照明される光量とが同じ又はほぼ同じになるように、光反射部材31Bの傾斜角度が適切な角度になるように位置固定状態で取り付けられており、反射光計測箇所J1に向けて光が投射されるように構成されている。
【0040】
図6及び図11に示すように、前部側照明手段4Aは、後部側照明手段4Bと同様に、反射光計測箇所に位置する米粒群kの移送方向上手側に位置する上手側外面部分を直接照明する2本の円柱状の蛍光灯を並べて構成される光投射体としてのライン状光源30A、ライン状光源30Aの背部に設けられる拡散反射板32、ライン状光源30Aが発した光を反射して、その反射した光により反射光計測箇所J1に位置する米粒群の移送方向下手側に位置する下手側外面部分を照明する光投射体としての光反射部材31Aを備えて、反射光計測箇所J1の米粒に対して移送方向上手側及び移送方向下手側の互いに異なる照明方向から夫々反射光計測箇所J1を照明するように構成されている。
又、図示はしていないが、ライン状光源30Bの近傍には、光反射部材31Bに光を導き、且つ、反射光計測箇所J2に向かう光束を米粒の移送方向に沿う幅を狭くする状態で導く投射光調整機構が備えられている(図12参照)。
【0041】
照明手段4による計測対象箇所Jに対する照明の状態について説明する。
図12に示すように、前部側照明手段4Aは、ライン状光源30Aからの光が反射光計測箇所J2に向けて直接投射され、ライン状光源30Aからの光が光反射部材31Aに導かれて、その光反射部材31Aにて反射した光が反射光計測箇所J2に向けて投射されることになる。
そして、ライン状光源30Aから反射光計測箇所J2に向けて直接投射される照明光は、米粒の移送方向に沿う幅を反射光計測箇所J2に近づくほど狭くするように光束状に投射され、反射光計測箇所J1だけを照明するように構成されている。一方、光反射部材31Aにて反射した照明光は、米粒の移送方向に沿う幅を反射光計測箇所J2に近づくほど狭くするように光束状に投射されるが、絞り具合はライン状光源30Aに比べて緩く反射光計測箇所J1だけでなく透過光計測箇所J2も照明するように構成されている。
上述したように、前部側照明手段4Aは、装置前部側から透過光計測箇所J2に位置する粒状体を照明する構成であるから、透過光照明手段を兼用する構成となっている。
【0042】
一方、後部側照明手段4Bも、前部側照明手段4Aと同様に、図12に示すように、ライン状光源30Bからの光は反射光計測箇所J2に向けて直接投射され、又、ライン状光源30Bからの光が光反射部材31Bに導かれて、その光反射部材31Aにて反射した光が反射光計測箇所J2に向けて投射する構成となっている。そして、ライン状光源30Aから反射光計測箇所J2に向けて直接投射される照明光は、米粒の移送方向に沿う幅を反射光計測箇所J2に近づくほど狭くするように光束状に投射され、反射光計測箇所J1だけを照明するように構成されている。一方、光反射部材31Aにて反射した光は、米粒の移送方向に沿う幅を反射光計測箇所J2に近づくほど狭くするように光束状に投射されているが、絞り具合はライン状光源30Aに比べて緩く反射光計測箇所J1だけでなく透過光計測箇所J2も投射するように構成されている。
【0043】
尚、図12で例示するものでは、ライン状光源30A,30Bから直接投射される光は反射光計測箇所J1だけを投射するようになっているが、ライン状光源30A,30Bから直接投射される光が、反射光計測箇所J1だけでなく透過光計測箇所J2に投射されるように構成するものでもよい。
【0044】
しかし、後部側照明手段4Bから投射される光のうち、透過光計測箇所J2に向けて投射される光は、後述する遮光部材38によって、透過光計測箇所J2に到達することがないように遮光される構成となっている。
【0045】
図6に示すように、背景光量調整器4Cは、後述する透過光受光装置5Cから透過光計測箇所J2を見たときに背景に相当する箇所に備えられ、透過光計測箇所J2の装置横幅方向に沿って密状態で並べて設置される複数のLED発光素子33と、それらの複数のLED発光素子33が設置される領域の光投射側に配置されて複数のLED発光素子33が発光した光を拡散させる拡散板34とを備えて構成されている。
そして、図14に示すように、複数のLED発光素子33の発光出力を変更調整自在な調光装置35が備えられ、透過光受光装置5Cにて受光される背景の光量が後述する適正光量範囲内の光量値になるように調整されるように構成されている。
【0046】
図6に示すように、背景光形成用の前部側反射板4Dは、後述する後部側反射光受光装置5Bから反射光計測箇所J1を見たときに背景に相当する箇所に備えられ、所定の光反射率を備えた表面が白色の板体にて構成され、ライン状光源30Aからの光を反射して、後部側反射光受光装置5Bにて受光される背景の光量が後述する適正光量範囲内の光量値になるように構成されている。
【0047】
図6に示すように、背景光形成用の後部側反射板4Eは、後述する前部側反射光受光装置5Aから反射光計測箇所J1を見たときに背景に相当する箇所に備えられ、所定の光反射率を備えた表面が白色の板体にて構成され、ライン状光源30Bからの光を反射して、前部側反射光受光装置5Aにて受光される背景の光量が後述する適正光量範囲内の光量値になるように構成されている。
【0048】
次に、受光手段5について説明する。
図6に示すように、受光手段5は、米粒群の移送方向視において計測対象箇所Jに対して一方側としての装置前部側に位置して、反射光を受光する前部側反射光受光装置5Aと、米粒群の移送方向視において計測対象箇所Jに対して一方側の箇所とは180度異なる他方側としての装置後部側に位置して、反射光を受光する他方側の反射光受光手段としての後部側反射光受光装置5Bと、米粒群の移送方向視において計測対象箇所Jに対して装置後部側に位置して、透過光を受光する透過光受光手段としての透過光受光装置5Cとを備えて構成されている。
【0049】
さらに、説明を加えると、前部側反射光受光装置5Aは、反射光計測箇所J1において前部側照明手段4Aにて照明されて米粒の表面で反射した光を受光するように構成され、後部側反射光受光装置5Bは、反射光計測箇所J1において後部側照明手段4Bにて照明されて米粒の表面で反射した光を受光するように構成されている。又、透過光受光装置5Cは、透過光計測位置J2において前部側照明手段4Aにて照明されて米粒を透過した光を受光するように構成されている。
【0050】
図6に示すように、前記各受光装置5A,5B,5Cは、反射光計測箇所J1や透過光計測箇所J2からの光を受光する複数個の単位受光部5aを装置横幅方向に沿って並置させる状態で備えて、米粒の大きさよりも小さい範囲を単位受光対象範囲とする分解能状態で反射光計測箇所J1や透過光計測箇所J2からの検出光を受光するように構成されている。
【0051】
つまり、前記各受光装置5A,5B,5Cは、夫々、米粒群の各米粒の大きさよりも小さい範囲p(例えば米粒の大きさの10分の1よりも小さい範囲)を夫々の受光対象範囲として、それら複数の受光対象範囲に対応する受光対象範囲である複数個の単位受光部5aを幅広の計測対象箇所Jに対応させてライン状に並ぶ状態で並置されたモノクロタイプのCCDセンサ部36と、装置横幅方向に視野角を有する状態で受光した光を複数の単位受光部5aに導く集光レンズ37とを備えて構成されている。
【0052】
又、各受光装置5A,5B,5Cは、計測対象箇所Jの装置横幅方向の全幅を対象として計測対象箇所Jに位置する米粒群kの像をCCDセンサ部36の各単位受光部5a上に結像させる状態で設けられ、例えば図15において計測対象箇所Jの右端側から左端側に向けて各単位受光部5aから各受光情報が順次取り出されるように構成される。
【0053】
そして、図6に示すように、後部側照明手段4Bが反射光計測箇所J1を照明して米粒から反射した反射光が透過光受光装置5Cにて受光されることを阻止し、且つ、後部側照明手段4Bの照明光が透過光計測箇所J2に達するのを阻止すべく、前記反射光及び前記照明光を遮光する遮光部材38が設けられている。
【0054】
図9、図10、図12、及び、図13に示すように、遮光部材38は、長手方向が装置横幅方向に沿って延びる状態で設けられた略帯板状の部材からなる遮光作用部38Aと、長手方向の両側部が装置前後方向視で略コ字形に屈曲した取り付け部38Bとを備えて構成されている。遮光作用部38Aは、上面部38aと折曲がり部38bとを備える状態で帯板を略くの字状に屈曲させた形状となっており、上部面38aは、透過光計測箇所J2に近い側が高い位置にあり、透過光計測箇所J2から遠ざかる装置後部側に位置するほど下方に位置するように斜め姿勢に設けられ、米粒群kがその上部面38aに載置されることがなく下方に流動するように構成されている。この遮光部材38は、透過光計測箇所J2に極力近づけた状態で配備されている。尚、遮光部材38の取り付け構造については後述する。
【0055】
上述した如く、図12に示すように、後部側照明手段4Bにおいて、ライン状光源30Bから反射光計測箇所J2に向けて直接投射される光は、光束を米粒の移送方向に沿う幅を狭くするように絞られるが、光反射部材31Bにて反射した光は、反射光計測箇所J1だけでなく透過光計測箇所J2に向けても投射されるようになっている。そして、上記したような遮光部材38を設けることにより、後部側照明手段4Bから投射される光のうち、透過光計測箇所J2に向けて投射される光が遮光されることになる。
【0056】
又、遮光部材38は、上面部38aが米粒の移送方向に対して交差する方向に幅広に設けられており、後部側照明手段4Bからの光が反射光計測箇所J1に位置する米粒群kにて反射した光が、透過光受光装置5Cに導かれることを阻止することができるように構成されている。
【0057】
反射光計測箇所J1から前部側反射光受光装置5Aに対して光軸が折り曲がる状態で光を導く折り曲げ光路形成手段39Aが備えられている。
この折り曲げ光路形成手段39Aは、図6に示すように、反射光計測箇所J1から米粒群の移送方向に対して略直交する方向に沿って装置前部側に向かう光を斜め下方前方に反射する第1の反射体40Aと、その第1の反射体40Aにて反射した光を米粒群の移送方向と略平行に上方に反射して前部側反射光受光装置5Aに導く第2の反射体41Aとを備えて構成されている。第1の反射体40A及び第2の反射体41Aの夫々がその反射面が鏡面にて構成されて略長方形の板状に形成されている。
【0058】
前部側反射光受光装置5Aは、上述したように集光レンズ37を備えて計測対象箇所Jからの光を集光して受光するものであるから、例えば、図21に示すように、装置横幅方向に視野角を有するので装置横幅方向に沿う幅を計測対象箇所Jの幅(シュータ3Cの幅)よりも幅狭に構成することができる。この点は、他の受光装置5B,5Cも同様である。
【0059】
後部側反射光受光装置5Bに対する折り曲げ光路形成手段39Bは、前部側反射光受光装置5Aに対する折り曲げ光路形成手段39Aと同様に、第1の反射体40Bと第2の反射体41Bとを備えており、配置構成が前後で対称となるだけでそれ以外は同じ構成であるから説明は省略する。
【0060】
図6に示すように、前部側反射光受光装置5Aが受光する反射光の光軸CL1と、後部側反射光受光装置5Bが受光する反射光の光軸CL2とは、少しだけ上下方向に傾斜した状態となっているが、米粒群の移送方向に対して略直交する方向に沿う状態となるように設定されている。
【0061】
透過光受光装置5Cに対する折り曲げ光路形成手段39Cは、前部側照明手段4Aから投射されて透過光計測箇所J2を通った光を米粒群の移送方向と略平行な方向に沿って上方に向かうように反射する第1の反射体40Cと、その第1の反射体40Cにて反射した光を米粒群の移送方向に対して略直交する方向に反射して透過光受光装置5Cに導く第2の反射板41Cとを備えて構成されている。第1の反射体40C及び第2の反射体41Cの夫々がその反射面が鏡面にて構成されて略長方形の板状に形成されている。
【0062】
透過光計測箇所J2よりも米粒群の移送方向の下手側に位置する状態で分離箇所が設定され、エアー吹き付け装置6が分離すべきものとして判定された分離対象物に対してエアーを吹き付けるように構成されている。
このエアー吹き付け装置6は、エアー噴出部としての噴出ノズル6aの複数個を、計測対象箇所Jの装置横幅方向の全幅を複数個の区画に分割形成した各区画に対応する状態で並置させ、分離対象物が存在する区画の噴出ノズル6aが作動されるように構成されている。
【0063】
図14に示すように、エアー吹き付け装置6は、複数の噴出ノズル6aにエアーを分岐供給するエアーマニホールド42が備えられ、エアーマニホールド42に対して、装置外部に備えられたエアー供給源としてのエアーコンプレッサ44から塵埃除去用のフィルター47を介して圧力供給路43によりエアーが供給される。又、エアーマニホールド42から複数の噴出ノズル6a夫々へのエアーの供給を各別に断続して、エアーを噴出させない非作用状態とエアーを噴出させる作用状態とに切り換え自在な制御弁としての電磁弁45が設けられ、その各電磁弁45から、各噴出ノズル6aへの流路を形成する配管を介してエアーマニホールド42から各噴出ノズル6aにエアーが分岐供給されている。又、図14に示すように、圧力供給路43のエアーの圧力を検出する圧力検出手段としての圧力センサ48が設けられている。
【0064】
前記各噴出ノズル6aは、アルミ等の金属製のブロック体6cに形成されており、各噴出ノズル6aへエアーを供給する内部配管6bもそのブロック体6cの内部に形成されている。尚、図10に示すように、内部配管6bと接続される状態でブロック体6cの上面に形成された溝部分と上方側から装着された板部材6dとにより各噴出ノズル6aが形成されている。
【0065】
そして、図6に示すように、シュータ3Cの下端部から流下案内される米粒群kのうちで、噴出ノズル6aからのエアーの吹き付けを受けずにそのまま進行してくる正常な米粒kを回収する正常粒回収用の受口部49と、エアーの吹き付けを受けて正常な米粒kの流れから横方向に分離した分離対象物(例えば、着色米や胴割れ米等の不良米や石やガラス片等の異物等)を回収する分離物回収用の受口部50とが設けられ、正常粒回収用の受口部49が装置横幅方向に細長い筒状に形成され、その正常粒回収用の受口部49の周囲を囲むように、分離物回収用の受口部50が形成されている。
【0066】
分離物回収用の受口部50は、噴出ノズル6aからのエアーの吹き付け方向の下手側には、そのエアーにより吹き飛ばされた米粒を受止めて下方に向けて案内する受止め板50aと、吹き飛ばされた米粒を流下案内しながら回収する下窄まり状の案内板50bとからなり、分離物回収用の受口部50にて回収された分離対象物は分離物出口52から外部に排出される。
又、正常粒回収用の受口部49にて回収された米粒kは正常粒案内体53により排出用揚送搬送装置8の下部の搬送始端部に供給され、排出用揚送搬送装置8により揚送搬送され、排出口7より装置外部に排出される。
【0067】
図3及び図6に示すように、計測対象箇所Jの装置後部側、言い換えると、平面視において、米粒群の移送方向上手側に位置して、計測対象箇所Jを臨む光透過窓59を備える状態でかつ装置横幅方向に延びる状態に形成された後部側照明部収納ケース54B内に、後部側照明手段4B及び背景光形成用の後部側反射板4Eが収納されている。
【0068】
又、計測対象箇所Jの装置前部側、言い換えると、平面視において、米粒群の移送方向下手側に位置して、計測対象箇所Jを臨む光透過窓59を備える状態でかつ装置横幅方向に延びる状態に形成された前部側照明部収納ケース54A内に、前部側照明手段4A、背景光量調整器4C、背景光形成用の前部側反射板4Dが収納されている。
【0069】
そして、図7に示すように、後部側照明部収納ケース54Bと前部側照明部収納ケース54Aとが、装置横幅方向両側部に位置する側面部54cにより一体的に連結されて一つの収納体54として一体状に形成されている。
上述したように後部側照明部収納ケース54Bと前部側照明部収納ケース54Aとは、夫々、装置横幅方向に延びる状態に形成されており、後部側照明手段4B及び背景光形成用の後部側反射板4Eは、照明部収納ケース54Bにおける両側の側面部54cに図示しないブラケットにて位置固定状態で取り付けられる状態で収納されている。又、前部側照明手段4A、背景光量調整器4C、背景光形成用の前部側反射板4Dの夫々は、前部側照明部収納ケース54Aの両側の側面部54cに図示しないブラケットにて位置固定状態で取り付けられる状態で収納されている。
【0070】
従って、後部側照明部収納ケース54B内に、後部側照明手段4B及び背景光形成用の後部側反射板4Eを備えることにより、計測対象箇所Jに向けて光を投射する上手側照明部M1が構成されている。そして、この上手側照明部M1は、米粒群の移送方向における上手側箇所に位置する状態で設置されている。又、前部側照明部収納ケース54A内に前部側照明手段4A、背景光量調整器4C、背景光形成用の前部側反射板4Dを備えることにより、計測対象箇所Jに向けて光を投射する下手側照明部M2が構成されている。そして、この下手側照明部M2は、米粒群の移送方向における下手側箇所に位置する状態で設置されている。
【0071】
図6に示すように、前部側照明部収納ケース54Aの装置前部側に位置する前側面に、前部側反射光受光装置5Aを内装する前部側カメラケース部55Aと、折り曲げ光路形成手段39Aを内部に収納する前部光路形成用ケース部55Bとが一体的に形成された前部側受光部ケース55が連結支持されている。そして、上述したように前部側反射光受光装置5Aは、装置横幅方向において、計測対象箇所Jの幅よりも幅狭に設けられるものであるから、図7に示すように、前部側受光部ケース55は、装置横幅方向において収納体54よりも幅狭に形成されるものとなる。
又、図6に示すように、前部側照明部収納ケース54Aの前側面には、反射光計測箇所J1からの光が通過するための装置横幅方向に沿って細長く延びるスリット孔73が形成されている。
【0072】
従って、下手側照明部M2よりも、平面視において、米粒群の移送方向における下手側箇所に設置される下手側受光部としての前部側反射光受光装置5Aが、装置横幅方向において収納体54に収納される下手側照明部M2よりも幅狭状に形成されて、下手側照明部収納ケース54に連結支持された前部側受光用ケース55内に収納されている。
【0073】
又、図6に示すように、後部側照明部収納ケース54Bの装置後部側の後側面には、後部側反射光受光装置5Bを内装する第1の後部側カメラケース部56Aと、透過光受光装置5Cを内装する第2の後部側カメラケース部56Bと、折り曲げ光路形成手段39Bを内部に収納する後部光路形成用ケース部56Cとが一体的に形成された後部側受光部ケース56が連結支持されている。そして、上述したように後部側反射光受光装置5B及び透過光受光装置5Cは、装置横幅方向において、計測対象箇所Jの幅よりも幅狭に設けられるものであるから、図7に示すように、後部側受光部ケース56は、装置横幅方向において収納体54よりも幅狭に形成されるものとなる。
又、図6に示すように、後部側照明部収納ケース54Bの後側面には、反射光計測箇所J1からの光が通過するための装置横幅方向に沿って細長く延びるスリット孔74、及び、透過光計測箇所J2からの光が通過するための装置横幅方向に沿って細長く延びるスリット孔75が夫々形成されている。
【0074】
従って、上手側照明部M1よりも、平面視において、米粒群の移送方向における上手側箇所に設置される受光部としての後部側反射光受光装置5B及び透過光受光装置5Cが、装置横幅方向において収納体54に収納される上手側照明部M2よりも幅狭状に形成されて、下手側照明部収納ケース54に連結支持された前部側受光部ケース54内に収納されている。
【0075】
図6及び図8に示すように、後部側照明部収納ケース54Bと前部側照明部収納ケース54Aとの間に形成された米粒群が通過する空間にシュータ3が入り込む状態で設けられ、計測対象箇所よりも米粒群の移送方向下手側に位置する状態で、エアー吹き付け装置6が収納体54における両側の側面部54cにわたって架設支持される状態で取り付けられている。
【0076】
説明を加えると、図6及び図8に示すように、収納体54における両側の側面部54cにわたって架設される状態で支持ブラケット65が連結されている。この支持ブラケット65は、装置横幅方向両側部に位置するフランジ部65aが両側の側面部54cに形成されている横向きの鍔部54c1にネジ固定される状態で取り付けられている。
【0077】
そして、支持ブラケット65における前部側の枠状取付部65aにエアー吹き付け装置6を構成するブロック体6cがネジ止め固定される状態で取り付けられている。ブロック体6cのさらに前部側には、図10に示すように、正常粒回収用の受口部49を形成するための筒状の受入れ口形成部材49Aが取り付けられている。この受入れ口形成部材49Aの横側部49A1は幅広に設けられ、米粒が装置横幅方向に飛散するのを防止するようにしている。
【0078】
図6に示すように、ブロック体6cの裏面側に位置する支持ブラケット65における底面部65b上に、エアーマニホールド42、複数の電磁弁45及び複数の配管等が備えられ、それらの各装置が備えられる空間を米粒群が通過する領域と区画させる状態で覆うカバー体66が設けられている。枠状取付部65aに形成されている開口65a1を通してブロック体6aに接続することができるようになっている。
【0079】
カバー体66は支持ブラケット65に溶接あるいはネジ固定等により取り付けられており、カバー体66の上部面66aが、計測対象箇所Jに近い側が高い位置にあり、計測対象箇所Jから装置後部側に位置するほど下方に位置するように斜め姿勢に設けられ、米粒群kがその上部面66aに載置されることがなく下方に流動するように構成されている。
【0080】
そして、図8、図9及び図10に示すように、前記遮光部材38が、その装置横幅方向両側部に設けられた取り付け部38Bを溶接あるいはネジ止めにより固定される状態でカバー体66に取り付けられている。遮光部材38における遮光作用部38Aとカバー体66の上部面66aとの間には、透過光が通過するために隙間Zが形成されている。
【0081】
この粒状体群選別装置では、投入ホッパー1に投入された米粒群kを揚送搬送して貯留ホッパー3Aに供給する供給用揚送搬送装置2と、正常粒回収用の受口部49から回収された正常粒を揚送搬送して上部に設けられた排出部7から排出させるための排出用揚送搬送装置8とが、シュータ3Cにおける上手側照明部M1よりも米粒群の移送方向において上手側となる部分の横脇に、シュータ3Cの横幅方向において、上手側照明部M1の両側端部位置よりもシュータ3Cに近づくように位置された状態で装備されている。
【0082】
図1に示すように、供給用揚送搬送装置2は、平面視で矩形状の筒状枠体2Aの内部に下端側に位置する駆動輪体2aと上端側に位置する従動輪体2bとに亘って巻回された無端回動体2cに適宜間隔をあけて複数のバケット2dを備えたバケット式揚送コンベアにて構成され、図1及び図5に示すように、装置後部側の下部に備えられた投入ホッパー1に投入された米粒群kをバケット2dにより上揚搬送して貯留ホッパー3Aに供給するように構成されている。尚、貯留ホッパー3Aには、透視窓70が形成されており、米粒群kの供給状態を目視で確認できるように構成されている。
【0083】
又、図3に示すように、排出用揚送搬送装置8は、供給用揚送搬送装置2と同様に、平面視で矩形状の筒状枠体8Aの内部に下端側に位置する駆動輪体8aと上端側に位置する従動輪体8bとに亘って巻回された無端回動体8cに適宜間隔をあけて複数のバケット8dを備えたバケット式揚送コンベアにて構成され、正常粒回収用の受口部49から回収されて案内板53により流下案内される正常な米粒群kをバケットにより上揚搬送して排出部7に供給するように構成されている。
【0084】
供給用揚送搬送装置2及び排出用揚送搬送装置8は夫々、下端側に位置する駆動輪体2a,8aの各駆動軸2e,8eを同一方向に回転することにより搬送作動を行うように構成されている。
【0085】
供給用揚送搬送装置2及び排出用揚送搬送装置8の夫々の筒状枠体2A,8Aは、この粒状体選別装置の主枠部Fの一部を構成するようになっている。すなわち、図4に示すように、一対の揚送搬送装置2,8夫々の筒状枠体2A,8Aの下端部に、装置前部側すなわち、平面視において米粒群の移送方向における下手側に延びる基枠12が接続され、かつ、左右一対の側板13,14が、筒状枠体2A,8Aと基枠12とに接続される状態で設けられて、一対の筒状枠体2A,8A、基枠12、及び、左右一対の側板13,14から主枠部Fが構成されている。尚、図4では、主枠部Fの構成を理解しやすくするために他の部材は省略している。
【0086】
図4に示すように、基枠12は、左右方向の両側に位置する側部12a、それら左右の側壁部12a同士を連結する前部12bとを備えて平面視で略コ字形に構成され、又、図1に示すように、それらにより形成された内部の空間に位置する状態で且つ受け台12cにて支持される状態で電動モータ15が備えられている。
図2に示すように、この電動モータ15は出力軸15aが両側外方に向けて突出する状態で設けられ、その出力軸15aと各駆動軸2e,8eの夫々とにわたってチェーンや伝動ベルト等の無端回動体16が巻回されて、電動モータ15により各駆動軸2e,8eが同一方向に一体的に回転駆動される状態で連動連結されている。
【0087】
図4に示すように、収納体54は、装置横幅方向の両側部が左右の側板13,14に夫々連結支持される構成となっている。説明を加えると、収納体54における装置横幅方向の両側部が左右の側板13,14の夫々に形成された矩形状の挿通孔60を挿通する状態で架設支持され、収納体54における両側の側面部54cの周部に形成された鍔部が、側板13,14の挿通孔60の周囲に形成された鍔部にネジ連結される構成となっている。
【0088】
図2及び図4に示すように、左右の側板13,14の夫々の装置横幅方向における両側外方箇所には、外方側を覆う側部カバー63,64が備えられている。そして、収納体54の側面部54cに透明ガラスを備えた透過窓67が形成され、装置前部から見て右側に位置する一方の側部カバー63には、前記透過窓67及び側板13に形成された挿通孔60を通して装置外部から計測対象箇所Jを目視にて監視することができるように透視窓68が形成されている。
【0089】
図4及び図5に示すように、左右両側の側板13,14には、夫々、その周縁部を略コ字形に屈曲形成した鍔部が形成されており、この鍔部により側部カバー63,64の取り付け部を形成するとともに、側板13と側部カバー63との間、及び、側板14と側部カバー64との間に夫々、空間Q1,Q2が形成されている。
【0090】
そして、図4に示すように、右側の側板13と右側の側部カバー63との間の隙間により形成された空間Q1には、制御装置9及び図示しない電源装置等が配備され、それらは右側の側板13に位置固定状態で取り付けられる構成となっている。又、左側の側板14と左側の側部カバー64との間の隙間により形成された空間Q2には、電磁弁駆動回路29が配備され、左側の側板14に位置固定状態で取り付けられる構成となっている。
【0091】
図4に示すように、この振動フィーダ3Bを支持する支持台27が各側板13,14に亘って架設する状態で連結固定されている。この支持台27の下面側には、右側の空間Q1と左側の空間Q2とを連通する角筒状の筒状部28が一体的に連結される状態で設けられ、電磁弁駆動回路29と制御装置9とを接続する電気配線hがこの筒状部28の内部を挿通する状態で配備することができるように構成されている。
【0092】
又、ライン状光源41A,41B及び各受光装置5A,5B,5Cに接続される電気配線(図示しない)は、収納体54の内部を通して配備されて制御装置9に接続される構成となっている。このようにして、米粒が通過する計測用通過領域には、電気配線hが露出しないようにしている。米粒が通過する箇所には、例えばネズミ等の小動物が入り込むおそれがあるが、電気配線hが計測用通過領域に露出しないようにしたので、電気配線が小動物による損傷を受ける等の不利を回避できる。
【0093】
次に、制御構成について説明する。
図14に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置9が設けられ、この制御装置9に、各受光装置5A,5B,5Cからの各画像信号と、操作パネル11からの操作情報とが入力されている。図2に示すように、操作パネル11は、前カバー10に外方に臨む状態で備えられ、各種の設定を行うことができるようになっている。一方、制御装置9からは、ライン状光源30A,30Bを点灯させる駆動信号と、エアーマニホールド42から各噴出ノズル6aへの各エアの供給を断続する各電磁弁45を駆動する電磁弁駆動回路29に対する駆動信号と、振動フィーダ3B用の振動発生器26に対する駆動信号と、調光装置35への制御指令用の信号とが出力されている。
【0094】
そして、制御装置9を利用して、受光手段5の受光情報に基づいて分離対象となる粒状体(不良の米粒及び小石やガラス片等の異物を含む)(以下、分離対象物という)であるか否かを判別する粒状体判別処理を実行する評価処理手段100と、圧力センサ48の検出情報に基づいて、米粒群kの移送流量を変更すべく振動フィーダ3Bの作動を制御する供給量制御手段101とが構成されている。
制御装置9は、粒状体判別処理の判別結果に基づいて、分離対象となる粒状体であることを判別すると該当する噴出ノズル6aが作動させるべく電磁弁駆動回路29に対する駆動信号を出力するように構成されている。
【0095】
次に、評価処理手段100について説明する。
評価処理手段100は、前部側反射光受光装置5A及び後部側反射光受光装置5B夫々について、各単位受光部5aにて受光して得られた光量値が各単位受光部5a毎に予め設定されている適正光量範囲ΔEhを外れているか否かの判別を各単位受光部5a毎に行うとともに、透過光受光装置5Cの各単位受光部5aにて受光して得られた光量値が各単位受光部5a毎に設定された適正光量範囲ΔEtを外れているか否かの判別を各単位受光部5a毎に行い、これらの判別においていずれかの単位受光部5aの受光量が適正光量範囲ΔEh,ΔEtを外れている場合に分離対象物であると判別する。
【0096】
又、評価処理手段100は、各受光装置5A,5B,5Cの各単位受光部5a毎に、サンプリングにより得られた設定個数の受光量データについて、暗側から明側に亘る間を複数段階に区分けした各光量値に対する度数分布(ヒストグラムともいう)を求めて、その度数分布に基づいて適正光量範囲ΔEh,ΔEtを設定するように構成されている。
【0097】
具体的には、ライン状光源30A,30Bの照明光量が十分に安定した状態で、米粒群kを流しながら、各受光装置5A,5B,5Cの各単位受光部5aについて設定個数の受光量データをサンプリングする。尚、この場合において、前記エアー吹き付け装置6は作動させない。そして、図18に示すように、評価処理手段100は、度数分布hgにおいて暗側から明側に亘って各光量値に対する度数値が連続して存在する連続領域(図において斜線で示す)の上端部の近傍位置に対応させて上側光量値TH1を設定するとともに、その上側光量値TH1から明側に設定光量K1離れた位置に適正光量範囲の上限値T1を設定し、且つ、連続領域の下端部の近傍位置に対応させて下側光量値TH2を設定するとともに、その下側光量値TH2から暗側に設定光量K2離れた位置に前記適正光量範囲の下限値T2を設定するように構成されている。上記各設定光量K1,K2は制御定数として予め設定されている。
尚、詳述はしないが、選別作業に伴って設定時間ごとに得られる設定個数の受光量データに基づいて上側光量値TH1や下側光量値TH2を補正するようにしている。
【0098】
検出光が透過光である場合の適正光量範囲ΔEtについて説明する。
透過光の場合は、図16の透過光受光装置5Cの出力波形に示すように、各単位受光部5aの受光量に対応する出力電圧が米粒群kに対する適正光量範囲ΔEt内にある場合に正常な米粒(分離対象ではない粒状体)の存在を判別し、設定適正範囲ΔEtを外れた場合に不良米粒又は異物(分離対象物)の存在を判別する。ここで、透過光用の適正光量範囲ΔEtは、正常米粒からの標準的な透過光に対する出力電圧レベルe0を挟んで上下所定幅の範囲に設定される。
【0099】
そして、適正光量範囲ΔEtよりも小さい場合に、正常な米粒よりも透過率が小さい不良の米粒や異物等(例えば、黒色の石粒)の存在を判別し、適正光量範囲ΔEtよりも大きい場合に、正常な米粒kよりも透過率が大きい明側の不良の米粒k又は異物の存在を判別する。この明側の不良の米粒k又は異物の例としては、薄い色付の透明なガラス片等が正常な米粒kよりも透過率が大きい異物になり、又、正常な米粒kを「もち米」としたときの「うるち米」が正常な米粒kよりも透過率が大きい不良の米粒kになる。
【0100】
図16には、単位受光部5aの出力電圧(受光量)が、米粒kに一部着色部分が存在する位置や黒色の石等の位置(e1で示す)、及び、胴割れ部分が存在する位置(e2で示す)では、上記適正光量範囲ΔEtよりも下側に位置し、又、正常な米粒よりも透過率が大きい異物等が存在する場合には、位置e4に示すように適正光量範囲ΔEtよりも上側に位置している状態を例示している。
【0101】
次に、検出光が反射光である場合の適正光量範囲ΔEhについて説明する。
反射光の場合には、図17の前部側反射光受光装置5A(又は、後部側反射光受光装置5B)の出力波形に示すように、各単位受光部5aの受光量に対応する出力電圧が適正光量範囲ΔEh内にある場合に正常な米粒の存在を判別し、適正光量範囲ΔEhを外れた場合に米粒の不良又は異物の存在を判別する。ここで、反射光用の適正光量範囲ΔEhは、正常米粒からの標準的な反射光に対する出力電圧レベルe0’を挟んで上下所定幅の範囲に設定される。
【0102】
図17には、米粒kに一部着色部分が存在する位置(e1’で示す)や胴割れ部分が存在する位置(e2’で示す)では、上記適正光量範囲ΔEhから下側に外れている状態を例示し、又、ガラス片等の異物が存在する場合には、異物からの強い直接反射光によって位置e3’に示すように適正光量範囲ΔEhから上側に外れている状態を例示している。又、図示しないが、黒色の石等では、反射率が非常に小さいので、波形において適正光量範囲ΔEhから下側に大きく外れることになる。
【0103】
上記のように各受光装置5A,5B,5Cの各単位受光部5a毎に、設定及び補正される適正光量範囲ΔEt,ΔEh(透過光と反射光のいずれか対応するもの)の上限値T1及び下限値T2の値は、制御装置24内のメモリLUT(前面反射光用、後面反射光用、及び、透過光用のLUT)に、不良検出処理用のルックアップテーブルとして記憶される。
【0104】
そして、判別対象となる米粒群kを移送手段3にて移送しながら分離対象物であるか否かを判別する処理は、次のようにして行われる。
すなわち、図19に示すように、米粒群kを移送させながら各受光装置5A,5B,5Cの単位受光部5aの光量値jが位置データi(i=0〜〔単位受光部の数−1〕)に対応付けて入力される(ステップ1)。次に、各受光装置5A,5B,5Cの単位受光部5aの光量値jの判定処理を実行する(ステップ2)。具体的には、前部側反射光受光装置5A及び後部側反射光受光装置5B夫々の光量値jに基づいて、位置データi(i=0〜〔単位受光部の数−1〕)で表した各単位受光部5a毎に、光量値jが適正光量範囲ΔEh内にあれば正常な米粒であると判別し、光量値jが適正光量範囲ΔEhを外れていれば分離対象物であると判別する。又、透過光受光装置5Cについても同様に、位置データi(i=0〜〔単位受光部の数−1〕)で表した各単位受光部5a毎に、光量値jが適正光量範囲ΔEt内であるか否かが判別される。
【0105】
前部側反射光受光装置5A及び後部側反射光受光装置5Bのいずれかの単位受光部5aの光量値jが適正光量範囲ΔEhを外れており分離対象物であると判別されると、反射光計測箇所J1から分離箇所に至るのに要する第1遅延時間t1が経過したのちに、エアー吹き付け装置6における該当する噴出ノズル6aからエアーを噴出させる(ステップ3,4,7)。
【0106】
又、透過光受光装置5Cのいずれかの単位受光部5aの光量値jが適正光量範囲ΔEtを外れており分離対象物であると判別されると、透過光計測箇所J2から分離箇所に至るのに要する第2遅延時間t2が経過したのちに、エアー吹き付け装置6における該当する噴出ノズル6aからエアーを噴出させるように電磁弁駆動回路29に対する駆動信号を出力する(ステップ5,6,7)。電磁弁駆動回路29は該当する噴出ノズル6aに対応する電磁弁45を作動させて噴出ノズル6aからエアーを噴出させる。
【0107】
このように分離対象物に対してその位置に対応する区画の各噴出ノズル6aからエアーを吹き付けて正常な米粒と分離させて分離物回収用の受口部50に回収する。一方、分離対象物と判別されなかった正常な米粒は正常粒回収用の受口部49に回収する。
【0108】
分離物回収用の受口部50にて回収された分離対象物は分離物出口52から外部に排出され、正常粒回収用の受口部49にて回収された正常な米粒群kは案内板53により流下案内されて排出用揚送搬送装置8の下部の搬送始端部に供給されて、排出用揚送搬送装置8により揚送搬送され、排出口7より装置外部に排出される。
【0109】
次に、供給量制御手段101について説明する。
前記供給量制御手段101は、圧力センサ48にて検出されるエアーの圧力が、予め設定されている下限値よりも高いときに、検出圧力が低いときは検出圧力が高いときよりも移送手段3による移送流量を少なくするように、検出圧力に基づいて移送流量を変更すべく移送手段3の作動を制御し、検出圧力が下限値よりも低いときには、移送手段による米粒群kの移送を停止させるべく、移送手段3の作動を制御するように構成されている。
【0110】
具体的には、供給量制御手段101は、圧力センサ48の検出圧力Pxが予め設定された切換用判定値Ps2よりも高ければ、米粒群kの移送流量を第1設定値に調整し、且つ、検出圧力Pxが切換用判定値Ps2以下であれば粒状体群の移送流量を第1設定値よりも設定量だけ少ない第2設定値に調整する形態で、検出圧力Pxに基づいて移送流量を変更すべく移送手段3の作動を制御するように構成されている。
【0111】
さらに説明を加えると、選別対象となる粒状体群を対象として、実際に移送手段にて移送しながら、評価処理手段100にて粒状体判別処理を実行して、評価処理手段100にて分離対象となる粒状体であると判別された粒状体をエアー噴出装置6にて分離させる処理を、試験的に行って、その分離処理を適正な状態で行うことが可能な移送流量値を求め、その移送流量値を第1設定値として設定することになる。
具体的には、試験的に米粒体群kを移送しながら運転するときに、振動フィーダ3Bの移送流量を操作パネル11を操作することにより手動で変化させて、分離処理を適正な状態で行うことが可能な移送流量値を求めることになる。
【0112】
次に、選別対象となる米粒群kについての選別処理を開始すると、供給量制御手段101は、圧力検出に基づく移送手段3の流量調節処理を実行する。以下、図20のフローチャートに基づいて具体的に説明する。
流量調節処理が開始されると、圧力センサ48にて検出される検出圧力Pxが入力され(ステップ10)、その検出圧力Pxが予め設定されている下限値Ps1以下であるか否かが判断される(ステップ11)。検出圧力Pxが予め設定されている下限値Ps1以下でなく下限値Ps1より高い場合には、次に、検出圧力Pxが予め前記下限値Ps1よりも高い圧力として設定された切換用判定値Ps2以下であるか否かが判断される(ステップ12)。そして、ステップ12において、検出圧力Pxが切換用判定値Ps2以下でなく切換用判定値Ps2よりも高いことが判別されると、移送流量としては、そのままの流量すなわち、初期設定されている第1設定値に維持され、検出圧力Pxが切換用判定値Ps2以下になった場合には、図示しない報知手段(例えば、音声式報知手段やメッセージ表示式の報知手段等)によりエアー圧力が不足していることを使用者に報知して、米粒群の移送流量を第1設定値よりも設定量だけ少ない第2設定値に調整すべく移送手段3の作動を制御する(ステップ13,14)。具体的には、振動フィーダ3Bの搬送速度を変化させることにより、米粒群の移送流量を第2設定値に調整する。そして、移送流量を第2設定値に調整した後は、移送流量はその第2設定値に維持される。
【0113】
ステップ11において、検出圧力Pxが下限値Ps1以下にまで低下したことが判別されると、エアーにより分離対象物を良好に吹き飛ばして分離させることが難しいので、そのときは、図示しない報知手段(例えば、音声式報知手段やメッセージ表示式の報知手段等)により異常状態であることを報知して、振動フィーダ3Bの作動を停止する(ステップ15,16)。
【0114】
上記ステップ12において、検出圧力Pxが切換用判定値Ps2よりも高いことが判別されると、移送流量として、そのままの流量すなわち、初期設定されている第1設定値に維持される処理が、米粒群kの移送流量を第1設定値に調整する処理に対応する。
【0115】
〔別実施形態〕
次に、粉粒体検査装置の別実施形態について説明する。
【0116】
(1)上記実施形態では、検出圧力Pxが下限値Ps1よりも高い場合において、検出圧力Pxが予め設定された切換用判定値Ps2よりも高ければ、初期設定された第1設定値に維持され、検出圧力Pxが切換用判定値Ps2以下に低下すると、粒状体群の移送流量を第1設定値よりも設定量だけ少ない第2設定値に調整するようにしたが、このような構成に代えて、次の構成で実施することができる。
例えば、切換用判定値として互いに高い値から低い値まで夫々異なる複数の値を設定し、且つ、複数の切換用判定値の夫々に対して、切換用判定値が低いほど低流量となるような移送流量調整値を設定しておき、検出圧力がいずれかの切換用判定値以下にまで低下すると、その切換用判定値に対応する移送流量調整値になるように、粒状体群の移送流量を調整する構成としてもよい。
【0117】
(2)上記実施形態では、移送手段3として、直線状の溝mを経路横幅方向に沿って複数列に並べる状態で形成した溝付きのシュータ25を備える構成としたが、これに代えて、経路横幅方向の全幅にわたって平坦な案内面に形成された平面シュータを備えて構成されるものでもよい。又、粒状体群を複数列の横並び状態で移送させるものに代えて、粒状体群を1列で縦列状に並ぶ状態で移送させる構成としてもよい。
【0118】
(3)上記実施形態では、照明手段4としてライン状光源である蛍光灯を用いるようにしたが、このような構成に限らず、例えば、多数の発光ダイオード(LED)を横幅方向に並列配備したLEDアレイを用いる等、各種の形態で実施することが可能である。
【0119】
(4)上記実施形態では、計測対象箇所Jからの光を光軸方向に折り返して受光手段5に導く光反射式の折り曲げ光路形成手段39A,39B,39Cを備える構成を例示したが、このような構成に代えて、計測対象箇所Jからの光をそのまま受光手段5が受光する構成のものにも本発明は適用できる。
【0120】
(5)上記実施形態では、受光手段5として、モノクロタイプのCCDセンサ以外に、撮像管式のテレビカメラでもよい。又、モノクロタイプではなく、カラータイプのCCDセンサにて構成して、例えば、色情報R,G,B毎の受光量から不良米や異物の存否をさらに精度良く判別してもよい。
【0121】
(6)上記実施形態では、前記評価処理手段100が、前記受光手段5にて計測される光の受光量に基づいて粒状体を評価するにあたって、前記受光手段5にて計測される光の受光量が適正光量範囲(ΔEh、ΔEt)を外れていなければ正常物と判別し、受光量が適正光量範囲を外れていると異常物として判別するように構成したが、このような構成に限らず、例えば、粒状体の大きさを評価して小さい粒状体と大きい粒状体とを選別するように構成するものでもよい。
【0122】
(7)上記実施形態では、粒状体群が米粒群である場合について例示したが、これに限るものではなく、例えば、樹脂ペレット等を対象にする場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、米粒等の粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がる横広がり状態で計測対象箇所を通過させながら、分離対象となる粒状体をエアーを噴出させて他の粒状体群と異なる経路に分離させるようにした粒状体選別装置に適用できる。
【符号の説明】
【0124】
3 移送手段
3B 振動フィーダ
3C 流下案内板
4 照明手段
5 受光手段
5a 単位受光部
6 エアー噴出手段
6a エアー噴出部
44 エアー供給源
48 圧力検出手段
100 評価処理手段
101 供給量制御手段
Ps1 下限値
Ps2 切換用判定値
Px 検出圧力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がる横広がり状態で計測対象箇所を通過させるように移送する移送手段と、
前記計測対象箇所からの光を受光する複数の受光部を前記計測対象箇所の横幅方向に沿って区分けされる各部の夫々に対応させる状態で備えた受光手段と、
前記計測対象箇所の横幅方向の全幅又は略全幅を照明する照明手段と、
前記受光部が受光する光量値が適正光量範囲を外れているか否かにより分離対象となる粒状体であるか否かを判別する粒状体判別処理を前記複数の受光部毎に実行する評価処理手段と、
前記計測対象箇所よりも粒状体移送方向下手側の分離箇所において、前記評価処理手段にて分離対象となる粒状体であると判別された粒状体を他の粒状体群と異なる経路に分離させるためにエアーを噴出する複数のエアー噴出部を前記計測対象箇所の横幅方向に沿って並べて備えるエアー噴出手段とが設けられた粒状体選別装置であって、
前記移送手段が粒状体群の移送流量を変更調節自在に構成され、
エアー供給源より前記エアー噴出手段に供給されるエアーの圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段にて検出される検出圧力が低いときは検出圧力が高いときよりも前記移送流量を少なくするように、前記検出圧力に基づいて前記移送流量を変更すべく前記移送手段の作動を制御する供給量制御手段とが備えられている粒状体選別装置。
【請求項2】
前記供給量制御手段は、前記検出圧力が予め設定された切換用判定値よりも高ければ、粒状体群の移送流量を第1設定値に調整し、且つ、前記検出圧力が前記切換用判定値以下であれば粒状体群の移送流量を前記第1設定値よりも設定量だけ少ない第2設定値に調整する形態で、前記検出圧力に基づいて前記移送流量を変更すべく前記移送手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載の粒状体選別装置。
【請求項3】
前記供給量制御手段は、前記検出圧力が予め設定されている下限値よりも高いときに、前記検出圧力に基づいて前記移送流量を変更すべく前記移送手段の作動を制御し、且つ、前記検出圧力が前記下限値よりも低いときには、前記移送手段による粒状体群の移送を停止させるべく、前記移送手段の作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載の粒状体選別装置。
【請求項4】
前記移送手段は、粒状体群を一層状態で且つ横幅方向に広がる横広がり状態にて排出させる振動フィーダと、前記振動フィーダにより排出された粒状体群を横広がり状態を維持しながら下方に流下案内する流下案内板とを備えて構成され、且つ、前記振動フィーダの振動による粒状体群の搬送速度を変更することにより、粒状体群の移送流量を変更調節するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒状体選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−250194(P2012−250194A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125569(P2011−125569)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】